JP6823513B2 - スラッジブランケット型凝集沈澱装置およびスラッジブランケット型凝集沈澱装置の運転方法 - Google Patents

スラッジブランケット型凝集沈澱装置およびスラッジブランケット型凝集沈澱装置の運転方法 Download PDF

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Description

本発明は、上水、用水、各種排水等の処理に用いられるスラッジブランケット型凝集沈澱装置およびスラッジブランケット型凝集沈澱装置の運転方法に関する。
河川水、湖沼水等の原水より懸濁物質を除去する場合、原水に凝集剤を添加し、懸濁物質を凝集させてフロックを形成し、このフロックを沈降分離により水中から除去して処理水(除濁水)を得ることは、凝集沈澱法としてよく知られた方法であり、この方法を実施するための凝集沈澱装置は多種多様のものが実用化されている。
このような凝集沈澱装置のうち、フロック形成過程と沈降分離過程を同一の槽に組み込んだ高速凝集沈澱装置は、その設置面積の有利性により広く用いられている。その高速凝集沈澱装置の一種としてスラッジブランケット型凝集沈澱装置がある(例えば、特許文献1参照)。
スラッジブランケット型凝集沈澱装置の一例として、脈動型のスラッジブランケット型凝集沈澱装置がある。脈動型のスラッジブランケット型凝集沈澱装置は、例えば、凝集剤を添加した原水を真空塔に流入させ、真空ポンプ等により真空塔内を真空、脱真空と繰り返すことにより、真空塔内の水位を上下させて原水に脈動を与える。次いで脈動を与えた原水を原水分配管より、上端が水面下に位置する仕切り板によってフロックの凝集および沈澱用の凝集沈澱室とフロックの貯留、濃縮および排出用の濃縮室とに仕切ってなる槽内に流入し、原水中の懸濁物質を脈動あるいは阻流板への衝突により凝集させ、フロックを形成させながら上昇させ、スラッジブランケット層を通過させて凝集液中のフロックを接触捕捉して、懸濁物質を除去した処理水を、トラフを介して得るものである。フロック形成を促進する目的で、真空塔の手前に急速撹拌槽を設置する場合もある。
スラッジブランケット型の凝集沈澱装置で通水を行う場合、原水に高濃度で色度成分、TOC、臭気物質等が含まれている場合、通常、凝集沈澱装置の手前で粉末活性炭等の吸着材を注入し、これらの除去を行うことが一般的である。吸着材の注入率は、本来、平衡吸着試験等を実施して求めることが望ましいが、試験には時間を要するため、実際の処理場では、平衡吸着試験で求められる必要量より過剰の吸着材を注入して処理を行う場合が多い。また、吸着材の注入を始めると、原水中の色度成分、TOC、臭気物質等が所定の値に戻るまで、吸着材の注入を続ける場合がほとんどである。このように吸着材の注入を行うと、常に吸着材の注入量が必要量より多くなってしまうので、吸着材コストの増大、さらにそれによって発生する汚泥の処分費等の増加の問題が生じる。
特公平4−66601号公報
本発明の目的は、従来型のスラッジブランケット型凝集沈澱装置と比較して、吸着材の注入の効率化が可能となり、運転管理費が削減される、スラッジブランケット型凝集沈澱装置およびその運転方法を提供することにある。
本発明は、原水へ凝集剤および吸着材を添加し、懸濁物質を凝集してフロックを形成し、前記フロックを含んでなるスラッジブランケット層に前記原水を通過させて処理水を得るスラッジブランケット型凝集沈澱装置であって、上端が水面下に位置する仕切り板により、フロックの凝集および沈澱用の凝集沈澱室とフロックの貯留、濃縮および排出用の濃縮室とに仕切ってなる槽と、前記凝集沈澱室において前記スラッジブランケット層の汚泥濃度を測定する汚泥濃度測定装置と、を備え、前記汚泥濃度測定装置により測定された汚泥濃度の値に基づいて、前記原水への前記吸着材の注入率を制御する、スラッジブランケット型凝集沈澱装置である。
