JP4272122B2 - 凝集沈殿水処理方法及び装置 - Google Patents

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Description

本発明は、河川水、地下水及び雨水ならびに下水、し尿、産業排水等を含む排水の処理水を処理する方法及び装置に関する。より詳細には、上記排水に凝集助剤と凝集剤とを添加することを特徴とする水処理方法及び装置に関する。
河川水、地下水、雨水等の水処理では、不溶解性分であるSSなどの濁度成分や藻類等を凝集沈殿処理または砂ろ過処理等の固液分離技術により処理している。このうち凝集沈殿処理方法は、排水に無機凝集剤やpH調整剤、中和剤などを添加して排水中の汚濁物質を析出させたり、無機凝集剤から生成する金属水酸化物に汚濁物質を吸着させた後に、排水から、汚濁物質を含む凝集物を沈殿槽で分離する方法である。凝集沈殿処理は、不溶解成分のみでなく、色度や有機物の除去に対しても有効な処理方法である。
河川水等に含まれうる粘土や色コロイド等の微粒子は、水中で負に帯電しており、粒子間に斥力が働いて結合することができない。したがって、これら微粒子を沈殿させるためには、粒子表面の電荷を中和して粒子間の反発を弱め、微粒子同士を結合しやすくし、粒子径を大きくする必要がある。
一般的に用いられる無機凝集剤として、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム(以下、PACとも称する)等が挙げられる。これらの無機凝集剤を被処理水に添加するとアルミニウム水酸化物が生成し、このアルミニウム水酸化物が正に帯電しているため、負に帯電した粘土などの微粒子を取り込んで凝集し、粒径が大きく沈降速度が大きいフロックとなる。
一方、より沈降速度の大きいフロックを形成するために、それ自身凝集性を高め、フロックを容易に生成させることを可能とする加重剤を添加し、凝集沈殿処理する方法も提案されている(特許文献1)。しかし、従来法には以下に示すような問題がある。
特開2003−245504号 特開2000−317220号
(1)被処理水の濁度が5度程度と低い場合、無機凝集剤を添加しても凝集反応が起こりにくく、フロックの形成及び成長に多大な時間を要する場合がある。凝集剤を添加してから沈殿池に達するまでの時間ではフロックが充分に成長せず、沈殿池でフロックの一部が沈降することができず、処理水と共に越流する可能性がある。
(2)被処理水の濁度が5度程度と低い場合、濁度成分の電気的中和に要する無機凝集剤の量は少なくてすむが、無機凝集剤の量が少ないとフロックが成長せず、したがってフロックの沈降速度が小さくなる。フロックの成長促進のために無機凝集剤を過剰に添加すると、フロックに占めるアルミニウム水酸化物の重量割合が大きくなり、密度が低く沈降速度が小さくなる。
(3)冬季など、被処理水の水温が低い場合には凝集反応が起こりにくく、フロックの形成と成長に時間を要する。
(4)凝集時に砂などの比重が大きい無機物粒子を添加する手段が提案されている(上記特許文献2)。しかし無機物粒子が有効に作用するためには無機物粒子とフロックとを充分に衝突、合体させる必要がある。このためには無機物粒子が流動するように撹拌することが必要となり、撹拌が不十分であると無機物粒子が配管や混和凝集池、フロック形成池に沈積して有効に作用しない場合がある。一方、無機物粒子が沈積しないような強力な撹拌は、大きな撹拌動力が必要であり、ランニングコストが増大する。さらに、強力な撹拌はフロックに剪断力を与えるため、フロック自身の成長を阻害することになる。
(5)凝集助剤の粒径が大きすぎると、凝集助剤が流路や槽内に沈積するおそれがあるため、この沈積を防止するために多大な撹拌動力が必要となる。逆に粒径が小さすぎると、フロックに取り込まれにくいため処理水の濁度が上昇してしまい、凝集助剤の添加の効果が低下する。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、排水処理における凝集沈殿処理を安定にかつ効率よく行う方法を提供することを目的とする。
