JPH10118411A - 浄水場の凝集剤注入制御方法及び装置 - Google Patents

浄水場の凝集剤注入制御方法及び装置

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JPH10118411A
JPH10118411A JP28366696A JP28366696A JPH10118411A JP H10118411 A JPH10118411 A JP H10118411A JP 28366696 A JP28366696 A JP 28366696A JP 28366696 A JP28366696 A JP 28366696A JP H10118411 A JPH10118411 A JP H10118411A
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JP
Japan
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turbidity
raw water
injection rate
coagulant injection
coagulant
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Application number
JP28366696A
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English (en)
Inventor
Tetsuro Haga
鉄郎 芳賀
Michinori Ozaki
倫典 小崎
Shoji Watanabe
昭二 渡辺
Naoki Hara
直樹 原
Nobuyoshi Yamakoshi
信義 山越
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】凝集不良を抑制して沈澱水濁度を良好に維持す
る浄水場の凝集剤注入制御方法を提供する。 【解決手段】原水中の有機物濃度を測定して、この有機
物濃度に対応して求められる凝集剤注入補正値で、前記
原水の濁度に対応して設定された凝集剤注入率を補正
し、補正後の凝集剤注入率に基づいて前記原水に凝集剤
を注入する。 【効果】原水中の有機物濃度が変化しても凝集不良を抑
制して沈澱水濁度を良好に維持することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は浄水場における凝集
剤注入制御方法および凝集剤注入制御装置に係り、さら
に詳しくは、凝集不良を抑制して沈澱水濁度を良好に維
持し、かつトリハロメタン先駆物質の低減に好適な浄水
場の凝集剤注入制御方法および制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】浄水場においては、取水した原水中の濁
質分を除去するため凝集剤を注入し、これによって濁質
分を凝集させてフロックとし、これを沈降分離して除去
する凝集沈澱処理が行われている。そして、原水への凝
集剤注入率は、凝集沈澱効果に及ぼす主たる影響因子の
原水濁度の計測結果に基づいて設定されることが多い。
前記した凝集剤注入の制御方法は、例えば、特公昭60−
43762 号公報,特開昭56−111099号公報及び特開平4−3
5702号公報等で知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般に凝集剤注入率
は、原水濁度の高低に応じて目標とする沈澱水濁度が得
られる注入率に設定される。ところが、濁度等の水質が
同一の原水に同じ注入率で凝集剤を注入しても、沈澱水
濁度が高くなって目標値を大きく上回ることがあり、凝
集不良が生じる。これは、濁度として計測される濁質分
以外の成分によって凝集剤が消費され、原水濁度が同一
でも、目標の沈澱水濁度を得るために必要な凝集剤が不
足するためと考えられる。しかし、濁度として計測され
る濁質分以外の凝集剤消費成分が不明であるため、現行
の凝集剤注入制御方法では、予め安全性を見込んで凝集
剤注入率を高めに設定せざるを得ない。結果的に凝集剤
注入量の増加を招く不都合が生じる。また、凝集剤注入
量が多すぎると、これが残留して水質低下を招く。
【0004】本発明の目的とするところは、凝集不良を
抑制して沈澱水濁度を良好に維持する浄水場の凝集剤注
入制御方法および制御装置を提供することにある。さら
に、他の目的はトリハロメタン先駆物質の低減に好適な
浄水場の凝集剤注入制御方法および制御装置を提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の凝集剤注入制御
方法は、原水中の濁度と有機物濃度とに基づいて凝集剤
の注入率を決定することを特徴とする。
【0006】また、本発明の凝集剤注入制御方法は、原
水の濁度に基づいて算出された凝集剤注入率を、原水の
有機物濃度に基づいて算出された凝集剤注入率によって
補正することを特徴とする。
【0007】更に、本発明の凝集剤注入制御方法は、原
水の濁度に基づいて算出された凝集剤注入率を、原水の
有機物濃度と濁度の比率に基づいて補正することを特徴
とする。
【0008】本発明の凝集剤注入制御装置は、原水の濁
度から凝集剤注入率を算出する演算式を内蔵し浄水場に
流入した原水の濁度計測値を入力して凝集剤注入率を出
力する原水濁度対応凝集剤注入率演算器を備え、該演算
器により出力された凝集剤注入率に基づいて凝集剤注入
量を決定するようにしたものにおいて、前記原水濁度対
応凝集剤注入率演算器の他に、原水の有機物濃度から凝
集剤注入率を算出する演算式を内蔵し浄水場に流入した
原水の有機物濃度計測値を入力して凝集剤注入率を出力
する有機物濃度対応凝集剤注入率演算器を備え、前記原
水濁度対応凝集剤注入率演算器により出力された凝集剤
注入率と前記有機物濃度対応凝集剤注入率演算器により
出力された凝集剤注入率とに基づいて凝集剤注入量を決
定するようにしたことを特徴とする。
【0009】また、本発明の凝集剤注入制御装置は、原
水の濁度から凝集剤注入率を算出する演算式を内蔵し浄
水場に流入した原水の濁度計測値を入力して凝集剤注入
率を出力する原水濁度対応凝集剤注入率演算器を備え、
該演算器により出力された凝集剤注入率に基づいて凝集
剤注入量を決定するようにしたものにおいて、浄水場に
流入した原水の有機物濃度と濁度の比率を求める演算器
と、前記原水濁度対応凝集剤注入率演算器に基づいて算
出された凝集剤注入率を前記有機物濃度と濁度の比率に
基づいて補正する演算器とを備えたことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明者らは凝集不良に及ぼす要
因について検討するため、ジャーテストによる回分試験
を行った。試験は、原水として河川水を用い、凝集剤は
ポリ塩化アルミニウム(Polyalminium chloride:PA
C)を用いた。一方、原水中の濁質分の外に有機物とし
てフミン酸を原水に添加した。そして、凝集剤注入率と
沈澱水濁度(上澄水濁度)の関係について調べた。
【0011】この結果、図4に示すように、濁質分のみ
の原水では、図中矢印Aで示すように、低い凝集剤注入
率でも沈澱水濁度は1mg/L以下(一般に浄水場では
沈澱水濁度の規制値を1mg/L以下に設定してい
る。)と低くなり、良好な凝集作用が遂行される。これ
に対して、濁質分と共に有機物が共存する原水では、有
機物濃度が高くなるに従い凝集剤注入率を増加させない
と沈澱水濁度が1mg/L以上と高くなる。すなわち、
図中矢印BからDで示すように沈澱水濁度を1mg/L
以下に維持して凝集作用を良好に保持するためには、濁
質分のみの凝集剤注入率(矢印A)よりも注入率を高く
設定する必要があることが究明された。これは、濁質分
によって凝集剤が消費されるほかに、有機物によっても
凝集剤が消費されることにある。このため、有機物濃度
が高くなるに従い凝集剤注入率を高く設定しないと凝集
不良が生じる。一方、図5に凝集剤注入率と有機物除去
率の関係を示すように有機物濃度の増加に対応して凝集
剤注入率を高く設定しないと、高い有機物除去率が得ら
れないことが分かった。
【0012】前記した結果を基に、さらに本発明者らは
有機物濃度に対して沈澱水濁度を目標値(例えば、1m
g/L)に維持するに必要な最小限の凝集剤注入率の関
係について調べた。この結果、図6に有機物濃度と凝集
剤注入率の関係を示すように、有機物濃度の増加に対応
して凝集剤注入率を高くすれば、凝集作用を良好に維持
して沈澱水濁度を目標値に保持できることを見い出し
た。
【0013】これらの結果から、凝集剤注入率の設定に
際しては、原水濁度と共に原水中の有機物濃度も加味し
て凝集剤注入率を設定すれば凝集不良の防止と共に高い
有機物除去率が得られることを究明した。
【0014】以上のことから、本発明の特徴とするとこ
ろは、取水した原水の濁度及び有機物濃度に対応して凝
集剤注入率を求め、この凝集剤注入率に基づいて凝集剤
を原水に注入するようにしたことにある。
【0015】本発明の凝集剤注入制御方法を実施するに
あたっては、原水中の有機物濃度を連続的にオンライン
で測定する必要がある。その測定手段としては、原水中
の紫外線吸光度を測定するのが好ましい。この測定手段
によれば、原水中の有機物の代表的物質であるフミン質
を精度良く、かつ、連続的に測定することができる。次
に、本発明による凝集剤注入制御方法を行うにあたっ
て、好ましい実施態様について検討した。この結果、原
水の濁度に対応して求められた凝集剤注入率を原水中の
有機物濃度に対応して求められる凝集剤注入補正値で補
正すれば、有機物による凝集剤消費分を加味した凝集剤
注入率が合理的に求まることがわかった。
【0016】したがって、本発明の他の特徴とするとこ
ろは、原水中の有機物濃度を測定して、この有機物濃度
に対応して求められる凝集剤注入補正値で原水濁度に対
応して設定された凝集剤注入率を補正して、補正後の凝
集剤注入率に基づいて原水に凝集剤を注入するようにし
たことにある。
【0017】さらに、凝集剤注入率に及ぼす有機物濃度
と濁度の関係について調べた。図7に有機物濃度を一定
として原水濁度を変化させた場合の凝集剤注入率と濁度
除去率の関係を示す。原水の濁度が高い場合、所定値以
上の凝集剤注入率であれば、凝集作用は良好に遂行さ
れ、濁度除去率は高くなる。しかし、原水の濁度が低い
て、濁度除去率は低下し、原水濁度の高低によって同一
の凝集剤注入率でも濁度除去率が異なり、原水濁度が低
いと良好な凝集作用が遂行されない。この影響は有機物
除去率にも表れ、図8に凝集剤注入率と有機物除去率の
関係を示すように、原水濁度の高低によって同一の凝集
剤注入率でも有機物除去率が異なり、原水濁度が低いと
有機物除去率が低下することが判明した。これは、原水
の濁度が高い場合、濁質分からのフロックが多量に生成
し、有機物からのフロックと接触機会が多くなる。そし
て、両フロックがさらに凝集して粒径の大きな沈降性の
良いフロックに成長し、沈澱水濁度が低くなるためと考
えられる。一方、原水の濁度が低くなると、濁質分から
の生成フロック量が少なくなる。この結果、有機物から
のフロックとの接触機会が少なくなり、両フロックが互
いに凝集しにくくなり、濁度除去率及び有機物除去率が
共に低下し、それぞれの除去率には有機物濃度と原水濁
度の比率が影響していることが分かった。
【0018】前記した点から、原水濁度及び有機物濃度
に対応して適正な凝集剤注入率を設定するためには、有
機物濃度と原水濁度の比率を配慮して凝集剤注入率を設
定する必要があり、原水濁度に対応して求められた凝集
剤注入率を前記比率に基づいて補正すれば、原水濁度の
高低に応じて、凝集不良の抑制と凝集剤注入率の低減が
できる。
【0019】したがって、本発明の他の特徴とするとこ
ろは、原水の有機物濃度及び原水濁度の測定結果に基づ
いて該有機物濃度と原水濁度の比率を求めて、前記原水
濁度に対応して求められた凝集剤注入率を前記比率に基
づいて補正し、補正後の凝集剤注入率に従って凝集剤を
原水に注入するようにしたことにある。
【0020】浄水場において、原水は主に河川から取水
される。原水中の有機物は主としてフミン質であり、浄
水場で殺菌及び消毒のために注入される塩素と反応して
トリハロメタンを生成する先駆物質となる。しかし、本
発明においては、濁質分と共に有機物の凝集に必要な凝
集剤をも確保して注入しているので、トリハロメタン先
駆物質となる有機物を効果的に除去することができる。
【0021】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて
説明する。図1に示す浄水場のシステムフローにおい
て、河川等から取水された原水RWは導水管(図示せ
ず)を経て沈砂池(図示せず)に至り、ここで、粒径の
大きな砂等が除去された後、着水井1に導かれる。原水
RWは、その後薬品混和池2に導かれ、ここで、硫酸ば
ん土、またはPAC等の凝集剤3が後述する注入率Dに
基づいて注入される。さらに、原水のアルカリ度が低い
場合には、凝集剤が機能しにくくなるので、このような
場合には凝集補助剤となる水酸化ナトリウム(NaO
H)等のアルカリ剤4が注入される。
【0022】凝集剤3は薬品混和池2で急速混和され、
原水RW中の濁質分及びフミン質に代表される有機物が
凝集しマイクロフロックとなる。前記マイクロフロック
を含有する凝集剤注入後の凝集水は、その後フロック形
成池5に導入され、ここで、緩速撹拌するフロッキュレ
ータ6により、フロック相互の衝突が繰り返されてフロ
ックの成長が促される。
【0023】その後、粒径が大きく成長したフロックを
含有する凝集水は、フロック形成池5の下流側に配設さ
れた沈澱池7に導入され、ここで、成長したフロックの
沈降分離が行われる。
【0024】前記のようなプロセスを経てフロックが分
離された沈澱水SWは、その後、沈澱池7の下流側に配
設された砂ろ過池8に導入される。ここで、前記の沈澱
池7で沈降分離できなかった微細なフロックは、ろ過さ
れて除去される。そして、砂ろ過池8からのろ過水FW
は、その後、配水池(図示せず)等に送られる。なお、
本発明の一実施例では図示していないが、前記砂ろ過池
8は必要に応じてろ過水FWによって逆洗され、砂ろ過
池8内の抑留物が逆洗水に同伴して除去される。
【0025】符号9は原水RWを採水するサンプリング
ポンプで、該ポンプで採取された原水RWは原水濁度T
uを測定する濁度計10,有機物濃度Ocを測定する有
機物濃度計11に送られる。
【0026】符号12は原水濁度Tuに対応した基準凝
集剤注入率D1を演算する演算器で、この演算器には濁
度計10で測定された原水濁度Tuが入力される。この
演算器12では、次式(1)に示すように、予め設定さ
れた凝集剤注入率演算式に基づいて原水濁度Tuに対応
した基準凝集剤注入率D1が求められる。
【0027】 D1=eTuNT …(1) ここで、e,NT:係数 なお、原水濁度Tuに対する基準凝集剤注入率D1は、
適正な沈澱水濁度を得るに必要な凝集剤注入率が予めジ
ャーテスト等の手段により求められる。なお、ジャーテ
ストは、有機物濃度を一定にして行う。
【0028】符号13は有機物濃度Ocに対応した凝集
剤注入補正値D2を演算する演算器で、この演算器には
有機物濃度計11で測定された原水の有機物濃度Ocが
入力される。そして、この演算器13では、予め設定さ
れた凝集剤注入率演算式に基づいて有機物濃度Ocに対
応した凝集剤注入補正値D2が求められる。本発明の一
実施例では、ジャーテストの結果に基づいて、適正な沈
澱水濁度Ts(Ts<1mg/L)が得られる必要最小
限の凝集剤注入率D2とその時の有機物濃度の関係か
ら、次式(2)に従い有機物濃度Ocに対応した凝集剤
注入補正値D2を求めている。なお、ジャーテストは、
濁度を一定にして行う。
【0029】 D2=a・Oc+b …(2) ここで、a及びb:係数 なお、本発明の一実施例では、取水原水中の有機物濃度
Ocの測定手段として、分光光度計(紫外線吸光度,波
長260nm)を用いている。この他に有機物濃度の測
定手段として、TOC(Total Organic Carbon:全有機
炭素)計を用いてもよく、TOC測定の場合、溶存性有
機炭素を測定するのが好ましい。また、他の測定手段と
して、過マンガン酸消費量を測定してもよい。
【0030】符号14は全凝集剤注入率演算器で、この
演算器には、前記した演算器12及び13で求められた
凝集剤注入率D1及び凝集剤注入補正値D2が入力され
る。そして、この演算器14では次式(3)に従い、原
水濁度Tuに対応した基準凝集剤注入率D1が有機物濃
度Ocに対応した凝集剤注入補正値D2によって補正さ
れ、補正後の凝集剤注入率は原水RWへの全凝集剤注入
率Dとして求められる。
【0031】 D=D1+D2 …(3) 符号15は凝集剤注入量を求める演算器で、この演算器
