JP5364298B2 - 分散剤含有水の処理方法 - Google Patents

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本発明は、硬度スケールの防止や懸濁粒子の分散などの用途で使用される分散剤を含有する原水を凝集沈殿により処理する分散剤含有水の処理方法に関する。
排水に含まれる汚濁物質を除去するための処理方法として、排水にポリ塩化アルミニウム(PAC)などの無機凝結剤と高分子凝集剤とを注入して凝集フロックを形成させ、この凝集フロックを沈降分離させる凝集沈殿法が一般的に用いられている。
一方、工場から排出される排水には、懸濁粒子の安定化や、硬度スケール防止などの目的で使用される分散剤を含有する場合が少なくない。これら分散剤は一般的にアニオン電荷を有しており、懸濁粒子に吸着して粒子どうしが互いに反発しあうように作用したり、カルシウムなどの陽イオンを封鎖して析出を抑制することによりスケール化を防止したりする。
このような分散剤を含有する排水を凝集沈殿法により処理しようとする場合、分散剤により凝集フロックの形成が阻害され、処理水質が悪化してしまう場合が多い。これは、注入した無機凝結剤がカチオン性であるため、アニオン性の分散剤と反応して消費され、無機凝結剤の注入量が不十分となるためである。
このような分散剤含有排水を処理するには、無機凝結剤を分散剤との反応分だけ過剰に注入すればよい。ところが、このような方法では、無機凝結剤の添加量が多大になってしまうため、発生汚泥量が大幅に増加してしまう。
また、別の方法として、無機凝結剤と共にカルシウム塩を添加する方法がある。この方法では、分散剤をカルシウムイオンと反応させて分散剤のアニオン基を封鎖することにより、凝集フロック形成への影響を低減することができる。カルシウム塩には、消石灰、塩化カルシウムなどが挙げられる。ところが、消石灰は水に対する溶解度が低いため、通常はスラリ状で扱われ、そのためポンプや配管などの閉塞を起こしやすく、取扱いが煩雑である点が問題である。また、カルシウム塩と分散剤との反応は化学量論的であるため、排水中の分散剤量が多いほどカルシウム塩の添加量も多くなり、発生汚泥量が大幅に増加してしまうという問題がある。
さらに、無機凝結剤の使用量を低減させるために、例えば特許文献1にはポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドなどの有機凝結剤を無機凝結剤と併用することが記載されている。また、特許文献2には、浄水用の原水にポリアミンなどの有機凝結剤または無機凝結剤と有機凝結剤とを添加、混合した後、高分子凝集剤を添加、混合する処理方法が記載されている。
特公平7−41247号公報 特許第4004016号公報
しかしながら、分散剤を含有する排水に対しては、上記のような有機凝結剤を無機凝結剤と併用しても、なお発生する汚泥の量が多く、経済的負担や環境負荷がかかるという問題を残している。
本発明は、分散剤を含有する原水の凝集沈殿による処理において、発生する汚泥の量を低減させることができる分散剤含有水の処理方法である。
本発明は、分散剤を含有する原水を凝集沈殿により処理する分散剤含有水の処理方法であって、前記分散剤は、カルボキシル基を有する少なくとも一つの構成単位を含み、前記原水のpHがの範囲であり、前記原水に無機凝結剤有機凝結剤および高分子凝集剤を添加する分散剤含有水の処理方法である。
また、前記分散剤含有水の処理方法において、前記有機凝結剤が、縮合系ポリアミンおよびポリジアルキルジアリルアンモニウム塩のうち少なくとも1つであることが好ましい。
また、前記分散剤含有水の処理方法において、前記原水に凝集助剤として粘土鉱物を添加することが好ましい。
本発明では、分散剤含有原水の凝集沈殿による処理において、カルボキシル基を有する少なくとも一つの構成単位を含む分散剤を含有する原水に、少なくとも無機凝結剤を添加することにより、発生する汚泥の量を低減させることができる。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
<水処理装置および水処理方法>
本実施形態に係る分散剤含有水の処理方法を実施するための水処理装置の一例の概略を図1に示し、その構成について説明する。水処理装置1は、pH調整槽10、反応槽12、凝集槽14、凝集沈殿槽16とを備える。
