JP3399276B2 - 弗素含有排水の処理方法 - Google Patents
弗素含有排水の処理方法Info
- Publication number
- JP3399276B2 JP3399276B2 JP04692797A JP4692797A JP3399276B2 JP 3399276 B2 JP3399276 B2 JP 3399276B2 JP 04692797 A JP04692797 A JP 04692797A JP 4692797 A JP4692797 A JP 4692797A JP 3399276 B2 JP3399276 B2 JP 3399276B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fluorine
- concentration
- wastewater
- containing wastewater
- added
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Removal Of Specific Substances (AREA)
Description
て排出される弗素含有排水の処理方法、詳しくは弗化カ
ルシウム析出反応を利用して弗素含有排水から弗素を除
去する処理方法に関する。
る工程や金属表面加工処理工程等では多量のエッチング
剤が使用される。このエッチング剤として、弗化水素或
いは弗化水素及び弗化アンモニウムを主成分とするエッ
チング剤が主に使用されている。弗化水素を主成分とす
るエッチング剤は、弗素をHFとして例えば0.9%程
度含み、大量に使用される。一方、弗化水素及び弗化ア
ンモニウムを主成分とするエッチング剤(バッファード
弗酸)は、使用量が少ないものの、弗素をHFとして例
えば7%程度含む。エッチング処理工程からは、これら
のエッチング剤がほぼそのまま流出することが多く、高
濃度弗素含有排水(処理工程排水)となる。一方、エッ
チング途中や終了時には、これらのエッチング剤で処理
された材料を大量の洗浄水で洗浄するため、かかる洗浄
工程からは、大量の低濃度弗素含有排水(洗浄工程排
水)が排出される。このため、例えば、半導体や液晶基
板製造工程においては、小流量の弗素濃度500〜10
000mg/Lの高濃度弗素含有排水と大流量の弗素濃
度10〜50mg/Lの低濃度弗素含有排水が排出され
るのが一般的である。
れる高濃度弗素含有排水と低濃度弗素含有排水中にはエ
ッチング剤として使われている弗酸等の弗素分が含まれ
ているが、弗素の放流基準は15mg/L以下とされて
おり、多くの自治体において更に厳しい上乗せ基準が設
けられており、その基準値が1〜8mg/L以下となっ
ている自治体も多い。
て、従来は、高濃度弗素含有排水と低濃度弗素含有排水
とを混合してから、例えば、塩化カルシウムや消石灰
〔Ca(OH)2 〕等のカルシウムイオンを発生する物
質(以下、「カルシウム化合物」と称する)を添加し、
弗化カルシウムとして晶析させてから固液分離する方法
を用いて、これらの弗素含有排水から弗素を除去してい
る。弗化カルシウム晶析の反応式は、以下の通りであ
る。 Ca2+ + 2F- = CaF2 ↓
低濃度弗素含有排水とを混合して得られる混合排水は、
弗素濃度が低濃度弗素含有排水に近い弗素濃度になるこ
とが多く、そのため弗素除去効率を悪くしている。Ca
F2 の20℃での溶解度積Kspは、Ksp=〔C
a2+〕〔F- 〕2 =3.45×10-11 の式で表され
る。しかし、実際の排水では、カルシウム化合物の添加
により〔Ca2+〕と〔F- 〕2 の積が溶解度積に達し、
また、これを多少越えても、CaF2 が析出することは
無く、常に準安定な過飽和状態として溶液に存在する。
そのため、過剰なカルシウムイオン(カルシウム化合
物)を投入してCaF2 の過飽和状態を破壊すると共
に、大過剰のポリ塩化アルミニウム(PAC)等の無機
凝集剤を添加し弗素を吸着・共沈することにより処理水
の水質を確保しているが、短時間で効率良く処理するこ
とは困難で、また、薬品の無駄遣い、汚泥処理量の増
加、処理水中への高濃度のカルシウムイオンの残存、設
備投資の増加等の問題点を抱えている。また、上記の溶
解度積の式から分かるように、F- イオン濃度が低下す
ればするほど、CaF2 の過飽和状態を破壊するために
投入するCa2+の量は2乗の関係で増加し、低濃度のF
- イオン(例えば、20〜30mgF- /L)を除去す
るためには、反応槽内の排水を非常に高いCa2+イオン
濃度(例えば、1000mgCa2+/L以上)にしない
と、F- イオンをCaF2 析出物として除去することは
