JP3240940B2 - セレン含有水の処理方法 - Google Patents

セレン含有水の処理方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セレン含有水の処
理方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、6価のセ
レンを含有する排水を鉄金属充填層に通水して還元処理
する方法において、セレン含有水の処理条件を最適に保
ち、鉄金属の消耗量及び沈殿汚泥量を低減するととも
に、セレンを効率的に除去することができるセレン含有
水の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】石炭火力発電所の排煙脱硫排水や石油精
製工場排水は、セレンを含有する場合がある。また、セ
レンは工業原料として、ガラスの脱色剤や着色剤、高級
顔料、鉄鋼や銅への添加剤に使われるほか、ウレタンや
尿素の合成時の触媒としても使用されるので、これらの
工場排水にもセレンが含有される可能性がある。セレン
は排水中に高濃度に含有されることは稀であるが、環境
保全のためにセレンに対する規制が行われるにいたり、
排水中のセレンの処理が必要となり、水質汚濁防止法に
基づくセレンの排水基準は、0.1mg/リットルと示さ
れている。排水中のセレンは、通常コロイド状のセレ
ン、4価の亜セレン酸イオン(SeO3 2-)又は6価の
セレン酸イオン(SeO4 2-)として存在することが多
い。このようなセレン含有水の処理方法としては、凝集
沈殿法とイオン交換法があり、Encyclopedi
a of Environmental Contro
l Technology(Gulf Publish
ing Co.,1993)、第6巻、632頁にその
概要が記載されている。凝集沈殿法によるセレン含有水
の処理に関しては多くの改良法が提案されており、例え
ば、特開平6−79286号公報には、排水に鉄塩とし
て硫酸第一鉄又は塩化第一鉄を加えたのち中和剤を添加
し、セレンを水酸化鉄フロックと共沈させて除去する方
法が提案されている。しかし、この方法では最終処理水
中のセレン濃度は0.2〜0.4mg/リットルにまでしか
低下せず、0.1mg/リットルという排水基準を達成す
ることができない。また、R.H.Lien は、EP
D Congr.'90,334頁において、Chem
ical and Biological Cyani
de Destruction and Seleni
um Removal from Precious
Metal Tailing Pond Water
と題して、セレン酸イオンを含有する排水にFeSO4
・7H2O又はFeCl2・4H2Oを添加し、Na2Se
4+6Fe(OH)2 → Se0+3Fe23+2NaO
H+5H2Oにしたがってセレン酸イオンを還元処理す
る方法を提案している。しかし、この方法によれば、最
終処理水中のセレン濃度を0.1mg/リットル以下にす
るために必要なFeSO4・7H2Oの添加量は25g/
リットル以上となり、発生する汚泥の量が多くなるの
で、実用的、経済的に問題があり、現実には適用困難で
ある。また、還元処理を効率的に行うために、あらかじ
め塩酸、硫酸などを添加して酸性条件下で処理する必要
がある。本発明者らは、凝集沈殿法によって排水中のセ
レンを0.1mg/リットル以下に除去することが困難で
ある原因について鋭意研究し、その原因は含有される6
価のセレンの除去が困難であるため、あるいは、排水中
に凝集沈殿を阻害、妨害する物質が存在するためである
ことを見いだした。この知見に基づき、本発明者らは、
先にセレン含有水の処理方法として、酸の添加によりpH
を調整したセレン含有水を鉄金属充填層に通水し、溶出
した2価の鉄イオンによりセレン酸を次式にしたがって
還元処理する方法を提案した。 SeO4 2-+6Fe2++8H+ → Se0+6Fe3++4
2O 還元されたセレンを含む被処理水は、アルカリを添加し