水処理装置1において、pH調整槽10、反応槽12、凝集槽14、凝集沈殿槽16の入口と出口とがそれぞれ直列に配管などを介して接続されている。pH調整槽10、反応槽12、凝集槽14にはモータ、撹拌羽根などを備える撹拌手段である撹拌装置18,22,24がそれぞれ設置されている。また、pH調整槽10にはpH測定手段であるpHメータ20が設置されている。
まず分散剤を含有する分散剤含有原水(以下、単に「原水」と呼ぶ場合がある)は、原水槽などに一時的に貯留された後、pH調整槽10に送液され、pH調整槽10において、撹拌装置18により撹拌され、pHメータ20によりpHが測定されながら、pH調整剤が添加されて所定の範囲にpH調整が行われる(pH調整工程)。原水のpHが所定の範囲であれば、原水のpH調整は行わなくてもよく、pH調整槽10も不要である。その後、pH調整が行われたpH調整液は、反応槽12に送液される。
本実施形態において処理対象となる原水としては、分散剤を含有する水であれば良く特に制限はない。例えば、半導体工場、食品工場、紙・パルプ工場、化学工場などから排出される分散剤含有排水、逆浸透膜(RO膜)処理における濃縮水、冷却水系より排出されるブロー水などである。
原水に含まれる分散剤は、通常、懸濁粒子の安定化や、硬度スケール防止などの目的で使用されるものである。この分散剤としては、カルボキシル基を有する少なくとも一つの構成単位を含むものであればよく特に制限はないが、例えば、下記構造式(1)で表される単量体単位を含むポリアクリル酸系重合体、下記構造式(1)で表される単量体単位と下記構造式(2)で表される単量体単位とを含む共重合体であるアクリル酸系多元共重合体((1)と(2)の共重合重量比率:例えば50:50〜90:10)、下記構造式(3)で表される単量体単位を含むポリマレイン酸系重合体などが挙げられる。
−(CH−CRCOOX)− (1)
−(CH−CHCONHY)− (2)
−(CROOZ−CRCOOW)− (3)
(式(1)中、Rは、水素原子またはメチル基を表し、Xは水素原子、ナトリウムなどの1価または2価の金属原子、アンモニウム基または有機アンモニウム基を表す。式(2)中、Yはアルキルスルホン酸基またはその塩を表す。式(3)中、RおよびRは、それぞれ独立して水素原子またはメチル基を表し、ZおよびWはそれぞれ独立して水素原子、1価または2価の金属原子、アンモニウム基または有機アンモニウム基を表す。)
これら分散剤の重量平均分子量は、例えば500〜50,000の範囲である。
pH調整槽10において、原水のpHはpH3〜6の範囲に調整されることが好ましく、4〜5の範囲に調整されることがより好ましい。原水のpHを、通常の凝集処理におけるpHよりも低いpH、好ましくは3〜6の範囲、より好ましくは4〜5の範囲に調整することで、分散剤が含むカルボキシル基をCOO型からCOOH型に変換させることにより、分散剤のイオン性を弱めることができる。分散剤のイオン性を弱めることにより、凝結剤の添加により生成するフロックや、粘土鉱物などの凝集助剤を添加した場合にはその粘土鉱物などに分散剤が吸着しやすくなり、分散剤を除去しやすくなると考えられる。
pH調整剤としては、塩酸、硫酸などの酸、または水酸化ナトリウム、水酸化カルシウムなどのアルカリが用いられる。
次に、反応槽12において撹拌装置22により急速撹拌されながらポンプなどによりpH調整液へ無機凝結剤が添加、混合されて、凝結反応が行われる(凝結剤添加工程)。反応槽12において急速撹拌されることにより、凝結反応が進行する。このとき、無機凝結剤の使用量を低減するために、有機凝結剤が併用されることが好ましい。その後、無機凝結剤が添加、混合された反応液は、凝集槽14に送液される。
無機凝結剤としては、一般に凝結剤として用いられる鉄系またはアルミニウム系などの無機凝結剤を使用することができる。具体的には、硫酸バンド、ポリ塩化アルミニウム(PAC)、塩化アルミニウム、ポリ硫酸第二鉄(ポリ鉄)、塩化第二鉄などおよびこれらの混合物などが挙げられる。
これら無機凝結剤の添加量は、処理対象の原水の性状などに応じて決めれば良く特に制限はないが、例えば、20mg/L〜10,000mg/Lの範囲であり、有機凝結剤と併用する場合は、例えば、10mg/L〜5,000mg/Lの範囲である。
有機凝結剤としては、一般に凝結剤として用いられるジメチルアミン・エピクロロヒドリン縮合物などのアルキレンジアミンとエピクロロヒドリンとの縮合物などの縮合系ポリアミン、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドなどのポリジアルキルジアリルアンモニウム塩などの有機凝結剤を使用することができる。