本発明の態様は、以下の通りである:
1. 被処理水に不溶解性粒子状凝集助剤と無機凝集剤とを添加する水処理方法であって、該不溶解性凝集助剤として、被処理水に添加した場合のゼータ電位が−40mV以下であり、比重が2.0以上4.0以下である凝集助剤を用いることを特徴とする、水処理方法。
2. 前記不溶解性凝集助剤の粒度分布が、100μm以上の粒子の存在割合が5重量%以下でかつ10μm以下の粒子の存在割合が30重量%以下であることを特徴とする、上記1に記載の水処理方法。
3. 該凝集助剤の添加量が被処理水に対して5〜30mg/Lであることを特徴とする、上記1または2に記載の水処理方法。
4. 被処理水の濁度に応じて、該凝集助剤を被処理水に対して10〜30mg/Lの範囲で調節して添加することを特徴とする、上記1〜3のいずれか1つに記載の水処理方法。
5. 該凝集助剤が、二酸化珪素を含むことを特徴とする、上記1〜4のいずれか1つに記載の水処理方法。
6. 被処理水に不溶解性粒子状凝集助剤と無機凝集剤とを添加して、スラリー循環型の凝集沈殿処理を行う水処理方法であって、沈殿池のスラリ界面位置及び/又は処理水濁度に応じて該凝集助剤の添加量を調整することを特徴とする、該水処理方法。
7. 被処理水導入口、凝集助剤導入口及び処理水出口ならびに撹拌装置を備えた混合装置、
前記混合装置で処理した水の導入口、無機凝集剤導入口及び処理水出口ならびに撹拌装置を備えた、前記混合装置と接続されたもう一つの混合装置、及び
該もう一つの混合装置で処理した水の導入口、汚泥排出口及び処理水出口を備えた、前記もう一つの混合装置と接続された沈殿池
を含むことを特徴とする、水処理装置。
8. 被処理水導入口、凝集助剤導入口、無機凝集剤導入口及び処理水出口ならびに撹拌装置を備えた混合装置、及び
前記混合装置で処理した水の導入口、汚泥排出口及び処理水出口を備えた、前記混合装置と接続された沈殿池
を含むことを特徴とする、水処理装置。
9. 該沈殿池が、スラリー循環型高速凝集沈殿池であることを特徴とする、上記7又は8に記載の水処理装置。
次に、本明細書で使用する用語を説明する。
本発明の方法を適用することができる被処理水は、例えば河川水、地下水及び雨水、ならびに下水、し尿、産業排水などを含む排水の処理水など、浄化を必要とする水全般を指すものとする。
本明細書において用いる「凝集助剤」とは、フロック生成の核となり、以下に詳細に説明する凝集剤によるフロックの形成及び成長を促進し、成長したフロックの密度を増大して沈降速度を高めるために用いるものにつき、すべてこのように称するものとする。このような性質を有する物質を「フロック形成助剤」などと称することもあるが、本発明における「凝集助剤」は、「フロック形成助剤」の意味を含む。
本発明の方法において用いることができる凝集助剤は、水に不溶解性で、かつ上記被処理水に添加した場合のゼータ電位が−40mV以下であり、比重が2.0以上4.0以下であることを特徴とする。特に凝集助剤の粒度分布が、100μm以上の粒子の存在割合が5重量%以下でかつ10μm以下の粒子の存在割合が30重量%以下であることを特徴とする。以下詳しく説明する。
本発明の方法に用いる凝集助剤は、水に不溶解性であり、被処理水に添加したときのゼータ電位が−40mV以下であることが望ましい。ゼータ電位とは、液体中の粒子が動くときに、同時に動く層と動かない層とのせん断面における電位、すなわち粒子のすべり面の電位のことであり、凝集状態の良否の判定指標として広く用いられる値である。粒子のゼータ電位は、被処理水の性状により変わりうるが、通常の被処理水はほぼ中性(pH5.8〜8.6)であるため、粒子のゼータ電位の値はこの域で大きく異ならないと考えて良い。例えば、粘土粒子、一般的な色度成分、藻類などの多くは、−40mV〜−20mVの範囲のゼータ電位を有する。本発明の方法に用いる凝集助剤のゼータ電位は、好ましくは−20mV〜−40mV、さらに好ましくは−30mV〜−40mVである。このようなゼータ電位の凝集助剤は、無機凝集剤から生成するフロックに効率的に取り込まれ、処理水に残留することがほとんどないという観点から好ましい。
