JP2501758Y2 - 汚泥脱水装置 - Google Patents

汚泥脱水装置

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JP2501758Y2
JP2501758Y2 JP1990055828U JP5582890U JP2501758Y2 JP 2501758 Y2 JP2501758 Y2 JP 2501758Y2 JP 1990055828 U JP1990055828 U JP 1990055828U JP 5582890 U JP5582890 U JP 5582890U JP 2501758 Y2 JP2501758 Y2 JP 2501758Y2
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一利 徳永
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日立プラント建設株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は汚泥脱水装置に係り、特に下水処理設備に設
置される汚泥脱水装置に関する。
〔従来の技術〕
従来から、下水処理場で発生する汚泥は、その状態で
廃棄することができないので、この汚泥を脱水すると共
に乾燥して焼却処理するようにしている。
一般に、前記汚泥は多量の水分を含んでいる為、汚泥
の脱水の為に汚泥脱水装置が使用される。
係る汚泥脱水装置は、汚泥貯留槽に一時貯留された前
記汚泥をポンプによって凝集槽に定量づつ供給する。こ
れと同時に、前記凝集槽には凝集剤貯留槽から高分子凝
集剤が定量づつ供給され、これにより凝集槽に於いて前
記汚泥が凝集剤と混合されてフロック状に生製される。
フロック状に生製された前記汚泥は、凝集槽から定量づ
つ上濾布上に順次供給され、この上濾布の下方に設置さ
れた下濾布との間で挟み込まれた状態で搬送されながら
加圧されると共に脱水される。
前記上濾布と下濾布は、水を透過する目の粗い布から
構成され、前記上濾布上に汚泥が供給されると、先ず汚
泥に含まれている水分が水分の重力によって上濾布を透
過して上濾布の下方に設けられた受け皿に落下する。こ
れによって、前記汚泥は、いわゆる重力脱水が行われ
る。次に、汚泥は上濾布の回転移動に伴って、前述した
ように上濾布と下濾布との間に挟み込まれた状態で搬送
されながら加圧され、この圧力によっていわゆる加圧脱
水が行われる。次いで、前記汚泥は、前記上濾布と下濾
布との間で加圧されて搬送されるに従い剪断力が加えら
れ、これによっていわゆる剪断脱水が行われる。剪断脱
水された前記汚泥は、上濾布と下濾布の出口に至るまで
に十分に脱水されて脱水ケーキとなり、この脱水ケーキ
が上濾布から剥離した後、下濾布から剥離してケーキホ
ッパに落下する。落下した脱水ケーキは、コンベアによ
って乾燥機まで搬送され、乾燥機で乾燥さた後焼却され
る。
このような汚泥脱水装置は、ベルトプレス型脱水機と
呼ばれ、少量の添加で優れた凝集効果を発揮する高分子
凝集剤が開発されて以来、脱水ケーキの含水率が大幅に
低下したので、汚泥処理能力が大幅に向上した。
〔考案が解決しようとする課題〕
しかしながら、従来の汚泥脱水装置は、上濾布で行わ
れる重力脱水のみでは汚泥が十分に脱水されない場合が
ある。係る場合に、加圧脱水−剪断脱水を行うと、凝集
汚泥が上濾布と下濾布との両側でリークする。この結
果、脱水ケーキの含水率が上昇し汚泥処理能力が低下す
るという欠点がある。
このような不具合を解消する為に、前記上濾布の裏側
を真空状態にして真空脱水を行う方法があるが、この方
法では装置全体が大型化するという欠点がある。
本考案はこのような事情に鑑みてなされたもので、重
力脱水時に於ける脱水能力を向上し、脱水ケーキの含水
率を低下させて優れた脱水効果を発揮することができる
汚泥脱水装置を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
汚泥を凝集剤と混合して凝集する汚泥凝集装置と、汚
泥凝集装置から供給された凝集汚泥を搬送する無端ベル
ト状の第1の濾布と、第1の濾布との間で前記凝集汚泥
を挟んで搬送しながら加圧して脱水する無端ベルト状の
