JP2012223690A - 浄水場の汚濁物質処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】確実かつ適切に凝集剤の添加率を制御可能な浄水場の汚濁物質処理方法を提供する。
【解決手段】浄水場30において取水した原水に対して凝集剤3を添加し、前記原水中の汚濁物質をフロック化させ、形成したフロックを分離することにより前記汚濁物質を前記原水中から除去する浄水場の汚濁物質処理方法であって、前記フロックを分離した後に得られる処理水中の残留凝集剤主成分濃度と、形成された前記フロックのフロック粒径分布と、を測定し、測定された前記残留凝集剤主成分濃度と前記フロック粒径分布とに基づいて、前記フロックのフロック密度を算出し、該フロック密度と予め設定された所定フロック密度との大小関係に応じて、前記原水への前記凝集剤の添加率を制御する浄水場の汚濁物質処理方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、浄水場の汚濁物質処理方法に関する。
浄水場においては、取水した原水に含まれる汚濁物質(濁質)を除去するために、原水に凝集剤を添加(混合)し、フロックとして当該汚濁物質分を原水から除去することが広く行われている。具体的には、取水した原水に対して凝集剤を添加して汚濁物質を含むフロックを形成させ、形成したフロックを沈降分離することで汚濁物質を原水中から除去することができる。そして、この操作の後、沈降しなかった微細なフロック(微細フロック)を含有する処理水は濾過池に供されて濾過等が行われ、清澄な清浄水が得られるようになっている。このような技術のより具体的な方法は、例えば特許文献1に記載されている。
前記した凝集剤による沈降分離技術を用いる場合、通常は、原水に添加する凝集剤の添加率の設定が重要な操作因子となる。そのため、凝集剤の添加率を制御するために、通常は、原水の水質(例えば濁度、アルカリ度、pH等)の測定結果から予め設定した凝集剤添加モデル式に従って凝集剤添加率を算出する。そして、算出された添加率の凝集剤が添加される、所謂フィードフォワード方式が採用されている。このような技術は、例えば特許文献2に記載されている。
また、前記技術に関連して、形成したフロックの凝集の良否を判断するためにフロックを含む処理水の透過光強度を測定して、測定された透過光強度に基づいて凝集剤添加を行う技術もある(例えば特許文献3参照。)。さらに、フロックを除去した後の処理水中の凝集剤濃度を測定し、測定された凝集剤濃度に基づいて凝集剤添加を行う技術もある(例えば特許文献4参照。)。
特開平4−35702号公報 特開平5−146608号公報 特開2002−5814号公報 特開2008−161809号公報
しかしながら、前記技術には、以下のような課題がある。
具体的には、例えば特許文献1に記載の技術においては凝集剤の添加率を制御する際にフィードバック制御を行っているため、凝集剤の添加と沈降分離可能なフロック形成との間で長時間のタイムラグが生じることがある。そのため、フロックが形成されている途中で原水の濁度等に大きな変化があった場合、凝集剤の添加率を適切に制御することができないことがある。
即ち、特許文献1に記載の技術においては、沈殿池出口の沈殿水濁度の測定結果に基づいて凝集剤の添加率を制御している。しかし、凝集剤添加の良否の結果が処理水濁度として判明するまで、フロックの沈殿プロセスの滞留時間を考慮して通常は約3〜4時間要するため、時間遅れが大きくなることがある。そのため、処理水濁度の測定結果にのみ基づいて凝集剤添加率を適切に制御することは困難である。
また、例えば特許文献2に記載の技術においては、前記のように特許文献1に記載の技術と異なりフィードフォワード制御を行っている。しかしながら、原水の水質が予測不可能な程度にまで変動した場合(例えば、台風や大雨等によって原水の濁度が著しく上昇する場合等)、従来の凝集剤添加モデル式を適用することができないことがある。このような場合に算出される凝集剤添加率は信頼性に欠けるものとなる。そのため、このようにして算出された添加率に基づいて凝集剤を添加しても、凝集不良を誘引して沈降性の良いフロックを形成させることが困難となり、沈殿池でフロックの沈降分離が行えないことがある。
その結果、通常沈殿池でフロックを沈降分離した後に供される濾過池において、フロックを多量に含む処理水が濾過されるため濾過池への負荷が過大なものとなることがある。具体的には、濾過池における濾過層の閉塞が早期に進行し、濾過閉塞を解消するための逆流洗浄操作等を頻繁に行う必要が生じることがある。
そのため、このようなフィードフォワード制御を行う場合には、濾過層の閉塞を可能な限り減らすために通常は過剰量の凝集剤を添加している。しかし、このような過剰量の凝集剤の添加によって、処理コストが増大することがある。また、過剰量の凝集剤の添加によって、発生する汚泥が増大するため、汚泥の脱水等の後処理工程への負荷が増大したり、処理コストがやはり増大したりすることがある。
また、例えば特許文献3に記載の技術においては、前記のようにフロックを含む処理水の透過光強度を測定して添加率制御に利用しているが、この方法ではフロックの沈降特性(沈降のし易さ)を必ずしも適切に評価することができない。そのため、この技術に拠っては、凝集剤の添加率の制御を確実かつ適切に行うことができない場合がある。
