JP2017056418A - 凝集剤注入率決定方法および凝集剤注入率決定装置 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)ビーカーテスト(ジャーテスト)
被処理水を複数のビーカーに採水し、その採水した複数の被処理水にそれぞれ異なる量の凝集剤を注入して、フロックの生成の進み具合や生成したフロックの沈降のし易さなどを評価して、凝集剤の最適な注入率を求める方法。
(2)フィードフォワード法
被処理水の水質を測定し、予め作成しておいた被処理水の水質と凝集剤の最適な注入率との関係式に、測定した被処理水の水質の値を代入して凝集剤の最適な注入率を求める方法。被処理水の水質としては、濁度(懸濁物の濃度)、アルカリ度、pHが用いられる。
(3)フィードバック法
凝集剤を注入した後の被処理水の濁度や凝集剤の残留量を測定し、その測定値から凝集剤の注入率の過不足を判定し、その判定結果に基づいて凝集剤の注入率を調整する方法。
測定工程は、河川もしくは湖沼から、時間t0とこの時間t0の後の時間t1にて取水した各被処理水の濁度を測定する工程である。算出工程は、前記時間t0と前記時間t1にて取水した各被処理水の濁度に基づいて、前記時間t1の後の時間t2にて取水される被処理水の濁度の予測値を算出する工程である。決定工程は、前記濁度の予測値に基づいて、前記時間t2にて取水される被処理水中の懸濁物を凝集させて除去するためにその被処理水に注入する凝集剤の注入率を決定する工程である。
図1は、第1の実施形態の凝集剤注入率決定装置を利用した浄水場の構成を示す模式図である。最初に、浄水場の構成を説明する。浄水場1は、着水井10、急速混和池20、フロック形成池30、沈澱池40、濾過池50、浄水池60、凝集剤注入率決定装置70、そして凝集剤注入装置80を備えている。
凝集剤注入率決定方法は、測定工程と、算出工程と、決定工程とを持つ。
測定工程は、河川もしくは湖沼から、時間t0と時間t0の後の時間t1にて取水した各被処理水の濁度を測定する工程である。測定工程は、水質測定装置11によって実施される。濁度は、凝集剤注入率決定装置70の入力部71に送られる。
濁度(t2)=濁度(t0)×Exp[−α×(t2−t0)]・・・(1)
以上の図3と図4のグラフから、上記の式(1)を利用することによって、被処理水の濁度を精度よく予測することが可能であることが分かる。
第2の実施形態の凝集剤注入率決定装置では、水質測定装置11が、着水井10内の被処理水の濁度とアルカリ度とを測定し、その濁度とアルカリ度のデータを凝集剤注入率決定装置70に送信する。凝集剤注入率決定装置70は、その濁度とアルカリ度のデータに基づいて、将来の時間t2にて取水される被処理水に注入する凝集剤の注入率を決定する。河川や湖沼では、一時的な増水によって濁度が上昇すると共にアルカリ度が下降することがある。アルカリ度は、凝集剤による懸濁物の凝集反応に影響を与えることがある。このため、濁度と共にアルカリ度が変化する場合には、濁度と共にアルカリ度の変化を考慮して凝集剤の注入量を決定することが好ましい。
アルカリ度(t2)=基準アルカリ度+アルカリ度(t0)−アルカリ度(t0)×{1−Exp[−β×(t2−t0)]}・・・(2)
第3の実施形態の凝集剤注入率決定装置では、水質測定装置11が、着水井10内の被処理水の濁度とpHとを測定し、その濁度とpHのデータを凝集剤注入率決定装置70に送信する。凝集剤注入率決定装置70は、その濁度とpHのデータに基づいて、将来の時間t2にて取水される被処理水に注入する凝集剤の注入率を決定する。河川や湖沼では、一時的な増水によって濁度が上昇すると共にpHが下降することがある。pHは、凝集剤による懸濁物の凝集反応に影響を与えることがある。このため、濁度と共にpHが変化する場合には、濁度と共にpHの変化を考慮して凝集剤の注入量を決定することが好ましい。
pH(t2)=基準pH+pH(t0)−pH(t0)×{1−Exp[−γ×(t2−t0)]}・・・(3)
第4の実施形態の凝集剤注入率決定装置では、水質測定装置11が、着水井10内の被処理水の濁度とアルカリ度とpHとを測定し、その濁度とpHのデータを凝集剤注入率決定装置70に送信する。凝集剤注入率決定装置70は、その濁度とアルカリ度とpHのデータに基づいて、将来の時間t2にて取水される被処理水に注入する凝集剤の注入率を決定する。河川や湖沼では、一時的な増水によって濁度が上昇すると共にアルカリ度とpHが下降することがある。アルカリ度とpHは、凝集剤による懸濁物の凝集反応に影響を与えることがある。このため、濁度と共にアルカリ度とpHが変化する場合には、濁度と共にアルカリ度とpHの変化を考慮して凝集剤の注入量を決定することが好ましい。
Claims (11)
- 河川もしくは湖沼から、時間t0とこの時間t0の後の時間t1にて取水した各被処理水の濁度を測定する測定工程と、
前記時間t0と前記時間t1にて取水した各被処理水の濁度に基づいて、前記時間t1の後の時間t2にて取水される被処理水の濁度の予測値を算出する算出工程と、
前記濁度の予測値に基づいて、前記時間t2にて取水される前記被処理水中の懸濁物を凝集させて除去するためにその被処理水に注入する凝集剤の注入率を決定する決定工程とを含む凝集剤注入率決定方法。 - 前記算出工程において、前記時間t2にて取水される被処理水の濁度の予測値である濁度(t2)を、下記の式(1)より算出する請求項1に記載の凝集剤注入率決定方法:
濁度(t2)=濁度(t0)×Exp[−α×(t2−t0)]・・・(1)
但し、濁度(t0)は、前記時間t0にて取水した被処理水の濁度、αは、前記時間t0にて取水した被処理水の濁度と前記時間t1にて取水した被処理水の濁度とから最小二乗法によって求められた濁度の変化速度に基づくパラメータである。 - 前記測定工程にて、前記時間t0と前記時間t1にて取水した各被処理水のアルカリ度を測定し、
前記算出工程にて、前記時間t0と前記時間t1にて取水した各被処理水のアルカリ度に基づいて、前記時間t2にて取水される被処理水のアルカリ度の予測値を算出し、
前記決定工程にて、前記時間t2にて取水される前記被処理水に注入する凝集剤の注入率を、前記濁度の予測値と前記アルカリ度の予測値とに基づいて決定する請求項1に記載の凝集剤注入率決定方法。 - 前記算出工程において、前記時間t2にて取水される被処理水のアルカリ度の予測値であるアルカリ度(t2)を、下記の式(2)より求める請求項3に記載の凝集剤注入率決定方法:
アルカリ度(t2)=基準アルカリ度+アルカリ度(t0)−アルカリ度(t0)×{1−Exp[−β×(t2−t0)]}・・・(2)
但し、基準アルカリ度は、濁度が変化していない状態の河川もしくは湖沼から採水した被処理水のアルカリ度、アルカリ度(t0)は、前記時間t0にて取水した被処理水のアルカリ度、βは、前記時間t0にて取水した被処理水のアルカリ度と前記時間t1にて取水した被処理水のアルカリ度とから最小二乗法によって求められたアルカリ度の変化速度に基づくパラメータである。 - 前記測定工程にて、前記時間t0と前記時間t1にて取水した各被処理水のpHを測定し、
前記算出工程にて、前記時間t0と前記時間t1にて取水した各被処理水のpHに基づいて、前記時間t2にて取水される被処理水のpHの予測値を算出し、
前記決定工程にて、前記時間t2にて取水される前記被処理水に注入する凝集剤の注入率を、前記濁度の予測値と前記pHの予測値とに基づいて決定する請求項1に記載の凝集剤注入率決定方法。 - 前記算出工程において、前記時間t2にて取水される被処理水のpHの予測値であるpH(t2)を、下記の式(3)より求める請求項5に記載の凝集剤注入率決定方法:
pH(t2)=基準pH+pH(t0)−pH(t0)×{1−Exp[−γ×(t2−t0)]}・・・(3)
但し、基準pHは、濁度が変化していない状態の河川もしくは湖沼から採水した被処理水のpH、pH(t0)は、前記時間t0にて取水した被処理水のpH、γは、前記時間t0にて取水した被処理水のpHと前記時間t1にて取水した被処理水のpHとから最小二乗法によって求められたpHの変化速度に基づくパラメータである。 - 前記測定工程にて、前記時間t0と前記時間t1にて取水した各被処理水のアルカリ度とpHとを測定し、
前記算出工程にて、前記時間t0と前記時間t1にて取水した各被処理水のアルカリ度とpHとに基づいて、前記時間t2にて取水される被処理水のアルカリ度の予測値とpHの予測値とを算出し、
前記決定工程にて、前記時間t2にて取水される前記被処理水に注入する凝集剤の注入率を、前記濁度の予測値と前記アルカリ度の予測値と前記pHの予測値とに基づいて決定する請求項1に記載の凝集剤注入率決定方法。 - 河川もしくは湖沼から、時間t0とこの時間t0の後の時間t1にて取水した各被処理水の濁度が入力される入力部と、
前記時間t0と前記時間t1にて取水した各被処理水の濁度に基づいて、前記時間t1の後の時間t2にて取水される被処理水の濁度の予測値を算出する算出部と、
前記濁度の予測値に基づいて、前記時間t2にて取水される前記被処理水中の懸濁物を凝集させて除去するためにその被処理水に注入する凝集剤の注入率を決定する決定部とを含む凝集剤注入率決定装置。 - 前記入力部に、前記時間t0と前記時間t1にて取水した各被処理水のアルカリ度が入力され、
前記算出部は、前記時間t0と前記時間t1にて取水した各被処理水のアルカリ度とに基づいて、前記時間t2にて取水される被処理水のアルカリ度の予測値を算出し、
前記決定部は、前記時間t2にて取水される前記被処理水に注入する凝集剤の注入率を、前記濁度の予測値と前記アルカリ度の予測値とに基づいて決定する請求項8に記載の凝集剤注入率決定装置。 - 前記入力部に、前記時間t0と前記時間t1にて取水した各被処理水のpHが入力され、
前記算出部は、前記時間t0と前記時間t1にて取水した各被処理水のpHに基づいて、前記時間t2にて取水される被処理水のpHの予測値を算出し、
前記決定部は、前記時間t2にて取水される前記被処理水に注入する凝集剤の注入率を、前記濁度の予測値と前記pHの予測値とに基づいて決定する請求項8に記載の凝集剤注入率決定装置。 - 前記入力部に、前記時間t0と前記時間t1にて取水した各被処理水のアルカリ度とpHとが入力され、
前記算出部は、前記時間t0と前記時間t1にて取水した各被処理水のアルカリ度とpHとに基づいて、前記時間t2にて取水される被処理水のアルカリ度の予測値とpHの予測値とを算出し、
前記決定部は、前記時間t2にて取水される前記被処理水に注入する凝集剤の注入率を、前記濁度の予測値と前記アルカリ度の予測値と前記pHの予測値とに基づいて決定する請求項8に記載の凝集剤注入率決定装置。
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