さらに本発明の方法に用いる凝集助剤は、その粒度分布が、100μm以上の粒子の存在割合が5重量%以下でかつ10μm以下の粒子の存在割合が30重量%以下であることが望ましい。粒径が100μm以上の粒子は、通常微粒子と呼ばれる粒子に比べて大きく、沈降速度も大きいため、沈積を防止して被処理水中に均一に分散させるためには、撹拌速度を大きくしなければならない。また凝集助剤の粒径が大きいということは、重量基準の添加量が同じでも粒子表面積は小さくなることを意味し、これにより凝集助剤と無機凝集剤との接触確率が減少しうる。したがって、凝集助剤として100μm以上の粒子があまり多く存在しないことがより好ましいと言える。さらに、10μm以下の粒子は、重量基準の添加量が同じでも粒子数が多くなることを意味し、これによりフロックに取り込まれない凝集助剤の割合も増加しうる。したがって、凝集助剤として10μm以下の粒子が必要以上に多く存在しないことが好ましいと言える。すなわち、フロックに取り込まれなかった凝集助剤が、自身で沈降し、処理水に混入することがないようにするためには、粒径が細かすぎず、かつ一定以上の沈降速度(すなわち一定以上の比重)を有することが必要となる。
そこで本発明の方法に用いることができる凝集助剤の比重は2.0以上4.0以下であることが好ましい。比重が大きすぎると、被処理水中に均一に分散させるために撹拌速度を増大させる必要が生じ、比重が小さすぎると、フロックの沈降速度を増加する作用が不十分となる上、フロックに取り込まれなかった場合に凝集助剤自身で沈降することが困難であるため、被処理水に凝集助剤が混入するおそれがある。
上述のような、負の大きな値のゼータ電位を有する物質の例として、例えば、SiOを主成分とした微細砂が挙げられる。このほか、SiOあるいはSiOを主成分とする成分を表面に有する粒子も、本発明の方法に用いる凝集助剤として有用である。このような粒子のうち、上述のような粒度分布及び比重を有するものを選択することができる。
本発明の方法に用いることができる無機凝集剤は、通常の凝集沈殿水処理方法において使用される一般的な凝集剤であればすべて好ましい。例えば、ポリ塩化アルミニウム(PAC)、硫酸ばん土、固形硫酸アルミニウム、液体硫酸アルミニウム、硫酸第二鉄等が挙げられる。
次に、本発明の実施の形態を、図面を用いて説明するが、これは本発明の実施の形態を例示的に説明するためのものであって、本発明の態様をこれに限定することを意図したものではない。
図1は、本発明の方法による水処理方法のフローの例を示す。図1において、符号は以下のものを示す;1:被処理水、2:混合設備A、3:混合設備B、4:沈殿池、5:処理水、6:凝集助剤、7:無機凝集剤。図1は、凝集助剤と無機凝集剤とを分けて段階的に被処理水に添加する方法の例である。被処理水1を混合設備Aに導入し、ここで凝集助剤6を添加し、撹拌混合する。凝集助剤6を添加した被処理水を混合設備Bに導入し、ここで無機凝集剤7を添加して撹拌混合し、フロックを形成、成長させる。凝集助剤、凝集剤を添加した被処理水を沈殿池4に導入して、形成したフロックを沈降させる。フロックが充分沈降した後、処理水としてさらに後の工程に供給する。
