JP2010227887A - 排水処理方法および排水処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】界面活性剤、分散剤などの薬品が混入していても、被処理水の懸濁物質を取り除き、濁度の低い回収水を得ると共に、電気伝導度の低い回収水を得ることができる排水処理方法等を提供する。
【解決手段】被処理水に含まれる懸濁物質を無機凝集剤およびカチオン系有機凝結剤を共に添加することにより凝集させる工程と、無機凝集剤およびカチオン系有機凝結剤を添加し懸濁物質を凝集させた被処理水のpHを調整する工程と、凝集した懸濁物質を分離する工程と、を有することを特徴とする排水処理方法。
【選択図】図1
【解決手段】被処理水に含まれる懸濁物質を無機凝集剤およびカチオン系有機凝結剤を共に添加することにより凝集させる工程と、無機凝集剤およびカチオン系有機凝結剤を添加し懸濁物質を凝集させた被処理水のpHを調整する工程と、凝集した懸濁物質を分離する工程と、を有することを特徴とする排水処理方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、排水処理方法等に係り、より詳しくは懸濁物質が含まれる排水を処理する方法等に関する。
半導体製造工場、ガラスの研磨・切削工場など、研磨工程を有する工場においては、研磨を行うことにより発生する懸濁物質が含まれる排水が発生する。例えば、半導体製造工場では、基板上に形成された被膜の研磨工程において、超純水を使用して洗浄を行うため、その結果、懸濁物質として研磨屑や研磨材が含まれる排水が発生する。
一方、排水放流量の法的規制や使用する水に要するコスト削減のため、工場外部に放出する排水の量をできるだけ減らすことが求められている。そのため懸濁物質が含まれる排水についても懸濁物質を取り除き、濁度を下げて再利用するための排水処理技術が近年注目を集めている。
ここで、懸濁物質が含まれる排水に無機凝集剤を添加することで懸濁物質を凝集させ、沈殿させることで懸濁物質を除去する排水処理技術が存在する。
また特許文献1には、研磨排水中の夾雑物を濾過分離する夾雑物除去手段と、夾雑物除去手段から流出する濾過水中の微細懸濁物質を分離するUF膜分離装置と、UF膜分離装置の透過水中の溶解性物質を除去する脱塩装置とを備えてなる研磨排水処理装置が開示されている。
更に特許文献2には、被処理水に無機凝集剤を添加して懸濁物質を除去する凝集処理方法において、被処理水の無機凝集剤を添加した後のpH値が、酸性域の所定の値以下になるように、被処理水に無機酸を添加するか、或いは、その後に添加する無機凝集剤の添加量を調整して凝集させた後、又は、無機凝集剤添加前のMアルカリ度が所定の値以下、或いはpH値が酸性域の所定の値以下になるように被処理水に無機酸を添加し、その後に無機凝集剤を添加して凝集させた後、凝集水にアルカリ剤を添加して中性域で凝集フロックの分離を行うこととした凝集処理方法が開示されている。
しかしながら、研磨や切削を行った後の排水には、懸濁物質としての研磨屑や研磨材以外にも様々な成分が混入する場合が多い。
例えば、半導体製造工場、ガラスの研磨・切削工場では、界面活性剤、分散剤など研磨工程で使用する薬品が混入する。このような様々な成分が混入した排水を凝集沈殿処理し良好な濁度の回収水を得るために、無機凝集剤のみを添加する方法では、界面活性剤、分散剤が凝集作用を阻害するために多量の無機凝集剤が必要となる。この場合不経済であると共に、回収水の電気伝導度が上昇してしまい、再利用するのに不適切な水質になるという問題がある。
また、UF膜分離装置を使用する方法では、UF膜等の濾過膜が閉塞を起こしやすく、使用する濾過膜の寿命が短い。更に濾過膜は高価であるという問題もある。
