JP3340477B2 - 有機性排水の凝集処理法 - Google Patents

有機性排水の凝集処理法

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JP3340477B2
JP3340477B2 JP27803192A JP27803192A JP3340477B2 JP 3340477 B2 JP3340477 B2 JP 3340477B2 JP 27803192 A JP27803192 A JP 27803192A JP 27803192 A JP27803192 A JP 27803192A JP 3340477 B2 JP3340477 B2 JP 3340477B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高濃度の有機性排水、特
に塗工紙製造工程からの排水の凝集処理法に関するもの
である。さらに詳しくいえば、本発明は、同一薬剤仕様
で、変動の激しい塗工紙製造工程からの排水を直接凝集
脱水処理することができ、総合排水処理の負荷を低減し
うるとともに、含水率の低い脱水ケーキが得られる排水
の凝集処理法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】塗工紙(印刷用紙)は炭酸カルシウム、
クレーなどの顔料及びデンプンやラテックスなどの接着
剤などを含有して成る塗工液を塗布し、乾燥することに
より製造され、そしてこの製造工程から出る排水は、凝
集沈殿、さらには生物処理され、その汚泥は濃縮後、高
分子凝集剤を添加し、脱水される。具体的には、該塗工
紙製造工程からの排水(以下、塗工排水と称する)は濃
度変動が著しい上、デンプン、カゼイン、ラテックスな
どの凝集阻害物質を含むことから、単独で凝集処理する
ことが難しいために、通常他の大量の排水と混合して希
釈平準化し、図1のフローチャートで示すような方法に
より、処理されている。すなわち、SS分が通常500
0〜50000mg/リットル(平均20000mg/リッ
トル)の範囲で変動する塗工排水は、SS分の変動を一
部吸収するために排水ピット1を介して総合排水系に加
えられ希釈平準化されたのち、無機凝集剤、次いで高分
子凝集剤が添加され、沈殿池2に供給される。沈殿池2
から出た排水は曝気槽3において生物処理されたのち、
沈殿池2'に供給される。一方、沈殿池2及び沈殿池2'
において沈殿した汚泥は、濃縮槽4にて濃縮されたの
ち、高分子凝集剤が添加され、脱水機5にて脱水処理さ
れる。しかしながら、このような従来の方法において
は、(1)総合排水系のSSやBOD、CODの負荷を
増加させる、(2)塗工排水中の主たるSS分は炭酸カ
ルシウム、クレーなどの無機鉱物であって、本来脱水し
やすい物質であるにもかかわらず、総合排水系の汚泥脱
水ケーキの含水率がそれほど低下しない、(3)炭酸カ
ルシウムがアルカリ剤として働き、排水処理工程での無
機凝集剤(例えば硫酸バンド)を中和反応で消費するた
め、その薬注量が増大するなどの問題があり、塗工排水
の有効かつ安定な単独処理法の開発が望まれていた。と
ころで、塗工排水を単独処理する場合の課題とし、例え
ば(1)濃度及び塗工液成分の変化(塗工紙種により原
料が異なる)に対し、同一の薬剤仕様で処理することが
困難であって、幅広い対応能力のある仕様が求められ
る、(2)直接脱水できることが望ましいが、凝集物が
軟く、一度沈殿、濃縮したのち、再度薬剤を添加して脱
水機で脱水しなければならない、(3)濃縮及び脱水工
程における分離水のSS、BOD、CODの値をできる
だけ低減させる必要があるなどを挙げることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、同一薬剤仕様で、変動の激しい塗工排水
