JP6378865B2 - 汚泥の処理方法及び装置 - Google Patents

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本発明は、汚泥の処理方法及び処理装置に関する。例えば、廃水処理施設や浄水処理施設などから排出される汚泥を減容化するための脱水処理において、汚泥を凝集させるための処理方法及びそれに用いる処理装置に関する。
廃棄物量を削減し、環境負荷を低減することが求められる中、廃水処理施設や浄水処理施設などから排出される汚泥を減容化するための脱水処理技術は極めて重要であり、より効率的な汚泥の脱水処理技術が望まれている。
汚泥の脱水処理は、凝集剤を用いて汚泥を凝集させる凝集工程と、脱水機により凝集汚泥を脱水する脱水工程とから構成されるのが一般的である。汚泥の脱水処理における成功の可否は、凝集剤によって如何に効果的に凝集させることができるかに依るところが大きい。
凝集剤を利用して汚泥を凝集させる方法のうち、高分子凝集剤を利用すると共に、汚泥を撹拌する際の回転速度が異なる2段階の撹拌工程により、汚泥を凝集させる方法が知られている。
例えば特開昭57−130599号公報(特許文献1)には、汚泥に対し、汚泥の電荷と反対の電荷を有する第1の高分子凝集剤を添加して第1の撹拌を行い、次いで第1の高分子凝集剤と反対の電荷を有する第2の高分子凝集剤を添加して第2の撹拌を行い、生成したフロックを脱水する方法において、第1の撹拌はフロックを生成しないか、または生成したフロック径が2mm以下となるような強い撹拌であることを特徴とする汚泥脱水法が開示されている。
特開昭62−277200号公報(特許文献2)には、両性の高分子凝集剤を用いて有機質汚泥を凝集するに当って、第1段処理において該汚泥と該両性の高分子凝集剤の一部とを比較的強撹拌の下で接触させ、第2段処理において前記の第1段処理汚泥と該両性の高分子凝集剤の残部とを比較的弱撹拌の下で接触させることを特徴とする、汚泥の凝集処理方法が開示されている。
特開平11−57800号公報(特許文献3)には、有機性汚泥に無機凝集剤および第1のポリマーとして両性ポリマーを添加して強撹拌し、さらに第2のポリマーとして両性ポリマーを添加して緩速撹拌した後、加圧脱水することを特徴とする汚泥脱水方法が開示されている。
特開2006-263514号公報(特許文献4)には、濁水に無機系凝集剤Aを添加して撹拌混合した後、これに有機系凝集剤Bを添加し、緩速撹拌してフロックLを生成し、該フロックLに無機系凝集剤Cを添加して撹拌混合し、前記フロックLを分解又は破壊した後、これを脱水処理することを特徴とする濁水の凝集脱水処理方法が開示されている。
特開昭57−130599号公報 特開昭62−277200号公報 特開平11−57800号公報 特開2006-263514号公報
本発明の目的は、高分子凝集剤を用いて回転速度が異なる2段階の撹拌工程により汚泥を凝集させる方法に関し、脱水ケーキの含水率を低減して廃棄物量をより一層削減することができ、しかも、脱水ろ液の色度を低減することができる、新たな汚泥の処理方法及び処理装置を提供することにある。
本発明は、アニオン性高分子凝集剤、ノニオン性高分子凝集剤、カチオン性高分子凝集剤、両性高分子凝集剤のいずれかの種類のうちから選択される、分子量450万以上である第1の高分子凝集剤の溶液を、被処理物としての汚泥に加え、回転速度を1000rpm以上に設定された少なくとも1つの撹拌機により、前記汚泥と前記第1の高分子凝集剤の溶液とを20秒以下で混合して混合汚泥を調製する混合汚泥調製工程と、前記第1の高分子凝集剤で選択された前記種類のうちから選択される第2の高分子凝集剤の溶液を前記混合汚泥に加え、前記混合汚泥と前記第2の高分子凝集剤の溶液とを混合して凝集フロックを形成して凝集汚泥を得る凝集フロック形成工程とを有し、前記混合汚泥調製工程の前に、被処理物としての汚泥に無機凝集剤を加える無機凝集剤・前添加工程を導入することを提案する。
そして、この汚泥の処理方法を実施するための装置として、無機凝集剤を汚泥に加える手段を備えた無機凝集剤添加機と、アニオン性高分子凝集剤、ノニオン性高分子凝集剤、カチオン性高分子凝集剤、両性高分子凝集剤のいずれかの種類から選択される、分子量450万以上である第1の高分子凝集剤の溶液を前記汚泥に加える手段、及び、回転速度を1000rpm以上に設定された少なくとも1つの撹拌機を備え、前記汚泥と前記第1の高分子凝集剤の溶液とを20秒以下で混合して混合汚泥を調製する混合汚泥調製装置と、前記第1の高分子凝集剤で選択された前記種類のうちから選択される第2の高分子凝集剤の溶液を前記混合汚泥に加える手段、及び、前記混合汚泥と前記第2の高分子凝集剤の溶液とを混合して凝集フロックを形成して凝集汚泥を得る凝集フロック形成装置と、を備えた汚泥の処理装置を提案する。
本発明はまた、上記の汚泥の処理方法において、無機凝集剤・前添加工程を導入する代わりに、前記凝集フロック形成工程の後に、凝集フロック形成工程で得られた凝集汚泥を濃縮して濃縮汚泥を得る濃縮工程と、濃縮工程で得た濃縮汚泥に無機凝集剤を加える無機凝集剤・後添加工程とを導入することを提案する。
そして、この汚泥の処理方法を実施するための装置として、アニオン性高分子凝集剤、ノニオン性高分子凝集剤、カチオン性高分子凝集剤、両性高分子凝集剤のいずれかの種類から選択される、分子量450万以上である第1の高分子凝集剤の溶液を、汚泥に加える手段、及び、回転速度を1000rpm以上に設定された少なくとも1つの撹拌機を備え、前記汚泥と前記第1の高分子凝集剤の溶液とを20秒以下で混合して混合汚泥を調製する混合汚泥調製装置と、前記第1の高分子凝集剤で選択された前記種類のうちから選択される第2の高分子凝集剤の溶液を前記混合汚泥に加える手段、及び、前記混合汚泥と前記第2の高分子凝集剤の溶液とを混合して凝集フロックを形成して凝集汚泥を得る凝集フロック形成装置と、前記凝集汚泥を濃縮する汚泥濃縮機と、汚泥濃縮機から排出された濃縮汚泥に無機凝集剤を添加する無機凝集剤添加機と、を備えた汚泥の処理装置を提案する。
高分子凝集剤は、一般的に粘性が高いために汚泥の細部まで均一に凝集剤を行き渡らせることが難しい。本発明では、混合汚泥調製工程において高速撹拌することによって、高分子凝集剤を汚泥の細部まで均一に分散させることができ、汚泥の表面電荷の中和と、高分子の吸着又は架橋作用による凝集とを同時に行わせることができる。そして、次の凝集フロック形成工程で、前記混合汚泥調製工程で得られた混合汚泥に高分子凝集剤を比較的ゆっくりと撹拌混合することにより、大きな凝集フロックを形成させることができ、ろ過性のよい凝集汚泥を形成できる。この結果、最終的に得られる脱水ケーキの含水率を効果的に低減することができ、さらには高分子凝集剤の使用量を低減することもできる。
また、高速撹拌によって高濃度の高分子凝集剤を使用できるため、高分子凝集剤の使用量を削減することができ、設備の小型化、省エネルギー化を図ることができる。さらには、脱水ろ液を水処理系に返流する場合、返流水量を削減することができるため、水処理系全体の省エネルギー化及び省スペース化を図ることができる。
さらに、無機凝集剤を前添加或いは後添加することにより、脱水ケーキの含水率をさらに低減できるばかりか、脱水ろ液の色度を低減することができる。
このように、本発明が提案する汚泥の処理方法又は汚泥の処理装置によれば、被処理物である汚泥を凝集させるのに使用する高分子凝集剤の注入量を削減できるばかりか、最終的に脱水して得られる脱水ケーキの含水率を低減でき、廃棄物量を削減することができる。さらには、脱水ろ液の色度を低減することもできる。
本発明の処理装置の一例(第1の処理装置例)を示した概略図である。 本発明の処理装置の上記とは異なる一例(第2の処理装置例)を示した概略図である。 本発明の処理装置の上記とは異なる一例(第3の処理装置例)を示した概略図である。 本発明の処理装置の上記とは異なる一例(第4の処理装置例)を示した概略図である。 本発明の処理装置の上記とは異なる一例(第5の処理装置例)を示した概略図である。 汚泥濃縮機の一例を示した概略図である。 汚泥濃縮機の別の一例を示した概略図である。 スリット形成機の一例を示した概略図である。 濃縮汚泥にスリットを形成した場合の効果を説明するための図であり、(A)は濃縮汚泥にスリットを形成した状態の一例を示した斜視図であり、(B)はスリットを形成しない状態の一例を示した斜視図である。 参考実験4の試験結果として、第一の高分子凝集剤の注入量とSS回収率の比との関係を示したグラフである。 参考実験5及び参考比較例の試験結果として、高分子凝集剤の注入率と脱水ケーキの含水率との関係を示したグラフである。
次に、本発明を実施するための形態の例に基づいて本発明を説明する。但し、本発明が次に説明する実施形態に限定されるものではない。
[本処理方法1]
本実施形態に係る汚泥の処理方法(以下「本処理方法1」と称する)は、被処理物としての汚泥に無機凝集剤を加える無機凝集剤・前添加工程と、前記工程で無機凝集剤が加えられた汚泥に、第1の高分子凝集剤の溶液を加え、撹拌機の回転速度を通常より高速に設定した少なくとも1つの撹拌機により、前記汚泥と前記第1の高分子凝集剤の溶液とを混合して混合汚泥を調製する混合汚泥調製工程(本処理方法では「第1撹拌工程」と称する)と、第2の高分子凝集剤の溶液を前記混合汚泥に加え、前記より低速の撹拌速度(「通常撹拌」とも称する)に設定した少なくとも1つの撹拌機により、前記混合汚泥と前記第2の高分子凝集剤の溶液とを混合して凝集フロックを形成して凝集汚泥を得る凝集フロック形成工程(本処理方法では「第2撹拌工程」と称する)と、を有する汚泥の処理方法である。
そして、このようにして得られた凝集汚泥は、脱水機を使用して固液分離することにより、固体として脱水ケーキを得、液体として脱水ろ液を得るようにするのが好ましい(脱水工程)。
