JP2003225680A - フッ素を含む排水の処理方法 - Google Patents

フッ素を含む排水の処理方法

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JP2003225680A
JP2003225680A JP2002029818A JP2002029818A JP2003225680A JP 2003225680 A JP2003225680 A JP 2003225680A JP 2002029818 A JP2002029818 A JP 2002029818A JP 2002029818 A JP2002029818 A JP 2002029818A JP 2003225680 A JP2003225680 A JP 2003225680A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フッ素を含む排水の処理方法であって、高濃
度のフッ素を含む排水や共存元素を含む排水であって
も、高純度のフッ化カルシウムを回収できると共に、フ
ッ素が高度に低減された処理水を得ることができる排水
処理方法を提供する。 【解決手段】 フッ素を含む排水とカルシウム含有液と
を晶析反応槽に供給し、該晶析反応槽内の種晶上にフッ
化カルシウムを析出させてペレットを形成させ、フッ素
が低減された1次処理水を生じさせる晶析処理を行い、
次いで、該1次処理水に凝集剤を添加して、該1次処理
水中のフッ素を凝集沈殿させ、フッ素が低減された最終
処理水を生じさせる凝集沈殿処理を行う、排水処理方
法。該方法により、フッ素を含む排水から高純度のフッ
化カルシウムを回収できると共に、フッ素が高度に低減
された処理水を得ることが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フッ素を含む排水
から、フッ素が低減された処理水を生じさせる、排水処
理方法に関する。また、本発明は、フッ素および共存物
質を含む排水から、フッ素および共存物質が低減された
処理水を生じさせる、排水処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】工場などからの排水の水質については厳
しい制限がなされているが、その規制は年々厳しくなる
傾向にある。電子産業(特に半導体関連)、発電所、ア
ルミニウム工業などから排出される排水中には、フッ
素、リン、金属元素といった、近年厳しい排水基準が設
けられている元素が含まれている場合が多い。このた
め、フッ素、リン、金属元素を排水から効率良く除去す
ることが求められており、そのための従来技術の1つと
して晶析除去法が知られている。
【0003】フッ素の晶析除去法としては、フッ素を含
む排水に、水酸化カルシウム(Ca(OH))、塩化
カルシウム(CaCl)、炭酸カルシウム(CaCO
)をはじめとするカルシウム化合物を添加し、式
(I)に示されるように、難溶性のフッ化カルシウムを
生じさせることを基本とする。 Ca2++2F→ CaF↓ (I) 特願昭59−63884号(特開昭60−206485
号)には、フッ素とカルシウムを含有する種晶を充填し
た反応槽にフッ素含有排水をカルシウム剤と共に導入し
て、種晶上にフッ化カルシウムを析出させる、いわゆる
フッ化カルシウム晶析法が開示されている。この晶析法
においては、一般的に、反応槽の底部から排水を導入
し、種晶を流動化させながら上向流で通水して処理を行
い、必要に応じて反応槽からの流出水を循環している。
この方法によると、フッ素含有量が低減された処理水を
得ることができるだけでなく、析出するフッ化カルシウ
ムをペレットとして比較的高純度で回収でき、用途に応
じてこれを再利用することも可能である。
【0004】上述の様な晶析反応においては、晶析反応
槽内で、晶析用薬液中のカルシウムとフッ素との存在割
合が、晶析化合物の溶解度における過飽和条件の、液中
に核が存在しなければ晶析反応を起こさない準安定域に
制御されることが要求される。晶析反応装置としては、
従来の、公知の晶析反応装置が使用可能であり、具体的
には、晶析処理により得られる処理水を晶析反応槽に循
環することによって、晶析反応槽内でのカルシウムとフ
ッ素濃度を、晶析反応槽への注入濃度よりも低く(例え
ば、F=50〜200mg/L、Ca=200〜100
0mg/L)して、上記準安定域で晶析反応が行われ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、フッ素含有排
水およびカルシウム含有液の、晶析反応槽での注入点に
おいては、フッ素濃度およびカルシウム濃度がそれぞれ
局所的に高くなる場合があり、この場合には、安定域で
の反応となって微細粒子が生成する。特に、排水中のフ
ッ素濃度が1000mg/Lを超えると急激に微細粒子
の発生量が増加し、該微細粒子は処理水中に排出される
ので、処理水質の悪化を招くという問題がある。例え
ば、排水中のフッ素濃度が2000mg/Lの場合に
は、SS(懸濁粒子)として約500mg/L(フッ素
濃度としては約250mg/Lに相当)の量の微細粒子
が処理水中に含まれる。このような微細粒子の生成とい
う問題は、上述のようにフッ素濃度が高い場合に限られ
るものではなく、排水中にフッ素以外の共存元素が含ま
れている場合にも起こり得る。上述のような電子産業
(特に半導体関連)、発電所、アルミニウム工業などか
ら排出される排水中には、フッ素だけでなく、リン、金
属元素など、各種元素が含まれていることが多く、晶析
反応においては、これらの共存元素が様々な形で関与し
ている。
【0006】例えば、排水中にリンがリン酸として含ま
れる場合には、リンを含む排水に、水酸化カルシウム
(Ca(OH))、塩化カルシウム(CaCl)を
はじめとするカルシウム化合物が添加されると、式(I
I)および(III)に示されるように、難溶性のリン
