JPH091154A - リン酸含有廃水の処理方法 - Google Patents
リン酸含有廃水の処理方法Info
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- JPH091154A JPH091154A JP17430295A JP17430295A JPH091154A JP H091154 A JPH091154 A JP H091154A JP 17430295 A JP17430295 A JP 17430295A JP 17430295 A JP17430295 A JP 17430295A JP H091154 A JPH091154 A JP H091154A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】リン酸を難溶性のカルシウム塩として固液分離
するリン酸含有廃水の処理方法において、生成汚泥の一
部を返送してカルシウム化合物と混合したのち原水と混
合し、被処理水中のカルシウム濃度を測定して、カルシ
ウム濃度が所定値となるようにカルシウム化合物の添加
量を制御し、リン酸をカルシウム塩として沈殿せしめる
ことを特徴とするリン酸塩含有廃水の処理方法。 【効果】本発明方法によれば、被処理水中のカルシウム
濃度によりカルシウム化合物の添加量を制御するので使
用するカルシウム化合物の量が少なく、生成する汚泥の
濃度が高く汚泥発生量が減少し、汚泥の脱水速度が速く
脱水性が良好である。また、pH7〜9でリン酸の処理が
可能となるので必要なアルカリ及び酸の量が減少し、処
理設備への炭酸カルシウムのスケールの付着が少なく、
最終処理水は中和することなく排出することができる。
するリン酸含有廃水の処理方法において、生成汚泥の一
部を返送してカルシウム化合物と混合したのち原水と混
合し、被処理水中のカルシウム濃度を測定して、カルシ
ウム濃度が所定値となるようにカルシウム化合物の添加
量を制御し、リン酸をカルシウム塩として沈殿せしめる
ことを特徴とするリン酸塩含有廃水の処理方法。 【効果】本発明方法によれば、被処理水中のカルシウム
濃度によりカルシウム化合物の添加量を制御するので使
用するカルシウム化合物の量が少なく、生成する汚泥の
濃度が高く汚泥発生量が減少し、汚泥の脱水速度が速く
脱水性が良好である。また、pH7〜9でリン酸の処理が
可能となるので必要なアルカリ及び酸の量が減少し、処
理設備への炭酸カルシウムのスケールの付着が少なく、
最終処理水は中和することなく排出することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リン酸含有廃水の処理
方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、リン酸を難
溶性のカルシウム塩として固液分離するリン酸含有廃水
の処理方法において、中性に近いpHでの処理が可能であ
り、カルシウム化合物の使用量が少なく、汚泥濃度が高
く汚泥発生量が減少し、汚泥の脱水性が良好で脱水ケー
キの発生量を低減することができるリン酸含有廃水の処
理方法に関する。
方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、リン酸を難
溶性のカルシウム塩として固液分離するリン酸含有廃水
の処理方法において、中性に近いpHでの処理が可能であ
り、カルシウム化合物の使用量が少なく、汚泥濃度が高
く汚泥発生量が減少し、汚泥の脱水性が良好で脱水ケー
キの発生量を低減することができるリン酸含有廃水の処
理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】リン酸含有廃水は、一般に生物学的方法
あるいは難溶性の塩を形成する方法によって処理され
る。難溶性の塩としては、鉄塩、アルミニウム塩及びカ
ルシウム塩が一般的であるが、これらの塩の形成により
得られる沈殿汚泥はいずれもゲル状であり、濃縮しにく
く汚泥濃度が薄く、その結果、汚泥の脱水性が悪いとい
う問題がある。リン酸含有廃水より、難溶性のリン酸第
二鉄又はリン酸アルミニウムを形成させる反応は、pH6
〜7の中性ないし弱酸性で行うことができる。しかし、
鉄化合物及びアルミニウム化合物はカルシウム化合物に
比べて高価なため、カルシウム塩の形成による処理が広
く行われている。リン酸含有廃水に塩化カルシウムや消
石灰のようなカルシウム化合物を添加すると、リン酸と
カルシウムは塩を形成してCa5(PO4)3OHの形で沈
殿する。 5Ca2++3PO4 3-+OH-→Ca5(PO4)3OH この反応において、溶解度積Kspは次式で表される。 Ksp=[Ca2+]5[PO4 3-]3[OH]=一定 したがって、処理水中のリン酸の濃度は、次式により求
めることができる。
あるいは難溶性の塩を形成する方法によって処理され
る。難溶性の塩としては、鉄塩、アルミニウム塩及びカ
ルシウム塩が一般的であるが、これらの塩の形成により
得られる沈殿汚泥はいずれもゲル状であり、濃縮しにく
く汚泥濃度が薄く、その結果、汚泥の脱水性が悪いとい
う問題がある。リン酸含有廃水より、難溶性のリン酸第
二鉄又はリン酸アルミニウムを形成させる反応は、pH6
〜7の中性ないし弱酸性で行うことができる。しかし、
鉄化合物及びアルミニウム化合物はカルシウム化合物に
比べて高価なため、カルシウム塩の形成による処理が広
く行われている。リン酸含有廃水に塩化カルシウムや消
石灰のようなカルシウム化合物を添加すると、リン酸と
カルシウムは塩を形成してCa5(PO4)3OHの形で沈
殿する。 5Ca2++3PO4 3-+OH-→Ca5(PO4)3OH この反応において、溶解度積Kspは次式で表される。 Ksp=[Ca2+]5[PO4 3-]3[OH]=一定 したがって、処理水中のリン酸の濃度は、次式により求
めることができる。
【数1】 すなわち、処理水中のリン酸の濃度は、処理水に溶存す
るカルシウムイオン濃度と処理水のpHを選定することに
より、理論的には任意に制御できることになる。しか
し、実際にはこの式に基づいてカルシウム化合物の添加
量とpHを調整しながらリン酸含有廃水の処理を行うこと
はなく、リン酸濃度の変動に対してCa5(PO4)3OH
の分子式から予測される必要なカルシウム化合物の量を
リン酸の最大変動値に合わせて添加し、カルシウム化合
物とリン酸を効果的に反応させるためにpH10以上で処
理する方法が一般的であった。このような方法による
と、カルシウム化合物とアルカリ剤の使用量が多くなる
ばかりでなく、処理水を再中和しなければならないとい
う問題もある。リン酸含有廃水にカルシウム化合物とし
て塩化カルシウムを添加する場合は、通常水酸化ナトリ
ウムを添加することによってpHの調整が行われる。カル
シウム化合物として消石灰を添加する場合は、系のpHを
測定することによってその添加量を制御する。しかし、
原水が中性ないしアルカリ性であると、下記の反応によ
り生成する水酸化ナトリウムにより、反応当量の消石灰
が添加される前に制御値であるpH10〜12になり、リ
ン酸の処理が不十分になる場合がある。 3NaH2PO4+5Ca(OH)2→Ca5(PO4)3OH+6H2O+3NaOH 3Na2HPO4+5Ca(OH)2→Ca5(PO4)3OH+3H2O+6NaOH 3Na3PO4+5Ca(OH)2→Ca5(PO4)3OH+9NaOH このような場合は原水に硫酸のような酸を添加し、例え
ば、リン酸一水素ナトリウムの形で含まれる場合は下式
の反応によりリン酸の形にして処理することが望まし
い。 Na2HPO4+H2SO4→H3PO4+Na2SO4 3H3PO4+5Ca(OH)2→Ca5(PO4)3OH+9H2O この場合も、リン酸カルシウムを効果的に沈殿させるた
めには、pH10〜12にする必要がある。このため、よ
り低い、中性に近いpHで処理することができ、しかも濃
度が高く、脱水性の良好な汚泥を得ることができるリン
酸含有廃水の処理方法が求められていた。本発明者は、
先に、リン酸を難溶性のカルシウム塩として固液分離す
るリン酸含有廃水の処理方法において、生成汚泥の一部
を返送してカルシウム化合物と混合したのち原水と混合
し、pH7.5〜11においてリン酸をカルシウム塩とし
て沈殿せしめることにより、必要なカルシウム化合物、
アルカリ及び酸の量と汚泥の発生量を減少し、脱水性の
良好な汚泥を得る方法を発明したが、さらに必要な薬剤
量を低減し、安定した最終処理水の水質を実現する方法
の開発が望まれている。
るカルシウムイオン濃度と処理水のpHを選定することに
より、理論的には任意に制御できることになる。しか
し、実際にはこの式に基づいてカルシウム化合物の添加
量とpHを調整しながらリン酸含有廃水の処理を行うこと
はなく、リン酸濃度の変動に対してCa5(PO4)3OH
の分子式から予測される必要なカルシウム化合物の量を
リン酸の最大変動値に合わせて添加し、カルシウム化合
物とリン酸を効果的に反応させるためにpH10以上で処
理する方法が一般的であった。このような方法による
と、カルシウム化合物とアルカリ剤の使用量が多くなる
ばかりでなく、処理水を再中和しなければならないとい
う問題もある。リン酸含有廃水にカルシウム化合物とし
て塩化カルシウムを添加する場合は、通常水酸化ナトリ
ウムを添加することによってpHの調整が行われる。カル
シウム化合物として消石灰を添加する場合は、系のpHを
測定することによってその添加量を制御する。しかし、
原水が中性ないしアルカリ性であると、下記の反応によ
り生成する水酸化ナトリウムにより、反応当量の消石灰
が添加される前に制御値であるpH10〜12になり、リ
ン酸の処理が不十分になる場合がある。 3NaH2PO4+5Ca(OH)2→Ca5(PO4)3OH+6H2O+3NaOH 3Na2HPO4+5Ca(OH)2→Ca5(PO4)3OH+3H2O+6NaOH 3Na3PO4+5Ca(OH)2→Ca5(PO4)3OH+9NaOH このような場合は原水に硫酸のような酸を添加し、例え
ば、リン酸一水素ナトリウムの形で含まれる場合は下式
の反応によりリン酸の形にして処理することが望まし
い。 Na2HPO4+H2SO4→H3PO4+Na2SO4 3H3PO4+5Ca(OH)2→Ca5(PO4)3OH+9H2O この場合も、リン酸カルシウムを効果的に沈殿させるた
めには、pH10〜12にする必要がある。このため、よ
り低い、中性に近いpHで処理することができ、しかも濃
度が高く、脱水性の良好な汚泥を得ることができるリン
酸含有廃水の処理方法が求められていた。本発明者は、
先に、リン酸を難溶性のカルシウム塩として固液分離す
るリン酸含有廃水の処理方法において、生成汚泥の一部
を返送してカルシウム化合物と混合したのち原水と混合
し、pH7.5〜11においてリン酸をカルシウム塩とし
て沈殿せしめることにより、必要なカルシウム化合物、
アルカリ及び酸の量と汚泥の発生量を減少し、脱水性の
良好な汚泥を得る方法を発明したが、さらに必要な薬剤
量を低減し、安定した最終処理水の水質を実現する方法
の開発が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、カルシウム
化合物の添加量を適正に制御してその使用量を低減し、
カルシウム化合物による処理を中性に近いpHで行い、脱
水性の良好な高濃度の汚泥を得ることができるリン酸含
有廃水の処理方法を提供することを目的としてなされた
ものである。
化合物の添加量を適正に制御してその使用量を低減し、
カルシウム化合物による処理を中性に近いpHで行い、脱
水性の良好な高濃度の汚泥を得ることができるリン酸含
有廃水の処理方法を提供することを目的としてなされた
ものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、カルシウム塩の生
成によるリン酸含有廃水の処理方法において、生成汚泥
の一部を返送してカルシウム化合物と混合したのち原水
と混合し、被処理水中のカルシウム濃度を測定してカル
シウム濃度が所定値となるようにカルシウム化合物の添
加量を制御することにより、低いpHでの処理が可能にな
り、薬剤の使用量が減少し、かつ脱水性の良好な汚泥が
得られることを見いだし、この知見に基づいて本発明を
完成するに至った。すなわち、本発明は、(1)リン酸
を難溶性のカルシウム塩として固液分離するリン酸含有
廃水の処理方法において、生成汚泥の一部を返送してカ
ルシウム化合物と混合したのち原水と混合し、被処理水
中のカルシウム濃度を測定して、カルシウム濃度が所定
値となるようにカルシウム化合物の添加量を制御し、リ
ン酸をカルシウム塩として沈殿せしめることを特徴とす
るリン酸含有廃水の処理方法、を提供するものである。
さらに、本発明の好ましい態様として、(2)生成汚泥
の返送量が、原水の0.01〜0.4容量倍である第(1)
項記載のリン酸含有廃水の処理方法、(3)カルシウム
化合物が、塩化カルシウム又は消石灰である第(1)〜
(2)項記載のリン酸含有廃水の処理方法、(4)被処理
水中のカルシウム濃度が1〜40mg/リットルとなるよ
うカルシウム化合物の添加量を制御する第(1)〜(3)項
記載のリン酸含有廃水の処理方法、(5)カルシウム分
析計により被処理水中のカルシウム濃度を測定し、カル
シウム濃度の信号をカルシウム化合物注入ポンプの開閉
信号に変換して制御する第(1)〜(4)項記載のリン酸含
有廃水の処理方法、及び(6)カルシウム化合物を混合
した原水のpHを7〜9に調整する第(1)〜(5)項記載の
リン酸含有廃水の処理方法、を挙げることができる。
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、カルシウム塩の生
成によるリン酸含有廃水の処理方法において、生成汚泥
の一部を返送してカルシウム化合物と混合したのち原水
と混合し、被処理水中のカルシウム濃度を測定してカル