また、例えば特許文献4に記載の技術においては、前記のように処理水中の残留凝集剤主成分濃度を測定しているが、処理水中の残留凝集剤主成分濃度によっては、やはり適切な凝集剤添加率の制御を行うことができないことがある。
本発明は前記の実情に鑑みて為されたものであり、その目的は、確実かつ適切に凝集剤の添加率を制御可能な浄水場の汚濁物質処理方法を提供することにある。
本発明者らは前記課題を解決するべく鋭意検討した結果、形成したフロックのフロック密度、若しくは、処理水中の凝集剤主成分の残留率(凝集剤主成分残留率)を指標として凝集剤の添加率を制御することにより前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明によれば、確実かつ適切に凝集剤の添加率を制御可能な浄水場の汚濁物質処理方法を提供することができる。
第1実施形態に係る汚濁物質処理方法を適用可能な浄水場の構成を模式的に示す図である。 原水に対する凝集剤の添加率と、フロックを除去した後に得られる処理水中の残留凝集剤主成分濃度と、の関係を示すグラフである。 凝集剤を添加後の処理水における、当該処理水中に含まれるフロックのフロック密度と、当該処理水からフロックを除去した後の処理水濁度と、の関係を示すグラフである。 第2実施形態に係る汚濁物質処理方法を適用可能な浄水場の構成を模式的に示す図である。 原水に対する凝集剤の添加率と、フロックを除去した後に得られる処理水中の凝集剤主成分残留率と、の関係を示すグラフである。
以下、本発明を実施するための形態(本実施形態)を、図面を参照しながら2つの実施形態を挙げて具体的に説明する。ただし、本発明は以下の内容に限定されるものではなく、本発明の要旨を損なわない範囲で任意に変更して実施可能である。
[1.第1実施形態に係る汚濁物質処理方法]
第1実施形態に係る汚濁物質処理方法を、図1に示す浄水場(以下、適宜「第1実施形態に係る浄水場」又は「浄水場30」という。)に適用する場合を例に説明する。以下の浄水場30に関する説明においては、主に、水の流れ(原水から処理水を経て清浄水に至るまでの水の流れ)に沿って説明する。
〔浄水場30の概略構成〕
図1に示すように、浄水場30は、主に、着水井1と、急速混和池2と、フロック形成池6と、沈殿池8と、濾過装置9と、を有している。なお、図1中、実線は配管(導水管)及び当該配管を流れる水の流れ方向、破線は電気信号線を表している。
着水井1は、河川、湖沼等から取水された原水が、図示しない沈砂池において粒径の大きな砂等が沈降除去された後、はじめに供給される設備である。河川、湖沼等と沈砂池と、及び、沈砂池と着水井1とは、それぞれ図示しない導水管によって接続されている。また、着水井1は、流量計23(後記する。)を介して、後記する急速混和池2と配管によって接続されている。
急速混和池2は、着水井1からの原水に対して凝集剤3(後記する。)が添加される設備(池)である。急速混和池2にはモータMにより駆動される攪拌翼2aが備えられ、攪拌翼2aにより、原水と凝集剤3とが十分に混合されるようになっている。そして、原水と凝集剤3とが十分に混合されることにより、原水中の汚濁物質が凝集して微細なフロックが形成されるようになっている。なお、本明細書において「微細なフロック」とは、粒径が10μm未満のフロックを表すものとする。また、このような微細なフロックを、適宜「マイクロフロック」と呼称するものとする。
急速混和池2の大きさや深さは特に制限されず、例えば、着水井1からの原水がおよそ2〜3分滞留する程度の大きさや深さとすることができる。
凝集剤3は、原水中の汚濁物質を凝集させるものである。凝集剤3は、詳細は後記するが、フロック粒径等によってその添加率が制御されるようになっている。凝集剤3としては、例えば硫酸バンド、ポリ塩化アルミニウム(PAC)等のアルミニウム系凝集剤、塩化鉄(II)、ポリシリカ鉄〔(SiO2・(Fe23)〕〕等の鉄系凝集剤等が用いられるが、浄水場30においてはPACが用いられている。
また、浄水場30では、原水に凝集剤3を添加する前に、所定の条件を満たした場合に、汚濁物質の凝集を促進する凝集補助剤4を添加するようになっている。具体的には、浄水場30で用いられる凝集剤3はPACであり、例えば原水のpHが酸性側であると汚濁物質の凝集が起きにくい。そのため、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の凝集補助剤4(アルカリ剤貯蔵タンク5に貯蔵されている。)を添加することで原水のpHをアルカリ性側に傾け、汚濁物質の凝集が起き易くしている。
そして急速混和池2において凝集剤3と混合された原水(処理水)は、形成された微細なフロックとともに配管を通って、フロック形成池6に供給される。
フロック形成池6は、急速混和池2において形成された微細なフロックをさらに成長(凝集)させ、より大きなフロック(粒径が10μm以上)を形成させる設備である。フロック形成池6には、処理水を緩速攪拌するフロキュレータ(緩速攪拌装置)7が備えられている。形成するフロックの望ましい形態としては、フロック径(平均粒径)が大きく、しかも密度が大きく強固なものである。フロックをこのような形態にまで成長させることにより、後記する沈殿池8での沈降を速やかにし、上清におけるフロック残留量を極めて少なくすることができる。
フロック形成池6においては、急速混和池2からの処理水がフロキュレータ7によって緩速で攪拌されるようになっている。そして、このようにフロキュレータ7によって攪拌されることにより、処理水中のマイクロフロック同士の衝突が繰り返されて、マイクロフロックの成長が促進される。このようにしてマイクロフロックを成長させ、フロック形成池6においてより粒径の大きなフロックが形成されるようになっている。
フロキュレータ7の回転速度、大きさ等はフロック形成池6の大きさや深さ等によって決定すればよい。ただし、フロキュレータ7の回転速度や大きさ等によっては、形成されたフロックがフロキュレータ7の回転によって破壊されることがある。また、マイクロフロック同士の衝突を十分に行えず、十分大きなフロックの形成が行えないことがある。従って、これらの事情を鑑みて、フロキュレータ7の回転速度、大きさ等を決定することが好ましい。
そして、このようにして十分にフロックが形成された後、フロックを含む処理水が沈殿池8に供給される。
沈殿池8は、処理水中のフロックを沈殿させる設備である。具体的には、フロックを含む処理水が沈殿池8において所定時間以上(通常は3〜4時間程度)滞留することにより、当該フロックが沈殿するようになっている。なお、図1においては、沈殿池8において沈殿したフロックをフロック8aとして示している。
また、沈殿池8においては前記のようにフロックが沈殿されるようになっているが、処理水中のマイクロフロックは通常は沈殿しない。そのため、マイクロフロックは、後記する濾過装置9にて除去されることになる。
沈殿池8の大きさや深さ、流速等は、フロックを十分に沈殿させることができる程度に適宜決定すればよい。ただし、流速が遅すぎる場合水処理の時間がかかりすぎる可能性があり、早過ぎる場合フロックを沈殿しきれない可能性がある。そのためフロックを十分に沈殿させることができる流速とすることが好ましい。
このようにしてフロックが除去された処理水は、その後、濾過装置9に供給される。
濾過装置9は、処理水中のマイクロフロックを除去する設備である。浄水場30における濾過装置9においては、濾過砂9aによってマイクロフロックが除去されるようになっている。ただし、濾過装置9の濾過の方法に特に制限は無く、例えば精密濾過膜(Microfiltration Membrane;MF膜)、限外濾過膜(Ultrafiltration Membrane;UF膜)等の膜を使用してもよい。
なお、濾過装置9においては、前記のようにマイクロフロックが除去されるようになっているが、沈殿池8で除去しきれなかったフロックも併せて除去されるようになっている。
そして、濾過砂9aを通過してマイクロフロック等が除去され清浄な水(清浄水)となった後、清浄水は図示しない配水池に供給されるようになっている。そして、塩素殺菌、オゾン殺菌等を清浄水に対して行い、上水として最終的に需要端に供給される。
〔浄水場30における添加率制御方法〕
以上、原水から処理水を経て清浄水に至るまでの水の流れに沿って、浄水場30の構成を説明した。次に、凝集剤3の添加率を制御する方法を、図1〜図3を参照しながら説明する。なお、図1に示す演算器16,17,18,19,22は、何れもCPU(Central Processing Unit)等により構成されている。
図1に示すように、フロック形成池6と沈殿池8とを接続する配管の途中には、分岐する配管が設けられている。この分岐した配管は、さらに分岐して分級手段11及びフロック計測器15に接続されている。
分級手段11は、ポンプ10を介して残留凝集剤主成分濃度測定装置12に接続されている。そして、残留凝集剤主成分濃度測定装置12は、電気信号線により演算器16に接続されている。一方、フロック計測器15は、電気信号線により演算器16に接続されている。
分級手段11は、処理水中のフロックを除去する設備である。即ち、分級手段11においては、粒径が10μm以上のフロックが除去されるように構成されている。分級手段11を設けることにより、処理水中のフロックの凝集状態を早期に検出することができる。この点の詳細に関しては後記する。
分級手段11としては、直系10μmの孔を有する液体サイクロン、沈降槽、回転フィルタ等を用いることができる。ただし、分級手段11を設けないことも可能であり、そのような場合には沈殿池8にてフロック8aを沈殿させた後の上清(即ち濾過装置9に供給される処理水)を採水すればよい。
残留凝集剤主成分濃度測定装置12は、フロックが除去されたもののマイクロフロックが含まれる処理水中の凝集剤主成分濃度を測定する装置である。ここで、「凝集剤の主成分」とは、凝集剤を構成する金属原子を表す。具体的には、凝集剤3が例えばPACのようなアルミニウム系凝集剤である場合、主成分は溶解性アルミニウムとなるし、凝集剤3が例えば鉄系凝集剤である場合、主成分は溶解性鉄となる(これらの凝集剤の詳細は後記する)。
従って、浄水場30においては凝集剤3としてPACを用いているため、残留凝集剤主成分濃度測定装置12は処理水中の溶解性アルミニウム(例えばアルミニウムイオン等)濃度を測定する装置である。残留凝集剤主成分濃度測定装置12の具体的な構成は特に制限されないが、所定の間隔で処理水を抽出し測定するようにしてもよいし、連続的に測定するようにしてもよい。
具体的な残留凝集剤主成分濃度測定装置12としては、凝集剤3がPAC等のアルミニウム系凝集剤の場合、例えばイオンクロマトグラフ、フレームレス原子吸光度計、アルミノン法に基づく分光光度計等が挙げられる。これにより、処理水中の溶解性アルミニウム濃度が測定されるようになっている。
また、凝集剤3が硫酸バンド等の鉄系凝集剤である場合、例えばフェナントロリン法等による分光光度計が挙げられる。これにより、処理水中の溶解性鉄(例えば鉄イオン等)濃度が測定されるようになっている。
また、分級手段11等と並列に設けられているフロック計測器15は、処理水中のフロックの粒径を測定するものである。フロック計測器15の具体例としては、例えば透過型光強度計測装置、水中カメラを用いて撮影した写真の画像解析等が挙げられる。
次に、残留凝集剤主成分濃度測定装置12及びフロック計測器15を用いた、浄水場30における汚濁物質処理方法を説明する。
前記のように、分級手段11においてフロックが除去(分離)された処理水は残留凝集剤主成分濃度測定装置12に供給される。残留凝集剤主成分濃度測定装置12では、当該処理水中の残留凝集剤主成分濃度(浄水場30においてはアルミニウムイオン濃度)Alが測定される。そして、測定された残留凝集剤主成分濃度Alは、電気信号線を介して演算器16に送信される。
一方、フロックを含む処理水は前記のようにフロック計測器15にも供給される。そして、フロック計測器15において、処理水中のフロックの粒径(フロック粒径)が測定され、フロック粒径分布が測定される。そして、フロック計測器15は、測定されたフロック粒径分布に基づいてフロックの平均粒径Eを算出する。そして、平均粒径Eは、電気信号線を介して演算器16に送信される。
演算器16には、前記のように残留凝集剤主成分濃度測定装置12からの残留凝集剤主成分濃度Alと、フロック計測器15からフロックの平均粒径Eとが送信される。そして、演算器16は、受信した残留凝集剤主成分濃度Alから残留凝集剤主成分量AlQを算出する。即ち、残留凝集剤主成分量AlQは、フロック形成に使用された凝集剤の絶対的な量である。
そして、演算器16は、算出した残留凝集剤主成分量AlQと、受信したフロック平均粒径Eと、を下記式(1)に代入し、フロック密度DAを算出する。
Figure 2012223690
前記のようにして算出されたフロック密度DAは、演算器17に送信される。そして、フロック密度DAを受信した演算器17は、送信されたフロック密度と予め設定された所定フロック密度RBとの偏差(即ち、所定フロック密度RBからの差分)ΔAlを下記式(2)に基づいて算出する。なお、演算器17には、所定フロック密度RBが予め記憶されていてもよく、例えば操作ボタン等によりユーザが任意のタイミングで変更可能になっていてもよい。
Figure 2012223690
式(2)中、bは正の定数であり、浄水場30の試験運転等を行うことにより決定される値である。
前記式(2)により算出されるΔAlについて、フロック密度DAが所定フロック密度RBよりも大きい場合には負の偏差となる(即ち、ΔAlが負の値となる)。この場合、フロックの沈降特性が良いため、凝集剤3の添加率を減少させる制御を行う。一方、フロック密度DAが所定フロック密度RBよりも小さい場合には正の偏差となる(即ち、ΔAlが正の値となる)。この場合、フロックの沈降特性が良くないため、凝集剤3の添加率を増加させる制御を行う。具体的な制御方法は後記する。そして、以上のようにして決定されたΔAlは、演算器18に送信される。
一方で、ポンプ21は原水を水質計20に供給する。そして、水質計20が、原水の濁度Tu、アルカリ度AL、pH、有機物濃度等を測定する。なお、有機物濃度の測定は、波長260nmの光の吸収を測定する紫外線吸光光度計等を用いて行われる。そして、水質計20により測定された濁度Tu及びアルカリ度ALは、演算器19に送信される。なお、測定されたpH及び有機物濃度は、液晶モニタ等に表示されて確認可能になっている。
演算器19は、水質計20から送信された濁度Tu及びアルカリ度ALを下記式(3)に代入し、基本凝集剤添加率Pを算出する。
Figure 2012223690
式(3)中、c、d、e及びfは定数であり、浄水場30の試験運転等を行うことにより決定される値である。
そして、以上のようにして算出された基本凝集剤添加率Pは、演算器18に送信される。
前記のように、演算器18には、偏差ΔAlと基本凝集剤添加率Pとが送信される。そして、演算器18は、受信した偏差ΔAlと基本凝集剤添加率Pとに基づいて、凝集剤添加率PAが算出される。具体的には、下記式(4)に基づいて凝集剤添加率PAが算出される。
Figure 2012223690
前記式(4)に基づいて算出された凝集剤添加率PAは、演算器22に送信される。一方で、演算器22には、流量計23からの原水の流量Qが送信される。従って、演算器22は、受信した流量Qに対して凝集剤添加率PAを乗じることにより、凝集剤添加量PAQが算出される。
そして、演算器22は、凝集剤貯蔵タンク24に備えられているポンプ(図示しない)に対して、算出された凝集剤添加量PAQ分の凝集剤3を原水に対して供給するように制御する。このようにして、フロック密度DAと予め設定された所定フロック密度RBとの大小関係に応じて、原水への凝集剤の添加率を制御することができる。
〔第1実施形態に係る汚濁物質処理方法が成立する理由と背景〕
浄水場における汚濁物質除去において、原水中の汚濁物質を全て凝集させてフロックとして除去することが理想的である。しかしながら、このようなことは、設備やコストの観点から通常は困難である。従って、原水中の汚濁物質を可能な限り除去し、除去できなかった汚濁物質を除去可能にできる程度の量までさらに凝集剤を添加することが好ましい。
そのため、滞留時間が長いプロセスを経る浄水場では、早期にフロックの凝集状態を把握し、その結果に基づいて凝集剤添加率を補正し、処理水の濁度を適切な値に維持することが極めて重要である。
このような場合に、凝集状態の良否の早期検出法として凝集剤添加後の処理水中の凝集剤主成分濃度を測定すれば、濃度の大小によって添加した凝集剤が有効に作用しているか否かを判定することができると考えられる。さらに、このような測定を行うことにより、凝集剤の添加率が適正か否かの判定指標とすることもできると考えられる。
つまり、例えば凝集剤としてアルミニウム系凝集剤(PAC等)を使用した場合、凝集剤添加後の処理水中の残留アルミニウム濃度を測定して、濃度が低ければ添加した凝集剤が有効に作用していると考えることができる。従って、沈降性の良いフロックが形成され、汚濁物質をより多く除去することができると判定することができると考えられる。
しかし、従来は、凝集剤添加率と残留アルミニウム濃度(残留凝集剤主成分濃度)との関係が不明であるとともに、残留アルミニウム濃度と処理水濁度との関係が不明で、フロック形成池6及び沈殿池8における処理水の処理状況は考慮できなかった。そのため、凝集剤添加率の補正指標として処理水中の残留アルミニウム濃度の大小を凝集剤添加率の補正演算に反映させることが困難であった。
そのため別の方法も考えられた。例えば、凝集状態の良否の検出法として、凝集剤添加後の処理水中で形成されたフロック粒径分布を測定し、添加した凝集剤が有効に作用しているか否かを判定指標とすることができると考えられる。さらに、このような測定を行うことにより、凝集剤の添加率が適正か否かの判定指標とすることもできると考えられる。
しかしながら、従来は、好ましいフロック(即ち、前記した好適な形態のフロック)の指標となるフロック密度とフロック径の大小との関係が不明であり、フロック沈降特性の指標とすることが困難であった。
これらの点に鑑みて、本発明者らが検討したところ、フロックを含む処理水と当該処理水の濁度とは相関があることがわかった。そこで、フロックを含む処理水に関する幾つかのデータに基づいて凝集剤3の添加率を決定することにより、より確実かつ適切に添加率を制御できることがわかった。
具体的には、本発明者らは、凝集剤添加率に対する残留凝集剤主成分濃度とフロック粒径に基づき算出されるフロック密度との関係について検討した。また、本発明者らは、凝集剤の過剰又は過少添加時における評価指標として、凝集剤添加率に対する処理水濁度と処理水中の凝集剤主成分残留率との関係について検討した。そしてこれらの検討の結果、本発明者らが得たグラフを図2に示す。
図2は、凝集剤の添加率と残留凝集剤主成分濃度との関係を示している。実線はフロックを含有する処理水中の残留凝集剤主成分濃度のグラフ(フロック除去前)、一点鎖線はフロックを除去した後(マイクロフロックは含まれている)の処理水中の残留凝集剤主成分濃度のグラフ(フロック除去後)である。
なお、図2中の残留凝集剤主成分濃度は、処理水に溶解している凝集剤主成分濃度(浄水場30においては溶解性アルミニウム)と、処理水に溶解していないフロックの凝集剤主成分濃度とを合算して得た値である。また、「マイクロフロック含有状態」とは、フロックが除去され、マイクロフロックが残存している状態をいう。
図2のグラフ101に示すように、フロック除去前の処理水中の残留凝集剤主成分濃度は、凝集剤添加率の増加に比例して高くなる。これに対して、グラフ102に示すように、フロックを除去すると処理水に溶解している凝集剤が主体となって、凝集剤添加率の増減に関係なく一定となり、凝集剤添加率の変化が反映されないことがわかる。換言すれば、凝集剤を大量に添加しても、フロック除去後の処理水中の凝集剤主成分濃度は略一定であることがわかる。
即ち、図2に示すようにフロック除去後の残留凝集剤主成分濃度は略一定であるため、式(1)に示すようにフロック密度はフロック粒径により決定される。また、フロック粒径と沈降特性とは通常は正の相関がある。従って、凝集剤添加後の処理水中の残留凝集剤主成分濃度を測定して、測定結果に基づいて凝集状態の良否の判定することが極めて重要である。また、凝集剤添加率の補正を行うためには、マイクロフロック含有状態の処理水(即ち、フロックのみが除去された処理水)を測定対象として、残留凝集剤主成分濃度を測定することが極めて重要である。
前記のように、浄水場30においては、残留凝集剤主成分濃度とフロック粒径分布とに基づいて、フロック沈降特性の指標となるフロック密度が算出される。また、フロック密度は、その粒径を考慮しない場合は定性的に、残留凝集剤主成分濃度が高いとフロック密度が小さく、残留凝集剤主成分濃度が低いとフロック密度が大きくなる傾向にある。さらに、フロック粒径が大きいと沈降しやすく、小さいと沈降しにくい傾向にあるので、密度が小さいフロックは沈降特性が良くなく、逆に密度が大きいフロックは沈降特性が良いと考えられる。
特に、粒径が小さくても密度が大きいフロックは、沈降特性は良好であると考えられる。一方で、粒径が大きくても密度が小さいフロックは、沈降特性は良くないものと考えられる。つまり、フロック密度とフロック形成状態とは、残留凝集剤主成分濃度と同様に、高い相関性を有すると考えられる。
次に、本発明者らの検討によって得られた図3を参照しながら、フロック密度と処理水濁度との関係を説明する。図3に示すように、設定値に対してフロック密度が小さいフロックは前記のように沈降特性が良くないため、凝集剤添加率を増加させる制御を行う。これにより、より多くの凝集剤がフロック形成に関与するため、より多くの汚濁物質を凝集させることができる。従って、処理水濁度が適正値に維持されることになる。
一方、適正値に対してフロック密度が大きいフロックは前記のように沈降特性が良いため、凝集剤添加率を減少させる制御を行う。これにより、少量の凝集剤であっても良好なフロックを形成させることができ、十分量の汚濁物質を凝集させることができる。そのため、凝集剤の添加率を減少させても、処理水濁度を適正値に維持することができる。
以上のように、浄水場30においては、フロック密度が所定フロック密度よりも大きい場合には、凝集剤3の添加率を減少させ、フロック密度が所定フロック密度よりも小さい場合には、凝集剤3の添加率を増加させる制御を行っている。
〔第1実施形態に係る汚濁物質処理方法により奏される効果〕
浄水場30においては、形成されたフロックの密度(フロック密度)に応じて凝集剤添加率を補正している。この補正により、フロック密度と所定のフロック密度との偏差に応じて、凝集剤添加率が過少又は過剰であるかを判定し、凝集剤添加率を適正値に維持することが可能となる。その結果、良好な汚濁物質の凝集沈殿効果が奏される。
このような補正制御において、例えば残留凝集剤主成分濃度のみを測定して、この測定値と設定目標値との偏差に応じて補正制御をすると、残留凝集剤主成分濃度の測定値は測定誤差の影響で、図2に示すように略一定でありながらも少なからず変動する。そのため、測定値と設定目標値とを直接対比して算出される偏差も一緒になって変動し、偏差の大小のみならず、偏差の正負が反転することがある。その結果、凝集剤添加率の補正制御の精度が低下することがある。
また、例えばフロック粒径のみを測定して、この測定値に応じて補正制御をすると、残留凝集剤の処理状況が考慮されない。そのため、やはり、偏差の大小のみならず、偏差の正負が反転することがある。その結果、凝集剤添加率の補正制御の精度が低下することがある。
しかしながら、浄水場30のように、残留凝集剤主成分濃度とフロック粒径に基づくフロック密度とを制御指標とすると、残留凝集剤主成分濃度の測定値が変動しても、この変動による影響は極めて小さい。そのため、設定目標値と対比して算出される偏差が残留率変動によって反転することがない。また、フロック形成池6及び沈殿池8の処理状況を予め考慮して補正しているため、それらの処理状況が偏差に対して想定外の影響を与えることがない。そのため、従来よりも精度良く、凝集剤添加率の補正制御が可能となる。
また、浄水場30では、凝集剤添加後の処理水中のフロック密度を算出し、フロック密度に応じて図3に示すような制御を行っている。そのため、凝集剤3の過剰添加の抑制や、処理水濁度の維持を図るために必要な凝集剤3の量を最低限確実に確保することができる。そのため、浄水場30に拠れば、処理水濁度を適正値で維持でき、しかも過剰な凝集剤添加を抑制することができ、これに伴う凝集剤添加量及び発生汚泥量の低減が可能となる。
[2.第2実施形態に係る汚濁物質処理方法]
次に、図4に示す浄水場31を具体例に挙げて、第2実施形態に係る汚濁物質処理方法を説明する。なお、図4において図1と同じ設備については同じ符号を付して示すものとし、その詳細な説明を省略する。
〔浄水場31の概略構成〕
図3に示す浄水場31においては、図1に示す浄水場30とは異なり、残留凝集剤主成分濃度の測定を、急速混和池2とフロック形成池6との間で採水して行っている。これに伴って、所定の演算を行う演算器13,14が、残留凝集剤主成分濃度測定装置12と演算器18との間に、電気信号線を介して設けられている。
即ち、浄水場31においては、フロック粒径の測定はフロック形成池6と沈殿池8との間で際水して行う点は浄水場30と同様であるが、残留凝集剤主成分濃度の測定に必要な採水区間が浄水場30の区間とは異なっている。従って、主にこの点に関して説明する。
はじめに、演算器13,14について説明する。
演算器13は、演算器14に送信する凝集剤主成分残留率RA1(後記する。)を算出するものである。演算器13は、電気信号線を介して残留凝集剤濃度測定装置12と演算器14とに相互に接続されている。
また、演算器14は、演算器18に送信する凝集剤主成分残留率の偏差ΔAl2(後記する。)を算出するものである。演算器14は、電気信号線によって、演算器13と演算器18とに相互に接続されている。
〔浄水場31における添加率制御方法〕
基本的には浄水場30と同様に制御されるため、浄水場30の制御方法とは異なる点について主に説明する。
残留凝集剤主成分濃度測定装置12によって測定された処理水中の残留凝集剤主成分濃度Alは、演算器13及び演算器16に送信される。演算器16,17においては前記の算出が行われるため、その説明を省略する。
演算器13は、受信した残留凝集剤主成分濃度Alと、演算器22において算出され、現時点で添加されている凝集剤の添加率PAと、を下記式(5)に代入することにより、凝集剤主成分残留率RA1を算出する。そして、算出された凝集剤主成分残留率RAlは、演算器14に送信される。
Figure 2012223690
演算器14は、受信した凝集剤主成分残留率RA1と、ユーザによって入力された所定凝集剤主成分残留率RAと、の偏差ΔAl2を、下記式(6)に基づいて算出する。なお、RAは、ユーザが例えばボタン等の操作によって任意のタイミングで適宜設定してもよく、予め演算器14に記憶されているようにしてもよい。
Figure 2012223690
式(6)に示すように、凝集剤主成分残留率RAlが所定凝集剤主成分残留率RAよりも小さい場合は、ΔAl2の値は負となる。一方で、凝集剤主成分残留率RA2が所定凝集剤主成分残留率RAよりも大きい場合は、ΔAl2の値は正となる。そして、このようにして算出されたΔAl2は演算器18に送信される。その後、演算器18は、受信したΔAl2を前記のΔAlと同様に扱い、浄水場30において説明した制御方法と同様にして、凝集剤3の添加率を制御することになる。
〔第2実施形態に係る汚濁物質処理方法が成立する理由と背景〕
処理水中の凝集剤主成分残留率は、凝集剤添加率を増加させるに従い処理水濁度と同様に低下する。これは、凝集剤をより多く添加することにより、より密度の大きなフロックが形成し易くなるためである。即ち、より密度の大きなフロックが形成されると当該フロックに取り込まれる凝集剤は増加するため、処理水中に残留する凝集剤主成分濃度は低下することになる。そのため、凝集剤の添加率を増加させることで残留凝集剤主成分濃度は低下するため、添加率の増加にも関わらず凝集剤主成分残留率が低下することになる。
このように、凝集剤添加率は凝集剤主成分残留率に影響を与える。即ち、凝集剤添加率の制御に関与する処理水濁度の高低と凝集剤主成分残留率の高低とは、相関性を有することになる。
例えば図5に示すように、凝集剤の添加率が1mg/L(溶解性アルミニウム量)の時の処理水濁度を維持するように、凝集剤主成分残留率を設定する(所定凝集剤主成分残留率の設定)。そして、設定値よりも凝集剤主成分残留率が高い場合は、凝集剤添加率を増加させて処理水濁度を適正値に維持する(凝集剤添加率増加制御)。
これは、凝集剤によって形成したフロックが、分離できるほどの大きさではないマイクロフロックの状態であるためである。つまり、前記のように、凝集剤主成分残留率RA1はフロック除去後の処理水に基づいて算出されるため、凝集剤主成分残留率RA1が大きいことは、フロック除去後の処理水にはマイクロフロックが多く含まれることを意味する。
そこで、原水に対してさらに凝集剤を添加させて当該マイクロフロックをさらに成長させることにより、当該マイクロフロックを分離可能なフロックの状態にすることができる。これにより、濁度の原因である汚濁物質をフロックに取り込んで除去することが可能となり、処理水濁度が過剰に増加することなく適正値に維持される。
一方、設定した目標値よりも凝集剤主成分残留率が低い場合は、凝集剤添加率を減少させて処理水濁度を適正値に維持する(凝集剤添加率減少制御)。これは、原水に添加した凝集剤がフロック形成に十分な量であることを示しているため、それ以上の凝集剤を要しないことに基づくものである。そのため、このようにすれば、余剰の凝集剤の消費を抑制することができる。
以上のように、浄水場31においては図5に示すような、前記凝集剤主成分残留率が所定凝集剤主成分残留率よりも大きい場合には前記凝集剤添加率を増加させる制御を行っている。一方で、凝集剤主成分残留率が所定凝集剤主成分残留率よりも小さい場合には、凝集剤の添加率を減少させる制御が行われている。
〔第2実施形態に係る汚濁物質処理方法により奏される効果〕
浄水場30における補正では、前記のように残留凝集剤主成分濃度とフロック密度とに基づいて凝集剤添加率を制御している。そして、浄水場31における補正では、これらの要素を用いて算出した凝集剤主成分残留率により、凝集剤添加率の補正を行っている。このように複数の要素に基づいて凝集剤添加率の増減を制御することにより、より確実に良好な凝集沈降が得られる。
浄水場31のように、凝集剤主成分残留率を制御指標とすると、残留凝集剤主成分濃度の測定値が変動しても、この変動による影響は極めて小さく設定目標値と対比して算出される偏差が残留率変動によって反転することがない。また、フロック形成池6や沈殿池8の処理状況を考慮しているため、それらの処理状況との偏差に影響を受けることもない。そのため、精度良く凝集剤添加率の補正制御が可能となり、処理水濁度との相関性を高めることが可能となる。そのため、より確実かつ正確に、凝集剤の添加率を制御することが可能となる。
また、浄水場31においては、フロック形成池6の上流側と下流側とで別々に採水しているため、フロック形成池6でのフロックの形成状態を考慮した制御を行うことができる。そのため、補正を行うタイミングがより正確なものとなる。従って、浄水場31においては、原水の濁度に応じて、より適切に凝集剤の添加率を制御することができる。
[3.変更例]
以上、2つの実施形態を挙げて本実施形態を具体的に説明したが、本実施形態はその要旨を変更しない範囲内で任意に変更して実施可能である。
例えば、図1に示す浄水場30においては、分級装置11及びフロック計測器15への採水はフロック形成池6と沈殿池8との間の配管から行っている。しかし、当該採水は処理水に対して行える限りどこで行ってもよく、例えば急速混和池2とフロック形成池6との間、沈殿池8との濾過装置9との間等の配管から行うことができる。そして、それぞれの場所において採水して試験運転をし、それぞれの場所に応じたパラメータ(前記したa,b,c,d,e及びf等)を決定すればよい。
また、例えば図4に示す浄水場31においては、分級手段11への採水はフロック形成池6の上流で行われている。しかし、当該際水は処理水に対して行える限りどこで行ってもよく、例えばフロック形成池6と沈殿池8との間、沈殿池8と濾過装置9との間等の配管から行うことができる。そして、それぞれの場所において採水して試験運転をし、それぞれの場所に応じたパラメータ(前記したa,b,c,d,e及びf等)を決定すればよい。
1 着水井
2 急速混和池
3 凝集剤
4 アルカリ剤
5 アルカリ剤貯蔵タンク
6 フロック形成池
7 フロッキュレータ
8 沈殿池
9 濾過装置
10,21 ポンプ
11 分級手段
12 残留凝集剤主成分濃度測定装置
13,14,16,17,18,19,22 演算器
15 フロック計測器
20 水質計
23 流量計
24 凝集剤貯蔵タンク
30,31 浄水場
M モータ

Claims (4)

  1. 浄水場において取水した原水に対して凝集剤を添加し、前記原水中の汚濁物質をフロック化させ、形成したフロックを分離することにより前記汚濁物質を前記原水中から除去する浄水場の汚濁物質処理方法であって、
    前記フロックを分離した後に得られる処理水中の残留凝集剤主成分濃度と、
    形成された前記フロックのフロック粒径分布と、
    を測定し、
    測定された前記残留凝集剤主成分濃度と前記フロック粒径分布とに基づいて、前記フロックのフロック密度を算出し、
    該フロック密度と予め設定された所定フロック密度との大小関係に応じて、前記原水への前記凝集剤の添加率を制御する
    ことを特徴とする、浄水場の汚濁物質処理方法。
  2. 前記制御において、
    前記フロック密度が前記所定フロック密度よりも大きい場合には、前記凝集剤の添加率を減少させ、
    前記フロック密度が前記所定フロック密度よりも小さい場合には、前記凝集剤の添加率を増加させる
    ことを特徴とする、請求項1に記載の浄水場の汚濁物質処理方法。
  3. 浄水場において取水した原水に対して凝集剤を添加し、前記原水中の汚濁物質をフロック化させ、形成したフロックを分離することにより前記汚濁物質を前記原水中から除去する浄水場の汚濁物質処理方法であって、
    前記フロックを分離した後に得られる処理水中の残留凝集剤主成分濃度を測定し、
    該残留凝集剤主成分濃度と、前記原水に対して添加された前記凝集剤の添加率と、
    に基づいて、前記処理水に残留する凝集剤の主成分についての凝集剤主成分残留率を算出し、
    該凝集剤主成分残留率と予め設定された所定凝集剤主成分残留率との大小関係に応じて、前記原水への前記凝集剤の添加率を制御する
    ことを特徴とする、浄水場の汚濁物質処理方法。
  4. 前記制御において、
    前記凝集剤主成分残留率が前記所定凝集剤主成分残留率よりも大きい場合には、前記凝集剤の添加率を増加させ、
    前記凝集剤主成分残留率が前記所定凝集剤主成分残留率よりも小さい場合には、前記凝集剤の添加率を減少させる
    ことを特徴とする、請求項3に記載の浄水場の汚濁物質処理方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015054284A (ja) * 2013-09-12 2015-03-23 株式会社東芝 水処理システム
KR101645540B1 (ko) * 2015-05-18 2016-08-04 곽종운 정수 처리용 응집제 주입 방법 및 이를 이용한 정수 처리 장치
WO2022075063A1 (ja) * 2020-10-09 2022-04-14 三菱重工エンジニアリング株式会社 分析システム及び管理システム、並びに分析方法、並びに分析プログラム

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