以下、各工程について詳述する。
<汚泥>
本処理方法において被処理物とし得る汚泥は、有機性汚泥、無機性汚泥のいずれでもよい。
有機性汚泥としては、例えば下水処理、し尿処理、各種産業廃水処理において発生する有機性汚泥などを挙げることができる。より具体的には、最初沈殿池汚泥、余剰汚泥、嫌気性消化汚泥、好気性消化汚泥、浄化槽汚泥、消化脱離液などを挙げることができる。
有機性汚泥は無機物を含んでもよい。
無機性汚泥としては、例えば浄水処理、建設工事廃水処理、各種産業廃水処理において発生する無機性汚泥などを挙げることができる。
ここで、浄水処理で発生する汚泥とは、浄水処理施設における沈殿池、排泥池、濃縮槽などから排出される汚泥などである。
無機性汚泥は有機物を含んでもよい。
以上のように、本処理方法では、有機性汚泥、無機性汚泥のいずれも被処理物とすることができるが、本発明の効果をより享受できるという観点からすると、有機性汚泥が好ましく、その中でも、難脱水性の嫌気性消化汚泥が特に好ましい。
<無機凝集剤・前添加工程>
本工程では、高分子凝集剤を汚泥に加える前に、被処理物としての汚泥に、無機凝集剤を添加する。また、無機凝集剤を汚泥に加えた後、必要に応じて、汚泥と無機凝集剤を撹拌してもよい。
(無機凝集剤)
この際、添加する無機凝集剤としては、例えば塩化第二鉄、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、ポリ硫酸第二鉄などを挙げることができる。
無機凝集剤は、粘度を低下させて汚泥中に分散させやすくすると共に、希釈することによりボリュームを増やして均一分散させやすくする観点から、希釈水で希釈して添加することが好ましい。
上記観点から、無機凝集剤の希釈倍率は2〜5倍が好ましい。より好ましい希釈倍率は3〜4倍である。
希釈液には、純水、水道水、工業用水、地下水、各種廃水処理の処理水、海水などが使用できるが、経済性の観点からは、工業用水、地下水、各種廃水処理の処理水が好ましい。
無機凝集剤は、汚泥のTSに対して1.0質量%(Fe換算)以上添加すれば、脱水効果を高めることができる一方、10質量%(Fe換算)を超えて添加しても無機凝集剤の無駄である。よって、かかる観点から、無機凝集剤の添加量は、汚泥に対して1.0〜10質量%(Fe換算)で添加するのが好ましく、中でも1.5質量%(Fe換算)以上或いは8.0質量%(Fe換算)以下、その中でも2質量%(Fe換算)以上或いは6.0質量%(Fe換算)以下の割合で添加するのがより一層好ましい。
(撹拌手段・条件)
無機凝集剤を汚泥に加えた後の撹拌は、一般的な回転速度、すなわち10〜500rpmで撹拌すればよい。
なお、無機凝集剤を汚泥に加えた後の撹拌の回転速度は、汚泥の種類、汚泥の性状などに合わせて、10〜500rpmにおいて調整するのが好ましい。
また、撹拌時間は適宜設定すればよい。
撹拌する手段としては、撹拌翼、シャフト、モーターから構成される撹拌機などの通常の撹拌機を使用すればよく、特に種類を限定するものではない。
また、インラインミキサーによって撹拌してもよい。
<第1撹拌工程>
第1撹拌工程では、前記工程で無機凝集剤が加えられた汚泥に、第1の高分子凝集剤の溶液を加え、撹拌機の回転速度を通常より高速に設定した少なくとも1つの撹拌機により、前記汚泥と前記第1の高分子凝集剤の溶液とを混合して混合汚泥を調製する。
高速撹拌によって、高分子凝集剤を汚泥中に均一に分散させ、高分子凝集剤を汚泥の細部まで行き渡らせることができるため、汚泥の表面電荷の中和と、高分子の吸着又は架橋作用による凝集とを同時に行わせることができる。
無機凝集剤を汚泥に加えて撹拌した場合には、汚泥の表面電荷の中和のみであるから、高分子凝集剤を加えて高速撹拌することにより、より大きく、緻密な凝集フロックを形成でき、ろ過性のよい、強固な凝集汚泥を形成できる。このため、高分子凝集剤を加えて高速撹拌することにより、無機凝集剤を汚泥に加えて撹拌した場合に比べて、ろ過速度がより一層大きく、より高い圧搾力での脱水処理が可能となる。
(第1の高分子凝集剤)
第1の高分子凝集剤としては、アニオン性高分子凝集剤、ノニオン性高分子凝集剤、カチオン性高分子凝集剤および両性高分子凝集剤のいずれも用いることができる。有機性汚泥を処理する場合には、カチオン性高分子凝集剤又は両性高分子凝集剤を用いるのが特に好ましい。
アニオン性高分子凝集剤としては、例えばポリアクリル酸ナトリウム、アクリル酸ナトリウムとアクリルアミドとの共重合物、ポリメタクリル酸ナトリウム、メタクリル酸ナトリウムとアクリルアミドの共重合物などを挙げることができる。
ノニオン性高分子凝集剤としては、例えばポリアクリルアミド、ポリエチレンオキサイドなどを挙げることができる。
カチオン性高分子凝集剤としては、例えばアクリレート系高分子凝集剤(「DAA系高分子凝集剤」とも称する)、メタクリレート系高分子凝集剤(「DAM系高分子凝集剤」とも称する)、アミド基、ニトリル基、アミン塩酸塩、ホルムアミド基などを含むポリビニルアミジン(「アミジン系高分子凝集剤」とも称する)、ポリアクリルアミドのマンニッヒ変性物などが挙げられる。
DAA系高分子凝集剤には、ジメチルアミノエチルアクリレートの四級化物の重合物、ジメチルアミノエチルアクリレートの四級化物とアクリルアミドとの共重合物などがある。
DAM系高分子凝集剤には、ジメチルアミノエチルメタクリレートの四級化物の重合物、ジメチルアミノエチルメタクリレートの四級化物とアクリルアミドとの共重合物などがある。
両性高分子凝集剤としては、例えばジメチルアミノメチルアクリレートの四級化物とアクリルアミドとアクリル酸との共重合物、ジメチルアミノメチルメタクリレートの四級化物とアクリルアミドとアクリル酸との共重合物などを挙げることができる。
但し、以上は例示であり、これらに限定するものではない。
第1の高分子凝集剤の分子量は450万以上であるのが好ましい。より好ましい分子量は500万以上である。ここでの分子量は、粘度法により求められた平均分子量である。
高速撹拌によって高分子凝集剤を汚泥中に分散させる場合、高速撹拌により高分子凝集剤の分子鎖が切断されることが生じるため、高分子凝集剤の分子量が低すぎると高分子凝集剤の凝集力が弱まってしまう。このため、分子量が450万以上の高分子凝集剤を使用することにより、たとえ高速撹拌により分子鎖が切断されてもある程度の高分子凝集剤の凝集力を維持することができる。
第1の高分子凝集剤の粘度は、分子量と同じ観点から、150mPa・s以上であるのが好ましく、特に175mPa・s以上、その中でも200mPa・s以上であるのが好ましい。
この際の粘度は、高分子凝集剤を純水に2g/Lで溶解し、B型粘度計を使用し、25℃、60rpmの回転速度で測定した値である。
(第1の高分子凝集剤の注入量)
第1の高分子凝集剤の分子量が450万以上である場合、第1の高分子凝集剤の注入量は、第1の高分子凝集剤と第2の高分子凝集剤の合計注入量の45〜95質量%となるように調整して加えるのが好ましく、中でも50〜95質量%、その中でも特に55〜90質量%を占めるように調整して加えるのが好ましい。
第1撹拌工程における高分子凝集剤の注入量の割合が高すぎると、第2撹拌工程において加える高分子凝集剤の注入量が少なすぎるようになるため、凝集フロックは成長しない可能性がある。この結果、濃縮処理や脱水処理において、ろ過性が悪化する。一方、第1撹拌工程における高分子凝集剤の注入量の割合が低すぎると、第1撹拌工程において、高速撹拌により汚泥に均一に分散する高分子凝集剤の割合が少なくなるため、高速撹拌の効果は低下するようになる。
このため、第1撹拌工程における高分子凝集剤の注入量は、合計注入量の45〜95%に制御することにより、高分子凝集剤を汚泥に均一に分散させるとともに凝集フロックを成長させることができる。
第1の高分子凝集剤の溶液における溶媒は、純水、水道水、工業用水、地下水、各種廃水処理の処理水、海水などを挙げることができるが、高分子凝集剤の凝集力を最大限発揮させる観点からは純水が好ましい。この点は第2の高分子凝集剤の溶液についても同様である。
一方、経済性の観点からは、水道水、工業用水、地下水、各種廃水処理の処理水が好ましい。この点も、第2の高分子凝集剤の溶液についても同様である。
第1の高分子凝集剤の溶液における高分子凝集剤濃度は1〜3g/Lであってもよいが、3g/L以上であるのが好ましく、より好ましくは5g/L以上、さらにより好ましくは10g/L以上である。
高分子凝集剤による汚泥の凝集において、高分子凝集剤の溶液は1〜3g/Lに調製するのが一般的であり、通常は3g/L以上の高分子凝集剤の溶液を使用することはない。この理由は、高分子凝集剤濃度が3g/L以上になると、高分子凝集剤の溶液は高粘度になるため、従来の凝集槽で使用される撹拌機の回転速度(10〜500rpm程度)では、高分子凝集剤を汚泥に均一に分散させることが難しいからである。
一方、第1撹拌工程における高速撹拌では、3g/L以上の高濃度溶液を使用しても、高分子凝集剤を汚泥に均一に分散させることができる。この結果、高分子凝集剤の溶解水量を削減できるメリットが生じる。高濃度の高分子凝集剤の溶液を使用する別のメリットとして、高分子凝集剤を加えた汚泥中の高分子凝集剤の濃度を高めることができるため、高分子凝集剤の注入量を削減でき、脱水処理後の脱水ケーキの含水率を低減できる点を挙げることができる。例えば、1Lの汚泥に2g/Lの高分子凝集剤溶液を200mL注入(高分子凝集剤として0.4g注入)した場合、汚泥中の高分子凝集剤の濃度は333mg/Lである。一方、1Lの汚泥に10g/Lの高分子凝集剤を40mL注入(高分子凝集剤として0.4g注入)した場合、汚泥中の高分子凝集剤の濃度は385mg/Lである。このように、同じ0.4gの高分子凝集剤を加える場合であっても、2g/Lの高分子凝集剤溶液を使用するよりも、10g/Lの高分子凝集剤を使用する方が汚泥中の高分子凝集剤の濃度を高められ、高分子凝集剤の注入量を削減でき、脱水処理後の脱水ケーキの含水率を低減することができる。