シウム濃度が所定値となるようにカルシウム化合物の添
加量を制御することにより、低いpHでの処理が可能にな
り、薬剤の使用量が減少し、かつ脱水性の良好な汚泥が
得られることを見いだし、この知見に基づいて本発明を
完成するに至った。すなわち、本発明は、(1)リン酸
を難溶性のカルシウム塩として固液分離するリン酸含有
廃水の処理方法において、生成汚泥の一部を返送してカ
ルシウム化合物と混合したのち原水と混合し、被処理水
中のカルシウム濃度を測定して、カルシウム濃度が所定
値となるようにカルシウム化合物の添加量を制御し、リ
ン酸をカルシウム塩として沈殿せしめることを特徴とす
るリン酸含有廃水の処理方法、を提供するものである。
さらに、本発明の好ましい態様として、(2)生成汚泥
の返送量が、原水の0.01〜0.4容量倍である第(1)
項記載のリン酸含有廃水の処理方法、(3)カルシウム
化合物が、塩化カルシウム又は消石灰である第(1)〜
(2)項記載のリン酸含有廃水の処理方法、(4)被処理
水中のカルシウム濃度が1〜40mg/リットルとなるよ
うカルシウム化合物の添加量を制御する第(1)〜(3)項
記載のリン酸含有廃水の処理方法、(5)カルシウム分
析計により被処理水中のカルシウム濃度を測定し、カル
シウム濃度の信号をカルシウム化合物注入ポンプの開閉
信号に変換して制御する第(1)〜(4)項記載のリン酸含
有廃水の処理方法、及び(6)カルシウム化合物を混合
した原水のpHを7〜9に調整する第(1)〜(5)項記載の
リン酸含有廃水の処理方法、を挙げることができる。
【0005】本発明方法は、リン酸又はリン酸塩を含有
する廃水に適用することができる。このような廃水の発
生源としては、リン酸製造工場をはじめとして、肥料工
場、食品添加剤工場、金属表面処理工場、半導体部品製
造工場など広い分野にわたる工場が含まれるほか、一般
家庭排水や農業排水などがある。本発明方法を適用する
ことができる排水中のリン酸又はリン酸塩の濃度には特
に制限はなく、数ppmから数%までのリン酸又はリン酸
塩を含有する廃水を本発明方法により処理することがで
きる。図1は、本発明方法の一態様の工程図である。本
図の工程は、反応槽1、凝集槽2、沈殿槽3及び混合槽
4よりなり、反応槽内の被処理水のカルシウム濃度を分
析するカルシウム分析計5及びカルシウム分析計より送
られる信号により開閉するカルシウム化合物注入ポンプ
6と、反応槽内の被処理水のpHを測定するpH計7及びpH
計より送られる信号により開閉するpH調整剤注入ポンプ
8を備えている。カルシウム分析計は、反応槽以後最終
処理水までの任意の位置に設置することができるが、反
応槽内又は反応槽出口に設置することにより測定の時間
的な遅れを防止することができる。カルシウム分析計に
SSが流入しないよう、反応槽とカルシウム分析計の間
にろ過装置を設けることが好ましい。原水中のリン酸の
濃度変化が緩慢な場合には、カルシウム分析計を沈殿槽
に設け、沈殿槽の上澄み液のカルシウム濃度を測定すれ
ば、測定液にはSSが含まれないのでろ過を省略するこ
とができる。反応槽に送った原水は、さらに凝集槽から
沈殿槽へ導き、沈殿槽において沈殿した汚泥の一部を混
合槽へ返送し、被処理水中のカルシウム濃度に応じて混
合槽でカルシウム化合物を添加混合したのち反応槽へ送
る。
する廃水に適用することができる。このような廃水の発
生源としては、リン酸製造工場をはじめとして、肥料工
場、食品添加剤工場、金属表面処理工場、半導体部品製
造工場など広い分野にわたる工場が含まれるほか、一般
家庭排水や農業排水などがある。本発明方法を適用する
ことができる排水中のリン酸又はリン酸塩の濃度には特
に制限はなく、数ppmから数%までのリン酸又はリン酸
塩を含有する廃水を本発明方法により処理することがで
きる。図1は、本発明方法の一態様の工程図である。本
図の工程は、反応槽1、凝集槽2、沈殿槽3及び混合槽
4よりなり、反応槽内の被処理水のカルシウム濃度を分
析するカルシウム分析計5及びカルシウム分析計より送
られる信号により開閉するカルシウム化合物注入ポンプ
6と、反応槽内の被処理水のpHを測定するpH計7及びpH
計より送られる信号により開閉するpH調整剤注入ポンプ
8を備えている。カルシウム分析計は、反応槽以後最終
処理水までの任意の位置に設置することができるが、反
応槽内又は反応槽出口に設置することにより測定の時間
的な遅れを防止することができる。カルシウム分析計に
SSが流入しないよう、反応槽とカルシウム分析計の間
にろ過装置を設けることが好ましい。原水中のリン酸の
濃度変化が緩慢な場合には、カルシウム分析計を沈殿槽
に設け、沈殿槽の上澄み液のカルシウム濃度を測定すれ
ば、測定液にはSSが含まれないのでろ過を省略するこ
とができる。反応槽に送った原水は、さらに凝集槽から
沈殿槽へ導き、沈殿槽において沈殿した汚泥の一部を混
合槽へ返送し、被処理水中のカルシウム濃度に応じて混
合槽でカルシウム化合物を添加混合したのち反応槽へ送
る。
【0006】本発明において使用するカルシウム分析計
の型式には特に制限はなく、例えば、クレゾールフタレ
ンコンプレキソンを発色指示薬とする連続分析機などを
使用することができる。測定の所要時間は、通常1〜3
分である。測定したカルシウム濃度の信号を、カルシウ
ム化合物注入ポンプの開閉信号に変換して制御を行うこ
とができる。本発明方法において、混合槽で添加するカ
ルシウム化合物には特に制限はなく、例えば、塩化カル
シウム、消石灰、生石灰、硝酸カルシウム、カーバイト
滓などを使用することができるが、安価で取り扱いの容
易な塩化カルシウム又は消石灰を特に好適に使用するこ
とができる。カルシウム化合物は、1種を単独で使用す
ることができ、あるいは2種以上を混合して使用するこ
とができる。本発明方法において、混合槽に塩化カルシ
ウムを、反応槽にアルカリを添加して、反応槽中の被処
理水のpHを7〜9とする。反応槽中の被処理水のpHが7
未満であると、処理を終わった沈殿槽の上澄み水のリン
の濃度が十分に低下しないおそれがある。反応槽中の被
処理水のpHが9を超えても、沈殿槽の上澄み水のリンの
濃度はpHの上昇に見合って低下しない上に、上澄み水の
中和に多量の酸が必要となる。反応槽に添加するアルカ
リには特に制限はなく、例えば、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどを挙
げることができる。混合槽において添加するカルシウム
化合物として消石灰又はカーバイト滓を用いる場合に
は、混合槽より送られる消石灰又はカーバイト滓により
反応槽中の被処理水のpHが上昇し、添加するアルカリ量
を低減することができる。この場合、廃水の種類によっ
てはpHがアルカリ性となり、上澄液をそのまま放流でき
ないため、反応槽に酸を添加してpHを7〜9に調整する
ことが望ましい。本発明方法において、混合槽、反応槽
の両方に消石灰を使用するときは、廃水中のリン酸塩が
遊離のリン酸になるように、廃水にあらかじめ酸を添加