ここで、本発明の方法に用いることができる凝集助剤は、水に不溶解性であり、かつ上記被処理水に添加した場合のゼータ電位が−40mV以下であり、比重が2.0以上4.0以下であり、好ましくはその粒度分布が、100μm以上の粒子の存在割合が5重量%以下でかつ10μm以下の粒子の存在割合が30重量%以下であることを特徴とする。かかる凝集助剤は、粘土、色コロイド、有機コロイド等、種々の濁度成分の凝集沈殿処理において、効果的にフロックの形成及び成長を促進することができる。特に、凝集助剤のゼータ電位が−40mV以下であることは重要である。後工程において添加する凝集剤(PAC、硫酸アルミニウムなど)が水中で水酸化アルミニウムを生成する過程で、濁度成分と共に凝集助剤をも取り込んでフロックを形成するのであるが、凝集助剤のゼータ電位が−40mV以下であることでこれがフロックに取り込まれやすくなるからである。また、濁度が5度程度と非常に低い水を凝集沈殿処理により浄化する場合、凝集助剤を添加することは非常に重要である。すなわち、濁度成分が少ないと、凝集剤との接触確率が減少しフロックの形成に多大な時間を要することとなりうるため、凝集剤を多く加える必要があるが、凝集剤を多く加えすぎるとフロックの比重が低下して沈降しにくくなる場合がある。そこで凝集助剤を加えてフロックの比重を高め、沈降を促進することができるのである。図1の混合設備Aにおいて、被処理水1に凝集助剤6を添加して撹拌混合すると、通常の濁度成分(粘土、色コロイド、有機コロイドなど)のゼータ電位も負であるため、凝集助剤との間には斥力が働き、接触することはほとんどない。混合設備Bにおいて無機凝集剤7を添加し、撹拌混合すると、無機凝集剤から生成する正に帯電した水酸化アルミニウムが、濁度成分と凝集助剤とを取り込んでフロックを形成していく。このような仕組みで濁度成分を沈降させるために、被処理水のpHは好ましくは弱酸性〜中性、すなわちpH約6.5〜8.0であることが好ましい。被処理水が強酸性であると、アルミニウムが単純イオン(Al3+)の形で存在することになりフロックを形成しない。また被処理水が酸性の場合、Al3+としてアルミニウムが溶解する割合が多く、またその後の処理で被処理水を中性域にした場合に固形分が析出する。被処理水のpHが中性付近であると、Al3+と水酸化物イオンとが結合する割合が増加し、電気的に中性で不溶性の水酸化アルミニウムになる。この不溶性水酸化アルミニウムが濁度成分と凝集助剤とを取り込んでフロックになる。被処理水がアルカリ性になると、アルミニウムは負電荷(AlO )として溶解する割合が増加し、その後の処理で被処理水を中性にすると固形分が析出する。したがって、被処理水のpHをある範囲の値に維持することが好ましい。このように被処理水のpHを維持するために、pH調整剤などを使用することが特に望ましい。一般的に用いられる、金属塩(アルミニウムや鉄)による凝集沈殿処理を行う場合は、金属塩が弱酸性であるため、水に加えるとpHが低下する。このときに必要以上にpHの低下が起こると、上述のようにフロックが形成しなくなるおそれがあるため、一般的にはアルカリ剤(苛性ソーダ、石灰、重炭酸ソーダなど)を用いて被処理水のpHを調整することが望ましい。
本発明の方法に用いる凝集助剤の添加量は、被処理水の量に対して5〜40mg/リットル、好ましくは10〜30mg/リットル、より好ましくは20〜30mg/リットルの範囲で調整することができる。特に、被処理水の濁度が高い場合には、凝集助剤の添加量を低減し、逆に濁度が低い場合には、凝集剤の添加量を増加させることが好ましい。これは、先に説明したとおり、被処理水の濁度が低い場合には、濁度成分の電気的中和に要する無機凝集剤の量は少なくてすむのであるが、凝集剤の添加量が少ないとフロックが大きく成長しないため、沈降が起こりにくくなる。そこでフロックを大きくするために無機凝集剤を過剰に添加するとフロックの比重が小さくなり、沈降速度が小さくなるので、フロックの比重を増大させるために、より多くの凝集助剤を添加する必要があるのである。このように、被処理水の濁度に応じて、凝集助剤を被処理水に対して10〜30mg/Lの範囲で調節して添加することができる。