てpHを7以上とすることにより、水中の鉄イオンを水不
溶性の水酸化鉄とし、還元されたセレンを水酸化鉄のフ
ロックに吸着させて凝集分離する。この方法によれば、
最終処理水中のセレン濃度を安定して0.1mg/リット
ル以下にすることができるが、pH調整槽における酸の注
入量を必要最小量に管理することが容易でないために酸
の注入量が過剰となりやすく、その結果、鉄溶出量が過
剰となって鉄金属粒子の消耗量及び沈殿汚泥量が多くな
るという経済的な問題があった。このため、さらにセレ
ン含有水のpH調整に必要な酸の量を減少し、鉄金属の消
耗量と発生する沈殿汚泥量を低減することができる処理
方法の開発が求められていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、6価のセレ
ンを含有する排水を鉄金属充填層に通水して還元処理す
る方法において、セレン含有水の処理条件を最適に保
ち、鉄金属の消耗量及び発生する沈殿汚泥量を低減する
とともに、セレンを効率的に安定して除去することがで
きるセレン含有水の処理方法を提供することを目的とし
てなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、セレンを含むpH
が5以上の排水に、塩酸又は硫酸を注入してアルカリ度
成分を除去し、次いで排水にさらに所定量の塩酸又は硫
酸を注入したのち鉄金属充填層に通水することにより、
使用する酸の量を必要最小量に管理し、しかも効率的に
セレンを除去して最終処理水中のセレン濃度を安定して
0.1mg/リットル以下にすることができることを見い
だし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、セレンを含有するpHが5以上の排
水を、pH調整を行ったのち鉄金属充填層に通水して還元
処理する方法において、排水をpH計を設置したpH調整槽
に受け入れ、pHを測定して排水に注入する塩酸又は硫酸
の注入量を制御することによりまずpH4ないし5未満に
調整してアルカリ度成分を除去し、次いでpH調整槽を経
た排水にさらに塩酸又は硫酸を所定量注入したのち鉄金
属充填層に通水することを特徴とするセレン含有水の処
理方法を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明方法は、セレン含有水、特
に6価のセレンを含有する排水に効果的に適用すること
ができる。このようなセレン含有水としては、例えば、
セレン数mg/リットルを含有する火力発電所排水を凝集
沈殿処理及び生物脱窒処理し、セレン濃度を約1mg/リ
ットル程度としたセレン含有水などを挙げることができ
る。本発明方法においては、セレンを含有する排水に塩
酸又は硫酸を注入してまずpH4ないし5未満に調整して
アルカリ度成分を除去し、次いで排水にさらに所定量の
塩酸又は硫酸を注入したのち鉄金属充填層に通水する。
酸性のセレン含有水と鉄金属が接触したとき、次式によ
り2価の鉄イオンが水中へ溶出する。 Fe+2H+ → Fe2++H2 …[1] 水中に溶出した2価の鉄イオンは、水中のセレン酸と反
応し、セレン酸は次式にしたがって還元されると考えら
れる。 SeO4 2-+6Fe2++8H+ → Se0+6Fe3++4H2O …[2] 本発明方法においては、鉄金属充填層に通水することに
より水中のセレン酸を還元したのち、流出水の凝集処理
を行うことが好ましい。凝集処理の方法には特に制限は
ないが、アルカリ剤を添加することにより、水中の2価
の鉄イオン及び3価の鉄イオンを水不溶性の水酸化第一
鉄及び水酸化第二鉄とし、鉄フロックを形成して凝集す
ることが好ましい。アルカリ剤の添加により、被処理水
のpHを7以上とすることが好ましく、pHを9〜10とす
ることがより好ましい。被処理水のpHが7未満である
と、鉄フロックなどの凝集が不十分となるおそれがあ
る。被処理水のpHを7以上とすることにより、次式のよ
うに、水中の2価の鉄イオンは水不溶性の水酸化第一鉄
となり、3価の鉄イオンは水不溶性の水酸化第二鉄とな