前記スラッジブランケット型凝集沈澱装置において、前記スラッジブランケット層中の前記吸着材の抑留量を、前記吸着材の注入時の汚泥濃度の値と、前記吸着材の注入前の汚泥濃度の値との差分として求め、前記抑留量の増減を確認しながら前記注入率を制御することが好ましい。
前記スラッジブランケット型凝集沈澱装置において、前記スラッジブランケット層中の前記吸着材の抑留量を、前記吸着材の注入時の汚泥濃度の値と、前記原水の濁度、前記原水への前記凝集剤の注入率、および前記原水の通水LVから算出される前記スラッジブランケット層のブランケット濃度の値との差分として求め、前記抑留量の増減を確認しながら前記注入率を制御することが好ましい。
前記スラッジブランケット型凝集沈澱装置において、前記吸着材が、粉末活性炭、微粉末活性炭、ゼオライト、活性アルミナ、粉末イオン交換樹脂、シリカ系吸着材、および高分子系吸着材のうちの少なくとも1つであることが好ましい。
また、本発明は、原水へ凝集剤および吸着材を添加し、懸濁物質を凝集してフロックを形成し、前記フロックを含んでなるスラッジブランケット層に前記原水を通過させて処理水を得るスラッジブランケット型凝集沈澱装置の運転方法であって、前記スラッジブランケット型凝集沈澱装置は、上端が水面下に位置する仕切り板により、フロックの凝集および沈澱用の凝集沈澱室とフロックの貯留、濃縮および排出用の濃縮室とに仕切ってなる槽を備え、前記凝集沈澱室において測定した前記スラッジブランケット層の汚泥濃度の値に基づいて、原水への吸着材の注入率を制御する、スラッジブランケット型凝集沈澱装置の運転方法である。
前記スラッジブランケット型凝集沈澱装置の運転方法において、前記スラッジブランケット層中の前記吸着材の抑留量を、前記吸着材の注入時の汚泥濃度の値と、前記吸着材の注入前の汚泥濃度の値との差分として求め、前記抑留量の増減を確認しながら前記注入率を制御することが好ましい。
前記スラッジブランケット型凝集沈澱装置の運転方法において、前記スラッジブランケット層中の前記吸着材の抑留量を、前記吸着材の注入時の汚泥濃度の値と、前記原水の濁度、前記原水への前記凝集剤の注入率、および前記原水の通水LVから算出される前記スラッジブランケット層のブランケット濃度の値との差分として求め、前記抑留量の増減を確認しながら前記注入率を制御することが好ましい。
前記スラッジブランケット型凝集沈澱装置の運転方法において、前記吸着材が、粉末活性炭、微粉末活性炭、ゼオライト、活性アルミナ、粉末イオン交換樹脂、シリカ系吸着材、および高分子系吸着材のうちの少なくとも1つであることが好ましい。
本発明によれば、従来型のスラッジブランケット型凝集沈澱装置と比較して、吸着材の注入の効率化が可能となり、運転管理費が削減される。
本発明の実施形態に係るスラッジブランケット型凝集沈澱装置の一例を示す概略構成図である。 本発明の実施形態に係るスラッジブランケット型凝集沈澱装置の他の例を示す概略構成図である。 本発明の実施形態に係るスラッジブランケット型凝集沈澱装置の他の例を示す概略構成図である。 実施例および比較例で用いた実験フローの概略を示す図である。 実施例および比較例におけるブランケット濃度(mg/L)、2−MIB濃度(mg/L)の経時変化を示すグラフである。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
本発明の実施形態に係るスラッジブランケット型凝集沈澱装置の一例の概略を図1に示し、その構成について説明する。スラッジブランケット型の凝集沈澱装置1は、上端が水面下に位置する仕切り板18により、フロックの凝集および沈澱用の凝集沈澱室14とフロックの貯留、濃縮および排出用の濃縮室16とに仕切ってなる槽10を備える。凝集沈澱装置1は、槽10内の原水に脈動を与える脈動発生手段として脈動発生装置12を備えてもよい。脈動発生装置12は、真空塔として塔20と、塔20の頂部に真空発生手段として真空ポンプ46と、脱真空手段としてバキュームブレーカ48とを備える。凝集沈澱装置1の前段に、撹拌翼を有する急速撹拌槽50を備えてもよい。
図1の凝集沈澱装置1において、急速撹拌槽50の出口と、脈動発生装置12の塔20の入口とは、原水導入管22により接続されている。槽10の凝集沈澱室14の底部の汚泥出口には、汚泥排出管24が接続され、濃縮室16の汚泥出口には、汚泥排出管26が接続され、槽10の上部の水面部には、少なくとも1つの処理水排出管28が設けられている。塔20には水位測定手段として水位計44が設置されている。凝集沈澱室14の中央下方部には少なくとも1つの原水分配管30が横設され、原水分配管30は塔20の下部と給水ダクト32により連通されている。原水分配管30の下部には原水を流出するためのスリットまたは孔からなる少なくとも1つの流出口が下向きに1列以上設けられている。例えば、複数の流出口が原水分配管30の真下方向に対して30°程度の各斜め方向に、原水分配管30の長軸方向に沿って2列設けられ、一方の列の流出口の間のピッチの略半分の位置に、他方の列の流出口が配置されるようになっている。原水分配管30の上方はスラッジブランケット層34が形成されるスラッジブランケットゾーン、阻流板42の下方は撹拌ゾーン36となっている。原水分配管30の上方には、縦断面形状が例えばV字状である少なくとも1つの阻流板42が設置されている。この位置に阻流板42を設置することにより、槽内に流入された原水が撹拌され、フロックが形成されやすくなる効果がある。スラッジブランケット層34の上方には、沈降面積を増加させるための傾斜装置40が設置されてもよい。槽10には、凝集沈澱室14においてスラッジブランケット層34の汚泥濃度を測定する汚泥濃度測定装置60が設置されている。
仕切り板18によって仕切られた凝集沈澱室14は、フロックの凝集および沈澱を行うものであり、濃縮室16は、スラッジブランケット層34より仕切り板18を越流してきたフロックを貯留、濃縮するものである。
脈動発生装置12は、凝集沈澱室14に設けられた少なくとも1つの流出口を有する原水分配管30と下方で接続され、原水を貯留する塔20を有し、塔20内の原水の落水および水位上昇を繰り返すことにより、流出口から原水が流出される際の脈動により凝集沈澱室14内の原水を撹拌するものである。
本実施形態に係るスラッジブランケット型凝集沈澱装置の運転方法およびスラッジブランケット型凝集沈澱装置1の動作について説明する。
凝集沈澱装置1の前段に急速撹拌槽50を設ける場合は、急速撹拌槽50において懸濁物質を含む原水にポリ塩化アルミニウム(PAC)等の無機凝集剤等の凝集剤と、吸着材とが添加されて、急速撹拌が行われた後、原水は原水導入管22を通して塔20に送液される。凝集剤および吸着材は、原水導入管22において原水に添加されてもよい。真空ポンプ46の駆動およびバキュームブレーカ48の開閉によって、塔20内の真空と脱真空とを繰り返すことにより、塔20内の原水の落水および水位上昇が繰り返されて、水位が上下されて原水に脈動が与えられる(脈動発生工程)。脈動が与えられた原水は、給水ダクト32、原水分配管30を通して流出口から凝集沈澱室14の撹拌ゾーン36に下方向に流出される。この原水分配管30の流出口から原水が流出される際の脈動により凝集沈澱室14の水は撹拌を受け、原水中の懸濁物質は凝集しフロックが形成される。凝集沈澱室14のスラッジブランケットゾーンには、フロック群が高濃度に懸濁平衡されて、スラッジブランケット層34が形成されている。スラッジブランケット層34は次第に高さを増してくるが、仕切り板18は、スラッジブランケット層34の上面高さを規定するものであり、すなわち、スラッジブランケット層34の上面高さは、仕切り板18の高さによって決定される。原水はこのスラッジブランケット層34内を上向流で通過する際、下部で形成されたフロックがスラッジブランケット層34中の既存のフロックと接触、吸合することにより、フロックが除去された除濁水が傾斜装置40を上向流で通過して、処理水として少なくとも1つの処理水排出管28から排出される。
仕切り板18によって仕切られた濃縮室16内および濃縮室16の上部は上昇流がほとんど起こらないので、スラッジブランケット層34の上面の余剰のフロックは仕切り板18の上端を越流して濃縮室16内に貯留、濃縮され、スラッジブランケット層34の高さはほぼ一定に保たれる。余剰の濃縮されたフロックは、汚泥として汚泥排出管26を通して適切な間隔で、例えば定期的に系外に排出される。凝集沈澱室14の底部にフロックが堆積した場合には、汚泥として汚泥排出管24を通して適切な間隔で、例えば定期的に系外に排出されてもよい。
本実施形態に係るスラッジブランケット型凝集沈澱装置の運転方法および凝集沈澱装置では、槽10の凝集沈澱室14においてスラッジブランケット層34の汚泥濃度を測定する汚泥濃度測定装置60を設置し、汚泥濃度測定装置60により測定された汚泥濃度の値に基づいて、原水への吸着材の注入率を制御する。汚泥濃度測定装置60により測定された汚泥濃度の値をモニタリングしながら、汚泥濃度の値に基づいて吸着材の注入率を制御することにより、従来型のスラッジブランケット型凝集沈澱装置と比較して、吸着材の注入の効率化が可能となり、運転管理費が大幅に削減される。また、原水への吸着材の注入の自動化が可能となる。
スラッジブランケット型凝集沈澱装置においては、吸着材の注入時にそれらが吸着能を充分に残した状態で既存のスラッジブランケット層34中に抑留されるため、同じ処理水質を求める場合、平衡吸着試験で求められる必要量より少ない吸着材の注入率で、同等の処理効果を得ることができる。また、同量の吸着材を注入した場合は、処理水質は向上する。スラッジブランケット層34中に吸着材が抑留されている間はそれらが吸着能を持つため、吸着材の注入を行わなくても色度成分、TOC、臭気物質等の除去が可能となる。すなわち吸着材の抑留量をモニタリングしながら、吸着材の注入率を制御することにより、従来法と比較して、吸着材の注入の無駄を大幅に削減することが可能となる。
スラッジブランケット層34中の吸着材の抑留量は、汚泥濃度測定装置60により求めることができる。具体的には、原水の水質(例えば、濁度等)の変動が少ない場合、例えば、原水の濁度の変動が15%未満の場合には、スラッジブランケット層34中の吸着材の抑留量を、吸着材の注入時の汚泥濃度測定装置60から導かれる汚泥濃度の値と、吸着材の注入前の汚泥濃度測定装置60から導かれる汚泥濃度の値との差分として求め、吸着材の抑留量の値の増減を確認しながら吸着材の注入率を制御すればよい。
原水の水質(例えば、濁度等)の変動が多い場合、例えば、原水の濁度の変動が15%以上の場合には、スラッジブランケット層34中の吸着材の抑留量を、吸着材の注入時の汚泥濃度測定装置60から導かれる汚泥濃度の値と、原水の濁度、原水への凝集剤の注入率、および原水の通水LVから算出されるスラッジブランケット層34のブランケット濃度の値との差分として求め、吸着材の抑留量の値の増減を確認しながら吸着材の注入率を制御すればよい。このように、原水の水質(例えば、濁度等)の変動があっても対応することができる。
汚泥濃度測定装置60は、スラッジブランケット層34中の汚泥濃度を測定することができるものであればよく、特に制限はない。汚泥濃度測定装置60としては、例えば、近赤外光散乱光式、透過光式、超音波式、マイクロ波式等の汚泥濃度計を用いればよい。
吸着材は、色度成分、TOC、臭気物質等のうち少なくとも1つを吸着することができるものであればよく、特に制限はない。吸着材は、例えば、粉末活性炭、微粉末活性炭、ゼオライト、活性アルミナ、粉末イオン交換樹脂、シリカ系吸着材、および高分子系吸着材のうちの少なくとも1つである。
凝集剤としては、ポリ塩化アルミニウム(PAC)、塩化第二鉄等の無機系凝集剤等が挙げられる。
本実施形態に係るスラッジブランケット型凝集沈澱装置の運転方法およびスラッジブランケット型凝集沈澱装置において処理対象となる原水は、例えば、上水、用水、河川水、湖沼水、各種排水等である。
処理対象となる原水の濁度は、例えば、1度〜5000度の範囲であり、本実施形態に係るスラッジブランケット型凝集沈澱装置の運転方法およびスラッジブランケット型凝集沈澱装置によって、処理水の濁度を例えば1度未満に低減することができる。
処理対象となる原水の色度成分の含有量は、例えば、0.5〜50度の範囲であり、TOCは、例えば、0.3〜30mg/Lの範囲であり、臭気物質の含有量は、例えば、1〜1000ng/Lの範囲である。本実施形態に係るスラッジブランケット型凝集沈澱装置の運転方法およびスラッジブランケット型凝集沈澱装置によって、処理水の色度成分の含有量を例えば0.5度以下に低減することができ、処理水のTOCを例えば0.3mg/L以下に低減することができ、処理水の臭気物質の含有量を例えば1ng/L以下に低減することができる。
脈動の強度は例えば、下記の式で算出される脈動G値(s−1)により決定すればよい。
脈動G値には、例えば、塔20で発生する脈動における落水時間、上昇時間、落水幅等を変更することにより調整することができる。例えば、真空ポンプの出力を上げ、脈動における上昇時間を短くすることにより、脈動G値を容易に高めることができる。また、落水水位を高くすること、または、バキュームブレーカ48の開度を上げることによって落水時間を短くすることにより、脈動G値を容易に高めることができる。例えば、脈動G値(s−1)を2(s−1)以上50(s−1)以下の範囲として、原水に脈動を与えればよい。なお、脈動G値をどのくらい高くすればよいかについては、原水の温度と処理水の温度との差や、原水濁度の上昇率、目的とする処理水水質等、装置の運転条件に基づいて実験や試運転等により決定することができる。
脈動G値=(落水G値×落水時間+上昇G値×上昇時間)÷(落水時間+上昇時間)
G=√{(A・v)/(2ν・V)}
A:噴出面積(流出口面積)(m
v:噴出流速(m/s)
ν:動粘性係数(原水)(m/s)
V:混和部(阻流板42より下部)容量(m
脈動発生手段としては、原水に脈動を付与することができるものであればよく、特に制限はない。脈動発生手段としては、図1に示す真空ポンプを用いる方式の他に、図2に示す凝集沈澱装置3のようにサイフォンを用いる方式、図3に示す凝集沈澱装置5のように回転弁58を用いる方式のものであってもよい。
図2に示す凝集沈澱装置3では、塔20の頂部にサイフォンを備えるサイフォン装置52が設置され、原水導入管54はサイフォン装置52に接続されている。凝集剤および吸着材が添加された原水は、原水導入管54を通してサイフォン装置52に送液される。サイフォン装置52においてサイフォンの作用によって、サイフォン装置52内の水位が上下されて原水に脈動が与えられる(脈動発生工程)。脈動が与えられた原水は、給水ダクト32、原水分配管30を通して流出口から凝集沈澱室14の撹拌ゾーン36に下方向に流出される。この場合、ダンパー弁56の開度を変えることによって、脈動強度を変えることができる。