することが好ましい。添加する酸はリン酸より強い酸で
あれば特に制限なく使用することができ、例えば、塩
酸、硫酸などを好適に使用することができる。酸の添加
量は、処理すべき廃水のpHが3以下となるよう添加すれ
ば通常は十分であり、過剰の酸の添加は後工程でアルカ
リの損失を招く。リン酸と消石灰の反応によりCa5(P
O4)3OHが生成する。あらかじめ酸を添加しない場合
は、反応槽にアルカリの代わりに酸を添加してもよい。
の型式には特に制限はなく、例えば、クレゾールフタレ
ンコンプレキソンを発色指示薬とする連続分析機などを
使用することができる。測定の所要時間は、通常1〜3
分である。測定したカルシウム濃度の信号を、カルシウ
ム化合物注入ポンプの開閉信号に変換して制御を行うこ
とができる。本発明方法において、混合槽で添加するカ
ルシウム化合物には特に制限はなく、例えば、塩化カル
シウム、消石灰、生石灰、硝酸カルシウム、カーバイト
滓などを使用することができるが、安価で取り扱いの容
易な塩化カルシウム又は消石灰を特に好適に使用するこ
とができる。カルシウム化合物は、1種を単独で使用す
ることができ、あるいは2種以上を混合して使用するこ
とができる。本発明方法において、混合槽に塩化カルシ
ウムを、反応槽にアルカリを添加して、反応槽中の被処
理水のpHを7〜9とする。反応槽中の被処理水のpHが7
未満であると、処理を終わった沈殿槽の上澄み水のリン
の濃度が十分に低下しないおそれがある。反応槽中の被
処理水のpHが9を超えても、沈殿槽の上澄み水のリンの
濃度はpHの上昇に見合って低下しない上に、上澄み水の
中和に多量の酸が必要となる。反応槽に添加するアルカ
リには特に制限はなく、例えば、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどを挙
げることができる。混合槽において添加するカルシウム
化合物として消石灰又はカーバイト滓を用いる場合に
は、混合槽より送られる消石灰又はカーバイト滓により
反応槽中の被処理水のpHが上昇し、添加するアルカリ量
を低減することができる。この場合、廃水の種類によっ
てはpHがアルカリ性となり、上澄液をそのまま放流でき
ないため、反応槽に酸を添加してpHを7〜9に調整する
ことが望ましい。本発明方法において、混合槽、反応槽
の両方に消石灰を使用するときは、廃水中のリン酸塩が
遊離のリン酸になるように、廃水にあらかじめ酸を添加
することが好ましい。添加する酸はリン酸より強い酸で
あれば特に制限なく使用することができ、例えば、塩
酸、硫酸などを好適に使用することができる。酸の添加
量は、処理すべき廃水のpHが3以下となるよう添加すれ
ば通常は十分であり、過剰の酸の添加は後工程でアルカ
リの損失を招く。リン酸と消石灰の反応によりCa5(P
O4)3OHが生成する。あらかじめ酸を添加しない場合
は、反応槽にアルカリの代わりに酸を添加してもよい。
【0007】本発明方法においては、凝集槽において、
高分子凝集剤を添加することが好ましい。本発明方法に
おいては、返送された汚泥表面に吸着されたカルシウム
と水中のリン酸が反応し、リン酸は汚泥表面で難溶性の
カルシウム塩を形成するので、凝集性及び沈降性の良好
な汚泥が形成されるが、高分子凝集剤を添加することに
より、さらに凝集性及び沈降性を改良することができ
る。使用する高分子凝集剤には特に制限はなく、例え
ば、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキシド、尿素
−ホルマリン樹脂などのノニオン性高分子凝集剤、ポリ
アミノアルキルメタクリレート、ポリエチレンイミン、
ハロゲン化ポリジアリルアンモニウム、キトサンなどの
カチオン性高分子凝集剤、ポリアクリル酸ナトリウム、
ポリアクリルアミド部分加水分解物、部分スルホメチル
化ポリアクリルアミド、ポリ(2−アクリルアミド)−2
−メチルプロパン硫酸塩などのアニオン性高分子凝集剤
を使用することができる。これらの高分子凝集剤の中
で、ノニオン性高分子凝集剤及びアニオン性高分子凝集
剤は凝集効果にすぐれているので、特に好適に使用する
ことができる。本発明方法において、凝集槽で凝集剤を
添加した被処理水は沈殿槽に導き凝集した汚泥を沈殿さ
せる。沈殿槽の形状には特に制限はなく、例えば、中央
駆動型シックナー、周辺駆動型クラリファイヤー、水平
流型沈殿装置などを使用することができる。沈殿槽にお
いて沈降した汚泥は、その一部を返送汚泥として混合槽
に送ってカルシウム化合物と混合し、残余の汚泥は廃棄
物として処理する。混合槽へ送る返送汚泥の量は、原水
量に対し0.01〜0.4容量倍であることが好ましく、
0.02〜0.3容量倍であることがより好ましく、0.
03〜0.2容量倍であることがさらに好ましい。返送
汚泥の量が原水量に対して0.01容量倍未満である
と、本発明の効果が十分に発揮されないおそれがある。
返送汚泥の量が原水量に対して0.4容量倍を超える
と、返送ポンプが大きくなり設備の利用効率が低下す
る。なお、上記の説明において、生成した沈殿物の分離
に沈殿槽を利用した場合について説明してきたが、沈殿
物の分離は、膜分離、遠心分離など他の固液分離手段を
使用してもよい。
高分子凝集剤を添加することが好ましい。本発明方法に
おいては、返送された汚泥表面に吸着されたカルシウム
と水中のリン酸が反応し、リン酸は汚泥表面で難溶性の
カルシウム塩を形成するので、凝集性及び沈降性の良好
な汚泥が形成されるが、高分子凝集剤を添加することに
より、さらに凝集性及び沈降性を改良することができ
る。使用する高分子凝集剤には特に制限はなく、例え
ば、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキシド、尿素
−ホルマリン樹脂などのノニオン性高分子凝集剤、ポリ
アミノアルキルメタクリレート、ポリエチレンイミン、
ハロゲン化ポリジアリルアンモニウム、キトサンなどの
カチオン性高分子凝集剤、ポリアクリル酸ナトリウム、
ポリアクリルアミド部分加水分解物、部分スルホメチル
化ポリアクリルアミド、ポリ(2−アクリルアミド)−2
−メチルプロパン硫酸塩などのアニオン性高分子凝集剤
を使用することができる。これらの高分子凝集剤の中
で、ノニオン性高分子凝集剤及びアニオン性高分子凝集
剤は凝集効果にすぐれているので、特に好適に使用する
ことができる。本発明方法において、凝集槽で凝集剤を
添加した被処理水は沈殿槽に導き凝集した汚泥を沈殿さ
せる。沈殿槽の形状には特に制限はなく、例えば、中央
駆動型シックナー、周辺駆動型クラリファイヤー、水平
流型沈殿装置などを使用することができる。沈殿槽にお
いて沈降した汚泥は、その一部を返送汚泥として混合槽
に送ってカルシウム化合物と混合し、残余の汚泥は廃棄
物として処理する。混合槽へ送る返送汚泥の量は、原水
量に対し0.01〜0.4容量倍であることが好ましく、
0.02〜0.3容量倍であることがより好ましく、0.