併用されてもよい有機凝結剤の添加量は、処理対象の原水の性状などに応じて決めれば良く特に制限はないが、例えば、0.1mg/L〜2,000mg/Lの範囲である。
有機凝結剤と無機凝結剤は、使用に際してそれぞれ単独で、または混合物の形態で使用してもよいが、そうした有機凝結剤や無機凝結剤、それらの混合物を、あらかじめ水などの溶媒で希釈した溶液、懸濁液などの状態で使用してもよい。有機凝結剤と無機凝結剤とを併用する場合、有機凝結剤と無機凝結剤のpH調整液への添加順序は特に問わない。
凝結剤添加工程において、無機凝結剤、有機凝結剤などの凝結剤の添加に先だって、あるいは凝結剤の添加とともに凝集助剤として粘土鉱物を添加することが好ましい。本発明者らは、分散剤の有する物理化学的吸着性能に着目し、意図的にpH調整液に添加した粘土鉱物と分散剤とを吸着させることで、無機凝結剤などの薬品の使用量をさらに低減でき、発生する汚泥の量を低減させ、処理コストを著しく抑えることができることを見出した。
粘土鉱物としては、20μm以下程度の粉体であればよく特に制限はないが、例えば、カオリン、ベントナイト、タルク、酸性白土、フライアッシュ、関東ロームなどが挙げられる。
併用されてもよい粘土鉱物の添加量は、処理対象の原水の性状などに応じて決めれば良く特に制限はないが、例えば、10mg/L〜1,000mg/Lの範囲である。処理対象の原水がRO膜処理における濃縮水などのSS成分が少ない原水(例えば、SSが100mg/L未満)である場合には、凝集助剤として粘土鉱物を添加することが好ましい。一方、原水がSS成分が多い原水(例えば、SSが100mg/L以上)である場合には、必ずしも凝集助剤として粘土鉱物を添加しなくてもよい。
次に、凝集槽14において、反応槽12から送液された反応液に対して撹拌装置24により緩速撹拌が行われながら、必要に応じて高分子凝集剤が添加、混合されて(高分子凝集剤添加工程)、凝集反応が行われ、フロックが形成される。フロックは、緩速撹拌されることにより成長する。
用いられる高分子凝集剤としては、公知のアニオン系、ノニオン系、カチオン系高分子凝集剤を挙げることができる。
アニオン系高分子凝集剤としては、ポリアクリルアミド部分加水分解物、アニオン性モノマの共重合体、アニオン性モノマとアクリルアミドなどのノニオン性モノマとの共重合体などが挙げられる。
アニオン性モノマとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、メタクリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アリルアミドエタンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−メタクリルアミドエタンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−アクリロイルオキシエタンスルホン酸、3−アクリロイルオキシプロパンスルホン酸、4−アクリロイルオキシブタンスルホン酸、2−メタクリロイルオキシエタンスルホン酸、3−メタクリロイルオキシプロパンスルホン酸、4−メタクリロイルオキシブタンスルホン酸など、およびこれらのアルカリ金属、アルカリ土類金属などの金属塩またはアンモニウム塩などが挙げられる。これらアニオン性モノマは単独で用いてもよく、2種以上を組合せて用いてもよい。
ノニオン性モノマとしては、アクリルアミド、メタクリルアミド、メタアクリロニトリル、酢酸ビニルなどが挙げられる。これらノニオン性モノマは、単独で用いてもよく、2種以上を組合せて用いてもよい。
共重合体として好ましいものは、アクリルアミド、アクリル酸塩共重合体、アクリルアミド・2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体である。
ノニオン系高分子凝集剤としては、上記のノニオン性モノマの重合体または共重合体であるが、好ましくはポリアクリルアミドである。
カチオン系高分子凝集剤としては、カチオン性モノマを必須成分として有するものであり、カチオン性モノマの共重合体またはカチオン性モノマと上記のノニオン性モノマとの共重合体などである。
カチオン性モノマとしては、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレートなどもしくはこれらの中和塩、4級塩などが挙げられる。また、分子内にアミジン単位を含有するカチオン系高分子凝集剤も使用可能である。
また、高分子凝集剤としては、カチオン性モノマ単位、アニオン性モノマ単位およびノニオン性モノマ単位を共重合したいわゆる両性高分子凝集剤も挙げることができる。
高分子凝集剤としてはアニオン系、ノニオン系、カチオン系いずれのものでもよいが、フロックの沈降性などの点でアニオン系またはノニオン系高分子凝集剤が好ましい。
高分子凝集剤は、1種を単独で使用することもできるが、2種以上を併用することもできる。高分子凝集剤の添加量は、処理対象の原水の性状などに応じて決めれば良く特に制限はないが、例えば、0.5mg/L〜10mg/Lの範囲である。
これら高分子凝集剤の重量平均分子量は、例えば500,000〜30,000,000の範囲である。
次に、凝集槽14において高分子凝集剤が添加、混合された反応液は、凝集沈殿槽16に送液される。凝集沈殿槽16に送液された反応液は、自然沈降分離などによって、フロックが濃縮された沈殿物(汚泥)と分離水(処理水)とに分離される。
凝集沈殿槽16において汚泥と分離された処理水は、次工程の生物処理工程などに送液され、その後、再利用あるいは河川などに放流される。一方、凝集沈殿槽16において処理水と分離された汚泥は、さらに濃縮処理、脱水処理などが行われる。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1〜、比較例6〜32
被処理水として、表1に示す種類の分散剤100mg/Lを含有し、表1に示すpHに調整した模擬排水(濁度0.0度)を用いて、下記に示すジャーテスタ方法による凝集沈殿試験を行った。pH調整には、塩酸(35%塩酸1:水9(体積比))または水酸化ナトリウム(5%に調製)を用いた。まず、粘土鉱物としてカオリンを200mg/L添加、混合し、次に表1に示す種類の有機凝結剤、無機凝結剤を所定の有効濃度、添加濃度で被処理水に添加、混合した。さらに、高分子凝集剤を1mg/L添加、混合した。分散剤は下記のAA/AMPSまたはPAA、有機凝結剤は下記の(A)または(B)、高分子凝集剤は下記のアニオン系のアクリル酸/アクリルアミド共重合体を使用した。なお、試験に際して有機凝結剤は2%(w/v)になるように、高分子凝集剤は0.1%(w/v)になるようにそれぞれ純水で溶解した溶液を用いた。無機凝結剤は水溶液の状態で使用した。ジャーテスタによる凝集沈殿試験結果を表1に示す。
(分散剤)
アクリル酸系二元共重合体(AA/AMPS) 100mg/LのTOC:16.4mg/L
ポリアクリル酸(PAA) 100mg/LのTOC:16.9mg/L
アクリル酸系二元共重合体は下記構造式(1)の単量体単位と下記構造式(2)の単量体単位(重量比率60:40)からなる水溶性共重合体、ポリアクリル酸は下記構造式(1)で表される単量体単位からなる水溶性単独重合体である。
−(CH−CHCOOX)− (1)
−(CH−CHCONHY)− (2)
(式(1)中、Xは水素原子、1価または2価の金属原子を表す。式(2)中、Yはアルキルスルホン酸基またはその塩を表す。)
(有機凝結剤)
(A)ジメチルアミン・エピクロロヒドリン縮合物(重量平均分子量Mw=40,000)
(B)ポリジメチルジアリルアンモニウム塩(重量平均分子量Mw=300,000)
(無機凝結剤)
PAC(ポリ塩化アルミニウム)
塩化第二鉄
(高分子凝集剤)
アクリル酸/アクリルアミド共重合体(アニオンコロイド当量値 −1.0meq/g、塩粘度150mPa・s)
(ジャーテスタ方法)
(1)表1に示すpHに調整した模擬排水を500mLビーカに分取する。
(2)粘土鉱物としてカオリンを200mg/L添加し、150rpmで60秒間撹拌する。
(3)無機凝結剤、あるいは無機凝結剤および有機凝結剤を所定量添加し、150rpmで60秒間撹拌する。
(4)高分子凝集剤を1mg/L添加し、150rpmで60秒間撹拌し、40rpmで60秒間緩速撹拌する。
(5)5分間静置後、上済み液のフロック径、濁度、TOCを測定する(TOCは上澄み液を0.45μmのフィルタでろ過した後に測定する)。
なお、フロック径は、目視により測定した。濁度測定には、測定原理として積分球式光電光度法である、日本電色工業(株)社製、「Water Analyzer 2000N」を用いた。濁度は、JIS規格JIS K0101:9.4「積分球濁度」に基づき測定した。TOCは、JIS規格JIS K0102:22.1「燃焼酸化−赤外線式TOC分析法」に基づき測定した。