更に、被処理水に無機凝集剤と無機酸を添加することで懸濁物質を除去する方法でも、回収水の電気伝導度が上昇してしまい、再利用するのに不適切な水質になるという問題がある。
例えば、半導体製造工場、ガラスの研磨・切削工場では、界面活性剤、分散剤など研磨工程で使用する薬品が混入する。このような様々な成分が混入した排水を凝集沈殿処理し良好な濁度の回収水を得るために、無機凝集剤のみを添加する方法では、界面活性剤、分散剤が凝集作用を阻害するために多量の無機凝集剤が必要となる。この場合不経済であると共に、回収水の電気伝導度が上昇してしまい、再利用するのに不適切な水質になるという問題がある。
また、UF膜分離装置を使用する方法では、UF膜等の濾過膜が閉塞を起こしやすく、使用する濾過膜の寿命が短い。更に濾過膜は高価であるという問題もある。
更に、被処理水に無機凝集剤と無機酸を添加することで懸濁物質を除去する方法でも、回収水の電気伝導度が上昇してしまい、再利用するのに不適切な水質になるという問題がある。
本発明は、従来の技術が有する上記の問題点に鑑みてなされたものである。
即ち、本発明の目的は、界面活性剤、分散剤などの薬品が混入していても、被処理水の懸濁物質を取り除き、濁度の低い回収水を得ると共に、電気伝導度の低い回収水を得ることができる排水処理方法を提供しようとするものである。
即ち、本発明の目的は、界面活性剤、分散剤などの薬品が混入していても、被処理水の懸濁物質を取り除き、濁度の低い回収水を得ると共に、電気伝導度の低い回収水を得ることができる排水処理方法を提供しようとするものである。
また他の目的は、界面活性剤、分散剤などの薬品が混入していても、被処理水の懸濁物質を取り除き、濁度が低く、加えて電気伝導度の低い回収水を経済的に得ることができる排水処理装置を提供しようとするものである。
かくして本発明によれば、被処理水に含まれる懸濁物質を無機凝集剤およびカチオン系有機凝結剤を共に添加することにより凝集させる工程と、無機凝集剤およびカチオン系有機凝結剤を添加し懸濁物質を凝集させた被処理水のpHを調整する工程と、凝集した懸濁物質を分離する工程と、を有することを特徴とする排水処理方法が提供される。
ここで、カチオン系有機凝結剤は、アクリル系、ポリアミン系、ポリジシアンジアミド系、ジアクリルアンモニウム系から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、重量平均分子量が10万以下であることが好ましい。
更に、本発明によれば、被処理水に含まれる懸濁物質を無機凝集剤とカチオン系有機凝結剤とを併用することにより生じる凝結作用により凝集させ第1の凝集粒子とする工程と、第1の凝集粒子が含まれる被処理水のpHを調整し第1の凝集粒子の表面電位を調整することにより、第1の凝集粒子を更に凝集させて第2の凝集粒子とする工程と、第2の凝集粒子を分離する工程と、を有することを特徴とする排水処理方法が提供される。
ここで、カチオン系有機凝結剤は、強カチオン性であることが好ましい。
また更に、本発明によれば、懸濁物質が含まれる被処理水に、無機凝集剤およびカチオン系有機凝結剤を添加することにより懸濁物質を凝集させる手段と、無機凝集剤およびカチオン系有機凝結剤を添加し懸濁物質を凝集させた被処理水のpHを調整する手段と、凝集した懸濁物質を分離する手段と、を有することを特徴とする排水処理装置が提供される。
ここで、凝集した懸濁物質を分離した後の被処理水を純水製造装置に送る送出手段を更に有することが好ましい。
本発明によれば、被処理水の懸濁物質を取り除き、濁度の低い回収水を得ると共に、電気伝導度の低い回収水を得ることができる排水処理方法等を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、発明の実施の形態)について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することが出来る。また、使用する図面は本実施の形態を説明するためのものであり、実際の大きさを表すものではない。
