JP5423256B2 - 汚泥脱水方法及び汚泥脱水装置 - Google Patents

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本発明は汚泥脱水方法及び汚泥脱水装置に係り、特に、汚泥を凝集処理した後濃縮し、濃縮汚泥に無機凝集剤を添加して脱水するに当たり、特別な攪拌槽等を用いることなく、配管注入のみで濃縮汚泥に無機凝集剤を有効に作用させて、含水率の低い脱水ケーキを効率的に得る汚泥脱水方法及び汚泥脱水装置に関する。
従来、下水、し尿又は有機性産業廃水などの排水処理で発生する汚泥の脱水方法としては、汚泥の脱水効率を高めるために、無機凝集剤と高分子凝集剤を併用して汚泥を凝集、造粒濃縮し、その後、濃縮汚泥に、再度無機凝集剤及び高分子凝集剤のいずれか一方又は双方を添加して攪拌槽等で攪拌し、その後脱水機で脱水する方法が提案されている(特許文献1,2)。
例えば、汚泥に無機凝集剤と両性高分子凝集剤を添加して凝集処理し、得られた凝集汚泥を濃縮した後、濃縮汚泥に無機凝集剤を添加することにより、これを脱水して得られる脱水ケーキの含水率をより一層低減することができる。
これは、次のような理由による。
即ち、無機凝集剤は通常酸性であるため、無機凝集剤の添加により汚泥のpHは低下する。一方、両性高分子凝集剤で凝集処理可能なpHの下限値は3.5程度であるため、汚泥のpHが3.5よりも低くなるような量の無機凝集剤を添加することは好ましくないが、脱水効率に優れた緻密で疎水化された小さなフロックを形成させるためには、無機凝集剤を汚泥のpHが2程度になるまで添加することが有効である。
しかし、このような低pHでは両性高分子凝集剤による凝集処理が困難であり、また、このような小さなフロックは、濾過、沈降速度が遅いため、濃縮効率の面では不適当である。
そこで、汚泥に無機凝集剤と両性高分子凝集剤を添加して凝集処理し、これを濃縮した後、無機凝集剤を添加する、無機凝集剤の2段添加を行うことにより、汚泥の濃縮段階では、無機凝集剤と両性高分子凝集剤とで、濃縮効率に優れた、比較的大きな凝集フロックを形成し、これを濃縮することにより、脱水機での濾過性、沈降性を改善し、その後、無機凝集剤を添加して、脱水性に優れた、緻密かつ疎水化された小さなフロックを形成することにより、汚泥処理量を低下させることなく、効率的な脱水を行って、含水率の低い脱水ケーキを得ることができるようになる。
また、このような汚泥の凝集、濃縮、脱水処理に当たり、凝集濃縮した汚泥に無機凝集剤等の薬品を添加混合するための装置(特許文献3)や、このような装置を有する脱水機(特許文献4)も提案されている。
即ち、汚泥を濃縮した場合、汚泥濃度の増加に伴って汚泥の流動性が低下する。このため、濃縮後の汚泥に対して再度薬品を添加、混合するためには、濃縮汚泥への薬品の混合のための撹拌槽、更には撹拌槽から脱水機への汚泥の移送のために特別な装置が必要となる。
特許第3509169号公報 特許第3591077号公報 特許第3439591号公報 特開平8−90294号公報
前述の如く、汚泥を無機凝集剤と両性高分子凝集剤とで凝集処理して凝集汚泥を濃縮し、濃縮汚泥に無機凝集剤を添加して脱水することにより、効率的な濃縮及び脱水を行うことができるが、濃縮汚泥に無機凝集剤を添加する場合、その添加混合のための攪拌槽等が必要となり、装置設備が大型化すると共に、操作が煩雑となる。
本発明は、凝集汚泥を濃縮し、濃縮汚泥に無機凝集剤を添加して脱水するに当たり、濃縮汚泥への無機凝集剤の添加混合に、攪拌槽等の無機凝集剤の混合のための設備を不要とした上で、含水率の低い脱水ケーキを得る汚泥脱水方法及び汚泥脱水装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、濃縮汚泥の汚泥濃度を適当な値に調整することにより、配管注入でも無機凝集剤を均一に濃縮汚泥に分散混合して、無機凝集剤による凝集作用を有効に発揮させることができ、これにより含水率の低い脱水ケーキが得られることを見出した。