酸カルシウムおよびリン酸ヒドロキシアパタイト(以
下、リン酸カルシウム等という)が生じる。 3Ca2++2PO 3− → Ca(PO↓ (I I) 5Ca2++OH+3PO 3− → CaOH(PO↓ (I II) 上述の反応は、リンの晶析除去法として利用されている
ものである。しかし、フッ素の晶析除去法において、種
晶上にフッ化カルシウムとリン酸カルシウム等が同時に
析出する場合には、フッ化カルシウムのペレット純度が
低下し、該ペレットの再利用の点で問題となる。また、
上記リン酸化合物の析出により、フッ化カルシウムのペ
レット強度が低下し、晶析反応槽内の上向流による流動
でペレットが摩耗して微細粒子が形成され、処理水質の
悪化をもたらす。このような、フッ化カルシウム以外の
不純物の析出によるペレット強度の低下と、それにより
起こる微細粒子の形成は、上記リン酸の共存により生じ
るだけでなく、ケイ素や金属元素がシリカや金属、金属
酸化物などの形態でペレット中に混入することによって
も引き起こされる。特に、シリカは排水中にケイフッ酸
の形態で、数10〜数100mg/L以上も含まれる場
合があるので問題である。
【0007】上述のような微細粒子の生成による処理水
質の悪化を改善するものとして、特開2001−962
81号には、晶析処理後の処理水をろ過して、処理水中
の微細粒子を除去するという方法が開示されている。し
かし、ろ過装置として膜ろ過装置を用いる場合には、上
記晶析処理において形成される微細粒子の粒径が0.0
5〜0.5μmと非常に微細であり、その量も多いこと
から、膜面積あたりの流量を非常に小さくして運転しな
ければならず、設備費が顕著に増大するという問題があ
る。また、ろ過装置として砂ろ過装置を用いる場合に
は、粒径0.05〜0.5μmといった微細粒子は砂ろ
過層を通過するという問題もある。また、500mg/
Lという高SS含量の処理水を砂ろ過装置でろ過するの
は、すぐに差圧が上昇して逆洗が必要となるので一般的
な解決法ではない。
【0008】上述のような、共存元素の存在によるペレ
ットの純度低下と、それによる微細粒子の形成を防止す
るための方法の1つとして、フッ化カルシウムの晶析反
応を、共存元素がペレットに混入しない条件、すなわ
ち、共存元素が晶析処理水に残留する様な条件で行うこ
とが考えられる。しかし、処理水中に溶存している共存
元素も、最終的には処理水から除去が求められる場合が
あり、このときには、逆浸透膜装置、イオン交換装置等
を用いた除去処理が必要となるが、晶析処理水には晶析
反応槽において生じる微細粒子が含まれるため、逆浸透
膜装置においては逆浸透膜の閉塞を招き、さらに晶析処
理水には過剰に供給されたカルシウムイオンをはじめと
する各種イオンが含まれるため、イオン交換装置におい
ては再生頻度の増大を招く等の問題がある。
【0009】また、共存元素の存在は、晶析処理水中の
フッ素含有量の増加を招くという問題もある。具体的に
は、フッ素のみを含有し、共存元素を含まない排水につ
いては、晶析処理によって、10〜20mgF/L程度
までフッ素濃度を低減できる。しかし、共存元素がイオ
ン、金属、化合物などの形態で存在する場合には、その
含有量によっては、処理水中のフッ素濃度が30〜50
mgF/L程度まで上昇する場合がある。このとき、処
理水をさらに高度に処理するためにフッ素吸着樹脂等を
使用することが考えられるが、装置の複雑化、設備費の
増大を招くという問題がある。よって、フッ素を含む排
水を晶析処理する場合における上記問題点を解決しなけ
れば、実際に、かかる排水からフッ素を除去する手段と
して、晶析処理を用いることはできない。特に、半導体
工場等から排出されるような、フッ素および共存元素を
含む排水から、フッ化カルシウムを高純度、高回収率で
回収して、フッ化カルシウムの廃棄物を出すことなく再
利用し、かつ、処理水が純水製造の原料として利用でき
る程度にまで処理することができなくなる。
【0010】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであって、フッ素を含む排水から、高純度のフッ
化カルシウムを回収すると共に、フッ素が高度に低減さ
れた処理水を得ることができる排水処理方法を提供する
ことを目的とする。また、本発明は、フッ素および共存
元素を含む排水から、高純度のフッ化カルシウムを回収
すると共に、フッ素および共存元素が高度に低減された
処理水を得ることができる排水処理方法を提供すること
を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は請求項1とし
て、フッ素を含む排水とカルシウム含有液とを晶析反応
槽に供給し、該晶析反応槽内の種晶上にフッ化カルシウ
ムを析出させてペレットを形成させ、フッ素が低減され
た1次処理水を生じさせる晶析処理を行い、次いで、該
1次処理水に凝集剤を添加して、該1次処理水中のフッ
素を凝集沈殿させ、フッ素が低減された最終処理水を生
じさせる凝集沈殿処理を行う、排水処理方法を提供す
る。本発明は請求項2として、フッ素および共存元素を
含む排水とカルシウム含有液とを晶析反応槽に供給し、
該晶析反応槽内の種晶上にフッ化カルシウムを析出させ
てペレットを形成させ、フッ素が低減された1次処理水
を生じさせる晶析処理を行い、次いで、該1次処理水に
凝集剤を添加して、該1次処理水中のフッ素および共存
元素を凝集沈殿させ、フッ素および共存元素が低減され
た最終処理水を生じさせる凝集沈殿処理を行う、排水処
理方法を提供する。本発明は請求項3として、共存元素
がリン、ケイ素および金属元素からなる群から選択され
る1以上である、請求項2記載の排水処理方法を提供す
る。本発明は請求項4として、晶析処理で得られるペレ
ット中のフッ化カルシウム含有率が95重量%以上とな
るように、晶析処理時の晶析反応槽内のpHが維持され