る。 Fe2++2NaOH → Fe(OH)2+2Na+ …[3] Fe3++3NaOH → Fe(OH)3+3Na+ …[4] このとき、還元されたセレンは、生成する水酸化鉄のフ
ロックに吸着され、凝集分離される。
【0006】排水に注入する塩酸又は硫酸は、排水がア
ルカリ度成分、例えば、重炭酸イオン、炭酸イオンなど
を含む場合は、アルカリ度成分の中和に消費され、さら
に残余の塩酸又は硫酸が鉄と反応して、式[1]により
2価の鉄イオンが水中に溶出する。2価の鉄イオンは式
[2]によりセレン酸を還元し、過剰の2価の鉄イオン
は式[3]により水不溶性の水酸化第一鉄となる。した
がって、塩酸又は硫酸の注入量が不足し、水中に溶出す
る2価の鉄イオンが不足すると、セレン酸の還元が十分
に行われず、処理水中のセレン濃度が所定の値まで低下
しない。一方、塩酸又は硫酸の注入量が過剰となり、水
中に溶出する2価の鉄イオンが過剰となると、式[2]
のセレン酸の還元には消費されず、単に式[3]の反応
により水酸化第一鉄となって沈殿汚泥量を増加させる。
火力発電所などから排出される排水は、水質が変動する
場合が多い。図1は、pHが変動した排水の試料3点に塩
酸を注入したときの、塩酸注入量と水のpHの関係を示す
グラフである。このように水質が変動する排水に対して
常に一定量の塩酸又は硫酸を注入すると、原排水のpHが
高い場合には、中和のために消費される塩酸又は硫酸の
量が多く、式[1]にしたがって2価の鉄イオンを溶出
させるための塩酸又は硫酸の量が不足して、排水中のセ
レン酸が十分に還元処理されず、処理水中のセレン濃度
が上昇するおそれがある。また、鉄金属充填層に通水す
る水のpHにより塩酸又は硫酸の注入量を管理する場合、
例えば、pH2.5の近傍においては塩酸注入量に対する
水のpHの変動が小さく、pHを0.1低下させるためには
約30mg/リットルの塩酸の注入が必要である。したが
って、鉄金属充填層に通水する水のpHの測定によって
は、塩酸又は硫酸の注入量を正確に必要最小量に管理す
ることは困難である。いずれにせよ、処理水中のセレン
の濃度を確実に0.1mg/リットル以下に低下させるた
めには、塩酸又は硫酸をおおむね過剰に注入しなければ
ならない。
【0007】本発明方法においては、セレンを含有する
pHが5以上の排水に、塩酸又は硫酸を注入して、まずpH
を4ないし5未満に調整してアルカリ度成分を除去す
る。図1に見られるように、pH4〜5においては、少量
の塩酸の注入によりpHが急激に低下するので、pH4ない
し5未満にpH調整するときは、酸の添加量は差があった
としても少量の差である。すなわち、排水の水質変動が
あっても、pH4ないし5未満への調整では、酸添加量の
過不足はわずかに過ぎない。排水に塩酸又は硫酸を注入
してまず調整するpHの値は、アルカリ度成分が除去でき
るpH4ないし5未満とするが、アルカリ度成分をほぼ完
全に除去できるpH4が望ましい。図1に見られるよう
に、原排水の性状によって、pH4〜5までは塩酸注入量
とpHの関係を示す曲線はさまざまな形状となるが、pH4
以下では塩酸注入量とpHの関係を示す曲線の形状はほぼ
同一となるので、原排水のpHをいったん4ないし5未満
に調整し、次いでセレン酸の還元反応に必要な2価の鉄
イオンを溶出するために必要な所定量の塩酸又は硫酸を
注入することにより、鉄金属充填層に通水する排水の状
態を一定とし、必要最小量の塩酸又は硫酸を用いて、安
定して処理水中のセレン濃度を0.1mg/リットル以下
とすることができる。pH4ないし5未満に調整した排水
に注入する塩酸又は硫酸の所定量は、あらかじめ塩酸又
は硫酸の注入量と処理水中のセレン濃度の関係を調べる
ことにより決定することができる。
【0008】図2は、本発明方法の実施の一態様の工程
系統図である。pH調整槽1にセレンを含有するpHが5以
上の排水を受け入れ、塩酸を加えて、例えば、pH4に調
整する。pH調整槽には、pH計2を設置してpHを測定する
とともに、pH計より塩酸注入ポンプに信号を送り、pH調
