JPS624395Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、液中に固形分を含んだ原液から固液
を分離したり、廃水例えば汚泥等の脱水を行なう
ベルトプレス脱水機（以下、ベルトプレスと略記
する。）に関する。

ベルトプレスは、通常凝集反応撹拌部・重力脱
水部・圧搾脱水部の三要素またはそれらの変法か
ら構成されている。

従来のベルトプレスの概略構造を第１図に示
す。第１図において、汚泥ホツパー１に供給され
た汚泥は下部布２ｂ上面に乗り、先ず重力脱水
部で汚泥中の水分の大部分が下部布２ｂを通過
して排水皿８に排出される。さらに、くさび脱水
部で下部布２ｂ上の汚泥は上部布２ａに挾み
込まれながら徐々に水分を下部布２ｂを通して
排水皿８に除去する。汚泥はさらに数個の千鳥状
に配列されたロール５を通過する際、布２ａ，
２ｂの張力とロール５の曲率を移用し圧搾力を誘
発せしめて汚泥中の水分を下部布２ｂを通して
排水皿８に除去する。脱水された汚泥は排水部に
設けた上下部スクレーパー９ａ，９ｂによつて上
下部布２ａ，２ｂから剥離しケーキコンベア１
０から排出される。

しかし、従来のベルトプレスの重力脱水部にお
いて第２図乃至第５図に図示するごとく、汚泥中
の固形物SSはフロツク１１を形成し、分離した
水１２は下部布２ｂを通し過水１２ａとして
除去される。この時、汚泥の（厚さに対して）下
の部分の分離水１２ｂは容易に布２ｂを通過す
るが上部の分離水１２ｃは下部のフロツク１１ａ
が障害となり、汚泥層を通過し難くなる。さらに
フロツクそのものが重力によつて汚泥の下部に沈
降するため、分離水１２の除去が一層困難となり
重力脱水部の機能を低下させるばかりでなく、ベ
ルトプレスそのものの機能迄低下さする原因とな
つている。

本考案は、複数個の上部ロールと千鳥状に配列
されたロールとに張架された上部布と、複数個
の下部ロールと上記千鳥状配列ロールとに張架さ
れた下部布と、上記布を駆動する駆動源と、
上記下部布上に汚泥を供給する汚泥供給ホツパ
ーとからなるベルトプレス脱水機の重力脱水部に
おいて、吸水性の良い吸水材を表面に持ちかつ上
記下部布上の汚泥表面に接するごとく配設され
た中空回転ロールと、上記中空回転ロールを上記
汚泥の搬送方向と逆方向に回転させる回転ロール
駆動源と、上記中空回転ロールの中空部に収納さ
れた吸水管および同吸水管に連結されたエジエク
ターとからなる脱水排出手段と、から構成される
ことを特徴とし、その目的とするところは、上記
の従来のベルトプレスの欠点を解消し、ベルトプ
レスの重力脱水部を縮少させしかもベルトプレス
の脱水性能の向上を計ることのベルトプレスの補
助脱水装置を提供するものである。

以下、本考案の好まして一実施例を第６図およ
び第７図に図示する実施例に基づいて説明する。

第１図および第６図、第７図において、複数個
の上部ロールすなわち上部ガイドロール３ａ、上
部楔脱水ロール４ａ、上部剥離ロール６ａ、上部
テンシヨンロール７ａと千鳥状に配列されたロー
ルすなわち圧搾脱水ロール５とに張架された上部
布２ａと、複数個の下部ロールすなわち下部ガ
イドロール３ｂ、下部楔脱水ロール４ｂ、下部剥
離ロール６ｂ、下部テンシヨンロール７ｂと上記
千鳥状配列ロールである圧搾脱水ロール５とに張
架された下部布２ｂと、上記布２ａ，２ｂを
駆動する駆動源Ｍ１３と、上記下部布２ｂ上に
汚泥１４を供給する手段である汚泥供給ホツパー
１と、からなるベルトプレスの重力脱水部におい
て、吸水性の良い吸水材１５を表面に持ちかつ上
記下部布２ａ上の汚泥１４表面に接するごとく
配設された中空回転ロール１６と、上記中空回転
ロール１６を上記汚泥１４の搬送方向と逆方向
（第１図中矢印Ａ）に回転させる回転ロール駆動
源Ｍ１３と、上記中空回転ロール１６の中空部１
７に収納された吸水管１８および同吸水管１８に
連結されたエジエクター１９とからなる脱水排出
手段すなわちダンデイロール２０（外周に布を
張つた円筒形のロールと、同ロールに内蔵されか
つ一端がエジエクターに連結された吸水管から構
成されている排水装置）と、から構成されてい
る。