できず、また、このようにCa2+イオン濃度を高濃度に
して弗素含有排水を処理して得られる処理水はスケール
の問題を伴う。
は、先に、原水としての弗素含有排水を分割した一部
に、全排水に添加すべきカルシウムイオン(カルシウム
化合物)の全量を添加(注入)し、得られる反応液を残
りの大部分の弗素含有排水中に混合し、該反応液中に生
成したCaF2 の晶出物を種晶として用い、全排水から
弗素を除去する所謂「原水分注方法」を提案した(特開
平6−312190号公報)。この方法により、多くの
弗素含有排水に対応できるようになった。しかし、弗素
含有排水中の弗素濃度が非常に低い場合や各種の妨害イ
オン類等が共存する場合、上述のように原水の一部にカ
ルシウムイオン(カルシウム化合物)の全量を添加して
も種晶ができなかったり、または、できた種晶の数が足
りなかったりすることがあるので、弗素含有排水の処理
が困難な場合がある。
できる弗素含有排水の効率的な処理方法を提供せんとす
るものである。
にカルシウム化合物を添加して排水中の弗素を弗化カル
シウムとして除去するに当たり、弗素含有排水を高濃度
弗素含有排水と低濃度弗素含有排水とに分別し、全排水
に添加すべきカルシウム化合物の全量を高濃度弗素含有
排水に添加、反応させ、得られる反応液を固液分離せず
に低濃度弗素含有排水に添加、反応させてから固液分離
を行なうことを特徴とする弗素含有排水の処理方法を提
供するものである。
から分かるように、〔F- 〕は2乗で寄与するため、
〔Ca2+〕に比べてCaF2 の晶析反応に及ぼす影響が
格段に大きくなる。従って、F- イオン濃度が高い高濃
度弗素含有排水は、高濃度弗素含有排水と低濃度弗素含
有排水とを混合して得られる混合排水に比べてCaF2
の晶析が著しく起こり易くなる。そこで、高濃度弗素含
有排水に、全排水に添加すべきカルシウム化合物の全量
を添加し、Ca2+イオン濃度も高めてCaF2 析出反応
を充分に促進せしめ、得られる反応液を固液分離するこ
と無く低濃度弗素含有排水に供給すれば、高濃度弗素含
有排水中に生成したCaF2 の結晶を種晶として利用す
ることができ、該反応液中に残存していたCa2+と低濃
度弗素含有排水中のF- との析出反応を該種晶が促進す
るので、安定的且つ効果的にF- イオンを除去すること
ができる。
F- イオン濃度と全排水に添加すべきカルシウム化合物
の全量の添加による高Ca2+イオン濃度との相乗効果に
より、先ず高濃度弗素含有排水中のF- イオンをCaF
2 として最大限に析出させ、生成したばかりのCa
F2 、即ち、ゾル状のCaF2 を含む反応液をそのまま
低濃度弗素含有排水に供給することにより、ゾル状のC
aF2 の表面で残存Ca2+イオンと低濃度弗素含有排水
中のF- イオンとの反応生成物としてのCaF2 の晶出
を行い、安定的な弗素の除去処理を行なうことが特徴で
あって、これにより、特に処理が難しい低濃度弗素含有
排水の弗素除去処理に優れた効果を発揮し、また、処理
水中の残存Ca2+イオン濃度も低減できるものである。
分としてNaFを含む模擬排水を用いて行なった実験の
結果を示すもので、種晶(予め弗素イオン含有水にカル
シウムイオンを添加して得られたCaF2 析出物を用い
た)の濃度と処理水のF- イオン濃度の関係を示すグラ
フを表す図である。図3から分かるように、CaF2種
晶の存在量も処理効果に非常に大きな影響を及ぼす。模
擬排水の場合、種晶として10mg/L以上のCaF2
が必要であったが、実際の場合には約10〜約200m
g/Lの範囲でCaF2 が必要で、50〜200mg/
L程度のかなりの量の種晶を必要とすることも多い。従
って、高濃度弗素含有排水の量が少なく、低濃度弗素含
有排水を処理するに当たってCaF2 種晶が不足するこ
とも考えられる。その場合、種晶を形成する高濃度弗素
含有排水反応槽(第一反応槽)に適当な弗素化合物を添
加すればCaF2 種晶の数を増やすのに効果的である。
ナトリウム、弗化アンモニウム、弗化カルシウム等が好
適で、珪弗酸塩は析出を妨害する逆作用を生じることが
あるため使用しない方が良い。なお、弗素化合物の添加
は、連続的に行なっても良いが、間歇的に行なったり、
或いは、CaF2 種晶の量(高濃度弗素含有排水の流量
と弗素濃度から計算できる)に応じて弗素化合物の添加
を制御してもよい。高濃度弗素含有排水と低濃度弗素含
有排水の流量比、或いは、処理水の弗素濃度を監視し
て、弗素化合物の添加の制御を行なうこともできる。
ム〔CaCl2 〕、消石灰〔Ca(OH)2 〕、炭酸カ
ルシウム〔CaCO3 〕等を用いることができる。カル
シウム化合物の添加量は、弗素濃度と排水流量によるフ
