JP7137419B2 - 水処理装置および水処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、懸濁物質等の除去対象物質を含む被処理水を処理する水処理装置および水処理方法に関する。
水道水等の浄水処理、工業用水等の用水処理において、被処理水中の懸濁物質を凝集固液分離する技術が広く使われている。固液分離の方法としては、従来から横流式沈澱装置が広く使われている(例えば、特許文献1参照)。近年は、沈殿槽内に構造物等を設置する方法や、スラッジブランケットを用いる方法が開発され、より高速処理が可能な沈殿装置が使われるようになってきた(例えば、特許文献2参照)。
近年は局地的な降雨等によって、被処理水の濁度が急激に上昇することが多くなってきており、従来の沈殿装置の場合、一時的に処理水質が悪化する場合がある。
処理を安定化させるため、特許文献2のように沈殿槽の内部にロート状整流板等を設ける方法があるが、装置構造が複雑となるため、メンテナンスが行いにくくなる等のデメリットもある。
特開2013-255904号公報 特開2004-358313号公報
本発明の目的は、浄水処理または用水処理において被処理水の濁度等の急激な変動が発生しても処理水質を安定させることができる水処理装置および水処理方法を提供することにある。
本発明は、浄水処理または用水処理に用いられる水処理装置であって、無機凝集剤および高分子凝集剤を用いて被処理水の凝集処理を行う、脈動発生手段を有する脈動型のスラッジブランケット型凝集反応槽と、前記凝集処理によって形成されたフロックを沈降分離する沈殿槽と、を備え、前記高分子凝集剤は、重量平均分子量が1300万以上、コロイド当量値が-1.2~-4.0meq/gのポリアクリルアミド系のアニオン性高分子凝集剤である、水処理装置である。
前記水処理装置において、前記被処理水の濁度は、50度以上であることが好ましい。
前記水処理装置において、前記被処理水の濁度を測定する濁度測定手段をさらに備え、
前記被処理水の濁度が50度以上となったときに、前記アニオン性高分子凝集剤を添加することが好ましい。
また、本発明は、浄水処理または用水処理に用いられる水処理方法であって、無機凝集剤および高分子凝集剤を用いて被処理水の凝集処理を行う凝集反応工程と、前記凝集処理によって形成されたフロックを、脈動発生手段を有する脈動型のスラッジブランケット型沈殿槽を用いて沈降分離する沈殿工程と、を含み、前記高分子凝集剤は、重量平均分子量が1300万以上、コロイド当量値が-1.2~-4.0meq/gのポリアクリルアミド系のアニオン性高分子凝集剤である、水処理方法である。
前記水処理方法において、前記被処理水の濁度は、50度以上であることが好ましい。
前記水処理方法において、前記被処理水の濁度を測定する濁度測定工程をさらに含み、 前記被処理水の濁度が50度以上となったときに、前記アニオン性高分子凝集剤を添加することが好ましい。
本発明では、浄水処理または用水処理において被処理水の濁度等の急激な変動が発生しても処理水質を安定させることができる。
本発明の実施形態に係る水処理装置の一例を示す概略構成図である。 本発明の実施形態に係る水処理装置の他の例を示す概略構成図である。 本発明の実施形態に係る水処理装置の他の例を示す概略構成図である。 実施例で用いた水処理装置を示す概略構成図である。 実施例における、用いたアニオン性高分子凝集剤の重量平均分子量に対する処理水濁度(度)を示すグラフである。 実施例における、用いたアニオン性高分子凝集剤のコロイド当量値(meq/g)に対する処理水濁度(度)を示すグラフである。 実施例および比較例における、運転時間(h)に対する原水濁度(度)、処理水濁度(度)を示すグラフである。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
本発明の実施形態に係る水処理装置の一例の概略を図1に示し、その構成について説明する。
図1の水処理装置1は、浄水処理または用水処理に用いられる装置である。水処理装置1は、無機凝集剤および高分子凝集剤を用いて被処理水の凝集処理を行う凝集反応槽として、反応槽22および高分子反応槽24と、凝集処理によって形成されたフロックを沈降分離する沈殿槽10とを備える。
沈殿槽10は、上端が水面下に位置する仕切り板18により、フロックの凝集および沈澱用の凝集沈澱室14と、フロックの貯留、濃縮および排出用の濃縮室16とに仕切ってなる槽であり、槽内にフロックから形成されるスラッジブランケットを有するスラッジブランケット型の沈殿槽である。水処理装置1は、沈殿槽10内の原水に脈動を与える脈動発生手段として脈動発生装置12を備えてもよい。脈動発生装置12は、真空塔として塔20と、塔20の頂部に真空発生手段として真空ポンプ46と、脱真空手段としてバキュームブレーカ48とを備える。
図1の水処理装置1において、反応槽22の被処理水入口には、配管52が接続され、反応槽22の反応液出口と高分子反応槽24の反応液入口とは、配管54により接続され、高分子反応槽24の高分子反応液出口と、脈動発生装置12の塔20の入口とは、配管56により接続されている。反応槽22の無機凝集剤入口には、無機凝集剤添加手段として無機凝集剤添加配管62が接続され、反応槽22のpH調整剤入口には、pH調整剤添加手段としてpH調整剤添加配管64とが接続され、高分子反応槽24の高分子凝集剤入口には、高分子凝集剤添加手段として高分子凝集剤添加配管66が接続されている。反応槽22、高分子反応槽24は、モータ等の回転駆動手段および撹拌羽根等を有する撹拌手段である撹拌装置58,60をそれぞれ備えてもよい。配管52には、被処理水の濁度を測定する濁度測定手段として濁度測定装置50が設置されていてもよい。
沈殿槽10の凝集沈澱室14の底部の汚泥出口には、汚泥排出管26が接続され、濃縮室16の汚泥出口には、汚泥排出管28が接続され、沈殿槽10の上部の水面部には、少なくとも1つの処理水排出管30が設けられている。塔20には水位測定手段として水位計44が設置されている。凝集沈澱室14の中央下方部には少なくとも1つの原水分配管32が横設され、原水分配管32は塔20の下部と給水ダクト34により連通されている。原水分配管32の下部には原水を流出するためのスリットまたは孔からなる少なくとも1つの流出口が下向きに1列以上設けられている。例えば、複数の流出口が原水分配管32の真下方向に対して30°程度の各斜め方向に、原水分配管32の長軸方向に沿って2列設けられ、一方の列の流出口の間のピッチの略半分の位置に、他方の列の流出口が配置されるようになっている。原水分配管32の上方はスラッジブランケット層36が形成されるスラッジブランケットゾーン、阻流板42の下方は撹拌ゾーン38となっている。原水分配管32の上方には、縦断面形状が例えばV字状である少なくとも1つの阻流板42が設置されている。この位置に阻流板42を設置することにより、槽内に流入された原水が阻流板42に当たり、撹拌され、フロックが形成されやすくなる効果がある。スラッジブランケット層36の上方には、沈降面積を増加させるための傾斜装置40が設置されてもよい。傾斜装置40を設置することにより、処理水質が向上する。
仕切り板18によって仕切られた凝集沈澱室14は、フロックの凝集および沈澱を行うものであり、濃縮室16は、スラッジブランケット層36より仕切り板18を越流してきたフロックを貯留、濃縮するものである。
脈動発生装置12は、凝集沈澱室14に設けられた少なくとも1つの流出口を有する原水分配管32と下方で接続され、原水を貯留する塔20を有し、塔20内の原水の落水および水位上昇を繰り返すことにより、流出口から原水が流出される際の脈動により凝集沈澱室14内の原水を撹拌するものである。
本実施形態に係る水処理方法および水処理装置1の動作について説明する。
懸濁物質等の除去対象物質を含む被処理水は、配管52を通して反応槽22へ送液される。反応槽22において、撹拌装置58により撹拌されながら、無機凝集剤添加配管62を通して無機凝集剤が添加されて(無機凝集剤添加工程)、凝集反応が行われる。反応槽22において、pH調整剤添加配管64を通してpH調整剤が添加されて所定の範囲にpH調整が行われてもよい(pH調整工程)。反応液は、配管54を通して高分子反応槽24へ送液される。高分子反応槽24において、撹拌装置60により撹拌されながら、高分子凝集剤添加配管66を通して高分子凝集剤が添加されて(高分子凝集剤添加工程)、高分子凝集反応が行われる(凝集反応工程)。無機凝集剤および高分子凝集剤は、1つの反応槽において被処理水に添加されてもよいし、配管において被処理水に添加されてもよい。
高分子反応液は原水として、配管56を通して塔20に送液される。水位計44と連動した真空ポンプ46の駆動およびバキュームブレーカ48の開閉によって、塔20内の真空と脱真空とを繰り返すことにより、塔20内の原水の落水および水位上昇が繰り返されて、水位が上下されて原水に脈動が与えられる(脈動発生工程)。脈動が与えられた原水は、給水ダクト34、原水分配管32を通して流出口から凝集沈澱室14の撹拌ゾーン38に例えば斜め下方向に間欠的に流出される。この原水分配管32の流出口から原水が流出される際の脈動により凝集沈澱室14の水は撹拌を受け、原水中の懸濁物質は凝集しフロックが形成される。凝集沈澱室14のスラッジブランケットゾーンには、フロック群が高濃度に懸濁平衡されて、スラッジブランケット層36が形成されている。スラッジブランケット層36は次第に高さを増してくるが、仕切り板18は、スラッジブランケット層36の上面高さを規定するものであり、すなわち、スラッジブランケット層36の上面高さは、仕切り板18の高さによって決定される。原水はこのスラッジブランケット層36内を上向流で通過する際、下部で形成されたフロックがスラッジブランケット層36中の既存のフロックと接触、吸合することにより、フロックが除去された除濁水が傾斜装置40を上向流で通過して、処理水として少なくとも1つの処理水排出管30から排出される。
仕切り板18によって仕切られた濃縮室16内および濃縮室16の上部は上昇流がほとんど起こらないので、スラッジブランケット層36の上面の余剰のフロックは仕切り板18の上端を越流して濃縮室16内に貯留、濃縮され、スラッジブランケット層36の高さはほぼ一定に保たれる。余剰の濃縮されたフロックは、汚泥として汚泥排出管28を通して適切な間隔で、例えば定期的に系外に排出される。凝集沈澱室14の底部にフロックが堆積した場合には、汚泥として汚泥排出管26を通して適切な間隔で、例えば定期的に系外に排出されてもよい。
本実施形態に係る水処理方法および水処理装置では、高分子凝集剤として、重量平均分子量が1300万以上のアニオン性高分子凝集剤を用いる。これにより、浄水処理または用水処理において被処理水の濁度等の急激な変動が発生しても処理水質を安定させることができる。また、処理水の水質をより向上することができ、特に、被処理水の水温や水質変動のときに効果的であり、後段設備への負荷を含め、システムの安定運転が可能となる。
本実施形態に係る水処理方法および水処理装置は、水道水等の浄水処理、工業用水等の用水処理において用いられる。
処理対象となる被処理水は、懸濁物質等の除去対象物質を含む水であり、例えば、上水、用水、河川水、湖沼水、ダム水、井水等が挙げられる。
処理対象となる被処理水の濁度は、特に制限はないが、例えば、1度~5000度の範囲である。特に被処理水の濁度が50度以上である場合に、本実施形態に係る水処理方法および水処理装置が好適に適用される。本実施形態に係る水処理方法および水処理装置によって、処理水の濁度を例えば1度未満に低減することができる。
無機凝集剤としては、ポリ塩化アルミニウム(PAC)、硫酸バンド、塩化第二鉄、ポリ鉄、ポリシリカ鉄(PSI)等が挙げられる。
凝集反応工程において、pHは、例えば5~10の範囲に調整されてもよく、6~8の範囲に調整されることが好ましい。
pH調整剤としては、塩酸、硫酸等の酸や、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ剤等が挙げられる。
高分子凝集剤としては、重量平均分子量が1300万以上のアニオン性高分子凝集剤であればよく、特に制限はない。アニオン性高分子凝集剤の重量平均分子量は、1300万以上であることが好ましい。アニオン性高分子凝集剤の重量平均分子量が1300万未満であると、処理水質が低下し、特に被処理水の濁度が50度以上である場合に処理水質が低下する。アニオン性高分子凝集剤の重量平均分子量は、高ければ高い方がよく、特に制限はないが、上限は例えば、2500万である。アニオン性高分子凝集剤としては、例えば、ポリアクリルアミド系(アクリルアミドとアクリル酸塩の共重合物)、メタアクリル酸系等が挙げられ、コスト等の点から、ポリアクリルアミド系が好ましい。
アニオン性高分子凝集剤は、コロイド当量値が-1~-4meq/gの範囲であるアニオン性であることが好ましく、-1~-3meq/gの範囲であることがより好ましい。特に被処理水の濁度が50度以上である場合に、コロイド当量値が-1meq/gより大きいと、アニオン性が弱すぎて処理水質が低下する場合があり、-4meq/gより小さいと、アニオン性が強すぎて処理水質が低下する場合がある。
アニオン性高分子凝集剤がポリアクリルアミド系の場合、水道用途としてアクリルアミドモノマ含有量は、0.005重量%以下であることが好ましい。
フロック形成における撹拌条件の指標の一つとして撹拌強度(撹拌G値)がある。撹拌G値は、一般に、下記の式で表される。反応槽(反応槽22、高分子反応槽24)における凝集剤によるフロック形成において、撹拌強度(G値)が小さ過ぎるとフロックの成長が遅くなり、大き過ぎるとせん断力によりフロックが破壊されてしまう。反応槽(反応槽22、高分子反応槽24)における撹拌強度は、例えば100~300/s程度にすればよい。
撹拌G値=√{(CΣi(Ai・vi))/2νV}
Ai:撹拌翼iの運動方向に直角な面積(m
vi:撹拌翼iの平均速度(m/s)
ν:水の動粘性係数(m/s)(1.004×10-6/s)
V:反応槽容量(m
C:撹拌翼の抵抗係数(-)(1.5)
本実施形態に係る水処理方法および水処理装置において、被処理水の濁度を測定する濁度測定手段として、濁度測定装置50を備え、被処理水の濁度を監視してもよく、連続監視してもよい。濁度測定装置50により測定した被処理水の濁度に応じて、無機凝集剤や高分子凝集剤の添加量を制御してもよい。例えば、被処理水の濁度が50度以上となったときに、アニオン性高分子凝集剤を添加することが好ましい。例えば、被処理水の濁度が50度未満の場合はアニオン性高分子凝集剤を添加せず、被処理水の濁度が50~99度の場合、アニオン性高分子凝集剤を0.2mg/Lとなるように添加し、被処理水の濁度が100度以上となった場合、アニオン性高分子凝集剤を0.5mg/Lとなるように添加すればよい。
沈殿槽10の凝集沈澱室14における脈動の強度は例えば、下記の式で算出される脈動G値(s-1)により決定すればよい。
脈動G値には、例えば、塔20で発生する脈動における落水時間、上昇時間、落水幅等を変更することにより調整することができる。例えば、真空ポンプの出力を上げ、脈動における上昇時間を短くすることにより、脈動G値を容易に高めることができる。また、落水水位を高くすること、または、バキュームブレーカ48の開度を上げることによって落水時間を短くすることにより、脈動G値を容易に高めることができる。例えば、脈動G値(s-1)を2(s-1)以上50(s-1)以下の範囲として、原水に脈動を与えればよい。なお、脈動G値をどのくらい高くすればよいかについては、原水の温度と処理水の温度との差や、原水濁度の上昇率、目的とする処理水水質等、装置の運転条件に基づいて実験や試運転等により決定することができる。
脈動G値=(落水G値×落水時間+上昇G値×上昇時間)÷(落水時間+上昇時間)
G=√{(A・v)/(2ν・V)}
A:噴出面積(流出口面積)(m
v:噴出流速(m/s)
ν:動粘性係数(原水)(m/s)
V:混和部(阻流板42より下部)容量(m
脈動発生手段としては、原水に脈動を付与することができるものであればよく、特に制限はない。脈動発生手段としては、図1に示す真空ポンプを用いる方式の他に、図2に示す水処理装置3のようにサイフォンを用いる方式、図3に示す水処理装置5のように回転弁を用いる方式のものであってもよい。
図2に示す水処理装置3では、塔20の頂部にサイフォンを備えるサイフォン装置68が設置され、高分子反応槽24の高分子反応液出口と、サイフォン装置52の入口とは、配管72により接続されている。高分子反応液は原水として配管72を通してサイフォン装置68に送液される。サイフォン装置68においてサイフォンの作用によって、サイフォン装置68内の水位が上下されて原水に脈動が与えられる(脈動発生工程)。脈動が与えられた原水は、給水ダクト34、原水分配管32を通して流出口から凝集沈澱室14の撹拌ゾーン38に例えば斜め下方向に流出される。この場合、ダンパー弁70の開度を変えることによって、脈動強度を変えることができる。
図3に示す水処理装置5では、配管56の途中に回転弁74が接続されている。高分子反応液は原水として配管56を通して塔20に送液される。回転弁74の作用によって、塔20内の水位が上下されて原水に脈動が与えられる(脈動発生工程)。脈動が与えられた原水は、給水ダクト34、原水分配管32を通して流出口から凝集沈澱室14の撹拌ゾーン38に例えば斜め下方向に流出される。この場合、回転弁74の回転速度を変えることによって、脈動強度を変えることができる。
これらのうち、脈動発生手段としては、脈動の制御がしやすい、装置高さを抑えることができる等の点で、真空ポンプを用いる方式が好ましい。
阻流板42としては、原水分配管32からの噴流が当り、撹拌される構造のものであればよく、特に制限はない。阻流板42としては、例えば、山型(縦断面形状がV字状)の阻流板や、平型の阻流板等が挙げられる。阻流板42として、整流板原水を通水させる複数の整流孔が形成された整流板、すなわち整流機構付き阻流板を用いてもよい。例えば、3~30%、好ましくは5~20%の開口率(阻流板42の面積に対する整流孔の開口面積の割合)を有する阻流板を設置することで処理性能がさらに向上する。
沈殿槽10の凝集沈澱室14内にスラッジブランケット層36の汚泥濃度を測定する汚泥濃度測定装置を設置し、汚泥濃度測定装置により測定した汚泥濃度に応じて、無機凝集剤や高分子凝集剤の添加量を制御してもよい。
沈殿槽としては、脈動発生装置を備えるスラッジブランケット型の沈殿槽を例として説明したが、フロックを含む原水の固液分離を行うことができるものであればよく、特に制限はない。沈殿槽としては、スラッジブランケット型の沈殿槽の他に、例えば、横流式沈澱装置等が挙げられる。これらの沈殿槽のうち、スラッジブランケット層に微細なフロックが接触、吸合することで良好な処理水を得ることができる等の点から、スラッジブランケット型の沈殿槽が好ましい。
本実施形態に係る水処理方法および水処理装置の後段において、さらに、砂ろ過装置、膜ろ過装置(例えば、精密ろ過(MF)膜、限外ろ過(UF)膜、有機中空糸膜、無機膜等)、活性炭装置等のうちの1つ以上の装置を設置して、砂ろ過処理、膜ろ過処理、活性炭処理等のうちの1つ以上の処理を行ってもよい。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例および比較例>
物性の異なるアニオン性高分子凝集剤を用い、処理性能を比較した。実験フローを図4、実験条件を表1に示す。図4に示すように、原水槽において井戸水にベントナイトを添加して模擬水を調製し、撹拌槽1において無機凝集剤としてポリ塩化アルミニウム(PAC)を添加し、塩酸を添加してpH調整を行った。撹拌槽2においてアニオン性高分子凝集剤(ポリマ)を添加した。サージ槽で脈動を発生させるスラッジブランケット型の高速凝集沈殿槽において沈降分離を行い、処理水槽に処理水を得た。なお、用いたアニオン性高分子凝集剤は、アクリルアミドモノマ含有量が0.005重量%以下のポリアクリルアミド系アニオン性高分子凝集剤(MTアクアポリマー(株)製、A-110PWG-S)である。アニオン性高分子凝集剤のアクリルアミドモノマ含有量は、ガスクロマトグラフィ装置((株)島津製作所製、GC-18A)を用いて測定した。
Figure 0007137419000001
(1)アニオン性高分子凝集剤の重量平均分子量の影響
重量平均分子量の異なるアニオン性高分子凝集剤を用い、処理性能を比較した。試験に用いたポリアクリルアミド系アニオン性高分子凝集剤のポリマ物性を表2に示す。重量平均分子量の影響を検討するため、コロイド当量値が近いものを選定した。なお、アニオン性高分子凝集剤の重量平均分子量は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィ装置(東ソー(株)製、HLC-8120GPC)を用いて測定し、コロイド当量値は、コロイド滴定法で測定した。
Figure 0007137419000002
ベントナイトを用いて濁度1000度の高濁度模擬水を調製し、実験原水とした。実験結果を図5に示す。
図5より、目標処理水濁度を1.0度とした場合、アニオン性高分子凝集剤として重量平均分子量が1300万以上のポリマを用いたときの処理水濁度が1.0度を下回った。この結果から、特に高濁度原水には重量平均分子量が1300万以上のアニオン性高分子凝集剤が適していると判断した。
(2)コロイド当量値の影響
コロイド当量値の異なるアニオン性高分子凝集剤を用い、処理性能を比較した。試験に用いたポリアクリルアミド系アニオン性高分子凝集剤のポリマ物性を表3に示す。
Figure 0007137419000003
ベントナイトを用いて濁度1000度の高濁度模擬水を調製し、実験原水とした。実験結果を図6に示す。
図6より、目標処理水濁度を1.0度とした場合、アニオン性高分子凝集剤としてコロイド当量値が-1meq/gから-4meq/gのポリマを用いたときの処理水濁度が1.0度を下回った。この結果から、特に高濁度原水にはコロイド当量値が-1meq/gから-4meq/gのアニオン性高分子凝集剤が適していると判断した。
(3)処理の安定性
集中豪雨等で、原水濁度が変化したときの効果を確認するため、通水実験を行った。実験に用いたポリアクリルアミド系アニオン性高分子凝集剤のポリマ物性を表4、ポリマ添加条件を表5に示す。
Figure 0007137419000004
Figure 0007137419000005
ベントナイトを用いて濁度10~500度で原水濁度を変化させ、処理水濁度の経時変化を確認した。実験結果を図7に示す。
原水濁度に応じアニオン性高分子凝集剤の注入制御を行った実施例では、アニオン性高分子凝集剤を添加しなかった比較例に対して、処理水濁度が低い結果となった。この結果からシステムの安定運転が確認できた。
このように、実施例の装置および方法により、浄水処理または用水処理において被処理水の濁度等の急激な変動が発生しても処理水質を安定させることができた。
1,3,5 水処理装置、10 沈殿槽、12 脈動発生装置、14 凝集沈澱室、16 濃縮室、18 仕切り板、20 塔、22 反応槽、24 高分子反応槽、26,28 汚泥排出管、30 処理水排出管、32 原水分配管、34 給水ダクト、36 スラッジブランケット層、38 撹拌ゾーン、40 傾斜装置、42 阻流板、44 水位計、46 真空ポンプ、48 バキュームブレーカ、50 濁度測定装置、52,54,56,72 配管、58,60 撹拌装置、62 無機凝集剤添加配管、64 pH調整剤添加配管、66 高分子凝集剤添加配管、68 サイフォン装置、70 ダンパー弁、74 回転弁。

Claims (6)

  1. 浄水処理または用水処理に用いられる水処理装置であって、
    無機凝集剤および高分子凝集剤を用いて被処理水の凝集処理を行う凝集反応槽と、
    前記凝集処理によって形成されたフロックを沈降分離する、脈動発生手段を有する脈動型のスラッジブランケット型沈殿槽と、
    を備え、
    前記高分子凝集剤は、重量平均分子量が1300万以上、コロイド当量値が-1.2~-4.0meq/gのポリアクリルアミド系のアニオン性高分子凝集剤であることを特徴とする水処理装置。
  2. 請求項1に記載の水処理装置であって、
    前記被処理水の濁度は、50度以上であることを特徴とする水処理装置。
  3. 請求項1または2に記載の水処理装置であって、
    前記被処理水の濁度を測定する濁度測定手段をさらに備え、
    前記被処理水の濁度が50度以上となったときに、前記アニオン性高分子凝集剤を添加することを特徴とする水処理装置。
  4. 浄水処理または用水処理に用いられる水処理方法であって、
    無機凝集剤および高分子凝集剤を用いて被処理水の凝集処理を行う凝集反応工程と、
    前記凝集処理によって形成されたフロックを、脈動発生手段を有する脈動型のスラッジブランケット型沈殿槽を用いて沈降分離する沈殿工程と、
    を含み、
    前記高分子凝集剤は、重量平均分子量が1300万以上、コロイド当量値が-1.2~-4.0meq/gのポリアクリルアミド系のアニオン性高分子凝集剤であることを特徴とする水処理方法。
  5. 請求項に記載の水処理方法であって、
    前記被処理水の濁度は、50度以上であることを特徴とする水処理方法。
  6. 請求項4または5に記載の水処理方法であって、
    前記被処理水の濁度を測定する濁度測定工程をさらに含み、
    前記被処理水の濁度が50度以上となったときに、前記アニオン性高分子凝集剤を添加することを特徴とする水処理方法。
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