(無機凝集剤)
本実施の形態で使用する無機凝集剤は特に限定されるものではなく、一般的に利用されているものを使用できる。
例えば、ポリ塩化アルミニウム(PAC:Poly Aluminum Chloride)、硫酸アルミニウム(硫酸バンド)、塩化第二鉄、ポリ塩化第二鉄、石灰等が使用できるが、本実施の形態では凝集作用の効果の観点から、特にポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムが好適に使用できる。
この無機凝集剤は、懸濁物質が含まれる被処理水中に添加することで、懸濁物質表面の電荷を中和し、ファンデルワールス力(分子間引力)により溶媒中に分散する粒子を集合させる凝結作用により凝集を生じさせる。
無機凝集剤として、例えばポリ塩化アルミニウムを使用した場合、被処理水に添加する添加量は、酸化アルミニウム(Al2O3)の量に換算して20mg/L以内であることが好ましい。20mg/Lより多く添加すると電気伝導度が上昇しすぎるおそれがある。
本実施の形態で使用する無機凝集剤は特に限定されるものではなく、一般的に利用されているものを使用できる。
例えば、ポリ塩化アルミニウム(PAC:Poly Aluminum Chloride)、硫酸アルミニウム(硫酸バンド)、塩化第二鉄、ポリ塩化第二鉄、石灰等が使用できるが、本実施の形態では凝集作用の効果の観点から、特にポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムが好適に使用できる。
この無機凝集剤は、懸濁物質が含まれる被処理水中に添加することで、懸濁物質表面の電荷を中和し、ファンデルワールス力(分子間引力)により溶媒中に分散する粒子を集合させる凝結作用により凝集を生じさせる。
無機凝集剤として、例えばポリ塩化アルミニウムを使用した場合、被処理水に添加する添加量は、酸化アルミニウム(Al2O3)の量に換算して20mg/L以内であることが好ましい。20mg/Lより多く添加すると電気伝導度が上昇しすぎるおそれがある。
(カチオン系有機凝結剤)
本実施の形態で使用するカチオン系有機凝結剤(カチオン系の有機凝結剤)は、特に限定されないが、アクリル系、ポリアミン系、ポリジシアンジアミド系、ジアクリルアンモニウム系のものが好適に使用できる。具体的には、ハイモ株式会社製のQ−105H(ポリジシアンジアミド系)やQ−707(ポリアミン系)等が挙げられる。
本実施の形態で使用するカチオン系有機凝結剤(カチオン系の有機凝結剤)は、特に限定されないが、アクリル系、ポリアミン系、ポリジシアンジアミド系、ジアクリルアンモニウム系のものが好適に使用できる。具体的には、ハイモ株式会社製のQ−105H(ポリジシアンジアミド系)やQ−707(ポリアミン系)等が挙げられる。
なお、本実施の形態において使用するカチオン系の有機凝結剤は、いわゆる高分子凝集剤とは別個のものである。高分子凝集剤は、小さな集合体を集めて大きな集合体(フロック)を作る凝集作用により溶媒中に分散する粒子を凝集させる。そしてその重量平均分子量は通常100万以上である。一方、本実施の形態で使用するカチオン系の有機凝結剤は、上述した無機凝集剤と同様の作用により懸濁物質の凝集を行う。即ち、カチオン系の有機凝結剤を懸濁物質が含まれる被処理水中に添加することで、懸濁物質表面の電荷を中和し、ファンデルワールス力(分子間引力)により溶媒中に分散する粒子を集合させる凝結作用により凝集を生じさせる。