ィードフォワード制御でもよいが、カルシウムイオンモ
ニター装置を用いて処理後の排水中のカルシウムイオン
濃度によるフィードバック制御を行なうのがより好まし
い。カルシウムの添加量は、弗素含有排水の成分や処理
水の要求水質により異なるが、一般的には、処理水中の
残留溶存カルシウム濃度が200〜800mg/Lとな
るような過剰量である。
量を高濃度弗素含有排水に添加、反応させ、得られる反
応液を固液分離せずに低濃度弗素含有排水に添加、反応
させて処理した全排水は、直接的に膜分離等の方法で固
液分離してもよいが、凝集剤を用いて、凝集反応槽でC
aF2 析出物を凝集反応させた後、必要に応じて沈降槽
で沈降させて、固液分離してもよい。凝集剤としては、
ポリ塩化アルミニウム(PAC)や硫酸バンド等のアル
ミニウム系凝集剤、塩化第二鉄等の鉄系凝集剤等を用い
ることができる。また、多くの場合は凝集助剤として有
機高分子凝集剤を併用して、効果的な固液分離を図る。
凝集剤の使用は、固液分離の促進だけでなく、共沈効果
による弗素イオン(F- )の一層の除去を図るためでも
ある。
では不十分で(例えば、高濃度弗素含有排水から得られ
る反応液の種晶の数が足りない場合)、上記のような弗
素化合物の添加も行なわない場合、固液分離後の固形分
としての汚泥の少なくとも一部を高濃度弗素含有排水を
処理する第一反応槽及び/又は低濃度弗素含有排水を処
理する第二反応槽に返送供給することにより所望の処理
を行うことができる。
ンド等のアルミニウム系の凝集剤を用いた場合は、固液
分離後の固形分としての汚泥の少なくとも一部を水酸化
ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリで処理し、ア
ルミフロックを溶解させてから、例えば静置により固液
分離を行い、上澄みの液体分を凝集反応槽に返送添加し
て凝集剤として再利用すると共に、固形分としての汚泥
(沈澱物)を第一反応槽(高濃度弗素含有排水処理槽)
及び/又は第二反応槽(低濃度弗素含有排水処理槽)に
種晶として返送供給することにより所望の処理を行なう
こともできる。消石灰をカルシウム化合物として使用す
る場合、その消石灰の一部又は全部を上記汚泥を溶解す
るアルカリ剤として使用し、アルミフロック溶解後に得
られる固形分としての汚泥(沈澱物)を高濃度弗素含有
排水を処理する第一反応槽に供給するのが好ましい。
本発明の実施の形態を具体的に説明するが、本発明がこ
れらに限定されるものでないことは言うまでも無い。
方法の一例を表したフロー図である。第一反応槽に高濃
度弗素含有排水を流入させ、pH調整剤と共に高濃度弗
素含有排水及び低濃度弗素含有排水の全排水に添加すべ
きカルシウム化合物の全量を第一反応槽に加え、CaF
2 析出反応を行なう。第一反応槽では、全排水に添加す
べきカルシウム化合物の全量が添加されるので、排水中
のCa2+イオン濃度が極めて高くなり、また、排水が高
濃度弗素含有排水のみなのでF- イオン濃度も高く、C
aF2 は速やかに析出する。なお、CaF2 生成反応に
おいては、pHが4以上になれば、pHはCaF2 析出
反応に殆ど悪影響しないので、第一反応槽のpHは必要
に応じて4〜12の間に調整すれば良く、安定性の点で
5〜12の間にpH調整するのが好ましい。なお、pH
が4より低くなるとCaF2 析出物の再溶解が起こるこ
ともあり、CaF2 析出反応が円滑に進まないことがあ
る。
すると共に、低濃度弗素含有排水を第二反応槽へ流入さ
せる。第二反応槽のpH調整は、第二反応槽におけるp
Hが好ましくはほぼ中性になるように第一反応槽に予め
過剰量のpH調整剤を添加するようにしても、第二反応
槽にpH調整剤を添加して改めてpH調整するようにし
ても、いずれでもよいが、具体的には、排水の安定性、
設備の問題、使用する薬品によって適宜に決めればよ
い。
本質的にはこの反応は瞬間的に進行するが、析出反応は
上記の溶解度積などの影響を強く受ける。かかる観点か
ら、第一反応槽での滞留時間は2〜10分程度とするの
が好ましく、第二反応槽での滞留時間は、CaF2 の析
出をできるだけ完全に行なわせる見地から、20〜40
分程度とするのが好ましい。
こで凝集剤を添加すると共にpH調整剤を添加してpH
調整を行ないながらCaF2 の析出物を凝集させ、得ら
れる懸濁液を沈澱槽に送り、ここで沈澱汚泥と処理水と
に固液分離する。なお、凝集槽は必ずしも必要でなく、
省略する場合もある。また、沈澱槽の代わりに膜分離装
置を使用してもよい。従って、固液分離の手段として、
必要に応じて、凝集沈澱処理に代えて、例えば、凝集処
理と膜分離の組み合わせ又は凝集処理を省略して単に膜
分離を行なってもよい。膜分離装置としては、例えば、