(撹拌条件)
第1撹拌工程では、1000rpm以上の高速で撹拌することが重要である。より好ましい回転速度は2000rpm以上である。さらにより好ましい回転速度は3000rpm以上である。
該回転速度を高めた場合には、撹拌時間をより短くすればよいので、回転速度の上限は特にないが、現状では15000rpmまで実験的に効果があることを確認している。
第1撹拌工程では、高分子凝集剤を汚泥に均一に分散させることと、高分子凝集剤を汚泥の細部まで行き渡らせることができる。
高分子凝集剤を汚泥に均一に分散させることにより、無駄な高分子凝集剤を削減でき、高分子凝集剤の注入量を削減することができる。また、高分子凝集剤を汚泥の細部まで行き渡らせることにより、凝集汚泥が緻密になるため、脱水処理後の脱水ケーキの含水率を低減できる。高分子凝集剤の溶液は高粘度の液体であり、従来の凝集槽で使用される撹拌機の回転速度(10〜500rpm程度)では、高分子凝集剤を汚泥に均一に分散させることが難しいうえ、高分子凝集剤を汚泥の細部まで行き渡らせることができなかった。このため、高分子凝集剤の注入量の増加や脱水ケーキの含水率の悪化が生じていた。一方、高速撹拌では、高分子凝集剤を均一に汚泥に分散させることができるうえ、高分子凝集剤を汚泥の細部まで行き渡らせることができる。このため、高分子凝集剤の注入量を削減でき、脱水ケーキの含水率を低減することができる。
なお、高速撹拌における撹拌する際の回転速度は、汚泥の種類、汚泥の性状、高分子凝集剤の分子量、高分子凝集剤の溶解濃度などに合わせて、1000rpm以上において調整するのが好ましい。
第1撹拌工程における撹拌時間、すなわち第1の高分子凝集剤の溶液と汚泥を混合撹拌する時間は、20秒以下、特に1秒〜20秒とするのが好ましく、より好ましくは1秒〜15秒、さらにより好ましくは1秒〜10秒である。
高速撹拌による撹拌時間が長すぎると、高分子凝集剤の凝集力が弱まる程度まで高分子凝集剤の分子鎖は切断されてしまう。このため、撹拌時間を20秒以下に制御することにより、高分子凝集剤の凝集力を弱めることなく、高分子凝集剤を汚泥に均一に分散させ、高分子凝集剤を汚泥の細部まで行き渡らせることができる。
(撹拌手段)
高速撹拌する手段としては、撹拌翼、シャフト、モーターから構成される高速撹拌機やローター、ステーター、モーターから構成される高速撹拌機などの高速撹拌機を使用してもよいし、また、インラインミキサーによって高速撹拌してもよい。
インラインミキサーとは、配管に組み込まれたミキサーである。インラインミキサーはラインミキサーとも称される。インラインミキサーのメリットはミキサーが密封されているため、上流にある汚泥用ポンプ、高分子凝集剤用ポンプの2台があれば、下流に液を送ることができる。一方、容器に撹拌機が設置された場合、容器上部が開放されているので、上流にある汚泥用ポンプ、高分子凝集剤用ポンプの他に、もう1台ポンプ或いはポンプ相当のものがないと下流に液を送れない。そのため通常は、ポンプを設置せず、高低差で下流に液を送るのが一般的である。
<第2撹拌工程>
第1撹拌工程で調製した混合汚泥に対して、第2の高分子凝集剤を加え、前記第1撹拌工程よりも低速の撹拌速度(「通常撹拌」とも称する)に設定された少なくとも1つの撹拌機により、前記混合汚泥と前記第2の高分子凝集剤の溶液を混合して凝集フロックを形成させて凝集汚泥を得る。
第1撹拌工程で、高分子凝集剤を汚泥の細部まで均一に分散させることができ、汚泥の表面電荷の中和と、高分子の吸着又は架橋作用による凝集とを同時に行わせることができるため、本第2撹拌工程では、第1撹拌工程で得られた混合汚泥に対して高分子凝集剤を比較的ゆっくりと撹拌混合することにより、大きな凝集フロックを形成させることができ、ろ過性のよい凝集汚泥を形成できる。
(第2の高分子凝集剤)
第2の高分子凝集剤は、第1の高分子凝集剤の項目で前述した高分子凝集剤と同様のものを用いることができる。この場合、第2の高分子凝集剤は、第1の高分子凝集剤と同一種類の高分子凝集剤を用いることもできるし、異なる種類の高分子凝集剤を用いることもできる。高分子凝集剤溶解槽を共用できる観点からは、第2の高分子凝集剤は、第1の高分子凝集剤と同一種類の高分子凝集剤を用いるのが好ましい。
第2の高分子凝集剤の溶液における高分子凝集剤濃度は1〜3g/Lであってもよいが、3g/L以上であるのが好ましく、より好ましくは5g/L以上、さらにより好ましくは10g/L以上である。
(撹拌条件)
第2撹拌工程における撹拌する際の回転速度は、従来の汚泥の凝集装置において一般的な回転速度、すなわち10〜500rpmであればよい。その理由は、第2撹拌工程では高分子凝集剤を第1撹拌工程において調製した混合汚泥に緩やかに接触させ、凝集フロックを成長させる必要があるからである。かかる観点から、第2撹拌工程における撹拌する際の回転速度は、10〜500rpmであればよく、中でも20rpm以上或いは400rpm以下、その中でも30rpm以上或いは300rpm以下であるのがさらに好ましい。
なお、第2撹拌工程における撹拌する際の回転速度は、汚泥の種類、汚泥の性状、高分子凝集剤の分子量、高分子凝集剤の溶解濃度などに合わせて、10〜500rpmにおいて調整するのが好ましい。
第2撹拌工程における撹拌時間、すなわち第2の高分子凝集剤の溶液と汚泥を混合撹拌する時間は1分〜20分であるのが好ましい。その理由は、第2撹拌工程では高分子凝集剤を第1撹拌工程において調製した混合汚泥に緩やかに接触させ、凝集フロックを成長させる必要があるからである。かかる観点から、第2撹拌工程における撹拌の撹拌時間は、1分〜20分であるのが好ましく、中でも2分以上或いは15分以下、その中でも3分以上或いは10分以下であるのがさらに好ましい。
(撹拌手段)
撹拌する手段としては、撹拌翼、シャフト、モーターから構成される撹拌機などの通常の撹拌機を使用すればよく、特に種類を限定するものではない。
また、インラインミキサーによって撹拌してもよい。
<脱水工程>
第2撹拌工程で凝集フロックを形成させて得た凝集汚泥は、必要に応じて、脱水機を使用して固液分離し、固体として脱水ケーキを得、液体として脱水ろ液を得ることができる。
本処理方法によれば、脱水ケーキの含水率を低減することができるから、廃棄物量を削減することができる。また、脱水ろ液の色度を低減することもできる。
脱水方法としては、圧力を加えて脱水する手段を採用するのが一般的であるが、特に限定するものではない。例えば従来から汚泥脱水に使用される脱水機、例えばスクリュープレス脱水機、ベルトプレス脱水機、遠心脱水機、真空脱水機、フィルタプレス脱水機、多重円板脱水機などを用いることができる。
なお、上記の第2撹拌工程(凝集フロック形成工程)と脱水工程を同一工程で行うことも可能である。例えば、回転する反応槽内において、前記混合汚泥と前記第2の高分子凝集剤の溶液とを混合して凝集フロックを形成すると共に脱水するようにしてもよい。
例えば、回転する反応槽と、前記混合汚泥と第2の高分子凝集剤の溶液を前記反応槽内に供給する手段と、脱水手段とを備えた装置によって実現可能である。例えば、反応槽が多数の穴を有する回転ドラムであれば、該反応槽の回転によって、前記混合汚泥と第2の高分子凝集剤の溶液を混合して凝集フロックを形成すると共に脱水することができる。また、反応槽が両端に穴を有する回転ドラムであり、該反応槽内部にスクリューコンベアを備えた装置であれば、該反応槽の回転によって、前記汚泥と第2の高分子凝集剤の溶液を混合して凝集フロックを形成すると共に、遠心力によって凝集フロックから脱水ろ液を分離し脱水することができる。
<汚泥の処理装置>
次に、本処理方法1を実施するための装置について説明する。
(第1の処理装置例)
図1に示した装置は、汚泥貯槽1に汚泥供給ポンプ4、無機凝集剤撹拌槽14、高速撹拌槽7、通常速度撹拌槽8及び脱水機11が下流側に順次連通して配置されてなる構成を備えている。
無機凝集剤撹拌槽14は、無機凝集剤撹拌機15を備えており、無機凝集剤ポンプ13を介して無機凝集剤貯槽12が連通して接続されている。
高速撹拌槽7は、高速撹拌機9を備えており、第1の高分子凝集剤ポンプ5を介して第1の高分子凝集剤溶解槽2が連通して接続されている。
通常速度撹拌槽8は、通常撹拌機10を備えており、第2の高分子凝集剤ポンプ6を介して第2の高分子凝集剤溶解槽3が連通して接続されている。
この装置において、汚泥は先ず汚泥貯槽1に貯留され、貯留された汚泥は、汚泥供給ポンプ4の動力によって無機凝集剤撹拌槽14に供給され、無機凝集剤が加えられて、無機凝集剤撹拌機15により撹拌され、高速撹拌槽7に供給される。
高速撹拌槽7では、第1の高分子凝集剤ポンプ5の動力によって、第1の高分子凝集剤溶解槽2から第1の高分子凝集剤の溶液が汚泥に加えられ、高速撹拌機9により汚泥と第1の高分子凝集剤の溶液が混合され、混合汚泥が調製され、調製された混合汚泥は、通常速度撹拌槽8に供給される。
通常速度撹拌槽8では、第2の高分子凝集剤ポンプ6の動力によって、第2の高分子凝集剤溶解槽3から第2の高分子凝集剤の溶液が加えられ、通常速度撹拌機10により混合汚泥と第2の高分子凝集剤の溶液が混合され、凝集フロックを形成させて凝集汚泥を得、該凝集汚泥は脱水機11に供給され、脱水されて脱水ケーキと脱水ろ液として排出される。
(第2の処理装置例)
図2に示した装置は、上記第1の処理装置例において、第2の高分子凝集剤溶解槽3を省略し、第1の高分子凝集剤溶解槽2を、第1の高分子凝集剤ポンプ5及び第2の高分子凝集剤ポンプ6を介して高速撹拌槽7及び通常速度撹拌槽8と連通させ、第1の高分子凝集剤溶解槽2から高分子凝集剤を高速撹拌槽7及び通常速度撹拌槽8に供給するようにしたものである。
(第3の処理装置例)