る、請求項2または3記載の排水処理方法を提供する。
本発明は請求項5として、フッ素およびリンを含む排水
とカルシウム含有液とを晶析反応槽に供給し、該晶析反
応槽内のpHを3〜5に維持しつつ、該晶析反応槽内の
種晶上にフッ化カルシウムを析出させてペレットを形成
させ、フッ素が低減された1次処理水を生じさせる晶析
処理を行い、次いで、該1次処理水に凝集剤を添加し
て、該1次処理水中のフッ素およびリンを凝集沈殿さ
せ、フッ素およびリンが低減された最終処理水を生じさ
せる凝集沈殿処理を行う、排水処理方法を提供する。本
発明は請求項6として、凝集沈殿処理において、1次処
理水がpH6〜9に調整される、請求項1〜5のいずれ
か1項記載の排水処理方法を提供する。本発明は請求項
7として、凝集沈殿処理において、1次処理水に、リン
化合物またはリン化合物のイオンが添加される、請求項
1〜6のいずれか1項記載の排水処理方法を提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明は、フッ素を含む排水とカ
ルシウム含有液とを晶析反応槽に供給し、該晶析反応槽
内の種晶上にフッ化カルシウムを析出させてペレットを
形成させ、フッ素が低減された1次処理水を生じさせる
晶析処理を行い、次いで、該1次処理水に凝集剤を添加
して、該1次処理水中のフッ素を凝集沈殿させ、フッ素
が低減された最終処理水を生じさせる凝集沈殿処理を行
う、排水処理方法に関する。本発明の排水処理方法にお
いては、まず、第1の工程として、晶析処理が行われ、
次いで、第2の工程として凝集沈殿処理が行われる。本
発明はこの2つの工程を組み合わせることにより、晶析
処理だけで得られる処理水よりも、高度にフッ素が低減
された処理水を回収することを可能にする。
【0013】本発明の排水処理方法で処理される排水
は、フッ素を含むものであれば、如何なる由来の排水で
あっても良く、例えば、半導体関連産業をはじめとする
電子産業、発電所、アルミニウム工業などから排出され
る排水が挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。また、本発明の排水処理方法で処理される排水はフ
ッ素以外の元素(以下、共存元素という)を含んでいて
も良い。ここで、共存元素とは、フッ素以外の元素であ
って、本発明の排水処理方法における凝集沈殿処理工程
において、該元素が凝集沈殿されるような元素をいう。
具体的には、リン、ケイ素、金属元素等が挙げられる
が、上記定義に包含されるものであれば、これらに限定
されるものではない。共存元素に包含される金属元素と
しては、例えば、Al、V、Cr、Mn、Fe、Co、
Ni、Cu、Zn、Mo、Ag、Cd、Hg、Sn、P
b、Teが挙げられるが、これらに限定されるものでは
ない。
【0014】本発明において、排水がフッ素と共存元素
を含む場合の態様として、フッ素および共存元素を含む
排水とカルシウム含有液とを晶析反応槽に供給し、該晶
析反応槽内の種晶上にフッ化カルシウムを析出させてペ
レットを形成させ、フッ素が低減された1次処理水を生
じさせる晶析処理を行い、次いで、該1次処理水に凝集
剤を添加して、該1次処理水中のフッ素および共存元素
を凝集沈殿させ、フッ素および共存元素が低減された最
終処理水を生じさせる凝集沈殿処理を行う、排水処理方
法が挙げられる。この態様においては、高度にフッ素が
低減されるだけでなく、排水中に存在する共存元素も同
時に低減することができるという利点があり、特に、共
存元素が最終処理水中に高濃度に存在することが望まれ
ない、リン、金属元素等の場合に特に有用である。
【0015】排水中に含まれるフッ素は晶析反応により
晶析するのであれば、任意の状態で排水中に存在するこ
とが可能である。また、共存元素は凝集沈殿処理により
凝集沈殿除去できるのであれば、任意の状態で排水中に
存在することができる。排水中に溶解しているという観
点から、フッ素および共存元素はイオン化した状態であ
るのが好ましいが、化合物、金属など排水中に溶解して
いない状態でも良い。イオン化した状態とは、フッ素イ
オン(F)、および銅イオン(Cu2+)等をはじめ
とする金属イオンなど、元素がそのままイオン化したも
の、また、共存元素を含む化合物がイオン化したもの、
例えば、共存元素がリンの場合には、メタリン酸、ピロ
リン酸、オルトリン酸(単にリン酸ともいう、HPO
)、三リン酸、四リン酸、亜リン酸等をはじめとする
化合物がイオン化したもの、共存元素がケイ素の場合に
は、オルトケイ酸(HSiO)、メタケイ酸、メソ
二ケイ酸、メソ三ケイ酸などのケイ酸をはじめとする化
合物がイオン化したもの、さらに、金属錯イオン等が挙
げられるが、これらに限定されるものではない。排水中
に含まれるフッ素については、フッ酸(HF)および/
またはフッ素イオンの形態で存在するのが好ましい。共
存元素については、金属イオンの場合には、金属元素イ
オン、金属元素錯イオンとして存在するのが好ましく、
リンの場合にはリン酸イオンとして、また、ケイ素の場
合にはケイ酸イオンとして存在するのが好ましい。
【0016】晶析処理工程において使用されるカルシウ
ム含有液としては、カルシウムを含んでおり、フッ素を
晶析除去できる液であれば、任意のカルシウム化合物を
含む液を使用することができる。また、カルシウム含有
液を構成する液体媒体としては、本発明の目的に反しな
い限りは任意の物質が可能であり、好ましくは水であ
る。カルシウム含有液においてカルシウムの供給源とな
るカルシウム化合物としては、水酸化カルシウム、塩化
カルシウム、炭酸カルシウム等が挙げられるが、これら
に限定されるものではない。また、カルシウム含有液
は、これらカルシウム化合物の1種類から調製されるも
のであっても良いし、2以上の化合物から調製されるも
のであっても良い。さらに、カルシウム含有液は、カル
シウムが完全に液体媒体中に溶解された溶液状態であっ
ても良いし、カルシウム化合物の全部または一部が固体
として残存するスラリーの状態でも良い。カルシウム含
有液中のカルシウムの濃度は、排水中のフッ素および/
または共存元素濃度、晶析反応槽の処理能力、循環され
る処理水量等に応じて適宜設定される。
【0017】本発明の排水処理方法においては、排水を
晶析処理して得られる1次処理水をさらに凝集沈殿処理
するので、晶析処理においてフッ化カルシウムの微細粒
子が形成されたとしても、該微細粒子は凝集沈殿処理に
より低減、除去される。晶析処理においては、排水中の
フッ素濃度が高くなると、フッ化カルシウムの微細粒子
の形成が促進される。よって、このような高濃度のフッ
素を含む排水を、晶析処理だけで有効に処理するのは困
難である。本発明の排水処理方法においては、排水を晶
析処理して得られる1次処理水を凝集沈殿処理すること
により、微細粒子を低減できるので、排水中のフッ素が
高濃度であっても、該排水を有効に処理できる。具体的
には、本発明の方法で処理可能な排水中のフッ素濃度と
しては、2000mg/L以下であり、好ましくは、1
000mg/L以下まで、より好ましくは、500mg
/L以下まで処理可能である。
【0018】排水が上述のような共存元素を含む場合に
は、晶析処理において形成されるフッ化カルシウムペレ
ット中に共存元素が混入し、ペレットのフッ化カルシウ
ムの純度が低下する場合がある。例えば、共存元素がリ
ンの場合には、式(II)、(III)および(IV)
に示されるように、 3Ca2++2PO 3− → Ca(PO↓ (II) 5Ca2++OH+3PO 3−→ CaOH(PO↓(III) 5Ca2++3PO 3−+F→ Ca(POF↓ (IV) の反応が晶析反応槽内で起こって、リンが難溶性のリン
酸カルシウム、リン酸ヒドロキシアパタイト、およびフ
ルオロアパタイトとしてフッ化カルシウムと共に析出
し、ペレット中のフッ化カルシウム含有率が低くなる。
また、排水中の共存元素がケイ素であって、ケイ酸イオ
ンの形態で存在している場合には、難溶性のケイ酸カル
シウム等がペレット中に混入することにより、ペレット
中のフッ化カルシウム含有率が低くなる。さらに、排水
中に金属元素が共存元素として存在する場合には、金属
酸化物、金属等により、ペレット中のフッ化カルシウム
含有率が低くなる。
【0019】本発明者は、晶析処理工程において、晶析
処理の際の晶析反応槽内のpHを所定の範囲に維持する
ことにより、晶析処理の結果得られるペレット中のフッ
化カルシウムの含有率を高純度、例えば、95重量%以
上、好ましくは、97重量%以上、より好ましくは、9
8重量%以上にできることを見出した。すなわち、本発
明の排水処理方法においては、晶析処理で得られるペレ
ット中のフッ化カルシウム含有率が95重量%以上、好
ましくは、97重量%以上、より好ましくは、98重量
%以上となるように、晶析処理時の晶析反応槽内のpH
が維持される。上述のフッ化カルシウム含有率を達成す
るために必要なpHは、排水中に含まれる共存元素の種
類によって異なるが、具体的にはpH3以上である。代
表的な共存元素についてのpHは、リンの場合はpH3
〜5、好ましくは、3〜4であり;ケイ素の場合はpH
3〜7、好ましくは、pH3〜5であり;鉄の場合はp
H3〜4、好ましくは、pH3〜3.5であり;アルミ
ニウムの場合はpH3〜6、好ましくは、pH3〜4で
あり;銅の場合はpH3〜8、好ましくは、pH3〜6
である。本発明は、排水中に含まれる共存元素の含有率
が高い場合であっても、高純度のフッ化カルシウムが回
収できるという点で、従来法と比較してより有利な排水
処理方法である。本発明の方法においては、晶析処理に
よって排水中に含まれるフッ素がフッ化カルシウムとし
て晶析除去されるので、得られる1次処理水は、フッ素
が低減されている。なお、本明細書においては、特に示
されていない場合には、数値範囲はその境界値を含む。
本発明において晶析処理される排水に含まれるフッ素お
よび共存元素の比率は特に限定されるものではないが、
排水中の共存元素含有量が排水中のフッ素含有量の1/
10(重量比;フッ素元素および共存元素としての重量
比)以上の場合にも適用でき、好ましくは、該比率が1
/5(重量比)以上の場合にも適用でき、より好ましく
は、該比率が3/10(重量比)以上の場合にも適用で
きる。
【0020】本発明の晶析処理工程において、晶析反応
槽内のpHが所定の範囲に維持される場合であって、p
Hの調整が必要となる場合には、pH調整剤を晶析反応
槽内に供給することによりpHの調整を行うことができ
る。pH調整剤としては、晶析反応槽内のpHを変動さ
せることができる任意の酸、またはアルカリを含んでい
れば良く、酸またはアルカリの種類は本発明の目的に反
しない限りは特に限定されるものではない。好ましく
は、pH調整剤に使用される酸としては、塩酸等が挙げ
られ、アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム等が挙げられる。pH調整剤の供給方法として
は、晶析反応槽にpH調整剤供給手段を設け、該手段か
ら直接に晶析反応槽内にpH調整剤を供給するような態
様が可能である。また、他の態様としては、pH調整剤
を、晶析反応槽に供給されるカルシウム含有液、排水お
よび/または循環処理水に添加して、これらと共に晶析
反応槽内に供給するような態様も可能である。また、晶
析反応槽内のpHをモニターするために、任意に、pH
メーターを晶析反応槽に設置することができる。また、
晶析反応槽内のpHをモニターするために、晶析反応槽
から排出される1次処理水のpHをモニターする態様も
可能である。
【0021】本発明の排水処理方法においては、第2の
工程として、凝集沈殿処理が行われる。該凝集沈殿処理
工程においては、晶析処理により得られた1次処理水中