逆浸透膜、限外濾過膜、精密濾過膜等を使用したものを
挙げることができる。
方法の他の一例を表したフロー図をである。ポリ塩化ア
ルミニウム(PAC)又は硫酸バンドを凝集剤として用
いた場合で、沈澱槽からの沈澱汚泥の一部を汚泥溶解槽
に供給し、ここでアルカリ剤を添加して、アルミフロッ
クを溶解させて、例えば静置により固液分離し、上澄み
の液体分を凝集槽に返送添加して凝集剤として再利用
し、一方、固形分としての沈澱物(汚泥)を第一反応槽
及び/又は第二反応槽に種晶として返送添加する。以上
の追加的な操作以外は図1の実施態様と同じ操作を行な
う。図2の実施形態は、凝集剤の再利用と沈澱汚泥の種
晶としての利用を行い、より効率的な弗素含有排水の処
理を可能とするもので、例えば、高濃度弗素含有排水量
が少なく、低濃度弗素含有排水中のF- イオンを充分に
CaF2 として析出させるのに種晶が不足する場合など
に特に効果的である。なお、図2においては、沈澱物を
返送添加するラインは、第一反応槽及び第二反応槽の両
方に向かって分岐するように描かれているが、分岐せず
に第一反応槽又は第二反応槽の片方に向かうラインであ
ってもよいことは言うまでも無い。
る固形分(沈澱汚泥)は、常法に従ってCaF2 の回収
処理等の処理に付される。回収CaF2 は、弗化水素酸
製造用原料として再利用することもできる。
が、本発明がこの実施例に限定されるもので無いことは
言うまでも無い。
が1150mg/L、低濃度弗素含有排水(流量:24
0m3 /h)の弗素濃度が19mg/Lである某半導体
製造工場の両弗素含有排水を両者の流量の比で採取し、
以下のケースに分けて実験を行なった。
してから(混合後の排水中の弗素濃度:64mg/
L)、処理水中の残存溶存カルシウムイオン濃度が80
0mg/Lとなるように塩化カルシウムを添加、反応さ
せた後、PACを添加して凝集・沈澱を行なった。
の比率で排水を分け、少ない方の排水に、添加すべき
(最終処理水中の残存溶存カルシウムイオン濃度が30
0mg/Lとなるように)塩化カルシウムの全量を添加
し、得られた反応液を残りの排水に添加、反応させた
後、PACを添加して凝集・沈澱を行なった。
べき(最終処理水中の残存溶存カルシウムイオン濃度が
300mg/Lとなるように)塩化カルシウムの全量を
添加し、得られた反応液を低濃度弗素含有排水に添加、
反応させた後、PACを添加して凝集・沈澱を行なっ
た。
度が1500mg/Lとなるように高濃度弗素含有排水
に弗化ナトリウムを添加してから、添加すべき(最終処
理水中の残存溶存カルシウムイオン濃度が300mg/
Lとなるように)塩化カルシウムの全量を添加し、得ら
れた反応液を低濃度弗素含有排水に添加、反応させた
後、PACを添加して凝集・沈澱を行なった。
すべき(最終処理水中の残存溶存カルシウムイオンが3
00mg/Lとなるように)塩化カルシウムの全量を添
加して高濃度排水反応液を得る一方で、全排水に対して
40ml/Lの沈澱汚泥(予め、両排水をケース3と同
様に処理して得られた沈澱汚泥、SS:20000mg
/L)にアルカリとしての水酸化ナトリウムを混合して
pHを12.5に調整し、静置後、得られた固形分とし
ての沈澱物(汚泥として、全排水に対して14ml/
L)を上記高濃度排水反応液と共に低濃度弗素含有排水
に混合、反応させて低濃度排水反応液を得た後、上述の
沈澱汚泥アルカリ処理により得られた液体分としての上
澄み(全排水に対して26ml/L)を新しいPAC
(全排水に対して200mg/L)と共に上記低濃度排
水反応液に添加し、凝集・沈澱を行なった。
は、pH値を記載した場合以外は、中性であった。全ケ
ースにおいて、PAC添加量は、全排水に対して200
mg/Lであった。各実験の結果(PAC添加による凝
集沈澱前の反応液をメンブレンフィルターで濾過して得
た濾液中の溶存F- 濃度と凝集沈澱後の上澄み中の溶存
F- 濃度)を表1に示す。
では(ケース1)、カルシウムイオン濃度を高くしても
弗化カルシウム結晶の形成が殆ど無く、凝集処理後の処
理水の弗素濃度も30mg/Lと高く、水質基準を達成
するためには更なる無機凝集剤の添加が必要である。ケ
ース2のような原水分注法(混合排水を分割した一部に
塩化カルシウムを注入する方法)では、処理結果はケー
ス1に比べて改善できたが、未だ不十分であった。ケー
ス3のように高濃度弗素含有排水と低濃度弗素含有排水
を分けて2ステップで処理した場合、処理水質が更に良
くなった。ケース4の場合、高濃度弗素含有排水に弗化
ナトリウムを添加したため、弗化カルシウム種晶の数が
増加し、処理結果の一層の改善が見られた。また、同じ
理由で、ケース5(沈澱汚泥をアルカリで処理してアル
ミフロックを溶解し、残った弗化カルシウムを種晶とし
て用いた)の処理結果が良かった。ケース5の処理水水
質がケース4よりも良かったのは、種晶の数が多かった
からである。
水に全排水に添加すべきカルシウム化合物の全量を添加
する。こうすることにより、高濃度弗素含有排水中の高
濃度のF- イオンとカルシウム化合物の全量添加による
高濃度のCa2+イオンとの反応により、CaF2 結晶を
容易に且つ充分に析出させることができ、得られる反応
液を固液分離せずに低濃度弗素含有排水に供給して上記
CaF2 結晶を種晶として利用するので、低濃度弗素含
有排水中の低濃度のF- イオンと残存Ca2+イオンとの
反応によりCaF2 を容易に析出させることができる。
これによって、低濃度弗素含有排水の弗素濃度が非常に
低い場合や、各種の妨害イオン類が共存する場合にも、
良好な弗素の除去効率を達成することができる。
の一例を表したフロー図である。
の他の一例を表したフロー図である。
を用いて行なった実験の結果を示すもので、種晶の濃度
と処理水のF- イオン濃度の関係を示すグラフを表す図
である。
Claims (4)
- 【請求項1】 弗素含有排水にカルシウム化合物を添加
して排水中の弗素を弗化カルシウムとして除去するに当
たり、弗素含有排水を高濃度弗素含有排水と低濃度弗素
含有排水とに分別し、全排水に添加すべきカルシウム化
合物の全量を高濃度弗素含有排水に添加、反応させ、得
られる反応液を固液分離せずに低濃度弗素含有排水に添
加、反応させてから固液分離を行なうことを特徴とする
弗素含有排水の処理方法。 - 【請求項2】 前記固液分離により得られる固形分とし
ての汚泥を前記高濃度弗素含有排水を処理する第一反応
槽及び前記低濃度弗素含有排水を処理する第二反応槽の
少なくとも一方に返送供給することを特徴とする請求項
1に記載の弗素含有排水の処理方法。 - 【請求項3】 ポリ塩化アルミニウム又は硫酸バンド等
のアルミニウム系の無機凝集剤を用いる凝集処理を経て
前記固液分離を行い、前記固液分離により得られる汚泥
をアルカリで処理して固液分離を行い、この固液分離に
より得られる液体分を凝集反応槽へ返送供給すると共
に、固形分として得られる汚泥(沈澱物)を前記高濃度
弗素含有排水を処理する第一反応槽及び前記低濃度弗素
含有排水を処理する第二反応槽の少なくとも一方に返送
供給することを特徴とする請求項1に記載の弗素含有排
水の処理方法。 - 【請求項4】 前記高濃度弗素含有排水に弗素化合物を
添加することを特徴とする請求項1から3のいずれかに
記載の弗素含有排水の処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04692797A JP3399276B2 (ja) | 1997-02-17 | 1997-02-17 | 弗素含有排水の処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04692797A JP3399276B2 (ja) | 1997-02-17 | 1997-02-17 | 弗素含有排水の処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10230282A JPH10230282A (ja) | 1998-09-02 |
JP3399276B2 true JP3399276B2 (ja) | 2003-04-21 |
Family
ID=12760976
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04692797A Expired - Fee Related JP3399276B2 (ja) | 1997-02-17 | 1997-02-17 | 弗素含有排水の処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3399276B2 (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001334265A (ja) * | 2000-05-30 | 2001-12-04 | Kubota Corp | フッ素含有排水の処理方法および装置 |
JP4689186B2 (ja) * | 2004-04-13 | 2011-05-25 | オルガノ株式会社 | フッ素含有水の処理方法 |
JP4689187B2 (ja) * | 2004-04-13 | 2011-05-25 | オルガノ株式会社 | フッ素含有水の処理方法および装置 |
JP4524796B2 (ja) * | 2004-12-14 | 2010-08-18 | 栗田工業株式会社 | フッ素含有排水の処理方法及び処理装置 |
JP4822168B2 (ja) * | 2005-08-04 | 2011-11-24 | 栗田工業株式会社 | フッ素含有排水の処理方法及び処理装置 |
CN113087040B (zh) * | 2021-04-20 | 2022-10-14 | 山西国际电力技术咨询有限公司 | 一种新型除氟剂及含氟废液处理工艺 |
CN113200624A (zh) * | 2021-05-17 | 2021-08-03 | 紫金铜业有限公司 | 一种洗涤冶炼烟气废水的除氟工艺 |
-
1997
- 1997-02-17 JP JP04692797A patent/JP3399276B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10230282A (ja) | 1998-09-02 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2000033386A (ja) | フッ素含有排水の処理方法とその装置 | |
WO2018092396A1 (ja) | 硫酸、フッ素及び重金属イオン含有廃水の処理方法および処理装置 | |
WO2015198438A1 (ja) | フッ化物含有水の処理方法及び処理装置 | |
JP5440199B2 (ja) | シリコンウエハエッチング排水の処理方法及び処理装置 | |
JP3399276B2 (ja) | 弗素含有排水の処理方法 | |
JP4572812B2 (ja) | フッ素含有水の処理方法 | |
JP3112613B2 (ja) | フッ素・リン含有排水の処理方法 | |
JP4351867B2 (ja) | フッ素またはリン含有水処理装置 | |
JP2005125153A (ja) | フッ素含有排水の処理方法及び処理装置 | |
JP3157347B2 (ja) | フッ素化合物含有排水の処理方法 | |
JP3918294B2 (ja) | 弗素含有排水の処理方法及び装置 | |
JP2927255B2 (ja) | フッ素含有廃水の処理方法 | |
JP4350078B2 (ja) | フッ素含有排水の処理方法 | |
JP3349637B2 (ja) | フッ素含有排水処理装置及び方法 | |
JPH1034166A (ja) | フッ素含有排水処理装置および方法 | |
JP4347096B2 (ja) | 排水中のフッ素除去装置及びフッ素除去方法 | |
JP3457013B2 (ja) | フッ化物イオン含有排水の処理方法 | |
JP2003225680A (ja) | フッ素を含む排水の処理方法 | |
JP4522534B2 (ja) | 浄水処理方法 | |
JP4487492B2 (ja) | フッ素含有排水の処理方法 | |
JP3622407B2 (ja) | 水処理方法 | |
JPH0315512B2 (ja) | ||
JPH1057969A (ja) | フッ素含有排水処理装置及び方法 | |
JP4136194B2 (ja) | フッ素含有廃水の処理方法 | |
JP3888534B2 (ja) | フッ素含有排水の処理方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080221 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090221 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100221 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100221 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110221 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120221 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120221 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130221 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140221 Year of fee payment: 11 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |