JPH1085761A - フッ素含有排水処理装置及び方法 - Google Patents

フッ素含有排水処理装置及び方法

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JPH1085761A
JPH1085761A JP24319796A JP24319796A JPH1085761A JP H1085761 A JPH1085761 A JP H1085761A JP 24319796 A JP24319796 A JP 24319796A JP 24319796 A JP24319796 A JP 24319796A JP H1085761 A JPH1085761 A JP H1085761A
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calcium
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Satoshi Yo
敏 楊
Toru Okochi
徹 大河内
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Organo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フッ化カルシウムの晶析反応におけるカルシ
ウムイオン添加量を最適に制御する。 【解決手段】 フッ素含有排水を晶析反応槽10に導入
し、カルシウムイオンと反応させる。カルシウムイオン
は、カルシウム添加ポンプ20から供給する。晶析反応
槽10から排出される処理水のカルシウムイオン濃度を
カルシウムイオンモニタ16で測定し、制御装置18が
処理水中のカルシウムイオン濃度が所定値になるように
カルシウム添加ポンプ20の駆動を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フッ素含有排水に
カルシウムイオンを添加し、フッ化カルシウムとしてフ
ッ素を除去するフッ素含有排水処理装置及び方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】各種の工場排水において、フッ素(フッ
素イオン)が含有されている場合がある。例えば、半導
体集積回路の製造工程においては、エッチング剤として
フッ酸を利用することが多く、これらの製造工場からの
排水には、フッ素が含まれる。
【0003】水質汚濁防止法におけるフッ素の放流基準
は、15mg/Lであり、また多くの自治体では、1〜
8mg/Lというさらにきびしい上乗せ基準が設定され
ている。
【0004】そこで、これらフッ素含有排水からフッ素
を除去することが必要となる。このフッ素の除去には、
従来からカルシウムイオンにより、フッ素をフッ化カル
シウムとして晶析する方法が利用されている。この処理
方法では、まず、フッ素含有排水にカルシウムイオンを
塩化カルシウム、消石灰などの形で添加し、排水中のフ
ッ素をフッ化カルシウムとして晶析させる。次いで、フ
ッ化カルシウムを含む処理液にアルミニウム塩等の無機
凝集剤を添加し、フロックを形成した後、沈殿分離など
の固液分離処理をして、フッ化カルシウムを含む汚泥を
分離除去する。
【0005】そして、このような処理におけるカルシウ
ムイオンの添加量を排水中のフッ素濃度に対し十分なも
のにし、かつ無機凝集剤の添加量を残留するフッ素濃度
に対し十分なものにすることによって、処理水中のフッ
素濃度を十分低減することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ここで、カルシウムイ
オンや無機凝集剤の添加量が増えれば、それだけ薬剤の
消費量が増え、また発生汚泥量も増える。従って、カル
シウムイオンや無機凝集剤の添加量を適切なものに制御
したいという要望がある。
【0007】特に、カルシウムイオンの添加量が常に適
切なものに制御できれば、この処理により得られる処理
水中のフッ素濃度は、所定の範囲内のものになる。この
ため、その後の処理である無機凝集剤の添加量は、容易
に調整することができる。そこで、特にカルシウムイオ
ンの添加量を最適のものにしたいという要求がある。
【0008】また、フッ化カルシウムを生成するための
カルシウムイオンの必要量は、一般的には原水(フッ素
含有排水)中のフッ素濃度によって決まる。そこで、原
水のフッ素濃度を測定し、カルシウムイオンの添加量を
制御することも行われていた。しかし、フッ化カルシウ
ムの晶析反応は種々の因子によって影響されるため、正
確な制御が行えないという問題点があった。特に、原水
中にリン酸が存在すると、カルシウムがこのリン酸によ
って消費されてしまうため、十分な処理が行えなくなる
という問題があった。
【0009】また、カルシウムイオンを消石灰で添加す
る場合には、pHによって、その添加量制御が可能と考
えられる。そこで、原水のpHを予め2〜2.5以下に
調整し、その後pHが11〜12以上になるまで消石灰
を添加することで、消石灰の添加量を調整する方法も提
案されている。しかし、この方法は、原水の組成に左右
され、またカルシウムイオンも消石灰に限定されてしま
い、またpHが11以上になるため、中性付近で好適に
行われる晶析反応が最適条件で行うことができなくなる
という問題点があった。
【0010】本発明は、上記課題に鑑みなされたもので
あり、フッ化カルシウムの晶析反応におけるカルシウム
イオン添加量を最適に制御できるフッ素含有排水処理装
置及び方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、フッ素含有排
水にカルシウムイオンを添加し、フッ化カルシウムとし
てフッ素を除去するフッ素含有排水処理装置であって、
フッ素含有排水にカルシウムイオンを添加混合し、フッ
化カルシウムを晶析させる晶析反応槽と、この晶析反応
槽における晶析反応が終了した処理水のカルシウムイオ
ン濃度を測定するカルシウムイオン濃度測定装置と、こ
のカルシウムイオン濃度測定装置の測定結果に応じて、
上記晶析反応槽に添加するカルシウムイオンの添加量を
制御する添加量制御装置と、を有することを特徴とす
る。
【0012】このように、晶析反応が終了した処理水中
に含まれるカルシウムイオン濃度が一定の濃度範囲内に
なるように、フィードバック方式でカルシウム添加量を
制御することにより、フッ化カルシウムの晶析反応が、
常に一定の条件で行え、安定なフッ化カルシウムの晶析
反応、フッ素除去が達成される。
【0013】すなわち、原水フッ素濃度に拘わらず、処
理水中のカルシウム濃度を一定値に維持することで、処
理水中のフッ素濃度を所望の値に維持できる。例えば、
処理水中に約200mg/Lのカルシウムイオンが残留
するように、晶析反応を行えば、残留フッ素濃度は15
ppm程度になる。そこで、その後のアルミ凝集沈殿な
どでは、一定の凝集剤の添加量(例えば、PAC200
ppm程度)で、容易にフッ素濃度を10mg/L以下
にできる。
【0014】ここで、原理的には、処理水中に残存する
カルシウムイオン濃度が高いほど処理水中のフッ素濃度
が低くなる。しかし、余り高くすると、それだけ薬剤の
消費量が増え、処理費用がかさむことになる。また、カ
ルシウムイオン濃度が高いと、後段工程においてスケー
ルが発生しやすくなる等の問題も発生する。
【0015】従って、原水水質や、目標水質にもよる
が、処理水中に残存するカルシウムイオン濃度が200
〜1000mg/L程度になるようにカルシウムイオン
の添加量を制御することが望ましい。
【0016】また、本発明は、上記晶析反応槽が、フッ
素含有排水の一部に対し、カルシウムイオンを添加混合
し、カルシウムイオンが多量に存在する状態で、フッ化
カルシウムの種晶を形成する種晶形成槽と、この種晶形
成槽で得られた種晶を含んだ反応液とフッ素含有排水の
残部とを混合する混合槽と、を有することを特徴とす
る。
【0017】このように、原水を分注し、種晶を予め作
ることで、フッ化カルシウムの晶析反応をより効果的に
できる。そこで、この方法によれば、処理水中に残存さ
せるカルシウムイオン濃度は、種晶形成槽を有しない上
述の場合より低くてよく、例えば200mg/L〜80
0mg/L程度で十分である。
【0018】また、本発明は、晶析反応槽から排出され
る処理水に無機凝集剤を添加し、固形分を凝集させる凝
集反応槽と、この凝集反応槽への流入水またはここから
の排出水中のフッ素濃度を測定するフッ素濃度計と、を
さらに有し、無機凝集剤の添加量をフッ素濃度計の測定
値に応じて制御することを特徴とする。
【0019】すなわち、フッ化カルシウムの晶析反応だ
けでは、処理水中のフッ素濃度を十分低くできない場合
がある。そこで、無機凝集剤(例えば、アルミ系や鉄系
の無機凝集剤)による凝集処理を行い、フッ素を吸着・
共沈させる。これによって、目標水質まで、フッ素濃度
を確実に低減できる。
【0020】特に、シリカなどが存在する場合、フッ化
カルシウムの晶析反応が阻害されるので、晶析反応後に
無機凝集剤を添加することが必要になる。この場合、凝
集反応槽への流入水またはここからの排出水中のフッ素
濃度を測定し、これに応じて無機凝集剤の添加量を制御
することで、より確実なフッ素除去が達成される。
【0021】なお、無機凝集剤による凝集処理におい
て、有機高分子凝集剤をさらに添加し、凝集反応をさら
に促進することも好適である。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明に好適な実施の形態
(以下、実施形態という)について、図面に基づいて説
明する。
【0023】「第1実施形態」図1は、第1実施形態の
装置の全体構成を示すブロックである。まず、原水(フ
ッ素含有排水)は、晶析反応槽10に導入される。この
晶析反応槽10には、塩化カルシウムまたは消石灰等の
カルシウム化合物が供給され、これが原水と混合され
る。これによって、カルシウムイオンとフッ素イオンが
反応しフッ化カルシウムが晶析される。なお、この時の
pHは、5〜8程度に調整されることが好ましい。
【0024】このようにして得られたフッ化カルシウム
の固形物を含む晶析反応槽10の処理水は、無機凝集反
応槽12に供給される。この無機凝集反応槽12には、
例えばポリ塩化アルミニウム(PAC)、硫酸アルミニ
ウム等のアルミ系凝集剤が供給され、この混合によって
フッ化カルシウムを大きな水酸化アルミニウムフロック
内に取り込む。また、残留するフッ素イオンの共沈によ
る除去も行う。
【0025】このようにして、アルミフロックを含む処
理水は、沈殿槽14に導入され、固形物が沈殿分離され
る。そして、上澄みが処理水として放流される。一方、
沈殿汚泥は、その一部が系外に引き出され、処分され
る。
【0026】そして、本実施形態では、晶析反応槽10
から排出される晶析反応後の処理水におけるカルシウム
イオン濃度を測定するカルシウムイオンモニタ16を有
しており、晶析反応槽10の処理水中のカルシウムイオ
ン濃度を測定する。なお、カルシウムイオンモニタ16
は、カルシウムイオン濃度を測定できれば、どのような
構成の装置でもよく、例えばEDTA滴定式の測定装置
(例えば硬度計)やカルシウムイオンメータ等でもよ
い。
【0027】カルシウムイオンモニタ16の検出結果
は、制御装置18に供給される。そして、制御装置18
は、カルシウム添加ポンプ20の駆動を制御する。この
カルシウム添加ポンプ20は、カルシウムイオンを晶析
反応槽10に添加するものであり、このカルシウム添加
ポンプ20を制御することによって、晶析反応槽10に
対するカルシウムイオンの添加量を制御できる。
【0028】本実施形態においては、制御装置18は、
カルシウムイオンモニタ16において測定した処理水中
のカルシウムイオン濃度が200mg/L〜1000m
g/Lになるようにカルシウム添加ポンプ20によるカ
ルシウムイオンの添加量を制御する。このように、晶析
反応槽10から排出される処理水中のカルシウムイオン
濃度を制御することによって、原水フッ素イオン濃度が
変化しても処理水中のフッ素濃度を確実に所定値にまで
低減できる。
【0029】なお、本実施形態では晶析反応槽10の直
後で処理水中のカルシウムイオン濃度を測定する例につ
いて説明したが、カルシウムイオン濃度の測定位置はこ
れに限定されるものではなく、例えば無機凝集反応槽1
2から排出される処理水、あるいは沈殿槽14から排出
される上澄み処理水のカルシウムイオン濃度を測定して
制御するようにしてもよい。
【0030】「第2実施形態」図2は、第2実施形態の
構成を示すブロック図である。この例では、晶析反応槽
10の一部として種晶形成槽22を有している。そし
て、この種晶形成槽22に、原水の一部を導入すると共
に、カルシウム添加ポンプ20から供給するカルシウム
化合物の全量をこの種晶形成槽22に供給する。また、
晶析反応槽10には、大部分の原水と、種晶形成槽22
において、カルシウム化合物が添加された原水が供給さ
れる。なお、種晶形成槽22を設けることについては、
特開平6−312190号公報に記載されている。
【0031】このように構成することで、種晶形成槽2
2では、カルシウムイオン濃度が非常に高くなる。そこ
で、ここにおいて、フッ化カルシウムの晶析が促進され
種晶が形成される。このため、晶析反応槽10におい
て、種晶の存在下でフッ化カルシウムの晶析が起こり、
非常に効果的なフッ素除去が行える。
【0032】このように種晶形成槽22を設けること
で、フッ化カルシウムの晶析反応を促進でき、カルシウ
ムイオンモニタ16によって、測定するカルシウムイオ
ン濃度を前記第1実施形態の場合より低い値、例えば2
00〜800mg/Lに制御することで処理水中のフッ
素濃度を確実に所定値以下にすることができる。
【0033】「第3実施形態」図3は、第3実施形態の
構成を示すブロック図である。この例では、第2実施形
態の装置に加え、沈殿槽14から排出される処理水のフ
ッ素濃度を測定するフッ素濃度測定装置24が設けられ
ている。ここで、フッ素濃度測定装置24としては、イ
オンメータ方式のものが採用可能である。そして、この
フッ素濃度測定装置24の測定結果が制御装置26に供
給され、測定結果に応じて制御装置26が無機凝集剤添
加ポンプ28を制御する。すなわち、処理水フッ素濃度
が所定値(目標値)以下になるように、無機凝集剤、こ
の例ではPACの添加量を制御する。すなわち、PAC
の添加量を処理水中のフッ素濃度が目標値になるように
フィードバック制御する。
【0034】なお、フッ素の吸着・共沈の機能以外に無
機凝集剤は、フッ化カルシウム粒子を凝集し、大きなフ
ロックを形成して沈降分離をする役割も果たさなければ
ならない。このため、無機凝集剤は、PACの添加量と
して、通常最低でも100〜300ppm程度は必要で
ある。
【0035】特に、原水中にシリカ等が含まれると、フ
ッ化カルシウムの晶析反応が阻害され、フッ化カルシウ
ムによる晶析反応が十分行えなくなる場合がある。本実
施形態によれば、フッ素濃度に応じて、無機凝集剤の添
加量を制御するため、無機凝集反応槽におけるフッ素除
去が確実に行え、目標水質の処理水を確実に得ることが
できる。
【0036】なお、沈殿槽14から排出される処理水の
フッ素濃度を測定する代わりに、無機凝集反応槽12か
ら排出される処理水のフッ素濃度を測定してフィードバ
ック制御するようにしてもよい。
【0037】「その他の形態」上記第3実施形態では、
沈殿槽14から排出される処理水のフッ素濃度を測定
し、この測定結果に応じて無機凝集反応槽12への無機
凝集剤の添加量を制御した。しかし、無機凝集反応槽1
2に供給される処理液のフッ素濃度を検出し、検出した
フッ素濃度に応じて無機凝集反応槽12に対する無機凝
集剤(PAC)の添加量を制御してもよい。
【0038】この際には、PACの添加量は、 添加量(ppm)=(F−FE)×(5〜50) により、決定する。
【0039】ここで、無機凝集剤の添加量は、PACの
液体(10%asAl23)を計算のベースとしてお
り、上式においてFは測定した処理水のフッ素濃度、F
Eは目標とする処理水フッ素濃度である。なお、鉄系凝
集剤を使用した場合も、ほぼ同様にして添加量を決定す
ることができる。
【0040】
【実施例】
「実施例1」フッ素濃度200mg/L、リン酸濃度5
00mg/Lの模擬排水(原水)500mLを複数のビ
ーカにとり、これに残留カルシウムイオン濃度が100
〜1100mg/Lになるように塩化カルシウムを添加
し、30分間撹拌後、JIS(日本工業規格)No.5
C濾紙でろ過し、濾液をフッ素の分析に供した。この結
果を図4に示す。
【0041】図4から、処理水中の残留カルシウムイオ
ン濃度と処理水フッ素濃度との間には明らかな相関関係
があり、処理水中の残留カルシウムイオン濃度が所定値
となるようにカルシウム化合物の添加量を制御すること
により、処理水フッ素濃度を確実に目標値以下とするこ
とができることが分かる。
【0042】また、図から明らかなように、本例の場合
は残留カルシウムイオン濃度を400mg/L以上にす
れば、処理水F(フッ素)濃度を10mg/L以下にす
ることができることが理解される。さらに、原水のフッ
素濃度を変化させた場合にも同様の結果を得られた。ま
た、処理水フッ素濃度を15ppm以下とする場合に
は、残留カルシウムイオン濃度を200mg/L以下に
すればよいことが分かる。
【0043】「実施例2」フッ素濃度200mg/L、
リン酸濃度0〜500mg/Lの模擬排水(原水)50
0mLを複数のビーカにとり、これに残留カルシウムイ
オン濃度が400mg/L(リン酸濃度0mg/Lのと
き)になるように塩化カルシウムを添加し、30分間撹
拌後、JIS(日本工業規格)No.5C濾紙でろ過
し、濾液をフッ素の分析に供した。この結果を図5に示
す。
【0044】図から明らかなように、リン酸濃度が高く
なるに従って、残留カルシウム濃度が減少し、これに応
じて、処理水フッ素濃度が上昇することが分かる。リン
酸濃度が0の場合、処理水フッ素濃度は、6mg/Lで
あるが、リン酸濃度が500mg/Lでは処理水中の残
留カルシウムイオン濃度100mg/L、フッ素濃度2
0mg/Lであった。
【0045】これより、リン酸が原水中に存在する場
合、原水のフッ素濃度に基づいて、カルシウムイオンの
添加量を調整したのでは、カルシウムイオンが不足し、
効果的なフッ素除去が行えないが、残留カルシウムイオ
ン濃度によりカルシウムイオンの添加量を制御すること
で、確実なフッ素除去が行えることが分かる。
【0046】「実施例3」イオン状シリカ濃度20mg
/L、フッ素濃度100mg/Lを含むフッ素含有排水
500mLに残留カルシウム濃度がほぼ400,60
0,1200,1600mg/Lとなるように塩化カル
シウムを添加し、30分撹拌後濾紙でろ過し、濾液のカ
ルシウムイオン濃度とフッ素濃度と分析した。その結果
を表1に示す。
【0047】
【表1】 表1からわかるように、イオン状シリカが共存する場合
は、残留カルシウムイオン濃度が約600mg/Lまで
は、フッ素の除去率が上昇するが、その後はカルシウム
イオン濃度を上げても、フッ素の除去率は余り上昇しな
い。
【0048】そこで、同一の原水に対し、残留カルシウ
ム濃度が約600mg/Lとなるように塩化カルシウム
を添加し、30分間撹拌後、10%Al23としての濃
度が100ppm,200ppm,400ppm,60
0ppmとなるようにそれぞれの反応液にPACを添加
し、濾液をフッ素濃度とカルシウム濃度の分析に供し
た。この結果についても、表1に示す。
【0049】このように、残留カルシウムイオンが約6
00mg/Lとなるように塩化カルシウムを添加し、晶
析反応を行わせた後、PACを添加し凝集処理を行うこ
とによって、フッ素イオン濃度を大幅に低減できること
が理解される。
【0050】「効果」以上のように、晶析反応槽10の
処理水における残留カルシウムイオン濃度を所定値に維
持することによって、処理水フッ素濃度を所定値以下に
保持することが容易になり、所期の目的とする処理を行
うことができる。すなわち、晶析反応槽10からの処理
水のカルシウム濃度を所定値に保持することによって、
晶析反応におけるカルシウム化合物の添加量を最適に制
御しつつ処理水中のフッ素濃度を所定値に保持すること
ができる。更に、晶析反応槽の処理水に無機凝集剤を添
加してフッ素濃度の更なる低減化を図る場合には、無機
凝集反応槽における凝集剤の添加量を、残留フッ素の除
去に適切なものに容易に調整でき、好適なフッ素除去を
達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態の構成を示すブロック図であ
る。
【図2】 第2実施形態の構成を示すブロック図であ
る。
【図3】 第3実施形態の構成を示すブロック図であ
る。
【図4】 残留カルシウム濃度と処理水フッ素濃度の関
係を示す図である。
【図5】 リン酸濃度による残留カルシウム濃度と処理
水フッ素濃度の変化を示す図である。
【符号の説明】
10 晶析反応槽、12 無機凝集反応槽、14 沈殿
槽、16カルシウムイオンモニタ、18 制御装置、2
0 カルシウム添加ポンプ、22 種晶形成槽、24
フッ素濃度測定装置、26 制御装置、28 無機凝集
剤添加ポンプ。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フッ素含有排水にカルシウムイオンを添
    加し、フッ化カルシウムとしてフッ素を除去するフッ素
    含有排水処理装置であって、 フッ素含有排水にカルシウムイオンを添加混合し、フッ
    化カルシウムを晶析させる晶析反応槽と、 この晶析反応槽における晶析反応が終了した処理水のカ
    ルシウムイオン濃度を測定するカルシウムイオン濃度測
    定装置と、 このカルシウムイオン濃度測定装置の測定結果に応じ
    て、上記晶析反応槽に添加するカルシウムイオンの添加
    量を制御する添加量制御装置と、 を有することを特徴とするフッ素含有排水処理装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の装置において、 上記晶析反応槽は、 フッ素含有排水の一部に対し、カルシウムイオンを添加
    混合し、カルシウムイオンが多量に存在する状態で、フ
    ッ化カルシウムの種晶を形成する種晶形成槽と、 この種晶形成槽で得られた種晶を含んだ反応液とフッ素
    含有排水の残部とを混合する混合槽と、 を有することを特徴とするフッ素含有排水処理装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の装置におい
    て、 上記晶析反応槽から排出される処理水に無機凝集剤を添
    加し、固形分を凝集させる凝集反応槽と、 この凝集反応槽への流入水またはここからの排出水中の
    フッ素濃度を測定するフッ素濃度計と、 をさらに有し、 無機凝集剤の添加量をフッ素濃度計の測定値に応じて制
    御することを特徴とするフッ素含有排水処理装置。
  4. 【請求項4】 フッ素含有排水にカルシウムイオンを添
    加して、フッ化カルシウムを晶析させ、フッ素をフッ化
    カルシウムとして除去するフッ素含有排水処理方法であ
    って、 上記フッ化カルシウムを晶析させるために添加するカル
    シウムイオンの添加量をフッ化カルシウム晶析後の処理
    水中におけるカルシウムイオン濃度に応じて制御するこ
    とを特徴とするフッ素含有排水処理方法。
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Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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