Figure 0005364298
表1より、pH4〜5でTOCと濁度が共に最も低く、またフロック径は大きくなり、分散剤を処理するのに最適なpHであることがわかる。実施例1〜4と比較例13,14との比較より、無機凝結剤に加えて有機凝結剤を添加することにより、TOC(分散剤)除去性能が向上し、フロック径も大きくなることがわかる。
<比較例1〜5>
上記「ジャーテスタ方法」において、分散剤として下記のHDP(1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸)を添加したこと以外は、実施例1〜、比較例6〜32と同様にしてそれぞれ凝集沈殿処理を行った。結果を表2に示す。なお、全りん濃度は、JIS規格JIS K0102:46.3.1「ペルオキソ二硫酸カリウム分解法」に基づき測定した。
(分散剤)
1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(HDP) 100mg/Lの全りん:16.0mg/L
Figure 0005364298
比較例1〜5より、HDPのようにカルボキシル基を有さない分散剤の場合は、排水のpHが4〜5であっても全りん濃度、濁度が低下せず、分散剤を十分に処理できないことがわかる。
<実施例9,10、比較例33〜35
上記「ジャーテスタ方法」において、カオリンを添加しなかった以外は、実施例1〜、比較例6〜32と同様にしてそれぞれ凝集沈殿処理を行った。結果を表3に示す。
Figure 0005364298
実施例10より、カオリンを添加しなくても、pH4〜5でTOCと濁度が共に最も低く、分散剤を処理するのに最適なpHであることがわかる。また、実施例1,2と実施例9,10とを比較することにより、粘土鉱物としてカオリンを添加した方が、TOC(分散剤)除去性能が向上し、フロック径も大きくなることがわかる。
<実施例1112
上記「ジャーテスタ方法」において、(3)の有機凝結剤、無機凝結剤の添加後に水酸化ナトリウム(5%に調製)を用いてpHを7に調整し、150rpmで60秒間撹拌した以外は、実施例1〜、比較例6〜32と同様にしてそれぞれ凝集沈殿処理を行った。結果を表4に示す。
Figure 0005364298
実施例と実施例1112とを比較することにより、無機凝結剤、有機凝結剤を添加した後にpH調整をしない実施例の方が、処理性能が優れていることがわかる。通常の凝集沈殿処理では必要となる水酸化ナトリウムなどの中和剤による中和処理が、本処理方法では不要となる。
<実施例1314、比較例3637
被処理水として、分散剤を含有する逆浸透膜装置の濃縮水を用いて、表5の通りにpHを水酸化ナトリウム(5%に調製)を用いて調製し(比較例3637のみ)、カオリン、有機凝結剤、無機凝結剤、高分子凝集剤を使用して、上記のジャーテスタ方法による凝集沈殿試験を行った結果を表5に示す。この逆浸透膜装置の濃縮水のpHは5.0、TOCは8.2mg/Lであった。
実施例13と比較例36との比較により、pH未調整の実施例13の方が、pH調整した比較例36よりも処理性能が優れていることがわかる。また、実施例13と実施例14との比較により、カオリンを添加した方が、処理性能が優れていることがわかる。
Figure 0005364298
本発明の実施形態に係る水処理装置の一例を示す概略構成図である。
符号の説明
1 水処理装置、10 pH調整槽、12 反応槽、14 凝集槽、16 凝集沈殿槽、18,22,24 撹拌装置、20 pHメータ。

Claims (3)

  1. 分散剤を含有する原水を凝集沈殿により処理する分散剤含有水の処理方法であって、
    前記分散剤は、カルボキシル基を有する少なくとも一つの構成単位を含み、
    前記原水のpHがの範囲であり、
    前記原水に無機凝結剤有機凝結剤および高分子凝集剤を添加することを特徴とする分散剤含有水の処理方法。
  2. 請求項1に記載の分散剤含有水の処理方法であって、
    前記有機凝結剤が、縮合系ポリアミンおよびポリジアルキルジアリルアンモニウム塩のうち少なくとも1つであることを特徴とする分散剤含有水の処理方法。
  3. 請求項1または2に記載の分散剤含有水の処理方法であって、
    前記原水に凝集助剤として粘土鉱物を添加することを特徴とする分散剤含有水の処理方法。
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