カチオン系有機凝結剤は、詳しくは後述するが、無機凝集剤と共に添加することにより凝結作用を促進させる効果がある。よって、被処理水に添加する添加量としては、少量でもよく、例えば無機凝集剤の添加量の1/10程度でもよい。またカチオン系有機凝結剤は、強カチオン性であることが好ましい。強イオン性のカチオン系有機凝結剤を使用することで凝結作用をより促進させることができる。より具体的には、高分子凝集剤として用いられるポリアクリル酸エステルのイオン性より強いことが好ましい。このようなカチオン系有機凝結剤を使用することで、上記の凝結作用をより促進することができる。
またその重量平均分子量は10万以下であることが好ましい。重量平均分子量が10万を超えると被処理水の粘度が上昇し、排水処理に支障が生じやすくなる。
またその重量平均分子量は10万以下であることが好ましい。重量平均分子量が10万を超えると被処理水の粘度が上昇し、排水処理に支障が生じやすくなる。
次に、図面に基づき、本実施の形態が適用される排水処理装置を具体的に説明する。
図1は、本実施の形態による排水処理装置の一例を示す図である。
図1に示す排水処理装置10は、懸濁物質が含まれる被処理水に無機凝集剤およびカチオン系有機凝結剤を添加することにより懸濁物質を凝集させる手段としての反応槽11と、無機凝集剤およびカチオン系有機凝結剤を添加し懸濁物質を凝集させた被処理水のpHを調整する手段としてのpH調整槽12と、凝集した懸濁物質を分離する手段としての沈殿槽13と、凝集した懸濁物質を分離した後の被処理水を純水製造装置に送る送出手段としてのポンプ14と、反応槽11の内部を攪拌する撹拌機15aと、pH調整槽12の内部を攪拌する撹拌機15bとを備える。そして反応槽11、pH調整槽12、沈殿槽13、ポンプ14は、ステンレス等からなる配管によって直列に接続されている。
図1は、本実施の形態による排水処理装置の一例を示す図である。
図1に示す排水処理装置10は、懸濁物質が含まれる被処理水に無機凝集剤およびカチオン系有機凝結剤を添加することにより懸濁物質を凝集させる手段としての反応槽11と、無機凝集剤およびカチオン系有機凝結剤を添加し懸濁物質を凝集させた被処理水のpHを調整する手段としてのpH調整槽12と、凝集した懸濁物質を分離する手段としての沈殿槽13と、凝集した懸濁物質を分離した後の被処理水を純水製造装置に送る送出手段としてのポンプ14と、反応槽11の内部を攪拌する撹拌機15aと、pH調整槽12の内部を攪拌する撹拌機15bとを備える。そして反応槽11、pH調整槽12、沈殿槽13、ポンプ14は、ステンレス等からなる配管によって直列に接続されている。
以下、このように構成された排水処理装置10により排水を処理する方法について説明を行う。
まず排水である被処理水を反応槽11に導入する。そして、撹拌機15aにより反応槽11の内部を攪拌しながら、図示しない投入装置により無機凝集剤およびカチオン系有機凝結剤を共に添加する。これにより、無機凝集剤とカチオン系有機凝結剤とを併用することにより生じる凝結作用が生じ、被処理水に含まれる懸濁物質が凝集する。即ち本実施の形態では、凝結作用を生じさせる無機凝集剤に加えて、同様に凝結作用を生じさせる別個の種類のカチオン系有機凝結剤を添加することで、凝結作用をより促進させることができる。よって、被処理水に界面活性剤、分散剤などの薬品が混入していても、効率的に懸濁物質の凝集を行わせることができる。このカチオン系有機凝結剤による促進効果は、少量の添加でも大きいため、カチオン系有機凝結剤の添加による電気伝導度の上昇はわずかである。また無機凝集剤の添加量が抑制できるため、この点でも電気伝導度の上昇を抑制することができる。また更にこの工程では無機酸を使用する必要がないことから、この点でも電気伝導度の上昇を抑制することができる。更に、使用する無機凝集剤やカチオン系有機凝結剤の添加量を抑制することができるため、より経済的に懸濁物質の凝集を行わせることができる。
次に、無機凝集剤およびカチオン系有機凝結剤を添加した被処理水は、pH調整槽12に導入される。導入する方法としては、ポンプ等を使用する方法もあるが、反応槽11からのオーバーフローにより、pH調整槽12に導入してもよい。
pH調整槽12では、無機凝集剤およびカチオン系有機凝結剤を添加し懸濁物質を凝集させた被処理水のpHを調整する。pHの調整は、撹拌機15bによりpH調整槽12の内部を攪拌しながら、図示しない投入装置により、例えば、塩酸、硫酸等の無機酸類、水酸化ナトリウムなどのアルカリ類を使用することで行うことができる。そしてこれにより反応槽11で凝集を生じた懸濁物質の表面電位を調整することができる。その結果、反応槽11で凝集を生じた懸濁物質は、更に凝集し、より大きく成長しやすくなる。この場合次の工程である分離作業において、より早く沈降を生じさせることができ、より迅速に分離が完了する。
pH調整槽12では、無機凝集剤およびカチオン系有機凝結剤を添加し懸濁物質を凝集させた被処理水のpHを調整する。pHの調整は、撹拌機15bによりpH調整槽12の内部を攪拌しながら、図示しない投入装置により、例えば、塩酸、硫酸等の無機酸類、水酸化ナトリウムなどのアルカリ類を使用することで行うことができる。そしてこれにより反応槽11で凝集を生じた懸濁物質の表面電位を調整することができる。その結果、反応槽11で凝集を生じた懸濁物質は、更に凝集し、より大きく成長しやすくなる。この場合次の工程である分離作業において、より早く沈降を生じさせることができ、より迅速に分離が完了する。
なお、懸濁物質の種類により反応槽11において十分な大きさまで凝集させることができる場合は、このpH調整槽12では、上記のようにいったん凝集した懸濁物質の更なる凝集を生じさせるのではなく、単なる中和反応としての機能を与えてもよい。即ち、排水処理を行った後の回収水を再利用するため、例えば、純水製造装置の原水または中間水として使用するような場合は、回収水のpHは、できるだけ中性に近いことが好ましい。よってそのための中和作業をこの工程で行うことも可能である。
次に、pHが調整された被処理水は、沈殿槽13に導入される。導入する方法としては、ポンプ等を使用する方法もあるが、pH調整槽12からのオーバーフローにより、沈殿槽13に導入してもよい。
沈殿槽13では、自然沈降させることで凝集した懸濁物質の分離を行う。なお自然沈降ではなく、遠心分離機等を利用し強制的に沈降を行ってもよい。
沈殿槽13では、自然沈降させることで凝集した懸濁物質の分離を行う。なお自然沈降ではなく、遠心分離機等を利用し強制的に沈降を行ってもよい。
凝集した懸濁物質の沈降が終了した後の被処理水は上澄み水として上層となる。そして回収水として再利用するため、ポンプ14により例えば、純水製造装置に送られる。また凝集した懸濁物質は下層となるため沈殿槽13の下部から抜き取られ、汚泥として処理される。
なお、上述したpHの調整を中和作業として行う場合は、pH調整槽12と沈殿槽13とは、逆順に接続してもよい。即ち、反応槽11で反応が終了した被処理水は、次に沈殿槽13に導入され、凝集した懸濁物質の分離が行われる。分離後の上層となる上澄み水は、次にpH調整槽12に導入され、pH調整が行われて中和される。
以下、本発明を実施例を用いてより詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限りこれらの実施例により限定されるものではない。
(実施例1)
本実施例では、排水処理装置として図1に示した排水処理装置10を用いた。
そして、無機凝集剤としてポリ塩化アルミニウム(PAC)を、カチオン系有機凝結剤として、ハイモ株式会社製のQ−105Hを用いた。
そして、反応槽11にガラス研磨を行った後の、微細なガラス粉や研磨剤等の懸濁物質が含まれる排水である被処理水を導入した。そして撹拌機15aにより回転数140rpmで攪拌を行いつつ、ポリ塩化アルミニウムおよびQ−105Hとの反応を10分間行った。なお反応前の被処理水の濁度はカオリン濁度で270mg/Lであり、電気伝導度は180μS/cmであった。
次にpH調整槽12にて、撹拌機15bにより回転数140rpmで攪拌を行いつつ、水酸化ナトリウム水溶液を使用してpHを7.0に調整した。そしてpH調整後、攪拌を10分間継続して行った。
次に沈殿槽13にて凝集した懸濁物質を自然沈降により沈殿させ、懸濁物質を分離した。
このときのポリ塩化アルミニウムとQ−105Hの使用量と、懸濁物質を分離した後の被処理水の濁度、および電気伝導度の増加量を表1に示す。なお、ポリ塩化アルミニウムの添加量は酸化アルミニウム(Al2O3)の量に換算して記載している。これは、以下の実施例、比較例においても同様である。
なお本実施例において濁度の測定には、三菱化成株式会社製の積分球濁度計SEP−PT−706Dを用いた。また電気伝導度の測定には、株式会社堀場製作所製の電気伝導度計D−54Sを用いた。
本実施例では、排水処理装置として図1に示した排水処理装置10を用いた。
そして、無機凝集剤としてポリ塩化アルミニウム(PAC)を、カチオン系有機凝結剤として、ハイモ株式会社製のQ−105Hを用いた。
そして、反応槽11にガラス研磨を行った後の、微細なガラス粉や研磨剤等の懸濁物質が含まれる排水である被処理水を導入した。そして撹拌機15aにより回転数140rpmで攪拌を行いつつ、ポリ塩化アルミニウムおよびQ−105Hとの反応を10分間行った。なお反応前の被処理水の濁度はカオリン濁度で270mg/Lであり、電気伝導度は180μS/cmであった。
次にpH調整槽12にて、撹拌機15bにより回転数140rpmで攪拌を行いつつ、水酸化ナトリウム水溶液を使用してpHを7.0に調整した。そしてpH調整後、攪拌を10分間継続して行った。
次に沈殿槽13にて凝集した懸濁物質を自然沈降により沈殿させ、懸濁物質を分離した。
このときのポリ塩化アルミニウムとQ−105Hの使用量と、懸濁物質を分離した後の被処理水の濁度、および電気伝導度の増加量を表1に示す。なお、ポリ塩化アルミニウムの添加量は酸化アルミニウム(Al2O3)の量に換算して記載している。これは、以下の実施例、比較例においても同様である。
なお本実施例において濁度の測定には、三菱化成株式会社製の積分球濁度計SEP−PT−706Dを用いた。また電気伝導度の測定には、株式会社堀場製作所製の電気伝導度計D−54Sを用いた。
(実施例2)
カチオン系有機凝結剤として、ハイモ株式会社製のQ−707を使用した以外は実施例1と同様に排水処理を行った。このときのポリ塩化アルミニウムとQ−707の使用量と、懸濁物質を分離した後の被処理水の濁度、および電気伝導度の増加量を表1に示す。
カチオン系有機凝結剤として、ハイモ株式会社製のQ−707を使用した以外は実施例1と同様に排水処理を行った。このときのポリ塩化アルミニウムとQ−707の使用量と、懸濁物質を分離した後の被処理水の濁度、および電気伝導度の増加量を表1に示す。
(比較例1)
カチオン系有機凝結剤を使用しなかった以外は実施例1と同様にして排水処理を行った。このときのポリ塩化アルミニウムの使用量と、懸濁物質を分離した後の被処理水の濁度、および電気伝導度の増加量を表1に示す。
カチオン系有機凝結剤を使用しなかった以外は実施例1と同様にして排水処理を行った。このときのポリ塩化アルミニウムの使用量と、懸濁物質を分離した後の被処理水の濁度、および電気伝導度の増加量を表1に示す。
(比較例2)
無機凝集剤としてポリ塩化アルミニウムの量を増量して添加した以外は比較例1と同様にして排水処理を行った。このときのポリ塩化アルミニウムの使用量と、懸濁物質を分離した後の被処理水の濁度、および電気伝導度の増加量を表1に示す。