図3に示す凝集沈澱装置5では、原水導入管22の途中に回転弁58が接続されている。凝集剤および吸着材が添加された原水は、原水導入管22を通して塔20に送液される。回転弁58の作用によって、塔20内の水位が上下されて原水に脈動が与えられる(脈動発生工程)。脈動が与えられた原水は、給水ダクト32、原水分配管30を通して流出口から凝集沈澱室14の撹拌ゾーン36に下方向に流出される。この場合、回転弁58の回転速度を変えることによって、脈動強度を変えることができる。
これらのうち、脈動発生手段としては、脈動の制御がしやすい、装置高さを抑えることができる等の点で、真空ポンプを用いる方式が好ましい。
本実施形態に係るスラッジブランケット型凝集沈澱装置として、脈動発生装置を備える凝集沈澱装置を例として説明したが、これらに限定されるものではなく、スラッジブランケット型の凝集沈澱装置であれば本実施形態に係るスラッジブランケット型凝集沈澱装置の運転方法が適用される。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例および比較例>
図4に示すパイロットスケールの実験装置を用い、No.1系に汚泥濃度測定装置を設置し、吸着材として粉末活性炭の注入の自動制御を行った(実施例)。No.2系では、あらかじめ平衡吸着試験によって求めた粉末活性炭の必要量を常時注入した(比較例)。パイロット実験装置の仕様、原水条件は以下の通りである。
[装置仕様]
高速凝集沈澱槽 :800mm×900mm×4000mm
凝集沈澱槽滞留時間 :96min
通水流量 :1.8m/h
通水LV :3m/h
濃縮室高さ :1000mm
[原水条件]
原水:河川水
凝集剤:ポリ塩化アルミニウム(PAC)
凝集剤添加量(注入率):25mg/L
凝集pH:7
原水濁度:5度
原水水温:15℃
2−MIB濃度:5ng/L(原水に標準物質としてかび臭物質である2−メチルイソボルネオール(2−MIB)を添加)
[粉末活性炭注入制御]
No.1系:粉末活性炭の抑留量を汚泥濃度測定装置(東亜DKK製、SSD−1620型)によりモニタリングした。原水の濁度、原水への凝集剤の注入率、通水LVの変動はないので、原水の初期の汚泥濃度480mg/Lを、粉末活性炭の注入前の汚泥濃度とした。粉末活性炭の抑留量が最大となったら、粉末活性炭の注入を停止した。粉末活性炭の抑留量が最大値の60%となった時点で、粉末活性炭の注入を再開した。粉末活性炭の注入率は10mg/Lとした。
No.2系:粉末活性炭の注入率を常時20mg/Lとした。
実験結果を図5に示す。比較例のNo.2系では、粉末活性炭の注入開始直後(注入開始2時間後)から処理水の2−MIB濃度は検出下限値(0.5ng/L)未満となった。No.1系でも粉末活性炭の注入開始2時間後に処理水の2−MIB濃度が0.5ng/Lとなったが、問題となる値ではなく、それ以降は全て検出下限値未満となった。実施例(No.1系)の方法を用いることにより、処理水質は同等で、従来法の比較例(No.2系)と比較して、粉末活性炭の注入率は43%削減可能となった。
このように、実施例の方法により、比較例と比較して、吸着材の注入の効率化が可能となり、運転管理費が削減された。
1,3,5 凝集沈澱装置、10 槽、12 脈動発生装置、14 凝集沈澱室、16 濃縮室、18 仕切り板、20 真空塔、22,54 原水導入管、24,26 汚泥排出管、28 処理水排出管、30 原水分配管、32 給水ダクト、34 スラッジブランケット層、36 撹拌ゾーン、40 傾斜装置、42 阻流板、44 水位計、46 真空ポンプ、48 バキュームブレーカ、50 急速撹拌槽、52 サイフォン装置、56 ダンパー弁、58 回転弁、60 汚泥濃度測定装置。

Claims (8)

  1. 原水へ凝集剤および吸着材を添加し、懸濁物質を凝集してフロックを形成し、前記フロックを含んでなるスラッジブランケット層に前記原水を通過させて処理水を得るスラッジブランケット型凝集沈澱装置であって、
    上端が水面下に位置する仕切り板により、フロックの凝集および沈澱用の凝集沈澱室とフロックの貯留、濃縮および排出用の濃縮室とに仕切ってなる槽と、
    前記凝集沈澱室において前記スラッジブランケット層の汚泥濃度を測定する汚泥濃度測定装置と、
    を備え、
    前記汚泥濃度測定装置により測定された汚泥濃度の値に基づいて、前記原水への前記吸着材の注入率を制御することを特徴とするスラッジブランケット型凝集沈澱装置。
  2. 請求項1に記載のスラッジブランケット型凝集沈澱装置であって、
    前記スラッジブランケット層中の前記吸着材の抑留量を、前記吸着材の注入時の汚泥濃度の値と、前記吸着材の注入前の汚泥濃度の値との差分として求め、前記抑留量の増減を確認しながら前記注入率を制御することを特徴とするスラッジブランケット型凝集沈澱装置。
  3. 請求項1に記載のスラッジブランケット型凝集沈澱装置であって、
    前記スラッジブランケット層中の前記吸着材の抑留量を、前記吸着材の注入時の汚泥濃度の値と、前記原水の濁度、前記原水への前記凝集剤の注入率、および前記原水の通水LVから算出される前記スラッジブランケット層のブランケット濃度の値との差分として求め、前記抑留量の増減を確認しながら前記注入率を制御することを特徴とするスラッジブランケット型凝集沈澱装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のスラッジブランケット型凝集沈澱装置であって、
    前記吸着材が、粉末活性炭、微粉末活性炭、ゼオライト、活性アルミナ、粉末イオン交換樹脂、シリカ系吸着材、および高分子系吸着材のうちの少なくとも1つであることを特徴とするスラッジブランケット型凝集沈澱装置。
  5. 原水へ凝集剤および吸着材を添加し、懸濁物質を凝集してフロックを形成し、前記フロックを含んでなるスラッジブランケット層に前記原水を通過させて処理水を得るスラッジブランケット型凝集沈澱装置の運転方法であって、
    前記スラッジブランケット型凝集沈澱装置は、上端が水面下に位置する仕切り板により、フロックの凝集および沈澱用の凝集沈澱室とフロックの貯留、濃縮および排出用の濃縮室とに仕切ってなる槽を備え、
    前記凝集沈澱室において測定した前記スラッジブランケット層の汚泥濃度の値に基づいて、原水への吸着材の注入率を制御することを特徴とするスラッジブランケット型凝集沈澱装置の運転方法。
  6. 請求項5に記載のスラッジブランケット型凝集沈澱装置の運転方法であって、
    前記スラッジブランケット層中の前記吸着材の抑留量を、前記吸着材の注入時の汚泥濃度の値と、前記吸着材の注入前の汚泥濃度の値との差分として求め、前記抑留量の増減を確認しながら前記注入率を制御することを特徴とするスラッジブランケット型凝集沈澱装置の運転方法。
  7. 請求項5に記載のスラッジブランケット型凝集沈澱装置の運転方法であって、
    前記スラッジブランケット層中の前記吸着材の抑留量を、前記吸着材の注入時の汚泥濃度の値と、前記原水の濁度、前記原水への前記凝集剤の注入率、および前記原水の通水LVから算出される前記スラッジブランケット層のブランケット濃度の値との差分として求め、前記抑留量の増減を確認しながら前記注入率を制御することを特徴とするスラッジブランケット型凝集沈澱装置の運転方法。
  8. 請求項5〜7のいずれか1項に記載のスラッジブランケット型凝集沈澱装置の運転方法であって、
    前記吸着材が、粉末活性炭、微粉末活性炭、ゼオライト、活性アルミナ、粉末イオン交換樹脂、シリカ系吸着材、および高分子系吸着材のうちの少なくとも1つであることを特徴とするスラッジブランケット型凝集沈澱装置の運転方法。
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