に残存するフッ素が凝集沈殿により低減、除去され、排
水中に共存元素が存在する場合には、該共存元素も凝集
沈殿により低減、除去される。凝集沈殿処理は、1次処
理水に凝集剤を添加することにより行われる。凝集剤と
しては、ポリ塩化アルミニウム(PAC)、硫酸バン
ド、塩化第2鉄、硫酸第1鉄、硫酸第2鉄をはじめとす
る無機凝集剤が挙げられる。これら、無機凝集剤を1次
処理水に添加することにより、晶析反応時に形成される
フッ化カルシウム、金属酸化物、リン酸カルシウム等の
微細粒子が、無機凝集剤から形成される水酸化物、炭酸
塩等のフロックと共沈することにより、凝集沈殿させら
れる。また、フッ素および共存元素が溶解された状態で
1次処理水に存在する場合には、例えば、共存元素がリ
ンの場合には、1次処理水中のリン酸をはじめとするリ
ン元素が無機凝集剤と反応して難溶性の化合物を形成
し、同時に形成される水酸化物、炭酸塩等のフロックと
の共沈作用によって、リンが沈殿除去される。リン以外
の、ケイ素、金属元素の場合であっても、これら元素が
無機凝集剤と反応して難溶性の化合物を形成することに
より、同様に凝集沈殿される。また、凝集沈殿処理で使
用される凝集剤としては、上記無機凝集剤だけでなく、
カチオン系高分子凝集剤、アニオン系高分子凝集剤、ノ
ニオン系高分子凝集剤をはじめとする有機高分子凝集剤
も挙げられ、該有機高分子凝集剤を単独で、または無機
凝集剤と併用して使用することも可能である。無機凝集
剤と高分子凝集剤は併用されるのが好ましい。無機凝集
剤と高分子凝集剤が併用される場合には、これら凝集剤
は任意の順序で適用可能であるが、1次処理水に無機凝
集剤が添加された後に、高分子凝集剤が添加されること
が好ましい。
【0022】1次処理水中に含まれる共存元素が、凝集
沈殿処理においてフッ素と難溶性化合物を形成する場合
には、凝集沈殿処理による、さらなるフッ素の低減が可
能となる。例えば、共存元素がリンの場合には、共存す
るカルシウム、フッ素と共に、難溶性物質であるフルオ
ロアパタイトを形成し、これがフロックと共沈すること
により、さらなるフッ素の除去が可能となる。上述のよ
うな共存元素とフッ素による難溶性化合物の形成は、凝
集沈殿処理の際のpHに応じて変化する。このような観
点から、凝集沈殿処理が行われる際のpHは、フッ素お
よび共存元素が、上述のような難溶性化合物を形成させ
ることができるpHであるのが好ましく、より好ましく
は、pH5以上であり、さらにより好ましくは、pH6
〜9である。
【0023】凝集沈殿処理における1次処理水のpHの
調整は、凝集剤の添加前に行われても良いし、凝集剤の
添加と同時であっても良いし、凝集剤添加後であっても
良い。好ましくは、あらかじめ溶存フッ素および共存元
素を難溶性物質に転化するとの観点から、凝集沈殿処理
における1次処理水のpHの調整は凝集剤の添加前に行
われ、この場合、pH調整槽を設け、該pH調整槽でp
Hを調整することができる。凝集沈殿処理におけるpH
の調整に使用されるpH調整剤としては、凝集沈殿処理
における1次処理水のpHを変動させることができる任
意の酸、またはアルカリを含んでいれば良く、酸または
アルカリの種類は本発明の目的に反しない限りは特に限
定されるものではない。好ましくは、pH調整に使用さ
れる酸としては、塩酸等が挙げられ、アルカリとして
は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられ
る。
【0024】凝集沈殿処理においては、形成される難溶
性物質が汚泥として分離され、フッ素および共存元素が
低減された最終処理水が得られる。本発明の排水処理方
法で得られる最終処理水においては、フッ素濃度が8m
g/L以下、好ましくは、5mg/L以下、より好まし
くは、3mg/L以下である。最終処理水中の共存元素
濃度は、共存元素の種類、当初排水中に含まれる共存元
素の量、最終処理水に望まれる共存元素の濃度等によっ
て異なるが、例えば、リンの場合には、1mg/L以
下、好ましくは、0.5mg/L以下、より好ましく
は、0.2mg/L以下である。
【0025】本発明の排水処理方法においては、凝集沈
殿処理工程においてフルオロアパタイトをはじめとする
難溶性フッ素化合物を形成させ、これを沈殿除去するこ
とにより、1次処理水中に残存するフッ素を高度に除去
することを可能にしている。よって、最終処理水におい
て、1次処理水と比較してさらなるフッ素の低減を図る
ために、排水または1次処理水、好ましくは1次処理水
に、任意のソースから得られる、リン酸イオンをはじめ
とするリン化合物イオンを添加することも可能である。
ここで、リン化合物イオンのソースとしては、市販のリ
ン化合物、もしくはリン化合物を水などの溶媒に溶解さ
せた溶液、リン化合物を含む排水、または本発明の凝集
沈殿処理工程でリンを含む排水を処理して回収された汚
泥、もしくは該汚泥を酸やアルカリで溶解した溶液等が
挙げられるがこれらに限定されるものではない。また、
本発明の凝集沈殿処理工程で回収される汚泥には、無機
凝集剤、添加される場合には高分子凝集剤、フッ化カル
シウム等の難溶性化合物が含まれているので、これを溶
解してまたはそのまま1次処理水に添加することによ
り、先に述べたリンの補給だけでなく、フロックの導入
による凝集沈殿処理の促進が可能になると共に、無機凝
集剤、高分子凝集剤の使用量を低減することも可能にな
る。
【0026】図1に本発明の排水処理方法に使用可能な
排水処理装置の1態様を示し、これに基づいて、本発明
を詳述する。晶析反応装置は、排水中のフッ素が低減さ
れた処理水を排出する晶析反応槽1と、排水を晶析反応
槽1に供給する排水供給手段と、晶析用薬液であるカル
シウム含有液を晶析反応槽1に供給する晶析用薬液供給
手段とを具備し、任意に、該晶析反応槽から排出される
処理水の少なくとも一部を晶析反応槽1に返送する処理
水循環手段とを具備する。晶析反応槽1の内部には晶析
処理前に種晶が充填され、該種晶の表面上に、排水に含
まれるフッ素と、カルシウムとの反応物であるフッ化カ
ルシウムを析出させてフッ化カルシウムペレット2を形
成させることにより、フッ素濃度が低下した1次処理水
を排出させる。晶析反応槽1は前記機能を有するもので
あれば、長さ、内径、形状などについては、任意の態様
が可能であり、特に限定されるものではない。
【0027】晶析反応槽1に充填される種晶の充填量
は、フッ素を晶析反応により除去できるのであれば特に
限定されるものではなく、フッ素濃度、カルシウム濃
度、また、晶析反応装置の運転条件等に応じて適宜設定
される。晶析反応装置においては、晶析反応槽1内に上
向流を形成し、該上向流によってペレット2が流動する
ような流動床の晶析反応槽1が好ましいので、種晶は流
動可能な量で晶析反応槽1に充填されるのが好ましい。
種晶は、本発明の目的に反しない限りは、任意の材質が
可能であり、例えば、ろ過砂、活性炭、およびジルコン
サンド、ガーネットサンド、サクランダム(商品名、日
本カートリット株式会社製)などをはじめとする金属元
素の酸化物からなる粒子、並びに、晶析反応による析出
物であるフッ化カルシウムからなる粒子等が挙げられる
が、これらに限定されるものではない。種晶上で晶析反
応が起こりやすいという点、また、生成するペレット2
から、より純粋なフッ化カルシウムを回収できるという
観点から、フッ化カルシウム(蛍石)が種晶として使用
されるのが好ましい。種晶の形状、粒径は、晶析反応槽
1内での流速、晶析対象成分の濃度等に応じて適宜設定
され、本発明の目的に反しない限りは特に限定されるも
のではない。
【0028】排水供給手段は、排水を晶析反応槽1に供
給できるものであれば任意の態様が可能である。図1の
態様においては、晶析反応槽1に連結された排水供給ラ
イン3から、排水が晶析反応槽1に供給される。排水中
のフッ素濃度を一定にするために、排水供給ライン4に
は、排水を一旦貯留することができる排水タンクが連結
されていても良い。晶析用薬液供給手段は、カルシウム
含有液を晶析反応槽1に供給できるものであれば任意の
態様が可能である。図1の態様においては、晶析反応槽
1に連結されたカルシウム含有液供給ライン4から、カ
ルシウム含有液が晶析反応槽1に供給される。
【0029】排水供給ライン3およびカルシウム含有液
供給ライン4は晶析反応槽1の任意の部分に接続するこ
とができる。本発明の晶析反応装置においては、晶析反
応槽1内に上向流を形成すると、効率的に晶析反応を行
うことができるという観点から、排水供給ライン3およ
びカルシウム含有液供給ライン4は晶析反応槽1の底部
に接続されるのが好ましい。また、図1の態様において
は、排水供給ライン3およびカルシウム含有液供給ライ
ン4はそれぞれ1つであるが、これに限定されるもので
はなく、これらが複数設けられていても良い。また、図
1の態様においては、pH調整剤を晶析反応槽1に供給
するために、晶析反応槽1にpH調整剤供給ライン7が
設けられており、さらに、晶析反応槽1内のpHをモニ
ターするために、晶析反応槽1にpHメーターが設置さ
れている。
【0030】晶析反応槽1は、晶析反応により、フッ素
が低減された1次処理水を該晶析反応槽1の外部に排出
する。1次処理水は、晶析反応槽1における液体の流れ
に従って任意の部分から排出される。晶析反応槽1内で
上向流が形成される場合には、晶析反応槽1の上部から
1次処理水が排出される。図1の態様では、晶析反応槽
1の上部から排出される1次処理水は、処理水排出ライ
ン5を通って最終的に系外に排出される。図1の晶析処
理装置は、晶析反応槽1から排出される1次処理水の少
なくとも一部を該晶析反応槽1に返送する処理水循環手
段を有する。処理水循環手段としては、1次処理水の少
なくとも一部を晶析反応槽1に返送できるものであれば
任意の態様が可能であり、特に限定されるものではな
い。図1の態様においては、処理水循環手段として、処
理水排出ライン5から分岐し、晶析反応槽1に連結され
た処理水循環ライン6が設けられており、該処理水循環
ライン6には1次処理水移送のためのポンプが介装され
ている。処理水循環手段は、1次処理水を晶析反応槽1
に循環させることにより、晶析反応槽1内に供給された
排水を希釈すると共に、カルシウム含有液と排水を混合
し、さらに、晶析反応槽1内で所定の流れ、特に上向流
を形成させるものである。よって、晶析反応槽1内で上
向流が形成される場合には、図1のように、処理水循環
ライン6は晶析反応槽1の底部に接続されるような態様
が好ましい。
【0031】次いで、1次処理水は処理水排出ライン5
を介して、pH調整槽8に移送され、必要な場合にはp
Hの調整が行われる。次いで、1次処理水は凝集処理が
行われる凝集槽9に移送される。凝集槽9においては、
1次処理水に無機凝集剤が添加され、難溶性化合物が形
成される。図1の態様においては、pH調整槽8でpH
の調整が行われ、凝集槽9で無機凝集剤が添加されてい
るが、pHの調整と無機凝集剤の添加は同じ槽で行われ
ても良い。また、任意に、pH調整槽8または凝集槽9
において、リン酸を添加して、溶解性フッ素の難溶性化
合物への転化を促進させることも可能である。図1の態
様においては、pH調整槽8にpHメーターが設けられ
ているが、pHメーターの設置は任意である。pH調整
槽8で処理後の処理水は凝集槽9に移行し、さらに、処
理水は、フロック形成槽10に移行し、任意に、高分子
凝集剤が添加されて凝集処理が行われ、フロックの形成
が促進される。pH調整槽8、凝集槽9およびフロック
形成槽10には、撹拌手段を設けることも可能である。
フロック形成槽10で凝集処理された処理水は沈殿槽1
1に移送され、難溶性化合物が沈殿し、該沈殿物が汚泥
として分離され、フッ素が低減された最終処理水が得ら
れる。本発明における凝集沈殿処理に使用可能な装置と
しては、フッ素を沈殿除去することができるものであれ
ば、図1に示される態様に限らず任意の態様が可能であ
り、特に限定されるものではない。また、各槽の形状、
大きさなども特に限定されるものではない。以下、実施
例で本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例
に限定されるものではない。
【0032】
【実施例】実施例1〜7および比較例1〜3 フッ化ナトリウムをフッ素濃度で500mgF/L、お
よびリン酸をリン酸濃度で200mgPO/L(リン
濃度に換算すると65mgP/L)となるように精製水
に溶解したものを模擬排水として、図1に示す態様の排
水処理装置で、フッ素およびリンの除去試験を行った。
晶析反応槽としては、内径50mm×高さ2500mm
の円柱型アクリルカラムを使用した。晶析部には種晶と
して蛍石(98.0%フッ化カルシウム含有)を充填量
1000mLで充填した。晶析反応槽に供給される模擬
排水の流量は19.6L/時間であった。また、1次処
理水の循環量は58.9L/時間であった。カルシウム
含有液として、10%塩化カルシウムを0.46L/時
間で、晶析反応槽に供給した。pH調整剤として、塩酸
または水酸化ナトリウムを使用して、各実施例および比
較例において、晶析反応槽内のpH、および凝集沈殿処
理工程におけるpH調整槽のpHを表1に示されるよう
に調整した。凝集沈殿処理工程におけるpH調整槽は5
Lであり、凝集槽は2L、フロック形成槽は2L、沈殿
槽は内径200mm×高さ1000mmの容量であっ
た。また、無機凝集剤として、ポリ塩化アルミニウム3
00mg/Lを、有機高分子凝集剤として、アニオン系
高分子凝集剤である、オルフロックOA−23(オルガ
ノ株式会社製)2mg/Lを使用した。排水処理開始か
ら、5時間後の1次処理水および最終処理水について、
各処理水中に含まれるフッ素およびリン酸の濃度を測定
した。該実施例および比較例において測定され、表1に
示されるフッ素濃度は、1次処理水または最終処理水に
酸を添加して、これら処理水中の微細粒子を溶解した後
に、該溶解液中のフッ素濃度を測定することにより得ら
れるトータルフッ素濃度である。また、晶析反応槽にお
いて形成されたペレットを回収し、ペレット中のフッ化
カルシウムの含有率を測定した。晶析反応槽、pH調整
槽でのpH、および晶析、凝集沈殿処理の結果を表1に
示す。なお、フッ素濃度の測定は、ランタン−アリザリ
ンコンプレキソン吸光光度法に基づいて行われ、リン酸
濃度の測定はモリブデン青吸光光度法に基づいて行われ
た。
【0033】
【表1】
【0034】実施例1〜7の結果から明らかなように、
晶析反応槽のpHが3〜5の範囲においては、1次処理
水中のトータルフッ素濃度が10〜11mgF/Lまで
低減されると共に、ペレット中のフッ化カルシウム含有
率も99%以上という高純度であった。また、凝集沈殿
処理後は、トータルフッ素濃度は2〜9mgF/Lまで
低減され、リン濃度は、pH5で12mgPO/L、
pH6では3mgPO /L、pH7以上では1mgP
/L以下まで低減され、本発明の方法がフッ素およ
びリンを高度に除去できる排水処理方法であることが示
された。特に、凝集処理時のpH(pH調整槽のpH)
が6〜9の範囲においては、フッ素およびリンの顕著な
低減が認められた。これに対して、晶析反応槽のpHが
2.5である比較例1では、フッ素の晶析除去が不充分
であった。また、晶析反応槽のpHが6および7(比較
例2および3)の場合には、晶析反応槽におけるフッ素
の晶析除去が不充分であり、さらにペレット中のフッ化
カルシウム含有率も90%程度もしくはそれ以下であ
り、高純度の回収を達成することができなかった。ま
た、最終処理水中のフッ素濃度も12mgF/L以上で
あり、充分なものとはいえなかった。
【0035】実施例8〜11および比較例4 フッ化ナトリウムをフッ素濃度で1000mgF/L、
およびシリカ(SiO )を100mgSiO/Lと
なるように精製水に溶解したものを模擬排水として、図
1に示す態様の排水処理装置で、フッ素およびシリカの
除去試験を行った。晶析反応槽としては、内径50mm
×高さ2500mmの円柱型アクリルカラムを使用し
た。晶析部には種晶として蛍石(98.0%フッ化カル
シウム含有)を充填量1000mLで充填した。晶析反
応槽に供給される模擬排水の流量は10.0L/時間で
あった。また、1次処理水の循環量は58.9L/時間
であった。カルシウム含有液として、10%塩化カルシ
ウムを0.46L/時間で、晶析反応槽に供給した。p
H調整剤として、塩酸または水酸化ナトリウムを使用し
て、各実施例および比較例において、晶析反応槽内のp
Hを4とし、凝集沈殿処理工程におけるpH調整槽のp
Hを表2に示されるように調整した。凝集沈殿処理工程
におけるpH調整槽は5Lであり、凝集槽は2L、フロ
ック形成槽は2L、沈殿槽は内径150mm×高さ10
00mmの容量であった。また、無機凝集剤として、ポ
リ塩化アルミニウム300mg/Lを、有機高分子凝集
剤として、アニオン系高分子凝集剤である、オルフロッ
クOA−23(オルガノ株式会社製)2mg/Lを使用
した。また、実施例11においては、pH調整槽におい
てリン酸を150mgPO/Lの量で添加した。な
お、比較例4においては、晶析処理後、凝集沈殿を行わ
なかった。排水処理開始から、5時間後の1次処理水お
よび最終処理水について、各処理水中に含まれるフッ素
およびシリカの濃度を測定した。溶解性フッ素濃度とし
ては、1次処理水を0.2μmフィルターでろ過処理し
て得られるろ過水中のフッ素含量を測定し、これを溶解
性フッ素濃度とした。また、トータルフッ素濃度として
は、1次処理水または最終処理水に酸を添加して、これ
ら処理水中の微細粒子を溶解した後に該溶解液中のフッ
素濃度を測定し、これをトータルフッ素濃度とした。ま
た、晶析反応槽において形成されたペレットを回収し、
ペレット中のフッ化カルシウムの含有率を測定した。な
お、フッ素濃度の測定は、ランタン−アリザリンコンプ
レキソン吸光光度法に基づいて行われ、シリカ濃度の測
定はモリブデン青吸光光度法に基づいて行われた。pH
調整槽でのpH、および晶析、凝集沈殿処理の結果を表
2に示す。
【0036】
【表2】
【0037】実施例8〜11および比較例4の結果から
明らかなように、フッ素濃度が1000mgF/Lと高
いので、溶解性フッ素は12mgF/Lと低減されてい
たが、トータルフッ素量が120mgF/Lであり、こ
のことは、フッ素を含有する微細粒子が1次処理水中に
高濃度で含まれていることを示す。本発明の方法である
実施例8〜10においては、最終処理水中のトータルフ
ッ素含有量が10mgF/Lまで低減されており、凝集
沈殿処理により、フッ素を含有する微細粒子が顕著に除
去されたことを示す。また、実施例11においては、凝
集沈殿処理においてリン酸を添加することにより、最終
処理水中のトータルフッ素が2mgF/Lと顕著に低減
されており、これは溶解性フッ素の顕著な低減を示すも
のであった。また、共存元素の化合物であるシリカは、
晶析反応においてはほとんど除去されないが、凝集沈殿
処理によって除去されたことを示す。
【0038】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明は、晶析
処理、特に、晶析反応槽内のpHを所定の範囲に維持し
て晶析処理した後に、得られる処理水を凝集沈殿処理す
ることにより、膜ろ過装置のような莫大な設備費を要す
る装置を使用することなく、フッ素を含む排水、特に高
濃度でフッ素を含む排水から、高純度のフッ化カルシウ
ムを回収すると共に、フッ素が高度に低減された処理水
を得ることができるという有利な効果を有する。また、
本発明は、排水がフッ素と共に共存元素を含む場合であ
っても、高純度のフッ化カルシウムを回収できると共
に、フッ素および共存元素が高度に低減された処理水を
得ることができるという有利な効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の排水処理方法に使用可能な
排水処理装置の1態様を示す概略図である。
【符号の説明】
1 晶析反応槽 2 ペレット 3 排水供給ライン 4 カルシウム含有液供給ライン 5 処理水排出ライン 6 処理水循環ライン 7 pH調整剤供給ライン 8 pH調整槽 9 凝集槽 10 フロック形成槽 11 沈殿槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01D 9/02 608 B01D 9/02 608A 619 619Z 625 625E C02F 1/52 C02F 1/52 J K 1/60 1/60 1/62 1/62 B C D E Z Fターム(参考) 4D015 BA19 BB09 BB12 CA17 DA04 DC08 EA14 EA17 EA32 FA01 FA11 4D038 AA08 AB41 AB57 AB64 AB65 AB66 AB67 AB68 AB69 AB71 AB72 AB73 AB74 AB76 AB88 BA02 BA04 BB18

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フッ素を含む排水とカルシウム含有液と
    を晶析反応槽に供給し、該晶析反応槽内の種晶上にフッ
    化カルシウムを析出させてペレットを形成させ、フッ素
    が低減された1次処理水を生じさせる晶析処理を行い、 次いで、該1次処理水に凝集剤を添加して、該1次処理
    水中のフッ素を凝集沈殿させ、フッ素が低減された最終
    処理水を生じさせる凝集沈殿処理を行う、排水処理方
    法。
  2. 【請求項2】 フッ素および共存元素を含む排水とカル
    シウム含有液とを晶析反応槽に供給し、該晶析反応槽内
    の種晶上にフッ化カルシウムを析出させてペレットを形
    成させ、フッ素が低減された1次処理水を生じさせる晶
    析処理を行い、 次いで、該1次処理水に凝集剤を添加して、該1次処理
    水中のフッ素および共存元素を凝集沈殿させ、フッ素お
    よび共存元素が低減された最終処理水を生じさせる凝集
    沈殿処理を行う、排水処理方法。
  3. 【請求項3】 共存元素がリン、ケイ素および金属元素
    からなる群から選択される1以上である、請求項2記載
    の排水処理方法。
  4. 【請求項4】 晶析処理で得られるペレット中のフッ化
    カルシウム含有率が95重量%以上となるように、晶析
    処理時の晶析反応槽内のpHが維持される、請求項2ま
    たは3記載の排水処理方法。
  5. 【請求項5】 フッ素およびリンを含む排水とカルシウ
    ム含有液とを晶析反応槽に供給し、該晶析反応槽内のp
    Hを3〜5に維持しつつ、該晶析反応槽内の種晶上にフ
    ッ化カルシウムを析出させてペレットを形成させ、フッ
    素が低減された1次処理水を生じさせる晶析処理を行
    い、 次いで、該1次処理水に凝集剤を添加して、該1次処理
    水中のフッ素およびリンを凝集沈殿させ、フッ素および
    リンが低減された最終処理水を生じさせる凝集沈殿処理
    を行う、排水処理方法。
  6. 【請求項6】 凝集沈殿処理において、1次処理水がp
    H6〜9に調整される、請求項1〜5のいずれか1項記
    載の排水処理方法。
  7. 【請求項7】 凝集沈殿処理において、1次処理水に、
    リン化合物またはリン化合物のイオンが添加される、請
    求項1〜6のいずれか1項記載の排水処理方法。
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