本発明は、このような知見に基いて達成されたものであり、以下を要旨とする。
[1] 汚泥に凝集剤を添加混合して凝集処理する凝集工程と、該凝集工程の凝集汚泥を、傾斜スクリーン、濾布走行型、ロータリースクリーン型、又はスクリュープレス式の汚泥濃縮機或いは脱水機を用いて濃縮して濃縮汚泥と分離水とに分離する汚泥濃縮工程と、該濃縮汚泥を管路を経て脱水機に送給する濃縮汚泥送給工程と、該濃縮汚泥を脱水機で脱水する脱水工程とを有する汚泥脱水方法において、前記汚泥濃縮工程は、濃縮汚泥の汚泥濃度が1%以上3%以下となるように濃縮汚泥と分離水との分離割合を調節する工程であり、前記濃縮汚泥送給工程において、前記管路に無機凝集剤を添加することを特徴とする汚泥脱水方法。
[2] [1]において、前記凝集工程において、前記汚泥に無機凝集剤と両性高分子凝集剤を添加混合することを特徴とする汚泥脱水方法。
[3] [1]又は[2]において、前記管路に設けられたポンプの出口近傍において、前記濃縮汚泥に無機凝集剤を添加することを特徴とする汚泥脱水方法。
[4] 汚泥に無機凝集剤を添加して調質する反応器と、該反応器からの調質汚泥に両性高分子凝集剤を添加して凝集処理する凝集槽と、該凝集槽からの凝集汚泥を濃縮して汚泥濃度1%以上3%以下の濃縮汚泥と分離水とに分離する、傾斜スクリーン、濾布走行型、ロータリースクリーン型、又はスクリュープレス式の汚泥濃縮機或いは脱水機よりなる汚泥濃縮手段と、該汚泥濃縮手段からの濃縮汚泥を脱水する脱水機と、該汚泥濃縮手段と該脱水機とを連結するポンプを備える汚泥移送管路と、該管路のポンプ出口近傍に無機凝集剤を注入する無機凝集剤添加手段とを有することを特徴とする汚泥脱水装置。
本発明によれば、凝集汚泥を汚泥濃度1%以上3%以下という、限定された汚泥濃度に濃縮することにより、この濃縮汚泥への無機凝集剤の配管注入を可能とし、配管に注入された無機凝集剤を、濃縮汚泥の移送中に配管内で効率的に攪拌混合して濃縮汚泥に対して有効に反応させることが可能となる。
このため、濃縮汚泥への無機凝集剤の添加混合のための攪拌槽等の設備が不要となり、装置設備の小型化、簡易化、低コスト化、操作の簡略化を図ることができる。
本発明の実施の形態を示す汚泥脱水装置の系統図である。
以下に、図面を参照して本発明の汚泥脱水方法及び汚泥脱水装置の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態を示す汚泥脱水装置の系統図である。
図1において、汚泥の凝集処理は、凝集剤として無機凝集剤と高分子凝集剤を併用して行われるが、本発明における凝集処理で用いる凝集剤は何ら無機凝集剤と高分子凝集剤との併用に限定されず、いずれか一方のみであっても良い。ただし、凝集効果の面からは、図1に示す如く、汚泥に無機凝集剤を添加して汚泥の荷電中和とフロック核の増強を行った後、高分子凝集剤、好ましくは両性高分子凝集剤を添加して、フロックの粗大化を図ることが好ましい。
処理対象汚泥(以下「原泥」と称す。)を給泥ポンプPにより反応器1に送給する。反応器1に送給する間に原泥に無機凝集剤を配管注入し、反応器1内で原泥に無機凝集剤を混合して、汚泥の荷電の中和とフロックの増強を行う。反応器1からの調質汚泥は凝集槽2に送給する。調質汚泥を凝集槽2に送給する間に高分子凝集剤を配管注入し、凝集槽2内で攪拌混合することにより、凝集汚泥のフロックを粗大化させる。
なお、無機凝集剤は配管注入する他、反応器1に直接添加しても良く、また、高分子凝集剤についても凝集槽2に直接添加しても良い。
本発明において、処理対象となる汚泥は特に限定されないが、各種産業排水の活性汚泥処理における余剰汚泥などの有機汚泥や凝集沈殿汚泥などの無機汚泥、下水の最初沈殿池汚泥、し尿、下水の三次処理で発生する凝集汚泥、下水汚泥の嫌気性消化汚泥等を挙げることができる。