さらに、本実施例を詳述すれば、外周に布１
５を張つた円筒形のロールすなわち中空回転ロー
ル１６を設け、布１５を通して溜つた水は中空
部１７に設けた吸水管１８を通過してエジエクタ
ー１９より吸引，排水する。このロール１６の回
転方向は汚泥の進行方向と逆に回転させる。ロー
ルは設置に際してテークアツプ等により高さを調
節できる構造とする。なお、２１は軸、受２２は
ダンデイーロール軸、２３は補強リブ、２４は冷
却管、２５は排水管である。

このように構成された本実施例において、ロー
ル外周に張つた布１５を通して汚泥１４の表面
部分の水分１２ｃを除去する。

また逆方向に回転するロール１６によつて汚泥
１４を布２ｂ表面上に均一にならす。

上記の本実施例において説明したように、本考
案によつて、次の効果が得られる。

(1) 重力脱水部での脱水効率が上昇する。

(2) したがつて、くさび脱水部、圧搾脱水部の脱
水負荷が小さくできる。すなわちベルトプレス
などの機械がコンパクトにできる。

(3) 汚泥を布表面上に均一にならすことができ
る。

(4) したがつて、布の有効使用が出来、脱水機
供給汚泥量の増加が出来る。

(5) 布端部からの汚泥のサイドリークを防止す
ることが出来る。

なお、本考案はベルトプレスに適用出来るのを
始めバンドプレス、ドラムプレス、スクリユープ
レスの前脱水機、ベルトプレス真空脱水機、プレ
スフイルターなどの汚泥脱水機に適用される他製
紙機械へも適用出来るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はベルトプレスの概略図、第２図はベル
トプレス重力脱水部での汚泥の模式図、第３図は
原汚泥の模式図、第４図はフロツクが出来た汚泥
の模式図、第５図は布上での汚泥フロツクの模
式図、第６図は本考案の一実施例の斜視図、第７
図はその側面図である。 １……汚泥供給ホツパー、２ａ，２ｂ……上下
部布、３ａ，３ｂ……上下部ガイドロール、４
ａ，４ｂ……上下部楔脱水ロール、５……圧搾脱
水ロール、６ａ，６ｂ……上下部剥離ロール、７
ａ，７ｂ……上下部テンシヨンロール、８……排
水受皿、９ａ，９ｂ……上下部スクレーパー、１
０……ケーキコンベア、１１……フロツク、１１
ａ……下部フロツク、１２……分離水、１２ａ…
…過水、１２ｂ……下部分離水、１２ｃ……上
部分離水、１３……駆動源、１４……汚泥、１５
……布（吸水材）、１６……中空回転ロール、
１７……中空部、１８……吸水管、１９……エジ
エクター、２０……ダンデイーロール、２１……
軸受、２２……ダンデイーロール軸、２３……補
強リブ、２４……給水管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数個の上部ロールと千鳥状に配列されたロー
   ルとに張架された上部布と、複数個の下部ロー
   ルと上記千鳥状配列ロールとに張架された下部
   布と、上記布を駆動する駆動源と、上記下部
   布上に汚泥を供給する汚泥供給ホツパーとからな
   るベルトプレス脱水機の重力部脱水部において、
   吸水性の良い吸水材を表面に持ちかつ上記下部
   布上の汚泥表面に接するごとく配設された中空回
   転ロールと、上記中空回転ロールを上記汚泥の搬
   送方向と逆方向に回転させる回転ロール駆動源
   と、上記中空回転ロールの中空部に収納された吸
   水管および同吸水管に連結されたエジエクターと
   からなる脱水排出手段と、から構成されることを
   特徴とするベルトプレス脱水機の脱水補助装置。