には前記の演算器14で求められた全凝集剤注入率Dが
入力される。さらに、この演算器15には流量計16で
測定された原水RWの流量Qが入力され、次式(4)に
基づいて凝集剤注入量Ciが求められる。
【0032】 Ci=D×Q …(4) 符号17は凝集剤注入装置で、この凝集剤注入装置は演
算器15で求められた凝集剤注入量Ciに従い凝集剤3
を薬品混和池2に注入する。
【0033】なお、演算器13では、前記した(2)式
に従って、図2に示すように原水RW中の有機物濃度O
cに対応した凝集剤注入補正値D2が求められる。
【0034】本発明のように、原水濁度及び有機物濃度
に対応して凝集剤注入率を求めれば、凝集不良を抑制し
て沈澱水濁度を良好に維持し、かつ、トリハロメタン先
駆物質を低減することができる。
【0035】図3は本発明の他の実施例を示す。符号2
0は演算器で、この演算器には有機物濃度計11で測定
された有機物濃度Oc及び濁度計10で測定された原水
濁度Tuが入力される。この演算器20では、入力値に
基づき次式(5)に従って有機物濃度Ocと原水濁度T
uとの比率Raが求められる。
【0036】 Ra=s・Oc/Tu …(5) ここで、s:係数 符号21は原水RWの濁度Tuに対応して求められた凝
集剤注入率D1を補正する演算器で、この演算器には、
演算器20で求められた有機物濃度Ocと濁度Tuの比
率Raが入力される。さらに、この演算器21には原水
濁度Tuに対応して求められた演算器12からの凝集剤
注入率D1が入力される。そして、この演算器21は次
式(6)に示すように、予め設定された凝集剤注入補正
式に基づいて入力された凝集剤注入率D1を補正し、補
正後の凝集剤注入率Dが出力される。
【0037】 D=D1(1+Ra) …(6) 前記の如く、原水RWの有機物濃度Ocと濁度Tuとの
比率Raに基づいて補正された凝集剤注入率Dは、次に
凝集剤注入量を求める演算器15に入力される。ここ
で、別途入力される原水流量Qと凝集剤注入率Dが乗じ
られて凝集剤注入量Ciが求められる。そして、この注
入量Qに対応する凝集剤3が凝集剤注入装置17を介し
て原水RWに注入される。
【0038】なお、本発明のこの一実施例では、原水濁
度Tuに対応して求められた凝集剤注入率D1の補正に
際し、前記(6)式で示すように補正しているが、次の
ようにして補正してもよい。すなわち、原水RWの有機
物濃度と濁度Tuとの比率Raから、この比率Raに対
応する補正凝集剤注入率Drを次式(7)に基づいて求
め、この補正凝集剤注入率Drを原水濁度Tuに対応し
た凝集剤注入率D1に加算する。
【0039】 Dr=1/Ra …(7) 原水RW中の有機物濃度Ocと濁度Tuの比率Raを求
めて、この比率Raに基づいて原水濁度Tuに対応する
凝集剤注入率D1を補正する場合、原水濁度Tuが高く
なるに従って有機物濃度Ocに対応して注入される凝集
剤が少なくなり、一方、原水濁度Tuが低くなるに従っ
て有機物濃度Ocに対応した凝集剤が多くなる。既に説
明したように、有機物の共存下では、原水濁度の高低が
凝集作用に影響を及ぼす。このため、前記の如く凝集剤
が注入されることによって、原水濁度Tuが低い状態で
有機物濃度が高くなっても凝集不良が抑制される。一
方、原水濁度Tuが高い状態では凝集剤の注入を低減す
ることができる。
【0040】したがって、本発明のこの実施例によれ
ば、凝集不良の抑制ができて、適正な凝集剤の注入が可
能となる。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、原水中の有機物濃度が
変化しても凝集不良を抑制して沈澱水濁度を良好に維持
する浄水場の凝集剤注入制御方法を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す浄水場の凝集剤注入制
御方法のシステム図。
【図2】図1に示す有機物濃度と凝集剤注入率の関係を
示す演算器の詳細図。
【図3】本発明の他の実施例を示す浄水場の凝集剤注入
制御方法のシステムブロック図。
【図4】本発明における凝集沈澱効果に及ぼす有機物濃
度の影響を示す特性図。
【図5】本発明における凝集剤注入率と有機物除去率の
関係を示す特性図。
【図6】本発明における有機物濃度と凝集剤注入率の関
係を示す特性図。
【図7】本発明における原水濁度変化時における有機物
濃度と凝集剤注入率の関係を示す特性図。
【図8】本発明における原水濁度変化時における凝集剤
注入率と有機物除去率の関係を示す特性図。
【符号の説明】 1…着水井、2…薬品混和池、3…凝集剤、5…フロッ
ク形成池、7…沈澱池、8…砂ろ過池、9…サンプリン
グポンプ、10…濁度計、11…有機物濃度計、12,
13,20,21…演算器、14…全凝集剤注入率演算
器、15…凝集剤注入量演算器、16…流量計、17…
凝集剤注入装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原 直樹 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株 式会社日立製作所大みか工場内 (72)発明者 山越 信義 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株 式会社日立製作所大みか工場内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】浄水場における凝集剤の注入制御方法にお
    いて、前記凝集剤の注入率を原水中の濁度と有機物濃度
    とに基づいて決定することを特徴とする浄水場の凝集剤
    注入制御方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の方法において、前記原水
    の濁度に基づいて算出された凝集剤注入率を、原水の有
    機物濃度に基づいて算出された凝集剤注入率によって補
    正することを特徴とする浄水場の凝集剤注入制御方法。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の方法において、前記原水
    の濁度に基づいて算出された凝集剤注入率を、原水の有
    機物濃度と濁度の比率に基づいて補正することを特徴と
    する浄水場の凝集剤注入制御方法。
  4. 【請求項4】原水の濁度から凝集剤注入率を算出する演
    算式を内蔵し浄水場に流入した原水の濁度計測値を入力
    して凝集剤注入率を出力する原水濁度対応凝集剤注入率
    演算器を備え、該演算器により出力された凝集剤注入率
    に基づいて凝集剤注入量を決定するようにした浄水場の
    凝集剤注入制御装置において、前記原水濁度対応凝集剤
    注入率演算器の他に、原水の有機物濃度から凝集剤注入
    率を算出する演算式を内蔵し浄水場に流入した原水の有
    機物濃度計測値を入力して凝集剤注入率を出力する有機
    物濃度対応凝集剤注入率演算器を備え、前記原水濁度対
    応凝集剤注入率演算器により出力された凝集剤注入率と
    前記有機物濃度対応凝集剤注入率演算器により出力され
    た凝集剤注入率とに基づいて凝集剤注入量を決定するよ
    うにしたことを特徴とする浄水場の凝集剤注入制御装
    置。
  5. 【請求項5】原水の濁度から凝集剤注入率を算出する演
    算式を内蔵し浄水場に流入した原水の濁度計測値を入力
    して凝集剤注入率を出力する原水濁度対応凝集剤注入率
    演算器を備え、該演算器により出力された凝集剤注入率
    に基づいて凝集剤注入量を決定するようにした浄水場の
    凝集剤注入制御装置において、浄水場に流入した原水の
    有機物濃度と濁度の比率を求める演算器と、前記原水濁
    度対応凝集剤注入率演算器に基づいて算出された凝集剤
    注入率を前記有機物濃度と濁度の比率に基づいて補正す
    る演算器とを備えたことを特徴とする浄水場の凝集剤注
    入制御装置。
JP28366696A 1996-10-25 1996-10-25 浄水場の凝集剤注入制御方法及び装置 Pending JPH10118411A (ja)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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