第2の濾布と、を備えた汚泥脱水装置に於いて、前記第
1の濾布上に対向させて、下面に多数の小孔を有する箱
状の水切り部材を設け、前記汚泥凝集装置から出た凝集
汚泥を前記第1の濾布と前記水切り部材とで挟持すると
共に、前記水切り部材で凝集汚泥を押圧して前記第1の
濾布から前記凝集汚泥中の水分を透過させる一方、前記
水切り部材の小孔から凝集汚泥中の水分を前記箱状の水
切り部材内に抽出し、前記水切り部材内に抽出した水分
を前記水切り部材に設けた吸水装置で吸水して排水する
ようにしたことを特徴とする。
〔作用〕
本考案によれば、第1の濾布(20)で搬送される凝集
汚泥(16)に水切り部材(28)を押圧当接する。これに
よって、前記凝集汚泥(16)に含まれる水分は、水切り
部材(28)の凝集汚泥(16)と押圧当接する面(44)に
形成された小孔(50)から抽出することができる。ま
た、前記水切り部材(28)で抽出された水分は、吸水装
置で吸水して排水するようにしたので、水切り部材(2
8)による抽出効率を高めることができる。
〔実施例〕
以下添付図面に従って本考案に係る汚泥脱水装置の好
ましい実施例を詳説する。
第1図は本考案に係る汚泥脱水装置の実施例が示され
ている。
第1図に於いて、汚泥貯留槽10は汚泥が一時貯留さ
れ、この汚泥は図示しない汚泥ポンプによって混合ドラ
ム12に供給される。また、凝集剤貯留槽14には高分子凝
集剤が貯留され、この高分子凝集剤は図示しない薬品注
入ポンプによって前記混合ドラム12に供給される。前記
混合ドラム12は、前記汚泥と高分子凝集剤とを混合して
汚泥をフロック状に生製する。フロック状に生製された
前記汚泥16は、混合ドラム12の出口側下方に設けられた
ホッパ18に定量づつ供給される。
前記ホッパ18の下方には、無端ベルト状の上濾布20が
配置されている。前記上濾布20は、ガイドローラ22と複
数のプレスローラ24、24…とセパレートローラ26とによ
って張設され、前記ガイドローラ22に連結された図示し
ない駆動モータを駆動することにより図中矢印方向に回
転移動可能に取付けられる。
従って、前記ホッパ18の汚泥16は、ホッパ18の出口か
ら前記上濾布20に供給されると共に、上濾布20の回転移
動に伴って搬送される。また、前記上濾布20の上方で前
記ホッパ18の近傍には、後述する水切り板28が取付けら
れている。
前記上濾布20の下方には、下濾布30が設置されてい
る。前記下濾布30は、ガイドローラ32とプレスローラ34
と前記プレスローラ24、24…とセパレートローラ36及び
テンションローラ38とによって張設されている。また、
下濾布30は、前記ガイドローラ32に連結した駆動モータ
を駆動することにより、図中矢印方向に回転移動可能に
取付けられる。
ところで、前記上濾布20と下濾布30は、汚泥16に含ま
れた水分を透過しやすいように目の粗い布から構成され
ており、上濾布20で搬送中の前記汚泥16から透過した水
が矢印で示すように落下して受け皿40で回収され、この
受け皿40から装置の外部に排出される。これによって、
汚泥16は上濾布20の搬送中に於いて重力脱水が行われ
る。また、重力脱水が行われた前記汚泥16は、上濾布20
のガイドローラ22から矢印で示すように下濾布30上に落
下し、下濾布30で搬送されてプレスローラ34の近傍で前
記上濾布22に挟み込まれて搬送される。挟み込まれた汚
泥16は、上濾布20と下濾布30が複数プレスローラ24、24
…で転送されて移動することにより、加圧されて加圧脱
水される。そして、加圧脱水された汚泥16は、搬送中に
於いて剪断脱水され、前記プレスローラ24、24…の出口
近傍で脱水ケーキ42となる。脱水ケーキ42は、上濾布20
から剥離した後、下濾布30に伴って搬送されセパレート
ローラ36から図示しないケーキホッパに落下する。落下
した脱水ケーキは、ケーキホッパからコンベアによって
乾燥機まで搬送され、乾燥機で乾燥された後焼却され
る。
一方、前述した水切り板28は第1図及び第2図に示す
ように、箱体に形成される。また、前記水切り板28の底
板44は、図中右縁部に設けられたヒンジ部46を介して支
持棒48の下端部に取付けられる。前記支持棒48の上端部
は汚泥脱水装置の外部に固定設置される。従って、前記
水切り板28は、前記ヒンジ部46、46を利用して図中矢印
方向に回動自在に取付けられる。これによって、前記水
切り板28は、水切り板28の自重により前記ヒンジ部46を
支点として図中下方向に回動するので、前記上濾布20で
搬送中の汚泥16にその底板44が押圧当接される。また、
前記底板44には、孔径が1mm〜5mmの小孔が多数形成され
る。尚、前記水切り板28の幅寸法は、搬送中の前記汚泥
16の幅寸法と略等しい幅に形成されている。
次に、前記の如く構成された汚泥脱水装置の水切り板
28の作用について説明する。
先ず、ホッパ18に貯留された汚泥16は、ホッパ18の出
口から上濾布20に定量づつ供給されて搬送される。汚泥
16は、上濾布20によって重力脱水されながら搬送され、
更に水切り板28の下部に位置すると、水切り板28の自重
により押圧されるので、その部分で重力脱水効果を高め
ることができる。また、水切り板28の底板44が汚泥16の
表面に当接押圧しているので、汚泥16に含まれた水分を
底板44に形成された小孔50、50…を介して抽出すること
ができる。抽出された水は図示しない吸水装置によって
吸水されて排水される。
従って、本実施例の汚泥脱水装置によれば、水切り板
28で上濾布20で搬送中の汚泥16を押圧するようにしたの
で、重力脱水効果を高めることができ、また水切り板28
の小孔50、50…から汚泥16に含まれる水分を抽出するよ
うにしたので、従来の汚泥脱水装置と比較し、重力脱水
ゾーンに於ける脱水効果を高めることができる。これに
より、汚泥16の加圧脱水及び剪断脱水を行う際に発生す
る汚泥16のリークを防止することができるので、脱水ケ
ーキ42の含水率を低下することができ、また汚泥処理能
力を向上することができる。
尚、水切り板28の重量及び小孔50の孔径については、
汚泥16の性状に基づいて選択することにより、より効果
的な脱水効果を図ることができる。
また、本実施例では水切り板28をヒンジ部46を利用し
て回動自在に取り付け水切り板28の自重で汚泥16を押圧
するようにしたが、これに限られるものではなく、水切
り板28をばね等で付勢して押圧するようにしても良い。
〔考案の効果〕
以上説明したように本考案に係る汚泥脱水装置によれ
ば、水切り部材を第1の濾布で搬送中の凝集汚泥に押圧
当接して、この水切り部材に形成した小孔から凝集汚泥
に含まれる水分を抽出し、抽出した水分を吸水装置で吸
水して排水するようにしたので、脱水効果を高めること
ができる。これにより、脱水ケーキの含水率を低下する
ことができ、汚泥処理能力を大幅に向上することができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案に係る汚泥脱水装置の実施例を示す説明
図、第2図は本考案に係る汚泥脱水装置に適用された水
切り板の実施例を示す斜視図である。 16……汚泥、20……上濾布、28……水切り板、30……下
濾布、42……脱水ケーキ、46……ヒンジ部、50……小
孔。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】汚泥を凝集剤と混合して凝集する汚泥凝集
    装置と、汚泥凝集装置から供給された凝集汚泥を搬送す
    る無端ベルト状の第1の濾布と、第1の濾布との間で前
    記凝集汚泥を挟んで搬送しながら加圧して脱水する無端
    ベルト状の第2の濾布と、を備えた汚泥脱水装置に於い
    て、 前記第1の濾布上に対向させて、下面に多数の小孔を有
    する箱状の水切り部材を設け、前記汚泥凝集装置から出
    た凝集汚泥を前記第1の濾布と前記水切り部材とで挟持
    すると共に、前記水切り部材で凝集汚泥を押圧して前記
    第1の濾布から前記凝集汚泥中の水分を透過させる一
    方、前記水切り部材の小孔から凝集汚泥中の水分を前記
    箱状の水切り部材内に抽出し、 前記水切り部材内に抽出した水分を前記水切り部材に設
    けた吸水装置で吸水して排水するようにしたことを特徴
    とする汚泥脱水装置。
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