でも直接凝集脱水処理することができ、総合排水処理の
負荷を低減しうるとともに、含水率の低い脱水ケーキが
得られる排水の凝集処理法を提供することを目的として
なされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意検討を重ねた結果、有機性排水
に、無機凝集剤、アニオン性高分子凝集剤及び特定の両
性高分子凝集剤を順次添加し、凝集生成物を固液分離す
ることにより、その目的を達成しうることを見い出し、
この知見に基づいて本発明を完成するに至った。すなわ
ち、本発明は、 (1)塗工紙製造工程の排水に、無機凝集剤、アニオン
性高分子凝集剤及びカチオン構成単位とアニオン構成単
位とのモル比が1以上の両性高分子凝集剤を順次添加混
合し、生成する凝集生成物を固形物の滞留時間が6分以
上で、かつ周速20〜50m/分の撹拌羽根を備えた造
粒槽で造粒または造粒濃縮したのち、固液分離すること
を特徴とする有機性排水の凝集処理法、及び、 (2)造粒槽が、円筒槽内の中心部に撹拌羽根を有し、
該撹拌羽根より上に通水可能な底を有するろ過筒を有
し、該撹拌羽根による撹拌によって槽内に供給される二
次凝集排水と両性高分子凝集剤とを粗大フロック化する
とともに、前記ろ過筒に底から入るろ液を槽外に排出す
るものである第1項記載の有機性排水の凝集処理法、を
提供するものである。
【0005】以下、本発明を塗工排水を例に挙げ、添付
図面に従って詳しく説明する。図2は本発明方法を実施
するための1例のフローチャートであって、各種工程か
らバッチで発生する塗工排水は排水ピット1に集め、そ
の濃度や質をある程度均質化させる。ただし、これでも
SS濃度は1〜3W/V%程度の範囲で変動する。ピッ
トから出た排水は無機凝集剤が添加されて一次凝集槽6
に導かれ、ラテックス分、カゼイン、デンプンなどの接
着剤成分を凝集(荷電中和)させる。この際、薬注量は
pHによりコントロールし、その値は、5.0〜6.5、好
ましくは5.5〜6.0とするが、無機凝集剤の薬注量低
減を図るために、塩酸や硫酸などの酸を併用するのが望
ましい。該無機凝集剤としては、例えば硫酸バンド、塩
化第二鉄、塩化アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、
ポリ硫酸鉄などを用いることができるが、通常は硫酸バ
ンドが用いられる。
【0006】次いで、一次凝集槽6を出た一次凝集排水
はアニオン性高分子凝集剤が添加されて二次凝集槽7に
導かれて、さらに二次凝集させる。該アニオン性高分子
凝集剤については特に制限はなく、従来慣用されている
ポリアクリルアミド系のものなど、広く適用できるが、
特にアニオン性基のモル比率として10〜30%のもの
が好適である。このアニオン性高分子凝集剤の添加量
は、SS分に対して通常0.1〜0.3重量%になるよう
に選ばれる。このような量を添加することにより、最終
の造粒凝集及び脱水性が良好となり、SS濃度や質の変
動に対応することができる。
【0007】次に、二次凝集槽7を出た二次凝集排水
は、両性高分子凝集剤が添加されたのち、又は両性高分
子凝集剤と共に造粒凝集槽又は造粒凝集濃縮槽8に導か
れ、造粒凝集又は造粒凝集濃縮される。該両性高分子凝
集剤としては、カチオン構成単位とアニオン構成単位と
のモル比が1より大きいもの、好ましくは2〜5の範囲
にあるものが用いられる。このモル比が1以下のもので
は本発明の目的が十分に達せられない。この両性高分子
凝集剤としては、例えばアニオン性のモノマー成分とカ
チオン性のモノマー成分との共重合体、アニオン性のモ
ノマー成分とカチオン性のモノマー成分とノニオン性の
モノマー成分との共重合体、あるいはアニオン性のモノ
マー成分とノニオン性のモノマー成分との共重合体のマ
ンニッヒ変性物又はホフマン分解物などを挙げることが
できる。
【0008】該アニオン性のモノマー成分としては、例
えばアクリル酸(AA)、アクリル酸ナトリウム(Na
A)、メタクリル酸、メタクリル酸ナトリウムなどが挙
げられる。また、カチオン性のモノマー成分としては、
例えばジメチルアミノエチルアクリレート(DAA)、
ジメチルアミノエチルメタクリレート(DAM)、ジメ
チルアミノプロピルアクリレート、ジメチルアミノプロ
ピルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリル
アミド(DAPAAm)、ジメチルアミノプロピルメタ
クリレート及びこれらの四級化物などを挙げることがで
きる。四級化物としては、例えばジメチルアミノエチル
アクリレートメチルクロリド四級化物などを挙げること
ができる。また、ジメチルアミノプロピルアクリルアミ
ドの塩酸塩なども用いることができる。ノニオン性のモ
ノマー成分としては、例えばアクリルアミド(AA
m)、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルア
ミド、N,N−ジメチルメタクリルアミドなどを挙げる
ことができる。これらの化合物の共重合体として、具体
的にはDAA四級化物/AA/AAm共重合体、DAM
四級化物/AA/AAm共重合体、DAPAAm/AA
/AAm共重合体、DAA四級化物/AA共重合体、又
はNaA/AAm共重合体のマンニッヒ変性物などを挙
げることができる。
【0009】これらの両性高分子凝集剤の添加量は、通
常SS分に対して0.15〜0.45重量%の範囲で選ば
れる。このような量を添加することにより、最終の造粒
凝集及び脱水性が良好となる。このようにして、両性高
分子凝集剤が添加された二次凝集汚泥は、造粒凝集(濃
縮)槽に導入される。固形物の槽内滞留時間(反応時
間)は6分以上が望ましい。この時間は、造粒凝集の場
合は排水滞留時間に等しく、濃縮を行う場合にあって
は、排水滞留時間×濃縮倍率に等しい。濃縮を行うか否
かについては、行うのが望ましいが、塗工排水の場合、
その濃度が概ね3重量%以上であれば濃縮を省略しても
よい。造粒凝集濃縮槽内の濃度は3〜15W/V%の範
囲内に入るように濃縮倍率を設定するのが望ましい。こ
の濃度が3W/V%未満では造粒凝集物の強度が不足
し、後工程での脱水が不良となるし、15W/V%を超
えると造粒凝集物が壊れるとともに、濃縮分離水へのS
S分のリークが激しくなる傾向がみられる。さらに、造
粒凝集(濃縮)槽の撹拌羽根の周速は20〜50m/分
の範囲にあるのが望ましい。
【0010】次に、前記造粒凝集濃縮槽について説明す
る。この造粒凝集濃縮槽は、円筒槽内の中心部に撹拌羽
根を有する撹拌手段を備えるとともに、該撹拌羽根より
も上の方に通水可能な底を有するろ過筒を設け、前記槽
内に供給される二次凝集排水と両性高分子凝集剤とを該
撹拌手段により撹拌して粗大フロック化するとともに、
前記ろ過筒内に底から入るろ液を槽外に排水するように
した凝集濃縮槽において、該ろ過筒の底に前記円筒槽の
同心の円弧状のスリットを設けたことを特徴とするもの
である。この造粒凝集濃縮槽の1例を図3及び図4に示
す。図3及び図4において、11は円筒槽であり、該円
筒槽11の中心部に前記撹拌機8aが設けられている。
この撹拌機8aはモータ、変速機により回転駆動される
回転軸12、該回転軸12に対して上下二段にそれぞれ
180°の位相で放射状に設けられた撹拌羽根13、1
4を備えている。前記ろ過部8bは、円筒槽11の内周
に同曲率の円弧部を沿わせて設置された半円形よりも少
し小さい有底のろ過筒17と該ろ過筒17の底17'に
円筒槽11と同心に設けられた多数の円弧形のスリット
18とを備えている。ろ過筒17にはフック15が設け
られており、このフック15が円筒槽11の上縁に係止
することによりろ過筒17が固定される。
【0011】ろ過筒17の上端と円筒槽11の上端とは
同じレベルである。ろ過筒17の底17'は、上段の撹
拌羽根13の上縁から上に1〜10mm程度しか離れてお
らず、接近している。必要ならば、前記撹拌羽根13の
上縁にゴム板を取付け、回転中はこのゴム板でろ過筒1
7の底17'を撫でるようにしてもよい。スリット18
の幅は5mm以下、好ましくは1〜2mm程度、スリットの
円周方向に隣接した間隔は2mm程度、相互に内外のスリ
ットの半径方向の間隔は5mm程度である。なお、撹拌羽
根の上段のもの13は、図示のように回転軸12に固定
された基部から先端までの全長にわたり上下方向の幅が
一定な平板とするのが望ましい。円筒槽11には、その
槽壁を貫いてろ過筒17内からろ過水を排出するための
排水管9aが設けられている。
【0012】供給管7aと薬注管7bから槽内底部の中
心部にそれぞれ供給された汚泥と両性高分子凝集剤は、
回転軸12に取付けられた撹拌羽根13、14の撹拌作
用で槽内に滞留する間に均一に混合されて反応する。ろ
過筒17の底のスリット18を通じて該ろ過筒17内に
注入した水(分離液)はポンプで排水管9aから槽外に
排出される。この結果、連続して供給される二次凝集排
水は十分に濃縮され、固形物は強度の高い造粒物とな
る。この造粒物は排水管9cから排出される。このろ過
筒17の底17'のすぐ真下では、撹拌羽根13が旋回
することにより水平の旋回流aが生じる。ろ過筒の1
7'に設けたスリット18はこの水平旋回流aに沿った
同心の円弧形とされている。このため、液中の凝集フロ
ックや繊維状物質は底17'の下をスリット18の延在
方向と同方向に流れる。この結果、フロックなどはスリ
ット18に引っ掛かることがないとともに、凝集フロッ
クは底17'の下を転がってよりち密で、強固な造粒物
となる。
【0013】なお、下段の撹拌翼14は、全長の約半分
ほどの回転軸12に取付けられた側の基部20の上下方
向の幅が狭く、残りの自由端部21の上下方向の幅が広
い羽子板形とするのが好ましい。このようにすると、上
段の撹拌羽根13によって生じる水平旋回流aの下で、
下段の羽子板形撹拌羽根14は幅広い自由端部21で外
向きに水を押し、その流れは旋回しながら槽の内周付近
では上昇流bと下降流b'に別れ、上昇流bは上の平板
形撹拌羽根13による水平旋回流aと接触して中心部に
向け下降し、一方、下降流b'は槽の底面に沿って中心
部で上昇し、かくして槽内の中心部と底部では旋回する
上下の循環流が生じ、槽内底部の中心部に供給された二
次凝集排水と凝集剤はこの流れb、b'に乗ってすでに
生じた凝集フロックと効率よく混合接触して良好に凝集
する。そして、図示のように幅広い自由端部21を羽根
の旋回方向に対し、後退するような角度(例えば45
°)で屈曲させると、この自由端部が水を槽の内周に向
かって押すことがより強まり、より強力な旋回流b、
b'が得られるので混合、接触効率はより向上する。さ
らに、円筒槽11の内周の下端部、及び上段の撹拌羽根
13と下段の撹拌羽根14の中間部に位置して撹拌羽根
の旋回方向に延長して、先端に向かって次第に内周から
離れる直線状又は図示のように湾曲した案内板22、2
3を設けると上の循環流bが水平旋回流aの下に沿って
流れたのち、中心部で下向し、また、下の循環流b'が
槽底に沿ったのち、中心部で上向するのをそれぞれ補助
でき、同様に混合、接触効率を向上させることができ
る。
【0014】ろ過槽については、上述のように円筒槽内
に設ける場合を説明したが、このろ過槽は円筒槽外に設
けてもよい。その場合は、ろ過槽を円筒槽の槽壁の上部
外周の外に設け、ろ過槽で囲まれた円筒槽の槽壁の上部
に、円筒槽内の液をろ過してろ過槽に入れるためのスリ
ットを水平に設け、かつ撹拌羽根の外縁を円筒槽の槽壁
の上部内周に1〜10mmの間隔で近接させればよい。必
要ならば、前記撹拌羽根の外縁にゴム板を取付け、回転
中はこのゴム板でスリットが設けられた円筒槽の槽壁の
内周を撫でるようにしてもよい。このような構造の造粒
凝集濃縮槽においても、円筒槽底部から供給された汚泥
と凝集剤は、槽内で撹拌されて反応し、その間槽壁のス
リットを通じてろ過槽に入る水はポンプなどで槽外に排
水するため、連続して供給される二次凝集排水は十分に
濃縮され、強度の高いフロック(造粒物)に成長したの
ち、排汚管から排出され、脱水機に導かれる。スリット
が設けられた円筒槽の槽壁上部内周に近接して水平に旋
回する撹拌羽根により、円筒槽に生じたフロックは押さ
れてスリット沿いに槽壁内周を転がるので、該フロック
はスリットにひっかかって詰まることがないとともに、
スリット沿いに槽壁内周を転がることによってち密で強
固なものとなる。
【0015】このようにして造粒凝集(濃縮)槽8にて
生成した造粒物は引き抜きポンプ又はオーバーフローで
脱水機5に送られ、脱水処理される。脱水機としては通
常ベルトプレスが用いられるが、スクリュープレスやフ
ィルタープレスなども使用することができる。また、こ
の際、脱水機での脱水前にさらに両性高分子凝集剤を再
添加することにより、脱水性能をさらに向上させること
ができる。以上、排水として塗工排水を例に挙げて説明
したが、本発明の処理法は、排水として各種汚泥、例え
ば下水の最初沈殿汚泥、し尿、下水などの三次処理で発
生する凝集汚泥、各種産業排水の凝集汚泥、し尿浄化槽
汚泥、下水や各種産業排水の活性汚泥処理における余剰
汚泥などにも適用することができる。
【0016】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに詳細に説明
する。 実施例1〜18、比較例1〜15 以下に示す性状の異なる塗工排水A、B、Cについて、
凝集、脱水の室内評価を行った。 (1)排水性状 排水 pH Mアルカリ度 SS VSS/SS (mg/l) (%) (%) A 6.7 1480 1.30 40.0 B 7.0 6700 1.24 34.7 C 6.8 10000以上 3.02 32.9 なお、AはB、Cと排水質が異なり、B及びCは質的に
近似しているが、SS分の量が異なる。
【0017】(2)評価に用いた薬剤 無機凝集剤:硫酸バンド(8wt%Al23液体品)塩化
第二鉄(38wt%FeCl3液体品) 酸:硫酸(98wt%H2SO4) 高分子凝集剤: AAm系アニオンポリマー(アニオン20モル%) 両性ポリマーA(カチオン/アニオンモル比=3) 両性ポリマーB(カチオン/アニオンモル比=2) 両性ポリマーC(カチオン/アニオンモル比=5) 両性ポリマーD(カチオン/アニオンモル比=0.8) DAM系カチオンポリマー(中カチオン) 高分子凝集剤はいずれも0.2wt%液で用いた。
【0018】(3)凝集、脱水試験 凝集脱水試験は次に示す手順に従って行った。すなわ
ち、(イ)排水400mlを500mlポリビーカーに取り
(排水Cは200mlを300mlポリビーカーに取る)、
所定量の無機凝集剤を添加反応させる。(ロ)前記
(イ)に所定量のPA331を加えて凝集させる。
(ハ)前記(ロ)に所定量の両性ポリマーを加えて凝集
フロックをゆるやかに撹拌しながら粗大化造粒させる。
(ニ)前記(ハ)の上澄を除去したのち、濃度が概ね5
〜10wt%になるように濃縮したのち、さらに両性ポリ
マーを加えて造粒させる。(ホ)前記(ロ)、(ハ)及
び(ニ)の凝集物を重力ろ過し、ろ過物を30mmφ、1
75mmHの円筒カラムに詰めたのち、ろ布に乗せ、上下
にスポンジを当てて、エアシリンダー式圧搾脱水機で
1.0kg/cm2、60秒間圧搾脱水して脱水ケーキを得る
(ベルトプレス用評価方法)。なお、前記(ロ)が従来
法、(ハ)が本発明の造粒凝集法、(ニ)が本発明の造
粒凝集濃縮法である。このとき、無機凝集剤の添加量を
pHで判断して決定することが望ましい。
【0019】(4)評価 重力ろ過時間、圧搾脱水ケーキ含水率及び処理量予測値
を求め評価した。なお、重力ろ過時間及び処理量予測値
は次のようにして求めた。 (イ)重力ろ過時間 50mmφ(19.6cm2)のろ過面積で凝集物をろ過する
際、そのろ過量が1ml/10秒以下となったろ過時間で
評価する。 (ロ)処理量予測値 得られたケーキ固形物をケーキの面積で割った値(ケー
キ収量mg/cm2)の大小で、ベルトプレス脱水の圧搾脱
水工程の処理能力(ろ過速度kg/m・h)を予測する。 (5)評価 前記評価結果を第1表に示す。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】注 1)○印は造粒凝集(濃縮なし)を示
す。 (イ)比較例1〜7、15 硫酸バンド(pHコントロール)とAAm系アニオンポリ
マーによる従来法の処理では、凝集物が小さく、かつ弱
いために重力ろ過に60秒以上を有する。また、AAm
系アニオンポリマーの凝集剤添加量範囲が0.2〜0.2
5%/SSと狭く、排水の変動に対する薬注管理が難し
い。したがって、一度別槽で凝集沈殿させて、濃縮及び
濃度などの安定化を図って再度、凝集剤を添加し、凝集
して脱水する必要がある。しかし、この方法でも排水B
で含水率60%、処理量140kg/m・hであった。 (ロ)実施例1〜3、8〜13 AAm系アニオンポリマー及び両性ポリマーの注入量の
有効範囲は対SS当りの添加率でAAm系アニオンポリ
マーで0.1〜0.3%、両性ポリマーで0.15〜0.4
5%と広くなり、対排水当りの注入量(mg/l)を一定
に保った場合でも排水変動に対して安定して処理が可能
である。 (ハ)実施例4、5 硫酸バンドの添加量のコントロールにおいて、pH5〜6
の範囲で有効な効果を示す。
【0023】(ニ)実施例6、7 塩化第二鉄も硫酸バンドと同様に適用できる。また、硫
酸バンドに硫酸を併用すると硫酸バンド注入量を減少で
き、硫酸バンドを一定量注入として、硫酸でpHをコント
ロールする方法が採用できる。 (ホ)実施例1、2、14〜17、比較例10〜13 両性高分子凝集剤は、カチオン/アニオンモル比が1よ
り大きいもの、特に2〜5のものが有効であるのに対し
て、カチオン高分子凝集剤では効果が不十分であった。 (ヘ)実施例18、比較例14 本発明において、濃度3%の排液Cでは濃縮なしの造粒
凝集でも良好な結果が得られるが、濃度1.2%の排液
Bでは、従来法より優れるが効果が不十分であった。 実施例19〜25、比較例16〜20 薬注設備一式、造粒凝集濃縮槽及びベルトプレス脱水機
を載せた車を用い、実際の塗工排水の処理を行った。そ
の結果を第2表に示す。なお、ベルトプレスは有効ろ布
幅0.5mのものである。
【0024】
【表3】
【0025】注 1)硫酸バンド添加後のpHが5.7と
なるように添加量をコントロールする。 2)凝集物の一部を脱水機に供給 (1)実施例19、20 PA331、両性ポリマーAの添加量が対SS0.09
〜0.28%と3倍以上異なっても安定して処理でき
る。 (2)実施例19〜23 排水濃度が0.65〜5.33%と大きく変化しても、概
ね50%以下の含水率、処理量200kg/m・h以上と良
好な脱水効果を示す。 (3)実施例25 排水濃度が3%の場合、濃縮なしでも効果は良好であ
る。 (4)比較例16 排水濃度が0.65%のとき、薬品仕様が同一でも濃縮