図3に示した装置は、汚泥貯槽1に汚泥供給ポンプ4、高速撹拌槽7、通常速度撹拌槽8及び脱水機11が下流側に順次連通して配置され、汚泥供給ポンプ4と高速撹拌槽7とを結ぶ配管途中に、無機凝集剤ポンプ13を介して無機凝集剤貯槽12が連通して接続されてなる構成を備えている。
高速撹拌槽7は、高速撹拌機9を備えており、第1の高分子凝集剤ポンプ5を介して第1の高分子凝集剤溶解槽2が連通して接続されている。
通常速度撹拌槽8は、通常撹拌機10を備えており、第2の高分子凝集剤ポンプ6を介して第2の高分子凝集剤溶解槽3が連通して接続されている。
この装置において、汚泥は先ず汚泥貯槽1に貯留され、貯留された汚泥は、汚泥供給ポンプ4の動力によって、汚泥供給ポンプ4と高速撹拌槽7とを結ぶ配管を通じて高速撹拌槽7に供給される。この際、無機凝集剤ポンプ13の動力によって、無機凝集剤貯槽12内の無機凝集剤が、汚泥供給ポンプ4と高速撹拌槽7とを結ぶ配管途中に供給されるため、当該配管内で無機凝集剤が加えられた状態で高速撹拌槽7に供給される。そして、以降は第1の処理装置例と同様である。
[本処理方法2]
本実施形態に係る汚泥の処理方法(以下「本処理方法2」と称する)は、第1の高分子凝集剤の溶液を、被処理物としての汚泥に加え、撹拌機の回転速度を通常より高速に設定した少なくとも1つの撹拌機により、前記汚泥と前記第1の高分子凝集剤の溶液とを混合して混合汚泥を調製する第1撹拌工程と、第2の高分子凝集剤の溶液を前記混合汚泥に加え、前記より低速の撹拌速度(「通常撹拌」とも称する)に設定した少なくとも1つの撹拌機により、前記混合汚泥と前記第2の高分子凝集剤の溶液とを混合して凝集フロックを形成して凝集汚泥を得る第2撹拌工程と、第2撹拌工程で得られた凝集汚泥を濃縮する濃縮工程と、濃縮された濃縮汚泥に無機凝集剤を加える無機凝集剤・後添加工程とを有する汚泥の処理方法である。
そして、このように無機凝集剤が加えられた濃縮汚泥は、脱水機を使用して固液分離することにより、固体として脱水ケーキを得、液体として脱水ろ液を得るようにするのが好ましい(脱水工程)。
また、本脱水方法においては、濃縮工程と無機凝集剤・後添加工程との間に、必要に応じて、濃縮工程で得られた濃縮汚泥にスリットを形成するスリット形成工程を導入するのが好ましい。
また、無機凝集剤・後添加工程と脱水工程の間に、無機凝集剤が添加された濃縮汚泥を加圧することにより、無機凝集剤を濃縮汚泥に分散させるか、或いは、緩やかに混合して無機凝集剤を濃縮汚泥に分散させる無機凝集剤分散工程を導入することもできる。
以下、上記の各工程について順次説明する。
なお、被処理物としての汚泥、第1撹拌工程、第2撹拌工程については、上述した本処理方法1と同様であるため、説明を省略する。
<濃縮工程>
本工程では、第2撹拌工程で得られた凝集汚泥を濃縮して濃縮汚泥を得る。
無機凝集剤を添加する前に濃縮処理を行うことにより、凝集汚泥の量を削減でき、添加した無機凝集剤を効率的に利用することができるため、最終的に得られる脱水ケーキの含水率を効果的に低減することができると共に、無機凝集剤の使用量を減らすことができる。
濃縮方法としては、例えば遠心濃縮機、スクリュー濃縮機、楕円板型濃縮機、ふるいなどを使用することができる。加圧せずに凝集汚泥を濃縮する方法を採用することも可能であるし、また、後述する汚泥濃縮機などを使用して、加圧しながら凝集汚泥を濃縮する方法を採用することも可能である。水分量をより減らすことができ、無機凝集剤添加効果をより一層高めることができる観点から、加圧しながら濃縮する方法を採用するのがより一層好ましい。
本工程では、濃縮汚泥のTSが50〜150g/Lとなるように濃縮するのが好ましく、中でも濃縮汚泥のTSが80g/L以上或いは140g/L以下となるようにするのがより一層好ましい。「TS」とは、蒸発残留物のことであり、この場合は、汚泥を105〜110℃で蒸発乾固したときに残留する物質の濃度である。
濃縮汚泥のTSが50g/Lより低い場合、次工程で無機凝集剤を分散させ易くなるものの、濃縮ろ液側に流出する無機凝集剤が増加し、無機凝集剤を有効利用できなくなり、無機凝集剤の添加量が増加する。このため、濃縮汚泥のTSが50g/L以上となるように濃縮するのが好ましい。一般的に80g/L以上のTSまで凝集汚泥を濃縮するには、重力濃縮、すなわち凝集汚泥の自重によって濃縮する方法では、濃縮圧力が不十分であるため、加圧しながら濃縮する必要がある。他方、濃縮汚泥のTSが150g/Lより高い場合、濃縮汚泥は固体に近くなり、濃縮汚泥内部に無機凝集剤を分散させることができず、無機凝集剤の効果が十分発揮できなくなるため、やはり無機凝集剤の添加量が増加する。このような観点から、上述のように、濃縮汚泥のTSが50〜150g/Lとなるようになるように濃縮するのが好ましい。
凝集汚泥を加圧しながら濃縮する場合、凝集汚泥に掛ける圧力は、濃縮汚泥のTSが上記範囲になるように適宜調整すればよい。凝集汚泥に掛ける加圧圧力の目安としては、0.5〜50kPaの圧力を凝集汚泥に掛けるのが好ましく、特に1kPa以上40kPa以下、中でも特に3kPa以上或いは30kPa以下の圧力を凝集汚泥に掛けるのがより一層好ましい。
本工程で形成される濃縮汚泥の形状は、特に限定するものではない。例えば無機凝集剤の分散性を考慮すると、平板状とするのが好ましい。
(汚泥濃縮機)
汚泥濃縮機としては、例えば図6に示すように、汚泥投入用ホッパー21と、汚泥移動手段22と、汚泥移動手段22の下方に設けられた水捕集手段23とを備えた汚泥濃縮機20を例示することができる。
ここで、汚泥移動手段22は、ベルト24とベルト駆動装置25とで構成されている。ベルト24の上面全体(搬送面)がベルト駆動装置25により水平移動し、汚泥を水平方向汚泥排出口側に移動させることができると共に、凝集汚泥はベルト24上を移動する間にろ過され、ろ液は下方の水捕集手段23に落下するようになっている。
水捕集手段23は、汚泥移動手段22に沿ってその下方に設けられており、汚泥移動手段22から落下してくる水を捕集して、廃水口から排水できるようになっている。
次に、このような構成を備えた汚泥濃縮機20の動作について説明する。
汚泥投入用ホッパー21に凝集汚泥を投入すると、凝集汚泥は汚泥移動手段22によって水平方向汚泥排出口側に移動させられ、ベルト24の上面上を水平に搬送される。凝集汚泥は、この搬送過程で濃縮されると共に、汚泥排出口26から板状の濃縮汚泥として送り出される。濃縮ろ液は、汚泥移動手段22から落下して水捕集手段23に捕集され、廃水口から排水される。
なお、汚泥濃縮機20としては、このような構成の汚泥濃縮機20のほかにも、従来の汚泥脱水に使用される汚泥濃縮機、例えば遠心濃縮機、スクリュー濃縮機、楕円板型濃縮機、ふるいなどを採用することも可能である。
汚泥濃縮機20の別の一例としては、例えば図7に示すように、汚泥投入用ホッパー21と、汚泥移動手段22と、汚泥移動手段22の上方に設けられた加圧手段28と、汚泥移動手段22の下方に設けられた水捕集手段23とを備えた構成のものを例示することができる。
加圧手段28は、汚泥移動手段22の汚泥排出口26の手前に、ベルト24との間に隙間を設けるように、加圧板28Aを斜めに設置し、汚泥が汚泥移動手段22によって水平方向汚泥排出口側に移動されてくると、加圧板28Aとベルト24との間の隙間を通過する際に上から加圧されるようになっている。
この際、加圧板28Aは、一つ或いは二つ以上設けてもよいし、また、加圧板28Aは、設置角度が固定されるように設けることもできるし、設置角度を随時変更できるように設けることもできる、さらには、上下揺動可能に軸支することもできる。
加圧板28Aの角度並びにベルト24との隙間の大きさを変更することにより、凝集汚泥に掛かる圧力を調整することができ、濃縮倍率を調整することができる。
また、加圧板28Aの代わりに、例えばローラーを設置することもできる。
<スリット形成工程>
濃縮工程で形成された濃縮汚泥にスリットを形成し、スリットを入れた濃縮汚泥を次の無機凝集剤・後添加工程に供給するのが好ましい。但し、スリット形成工程を省略することも可能である。
濃縮工程で得られる濃縮汚泥は、濃縮されているため、流動性が低く、そのままの状態では、無機凝集剤を濃縮汚泥に均一に浸透及び分散させることが難しい。
無機凝集剤を濃縮汚泥中に分散させるために、濃縮汚泥を撹拌したり混練したりすると、高分子凝集剤による凝集によって形成された凝集フロックが壊れてしまい、最終的に得られる脱水ケーキの含水率を効果的に低減することができない。
これに対し、濃縮汚泥にスリットを形成することにより、スリットを入れた端面からも無機凝集剤を浸透及び分散させることができるため、凝集フロックを壊さずに無機凝集剤を効率的に汚泥に分散させることができるようになり、無機凝集剤の効果を高めることができると共に無機凝集剤の使用量を削減することができる。
図9(A)は、濃縮汚泥にスリットを形成した場合の無機凝集剤の分散の様子の一例を示しており、図9(B)はスリットを形成しない場合の無機凝集剤の分散の様子の一例を示している。図の斜線領域は無機凝集剤が分散した領域を表す。
このように、スリットを形成しない場合には、無機凝集剤は濃縮汚泥の上面にしか分散できないのに対し、濃縮汚泥に複数のスリットを形成すると、スリットを介して濃縮汚泥の内部まで無機凝集剤を分散させることができる。
より具体的には、濃縮汚泥に複数のスリットを入れて、濃縮汚泥を複数のブロックに分断し、各ブロックの端面に無機凝集剤を分散させて浸透させるようにすればよい。
スリットの形成方向は、鉛直方向でも水平方向でもよい。鉛直方向に形成すれば、無機凝集剤を上方から添加することで、スリットの鉛直断面を自然に伝って分散させることができる。
また、スリットは、濃縮汚泥を上面視した場合に、縦方向又は横方向に適宜間隔をおいて形成するようにしてもよいし、また、格子状に形成するようにしてもよい。