無機凝集剤としては、塩化第二鉄、ポリ硫酸鉄などの鉄系凝集剤、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、ポリ塩化アルミニウムなどのアルミニウム系凝集剤などを用いることができる。これらは1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
無機凝集剤の添加量は原泥の性状や用いる凝集剤の種類、無機凝集剤添加後に添加する高分子凝集剤の種類等によっても異なるが、原泥のSSに対して5〜50重量%、或いは原泥に対して500〜5000mg/L程度添加することが好ましい。
なお、無機凝集剤は通常酸性であり、原泥に無機凝集剤を添加することにより、汚泥のpHが下がる。無機凝集剤と併用する高分子凝集剤が両性高分子凝集剤である場合、両性高分子凝集剤で凝集処理可能なpHの下限は3.5程度であるため、無機凝集剤添加後の汚泥のpHは、3.5以上、例えば4.5〜5.0程度であることが好ましい。
一方、無機凝集剤を添加して調質した後の汚泥に添加する高分子凝集剤としては、両性高分子凝集剤を用いることが好ましい。
両性高分子凝集剤としては、カチオン性構成単位(カチオン基)量(以下「カチオン量」と称す。)を示すpH3でコロイド滴定したコロイド等量値(a値)が1.0〜3.7meq/g、アニオン性構成単位(アニオン基)量(以下「アニオン量」と称す。)とカチオン性構成単位量の差を示すpH7でコロイド滴定したコロイド等量値(b値)が−1.7〜0.7meq/gであり、かつアニオン量/カチオン量の比を示す(a−b)/aの値が0.8〜1.8の範囲にあるものが好ましい。
このような両性高分子凝集剤としては、例えばアニオン性のモノマー成分とカチオン性のモノマー成分の共重合体、アニオン性のモノマー成分、カチオン性のモノマー成分及びノニオン性のモノマー成分の共重合体、あるいはアニオン性のモノマー成分とノニオン性のモノマー成分の共重合体のマンニッヒ変性物又はホフマン分解物などを挙げることができる。
ここでアニオン性のモノマー成分としては、例えばアクリル酸(AA)、アクリル酸ナトリウム(NaA)、メタクリル酸、メタクリル酸ナトリウムなどを挙げることができる。
カチオン性のモノマーの成分としては、例えばジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート(DAM),ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、及びそれらの四級化物などを挙げることができる。四級化物としては、具体的にはジメチルアミノエチルアクリレート四級化物(DAA)などを挙げることができる。また、ジメチルアミノプロピルアクリルアミドの塩酸塩(DAPAAm)を用いても良い。
ノニオン性のモノマー成分としては、例えばアクリルアミド(AAm)、メタアクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミドなどを挙げることができる。
また、これらの共重合体として、具体的にはDAA/AA/AAm共重合体、DAM/AA/AAm共重合体、DAPAAm/AA/AAm共重合体、DAA/AA共重合体、NaA/AAm共重合体のマンニッヒ変性物などを挙げることができる。
両性高分子凝集剤の添加量についても原泥性状や用いる両性高分子凝集剤の種類等によって適宜決定されるが、通常、原泥のSSに対して0.3〜6.0重量%、或いは原泥に対して50〜500mg/L程度である。
原泥に無機凝集剤と高分子凝集剤を添加混合して凝集処理して得られた凝集汚泥は、次いで濃縮機3に送給されて濃縮され、濃縮汚泥と分離水とに分離される。