無機凝集剤としてポリ塩化アルミニウムの量を増量して添加した以外は比較例1と同様にして排水処理を行った。このときのポリ塩化アルミニウムの使用量と、懸濁物質を分離した後の被処理水の濁度、および電気伝導度の増加量を表1に示す。
懸濁物質を分離した後の被処理水の濁度については、カオリン濁度で25mg/Lを基準値とし、この値以下であれば良好とした。また電気伝導度の増加量については、50μS/cmを基準値とし、この値以下であれば良好とした。
表1からわかるように、無機凝集剤としてポリ塩化アルミニウムとカチオン系有機凝結剤を共に添加した実施例1および実施例2の場合は、カオリン濁度、電気伝導度の増加量の双方について、基準値内であり良好な結果を得た。
一方、カチオン系有機凝結剤を添加せず、無機凝集剤としてポリ塩化アルミニウムを添加した比較例1の場合は、電気伝導度の増加量については基準値内であったが、カオリン濁度については、基準値を外れる結果となった。そして、ポリ塩化アルミニウムを増量した比較例2の場合は、カオリン濁度に関しては基準値内となったが、電気伝導度の増加量については基準値を外れる結果となった。
表1からわかるように、無機凝集剤としてポリ塩化アルミニウムとカチオン系有機凝結剤を共に添加した実施例1および実施例2の場合は、カオリン濁度、電気伝導度の増加量の双方について、基準値内であり良好な結果を得た。
一方、カチオン系有機凝結剤を添加せず、無機凝集剤としてポリ塩化アルミニウムを添加した比較例1の場合は、電気伝導度の増加量については基準値内であったが、カオリン濁度については、基準値を外れる結果となった。そして、ポリ塩化アルミニウムを増量した比較例2の場合は、カオリン濁度に関しては基準値内となったが、電気伝導度の増加量については基準値を外れる結果となった。
10…排水処理装置、11…反応槽、12…pH調整槽、13…沈殿槽、14…ポンプ
Claims (7)
- 被処理水に含まれる懸濁物質を無機凝集剤およびカチオン系有機凝結剤を共に添加することにより凝集させる工程と、
前記無機凝集剤および前記カチオン系有機凝結剤を添加し前記懸濁物質を凝集させた前記被処理水のpHを調整する工程と、
前記凝集した懸濁物質を分離する工程と、
を有することを特徴とする排水処理方法。 - 前記カチオン系有機凝結剤は、アクリル系、ポリアミン系、ポリジシアンジアミド系、ジアクリルアンモニウム系から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の排水処理方法。
- 前記カチオン系有機凝結剤は、重量平均分子量が10万以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の排水処理方法。
- 被処理水に含まれる懸濁物質を、無機凝集剤とカチオン系有機凝結剤とを併用することにより生じる凝結作用により凝集させ第1の凝集粒子とする工程と、
前記第1の凝集粒子が含まれる被処理水のpHを調整し当該第1の凝集粒子の表面電位を調整することにより、当該第1の凝集粒子を更に凝集させて第2の凝集粒子とする工程と、
前記第2の凝集粒子を分離する工程と、
を有することを特徴とする排水処理方法。 - 前記カチオン系有機凝結剤は、強カチオン性であることを特徴とする請求項4に記載の排水処理方法。
- 懸濁物質が含まれる被処理水に、無機凝集剤およびカチオン系有機凝結剤を添加することにより当該懸濁物質を凝集させる手段と、
前記無機凝集剤および前記カチオン系有機凝結剤を添加し前記懸濁物質を凝集させた前記被処理水のpHを調整する手段と、
前記凝集した懸濁物質を分離する手段と、
を有することを特徴とする排水処理装置。 - 前記凝集した懸濁物質を分離した後の被処理水を純水製造装置に送る送出手段を更に有することを特徴とする請求項6に記載の排水処理装置。
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