03〜0.2容量倍であることがさらに好ましい。返送
汚泥の量が原水量に対して0.01容量倍未満である
と、本発明の効果が十分に発揮されないおそれがある。
返送汚泥の量が原水量に対して0.4容量倍を超える
と、返送ポンプが大きくなり設備の利用効率が低下す
る。なお、上記の説明において、生成した沈殿物の分離
に沈殿槽を利用した場合について説明してきたが、沈殿
物の分離は、膜分離、遠心分離など他の固液分離手段を
使用してもよい。
【0008】本発明方法においては、混合槽に返送され
た汚泥にカルシウム化合物を添加し混合する。返送汚泥
を原水と接触する前に、あらかじめカルシウム化合物を
添加し、汚泥表面にカルシウムを吸着させることによ
り、原水中のリン酸も汚泥表面でカルシウムと反応し、
生成したカルシウム塩は汚泥表面に強く吸着するので、
被処理水のpHが低い場合であってもリン酸の除去効果が
よく、生成する汚泥は従来の方法によるものとは全く異
なる特性を有し、凝集性と沈降性にすぐれたものとな
る。本発明方法において、混合槽におけるカルシウム化
合物の添加は、反応槽における汚泥混合後の被処理水中
のカルシウム濃度が所定値となるよう、カルシウム化合
物注入ポンプを開閉することによって行うことができ
る。カルシウム濃度の所定値は、最終処理水中の許容リ
ン濃度によって異なるが、通常はリンの濃度を1mg/リ
ットル以下とする場合には、カルシウム濃度を1〜40
mg/リットル、好ましくは5〜30mg/リットルとなる
ように制御する。例えば、反応槽内の被処理水のカルシ
ウム濃度を測定し、カルシウム濃度が10mg/リットル
となればカルシウム化合物注入ポンプが作動し始め、カ
ルシウム濃度が15mg/リットルとなればカルシウム化
合物注入ポンプが停止するよう制御することにより、被
処理水中のカルシウム濃度を10〜15mg/リットルに
保持することができる。本発明方法において、反応槽へ
のアルカリの添加は、反応槽における被処理水のpHが所
定値となるよう、pH調整剤注入ポンプを開閉することに
よって行うことができる。pHの所定値は、最終処理水中
の許容リン濃度などによって異なるが、通常はpHが7〜
9、好ましくは7.5〜8.5となるように制御する。例
えば、反応槽内のpHを測定し、pHが7.5となればアル
カリ注入ポンプが作動し始め、pHが8.5となればアル
カリ注入ポンプが停止するよう制御することにより、被
処理水のpHを7.5〜8.5に保持することができる。本
発明方法において、沈殿槽において分離した汚泥は、そ
のまま処分することができるが、さらに容量を減少する
ために脱水処理を行うことができる。汚泥の脱水に用い
る脱水機には特に制限はなく、通常の汚泥処理に使用さ
れる機器を使用することができる。このような脱水機と
しては、例えば、ベルトプレス脱水機、遠心脱水機、フ
ィルタープレス脱水機、スクリュープレス脱水機、真空
脱水機などを挙げることができる。本発明方法におい
て、沈殿槽で生成する上澄み水は、リンの含有量が少な
く、pHは通常7.5〜8.5であり、かつSSの量も少な
いので、中和によるpHの再調整や膜分離によるSSの除
去のような二次処理を施すことなく、そのまま排水とし
て放流することができる。
た汚泥にカルシウム化合物を添加し混合する。返送汚泥
を原水と接触する前に、あらかじめカルシウム化合物を
添加し、汚泥表面にカルシウムを吸着させることによ
り、原水中のリン酸も汚泥表面でカルシウムと反応し、
生成したカルシウム塩は汚泥表面に強く吸着するので、
被処理水のpHが低い場合であってもリン酸の除去効果が
よく、生成する汚泥は従来の方法によるものとは全く異
なる特性を有し、凝集性と沈降性にすぐれたものとな
る。本発明方法において、混合槽におけるカルシウム化
合物の添加は、反応槽における汚泥混合後の被処理水中
のカルシウム濃度が所定値となるよう、カルシウム化合
物注入ポンプを開閉することによって行うことができ
る。カルシウム濃度の所定値は、最終処理水中の許容リ
ン濃度によって異なるが、通常はリンの濃度を1mg/リ
ットル以下とする場合には、カルシウム濃度を1〜40
mg/リットル、好ましくは5〜30mg/リットルとなる
ように制御する。例えば、反応槽内の被処理水のカルシ
ウム濃度を測定し、カルシウム濃度が10mg/リットル
となればカルシウム化合物注入ポンプが作動し始め、カ
ルシウム濃度が15mg/リットルとなればカルシウム化
合物注入ポンプが停止するよう制御することにより、被
処理水中のカルシウム濃度を10〜15mg/リットルに
保持することができる。本発明方法において、反応槽へ
のアルカリの添加は、反応槽における被処理水のpHが所
定値となるよう、pH調整剤注入ポンプを開閉することに
よって行うことができる。pHの所定値は、最終処理水中
の許容リン濃度などによって異なるが、通常はpHが7〜
9、好ましくは7.5〜8.5となるように制御する。例
えば、反応槽内のpHを測定し、pHが7.5となればアル
カリ注入ポンプが作動し始め、pHが8.5となればアル
カリ注入ポンプが停止するよう制御することにより、被
処理水のpHを7.5〜8.5に保持することができる。本
発明方法において、沈殿槽において分離した汚泥は、そ
のまま処分することができるが、さらに容量を減少する
ために脱水処理を行うことができる。汚泥の脱水に用い
る脱水機には特に制限はなく、通常の汚泥処理に使用さ
れる機器を使用することができる。このような脱水機と
しては、例えば、ベルトプレス脱水機、遠心脱水機、フ
ィルタープレス脱水機、スクリュープレス脱水機、真空
脱水機などを挙げることができる。本発明方法におい
て、沈殿槽で生成する上澄み水は、リンの含有量が少な
く、pHは通常7.5〜8.5であり、かつSSの量も少な
いので、中和によるpHの再調整や膜分離によるSSの除
去のような二次処理を施すことなく、そのまま排水とし
て放流することができる。
【0009】本発明方法において、汚泥を返送すること
で従来より低いpHでリン酸含有廃水を処理することがで
きるのは、リン酸カルシウム汚泥にカルシウムイオンが
吸着されるためである。汚泥表面では、カルシウムイオ
ン濃度が高いためカルシウムイオンとリン酸イオンの反
応が促進され、通常より低いpHでリン酸のカルシウム塩
が生成すると考えられる。さらにこのカルシウム塩は汚
泥表面に析出するため、従来の三次元ゲル状物と異な
り、立体的に含まれる自由含水が低減する。その結果、
生成する汚泥濃度は従来法の場合の2〜3重量%に対
し、本発明方法においては20〜30重量%となり、汚
泥発生量が大幅に減少するとともに、脱水速度も5〜6
倍速く、脱水処理した場合、ケーキ含水率が従来法に比
して15〜30重量%低いケーキを得ることができる。
本発明方法は、汚泥混合後の被処理水のカルシウム濃度
を測定することにより、カルシウム化合物の添加量を必
要量に制御するものである。従来法の場合、溶解度積に
基づき、最終処理水の許容リン濃度から溶存カルシウム
濃度を理論的に計算により求め、廃水中のリン酸の濃度
の予測される最大値に応じたカルシウム化合物を添加す
る。本発明方法の場合は、カルシウム化合物はあらかじ
め返送汚泥と混合してのち原水と混合するため、カルシ
ウムは汚泥表面に付着した状態で被処理水中のリン酸と
反応し、従来法のように溶解度積から理論的に計算する
ことは困難である。したがって、本発明方法において
は、実験的に必要なカルシウム濃度を設定するものであ
り、通常カルシウム濃度を1〜40mg/リットル、好ま
しくは5〜30mg/リットルとすることにより、最終処
理水中のリンの濃度を1mg/リットルとすることができ
る。本発明方法によれば、上述したように、カルシウム
化合物をあらかじめ返送汚泥と混合したのち原水と混合
するようにしたので、リン除去のためのカルシウム添加
量が従来法のように大過剰量必要でなく、特にカルシウ
ム添加量を検出制御することにより、この特徴を生かす
ことができ、カルシウム添加量を確実に低減することが
できる。また、pH7〜9という低いpHでもリンの除去が
可能であり、従来法に比べpH調製剤の使用量を低減する
ことができ、そのまま放流できる利点がある。また、pH
を所定値に制御することにより、最終処理水中のリンの
濃度が安定する。さらに、本発明方法においては、pHが
低く、かつ大過剰のカルシウム化合物を使用しないため
に、処理設備への炭酸カルシウムのスケールの付着が生
じにくい。本発明方法により得られる汚泥は、従来法に
より得られる汚泥と結晶構造が異なり、その結果リン酸
カルシウムの溶解度が低くなっているものと推察され
る。また、その溶解度も極端なpHの影響を受けないの
で、わずかな過剰量のカルシウムの存在下でリン酸の処
理が可能となる。
で従来より低いpHでリン酸含有廃水を処理することがで
きるのは、リン酸カルシウム汚泥にカルシウムイオンが
吸着されるためである。汚泥表面では、カルシウムイオ
ン濃度が高いためカルシウムイオンとリン酸イオンの反
応が促進され、通常より低いpHでリン酸のカルシウム塩
が生成すると考えられる。さらにこのカルシウム塩は汚
泥表面に析出するため、従来の三次元ゲル状物と異な
り、立体的に含まれる自由含水が低減する。その結果、
生成する汚泥濃度は従来法の場合の2〜3重量%に対
し、本発明方法においては20〜30重量%となり、汚
泥発生量が大幅に減少するとともに、脱水速度も5〜6
倍速く、脱水処理した場合、ケーキ含水率が従来法に比
して15〜30重量%低いケーキを得ることができる。
本発明方法は、汚泥混合後の被処理水のカルシウム濃度
を測定することにより、カルシウム化合物の添加量を必
要量に制御するものである。従来法の場合、溶解度積に
基づき、最終処理水の許容リン濃度から溶存カルシウム
濃度を理論的に計算により求め、廃水中のリン酸の濃度
の予測される最大値に応じたカルシウム化合物を添加す
る。本発明方法の場合は、カルシウム化合物はあらかじ
め返送汚泥と混合してのち原水と混合するため、カルシ
ウムは汚泥表面に付着した状態で被処理水中のリン酸と
反応し、従来法のように溶解度積から理論的に計算する
ことは困難である。したがって、本発明方法において
は、実験的に必要なカルシウム濃度を設定するものであ
り、通常カルシウム濃度を1〜40mg/リットル、好ま
しくは5〜30mg/リットルとすることにより、最終処
理水中のリンの濃度を1mg/リットルとすることができ
る。本発明方法によれば、上述したように、カルシウム
化合物をあらかじめ返送汚泥と混合したのち原水と混合
するようにしたので、リン除去のためのカルシウム添加
量が従来法のように大過剰量必要でなく、特にカルシウ
ム添加量を検出制御することにより、この特徴を生かす
ことができ、カルシウム添加量を確実に低減することが
できる。また、pH7〜9という低いpHでもリンの除去が
可能であり、従来法に比べpH調製剤の使用量を低減する
ことができ、そのまま放流できる利点がある。また、pH
を所定値に制御することにより、最終処理水中のリンの
濃度が安定する。さらに、本発明方法においては、pHが
低く、かつ大過剰のカルシウム化合物を使用しないため
に、処理設備への炭酸カルシウムのスケールの付着が生
じにくい。本発明方法により得られる汚泥は、従来法に
より得られる汚泥と結晶構造が異なり、その結果リン酸
カルシウムの溶解度が低くなっているものと推察され
る。また、その溶解度も極端なpHの影響を受けないの
で、わずかな過剰量のカルシウムの存在下でリン酸の処
理が可能となる。
【0010】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。 比較例1 図2は、本比較例に用いた従来法の机上試験機の工程図
である。試験機は、容量500mlの反応槽9、容量50
0mlの凝集槽10及び容量3,000mlの沈殿槽11よ
りなり、カルシウム化合物注入ポンプ12と、反応槽内
の被処理水のpHを測定するpH計13及びpH計より送られ
る信号により開閉するpH調整剤注入ポンプ14を備えて
いる。リン酸含有合成廃水として、リンを50mg/リッ
トル含有するリン酸二水素ナトリウム水溶液を試験機に
3リットル/hrで通水した。pHの調整は10g/リット
ルの水酸化ナトリウム水溶液の添加により行い、カルシ
ウム化合物源としてはカルシウムを10g/リットル含
有する塩化カルシウム水溶液を用いた。反応槽中の被処
理水のpHを8.5に調整し、また、原水に対してカルシ
ウム濃度が160mg/リットルとなるよう反応槽におい
て塩化カルシウム水溶液を添加した。50mg/リットル
のリンとCa5(PO4)3OHを生成するために必要なカ
ルシウムは108mg/リットルであるが、少過剰の12
0mg/リットルを最低必要量と考えると、過剰カルシウ
ム添加量は40mg/リットルとなる。さらに凝集槽にお
いて、ポリアクリルアミド系のポリマー[栗田工業
(株)、クリフロックPA331]を濃度1ppmになるよ
う添加した。試験機の運転が定常状態に達したとき、最
終処理水中のリンの濃度は16mg/リットルであった。
被処理水のpHを8.5に調整し、過剰カルシウム添加量
を100、310及び450mg/リットルとして同様な
処理を行ったところ、最終処理水中のリンの濃度はそれ
ぞれ3.8、0.96及び0.56mg/リットルであっ
た。過剰カルシウム添加量と最終処理水中のリンの濃度
の関係を、図4に示す。 比較例2 反応槽中の被処理水のpHを9.5とし、比較例1と同様
にしてリン酸含有合成廃水の処理を行った。過剰カルシ
ウム添加量が10、50及び80mg/リットルのとき、
最終処理水中のリンの濃度はそれぞれ11、1.3及び
0.60mg/リットルであった。過剰カルシウム添加量
と最終処理水中のリンの濃度の関係を、図4に示す。 参考例1 図3は、本参考例に用いた机上試験機の工程図である。
本試験機においては、図2の試験器に容量100mlの汚
泥混合槽15を追加し、沈殿槽11の汚泥を300ml/
hrで返送し、汚泥混合槽においてカルシウム化合物注入
ポンプ12より塩化カルシウム水溶液を添加し、次いで
混合物を反応槽に導いた。反応槽中の被処理水のpHを
7.5とし、比較例1と同様にしてリン酸含有合成廃水
の処理を行った。過剰カルシウム添加量が1.4、2.
0、5.0、10及び15mg/リットルのとき、最終処
理水中のリンの濃度はそれぞれ20、5.8、1.4、
0.60及び0.42mg/リットルであった。過剰カルシ
ウム添加量と最終処理水中のリンの濃度の関係を、図4
に示す。 参考例2 反応槽中の被処理水のpHを8.5とし、参考例1と同様
にしてリン酸含有合成廃水の処理を行った。過剰カルシ
ウム添加量が1.2、1.6、2.3、5.0及び15mg/
リットルのとき、最終処理水中のリンの濃度はそれぞれ
11.5、2.7、2.0、0.85及び0.36mg/リッ
トルであった。過剰カルシウム添加量と最終処理水中の
リンの濃度の関係を、図4に示す。図4の結果から、汚
泥の返送を行うことにより、最終処理水中のリンの濃度
を1mg/リットル以下とするために必要な過剰カルシウ
ム添加量は、反応槽中の被処理水のpHを7.5としたと
きは約6.2mg/リットルであり、反応槽中の被処理水
のpHを8.5としたときは約4.5mg/リットルである。
これに対して汚泥の返送を行わない従来法では、pH8.
5で最終処理水中のリンの濃度を1mg/リットル以下に
するためには、約300mg/リットルの過剰カルシウム
添加量が必要である。汚泥の返送を行うと、汚泥の返送
を行わない従来法に比べてカルシウム化合物の使用量を
大幅に低減することができることが分かる。比較例1及
び2において生成した汚泥の24時間濃縮後の濃度は2
〜3重量%であったのに対して、参考例1及び2におい
て生成した汚泥の24時間濃縮後の濃度は20〜30重
量%であった。また、比較例1及び2で得られた汚泥は
蛍光X線回折分析において吸収スペクトルが得られなか
ったのに対して、参考例1及び2で得られた汚泥は、反
応槽のpHが7.5〜8.5であったにもかかわらず、Ca
5(PO4)3OHの存在を示す明確な吸収スペクトルが得
られ、結晶性のリン酸カルシウム化合物が生成している
ことが確認された。 実施例1 図1に示した装置を用いて、工場排水の処理を行った。
各槽の容量は、反応槽500ml、凝集槽500ml、沈殿
槽3,000ml及び混合槽100mlである。通水速度は
3リットル/hrとし、沈殿槽の汚泥を200ml/hrで混
合槽に返送した。カルシウム分析計として、ハック社製
の硬度監視装置1200型のアラーム信号回路に信号変
換器を取り付け、アラーム設定値によりカルシウム化合
物注入ポンプが開閉するよう改造したものを用いた。ま
た、分析の前処理としてロールフィルターによるSSの
分離を行った。カルシウム化合物注入ポンプは、反応槽
の被処理水中のカルシウム濃度が10mg/リットルにな
ったとき、カルシウムを10g/リットル含有する塩化
カルシウム水溶液の注入を始め、反応槽の被処理水中の
カルシウム濃度が15mg/リットルになったとき停止す
るよう設定した。カルシウム濃度の測定は、2分ごとに
行った。pH調整剤注入ポンプは、反応槽の被処理水のpH
が8.0になったとき、10g/リットルの水酸化ナト
リウム水溶液の注入を始め、反応槽の被処理水のpHが
8.5になったとき停止するよう設定した。なお、凝集
槽において、ポリアクリルアミド系のポリマー[栗田工
業(株)、クリフロックPA331]を濃度1ppmになる
よう添加した。供試した工場排水は、pH4.8、COD
25ppmであり、リン酸をリンとして39mg/リットル
含有していた。処理が定常状態に達したとき、最終処理
水中のリンの濃度は0.2〜0.6mg/リットルの範囲に
あり、最終処理水中のカルシウム濃度は5〜15mg/リ
ットルの範囲にあった。また、最終処理水のpHは、7.
8〜8.5の範囲にあった。さらに、本発明方法のリン
酸濃度変化への対応性を検討するために、工場排水にリ
ン酸二水素ナトリウムを加えてリンの濃度を90、15
0及び200mg/リットルとした試験水について、同じ
処理を続けた。それぞれ定常状態に達したときの最終処
理水の水質を、第1表に示す。
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。 比較例1 図2は、本比較例に用いた従来法の机上試験機の工程図
である。試験機は、容量500mlの反応槽9、容量50
0mlの凝集槽10及び容量3,000mlの沈殿槽11よ
りなり、カルシウム化合物注入ポンプ12と、反応槽内
の被処理水のpHを測定するpH計13及びpH計より送られ
る信号により開閉するpH調整剤注入ポンプ14を備えて
いる。リン酸含有合成廃水として、リンを50mg/リッ
トル含有するリン酸二水素ナトリウム水溶液を試験機に
3リットル/hrで通水した。pHの調整は10g/リット
ルの水酸化ナトリウム水溶液の添加により行い、カルシ
ウム化合物源としてはカルシウムを10g/リットル含
有する塩化カルシウム水溶液を用いた。反応槽中の被処
理水のpHを8.5に調整し、また、原水に対してカルシ
ウム濃度が160mg/リットルとなるよう反応槽におい
て塩化カルシウム水溶液を添加した。50mg/リットル
のリンとCa5(PO4)3OHを生成するために必要なカ
ルシウムは108mg/リットルであるが、少過剰の12
0mg/リットルを最低必要量と考えると、過剰カルシウ
ム添加量は40mg/リットルとなる。さらに凝集槽にお
いて、ポリアクリルアミド系のポリマー[栗田工業
(株)、クリフロックPA331]を濃度1ppmになるよ
う添加した。試験機の運転が定常状態に達したとき、最
終処理水中のリンの濃度は16mg/リットルであった。
被処理水のpHを8.5に調整し、過剰カルシウム添加量
を100、310及び450mg/リットルとして同様な
処理を行ったところ、最終処理水中のリンの濃度はそれ
ぞれ3.8、0.96及び0.56mg/リットルであっ
た。過剰カルシウム添加量と最終処理水中のリンの濃度
の関係を、図4に示す。 比較例2 反応槽中の被処理水のpHを9.5とし、比較例1と同様
にしてリン酸含有合成廃水の処理を行った。過剰カルシ
ウム添加量が10、50及び80mg/リットルのとき、
最終処理水中のリンの濃度はそれぞれ11、1.3及び
0.60mg/リットルであった。過剰カルシウム添加量
と最終処理水中のリンの濃度の関係を、図4に示す。 参考例1 図3は、本参考例に用いた机上試験機の工程図である。
本試験機においては、図2の試験器に容量100mlの汚
泥混合槽15を追加し、沈殿槽11の汚泥を300ml/
hrで返送し、汚泥混合槽においてカルシウム化合物注入
ポンプ12より塩化カルシウム水溶液を添加し、次いで
混合物を反応槽に導いた。反応槽中の被処理水のpHを
7.5とし、比較例1と同様にしてリン酸含有合成廃水
の処理を行った。過剰カルシウム添加量が1.4、2.
0、5.0、10及び15mg/リットルのとき、最終処
理水中のリンの濃度はそれぞれ20、5.8、1.4、
0.60及び0.42mg/リットルであった。過剰カルシ
ウム添加量と最終処理水中のリンの濃度の関係を、図4
に示す。 参考例2 反応槽中の被処理水のpHを8.5とし、参考例1と同様
にしてリン酸含有合成廃水の処理を行った。過剰カルシ
ウム添加量が1.2、1.6、2.3、5.0及び15mg/
リットルのとき、最終処理水中のリンの濃度はそれぞれ
11.5、2.7、2.0、0.85及び0.36mg/リッ
トルであった。過剰カルシウム添加量と最終処理水中の
リンの濃度の関係を、図4に示す。図4の結果から、汚
泥の返送を行うことにより、最終処理水中のリンの濃度
を1mg/リットル以下とするために必要な過剰カルシウ
ム添加量は、反応槽中の被処理水のpHを7.5としたと
きは約6.2mg/リットルであり、反応槽中の被処理水
のpHを8.5としたときは約4.5mg/リットルである。
これに対して汚泥の返送を行わない従来法では、pH8.
5で最終処理水中のリンの濃度を1mg/リットル以下に
するためには、約300mg/リットルの過剰カルシウム
添加量が必要である。汚泥の返送を行うと、汚泥の返送
を行わない従来法に比べてカルシウム化合物の使用量を
大幅に低減することができることが分かる。比較例1及
び2において生成した汚泥の24時間濃縮後の濃度は2
〜3重量%であったのに対して、参考例1及び2におい
て生成した汚泥の24時間濃縮後の濃度は20〜30重
量%であった。また、比較例1及び2で得られた汚泥は
蛍光X線回折分析において吸収スペクトルが得られなか
ったのに対して、参考例1及び2で得られた汚泥は、反
応槽のpHが7.5〜8.5であったにもかかわらず、Ca
5(PO4)3OHの存在を示す明確な吸収スペクトルが得
られ、結晶性のリン酸カルシウム化合物が生成している
ことが確認された。 実施例1 図1に示した装置を用いて、工場排水の処理を行った。
各槽の容量は、反応槽500ml、凝集槽500ml、沈殿
槽3,000ml及び混合槽100mlである。通水速度は
3リットル/hrとし、沈殿槽の汚泥を200ml/hrで混
合槽に返送した。カルシウム分析計として、ハック社製
の硬度監視装置1200型のアラーム信号回路に信号変
換器を取り付け、アラーム設定値によりカルシウム化合
物注入ポンプが開閉するよう改造したものを用いた。ま
た、分析の前処理としてロールフィルターによるSSの
分離を行った。カルシウム化合物注入ポンプは、反応槽
の被処理水中のカルシウム濃度が10mg/リットルにな
ったとき、カルシウムを10g/リットル含有する塩化
カルシウム水溶液の注入を始め、反応槽の被処理水中の
カルシウム濃度が15mg/リットルになったとき停止す
るよう設定した。カルシウム濃度の測定は、2分ごとに
行った。pH調整剤注入ポンプは、反応槽の被処理水のpH
が8.0になったとき、10g/リットルの水酸化ナト
リウム水溶液の注入を始め、反応槽の被処理水のpHが
8.5になったとき停止するよう設定した。なお、凝集
槽において、ポリアクリルアミド系のポリマー[栗田工
業(株)、クリフロックPA331]を濃度1ppmになる
よう添加した。供試した工場排水は、pH4.8、COD
25ppmであり、リン酸をリンとして39mg/リットル
含有していた。処理が定常状態に達したとき、最終処理
水中のリンの濃度は0.2〜0.6mg/リットルの範囲に
あり、最終処理水中のカルシウム濃度は5〜15mg/リ
ットルの範囲にあった。また、最終処理水のpHは、7.
8〜8.5の範囲にあった。さらに、本発明方法のリン
酸濃度変化への対応性を検討するために、工場排水にリ
ン酸二水素ナトリウムを加えてリンの濃度を90、15
0及び200mg/リットルとした試験水について、同じ
処理を続けた。それぞれ定常状態に達したときの最終処
理水の水質を、第1表に示す。
【0011】
【表1】
【0012】第1表の結果から、本発明方法によれば、
原水中のリンの濃度が変動しても最終処理水中のリンの
濃度は安定して1.0mg/リットル以下となり、最終処
理水中のカルシウム濃度が低く、大過剰のカルシウムは
必要とされないことが分かる。さらに、最終処理水のpH
はすべて7.8〜8.5であって、中和することなくその
まま排出することが可能である。
原水中のリンの濃度が変動しても最終処理水中のリンの
濃度は安定して1.0mg/リットル以下となり、最終処
理水中のカルシウム濃度が低く、大過剰のカルシウムは
必要とされないことが分かる。さらに、最終処理水のpH
はすべて7.8〜8.5であって、中和することなくその
まま排出することが可能である。
【0013】
【発明の効果】本発明方法によれば、被処理水中のカル
シウム濃度によりカルシウム化合物の添加量を制御する
ので使用するカルシウム化合物の量が少なく、生成する
汚泥の濃度が高く汚泥発生量が減少し、汚泥の脱水速度
が速く脱水性が良好である。また、pH7〜9でリン酸の
処理が可能となるので必要なアルカリ及び酸の量が減少
し、処理設備への炭酸カルシウムのスケールの付着が少
なく、最終処理水は中和することなく排出することがで
きる。
シウム濃度によりカルシウム化合物の添加量を制御する
ので使用するカルシウム化合物の量が少なく、生成する
汚泥の濃度が高く汚泥発生量が減少し、汚泥の脱水速度
が速く脱水性が良好である。また、pH7〜9でリン酸の
処理が可能となるので必要なアルカリ及び酸の量が減少
し、処理設備への炭酸カルシウムのスケールの付着が少
なく、最終処理水は中和することなく排出することがで
きる。
【図1】図1は、本発明方法の一態様の工程図である。
【図2】図2は、比較例に用いた従来法の机上試験機の
工程図である。
工程図である。
【図3】図3は、参考例に用いた机上試験機の工程図で
ある。
ある。
【図4】図4は、過剰カルシウム添加量と最終処理水中
のリンの濃度の関係を示すグラフである。
のリンの濃度の関係を示すグラフである。
1 反応槽 2 凝集槽 3 沈殿槽 4 混合槽 5 カルシウム分析計 6 カルシウム化合物注入ポンプ 7 pH計 8 pH調整剤剤注入ポンプ 9 反応槽 10 凝集槽 11 沈殿槽 12 カルシウム化合物注入ポンプ 13 pH計 14 pH調整剤注入ポンプ 15 汚泥混合槽
Claims (1)
- 【請求項1】リン酸を難溶性のカルシウム塩として固液
分離するリン酸含有廃水の処理方法において、生成汚泥
の一部を返送してカルシウム化合物と混合したのち原水
と混合し、被処理水中のカルシウム濃度を測定して、カ
ルシウム濃度が所定値となるようにカルシウム化合物の
添加量を制御し、リン酸をカルシウム塩として沈殿せし
めることを特徴とするリン酸含有廃水の処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17430295A JPH091154A (ja) | 1995-06-16 | 1995-06-16 | リン酸含有廃水の処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17430295A JPH091154A (ja) | 1995-06-16 | 1995-06-16 | リン酸含有廃水の処理方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH091154A true JPH091154A (ja) | 1997-01-07 |
Family
ID=15976292
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17430295A Pending JPH091154A (ja) | 1995-06-16 | 1995-06-16 | リン酸含有廃水の処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH091154A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001070951A (ja) * | 1999-09-01 | 2001-03-21 | Kurita Water Ind Ltd | リン含有水の処理方法 |
JP2002035768A (ja) * | 2000-07-21 | 2002-02-05 | Japan Organo Co Ltd | 排水中のリン、フッ素の除去方法 |
JP2002205080A (ja) * | 2001-01-11 | 2002-07-23 | Kurita Water Ind Ltd | 正リン酸含有水の脱リン方法及び脱リン装置 |
JP2005296837A (ja) * | 2004-04-13 | 2005-10-27 | Japan Organo Co Ltd | フッ素、リン含有水の処理方法 |
KR20170044021A (ko) * | 2015-10-09 | 2017-04-24 | 인피니언 테크놀로지스 아게 | 인산을 함유하는 산 유출물의 처리 방법 |
-
1995
- 1995-06-16 JP JP17430295A patent/JPH091154A/ja active Pending
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JP4581160B2 (ja) * | 1999-09-01 | 2010-11-17 | 栗田工業株式会社 | リン含有水の処理方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20051220 |
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A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060220 |
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A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20060414 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |