JP4822168B2 - フッ素含有排水の処理方法及び処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、フッ素含有排水の処理方法及び処理装置に関する。
わが国においてフッ素の排出規制は厳しくなっており、産業排水で8mg/L以下と取り決められている。これらは電子産業や金属加工業、窯業などの排水に多く含まれており、凝集沈殿や吸着などの手法を用いて脱フッ素処理されてきた。
電子産業、金属加工業などで排出されるフッ素含有排水を、安価に大量処理する一般的な方法は、凝集沈殿法であり、水酸化カルシウムや塩化カルシウムなどのカルシウム化合物を用い、フッ素をフッ化カルシウムとして除去する方法である。
生成するフッ化カルシウム汚泥の一部を返送して、消石灰などのアルカリ性カルシウム化合物と混合し、汚泥を改質して、被処理水であるフッ素含有排水と混合する工程を取り入れることをHDS(High density solid)法といい(特許文献1参照)、汚泥にフッ素が取り込まれることにより、水質を向上させ、且つ汚泥の含水率を低くして汚泥量を低減させるという効果が得られることが知られている。
従来は、図5に示す通り、被処理水に反応槽からの返送汚泥と消石灰等の混合汚泥を添加するカルシウム反応槽に設置したpH計によって、化学反応槽における返送汚泥に添加する消石灰量を決定していた(特許文献1参照)。この方法のメリットは、pH計という安価で扱いやすい計器で運転制御を行えるという点にある。しかし、pH変化だけでは、フッ素濃度やリン酸濃度を正確に把握できないため、pHから予測される最大の濃度のフッ素やリン酸を処理できるような量の消石灰等を添加する必要があった。また、消石灰等の量の変動に返送汚泥量を連動させることは制御上困難であり、返送汚泥と反応させる消石灰等の量が変化すること、被処理水と、消石灰等を添加した化学反応槽からの返送汚泥とが混ざるカルシウム反応槽におけるpHが振動して、薬注量の過不足が生じるなど、水質や汚泥性状の安定性に課題があった。
特開平5−293474号公報
本発明は、処理水の水質や汚泥性状を安定化させ得るフッ素含有排水の処理装置及びフッ素含有排水の処理方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、フッ素とともにリン酸イオンを含む排水を、フッ素と共にリン酸をも良好に処理し得るフッ素含有排水の処理装置及びフッ素含有排水の処理方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、カルシウム化合物によるフッ素除去のHDS法の安定運転と薬注量の最適化について鋭意検討を行ってきた。その結果、カルシウム化合物によるフッ素除去において、フッ素濃度を低下させるためには、カルシウム化合物をフッ素に対して当量以上添加し、余剰カルシウムイオンを存在させる必要があることに着目し、以下に述べる発明をなした。すなわち、必須である余剰カルシウムイオンを消石灰などのアルカリ性カルシウム化合物として添加することとし、汚泥を改質させるために使用するアルカリ性カルシウム化合物に、上述の余剰カルシウムの役割を兼ねさせて、一定量、返送汚泥と混合する。その結果、一定量のアルカリ性カルシウム化合物と反応させた返送汚泥を一定量被処理水と反応させて汚泥性状を安定化させる。そして、排水中のフッ素濃度やリン酸濃度に対応する量のカルシウム化合物を、フッ素濃度やリン酸濃度を測定して、消石灰や塩化カルシウムなどの形態で別工程により添加することで、薬注量を適正に保ち、水質と汚泥性状を安定化させることに成功した。
従って、本発明によるフッ素含有排水の処理方法は、
フッ素含有排水のカルシウム化合物による処理方法において、
前記排水に含まれるフッ素濃度を計測し、その測定値に基づいてフッ素濃度に対応する量のカルシウム化合物を排水に添加する工程と;
前記排水と前記カルシウム化合物とで形成された汚泥の少なくとも一部にアルカリ性カルシウム化合物を、カルシウム基準で、100mg/L以上500mg/L以下添加してアルカリ性カルシウム化合物添加汚泥を得る工程と;
排水に前記アルカリ性カルシウム化合物添加汚泥を添加する工程と;
を有するフッ素含有排水の処理方法であって、
更に、前記排水に含まれるリン酸濃度の測定値に対応する量のカルシウム化合物及び鉄化合物を前記排水に添加する工程と、を有し、
前記鉄化合物の添加量はリン酸に対して1/3〜3倍当量であり、
前記アルカリ性カルシウム化合物が、消石灰である
ことを特徴とする。
一方、本発明によるフッ素含有排水の処理装置は、フッ素含有排水のフッ素濃度を計測するフッ素濃度計を備えた原水槽と;
前記排水に含まれるフッ素濃度に応じた量のカルシウム化合物を前記排水に添加するカルシウム反応槽と;
前記排水と前記カルシウム化合物とで形成された汚泥の少なくとも一部にアルカリ性カルシウム化合物を、カルシウム基準で、100mg/L以上500mg/L以下添加してアルカリ性カルシウム化合物添加汚泥を形成させる化学反応槽と;
からなるフッ素含有排水の処理装置であって、
前記アルカリ性カルシウム化合物添加汚泥は、前記カルシウム反応槽に供給され、
前記カルシウム反応槽は、更に、前記排水に含まれるリン酸濃度に応じた量のカルシウム化合物が供給され、
前記排水に含まれるリン酸濃度に応じた量の鉄化合物が、前記排水に添加される鉄反応槽において供給される、又は前記カルシウム反応槽においてライン注入により供給され、
前記鉄化合物の添加量はリン酸に対して1/3〜3倍当量であり、
前記アルカリ性カルシウム化合物が、消石灰である
ことを特徴とする。
なお、本発明において、アルカリ性カルシウム化合物とは、消石灰などのアルカリ性を示すカルシウム化合物や、塩化カルシウムなどの一般的なカルシウム化合物とアルカリ剤とを混合してアルカリ性を示すものをいう。
処理水の水質が改善するとともに、低含水率に改質された汚泥が得られる。
本発明によるフッ素含有排水の処理装置及びフッ素含有排水の処理方法のフローの例を、図面を参照しながら、以下に説明する。
図1は、本発明によるフッ素含有排水の処理装置に係るフッ素含有排水処理フローの概略図である。図1の例に示すフローは、排水を貯蔵する原水槽1と、排水とカルシウム化合物とを反応させるカルシウム反応槽2と、得た被処理物に酸を添加してpHを調整する中和槽3と、得た被処理物にポリアクリルアミド部分加水分解物、ポリアクリル酸塩などの高分子凝集剤を添加して凝集処理する凝集槽4と、処理水と汚泥とに分離する沈殿槽5と、得た汚泥にアルカリ性カルシウム化合物を添加する化学反応槽6とからなる。
原水槽1に貯蔵される排水は、フッ素濃度計により排水のフッ素濃度が計測された後、カルシウム反応槽2に供給される。カルシウム反応槽2では、供給された排水に、上述のフッ素濃度の測定値に基づいた量のカルシウム化合物が供給される。このフッ素濃度の測定値に基づく量は、通常、当量とする。排水及びカルシウム化合物を供給されたカルシウム反応槽2には、さらに、後述する返送汚泥に一定量のアルカリ性カルシウム化合物を添加して得たアルカリ性カルシウム化合物添加汚泥が供給される。
カルシウム反応槽2において、排水と、カルシウム化合物と、上述のアルカリ性カルシウム化合物添加汚泥とを反応させて得た処理水は、中和槽3においてpHを調整された後、凝集槽4に送給される。凝集槽4では、この被処理物に高分子凝集剤を添加して、凝集処理する。このポリマーの添加量は、処理水に対して0.1〜5mg/Lとするのが好ましい。
凝集槽4にて、十分に凝集処理がなされた処理水は、沈殿槽5に供給されて沈降分離処理される。得た処理水は系外に排出される一方、汚泥は、所定量が返送汚泥として化学反応槽6に供給され、残部は系外へ排出される。
(カルシウム化合物、鉄化合物及びアルカリ)
図1に示す例では、カルシウム化合物は、排水に含まれるフッ素濃度に応じた量がカルシウム反応槽2に添加されるが、図2乃至図4に示すように、排水にさらにリン酸イオンが含まれる場合には、このリン酸濃度に応じた量のカルシウム化合物をさらに添加してもよい。また、排水に含まれるリン酸濃度に応じて、系内に鉄化合物を添加してもよい。
排水に含有されるリン酸濃度に応じて鉄化合物を系内に添加する場合、図3に示すように、カルシウム反応槽2の上流の配管に鉄化合物をライン注入してもよい。また、図4に示すように、カルシウム反応槽2の上流に配置された鉄反応槽7に排水と共に鉄化合物を添加してもよい。さらに、リン酸とカルシウムとの反応を抑制しながらリン酸と鉄との反応を促進させることを目的として、鉄反応槽7のpHが4〜6となるように鉄反応槽7にpH調整剤を添加してもよい。このpH調整剤は、排水のpHに依存して、排水のpHを上述の範囲とし得る化合物であれば種々用い得るが、例えば、排水のpHが1〜3である場合、水酸化ナトリウムなどのアルカリを添加してもよい。本発明に用いる鉄化合物には、塩化第二鉄、塩化第一鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、など、種々の無機鉄化合物が挙げられる。なお、これら鉄化合物の添加量は、リン酸に対して通常1/3〜3倍当量である。
本発明によるカルシウム化合物は、フッ素濃度計及び/又はリン酸濃度計で測定したフッ素濃度及び/又はリン酸濃度の当量の和に少なくとも相当する量をカルシウム反応槽2に添加されることが好ましい。カルシウム反応槽2に添加するカルシウムの濃度を、フッ素及び/又はリン酸濃度の測定値で表すと以下の通りである。
(1)リン酸が存在しない場合
CCa/40=CF/19/2・・・式[1]
(2)リン酸が存在する場合
CCa/40=CF/19/2+CPO/95・・・式[2]
(3)リン酸が存在し、鉄化合物を添加する場合(鉄が三価の場合)
CCa/40=CF/19/2+(CPO/95−Cfe/55.85)・・・式[3]
ただし、式[3]において、CPO/95<Cfe/55.85である場合は、式[1]を適用する。
また、返送汚泥にアルカリ性カルシウム化合物を添加する際、添加するアルカリ性カルシウム化合物の一部を化学反応槽に添加し、残りの一部をカルシウム反応槽に添加してもよい。この場合、カルシウム反応槽に添加すべきカルシウム化合物の量、つまり、上述の式[1]〜[3]のCCa/40は、上述のカルシウム反応槽に添加した残りの一部のアルカリ性カルシウム化合物のカルシウム濃度換算値を控除した値となる。また後述するが、カルシウム反応槽に添加するカルシウムが常に一定量である場合は、その一部を化学反応槽に振り分けることもできる。
なお、CCaは、添加するカルシウムの濃度(mg/L)を示し、CFは、フッ素濃度の測定値(mg/L)を示し、CPOは、リン酸濃度の測定値(mg/L)を示し、Cfeは、鉄化合物の添加量(mg/L)を示す。
上述の式[1]乃至[3]は、カルシウムとフッ素はCaF、カルシウムとリン酸はCaHPO、鉄とリン酸はFePOの形で沈殿するとした場合の反応比に基づく。
フッ素濃度やリン酸濃度に応じて添加するカルシウム化合物は、消石灰(水酸化カルシウム)、塩化カルシウム、炭酸カルシウムなど、種々の無機カルシウム化合物が挙げられる。カルシウム化合物として消石灰を用いる場合、通常、10%程度の水酸化カルシウムのスラリーとして使用される。
(中和工程)
カルシウム反応槽2において排水とカルシウム化合物とアルカリ性カルシウム化合物添加汚泥とを反応させて得た処理水は、中和槽3に導入される。中和槽3では、図1乃至図4に示すように、導入される処理水のpHに応じて、酸を添加して、処理水のpHを調節する。好適なpHは、6.5〜7である。中和に用いる酸は、中和槽3の処理水のpHを調節し得る物質であれば、特に制約は無いが、塩酸や硫酸などの鉱酸が挙げられ、硫酸は、水質を向上させる点や、汚泥の圧変化に寄与する効果がある点や、安価である点から、好ましく、フッ素除去阻害が起きない範囲で使用することが好ましい。
図1乃至図4では、中和に用いる酸を中和槽3に直接添加する方法について説明したが、例えば、一定量の硫酸をカルシウム反応槽2や中和槽3に直接添加又はライン注入してもよい。中和槽3に導入された処理水のpHに応じて、例えば、塩酸を用いて処理水のpHを調節する。この場合、添加する硫酸は、好ましくは50mg/L〜500mg/Lであり、さらに好ましくは、150mg/L〜350mg/Lである。
(凝集工程)
中和工程において略中性に処理された処理水は、凝集槽4に送給される。凝集槽4では、処理水にポリアクリルアミド部分加水分解物、ポリアクリル酸などの高分子凝集剤を添加して、処理水中の固形分を凝集させる。添加する高分子凝集剤の量は、処理水中の固形分を凝集させ得る量であれば特に制限されないが、例えば、0.1〜5mg/Lとするのが好ましい。
(沈殿工程)
凝集工程で処理された処理水は、沈殿槽5に送給され、固液分離される。分離した上澄水は、系外に排出され、沈殿分離した沈殿物は、汚泥として、一部が系外に排出され、残部が後述する返送汚泥として化学反応槽6に供給される。なお、系外に排出した沈殿物は、必要に応じて、脱水などの処理をされた後処分される。なお、ここでは、沈殿槽を使用したが、固液分離できれば、これに限られず、例えば、脱分離装置や遠心分離装置等を適用してもよい。
(アルカリ性カルシウム化合物添加汚泥)
本発明におけるアルカリ性カルシウム化合物添加汚泥は、沈殿槽5で形成された返送汚泥と、アルカリ性カルシウム化合物とを、化学反応槽6で添加して形成される。この結果、返送汚泥の表面側に水酸基又はカルシウムイオンを集積してより強固な沈殿物をなすことができるとともに、カルシウム反応槽2で排水中のフッ素やリン酸イオンと速やかに沈殿反応が起こる。形成されたアルカリ性カルシウム化合物は、排水が供給されるカルシウム反応槽2に供給される。なお、アルカリ性カルシウム化合物としては、消石灰など、単独でアルカリ性を呈するものや、塩化カルシウムと苛性ソーダなどのアルカリ剤とを混合してアルカリ性を呈するものなどが挙げられる。アルカリ性カルシウム化合物として消石灰を用いる場合、例えば、10%程度の水酸化カルシウムのスラリーとしてもよい。
返送汚泥に添加するアルカリ性カルシウム化合物の量は、カルシウム濃度として、100〜500mg/L、好ましくは、200〜400mg/Lである。100mg/L未満の場合は、汚泥改質が進まず、500mg/Lよりも大きいと、大過剰のカルシウムが常に添加されることとなり、いずれも不都合である。
上述のカルシウム化合物は、上述のアルカリ性カルシウム化合物とは別に、フッ素濃度やリン酸濃度に応じて、カルシウム反応槽2に添加する。ただし、フッ素濃度やリン酸濃度に下限値があり、カルシウム化合物として最低限必要な量が既知である場合は、最低限必要なカルシウムをアルカリ性カルシウム化合物として化学反応槽6に添加し、カルシウム反応槽2に添加するカルシウムを減らすこともできる。
汚泥返送量に関しては、被処理水から新たに発生する固形分の10〜40倍量、好ましくは20〜30倍の返送量を返送する。10倍量未満であると、低含水率汚泥が得られず、40倍量を超えると、汚泥の硬度や粒子径が著しく増大し、沈殿槽5、ポンプ、配管、攪拌翼などへの負荷が過大となるため、いずれも不都合である。
なお、カルシウム反応槽2、中和槽3及び凝集槽4における好適なpHは、それぞれ、7〜12、6.5〜7及び6.5〜7である。
(実施例1及び比較例1)
図1及び図5に示すフローに従って、フッ素濃度が210〜340mg/Lと変動し、リン酸を含まないフッ素含有排水を脱フッ素処理した。それぞれ、実施例1、比較例1とする。いずれも、中和槽に使用する酸として塩酸を使用し、中和槽の硫酸濃度が常時200mg/Lとなるように硫酸を導入した。実施例1におけるフッ素濃度に応じて添加するカルシウム化合物として消石灰を用い、上述の式[1]に従った量の消石灰を添加した。結果を表1に示す。カルシウム反応槽2に添加する消石灰量を一定とし、フッ素濃度に応じて添加する消石灰量を変化させる実施例1の方が、pHで消石灰量を調節する比較例1よりも添加カルシウムの量を安定させ、高い処理水質(低フッ素濃度)が得られ、本発明の有効性が示された。汚泥の含水率に関しては、実施例1の方が低くなった。
Figure 0004822168
(実施例2及び比較例2)
図2及び図5に示すフローに従って、フッ素濃度50〜110mg/L、リン酸濃度0〜100mg/Lと変動するフッ素含有排水を脱フッ素処理した。それぞれ、実施例2、比較例2とする。いずれも中和には、硫酸を使用し、中和槽に導入した。実施例2におけるフッ素濃度とリン酸濃度に応じて添加するカルシウム化合物として塩化カルシウムを用い、上述の式[2]に従って添加した。結果を表2に示す。化学反応槽6に添加する消石灰量を一定とし、フッ素濃度とリン酸濃度とに応じて添加する塩化カルシウム量を変化させる実施例2の方が、pHで消石灰量を調節する比較例2よりも添加カルシウムの量を安定させ、高い処理水質(低フッ素濃度)と低い汚泥含水率が得られており、本発明の有効性が示された。また、含水率の点でも、実施例2の方が優れていた。なお、リン酸は、実施例2、比較例2ともに処理水中に検出されなかった。
Figure 0004822168
(実施例3及び4並びに比較例3)
図3、図4及び図5に示すフローに従って、フッ素濃度120〜190mg/L、リン酸濃度200〜300mg/Lと変動するフッ素含有排水を脱フッ素処理した。それぞれ、実施例3、実施例4及び比較例3とする。フッ素濃度とリン酸濃度とに応じて添加するカルシウム化合物として、アルカリ性カルシウム化合物を用い、上述の式[3]に従って添加した。また、直接添加により、常時300mg/Lの硫酸を導入するとともに、塩酸を中和槽に導入した。さらに、実施例3、4においては、リン酸濃度の測定値に基づいて、リン酸の1/2当量の塩化第二鉄を導入した。また、結果を表3に示す。化学反応槽6に添加する消石灰量を一定とし、まず、リン酸濃度に応じて鉄化合物を添加し、その後、フッ素濃度とリン酸濃度に応じて消石灰を添加する実施例3又は4の方が、pHで消石灰量を調節する比較例3よりも添加カルシウムの量を安定させ、高い処理水質(低フッ素濃度、低リン酸濃度)と低い汚泥含水率が得られており、本発明の有効性が示された。
Figure 0004822168
(実施例5、6、7及び8)
フッ素濃度が210〜340mg/Lと変動しリン酸を含まないフッ素含有排水を、図1に示すフローに従って、カルシウム反応槽に添加する消石灰の量を変化させ、処理水質等の影響を検討した。また、処理水にPACを200mg/Lとなるように添加し、二段凝集処理を検討した。表4に結果を示す。
Figure 0004822168
本発明によるフッ素含有排水の処理装置に係るフッ素含有排水処理フローの概略図である。 カルシウム化合物のみを用いて行う、本発明によるフッ素含有排水の処理装置に係るリン酸を含むフッ素含有排水処理フローである。 鉄化合物をライン注入して行う、本発明によるフッ素含有排水の処理装置に係るリン酸を含むフッ素含有排水処理フローである。 鉄反応層を用いて行う、本発明によるフッ素含有排水の処理装置に係るリン酸を含むフッ素含有排水処理フローである。 既存法によるフッ素含有排水処理フローである。
符号の説明
1 原水槽
2 カルシウム反応槽
3 中和槽
4 凝集槽
5 沈殿槽
6 化学反応槽
7 鉄反応槽

Claims (2)

  1. フッ素含有排水のカルシウム化合物による処理方法において、
    前記排水に含まれるフッ素濃度を計測し、その測定値に基づいてフッ素濃度に対応する量のカルシウム化合物を排水に添加する工程と;
    前記排水と前記カルシウム化合物とで形成された汚泥の少なくとも一部にアルカリ性カルシウム化合物を、カルシウム基準で、100mg/L以上500mg/L以下添加してアルカリ性カルシウム化合物添加汚泥を得る工程と;
    排水に前記アルカリ性カルシウム化合物添加汚泥を添加する工程と;
    を有するフッ素含有排水の処理方法であって、
    更に、前記排水に含まれるリン酸濃度の測定値に対応する量のカルシウム化合物及び鉄化合物を前記排水に添加する工程と、を有し、
    前記鉄化合物の添加量はリン酸に対して1/3〜3倍当量であり、
    前記アルカリ性カルシウム化合物が、消石灰である
    ことを特徴とするフッ素含有排水の処理方法。
  2. フッ素含有排水のフッ素濃度を計測するフッ素濃度計を備えた原水槽と;
    前記排水に含まれるフッ素濃度に応じた量のカルシウム化合物を前記排水に添加するカルシウム反応槽と;
    前記排水と前記カルシウム化合物とで形成された汚泥の少なくとも一部にアルカリ性カルシウム化合物を、カルシウム基準で、100mg/L以上500mg/L以下添加してアルカリ性カルシウム化合物添加汚泥を形成させる化学反応槽と;
    からなるフッ素含有排水の処理装置であって、
    前記アルカリ性カルシウム化合物添加汚泥は、前記カルシウム反応槽に供給され、
    前記カルシウム反応槽は、更に、前記排水に含まれるリン酸濃度に応じた量のカルシウム化合物が供給され、
    前記排水に含まれるリン酸濃度に応じた量の鉄化合物が、前記排水に添加される鉄反応槽において供給される、又は前記カルシウム反応槽においてライン注入により供給され、
    前記鉄化合物の添加量はリン酸に対して1/3〜3倍当量であり、
    前記アルカリ性カルシウム化合物が、消石灰である
    ことを特徴とするフッ素含有排水の処理装置。
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