スリットの間隔に関しては、高分子凝集剤によって形成された凝集フロックを壊さないようにスリットを入れるためには、スリットの間隔を1cm以上にすればよい。他方、スリットの間隔を10cmよりも大きくすると、スリットを形成する効果が損なわれてしまう可能性がある。このような観点から、スリットの間隔は1cm〜10cmとするのが好ましく、中でも2cm以上或いは5cm以下とするのがさらに好ましい。
(スリット形成機)
図8には、スリット形成機30の一例を示す。この図は、上記汚泥濃縮機20の汚泥排出口の一部分を拡大した図である。
この例のように、汚泥濃縮機20の汚泥排出口26に、櫛状の裁断刃31を水平方向に適宜間隔を置いて、刃が鉛直方向となるように設置するようにしてスリット形成機30を構成することができる。
このような櫛状の裁断刃により、汚泥濃縮機20から押し出されてくる濃縮汚泥に鉛直方向のスリットを形成することができる。
ただし、スリット形成機30は上記構成のものに限定されるものではない。例えば、上面視格子状に組まれた裁断刃、或いは、上面視した場合に濃縮汚泥の長さ方向又は幅方向に適宜間隔をおいて組まれた裁断刃を、濃縮汚泥に対して上方から昇降できる装置を使用することも可能である。
<無機凝集剤・後添加工程>
本工程では、濃縮工程で得られた濃縮汚泥、或いは、スリット形成工程で得られたスリット入り濃縮汚泥に、無機凝集剤を添加することにより、脱水効率をさらに高めることができる。
使用する無機凝集剤としては、例えば塩化第二鉄、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、ポリ硫酸第二鉄などを挙げることができる。
無機凝集剤は、粘度を低下させて濃縮汚泥内に含浸及び分散させやすくすると共に、希釈することによりボリュームを増やして均一分散させやすくする観点から、希釈水で希釈後、濃縮汚泥に添加することが好ましい。
上記観点から、濃縮汚泥のTSが100〜150g/Lであれば、無機凝集剤の希釈倍率は2〜5倍が好ましい。より好ましい希釈倍率は3〜4倍である。
希釈液には、純水、水道水、工業用水、地下水、各種廃水処理の処理水、海水などが使用できるが、経済性の観点からは、工業用水、地下水、各種廃水処理の処理水が好ましい。
無機凝集剤は、有機性汚泥のTSに対して1.0質量%(Fe換算)以上添加すれば、脱水効果を高めることができる一方、10質量%(Fe換算)を超えて添加しても無機凝集剤の無駄である。よって、かかる観点から、無機凝集剤の添加量は、有機性汚泥に対して1.0〜10質量%(Fe換算)で添加するのが好ましく、中でも1.5質量%(Fe換算)以上或いは8.0質量%(Fe換算)以下、その中でも2質量%(Fe換算)以上或いは6.0質量%(Fe換算)以下の割合で添加するのがより一層好ましい。
上記のように無機凝集剤が加えられた濃縮汚泥に、第3の高分子凝集剤を加えるようにしてもよい。
無機凝集剤を加えることによってフロックが崩れやすくなるため、無機凝集剤が加えられた濃縮汚泥に高分子凝集剤を加えることにより、該フロックが崩れるのを防止することができる。
なお、第3の高分子凝集剤は、第1の高分子凝集剤の項目で前述した高分子凝集剤と同様のものを用いることができる。この場合、第3の高分子凝集剤は、第1の高分子凝集剤又は第2の高分子凝集剤と同一種類の高分子凝集剤を用いることもできるし、異なる種類の高分子凝集剤を用いることもできる。高分子凝集剤溶解槽を共用できる観点からは、第3の高分子凝集剤は、第1の高分子凝集剤又は第2の高分子凝集剤と同一種類の高分子凝集剤を用いるのが好ましい。
<無機凝集剤分散工程>
無機凝集剤・後添加工程後、脱水工程の前に、必要に応じて、無機凝集剤が添加された濃縮汚泥を加圧するか、或いは、緩やかに混合するかして、無機凝集剤を濃縮汚泥中に分散させるようにしてもよい。但し、必ずしも無機凝集剤分散工程を導入する必要はない。
上記の如く処理された濃縮汚泥は、加圧脱水されているため、重力により脱水された濃縮汚泥と比較して、流動性が低く、そのままの状態では、無機凝集剤を濃縮汚泥に均一に浸透及び分散させることが難しい。無機凝集剤を分散させるために、濃縮汚泥を急速撹拌すると、高分子凝集剤による凝集によって形成された凝集フロックが壊れてしまい、含水率を効果的に低減することができない。そこで、無機凝集剤が添加された濃縮汚泥を加圧したり、或いは、緩やかに混合したりすることで、凝集フロックを壊さずに無機凝集剤を汚泥に分散させることができ、無機凝集剤の効果を高めることができる。
(無機凝集剤分散機)
無機凝集剤分散機としては、無機凝集剤の濃縮汚泥への分散をさらに促進するため、無機凝集剤が添加された濃縮汚泥を加圧して無機凝集剤を濃縮汚泥に分散させることができる装置、或いは、緩やかに混合して無機凝集剤を濃縮汚泥に分散させることができる装置としては、任意の装置を採用することができる。
濃縮汚泥を加圧する機械としては、加圧手段を備えた任意の装置を採用可能であり、例えば汚泥圧搾機と同種の機械を使用することもできる。また、平板で濃縮汚泥を加圧する構成の機械を使用することもできる。
また、無機凝集剤が添加された濃縮汚泥を緩やかに混合する装置としては鋤型混合機、ドラム型混合機、スパチュラなどを挙げることができる。
但し、無機凝集剤分散機では、加圧により濃縮汚泥から無機凝集剤を含有したろ液が生じるが、このろ液は系外に排出しないことが好ましい。ろ液を系外に排出すると、ろ液とともに無機凝集剤が系外に排出されるため、無機凝集剤を効率的に利用できず、無機凝集剤の使用量が増加する。
<脱水工程>
以上のようにして得られた濃縮汚泥を脱水することで、最終的に脱水ケーキと脱水ろ液を得ることができる。
本処理方法によれば、脱水ケーキの含水率を低減することができるから、廃棄物量を削減することができる。
また、脱水ろ液の色度を低減することもできる。
(脱水機)
脱水機には、従来から知られた脱水機を使用することができる。例えば、スクリュープレス脱水機、ベルトプレス脱水機、遠心脱水機、真空脱水機、フィルタプレス脱水機、多重円板脱水機などを挙げることができる。
なお、濃縮機構が一体化している脱水機を使用することもできる。濃縮機構が一体化している脱水機を使用する場合には、脱水機の機内で凝集汚泥の濃縮と濃縮汚泥の脱水を連続的に行うことができ、このような場合には、濃縮汚泥への無機凝集剤の添加は脱水機内で行うことができる。
<汚泥の処理装置>
次に、本処理方法2を実施するための装置について説明する。
(第4の処理装置例)
図4に示した装置は、汚泥貯槽1に汚泥供給ポンプ4、高速撹拌槽7、通常速度撹拌槽8、濃縮機16、無機凝集剤添加機17及び脱水機11が下流側に順次連通して配置されてなる構成を備えている。
高速撹拌槽7は、高速撹拌機9を備えており、第1の高分子凝集剤ポンプ5を介して第1の高分子凝集剤溶解槽2が連通して接続されている。
通常速度撹拌槽8は、通常撹拌機10を備えており、第2の高分子凝集剤ポンプ6を介して第2の高分子凝集剤溶解槽3が連通して接続されている。
無機凝集剤添加機17は、無機凝集剤ポンプ13を介して無機凝集剤貯槽12が連通して接続されている。
この装置において、汚泥は先ず汚泥貯槽1に貯留され、貯留された汚泥は、汚泥供給ポンプ4の動力によって高速撹拌槽7に供給される。
高速撹拌槽7では、第1の高分子凝集剤ポンプ5の動力によって、第1の高分子凝集剤溶解槽2から第1の高分子凝集剤の溶液が汚泥に加えられ、高速撹拌機9により汚泥と第1の高分子凝集剤の溶液が混合され、混合汚泥が調製され、調製された混合汚泥は、通常速度撹拌槽8に供給される。
通常速度撹拌槽8では、第2の高分子凝集剤ポンプ6の動力によって、第2の高分子凝集剤溶解槽3から第2の高分子凝集剤の溶液が加えられ、通常速度撹拌機10により混合汚泥と第2の高分子凝集剤の溶液が混合され、凝集フロックを形成させて凝集汚泥を得、該凝集汚泥は濃縮機16に供給される。
濃縮機16では、凝集汚泥が濃縮されて濃縮汚泥となって無機凝集剤添加機17に供給され、無機凝集剤添加機17では、濃縮汚泥に無機凝集剤が添加され、脱水機11において脱水されて脱水ケーキと脱水ろ液として排出される。
(第5の処理装置例)
図5に示した装置は、汚泥貯槽1に汚泥供給ポンプ4、高速撹拌槽7、通常速度撹拌槽8、濃縮機16、スリット形成機18、無機凝集剤添加機17及び脱水機11が下流側に順次連通して配置されてなる構成を備えている。
第5の処理装置例は、上記第4の処理装置例において濃縮機16と無機凝集剤添加機17との間にスリット形成機18を配置したものである。濃縮機16によって濃縮された濃縮汚泥はスリット形成機18に供給され、スリット形成機18によって濃縮汚泥にスリットが入れられた後、無機凝集剤添加機17に供給され、無機凝集剤添加機17で無機凝集剤が添加されるようになっている。他の点は、第4の処理装置例と同様に処理される。
なお、上述した第1〜第5の処理装置例はあくまでも例示であって、これらに限定されるものではない。
<語句の説明>
本明細書において「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と表現する場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」或いは「好ましくはYより小さい」の意も包含する。
また、「X以上」(Xは任意の数字)或いは「Y以下」(Yは任意の数字)と表現した場合、「Xより大きいことが好ましい」或いは「Y未満であることが好ましい」旨の意図も包含する。
以下、本発明を下記実験に基づいてさらに詳述する。
(実験1)
実験1では、汚泥に無機凝集剤を加えて無機凝集剤・前添加工程を実施した後、第1の高分子凝集剤の溶液を汚泥に加えて第1撹拌工程を実施し、第2の高分子凝集剤の溶液を加えて第2撹拌工程を実施し、得られた凝集汚泥をベルトプレス脱水機により脱水して脱水ケーキを得るという汚泥の処理方法において、前記第1撹拌工程を実施することにより脱水ケーキの含水率を低減できるか、検討した。
本実験には、被処理物として3種類の汚泥(A、B、C)を使用した。いずれもし尿処理場で発生する汚泥である。いずれも異なるし尿処理場から採取した。
汚泥A、B、CのTSは、それぞれ、6.7g/L、6.6g/L、9.0g/Lであった。なお、TSとは、蒸発残留物のことであり、汚泥を105〜110℃で蒸発乾固したときに残留する物質の濃度である。測定方法は下水試験方法に準拠した。
汚泥A、Cの実験では、第1及び第2の高分子凝集剤ともに、高分子凝集剤a(カチオン性高分子凝集剤、分子量900万)を使用した。第1及び第2の高分子凝集剤の溶液の濃度はともに2g/Lに調製した。
汚泥Bの実験では、第1及び第2の高分子凝集剤ともに、高分子凝集剤b(カチオン性高分子凝集剤、分子量850万)を使用した。第1及び第2の高分子凝集剤の溶液の濃度はともに2g/Lに調製した。
また、第1の高分子凝集剤の溶液及び第2の高分子凝集剤の溶液は、いずれも高分子凝集剤を水に溶解して得た水溶液であり、その濃度とは、水溶液中の高分子凝集剤の濃度の意味である(後述する実験でも同様)。
実験手順は以下の通りである。
500mLの汚泥に、所定量のポリ硫酸第二鉄(濃度20g/L、鉄換算)を加えて、回転速度を150rpmに設定した撹拌機により、汚泥とポリ硫酸第二鉄を1分間撹拌した(無機凝集剤・前添加工程)。
次に、第1の高分子凝集剤の溶液(濃度2g/L)を所定量加え、回転速度を5000rpmに設定した高速撹拌機により、汚泥と高分子凝集剤の溶液を10秒混合撹拌し、混合汚泥を調製した(第1撹拌工程)。
次に、混合汚泥に第2の高分子凝集剤の溶液(濃度2g/L)を所定量加え、回転速度150rpmの撹拌機により、混合汚泥と高分子凝集剤を2分間混合撹拌し、混合汚泥を凝集させ、凝集フロックを形成させて凝集汚泥を得た(第2撹拌工程)。
そして、ベルトプレス脱水機により凝集汚泥を脱水し、得られた脱水ケーキの含水率(%)を測定した。
なお、汚泥A、Bの実験では、第1の高分子凝集剤の溶液を10mL、第2の高分子凝集剤を5mL加えた。
汚泥Cの実験では、第1の高分子凝集剤の溶液を11mL、第2の高分子凝集剤の溶液を4mL加えた。
脱水ケーキの含水率(%)は、脱水ケーキを105〜110℃で蒸発乾固したときに蒸発する水の質量から求めた。測定方法は下水試験方法に準拠した。(以降の実験でも同様)。
また、比較例として、第1撹拌工程を行わない実験も行った。第1撹拌工程を行わないこと以外、上記実験手順と同様とした。
なお、下記表中の「高分子凝集剤注入率」は、第1撹拌工程と第2撹拌工程で加える高分子凝集剤の合計注入率の意味である(後述する実験でも同様)。
実験結果を表1に示す。
Figure 0006378865
汚泥A、Bについて、高速撹拌工程を行うことにより脱水ケーキの含水率を低減できた。汚泥Cについても、高速撹拌を行うことにより高分子凝集剤の注入率、脱水ケーキの含水率を低減できた。
これらのことから、第1撹拌工程(高速撹拌)を実施することにより、高分子凝集剤の注入率および脱水ケーキの含水率を低減できることが分かった。
(実験2)
実験2では、第1の高分子凝集剤の溶液を汚泥に加えて第1撹拌工程を実施し、第2の高分子凝集剤の溶液を加えて第2撹拌工程を実施し、得られた凝集汚泥に無機凝集剤を加えて無機凝集剤・後添加工程を実施した後、得られた凝集汚泥をベルトプレス脱水機により脱水して脱水ケーキを得るという汚泥の処理方法において、前記第1撹拌工程を実施することにより、脱水ケーキの含水率を低減できるか、検討した。
本実験では、被処理物として汚泥Dを使用した。汚泥Dは、下水処理場から採取した嫌気性消化汚泥である。
汚泥DのTSは、14.5g/Lであった。なお、TSとは、蒸発残留物のことであり、汚泥を105〜110℃で蒸発乾固したときに残留する物質の濃度である。測定方法は下水試験方法に準拠した。
実験では、第1及び第2の高分子凝集剤ともに、高分子凝集剤c(両性高分子凝集剤、分子量700万)を使用した。第1及び第2の高分子凝集剤の溶液の濃度はともに2g/Lに調製した。
実験手順は以下の通りである。
250mLの汚泥に、第1の高分子凝集剤の溶液(濃度2g/L)を25mL加え、回転速度を5000rpmに設定した高速撹拌機により、汚泥と高分子凝集剤の溶液を10秒混合撹拌し、混合汚泥を調製した(第1撹拌工程)。
次に、混合汚泥に、第2の高分子凝集剤の溶液(濃度2g/L)を5mL加え、回転速度150rpmの撹拌機により、混合汚泥と高分子凝集剤を2分間混合撹拌し、混合汚泥を凝集させ、凝集フロックを形成させて凝集汚泥を得た(第2撹拌工程)。
次に、凝集フロックを篩いで濃縮し、濃縮汚泥を得た。濃縮汚泥のTSは、65.9g/Lであった。
次に、濃縮汚泥に所定量のポリ硫酸第二鉄(濃度53g/L、鉄換算)を加えた(無機凝集剤・後添加工程)。
そして、ベルトプレス脱水機により、ポリ硫酸第二鉄を加えた濃縮汚泥を脱水し、得られた脱水ケーキの含水率(%)を測定した。また、SS回収率を測定した。
なお、SS回収率(%)は「(250mLの汚泥から得られた脱水ケーキの乾燥重量)÷(250mLの汚泥に含まれるSS)×100」として算出した。
また、比較例として、第1撹拌工程を行わない実験も行った。第1撹拌工程を行わないこと以外、上記実験手順と同様とした。
実験結果を表2に示す。
Figure 0006378865
高速撹拌工程を行うことにより、高分子凝集剤の注入率を低減でき、SS回収率を増加させることができた。
これらのことから、第1撹拌工程(高速撹拌)を実施することにより、高分子凝集剤の注入率および脱水ケーキの含水率を低減できることが分かった。
(実験3)
実験3では、汚泥に無機凝集剤を加えて無機凝集剤・前添加を実施した後、第1の高分子凝集剤の溶液を汚泥に加えて第1撹拌を実施し、第2の高分子凝集剤の溶液を加えて第2撹拌を実施し、得られた凝集汚泥をベルトプレス脱水機により脱水して脱水ケーキを得るという汚泥の処理方法において、前記第1撹拌工程を実施することにより、脱水ケーキの含水率が低減できるか、さらに脱水ろ液の色度が低減できるか、検討した。
本実験では、被処理物として2種類の汚泥(A、C)を使用した。いずれもし尿処理場で発生する汚泥である。いずれも異なる尿処理場から採取した。
汚泥A、CのTSは、それぞれ、6.7g/L、9.0g/Lであった。なお、TSとは、蒸発残留物のことであり、汚泥を105〜110℃で蒸発乾固したときに残留する物質の濃度である。測定方法は下水試験方法に準拠した。
汚泥A、Cの実験では、第1及び第2の高分子凝集剤ともに、高分子凝集剤a(カチオン性高分子凝集剤、分子量900万)を使用した。第1及び第2の高分子凝集剤の溶液の濃度はともに2g/Lに調製した。
また、第1の高分子凝集剤の溶液及び第2の高分子凝集剤の溶液は、いずれも高分子凝集剤を水に溶解して得た水溶液であり、その濃度とは、水溶液中の高分子凝集剤の濃度の意味である(後述する実験でも同様)。
実験手順は以下の通りである。
500mLの汚泥に、所定量のポリ硫酸第二鉄(濃度20g/L、鉄換算)を加え、回転速度を150rpmに設定した撹拌機により、汚泥と無機凝集剤を1分間撹拌した(無機凝集剤・前添加工程)。
次に、第1の高分子凝集剤の溶液(濃度2g/L)を所定量加え、回転速度を5000rpmに設定した高速撹拌機により、汚泥と高分子凝集剤の溶液を10秒混合撹拌し、混合汚泥を調製した(第1撹拌工程)。
次に、混合汚泥に第2の高分子凝集剤の溶液(濃度2g/L)を所定量加え、回転速度150rpmの撹拌機により混合汚泥と高分子凝集剤を2分間混合撹拌し、混合汚泥を凝集させ、凝集フロックを形成させて凝集汚泥を得た(第2撹拌工程)。
そして、ベルトプレス脱水機により、凝集汚泥を脱水し、得られた脱水ケーキの含水率(%)を測定すると共に、脱水ろ液の色度を測定した。
なお、汚泥Aの実験では、第1の高分子凝集剤の溶液を10mL、第2の高分子凝集剤を5mL加えた。
汚泥Cの実験では、第1の高分子凝集剤の溶液を15mL、第2の高分子凝集剤の溶液を5mL加えた。
比較例として、第1撹拌(高速撹拌)を行わない実験も行った。第1撹拌を行わないこと以外、上記実験手順と同様とした。
脱水ケーキの含水率(%)は、脱水ケーキを105〜110℃で蒸発乾固したときに蒸発する水の質量から求めた。測定方法は下水試験方法に準拠した。
脱水ろ液の色度の測定方法は、下水試験方法に準拠した。
実験結果を表3に示す。
Figure 0006378865
汚泥A、Cについて、高速撹拌工程を行うことにより脱水ケーキの含水率を低減できるとともに、脱水ろ液の色度を低減できた。
これらのことから、第1撹拌工程(高速撹拌)を実施することにより、脱水ケーキの含水率を低減できるとともに、脱水ろ液の色度を低減できることが分かった。
(参考実験1)
参考実験1では、第1の高分子凝集剤の溶液を汚泥に加えて第1撹拌を実施した後、第2の高分子凝集剤の溶液を加えて第2撹拌を実施し、得られた凝集汚泥をベルトプレス脱水機により脱水して脱水ケーキを得るという工程において、第1撹拌における撹拌速度を変更して脱水ケーキの含水率との関係を検討した。
実験には3種類の汚泥(O、P、Q)を使用した。いずれも嫌気性消化汚泥である。いずれも異なる廃水処理施設から採取した。
汚泥O、P、QのTSは、それぞれ12.0、26.2、34.9g/Lである。なお、TSとは、蒸発残留物のことであり、汚泥を105〜110℃で蒸発乾固したときに残留する物質の濃度である。測定方法は下水試験方法に準拠した。
汚泥Oの実験では、第1及び第2の高分子凝集剤ともに、カチオン性高分子凝集剤o(DAM系高分子凝集剤、分子量300万、粘度114mPa・s)を使用した。
汚泥Pの実験では、第1及び第2の高分子凝集剤ともに、カチオン性高分子凝集剤gを使用した。
汚泥Qの実験では、第1及び第2の高分子凝集剤ともに、カチオン性高分子凝集剤h(アミジン系高分子凝集剤、分子量300万、粘度34mPa・s)を使用した。
また、第1の高分子凝集剤の溶液及び第2の高分子凝集剤の溶液は、いずれも高分子凝集剤を水に溶解して得た水溶液であり、その濃度とは、水溶液中の高分子凝集剤の濃度の意味である(後述する参考実験でも同様)。
実験手順は以下の通りである。
250mLの汚泥に第1の高分子凝集剤の溶液(濃度10g/L)を所定量加え、高速撹拌機により汚泥と高分子凝集剤の溶液を10秒混合撹拌し、混合汚泥を調製した。次に、混合汚泥に第2の高分子凝集剤の溶液(濃度10g/L)を所定量加え、撹拌速度150rpmの撹拌機により混合汚泥と高分子凝集剤を2分間混合撹拌し、混合汚泥を凝集させ、凝集フロックを形成させた。最後に、ベルトプレス脱水機により、凝集フロックを脱水し、得られた脱水ケーキの含水率(%)を測定した。
なお、汚泥Oの実験では、第1の高分子凝集剤の溶液を2mL、第2の高分子凝集剤を2mL加えた。
汚泥Pの実験では、第1の高分子凝集剤の溶液を4mL、第2の高分子凝集剤の溶液を5mL加えた。
汚泥Qの実験では、第1の高分子凝集剤の溶液を20mL、第2の高分子凝集剤の溶液を7mL加えた。
脱水ケーキの含水率(%)は、脱水ケーキを105〜110℃で蒸発乾固したときに蒸発する水の質量から求めた。測定方法は下水試験方法に準拠した。(以降の参考実験でも同様)。
実験結果を表4に示す。なお、表中の「−」はデータが無いことを示している。
Figure 0006378865
汚泥O、Pについては、高速撹拌機の撹拌速度が1000rpm程度以上でケーキ含水率を低減できた。汚泥Qについては、3000rpm程度以上の撹拌速度で汚泥を凝集させることができ、脱水ケーキを得ることができた。
これらのことから、高速撹拌の撹拌速度を、好ましくは1000rpm以上、より好ましくは2000rpm以上、さらにより好ましくは3000rpm以上に調整することにより、ケーキ含水率を低減できること、又は汚泥を凝集させ、脱水ケーキを得ることができることが分かった。
(参考実験2)
参考実験2では、第1の高分子凝集剤の溶液を汚泥に加えて第1撹拌を実施した後、第2の高分子凝集剤の溶液を加えて第2撹拌を実施し、得られた凝集汚泥をベルトプレス脱水機により脱水して脱水ケーキを得るという工程において、第1の高分子凝集剤の溶液の濃度を2〜20g/Lの範囲で変更して脱水ケーキの含水率との関係を検討した。
実験には3種類の汚泥(O、R、S)を使用した。いずれも嫌気性消化汚泥である。汚泥O、Rは同じ廃水処理施設から採取したが、汚泥濃度が異なる。
汚泥Sは汚泥O、Rとは異なる廃水処理施設から採取した。汚泥O、R、SのTSは、それぞれ12.0、12.2、37.1g/Lである。
汚泥O、Rの実験では、第1及び第2の高分子凝集剤ともに、カチオン性高分子凝集剤o(DAM系高分子凝集剤、分子量300万、粘度114mPa・s)を使用した。
汚泥Sの実験では、第1及び第2の高分子凝集剤ともに、カチオン性高分子凝集剤h(アミジン系高分子凝集剤、分子量300万、粘度34mPa・s)を使用した。
実験では、第1及び第2の高分子凝集剤の溶液は同じ濃度に調製した。例えば、第1の高分子凝集剤の溶液を2g/Lに調製した場合、第2の高分子凝集剤の溶液も2g/Lに調製した。第1の高分子凝集剤の溶液を20g/Lに調製した場合、第2の高分子凝集剤の溶液も20g/Lに調製した。
実験手順は以下の通りである。
250mLの汚泥に第1の高分子凝集剤の溶液(濃度2〜20g/L)を所定量加え、撹拌速度10000〜11000rpmの高速撹拌機により汚泥と高分子凝集剤の溶液を10秒混合撹拌し、混合汚泥を調製した。次に、混合汚泥に第2の高分子凝集剤の溶液(濃度2〜20g/L)を所定量加え、撹拌速度150rpmの撹拌機により混合汚泥と高分子凝集剤を2分間混合撹拌し、混合汚泥を凝集させ、凝集フロックを形成させた。
最後に、ベルトプレス脱水機により、凝集フロックを脱水し、得られた脱水ケーキの含水率(%)を測定した。
汚泥Oの実験では、第1の高分子凝集剤を合計注入量の50%加え、第2の高分子凝集剤を合計注入量の50%加えた。
汚泥Rの実験では、第1の高分子凝集剤を合計注入量の57%加え、第2の高分子凝集剤を合計注入量の43%加えた。
汚泥Sの実験では、第1の高分子凝集剤を合計注入量の75%加え、第2の高分子凝集剤を合計注入量の25%加えた。
実験結果を表5に示す。
Figure 0006378865
汚泥Oについては、第1の高分子凝集剤濃度が3g/L以上でケーキ含水率を低減でき、10g/L程度で最もケーキ含水率を低減できた。汚泥Rについては、第1の高分子凝集剤濃度が3g/L以上でケーキ含水率を低減でき、3g/Lと5g/Lで最もケーキ含水率を低減できた。汚泥Sについては、第1の高分子凝集剤濃度が3g/L以上でケーキ含水率を低減でき、10g/L程度で最もケーキ含水率を低減できた。
これらのことから、第1の高分子凝集剤溶液の濃度は、好ましくは3g/L以上、より好ましくは5g/L以上、さらにより好ましくは10g/L以上に調製することにより、ケーキ含水率を低減できることが分かった。
(参考実験3)
参考実験3では、第1の高分子凝集剤の溶液を汚泥に加えて第1撹拌を実施した後、第2の高分子凝集剤の溶液を加えて第2撹拌を実施し、得られた凝集汚泥をベルトプレス脱水機により脱水して脱水ケーキを得る工程において、第1の高分子凝集剤の種類を変更して脱水ケーキの含水率、SS回収率との関係を検討した。
実験には汚泥Tを使用した。汚泥Tは嫌気性消化汚泥である。汚泥TのTSは20.9g/Lである。
高分子凝集剤としては、分子量の異なる高分子凝集剤(o、p、q、r、s、t)を使用した。高分子凝集剤o、p、q、r、tはカチオン性高分子凝集剤であり、中でも高分子凝集剤o、pはDAM系高分子凝集剤、高分子凝集剤q、r、tはDAA系高分子凝集剤である。高分子凝集剤sは両性高分子凝集剤である。
高分子凝集剤o、p、q、r、s、tの分子量(粘度mPa・s)は、それぞれ300万(114mPa・s)、400万(143mPa・s)、500万(147mPa・s)、600万(225mPa・s)、700万(238mPa・s)、800万(280mPa・s)である。
ここで記載した分子量は粘度法より求めた平均分子量である。また、粘度は、高分子凝集剤を水に2g/Lで溶解し、B型粘度計を使用し、25℃、60rpmの回転数で測定した値である。
実験手順は以下の通りである。
250mLの汚泥に第1の高分子凝集剤の溶液(濃度2g/L)を31mL加え、撹拌速度5000rpmの高速撹拌機により汚泥と高分子凝集剤の溶液を10秒混合撹拌し、混合汚泥を調製した。次に、混合汚泥に第2の高分子凝集剤の溶液(濃度2g/L)を9mL加え、撹拌速度200rpmの撹拌機により混合汚泥と高分子凝集剤を5分間混合撹拌し、混合汚泥を凝集させ、凝集フロックを形成させた。最後に、ベルトプレス脱水機により、凝集フロックを脱水し、得られた脱水ケーキの含水率(%)を測定した。また、SS回収率を測定した。
なお、SS回収率(%)は「(250mLの汚泥から得られた脱水ケーキの乾燥重量)÷(250mLの汚泥に含まれるSS)×100」として算出した。(以降の参考実験でも同様)。
実験結果を表6に示す。
Figure 0006378865
表6において、SS回収率の比とは、高分子凝集剤tを使用した時のSS回収率を100とした時の比率を示すものである。
SS回収率の比について、分子量が500万以上(高分子凝集剤q、r、s、t)では97以上であるが、分子量が400万以下(高分子凝集剤o、p)では81〜87であった。一方、どの高分子凝集剤を使用しても、ケーキ含水率は82〜83%の範囲内であった。
これらのことから、分子量は好ましくは450万以上、より好ましくは500万以上の高分子凝集剤を使用することにより、SS回収率を増加させることができることが分かった。
(参考実験4)
参考実験4では、第1の高分子凝集剤の溶液を汚泥に加えて第1撹拌を実施した後、第2の高分子凝集剤の溶液を加えて第2撹拌を実施し、得られた凝集汚泥をベルトプレス脱水機により脱水して脱水ケーキを得る工程において、第1の高分子凝集剤の注入量を変更してSS回収率との関係を検討した。
実験には汚泥Tを使用した。汚泥Tは嫌気性消化汚泥である。汚泥TのTSは20.9g/Lである。
高分子凝集剤としては、分子量の異なる高分子凝集剤(q、r、s、t)を使用した。
高分子凝集剤q、r、tはカチオン性高分子凝集剤であり、高分子凝集剤sは両性高分子凝集剤である。
高分子凝集剤q、r、s、tの分子量(粘度mPa・s)は、それぞれ500万(147mPa・s)、600万(225mPa・s)、700万(238mPa・s)、800万(280mPa・s)である。
ここで記載した分子量は粘度法より求めた平均分子量である。また、粘度は、高分子凝集剤を水に2g/Lで溶解し、B型粘度計を使用し、25℃、60rpmの回転数で測定した値である。
実験では、第1及び第2の高分子凝集剤ともに同じ種類のものを使用し、第1及び第2の高分子凝集剤の溶液は同じ濃度に調製した。
実験手順は以下の通りである。
250mLの汚泥に第1の高分子凝集剤の溶液(濃度2g/L)を所定量加え、撹拌速度5000rpmの高速撹拌機により汚泥と高分子凝集剤の溶液を10秒混合撹拌し、混合汚泥を調製した。次に、混合汚泥に第2の高分子凝集剤の溶液(濃度2g/L)を所定量加え、撹拌速度200rpmの撹拌機により混合汚泥と高分子凝集剤を5分間混合撹拌し、混合汚泥を凝集させ、凝集フロックを形成させた。最後に、ベルトプレス脱水機により、凝集フロックを脱水し、脱水ケーキを得、SS回収率を測定した。
実験では、第1及び第2の高分子凝集剤の溶液の合計注入量を40mLとし、第1の高分子凝集剤の溶液を2.5〜37.5mLの範囲で変更して加えた。
実験結果を図10に示す。
図10は、高速撹拌時に加える高分子凝集剤の注入量と、高分子凝集剤q、r、s、tを使用した時の平均SS回収率の比との関係を示したグラフである。この図において、平均SS回収率の比は、第1の高分子凝集剤の注入量が59%時の平均SS回収率を100とした時の比率を示すものである。
この結果から、高速撹拌時に加える高分子凝集剤の注入量を合計注入量の好ましくは45〜95%、より好ましくは50〜95%、さらにより好ましくは55〜90%に調整することにより、SS回収率を増加させることができることが分かった。
(参考実験5)
参考実験5では、第1の高分子凝集剤の溶液を汚泥に加えて第1撹拌を実施した後、第2の高分子凝集剤の溶液を加えて第2撹拌を実施し、得られた凝集汚泥をベルトプレス脱水機により脱水して脱水ケーキを得る工程において、第1及び第2の高分子凝集剤の合計注入率を変更して脱水ケーキの含水率との関係を検討した。
実験には汚泥Qを使用した。汚泥Qは嫌気性消化汚泥である。汚泥QのTSは34.9g/Lである。
実験では、第1及び第2の高分子凝集剤ともに、カチオン性高分子凝集剤h(アミジン系高分子凝集剤、分子量300万、粘度34mPa・s)を使用した。カチオン性高分子凝集剤hは10g/Lに調製した。
実験手順は以下の通りである。
250mLの汚泥に第1の高分子凝集剤の溶液を所定量加え、撹拌速度11000rpmの高速撹拌機により汚泥と高分子凝集剤の溶液を10秒混合撹拌し、混合汚泥を調製した。次に、混合汚泥に第2の高分子凝集剤の溶液を5mL加え、撹拌速度150rpmの撹拌機により混合汚泥と高分子凝集剤を2分間混合撹拌し、混合汚泥を凝集させ、凝集フロックを形成させた。最後に、ベルトプレス脱水機により、凝集フロックを脱水し、得られた脱水ケーキの含水率(%)を測定した。
本実験では、第2の高分子凝集剤の溶液の注入量を一定(5mL)とし、合計注入率に合わせて、第1の高分子凝集剤の注入量を12〜19mLの範囲で変更した。
また、参考実験5に対する参考比較例として、通常速度の撹拌と2g/Lの高分子凝集剤の溶液により汚泥を凝集させ、凝集させた汚泥をベルトプレス脱水機により脱水した。
参考比較例の実験手順は以下の通りである。
250mLの汚泥に高分子凝集剤の溶液(濃度2g/L)を所定量加え、撹拌速度150rpmの撹拌機により汚泥と高分子凝集剤を3分間混合撹拌し、汚泥を凝集させ、凝集フロックを形成させた。次に、ベルトプレス脱水機により、凝集フロックを脱水し、得られた脱水ケーキの含水率(%)を測定した。
参考比較例の実験では、合計注入率に合わせて、高分子凝集剤の溶液の注入量を85〜125mLの範囲で変更した。
参考実験5及び参考比較例の実験結果を図11に示す。
図11は高分子凝集剤注入率と脱水ケーキの含水率との関係を示す。この結果から、高速撹拌と10g/Lの高分子凝集剤溶液を使用した方が、通常速度撹拌と2g/Lの高分子凝集剤溶液を使用したよりも、脱水ケーキの含水率を2〜3ポイント程度低減できることが分かった。また、高速撹拌と10g/Lの高分子凝集剤溶液を使用した方が、通常速度撹拌と2g/Lの高分子凝集剤溶液を使用したよりも、高分子凝集剤の注入率を2〜3割程度削減できることが分かった。
(参考実験6)
参考実験6では、汚泥を希釈水で希釈して汚泥希釈を実施した後、第1の高分子凝集剤の溶液を汚泥に加えて第1撹拌を実施し、第2の高分子凝集剤の溶液を加えて第2撹拌を実施し、得られた凝集汚泥をスクリュープレス脱水機により脱水して脱水ケーキを得るという工程において、汚泥希釈を実施することにより脱水ケーキの含水率を低減できるか検討した。
実験には汚泥Hを使用した。汚泥Hは嫌気性消化汚泥である。実験期間中の汚泥HのTSは42.5〜43.5g/Lであった。汚泥Hの溶解性成分濃度は極めて高く、試験期間中の汚泥Hの電気伝導率は19.9〜21.1mS/cmであり、Mアルカリ度は7600〜9000mg−CaCO/Lであった。
第1及び第2の高分子凝集剤ともに、カチオン性高分子凝集剤h(アミジン系高分子凝集剤、分子量300万、粘度34mPa・s)を使用した。カチオン性高分子凝集剤hは2g/L或いは5g/Lに調製した。高分子凝集剤の溶解には、工業用水を使用した。希釈水には、工業用水を使用した。
実験手順は以下の通り連続式で行った。
汚泥(汚泥流量3.0m/h)に希釈水(希釈水流量1.5m/h)を加え、希釈汚泥(1.5倍希釈)を調製した。希釈汚泥に第1の高分子凝集剤の溶液を合計注入量の70%加え、撹拌速度が3000rpmの高速撹拌機(撹拌部容積0.8L)により希釈汚泥と高分子凝集剤の溶液を混合撹拌し、混合汚泥を調製した。次に混合汚泥に第2の高分子凝集剤の溶液を合計注入量の30%加え、撹拌速度33rpmの撹拌機(撹拌槽容積900L)により混合汚泥と高分子凝集剤を混合撹拌し、混合汚泥を凝集させ、凝集フロックを形成させた。最後にスクリュープレス脱水機により、凝集フロックを脱水し、得られた脱水ケーキの含水率(%)を測定した。
比較参照例として、希釈水を加えない実験も行った。希釈水を加えないこと以外、上記実験手順と同様とした。
実験結果を表7に示す。
Figure 0006378865
高分子凝集剤の溶液の濃度が2g/Lの場合、希釈工程を行うことにより高分子凝集剤の注入率、脱水ケーキの含水率を低減できた。高分子凝集剤の溶液の濃度が5g/Lの場合も、希釈工程を行うことにより高分子凝集剤の注入率、脱水ケーキの含水率を低減できた。これらのことから、汚泥希釈工程を導入することにより、高分子凝集剤の注入率および脱水ケーキの含水率を低減できることが分かった。
上記参考実験1〜5の実験がバッチ式であるのに対し、本参考実験(参考実験6)の実験は連続式で行った。また、参考実験1〜5と同様の実験を連続式に行ったところ、バッチ式の実験と連続式の実験とでは結果に相違は認められなかった。
1 汚泥貯槽
2 第1の高分子凝集剤溶解槽
3 第2の高分子凝集剤溶解槽
4 汚泥供給ポンプ
5 第1の高分子凝集剤ポンプ
6 第2の高分子凝集剤ポンプ
7 高速撹拌槽
8 通常速度撹拌槽
9 高速撹拌機
10 通常撹拌機
11 脱水機
12 無機凝集剤貯槽
13 無機凝集剤ポンプ
14 無機凝集剤撹拌槽
15 無機凝集剤撹拌機
16 濃縮機
17 無機凝集剤添加機
18 スリット形成機
20 汚泥濃縮機
21 汚泥投入用ホッパー
22 汚泥移動手段
23 水捕集手段
24 ベルト
25 ベルト駆動装置
26 汚泥排出口
27 ベルト洗浄管
28 加圧手段
28A 加圧板
30 スリット形成機
31 裁断刃

Claims (6)

  1. アニオン性高分子凝集剤、ノニオン性高分子凝集剤、カチオン性高分子凝集剤、両性高分子凝集剤のいずれかの種類のうちから選択される、分子量450万以上である第1の高分子凝集剤の溶液を、被処理物としての汚泥に加え、回転速度を1000rpm以上に設定された少なくとも1つの撹拌機により、前記汚泥と前記第1の高分子凝集剤の溶液とを20秒以下で混合して混合汚泥を調製する混合汚泥調製工程と、
    前記第1の高分子凝集剤で選択された前記種類のうちから選択される第2の高分子凝集剤の溶液を前記混合汚泥に加え、前記混合汚泥と前記第2の高分子凝集剤の溶液とを混合して凝集フロックを形成して凝集汚泥を得る凝集フロック形成工程とを有し、
    前記混合汚泥調製工程の前に、被処理物としての汚泥に無機凝集剤を加える無機凝集剤・前添加工程を導入することを特徴とする汚泥の処理方法。
  2. 請求項1に記載の汚泥の処理方法において、無機凝集剤・前添加工程を導入する代わりに、
    前記凝集フロック形成工程の後に、凝集フロック形成工程で得られた凝集汚泥を濃縮して濃縮汚泥を得る濃縮工程と、濃縮工程で得た濃縮汚泥に無機凝集剤を加える無機凝集剤・後添加工程とを導入することを特徴とする、請求項1に記載の汚泥の処理方法。
  3. 前記無機凝集剤・後添加工程において、無機凝集剤が加えられた濃縮汚泥に、第3の高分子凝集剤を加えることを特徴とする請求項2に記載の汚泥の処理方法。
  4. 無機凝集剤を汚泥に加える手段を備えた無機凝集剤添加機と、
    アニオン性高分子凝集剤、ノニオン性高分子凝集剤、カチオン性高分子凝集剤、両性高分子凝集剤のいずれかの種類のうちから選択される、分子量450万以上である第1の高分子凝集剤の溶液を前記汚泥に加える手段、及び、回転速度を1000rpm以上に設定された少なくとも1つの撹拌機を備え、前記汚泥と前記第1の高分子凝集剤の溶液とを20秒以下で混合して混合汚泥を調製する混合汚泥調製装置と、
    前記第1の高分子凝集剤で選択された前記種類のうちから選択される第2の高分子凝集剤の溶液を前記混合汚泥に加える手段、及び、前記混合汚泥と前記第2の高分子凝集剤の溶液とを混合して凝集フロックを形成して凝集汚泥を得る凝集フロック形成装置と、を備えた汚泥の処理装置。
  5. アニオン性高分子凝集剤、ノニオン性高分子凝集剤、カチオン性高分子凝集剤、両性高分子凝集剤のいずれかの種類のうちから選択される、分子量450万以上である第1の高分子凝集剤の溶液を、汚泥に加える手段、及び、回転速度を1000rpm以上に設定された少なくとも1つの撹拌機を備え、前記汚泥と前記第1の高分子凝集剤の溶液とを20秒以下で混合して混合汚泥を調製する混合汚泥調製装置と、
    前記第1の高分子凝集剤で選択された前記種類のうちから選択される第2の高分子凝集剤の溶液を前記混合汚泥に加える手段、及び、前記混合汚泥と前記第2の高分子凝集剤の溶液とを混合して凝集フロックを形成して凝集汚泥を得る凝集フロック形成装置と、
    前記凝集汚泥を濃縮する汚泥濃縮機と、汚泥濃縮機から排出された濃縮汚泥に無機凝集剤を添加する無機凝集剤添加機と、を備えた汚泥の処理装置。
  6. 前記汚泥濃縮機が、汚泥投入用ホッパーと、汚泥移動手段と、汚泥移動手段の上方に設けられた加圧手段と、汚泥移動手段の下方に設けられた水捕集手段とを備える汚泥圧搾機であることを特徴とする請求項5に記載の汚泥の処理装置。
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