混合設備Bで添加する無機凝集剤7は、通常の凝集沈殿水処理方法において使用される一般的な凝集剤であればすべて好ましい。例えば、ポリ塩化アルミニウム(PAC)、硫酸ばん土、固形硫酸アルミニウム、液体硫酸アルミニウム、硫酸第二鉄等が挙げられる。無機凝集剤を添加して混合設備B内で混合することにより、先に添加した凝集助剤を核としたフロックを形成させる。フロックは被処理水に含まれる濁度成分を取り込んで、沈降する程度の大きさにまで成長する。
このような水を沈殿池4に導入し、ここで成長したフロックを沈殿させる。フロックの沈殿は、撹拌などを行うことなく自然に行うことができる。また、傾斜板式沈降装置の他、フロックブランケット型、スラリー循環型、フロックブランケット型とスラリー循環型の混合型、及びこれらの変形及び組合せ等の高速凝集沈殿池を用いて、効率的にフロックを沈降させることができる。このようにして、濁度の低下した、良好な水質の処理水5を得ることができる。
図2には、混合設備をひとつだけ有し、凝集助剤と無機凝集剤とをひとつの混合設備Aで添加することができる水処理フローを示す。このフローに従い処理を行うと、混合設備がひとつでよいため、設備投資が減少する。混合設備Aに被処理水1を導入し、ここで凝集助剤6と無機凝集剤7とを添加する。この際、凝集助剤と無機凝集剤の添加の順序は、凝集助剤を先に添加することが好ましく、同時に添加することもまた可能である。そして水を撹拌して凝集助剤を核としたフロックを形成させ、濁度成分を取り込んだ大きなフロックを成長させる。この水を沈殿池4に導入し、ここでフロックを沈降させる。また、傾斜板式沈降装置の他、フロックブランケット型、スラリー循環型、フロックブランケット型とスラリー循環型の混合型、及びこれらの変形及び組合せ等の高速凝集沈殿池を用いて、効率的にフロックを沈降させることができる。このようにして、濁度の低下した、良好な水質の処理水5を得ることができる。
図3は、図1に示す水処理フローのうち、特にフロックの沈降をスラリー循環型凝集沈殿池8で行う水処理フローを示したものである。スラリー循環型凝集沈殿池に代表される高速凝集沈殿池は、高濃度フロック群に微フロックを吸合させることによって短時間(1〜5分間)でフロック形成を終えることができる。特にスラリー循環型凝集沈殿池を使用すると、フロックの沈降速度が速くなるため、フロックの越流を抑制することができる。さらに、凝集助剤の添加量を合理的に削減し、過剰添加による処理コストの上昇を抑制することができるという利点もある。スラリー循環型凝集沈殿池で凝集沈殿処理を行う際、沈殿池のスラリー界面位置及び/又は処理水濁度に応じて凝集助剤の添加量を調整することが好ましい。一般にスラリー界面位置がある規定のレベルを一定時間以上超える場合には凝集助剤の添加を開始するかあるいは添加量を増加し、スラリー界面位置がある規定レベルを下回る場合には凝集助剤の添加を止めるかあるいは添加量を減少させることができる。スラリー界面位置の規定レベルは、使用するスラリー循環型凝集沈殿池や各浄水場により異なる。さらに処理水濁度が所定の値を一定時間以上超える場合には、凝集助剤の添加を開始するかあるいは添加量を増加し、処理水濁度が所定の値を下回る場合には、凝集助剤の添加を止めるかあるいは添加量を減少させることができる。処理水濁度の所定の値は、各浄水場により規定されている。このように凝集助剤の添加量を調整することによって、フロックを瞬時に効率的に沈降させることができる。
以下に、本発明の実施例を詳細に説明するが、本発明の実施の態様は本実施例に限定されるものではない。
実施例1
図3タイプのスラリー循環型凝集沈殿池を備えた凝集沈殿装置を用いて、以下の実験を行った。濁度1.1度、pH値7.9、総アルカリ度41mg/リットル(CaCO換算)の水質の河川水を被処理水として使用した。使用したスラリー循環型凝集沈殿池は、処理水量約1.2m/時、表面負荷率40mm/分のものであった。凝集助剤として、二酸化珪素を主成分とする2種の粒子と石膏粒子を使用した。それぞれ実施例1、参考例(二酸化珪素を主成分とする粒子)及び比較実施例1(石膏粒子)として使用した。各凝集助剤のゼータ電位、粒度分布、比重に関するデータを、表1に示す。