この汚泥濃縮機3としては、傾斜スクリーン(ウェッジワイヤースクリーン)、濾布走行型(ベルトプレス)、ロータリースクリーン型、スクリュープレス式の汚泥濃縮機や脱水機(例えば特開2002−331395号公報に記載のスクリュープレス式脱水機)を用いることができる。
本発明においては、このような汚泥濃縮手段により、濃縮汚泥の汚泥濃度が1%以上3%以下となるように凝集汚泥を濃縮する。なお、ここで汚泥濃度の「%」とは、質量/容量%(w/v%)の値である。
濃縮汚泥の汚泥濃度が1%未満では、汚泥濃度が低過ぎ、このような低濃度汚泥に無機凝集剤を添加しても、無機凝集剤が汚泥の凝集フロックに有効に作用せず、水側で消費されてしまうため、これを脱水しても含水率の低い脱水ケーキを得ることができない。濃縮汚泥の汚泥濃度が3%を超えると、汚泥濃度が高過ぎ、汚泥の粘性が増加するために、配管注入では、濃縮汚泥に対して無機凝集剤を十分に均一に添加混合して添加量に見合う凝集作用を得ることができない。
濃縮汚泥の汚泥濃度が1%以上3%以下、好ましくは1.3〜2.5%であれば、配管注入で無機凝集剤を濃縮汚泥に対して均一に分散混合して、その凝集効果を有効に発揮させ、これを脱水することにより含水率の低い脱水ケーキを得ることができる。
このため、本発明では、原泥への凝集剤(無機凝集剤及び高分子凝集剤)添加量や、凝集処理条件、濃縮処理条件等を制御して、より具体的には、濃縮機3に流入する汚泥流量、汚泥濃度、水量、濃縮機3で分離される分離水濃度、分離水量、濃縮汚泥流量等を制御して、汚泥濃度1.0%以上3%以下の濃縮汚泥を得る。
濃縮機3で汚泥濃度1%以上3%以下に濃縮された濃縮汚泥は、濃縮汚泥ポンプPで脱水機4に送給される。本発明においては、このポンプPで脱水機4に送給される濃縮汚泥に無機凝集剤を配管注入する。
即ち、本発明では、凝集汚泥を、汚泥濃度1%以上3%以下という適度な濃度に濃縮するため、この濃縮汚泥に対して配管注入で無機凝集剤を均一に添加混合することができ、無機凝集剤の混合のための攪拌槽を不要とすることができる。
無機凝集剤は、特に、濃縮汚泥ポンプPの出口側の近傍で、汚泥移送配管に注入することが好ましく、これにより、ポンプPから吐出された直後の高速の濃縮汚泥流に対して、無機凝集剤を十分に均一に混合することが可能となる。また、無機凝集剤が添加された後の濃縮汚泥は、脱水機4に到るまでに、ある程度の距離を配管内で移送されることが好ましく、これにより、移送中に無機凝集剤が濃縮汚泥に均一に混合される。このポンプPの出口側近傍とは、ポンプPの汚泥吐出口と汚泥移送配管の無機凝集剤注入点との距離として200cm以内、例えば15〜50cm程度の箇所であることが好ましい。
また、無機凝集剤注入点から脱水機までの配管距離としては、300cm以上、例えば500cm程度であることが好ましい。
濃縮汚泥への無機凝集剤の添加量としては、原泥の性状や、用いる無機凝集剤の種類、目的とする脱水ケーキの含水率、その他用いる装置の仕様や処理条件等に応じて適宜決定されるが、通常濃縮汚泥に対して500〜3000mg/L程度とすることが好ましい。添加量(mg)は、通常、原泥の給泥量(L)あたりで表示する。この無機凝集剤の添加量が少な過ぎると、凝集効果が不足して、低含水率の脱水ケーキを得ることができず、多過ぎてもその添加量に見合う脱水ケーキの含水率の低減効果は得られず、凝集剤コストが高くつく。
無機凝集剤としては、前述の原泥の凝集処理に用いる無機凝集剤として例示したものの1種又は2種以上を用いることができる。原泥の凝集処理に用いる無機凝集剤と、濃縮汚泥に添加する無機凝集剤とは同一であっても、異なるものであっても良い。
濃縮汚泥移送配管において、無機凝集剤が注入され、配管内を移送する間に添加された無機凝集剤が十分に混合された濃縮汚泥は、次いで脱水機4で脱水される。この脱水機4としては特に制限はなく、ベルトプレス型脱水機、遠心脱水機、真空脱水機、スクリュープレス、フィルタプレス等の従来公知の脱水機をいずれも使用可能である。
本発明においては、このような脱水機で、無機凝集剤が添加混合され、フロックが緻密かつ疎水化された濃縮汚泥を効率的に脱水して、含水率72〜79%程度の低含水率の脱水ケーキを得ることができる。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
なお、実施例及び比較例において用いた凝集剤は以下の通りである。
無機凝集剤:ポリ硫酸鉄
高分子凝集剤1:栗田工業株式会社製アクリレート系両性高分子凝集剤「クリフューチャーPF−831」
高分子凝集剤2:栗田工業株式会社製アクリレート系両性高分子凝集剤「クリフューチャーPF−833」
高分子凝集剤3:栗田工業株式会社製アクリレート系両性高分子凝集剤「クリフィックスEC−204」
実施例においては、図1に示す汚泥脱水装置を用いた。図1における反応器1、凝集槽2、濃縮機3及び濃縮汚泥ポンプPについては、栗田工業株式会社製汚泥濃縮装置アナティス(登録商標)を用いた。
脱水機4としては、ベルトプレス型脱水機(栗田工業株式会社製「ハイドプレス」)を用いた。
濃縮汚泥への無機凝集剤の注入点は、濃縮汚泥ポンプPの出口から30cmの配管位置とした。また、この無機凝集剤の注入点から脱水機4の汚泥投入口までの配管距離は400cmであった。
比較例1においても図1に示す汚泥脱水装置を用いた。
[汚泥脱水実験I]
<実施例I−1〜3、比較例I−1,2>
A食品工場排水の生物処理余剰汚泥(汚泥濃度0.74〜0.83%)を原泥とし、この原泥を給泥ポンプPで給泥し、無機凝集剤を添加した後、反応器1で攪拌して調質し、調質汚泥に高分子凝集剤1を添加して凝集槽2で凝集処理した後、濃縮機3で濃縮し、濃縮汚泥をポンプPで脱水機4に送給した。
実施例I−1〜3では、ポンプPの出口側近傍で無機凝集剤を配管注入した。
比較例I−1,2も同様にポンプPの出口側近傍で無機凝集剤を配管注入した。
この処理における原泥濃度、給泥量、凝集工程での無機凝集剤及び高分子凝集剤の添加量、濃縮工程での濃縮倍率、濃縮汚泥の濃度、濃縮汚泥への無機凝集剤添加量、得られた脱水ケーキの含水率、汚泥処理量を表1に示す。
Figure 0005423256
[汚泥脱水実験II]
<実施例II−1,2、比較例II−1>
B食品工場排水の生物処理余剰汚泥(汚泥濃度1.11〜1.19%)を原泥とし、この原泥を給泥ポンプPで給泥し、無機凝集剤を添加した後、反応器1で攪拌して調質し、調質汚泥に高分子凝集剤1を添加して凝集槽2で凝集処理した後、濃縮機3で濃縮し、濃縮汚泥をポンプPで脱水機4に送給した。
実施例II−1,2では、ポンプPの出口側近傍で無機凝集剤を配管注入した。
比較例II−1も同様にポンプPの出口側近傍で無機凝集剤を配管注入した。
この処理における原泥濃度、給泥量、凝集工程での無機凝集剤及び高分子凝集剤の添加量、濃縮工程での濃縮倍率、濃縮汚泥の濃度、濃縮汚泥への無機凝集剤添加量、得られた脱水ケーキの含水率、汚泥処理量を表2に示す。
Figure 0005423256
[汚泥脱水実験III]
<実施例III−1〜3、比較例III−1>
C食品工場排水の生物処理余剰汚泥(汚泥濃度0.46〜0.71%)を原泥とし、この原泥を給泥ポンプPで給泥し、無機凝集剤を添加した後、反応器1で攪拌して調質し、調質汚泥に高分子凝集剤1を添加して凝集槽2で凝集処理した後、濃縮機3で濃縮し、濃縮汚泥をポンプPで脱水機4に送給した。
実施例III−1〜3では、ポンプPの出口側近傍で無機凝集剤を配管注入した。
比較例II−1では、攪拌槽5において濃縮汚泥に無機凝集剤を添加混合した。
この処理における原泥濃度、給泥量、凝集工程での無機凝集剤及び高分子凝集剤の添加量、濃縮工程での濃縮倍率、濃縮汚泥の濃度、濃縮汚泥への無機凝集剤添加量、得られた脱水ケーキの含水率、汚泥処理量を表3に示す。
