JP2002292204A5 - - Google Patents
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Description
【書類名】明細書
【発明の名称】原水供給制御手段を備えた晶析反応装置および該装置を用いた晶析処理方法
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内部に種晶が充填され、原水中の晶析対象成分が低減された処理水を排出する晶析反応槽と、
該原水を該晶析反応槽に供給する原水供給手段と、
晶析用薬液を該晶析反応槽に供給する晶析用薬液供給手段と、
該晶析反応槽から排出される処理水の少なくとも一部を該晶析反応槽に返送する処理水循環手段とを具備する晶析反応装置において、
処理水および/または原水中の晶析対象成分の濃度を測定する濃度測定手段と、
該濃度測定手段によって測定された濃度に応じて、該原水供給手段から該晶析反応槽に供給される原水の量を制御する原水供給制御手段とをさらに具備することを特徴とする前記晶析反応装置。
【請求項2】 濃度測定手段によって測定された濃度に応じて、晶析用薬液の供給量を制御する晶析用薬液供給制御手段、および/または循環される処理水の量を制御する処理水循環制御手段をさらに具備する請求項1記載の晶析反応装置。
【請求項3】 晶析対象成分を含む原水と晶析用薬液とを晶析反応槽に供給し、該晶析反応槽の内部の種晶上に該晶析対象成分と、該晶析用薬液に含まれる晶析反応成分との反応物を析出させることにより、晶析対象成分が低減された処理水を生じさせ、該晶析反応槽から排出される該処理水の少なくとも一部を該晶析反応槽に返送する晶析処理方法において、
処理水および/または原水中の晶析対象成分の濃度を測定し、原水中の晶析対象成分の濃度が限界濃度以上である場合に、該晶析反応槽への原水供給量を低減させることを特徴とする前記晶析処理方法。
【請求項4】 晶析反応槽への原水供給量の低減が、原水を晶析反応槽に間欠的に供給するか、低減された流量で連続的に供給することにより行われる請求項3記載の晶析処理方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、原水中のフッ素、リンおよび重金属をはじめとする晶析対象成分を晶析除去する晶析反応装置、並びに該晶析反応装置を用いた晶析処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
工場などからの排水の水質については厳しい制限がなされているが、その規制は年々厳しくなる傾向にある。電子産業(特に半導体関連)、発電所、アルミニウム工業などから排出される原水中には、フッ素、リンまたは重金属類という、近年厳しい排水基準が設けられている元素が含まれている場合が多い。このため、これらを排水から効率良く除去することが求められており、フッ素、リン、重金属等を除去する従来の技術としては、凝集沈殿法、晶析法等が知られている。
【0003】
フッ素の除去技術としては、フッ素を含む原水に、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)、塩化カルシウム(CaCl2)、炭酸カルシウム(CaCO3)をはじめとするカルシウム化合物を添加し、式(I)に示されるように、難溶性のフッ化カルシウムを生じさせることを基本とする。
Ca2++2F−→ CaF2↓ (I)
最も多く用いられているフッ化カルシウム沈殿法では、硫酸バン土、ポリ塩化アルミニウム、高分子凝集剤等を添加することにより、式(I)の反応により生成されたフッ化カルシウムをフロック化し、沈殿槽で固液分離をすることにより、原水からのフッ素除去を行っている。この沈殿法は、沈殿槽の設置面積が大きいこと、生成された沈殿汚泥の量が多いこと、汚泥の脱水性が良くないこと等が問題となっている。
【0004】
フッ化カルシウムの生成を利用した他のフッ素除去技術としては、特願昭59−63884号(特開昭60−206485号)に示されるように、フッ素とカルシウムを含有する種晶を充填した反応槽にフッ素含有原水をカルシウム剤と共に導入して、種晶上にフッ化カルシウムを析出させる、いわゆるフッ化カルシウム晶析法がある。この晶析法においては、一般的に、反応槽の底部から原水を導入し、種晶を流動化させながら上向流で通水して処理を行い、必要に応じて反応槽からの流出水を循環している。この方法の長所としては装置設置面積を低減できること、汚泥発生量が少ないこと等が挙げられる。なお、反応槽内に充填される種晶としては、フッ素とカルシウムを含有する粒子が一般的であるが、必ずしもこれに限定されるものではなく、砂や活性炭などの微細粒子が用いられる場合もある。
【0005】
また、原水からのリンの除去方法としては、物理化学的な方法や生物学的な方法があるが、生物学的なリン除去法は下水処理での利用が主であり、上述のような産業排水の処理においては、カルシウム化合物やアルミニウム化合物を用いた物理化学的なリン除去法が採用されることが多い。
カルシウム化合物によるリン除去技術としては、リンを含む原水に、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)、塩化カルシウム(CaCl2)をはじめとするカルシウム化合物を添加し、式(II)および(III)に示されるように、難溶性のリン酸カルシウムおよびリン酸ヒドロキシアパタイト(以下、リン酸カルシウム等という)を生じさせることを基本とする。
3Ca2++2PO4 3−→Ca3(PO4)2↓ (II)
5Ca2++OH−+3PO4 3−→Ca5OH(PO4)3↓ (III)
最も多く用いられている凝集沈殿法では、硫酸バン土、ポリ塩化アルミニウム、高分子凝集剤等を添加することにより、式(II)、(III)の反応により生成されたリン酸カルシウム等をフロック化し、これを沈殿槽で固液分離することによって、原水からリンが除去される。この方法は沈殿槽の設置面積が大きいこと、生成された沈殿汚泥の量が多いこと、汚泥の脱水性が良くないこと等が問題となっている。
【0006】
リン酸カルシウムの生成を利用した他のリン除去技術としては、リンとカルシウムを含有する種晶、または砂や活性炭などの微細粒子を充填した反応槽に、リン含有原水をカルシウム剤と共に導入して、種晶上にリン酸カルシウムを析出させる、いわゆるリン酸カルシウム晶析法が提案されている。この方法の長所としては、装置設置面積を低減できること、汚泥発生量が少ないこと等が挙げられる。しかし、いわゆる下水処理の場合には、原水中のリンの濃度がそれほど高くない場合が多いことや、きわめて多量の原水の処理が要求される場合が多いことから、現時点ではあまり実用化されていない。
【0007】
さらに、銅、鉄、鉛などの重金属を原水から除去する技術としては、水酸化ナトリウムなどの添加によりpHを上昇させ、金属水酸化物の不溶体を生じさせることにより、凝集沈殿あるいは晶析除去する技術が代表的なものとして知られている。
【0008】
上述の様に、フッ素、リンおよび/または重金属を含む原水からこれらを除去するために晶析処理を利用することができ、該晶析処理に使用される従来の晶析反応装置の概略図を図2に示す。図2の態様においては、晶析反応装置は、内部に種晶2が充填され、原水中の晶析対象成分を晶析反応により除去する晶析反応槽1と、原水を該晶析反応槽1に供給する原水供給手段と、晶析用薬液を該晶析反応槽1に供給する晶析用薬液供給手段と、該晶析反応槽1から排出される処理水の少なくとも一部を該晶析反応槽1に返送する処理水循環手段とを具備している。また、原水供給手段は、原水を貯留する原水タンク3、該原水タンク3と晶析反応槽1とを連結する原水供給ライン4を具備し、該原水供給ライン4には原水移送のためのポンプ、および原水中の晶析対象成分の濃度を測定する濃度測定手段5が介装されている。晶析用薬液供給手段は、晶析用薬液を貯留する晶析用薬液タンク6、該晶析用薬液タンク6と晶析反応槽1とを連結する晶析用薬液供給ライン7を具備し、該晶析用薬液供給ライン7には薬液移送のためのポンプが介装されている。晶析反応槽1で得られる処理水は該晶析反応槽1の上部から処理水排出ライン8を通って排出され、該処理水排出ライン8には砂ろ過装置9および処理水貯留タンク10が介装されている。図2の態様においては、処理水循環手段として、処理水貯留タンク10と晶析反応槽1を連結する処理水循環ライン11が設けられており、該処理水循環ライン11には処理水移送のためのポンプが介装されている。
【0009】
図2の従来の晶析反応装置では、原水供給ラインに介装された濃度測定手段5で測定される原水中の晶析対象成分の濃度に応じて、晶析用薬液供給制御手段13および/または処理水循環制御手段14によって、晶析用薬液供給ライン7および/または処理水循環ライン11に介装されたポンプを制御し、晶析用薬液の供給量および/または循環される処理水量を制御することが行われる。すなわち、晶析反応槽1に供給される原水中の晶析対象成分の濃度が上昇した場合には、それに応じて晶析用薬液の供給量を増加することにより晶析反応を促進し、晶析反応槽1から排出される処理水中の晶析対象成分の濃度を低減させることができる。また、処理水の循環量を増加することも可能であり、この場合には晶析反応槽1内での晶析対象成分の希釈率が高くなり、晶析対象成分の濃度が低減されることとなる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
晶析処理により除去が望まれるフッ素を含む排水として、半導体工場において排出されるフッ酸排水があり、該フッ酸排水はシリコン基板の洗浄工程で用いられるフッ酸やエッチング工程で用いられるバッファードフッ酸を排水中に含むものである。シリコン基板のフッ酸洗浄においては、一般的に数%のフッ酸が1〜数回使用された後に廃棄されるので、高濃度のフッ酸排水が1時間〜数時間に1度排出されることとなる。また、エッチング工程で使用されるバッファードフッ酸は、数〜十数%の濃厚なフッ酸とフッ化アンモニウムの混合液であり、エッチング処理は基板を数分〜数十分の間、前記混合液に浸漬するバッチ式で行われ、バッファードフッ酸排水は基板洗浄排水と同様に1時間〜数時間に一度排出される。これらのフッ酸排水は半導体工場における他の排水と混合して排出されるので、該半導体工場から排出される最終的な排水中のフッ素濃度は0〜5000mg/L程度の範囲で変動する。
排水中の晶析対象成分の濃度変動が大きい例として、上記半導体工場でのフッ素含有排水を挙げたが、フッ素以外の晶析対象成分であっても、上述のような大きな濃度変動が生じるようなものは存在している。
【0011】
図2に示されるような従来の晶析反応装置を使用した晶析処理方法では、原水中の晶析対象成分の濃度が上昇したとしても、原水タンクの利用、晶析用薬液の供給量の増加、処理水の循環量の増加などにより、ある程度の濃度範囲に対応することができる。
例えば、原水の濃度変動を防止する方法として、図2の晶析反応装置における原水タンク3に排水を貯留することにより、晶析対象成分の濃度を均一にする方法がある。しかし、上記半導体工場から排出されるフッ素含有排水のような場合には、十数時間〜数十時間分の排水を貯留できる大型の貯留槽が必要となり、設置面積が大きくなり、設置コストも増大するという問題がある。
また、高濃度の晶析対象成分が晶析反応槽に供給される場合に、一時的に処理水の循環量を増加させることで、晶析反応槽内の晶析対象成分を希釈する方法がある。しかし、この方法では反応槽内での流速が上がり、反応槽内での反応時間が短くなるので、未反応の晶析対象成分が処理水中に残存することとなり、処理水の水質が悪化する。このため、原水中の晶析対象成分について想定される最も高い濃度に合わせて晶析反応装置を設計する必要があり、設備が大型化してコスト高となるという問題があった。
さらに、晶析対象成分の濃度の上昇に合わせて晶析用薬液の供給量を増加する方法もある。しかし、晶析反応においては、晶析反応槽内で、晶析用薬液中の晶析反応成分(例えば、フッ化カルシウムの生成における「Ca」等)と、晶析対象成分との存在割合が、晶析対象成分の溶解度に対する過飽和条件の、液中に核が存在しなければ晶析反応を生じない準安定域に制御されることが要求される。よって、単に晶析用薬液の供給量を増加したのでは、存在割合が、より過飽和度が大きい不安定域に達し、晶析対象成分の反応物が種晶上に晶析するのではなく、微細な結晶を形成し、該微細結晶が処理水中に排出され、処理水の水質が悪化するという問題があった。また、微細結晶が生じないように晶析用薬液の量を制限する場合には、未反応の晶析対象成分が処理水中に残存するという問題が残る。
【0012】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、フッ素、リンおよび/または重金属をはじめとする晶析対象成分を含む原水を晶析処理する晶析反応装置において、原水中の晶析対象成分の濃度を測定する濃度測定手段と、晶析対象成分の濃度に応じて晶析反応槽への原水の供給量を制御する原水供給制御手段とを備えることにより、大型の原水タンクや晶析反応槽など、装置を大型化することなく原水を処理でき、循環処理水量の増加による処理水の水質の悪化を招かず、晶析反応における微細結晶を生じさせない晶析反応装置、並びに該装置を用いた晶析処理方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は請求項1として、内部に種晶が充填され、原水中の晶析対象成分が低減された処理水を排出する晶析反応槽と、
該原水を該晶析反応槽に供給する原水供給手段と、
晶析用薬液を該晶析反応槽に供給する晶析用薬液供給手段と、
該晶析反応槽から排出される処理水の少なくとも一部を該晶析反応槽に返送する処理水循環手段とを具備する晶析反応装置において、
処理水および/または原水中の晶析対象成分の濃度を測定する濃度測定手段と、
該濃度測定手段によって測定された濃度に応じて、該原水供給手段から該晶析反応槽に供給される原水の量を制御する原水供給制御手段とをさらに具備することを特徴とする前記晶析反応装置を提供する。
本発明は請求項2として、濃度測定手段によって測定された濃度に応じて、晶析用薬液の供給量を制御する晶析用薬液供給制御手段、および/または循環される処理水の量を制御する処理水循環制御手段をさらに具備する請求項1記載の晶析反応装置を提供する。
本発明は請求項3として、晶析対象成分を含む原水と晶析用薬液とを晶析反応槽に供給し、該晶析反応槽の内部の種晶上に該晶析対象成分と、該晶析用薬液に含まれる晶析反応成分との反応物を析出させることにより、晶析対象成分が低減された処理水を生じさせ、該晶析反応槽から排出される該処理水の少なくとも一部を該晶析反応槽に返送する晶析処理方法において、
処理水および/または原水中の晶析対象成分の濃度を測定し、原水中の晶析対象成分の濃度が限界濃度以上である場合に、該晶析反応槽への原水供給量を低減させることを特徴とする前記晶析処理方法を提供する。
本発明は請求項4として、晶析反応槽への原水供給量の低減が、原水を晶析反応槽に間欠的に供給するか、低減された流量で連続的に供給することにより行われる請求項3記載の晶析処理方法を提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の晶析反応装置で処理される原水は、晶析処理により除去される晶析対象成分を含むものであれば、如何なる由来の原水であっても良く、例えば、半導体関連産業をはじめとする電子産業、発電所、アルミニウム工業などから排出される原水が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0015】
本発明における原水中の晶析対象成分としては、晶析反応により晶析し、原水中から除去可能であれば任意の元素が挙げられ、特に限定されるものではない。また、晶析対象成分となる元素の種類は1種類であっても良いし、2種類以上であっても良い。特に、原水中における存在が問題となるという観点から、本発明の晶析対象成分としては、フッ素、リンおよび重金属元素、並びにこれらの混合物が挙げられる。また、重金属元素としては、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Mo、Ag、Cd、Hg、Sn、Pb、Teが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0016】
晶析対象成分となる元素は、晶析反応により晶析するのであれば、任意の状態で原水中に存在することが可能である。原水中に溶解しているという観点から、晶析対象成分はイオン化した状態であるのが好ましい。晶析対象成分がイオン化した状態としては、例えば、F−、Cu2+等をはじめとする原子がイオン化したもの、メタリン酸、ピロリン酸、オルトリン酸、三リン酸、四リン酸、亜リン酸等をはじめとする晶析対象成分を含む化合物がイオン化したもの、また、重金属等の錯イオンなどが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0017】
晶析用薬液としては、晶析対象成分と反応して難溶性化合物を形成することにより、原水から晶析対象成分を除去できる晶析反応成分を含むものであれば、任意の化合物を含む薬液を使用することができ、除去されるべき晶析対象成分に応じて適宜設定される。なお、晶析反応成分とは、上述のように晶析対象成分と反応して難溶性化合物を形成するものであり、例えば、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウム、バリウム等の元素またはイオンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、晶析用薬液に含まれる、晶析反応成分は1種類であっても良いし、複数種類であっても良い。また、薬液を構成する液体媒体としては、本発明の目的に反しない限りは任意の物質が可能であり、好ましくは水である。
例えば、晶析対象成分がフッ素の場合には、晶析用薬液としては、水酸化カルシウム、塩化カルシウム、炭酸カルシウムをはじめとするカルシウム化合物、炭酸マグネシウム、塩化マグネシウムをはじめとするマグネシウム化合物、水酸化ストロンチウム、塩化ストロンチウムをはじめとするストロンチウム化合物を含む薬液、またはこれらの混合物を含む薬液が挙げられるがこれらに限定されるものではない。また、フッ素と反応して形成されるフッ化物の溶解度が低いという観点から、晶析用薬液としては、マグネシウム化合物および/またはカルシウム化合物を含む薬液が好ましく、より好ましくは、カルシウム化合物を含む薬液である。
【0018】
晶析対象成分がリン元素であり、原水中にリン酸等のリン化合物として存在している場合には、晶析用薬液としては、水酸化カルシウム、塩化カルシウムをはじめとするカルシウム化合物、塩化バリウムをはじめとするバリウム化合物、塩化マグネシウムをはじめとするマグネシウム化合物が挙げられるがこれらに限定されるものではない。リン酸等の形態のリンと反応して形成される化合物の溶解度が低いという観点から、晶析用薬液としては、カルシウム化合物および/またはバリウム化合物を含む薬液が好ましい。
晶析対象成分が上述の重金属である場合には、晶析用薬液としては、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムをはじめとする、水に溶解された場合にアルカリ性を示すアルカリ化合物が好ましいが、これらに限定されるものではない。
【0019】
晶析対象成分が原水中に複数種類存在し、この中の全部もしくは2以上の成分の晶析除去が望まれる場合には、除去が望まれる晶析対象成分のいずれに対しても難溶性塩を形成する晶析反応成分を含む晶析用薬液が適宜選択される。例えば、晶析対象成分としてフッ素とリン酸を含む場合には、晶析用薬液としては、フッ素およびリン酸のいずれにも適した晶析反応成分であるカルシウムを含む晶析用薬液が使用されても良いし、また、それぞれに適した複数の晶析反応成分を含む晶析用薬液でも良い。
本発明においては、原水中の晶析対象成分の濃度に応じて原水の供給量を制限するものであるから、原水中の晶析対象成分の濃度は特に限定されるものではない。また、晶析用薬液中の晶析反応成分の濃度は、晶析反応槽の処理能力、循環される処理水量、晶析対象成分の種類および濃度等に応じて適宜設定される。
【0020】
図1に本発明の晶析反応装置の一態様を示し、以下、詳述する。本発明の晶析反応装置は、内部に種晶2が充填され、原水中の晶析対象成分が低減された処理水を排出する晶析反応槽1と、該原水を晶析反応槽1に供給する原水供給手段と、晶析用薬液を晶析反応槽1に供給する晶析用薬液供給手段と、該晶析反応槽から排出される処理水の少なくとも一部を晶析反応槽1に返送する処理水循環手段とを具備する晶析反応装置において、処理水および/または原水中の晶析対象成分の濃度を測定する濃度測定手段5、5’と、該濃度測定手段によって測定された濃度に応じて、該原水供給手段から該晶析反応槽1に供給される原水の量を制御する原水供給制御手段12、12’とをさらに具備することを特徴とする。
【0021】
図1の態様においては、原水中の晶析対象成分の濃度を測定するために、濃度測定手段5が原水供給ライン4に介装されており、処理水中の晶析対象成分の濃度を測定するために、濃度測定手段5’が処理水排出ライン8に介装されている。本発明の晶析反応装置においては、図1の態様のように、処理水および原水の両方の晶析対象成分の濃度を測定するような態様でも良いし、処理水または原水のいずれか一方において濃度を測定する態様であっても良い。原水中の濃度を測定対象とすることにより、直接的に原水中の晶析対象成分の濃度を測定できるし、処理水中の濃度を測定する場合には、処理水中の晶析対象成分の濃度の上昇により、間接的に原水中の晶析対象成分の濃度が上昇したことを検出できる。
【0022】
濃度測定手段5、5’は、液中の晶析対象成分の濃度を測定できるものであれば、晶析対象成分の種類に応じて適宜、任意の手段が可能であり、特に限定されるものではない。例えば、晶析対象成分がフッ素の場合には、ランタン−アリザリンコンプレキソン吸光光度法やイオン電極法(JIS K0102 34)を使用することができ、自動フッ素イオン測定装置(FLIA−101;堀場製作所製)等を使用して、連続的に測定することも可能である。測定が容易であるとの観点からイオン電極法が好ましく、自動フッ素イオン測定装置を使用するのがより好ましい。晶析対象成分がリンの場合には、リン酸イオンとしてはモリブデン青(アスコルビン酸還元)吸光光度法を使用することができ、全リンとしては、試料にペルオキソ2硫酸カリウムを加え、高圧蒸気滅菌器で加熱して有機物を分解した後にリン酸イオンを測定する方法がある(JIS K0102 46)。また、全リン濃度の測定における、自動全リン測定装置(TOPA−200;堀場製作所製)等、自動測定装置を使用することもできる。晶析対象成分が重金属の場合には、イオン電極を使用することができ、別法としては原子吸光度計、分光光度計などにより測定することも可能である。例えば、重金属が銅の場合には、ジエチルジチオカルバミド酸吸光光度法、フレーム原子吸光法、電気加熱原子吸光法、ICP発光分光分析法、ICP質量分析法などが適用できる(JISK0102 52)。
【0023】
本発明の晶析反応装置においては、原水中の晶析対象成分の濃度が上昇した場合に、一時的に処理水の循環量を増加させることで、晶析反応槽内の晶析対象成分を希釈し、処理水の水質を維持することが可能である。しかし、循環量の増加が一定限度を超えると、反応槽内の流速の上昇による処理水の水質悪化や、種晶の流出等を招く。また、原水中の晶析対象成分の濃度の上昇に対応して、晶析用薬液の供給量を増加することにより処理水の水質を維持することも可能である。しかし、晶析用薬液の供給量の増加は、晶析反応槽内で、晶析用薬液中の晶析反応成分と晶析対象成分との存在割合が過飽和条件の準安定域の範囲内となるように行われなければならない。晶析用薬液の供給量を一定以上に増加させると、晶析反応槽内の条件が不安定域に達し、晶析対象成分が種晶上に晶析するのではなく、微細な結晶を形成し、該微細結晶が処理水中に排出され、処理水の水質が悪化するという問題を招く。
このため、本発明の晶析反応装置は、処理可能な原水中の晶析対象成分の濃度として、上記処理水の循環量の増加および晶析用薬液の供給量の増加で対応できる「限界濃度」を有することとなる。この「限界濃度」は、各晶析反応装置に固有の値であり、使用される晶析反応槽1の大きさ、長さ、種晶2の種類、処理されるべき晶析対象成分の種類などによって決定される。なお、上記原水中の晶析対象成分の「限界濃度」は、処理水中の晶析対象成分を測定することによって推定することもできるのは上述したとおりである。
【0024】
本発明の晶析反応装置では、濃度測定手段5、5’により測定された原水中のおよび/または処理水中の晶析対象成分の濃度に応じて、原水の供給量を制御する原水供給制御手段12、12’を具備している。原水供給制御手段12、12’としては、濃度測定手段5、5’により測定された濃度に応じて、原水の供給量を制御できるものであれば任意の態様が可能であり、特に限定されるものではない。例えば、図1の態様のように、原水供給制御手段12、12’は、原水供給ライン4に介装されたポンプの流量を制御するような態様であっても良いし、濃度測定手段5、5’により測定された濃度に応じて開閉される流量制御弁が、原水供給ライン4に介装されるような態様も可能である。
図1の態様においては、原水供給ライン4に介装された濃度測定手段5に応じて制御を行う原水供給制御手段12、および処理水排出ライン8に介装された濃度測定手段5’に応じて制御を行う原水供給制御手段12’を具備するが、いずれか一方の原水供給制御手段を具備していれば良い。
【0025】
本発明の晶析反応装置においては、上記濃度測定手段5、5’および原水供給制御手段12、12’を具備することにより、処理水の水質を維持しつつ晶析処理を行うことが可能になる。特に、本発明の晶析反応装置は、原水中の晶析対象成分の濃度が限界濃度を超える場合に、処理水の循環量および晶析用薬液の供給量を一定に維持して、種晶2の流出、処理水質の悪化、微細結晶の形成などの弊害を起こすことなく、処理水の水質を維持しつつ晶析処理を行うことを可能にするという利点を有している。
【0026】
本発明の晶析反応装置は、任意に、上記濃度測定手段5、5’により測定された濃度に応じて晶析用薬液の供給量を制御する晶析用薬液供給制御手段13および/または循環される処理水の量を制御する処理水循環制御手段14を具備することができる。該晶析用薬液供給制御手段13および/または該処理水循環制御手段14を具備することにより、原水中の晶析対象成分の濃度が限界濃度を超えるまでは、濃度の上昇に応じて晶析用薬液供給量および/または処理水の循環量を増加させることにより対応し、限界濃度に達した後は晶析用薬液供給量および/または処理水の循環量をそれ以上増加させずに原水供給量を抑制するという制御方法が可能となる。
【0027】
本発明の晶析反応装置において原水供給量の低減が行われる場合には、該原水供給量の低減の態様としては、原水を晶析反応槽に間欠的に供給すること、低減された流量で連続的に供給することにより行われるもののいずれの態様でも良い。原水を間欠的に供給する場合には、供給直後は一時的に晶析反応槽1内の晶析対象成分の濃度は高くなり、晶析用薬液は不十分なので、処理水中に未反応の晶析対象成分が残るが、その後も晶析用薬液は供給され続けるので、処理水循環手段によって処理水が循環する間に徐々に反応が進み、未反応の晶析対象成分は減少する。そして、処理水中の晶析対象成分が一定濃度以下となった場合に次の原水供給が行われるという工程が繰り返されることとなる。
また、原水流量が低減される場合であっても、低減された直後は晶析反応槽1内の晶析対象成分の濃度は高い状態であるが、上記間欠供給の場合と同様に、処理水が循環される間に晶析対象成分の濃度が低減されることとなる。
【0028】
本発明における晶析反応槽1は、内部に種晶2が充填されており、該種晶2の表面上に、原水に含まれる晶析対象成分と、該晶析用薬液に含まれる晶析反応成分との反応物が析出することにより、原水中の晶析対象成分を低減させ、晶析対象成分の濃度が低下した処理水を排出するものである。晶析反応槽1は前記機能を有するものであれば、長さ、内径、形状などについては、任意の態様が可能であり、特に限定されるものではない。
晶析反応槽1に充填される種晶2の充填量も、晶析対象成分を晶析反応により除去できるのであれば特に限定されるものではなく、晶析対象成分の濃度、種類、使用される晶析用薬液の種類、濃度、また、晶析反応装置の運転条件等に応じて適宜設定される。本発明の晶析反応装置においては、晶析反応槽1内に上向流を形成し、該上向流によって種晶2が流動するような流動床の晶析反応槽1が好ましいので、
種晶2は流動可能な量で晶析反応槽1に充填されるのが好ましい。種晶2は、本発明の目的に反しない限りは、任意の材質が可能であり、例えば、ろ過砂、活性炭、金属酸化物の1以上からなる粒子、または、晶析対象成分と晶析反応成分が反応して生じる化合物からなる粒子等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。種晶2の上で晶析反応が起こりやすいという観点、また、種晶2の上に晶析対象成分と晶析反応成分の反応物が析出して成長した粒子から、より純粋な反応物を回収できるという観点から、晶析反応により生じる化合物と同じ化合物、例えば、原水中の晶析対象成分がフッ素であり、晶析用薬液がカルシウム化合物を含む薬液の場合には、フッ化カルシウム(蛍石)が種晶2として使用されるのが好ましい。
【0029】
また、晶析反応槽1内に上向流が形成される場合に、この上向流の流速が大きくなると、種晶2が晶析反応槽1の外に流出してしまうことがある。よって、晶析反応槽1内の上向流の流速を上げることができるという観点から、種晶2は比重が大きい粒子が好ましい。さらに、本発明の晶析反応装置において処理される原水はフッ酸をはじめとする、腐食性、酸性物質を含む場合が多いので、種晶2は金属などの様に、酸によって溶解される材質は好ましくない。腐食性でないとの観点からは、種晶2はケイ素、チタン、アルミニウム、マグネシウム、鉄、ジルコニウムなどをはじめとする金属元素の酸化物からなる粒子が好ましい。比重も考慮すると、ジルコンサンド、ガーネットサンド、サクランダム(商品名、日本カートリット株式会社製)がより好ましい。
種晶2の形状、粒径は、晶析反応槽1内での流速、晶析対象成分の濃度等に応じて適宜設定され、本発明の目的に反しない限りは特に限定されるものではない。
【0030】
本発明の原水供給手段は、原水を晶析反応槽1に供給できるものであれば任意の態様が可能である。図1の態様においては、原水供給手段は、原水を貯留する原水タンク3、該原水タンク3と晶析反応槽1とを連結する原水供給ライン4を具備し、該原水供給ライン4には原水移送のためのポンプ、および原水中の晶析対象成分の濃度を測定する濃度測定手段5が介装されている。原水を一旦貯留し、晶析対象成分を一定にできるので、原水供給手段は、図1のように原水タンク3を有する態様が好ましい。
晶析用薬液供給手段は、晶析用薬液を晶析反応槽1に供給できるものであれば任意の態様が可能である。図1の態様においては、晶析用薬液供給手段は、晶析用薬液を貯留する晶析用薬液タンク6、該晶析用薬液タンク6と晶析反応槽1とを連結する晶析用薬液供給ライン7を具備し、該晶析用薬液供給ライン7には薬液移送のためのポンプが介装されている。
【0031】
原水供給ライン4および晶析用薬液供給ライン7は晶析反応槽1の任意の部分に接続することができる。本発明の晶析反応装置においては、晶析反応槽1内に上向流を形成して晶析処理を行う場合には、効率的に反応を行うという観点から、原水供給ライン4および晶析用薬液供給ライン7は晶析反応槽1の底部に接続されるのが好ましい。また、図1の態様においては、原水タンク3、原水供給ライン4、晶析用薬液タンク6、および晶析用薬液供給ライン7はそれぞれ1つであるが、これに限定されるものではなく、本発明の晶析反応装置においてはこれらが複数設けられても良い。
【0032】
晶析反応槽1は、晶析反応により生じた晶析対象成分が低減された処理水を該晶析反応槽1の外部に排出する。処理水は、晶析反応槽1における液体の流れに従って任意の部分から排出される。晶析反応槽1内で上向流が形成される場合には、晶析反応槽1の上部から処理水が排出される。図1の態様では、該晶析反応槽1の上部から排出される処理水は、処理水排出ライン8を通って最終的に系外に排出される。図1の態様においては、処理水排出ライン8には砂ろ過装置9および処理水貯留タンク10が介装されているがこれらの設置は任意であり、通常の排水処理で使用されるその他の手段を設けることも可能である。
【0033】
本発明の晶析反応装置においては、晶析反応槽1から排出される処理水の少なくとも一部を該晶析反応槽1に返送する処理水循環手段を有する。処理水循環手段としては、処理水の少なくとも一部を晶析反応槽1に返送できるものであれば任意の態様が可能であり、特に限定されるものではない。図1の態様においては、処理水循環手段として、処理水貯留タンク10と晶析反応槽1を連結する処理水循環ライン11が設けられており、該処理水循環ライン11には処理水移送のためのポンプが介装されている。処理水循環手段が循環させる処理水は「処理水の少なくとも一部」であるから、処理水の一部だけでなく、全てを循環させることも本発明の範囲内である。
【0034】
処理水循環手段は、処理水を晶析反応槽1に循環させることにより、晶析反応槽1内に供給された原水を希釈すると共に、晶析用薬液と原水を混合し、さらに、晶析反応槽1内で所定の流れ、特に上向流を形成させるものである。よって、晶析反応槽1内で上向流が形成される場合には、図1のように、処理水循環ライン11は晶析反応槽1の底部に接続されるような態様が好ましい。
また、図1の態様において処理水貯留タンク10は、循環される処理水と、系外に排出される処理水との分岐のための手段として機能し、処理水循環手段を形成しているが、処理水循環手段の形成はこの態様に限定されるものではなく、処理水排出ライン8から処理水循環ライン11が直接分岐するような態様など、任意の態様が可能である。
【0035】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明は、フッ素、リンおよび/または重金属をはじめとする晶析対象成分を含む原水を晶析処理する晶析反応装置において、原水中の晶析対象成分の濃度を測定する濃度測定手段と、晶析対象成分の濃度に応じて晶析反応槽への原水の供給量を制御する原水供給制御手段とを備えることにより、大型の原水タンクや晶析反応槽など、装置を大型化することなく、循環処理水量の増加による処理水の水質の悪化や、種晶の流出を招かず、晶析反応における微細結晶を生じさせずに、処理水の水質を維持しつつ晶析対象成分の濃度の増加に対応することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の晶析反応装置の一態様を示す概略図である。
【図2】図2は、従来の晶析反応装置の一態様を示す概略図である。
【符号の説明】
1 晶析反応槽
2 種晶
3 原水タンク
4 原水供給ライン
5、5’ 濃度測定手段
6 晶析用薬液タンク
7 晶析用薬液供給ライン
8 処理水排出ライン
9 砂ろ過装置
10 処理水貯留タンク
11 処理水循環ライン
12、12’ 原水供給制御手段
13 晶析用薬液供給制御手段
14 処理水循環制御手段
【発明の名称】原水供給制御手段を備えた晶析反応装置および該装置を用いた晶析処理方法
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内部に種晶が充填され、原水中の晶析対象成分が低減された処理水を排出する晶析反応槽と、
該原水を該晶析反応槽に供給する原水供給手段と、
晶析用薬液を該晶析反応槽に供給する晶析用薬液供給手段と、
該晶析反応槽から排出される処理水の少なくとも一部を該晶析反応槽に返送する処理水循環手段とを具備する晶析反応装置において、
処理水および/または原水中の晶析対象成分の濃度を測定する濃度測定手段と、
該濃度測定手段によって測定された濃度に応じて、該原水供給手段から該晶析反応槽に供給される原水の量を制御する原水供給制御手段とをさらに具備することを特徴とする前記晶析反応装置。
【請求項2】 濃度測定手段によって測定された濃度に応じて、晶析用薬液の供給量を制御する晶析用薬液供給制御手段、および/または循環される処理水の量を制御する処理水循環制御手段をさらに具備する請求項1記載の晶析反応装置。
【請求項3】 晶析対象成分を含む原水と晶析用薬液とを晶析反応槽に供給し、該晶析反応槽の内部の種晶上に該晶析対象成分と、該晶析用薬液に含まれる晶析反応成分との反応物を析出させることにより、晶析対象成分が低減された処理水を生じさせ、該晶析反応槽から排出される該処理水の少なくとも一部を該晶析反応槽に返送する晶析処理方法において、
処理水および/または原水中の晶析対象成分の濃度を測定し、原水中の晶析対象成分の濃度が限界濃度以上である場合に、該晶析反応槽への原水供給量を低減させることを特徴とする前記晶析処理方法。
【請求項4】 晶析反応槽への原水供給量の低減が、原水を晶析反応槽に間欠的に供給するか、低減された流量で連続的に供給することにより行われる請求項3記載の晶析処理方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、原水中のフッ素、リンおよび重金属をはじめとする晶析対象成分を晶析除去する晶析反応装置、並びに該晶析反応装置を用いた晶析処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
工場などからの排水の水質については厳しい制限がなされているが、その規制は年々厳しくなる傾向にある。電子産業(特に半導体関連)、発電所、アルミニウム工業などから排出される原水中には、フッ素、リンまたは重金属類という、近年厳しい排水基準が設けられている元素が含まれている場合が多い。このため、これらを排水から効率良く除去することが求められており、フッ素、リン、重金属等を除去する従来の技術としては、凝集沈殿法、晶析法等が知られている。
【0003】
フッ素の除去技術としては、フッ素を含む原水に、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)、塩化カルシウム(CaCl2)、炭酸カルシウム(CaCO3)をはじめとするカルシウム化合物を添加し、式(I)に示されるように、難溶性のフッ化カルシウムを生じさせることを基本とする。
Ca2++2F−→ CaF2↓ (I)
最も多く用いられているフッ化カルシウム沈殿法では、硫酸バン土、ポリ塩化アルミニウム、高分子凝集剤等を添加することにより、式(I)の反応により生成されたフッ化カルシウムをフロック化し、沈殿槽で固液分離をすることにより、原水からのフッ素除去を行っている。この沈殿法は、沈殿槽の設置面積が大きいこと、生成された沈殿汚泥の量が多いこと、汚泥の脱水性が良くないこと等が問題となっている。
【0004】
フッ化カルシウムの生成を利用した他のフッ素除去技術としては、特願昭59−63884号(特開昭60−206485号)に示されるように、フッ素とカルシウムを含有する種晶を充填した反応槽にフッ素含有原水をカルシウム剤と共に導入して、種晶上にフッ化カルシウムを析出させる、いわゆるフッ化カルシウム晶析法がある。この晶析法においては、一般的に、反応槽の底部から原水を導入し、種晶を流動化させながら上向流で通水して処理を行い、必要に応じて反応槽からの流出水を循環している。この方法の長所としては装置設置面積を低減できること、汚泥発生量が少ないこと等が挙げられる。なお、反応槽内に充填される種晶としては、フッ素とカルシウムを含有する粒子が一般的であるが、必ずしもこれに限定されるものではなく、砂や活性炭などの微細粒子が用いられる場合もある。
【0005】
また、原水からのリンの除去方法としては、物理化学的な方法や生物学的な方法があるが、生物学的なリン除去法は下水処理での利用が主であり、上述のような産業排水の処理においては、カルシウム化合物やアルミニウム化合物を用いた物理化学的なリン除去法が採用されることが多い。
カルシウム化合物によるリン除去技術としては、リンを含む原水に、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)、塩化カルシウム(CaCl2)をはじめとするカルシウム化合物を添加し、式(II)および(III)に示されるように、難溶性のリン酸カルシウムおよびリン酸ヒドロキシアパタイト(以下、リン酸カルシウム等という)を生じさせることを基本とする。
3Ca2++2PO4 3−→Ca3(PO4)2↓ (II)
5Ca2++OH−+3PO4 3−→Ca5OH(PO4)3↓ (III)
最も多く用いられている凝集沈殿法では、硫酸バン土、ポリ塩化アルミニウム、高分子凝集剤等を添加することにより、式(II)、(III)の反応により生成されたリン酸カルシウム等をフロック化し、これを沈殿槽で固液分離することによって、原水からリンが除去される。この方法は沈殿槽の設置面積が大きいこと、生成された沈殿汚泥の量が多いこと、汚泥の脱水性が良くないこと等が問題となっている。
【0006】
リン酸カルシウムの生成を利用した他のリン除去技術としては、リンとカルシウムを含有する種晶、または砂や活性炭などの微細粒子を充填した反応槽に、リン含有原水をカルシウム剤と共に導入して、種晶上にリン酸カルシウムを析出させる、いわゆるリン酸カルシウム晶析法が提案されている。この方法の長所としては、装置設置面積を低減できること、汚泥発生量が少ないこと等が挙げられる。しかし、いわゆる下水処理の場合には、原水中のリンの濃度がそれほど高くない場合が多いことや、きわめて多量の原水の処理が要求される場合が多いことから、現時点ではあまり実用化されていない。
【0007】
さらに、銅、鉄、鉛などの重金属を原水から除去する技術としては、水酸化ナトリウムなどの添加によりpHを上昇させ、金属水酸化物の不溶体を生じさせることにより、凝集沈殿あるいは晶析除去する技術が代表的なものとして知られている。
【0008】
上述の様に、フッ素、リンおよび/または重金属を含む原水からこれらを除去するために晶析処理を利用することができ、該晶析処理に使用される従来の晶析反応装置の概略図を図2に示す。図2の態様においては、晶析反応装置は、内部に種晶2が充填され、原水中の晶析対象成分を晶析反応により除去する晶析反応槽1と、原水を該晶析反応槽1に供給する原水供給手段と、晶析用薬液を該晶析反応槽1に供給する晶析用薬液供給手段と、該晶析反応槽1から排出される処理水の少なくとも一部を該晶析反応槽1に返送する処理水循環手段とを具備している。また、原水供給手段は、原水を貯留する原水タンク3、該原水タンク3と晶析反応槽1とを連結する原水供給ライン4を具備し、該原水供給ライン4には原水移送のためのポンプ、および原水中の晶析対象成分の濃度を測定する濃度測定手段5が介装されている。晶析用薬液供給手段は、晶析用薬液を貯留する晶析用薬液タンク6、該晶析用薬液タンク6と晶析反応槽1とを連結する晶析用薬液供給ライン7を具備し、該晶析用薬液供給ライン7には薬液移送のためのポンプが介装されている。晶析反応槽1で得られる処理水は該晶析反応槽1の上部から処理水排出ライン8を通って排出され、該処理水排出ライン8には砂ろ過装置9および処理水貯留タンク10が介装されている。図2の態様においては、処理水循環手段として、処理水貯留タンク10と晶析反応槽1を連結する処理水循環ライン11が設けられており、該処理水循環ライン11には処理水移送のためのポンプが介装されている。
【0009】
図2の従来の晶析反応装置では、原水供給ラインに介装された濃度測定手段5で測定される原水中の晶析対象成分の濃度に応じて、晶析用薬液供給制御手段13および/または処理水循環制御手段14によって、晶析用薬液供給ライン7および/または処理水循環ライン11に介装されたポンプを制御し、晶析用薬液の供給量および/または循環される処理水量を制御することが行われる。すなわち、晶析反応槽1に供給される原水中の晶析対象成分の濃度が上昇した場合には、それに応じて晶析用薬液の供給量を増加することにより晶析反応を促進し、晶析反応槽1から排出される処理水中の晶析対象成分の濃度を低減させることができる。また、処理水の循環量を増加することも可能であり、この場合には晶析反応槽1内での晶析対象成分の希釈率が高くなり、晶析対象成分の濃度が低減されることとなる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
晶析処理により除去が望まれるフッ素を含む排水として、半導体工場において排出されるフッ酸排水があり、該フッ酸排水はシリコン基板の洗浄工程で用いられるフッ酸やエッチング工程で用いられるバッファードフッ酸を排水中に含むものである。シリコン基板のフッ酸洗浄においては、一般的に数%のフッ酸が1〜数回使用された後に廃棄されるので、高濃度のフッ酸排水が1時間〜数時間に1度排出されることとなる。また、エッチング工程で使用されるバッファードフッ酸は、数〜十数%の濃厚なフッ酸とフッ化アンモニウムの混合液であり、エッチング処理は基板を数分〜数十分の間、前記混合液に浸漬するバッチ式で行われ、バッファードフッ酸排水は基板洗浄排水と同様に1時間〜数時間に一度排出される。これらのフッ酸排水は半導体工場における他の排水と混合して排出されるので、該半導体工場から排出される最終的な排水中のフッ素濃度は0〜5000mg/L程度の範囲で変動する。
排水中の晶析対象成分の濃度変動が大きい例として、上記半導体工場でのフッ素含有排水を挙げたが、フッ素以外の晶析対象成分であっても、上述のような大きな濃度変動が生じるようなものは存在している。
【0011】
図2に示されるような従来の晶析反応装置を使用した晶析処理方法では、原水中の晶析対象成分の濃度が上昇したとしても、原水タンクの利用、晶析用薬液の供給量の増加、処理水の循環量の増加などにより、ある程度の濃度範囲に対応することができる。
例えば、原水の濃度変動を防止する方法として、図2の晶析反応装置における原水タンク3に排水を貯留することにより、晶析対象成分の濃度を均一にする方法がある。しかし、上記半導体工場から排出されるフッ素含有排水のような場合には、十数時間〜数十時間分の排水を貯留できる大型の貯留槽が必要となり、設置面積が大きくなり、設置コストも増大するという問題がある。
また、高濃度の晶析対象成分が晶析反応槽に供給される場合に、一時的に処理水の循環量を増加させることで、晶析反応槽内の晶析対象成分を希釈する方法がある。しかし、この方法では反応槽内での流速が上がり、反応槽内での反応時間が短くなるので、未反応の晶析対象成分が処理水中に残存することとなり、処理水の水質が悪化する。このため、原水中の晶析対象成分について想定される最も高い濃度に合わせて晶析反応装置を設計する必要があり、設備が大型化してコスト高となるという問題があった。
さらに、晶析対象成分の濃度の上昇に合わせて晶析用薬液の供給量を増加する方法もある。しかし、晶析反応においては、晶析反応槽内で、晶析用薬液中の晶析反応成分(例えば、フッ化カルシウムの生成における「Ca」等)と、晶析対象成分との存在割合が、晶析対象成分の溶解度に対する過飽和条件の、液中に核が存在しなければ晶析反応を生じない準安定域に制御されることが要求される。よって、単に晶析用薬液の供給量を増加したのでは、存在割合が、より過飽和度が大きい不安定域に達し、晶析対象成分の反応物が種晶上に晶析するのではなく、微細な結晶を形成し、該微細結晶が処理水中に排出され、処理水の水質が悪化するという問題があった。また、微細結晶が生じないように晶析用薬液の量を制限する場合には、未反応の晶析対象成分が処理水中に残存するという問題が残る。
【0012】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、フッ素、リンおよび/または重金属をはじめとする晶析対象成分を含む原水を晶析処理する晶析反応装置において、原水中の晶析対象成分の濃度を測定する濃度測定手段と、晶析対象成分の濃度に応じて晶析反応槽への原水の供給量を制御する原水供給制御手段とを備えることにより、大型の原水タンクや晶析反応槽など、装置を大型化することなく原水を処理でき、循環処理水量の増加による処理水の水質の悪化を招かず、晶析反応における微細結晶を生じさせない晶析反応装置、並びに該装置を用いた晶析処理方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は請求項1として、内部に種晶が充填され、原水中の晶析対象成分が低減された処理水を排出する晶析反応槽と、
該原水を該晶析反応槽に供給する原水供給手段と、
晶析用薬液を該晶析反応槽に供給する晶析用薬液供給手段と、
該晶析反応槽から排出される処理水の少なくとも一部を該晶析反応槽に返送する処理水循環手段とを具備する晶析反応装置において、
処理水および/または原水中の晶析対象成分の濃度を測定する濃度測定手段と、
該濃度測定手段によって測定された濃度に応じて、該原水供給手段から該晶析反応槽に供給される原水の量を制御する原水供給制御手段とをさらに具備することを特徴とする前記晶析反応装置を提供する。
本発明は請求項2として、濃度測定手段によって測定された濃度に応じて、晶析用薬液の供給量を制御する晶析用薬液供給制御手段、および/または循環される処理水の量を制御する処理水循環制御手段をさらに具備する請求項1記載の晶析反応装置を提供する。
本発明は請求項3として、晶析対象成分を含む原水と晶析用薬液とを晶析反応槽に供給し、該晶析反応槽の内部の種晶上に該晶析対象成分と、該晶析用薬液に含まれる晶析反応成分との反応物を析出させることにより、晶析対象成分が低減された処理水を生じさせ、該晶析反応槽から排出される該処理水の少なくとも一部を該晶析反応槽に返送する晶析処理方法において、
処理水および/または原水中の晶析対象成分の濃度を測定し、原水中の晶析対象成分の濃度が限界濃度以上である場合に、該晶析反応槽への原水供給量を低減させることを特徴とする前記晶析処理方法を提供する。
本発明は請求項4として、晶析反応槽への原水供給量の低減が、原水を晶析反応槽に間欠的に供給するか、低減された流量で連続的に供給することにより行われる請求項3記載の晶析処理方法を提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の晶析反応装置で処理される原水は、晶析処理により除去される晶析対象成分を含むものであれば、如何なる由来の原水であっても良く、例えば、半導体関連産業をはじめとする電子産業、発電所、アルミニウム工業などから排出される原水が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0015】
本発明における原水中の晶析対象成分としては、晶析反応により晶析し、原水中から除去可能であれば任意の元素が挙げられ、特に限定されるものではない。また、晶析対象成分となる元素の種類は1種類であっても良いし、2種類以上であっても良い。特に、原水中における存在が問題となるという観点から、本発明の晶析対象成分としては、フッ素、リンおよび重金属元素、並びにこれらの混合物が挙げられる。また、重金属元素としては、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Mo、Ag、Cd、Hg、Sn、Pb、Teが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0016】
晶析対象成分となる元素は、晶析反応により晶析するのであれば、任意の状態で原水中に存在することが可能である。原水中に溶解しているという観点から、晶析対象成分はイオン化した状態であるのが好ましい。晶析対象成分がイオン化した状態としては、例えば、F−、Cu2+等をはじめとする原子がイオン化したもの、メタリン酸、ピロリン酸、オルトリン酸、三リン酸、四リン酸、亜リン酸等をはじめとする晶析対象成分を含む化合物がイオン化したもの、また、重金属等の錯イオンなどが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0017】
晶析用薬液としては、晶析対象成分と反応して難溶性化合物を形成することにより、原水から晶析対象成分を除去できる晶析反応成分を含むものであれば、任意の化合物を含む薬液を使用することができ、除去されるべき晶析対象成分に応じて適宜設定される。なお、晶析反応成分とは、上述のように晶析対象成分と反応して難溶性化合物を形成するものであり、例えば、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウム、バリウム等の元素またはイオンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、晶析用薬液に含まれる、晶析反応成分は1種類であっても良いし、複数種類であっても良い。また、薬液を構成する液体媒体としては、本発明の目的に反しない限りは任意の物質が可能であり、好ましくは水である。
例えば、晶析対象成分がフッ素の場合には、晶析用薬液としては、水酸化カルシウム、塩化カルシウム、炭酸カルシウムをはじめとするカルシウム化合物、炭酸マグネシウム、塩化マグネシウムをはじめとするマグネシウム化合物、水酸化ストロンチウム、塩化ストロンチウムをはじめとするストロンチウム化合物を含む薬液、またはこれらの混合物を含む薬液が挙げられるがこれらに限定されるものではない。また、フッ素と反応して形成されるフッ化物の溶解度が低いという観点から、晶析用薬液としては、マグネシウム化合物および/またはカルシウム化合物を含む薬液が好ましく、より好ましくは、カルシウム化合物を含む薬液である。
【0018】
晶析対象成分がリン元素であり、原水中にリン酸等のリン化合物として存在している場合には、晶析用薬液としては、水酸化カルシウム、塩化カルシウムをはじめとするカルシウム化合物、塩化バリウムをはじめとするバリウム化合物、塩化マグネシウムをはじめとするマグネシウム化合物が挙げられるがこれらに限定されるものではない。リン酸等の形態のリンと反応して形成される化合物の溶解度が低いという観点から、晶析用薬液としては、カルシウム化合物および/またはバリウム化合物を含む薬液が好ましい。
晶析対象成分が上述の重金属である場合には、晶析用薬液としては、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムをはじめとする、水に溶解された場合にアルカリ性を示すアルカリ化合物が好ましいが、これらに限定されるものではない。
【0019】
晶析対象成分が原水中に複数種類存在し、この中の全部もしくは2以上の成分の晶析除去が望まれる場合には、除去が望まれる晶析対象成分のいずれに対しても難溶性塩を形成する晶析反応成分を含む晶析用薬液が適宜選択される。例えば、晶析対象成分としてフッ素とリン酸を含む場合には、晶析用薬液としては、フッ素およびリン酸のいずれにも適した晶析反応成分であるカルシウムを含む晶析用薬液が使用されても良いし、また、それぞれに適した複数の晶析反応成分を含む晶析用薬液でも良い。
本発明においては、原水中の晶析対象成分の濃度に応じて原水の供給量を制限するものであるから、原水中の晶析対象成分の濃度は特に限定されるものではない。また、晶析用薬液中の晶析反応成分の濃度は、晶析反応槽の処理能力、循環される処理水量、晶析対象成分の種類および濃度等に応じて適宜設定される。
【0020】
図1に本発明の晶析反応装置の一態様を示し、以下、詳述する。本発明の晶析反応装置は、内部に種晶2が充填され、原水中の晶析対象成分が低減された処理水を排出する晶析反応槽1と、該原水を晶析反応槽1に供給する原水供給手段と、晶析用薬液を晶析反応槽1に供給する晶析用薬液供給手段と、該晶析反応槽から排出される処理水の少なくとも一部を晶析反応槽1に返送する処理水循環手段とを具備する晶析反応装置において、処理水および/または原水中の晶析対象成分の濃度を測定する濃度測定手段5、5’と、該濃度測定手段によって測定された濃度に応じて、該原水供給手段から該晶析反応槽1に供給される原水の量を制御する原水供給制御手段12、12’とをさらに具備することを特徴とする。
【0021】
図1の態様においては、原水中の晶析対象成分の濃度を測定するために、濃度測定手段5が原水供給ライン4に介装されており、処理水中の晶析対象成分の濃度を測定するために、濃度測定手段5’が処理水排出ライン8に介装されている。本発明の晶析反応装置においては、図1の態様のように、処理水および原水の両方の晶析対象成分の濃度を測定するような態様でも良いし、処理水または原水のいずれか一方において濃度を測定する態様であっても良い。原水中の濃度を測定対象とすることにより、直接的に原水中の晶析対象成分の濃度を測定できるし、処理水中の濃度を測定する場合には、処理水中の晶析対象成分の濃度の上昇により、間接的に原水中の晶析対象成分の濃度が上昇したことを検出できる。
【0022】
濃度測定手段5、5’は、液中の晶析対象成分の濃度を測定できるものであれば、晶析対象成分の種類に応じて適宜、任意の手段が可能であり、特に限定されるものではない。例えば、晶析対象成分がフッ素の場合には、ランタン−アリザリンコンプレキソン吸光光度法やイオン電極法(JIS K0102 34)を使用することができ、自動フッ素イオン測定装置(FLIA−101;堀場製作所製)等を使用して、連続的に測定することも可能である。測定が容易であるとの観点からイオン電極法が好ましく、自動フッ素イオン測定装置を使用するのがより好ましい。晶析対象成分がリンの場合には、リン酸イオンとしてはモリブデン青(アスコルビン酸還元)吸光光度法を使用することができ、全リンとしては、試料にペルオキソ2硫酸カリウムを加え、高圧蒸気滅菌器で加熱して有機物を分解した後にリン酸イオンを測定する方法がある(JIS K0102 46)。また、全リン濃度の測定における、自動全リン測定装置(TOPA−200;堀場製作所製)等、自動測定装置を使用することもできる。晶析対象成分が重金属の場合には、イオン電極を使用することができ、別法としては原子吸光度計、分光光度計などにより測定することも可能である。例えば、重金属が銅の場合には、ジエチルジチオカルバミド酸吸光光度法、フレーム原子吸光法、電気加熱原子吸光法、ICP発光分光分析法、ICP質量分析法などが適用できる(JISK0102 52)。
【0023】
本発明の晶析反応装置においては、原水中の晶析対象成分の濃度が上昇した場合に、一時的に処理水の循環量を増加させることで、晶析反応槽内の晶析対象成分を希釈し、処理水の水質を維持することが可能である。しかし、循環量の増加が一定限度を超えると、反応槽内の流速の上昇による処理水の水質悪化や、種晶の流出等を招く。また、原水中の晶析対象成分の濃度の上昇に対応して、晶析用薬液の供給量を増加することにより処理水の水質を維持することも可能である。しかし、晶析用薬液の供給量の増加は、晶析反応槽内で、晶析用薬液中の晶析反応成分と晶析対象成分との存在割合が過飽和条件の準安定域の範囲内となるように行われなければならない。晶析用薬液の供給量を一定以上に増加させると、晶析反応槽内の条件が不安定域に達し、晶析対象成分が種晶上に晶析するのではなく、微細な結晶を形成し、該微細結晶が処理水中に排出され、処理水の水質が悪化するという問題を招く。
このため、本発明の晶析反応装置は、処理可能な原水中の晶析対象成分の濃度として、上記処理水の循環量の増加および晶析用薬液の供給量の増加で対応できる「限界濃度」を有することとなる。この「限界濃度」は、各晶析反応装置に固有の値であり、使用される晶析反応槽1の大きさ、長さ、種晶2の種類、処理されるべき晶析対象成分の種類などによって決定される。なお、上記原水中の晶析対象成分の「限界濃度」は、処理水中の晶析対象成分を測定することによって推定することもできるのは上述したとおりである。
【0024】
本発明の晶析反応装置では、濃度測定手段5、5’により測定された原水中のおよび/または処理水中の晶析対象成分の濃度に応じて、原水の供給量を制御する原水供給制御手段12、12’を具備している。原水供給制御手段12、12’としては、濃度測定手段5、5’により測定された濃度に応じて、原水の供給量を制御できるものであれば任意の態様が可能であり、特に限定されるものではない。例えば、図1の態様のように、原水供給制御手段12、12’は、原水供給ライン4に介装されたポンプの流量を制御するような態様であっても良いし、濃度測定手段5、5’により測定された濃度に応じて開閉される流量制御弁が、原水供給ライン4に介装されるような態様も可能である。
図1の態様においては、原水供給ライン4に介装された濃度測定手段5に応じて制御を行う原水供給制御手段12、および処理水排出ライン8に介装された濃度測定手段5’に応じて制御を行う原水供給制御手段12’を具備するが、いずれか一方の原水供給制御手段を具備していれば良い。
【0025】
本発明の晶析反応装置においては、上記濃度測定手段5、5’および原水供給制御手段12、12’を具備することにより、処理水の水質を維持しつつ晶析処理を行うことが可能になる。特に、本発明の晶析反応装置は、原水中の晶析対象成分の濃度が限界濃度を超える場合に、処理水の循環量および晶析用薬液の供給量を一定に維持して、種晶2の流出、処理水質の悪化、微細結晶の形成などの弊害を起こすことなく、処理水の水質を維持しつつ晶析処理を行うことを可能にするという利点を有している。
【0026】
本発明の晶析反応装置は、任意に、上記濃度測定手段5、5’により測定された濃度に応じて晶析用薬液の供給量を制御する晶析用薬液供給制御手段13および/または循環される処理水の量を制御する処理水循環制御手段14を具備することができる。該晶析用薬液供給制御手段13および/または該処理水循環制御手段14を具備することにより、原水中の晶析対象成分の濃度が限界濃度を超えるまでは、濃度の上昇に応じて晶析用薬液供給量および/または処理水の循環量を増加させることにより対応し、限界濃度に達した後は晶析用薬液供給量および/または処理水の循環量をそれ以上増加させずに原水供給量を抑制するという制御方法が可能となる。
【0027】
本発明の晶析反応装置において原水供給量の低減が行われる場合には、該原水供給量の低減の態様としては、原水を晶析反応槽に間欠的に供給すること、低減された流量で連続的に供給することにより行われるもののいずれの態様でも良い。原水を間欠的に供給する場合には、供給直後は一時的に晶析反応槽1内の晶析対象成分の濃度は高くなり、晶析用薬液は不十分なので、処理水中に未反応の晶析対象成分が残るが、その後も晶析用薬液は供給され続けるので、処理水循環手段によって処理水が循環する間に徐々に反応が進み、未反応の晶析対象成分は減少する。そして、処理水中の晶析対象成分が一定濃度以下となった場合に次の原水供給が行われるという工程が繰り返されることとなる。
また、原水流量が低減される場合であっても、低減された直後は晶析反応槽1内の晶析対象成分の濃度は高い状態であるが、上記間欠供給の場合と同様に、処理水が循環される間に晶析対象成分の濃度が低減されることとなる。
【0028】
本発明における晶析反応槽1は、内部に種晶2が充填されており、該種晶2の表面上に、原水に含まれる晶析対象成分と、該晶析用薬液に含まれる晶析反応成分との反応物が析出することにより、原水中の晶析対象成分を低減させ、晶析対象成分の濃度が低下した処理水を排出するものである。晶析反応槽1は前記機能を有するものであれば、長さ、内径、形状などについては、任意の態様が可能であり、特に限定されるものではない。
晶析反応槽1に充填される種晶2の充填量も、晶析対象成分を晶析反応により除去できるのであれば特に限定されるものではなく、晶析対象成分の濃度、種類、使用される晶析用薬液の種類、濃度、また、晶析反応装置の運転条件等に応じて適宜設定される。本発明の晶析反応装置においては、晶析反応槽1内に上向流を形成し、該上向流によって種晶2が流動するような流動床の晶析反応槽1が好ましいので、
種晶2は流動可能な量で晶析反応槽1に充填されるのが好ましい。種晶2は、本発明の目的に反しない限りは、任意の材質が可能であり、例えば、ろ過砂、活性炭、金属酸化物の1以上からなる粒子、または、晶析対象成分と晶析反応成分が反応して生じる化合物からなる粒子等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。種晶2の上で晶析反応が起こりやすいという観点、また、種晶2の上に晶析対象成分と晶析反応成分の反応物が析出して成長した粒子から、より純粋な反応物を回収できるという観点から、晶析反応により生じる化合物と同じ化合物、例えば、原水中の晶析対象成分がフッ素であり、晶析用薬液がカルシウム化合物を含む薬液の場合には、フッ化カルシウム(蛍石)が種晶2として使用されるのが好ましい。
【0029】
また、晶析反応槽1内に上向流が形成される場合に、この上向流の流速が大きくなると、種晶2が晶析反応槽1の外に流出してしまうことがある。よって、晶析反応槽1内の上向流の流速を上げることができるという観点から、種晶2は比重が大きい粒子が好ましい。さらに、本発明の晶析反応装置において処理される原水はフッ酸をはじめとする、腐食性、酸性物質を含む場合が多いので、種晶2は金属などの様に、酸によって溶解される材質は好ましくない。腐食性でないとの観点からは、種晶2はケイ素、チタン、アルミニウム、マグネシウム、鉄、ジルコニウムなどをはじめとする金属元素の酸化物からなる粒子が好ましい。比重も考慮すると、ジルコンサンド、ガーネットサンド、サクランダム(商品名、日本カートリット株式会社製)がより好ましい。
種晶2の形状、粒径は、晶析反応槽1内での流速、晶析対象成分の濃度等に応じて適宜設定され、本発明の目的に反しない限りは特に限定されるものではない。
【0030】
本発明の原水供給手段は、原水を晶析反応槽1に供給できるものであれば任意の態様が可能である。図1の態様においては、原水供給手段は、原水を貯留する原水タンク3、該原水タンク3と晶析反応槽1とを連結する原水供給ライン4を具備し、該原水供給ライン4には原水移送のためのポンプ、および原水中の晶析対象成分の濃度を測定する濃度測定手段5が介装されている。原水を一旦貯留し、晶析対象成分を一定にできるので、原水供給手段は、図1のように原水タンク3を有する態様が好ましい。
晶析用薬液供給手段は、晶析用薬液を晶析反応槽1に供給できるものであれば任意の態様が可能である。図1の態様においては、晶析用薬液供給手段は、晶析用薬液を貯留する晶析用薬液タンク6、該晶析用薬液タンク6と晶析反応槽1とを連結する晶析用薬液供給ライン7を具備し、該晶析用薬液供給ライン7には薬液移送のためのポンプが介装されている。
【0031】
原水供給ライン4および晶析用薬液供給ライン7は晶析反応槽1の任意の部分に接続することができる。本発明の晶析反応装置においては、晶析反応槽1内に上向流を形成して晶析処理を行う場合には、効率的に反応を行うという観点から、原水供給ライン4および晶析用薬液供給ライン7は晶析反応槽1の底部に接続されるのが好ましい。また、図1の態様においては、原水タンク3、原水供給ライン4、晶析用薬液タンク6、および晶析用薬液供給ライン7はそれぞれ1つであるが、これに限定されるものではなく、本発明の晶析反応装置においてはこれらが複数設けられても良い。
【0032】
晶析反応槽1は、晶析反応により生じた晶析対象成分が低減された処理水を該晶析反応槽1の外部に排出する。処理水は、晶析反応槽1における液体の流れに従って任意の部分から排出される。晶析反応槽1内で上向流が形成される場合には、晶析反応槽1の上部から処理水が排出される。図1の態様では、該晶析反応槽1の上部から排出される処理水は、処理水排出ライン8を通って最終的に系外に排出される。図1の態様においては、処理水排出ライン8には砂ろ過装置9および処理水貯留タンク10が介装されているがこれらの設置は任意であり、通常の排水処理で使用されるその他の手段を設けることも可能である。
【0033】
本発明の晶析反応装置においては、晶析反応槽1から排出される処理水の少なくとも一部を該晶析反応槽1に返送する処理水循環手段を有する。処理水循環手段としては、処理水の少なくとも一部を晶析反応槽1に返送できるものであれば任意の態様が可能であり、特に限定されるものではない。図1の態様においては、処理水循環手段として、処理水貯留タンク10と晶析反応槽1を連結する処理水循環ライン11が設けられており、該処理水循環ライン11には処理水移送のためのポンプが介装されている。処理水循環手段が循環させる処理水は「処理水の少なくとも一部」であるから、処理水の一部だけでなく、全てを循環させることも本発明の範囲内である。
【0034】
処理水循環手段は、処理水を晶析反応槽1に循環させることにより、晶析反応槽1内に供給された原水を希釈すると共に、晶析用薬液と原水を混合し、さらに、晶析反応槽1内で所定の流れ、特に上向流を形成させるものである。よって、晶析反応槽1内で上向流が形成される場合には、図1のように、処理水循環ライン11は晶析反応槽1の底部に接続されるような態様が好ましい。
また、図1の態様において処理水貯留タンク10は、循環される処理水と、系外に排出される処理水との分岐のための手段として機能し、処理水循環手段を形成しているが、処理水循環手段の形成はこの態様に限定されるものではなく、処理水排出ライン8から処理水循環ライン11が直接分岐するような態様など、任意の態様が可能である。
【0035】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明は、フッ素、リンおよび/または重金属をはじめとする晶析対象成分を含む原水を晶析処理する晶析反応装置において、原水中の晶析対象成分の濃度を測定する濃度測定手段と、晶析対象成分の濃度に応じて晶析反応槽への原水の供給量を制御する原水供給制御手段とを備えることにより、大型の原水タンクや晶析反応槽など、装置を大型化することなく、循環処理水量の増加による処理水の水質の悪化や、種晶の流出を招かず、晶析反応における微細結晶を生じさせずに、処理水の水質を維持しつつ晶析対象成分の濃度の増加に対応することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の晶析反応装置の一態様を示す概略図である。
【図2】図2は、従来の晶析反応装置の一態様を示す概略図である。
【符号の説明】
1 晶析反応槽
2 種晶
3 原水タンク
4 原水供給ライン
5、5’ 濃度測定手段
6 晶析用薬液タンク
7 晶析用薬液供給ライン
8 処理水排出ライン
9 砂ろ過装置
10 処理水貯留タンク
11 処理水循環ライン
12、12’ 原水供給制御手段
13 晶析用薬液供給制御手段
14 処理水循環制御手段
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