Figure 0004272122
無機凝集剤として、ポリ塩化アルミニウムを使用した。
上記被処理水を混合設備Aに1.2m/時で導入し、ここで各凝集助剤を被処理水に対して20mg/Lまたは30mg/Lの割合で添加して撹拌した。次いでこの水を混合設備Bに導入し、ここで無機凝集剤を20mg/L又は30mg/Lの割合で添加して、さらに良く撹拌した。この水をスラリー循環型凝集沈殿池に導入し、スラリー循環型凝集沈殿を行い、フロックを形成沈降させた。処理水の濁度を測定した。添加した凝集助剤及び無機凝集剤の量と、得られた処理水の濁度、及び混合設備内での凝集助剤の沈積の様子(目視による観察)を、それぞれ以下の表2に記載する。
Figure 0004272122
表2から、ゼータ電位、粒度分布及び比重が所定の値を有する実施例1の凝集助剤を用いると、混合設備内で凝集助剤が沈積することなく、かつ良好な水質の処理水を得ることができた。これに対し、ゼータ電位が+2である比較実施例1の凝集助剤を用いると、処理水の濁度が低下しておらず、混合設備内での凝集助剤の沈積も比較的多い。また、粒径が大きい参考例の凝集助剤を用いると、処理水の水質は良好であるものの、混合設備内での凝集助剤の沈積が非常に多いことが分かる。参考例の条件において凝集助剤の沈積を減少させるためには、より強い撹拌を行う必要があることが示唆された。
以上の結果より、適切なゼータ電位、粒度分布及び比重の凝集助剤を用い、かつ適切な強度の撹拌を行うことによって、凝集助剤自身が混合設備内で沈積することなく、かつ良好な水質の処理水を得ることができることが分かった。
本発明の方法により水処理を行うことにより、濁度が小さい被処理水であっても、効率的にフロックを形成、成長させ、これを沈降させることができる。
(1)本発明の水処理方法は、被処理水の濁度に応じて凝集助剤の添加量を調整するので、被処理水の濁度変動が生じる場合でも、良好な処理水を得ることができる。
(2)撹拌動力を増大することなく、無機凝集剤の添加量を増加させる必要もなく、凝集効果を改善することができる。
(3)凝集助剤を添加しないと、Al(OH)主体の、脱水性の悪い汚泥が発生するが、凝集助剤を添加することにより、Al(OH)と該凝集助剤とを含む汚泥が発生するので、汚泥の脱水性が向上し、よって汚泥処理工程の運転管理を改善できる。
本発明の方法による水処理法の一例を示すフロー図である。 本発明の方法による水処理法のもう一つの例を示すフロー図である。 本発明の方法による水処理法の別の例を示すフロー図である。
符号の説明
1:被処理水、2:混合設備A、3:混合設備B、4:沈殿池、5:処理水、6:凝集助剤、7:無機凝集剤、8:スラリー循環型凝集沈殿池

Claims (3)

  1. 被処理水に不溶解性粒子状凝集助剤と無機凝集剤とを添加する水処理方法であって、該不溶解性凝集助剤として、被処理水に添加した場合のゼータ電位が−40mV以下であり、その比重が2.0以上4.0以下であって、粒度分布が、100μm以上の粒子の存在割合が5重量%以下でかつ10μm以下の粒子の存在割合が30重量%以下である不溶解性凝集助剤を用いることを特徴とする、高速凝集沈殿法による水処理方法であって、該凝集助剤の添加量が被処理水に対して5〜40mg/Lであることを特徴とする、水処理方法。
  2. 被処理水の濁度に応じて、該凝集助剤を被処理水に対して10〜30mg/Lの範囲で調節して添加することを特徴とする、請求項1に記載の水処理方法。
  3. 該凝集助剤が、二酸化珪素を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の水処理方法。
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