Figure 0005423256
[考察]
実験Iは、原泥濃度0.74〜0.83%での実験であり、給泥量6m/h、濃縮汚泥濃度3.33%の比較例I−1では、得られた脱水ケーキの含水率は78.0%であった。また、濃縮汚泥濃度0.74%の比較例I−2では、脱水ケーキの含水率は79.2%であったのに対して、濃縮汚泥濃度2.08〜2.96%とした実施例I−1〜3では、得られた脱水ケーキの含水率は72.8〜75.5%と著しく低減された。
実験IIは、原泥濃度1.11〜1.19%での実験であり、給泥量12m/h、濃縮汚泥濃度3.21%の比較例II−1は、得られた脱水ケーキの含水率は81.1%であったが、濃縮汚泥濃度2.22%、2.38%の実施例II−1,2では、得られた脱水ケーキの含水率は78.8%、78.5%に低減された。
実験IIIは、原泥濃度0.46〜0.71%での実験であり、給泥量4m/h、濃縮汚泥濃度0.7%の比較例III−1では、得られた脱水ケーキの含水率は83.3%であったが、濃縮汚泥濃度1.38〜2.13%の実施例III−1〜3では、得られた脱水ケーキの含水率は77.5〜78.7%となった。
これらの結果から、濃縮汚泥濃度が1%以上3%以下の場合には、無機凝集剤の配管注入でも、無機凝集剤を濃縮汚泥に対して十分に均一に分散混合して無機凝集剤による凝集効果を有効に発揮させることができるが、濃縮汚泥濃度が3%を超える場合は、汚泥の粘性が増加するため、攪拌槽を設けても無機凝集剤の濃縮汚泥への混合撹拌が十分に行われず、添加した無機凝集剤が有効に作用し難いことから、その後の脱水工程で、十分な脱水を行うことができず、また、濃縮汚泥濃度が1%未満の場合には、凝集したフロックに無機凝集剤が有効に作用せずに水側で消費されてしまうため、この場合も、脱水効率が劣るものとなり、得られる脱水ケーキの含水率が十分に低減しないことが考えられる。
1 反応器
2 凝集槽
3 濃縮機
4 脱水機

Claims (4)

  1. 汚泥に凝集剤を添加混合して凝集処理する凝集工程と、
    該凝集工程の凝集汚泥を、傾斜スクリーン、濾布走行型、ロータリースクリーン型、又はスクリュープレス式の汚泥濃縮機或いは脱水機を用いて濃縮して濃縮汚泥と分離水とに分離する汚泥濃縮工程と、
    該濃縮汚泥を管路を経て脱水機に送給する濃縮汚泥送給工程と、
    該濃縮汚泥を脱水機で脱水する脱水工程と
    を有する汚泥脱水方法において、
    前記汚泥濃縮工程は、濃縮汚泥の汚泥濃度が1%以上3%以下となるように濃縮汚泥と分離水との分離割合を調節する工程であり、前記濃縮汚泥送給工程において、前記管路に無機凝集剤を添加することを特徴とする汚泥脱水方法。
  2. 請求項1において、前記凝集工程において、前記汚泥に無機凝集剤と両性高分子凝集剤を添加混合することを特徴とする汚泥脱水方法。
  3. 請求項1又は2において、前記管路に設けられたポンプの出口近傍において、前記濃縮汚泥に無機凝集剤を添加することを特徴とする汚泥脱水方法。
  4. 汚泥に無機凝集剤を添加して調質する反応器と、
    該反応器からの調質汚泥に両性高分子凝集剤を添加して凝集処理する凝集槽と、
    該凝集槽からの凝集汚泥を濃縮して汚泥濃度1%以上3%以下の濃縮汚泥と分離水とに分離する、傾斜スクリーン、濾布走行型、ロータリースクリーン型、又はスクリュープレス式の汚泥濃縮機或いは脱水機よりなる汚泥濃縮手段と、
    該汚泥濃縮手段からの濃縮汚泥を脱水する脱水機と、
    該汚泥濃縮手段と該脱水機とを連結するポンプを備える汚泥移送管路と、
    該管路のポンプ出口近傍に無機凝集剤を注入する無機凝集剤添加手段とを有することを特徴とする汚泥脱水装置。
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