なしでは性能が低下する。 (5)比較例17、18 排水濃度3%で、従来仕様のAAm系アニオンポリマー
では造粒凝集は不可能である。通常凝集では含水率も高
く、処理量も著しく低い。 (6)実施例24 実施例24において、原排水、造粒凝集濃縮分離水、ろ
布洗浄水を含む脱水ろ液の分析を行った。その結果を第
3表に示す。
【0026】
【表4】
【0027】この表から分かるようにSS除去率は(3
0.3−0.62)/30.3×100=98%、COD
除去率は(4.0−0.31)×/4.0×100=92
%であった。 (7)比較例19、20 本発明の同一薬剤仕様でも造粒凝集槽内の滞留時間が短
いと脱水性が大きく低下し、通常凝集法ではさらに低下
する。
【0028】
【発明の効果】本発明によると、同一薬剤仕様で、変動
の激しい塗工紙製造工程等からの有機性排水を直接凝集
脱水処理することができ、総合排水処理の負荷を低減し
うるとともに、含水率の低い脱水ケーキが得られる。本
発明の有機性排水の処理方法は、塗工排水のみならず、
一般の高濃度排水や汚泥の処理にも適用することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は従来の塗工排水の処理方法の1例を示す
フローチャートである。
【図2】図2は本発明方法を実施するための1例を示す
フローチャートである。
【図3】図3は造粒凝集濃縮槽の1例を示す一部断面斜
視図である。
【図4】図4は造粒凝集濃縮槽の1例を示す平面図であ
る。
【符号の説明】
1 排水ピット 2 沈殿池 2' 沈殿池 3 曝気槽 4 濃縮槽 5 脱水機 6 一次凝集槽 7 二次凝集槽 8 造粒凝集(濃縮)槽 9 円筒槽 10 回転軸 11 円筒槽 12 回転軸 13 撹拌羽根 14 撹拌羽根 17 ろ過筒
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 花見 勇一 東京都新宿区西新宿3丁目4番7号 栗 田工業株式会社内 (72)発明者 大井 康裕 東京都新宿区西新宿3丁目4番7号 栗 田工業株式会社内 (72)発明者 向井 治富 東京都新宿区西新宿3丁目4番7号 栗 田工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−193308(JP,A) 特開 昭59−16599(JP,A) 特開 昭58−34081(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 21/01 C02F 1/52 - 1/56 C02F 11/00 - 11/20

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塗工紙製造工程の排水に、無機凝集剤、ア
    ニオン性高分子凝集剤及びカチオン構成単位とアニオン
    構成単位とのモル比が1以上の両性高分子凝集剤を順次
    添加混合し、生成する凝集生成物を固形物の滞留時間が
    6分以上で、かつ周速20〜50m/分の撹拌羽根を備
    えた造粒槽で造粒または造粒濃縮したのち、固液分離す
    ることを特徴とする有機性排水の凝集処理法。
  2. 【請求項2】造粒槽が、円筒槽内の中心部に撹拌羽根を
    有し、該撹拌羽根より上に通水可能な底を有するろ過筒
    を有し、該撹拌羽根による撹拌によって槽内に供給され
    る二次凝集排水と両性高分子凝集剤とを粗大フロック化
    するとともに、前記ろ過筒に底から入るろ液を槽外に排
    出するものである請求項1記載の有機性排水の凝集処理
    法。
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