整槽内の水のpHが常に4となるよう、塩酸の注入量を制
御する。pHを4に調整した水は、ポンプ3により送水
し、配管の途中において送水量に対して所定量の塩酸を
注入したのち、鉄金属充填層4に送り込んで鉄金属と接
触させる。鉄金属充填層においては、鉄を2価の鉄イオ
ンとして溶出させ、水中のセレン酸を還元処理する。鉄
金属充填層から流出する水は、次いで反応槽5へ送り、
水酸化ナトリウムを注入し、pHを8以上に調整して鉄イ
オンを水酸化鉄として凝集させる。反応槽において鉄フ
ロックを形成した水は、次いで沈殿分離槽6へ送り、凝
集沈殿物を沈降分離し、必要に応じて上澄水にpH調整を
行って処理水とする。本発明方法によれば、セレンを含
有するpHが5以上の排水に塩酸又は硫酸を注入して酸性
に調整する工程を、排水中のアルカリ成分に消費される
酸の注入量をpHを4ないし5未満に調整することにより
制御する脱アルカリ工程と、次いで鉄金属から必要量の
2価の鉄イオン溶出させるための所定量の酸を注入する
工程の2段階に分けることにより、過剰の酸の注入を防
止して無駄な酸及び鉄金属の消費を防ぐとともに発生す
る沈殿汚泥量を減少し、しかも処理水中のセレン濃度を
安定して0.1mg/リットル以下とすることができる。
【0009】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。 参考例1(火力発電所排水の中和) 水質の変動する火力発電所排水をサンプリングし、塩酸
による中和処理を行った。pH6.1の排水A、pH7.2の
排水B及びpH7.6の排水Cに、それぞれ塩酸を注入
し、塩酸注入量とpHの関係を調べた。結果を第1表及び
図1に示す。
【0010】
【表1】
【0011】この結果から、原排水のpHによって一定の
pHに調整するために必要な塩酸の量が異なること、pH
2.5の近傍ではpHを0.1低下させるために必要な塩酸
量は約30mg/リットルであるのに対して、pH4ないし
5未満ではより少量の塩酸の注入によりpHが急激に低下
することが分かる。 参考例2(凝集沈殿及び生物脱窒による火力発電所排水
の処理) 図3に示す工程により、火力発電所排水の処理を行っ
た。貯槽7より流出する火力発電所排水は、pH6.5で
あり、SS500mg/リットル、鉄10mg/リットル、
鉛1.0mg/リットル、マンガン8.5mg/リットル、フ
ッ素50mg/リットル、全窒素65mg/リットル及びセ
レン2.5mg/リットルを含有していた。この排水を第
1凝集反応槽8に導き、硫酸バンド100mg/リットル
及びアニオン性高分子凝集剤0.5mg/リットルを添加
し撹拌したのち、第1沈殿池9において固液分離を行っ
た。第1沈殿池の上澄水を第2凝集反応槽10に導き、
ソーダ灰500mg/リットルを添加し、水酸化ナトリウ
ムをpHが8.5になるように添加したのち、第2沈殿池
11において固液分離を行った。第2沈殿池の上澄水
は、pH7.2であり、SS30mg/リットル、鉄0.1mg
/リットル以下、鉛0.1mg/リットル以下、マンガン
0.1mg/リットル以下、フッ素30mg/リットル、全
窒素60mg/リットル及びセレン2.1mg/リットルを
含有していた。第2沈殿池の上澄水を、硝化槽12及び
脱窒槽13へ通水処理し、さらに沈殿槽14においてS
Sを除去した。沈殿槽の汚泥は、一部を硝化槽へ返送し
た。沈殿槽より上澄水として流出する脱窒処理水は、pH
7.5であり、SS5mg/リットル、鉄0.1mg/リット
ル以下、鉛0.1mg/リットル以下、マンガン0.1mg/
リットル以下、フッ素10mg/リットル以下、全窒素1
0mg/リットル及びセレン0.5mg/リットルを含有し
ていた。 実施例1 参考例2で得られたpH7.5でセレン0.5mg/リットル
を含有する脱窒処理水を原排水とし、さらに図2に示す
工程により処理した。排水を容量500リットルのpH調
整槽に導き、塩酸を注入してpHを4に調整した。さら
に、この処理水をポンプにより鉄金属充填塔に通水する
配管の途中において、所定量の塩酸300mg/リットル
を注入してpH2.0とし、直径0.6mmの鉄粒子75kg
(15リットル)を充填した鉄金属充填塔に400リッ
トル/時の速度で上向流により通水した。鉄金属充填塔
から流出する水を、容量200リットルの中和反応槽に
導き、水酸化ナトリウム400mg/リットルを注入して
pHを9.5に調整して凝集反応を行った。次いで、処理
水を容量500リットルの沈殿分離槽に導き固液分離し
た。上澄水に塩酸を加えて中和したのちの最終処理水
は、pH7.0であり、セレン濃度は0.05mg/リットル
であった。 比較例1 実施例1に続いて、鉄金属充填塔に通水する配管の途中
における塩酸の注入を停止し、pH調整槽において塩酸を
注入してpHを2.0に調整した以外は実施例1と同じ処
理を行った。すなわち、pH調整槽においてpHを2.0に
調整した水を、ポンプにより実施例1と同じ直径0.6m
mの鉄粒子75kg(15リットル)を充填した鉄金属充
填塔に400リットル/時の速度で上向流により通水
し、鉄金属充填塔から流出する処理水を容量200リッ
トルの中和反応槽に導き、水酸化ナトリウム400mg/
リットルを注入してpHを9.5に調整して凝集反応を行
った。次いで、処理水を容量500リットルの沈殿分離
槽に導き固液分離した。上澄水に塩酸を加えて中和した
のちの最終処理水は、pH7.0であり、セレン濃度は0.
11mg/リットルであった。 実施例2 比較例1に続いて、処理条件を実施例1と同じ条件に切
り換えて処理を行った。すなわち、pH調整槽に導いた排
水に、塩酸を注入してpHを4に調整し、この水をポンプ
により鉄金属充填塔に通水する配管の途中において、所
定量の塩酸300mg/リットルを注入してpH2.0と
し、直径0.6mmの鉄粒子75kg(15リットル)を充
填した鉄金属充填塔に400リットル/時の速度で上向
流により通水した。鉄金属充填塔から流出する水を、実
施例1と同様に中和反応槽に導き、水酸化ナトリウム4
00mg/リットルを注入してpHを9.5に調整して凝集
反応を行い、処理水を沈殿分離槽に導き固液分離した。
上澄水に塩酸を加えて中和したのちの最終処理水は、pH
7.0であり、セレン濃度は0.07mg/リットルに回復
した。
【0012】
【発明の効果】本発明方法によれば、排水に含まれるセ
レンを効率的に除去し、セレンの規制値0.1mg/リッ
トル以下の処理水を安定して得ることができる。また、
pH調整剤、凝集剤などの薬剤使用量に無駄がなく、汚泥
発生量が少なく、経済的に処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、塩酸注入量と水のpHの関係を示すグラ
フである。
【図2】図2は、本発明方法の実施の一態様の工程系統
図である。
【図3】図3は、参考例に用いた凝集沈殿及び生物脱窒
による火力発電所排水の処理工程図である。
【符号の説明】
1 pH調整槽 2 pH計 3 ポンプ 4 鉄金属充填層 5 反応槽 6 沈殿分離槽 7 貯槽 8 第1凝集反応槽 9 第1沈殿池 10 第2凝集反応槽 11 第2沈殿池 12 硝化槽 13 脱窒槽 14 沈殿槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 1/58,1/70 C01B 19/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セレンを含有するpHが5以上の排水を、pH
    調整を行ったのち鉄金属充填層に通水して還元処理する
    方法において、排水をpH計を設置したpH調整槽に受け入
    れ、pHを測定して排水に注入する塩酸又は硫酸の注入量
    を制御することによりまずpH4ないし5未満に調整して
    アルカリ度成分を除去し、次いでpH調整槽を経た排水に
    さらに塩酸又は硫酸を所定量注入したのち鉄金属充填層
    に通水することを特徴とするセレン含有水の処理方法。
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