JP4104855B2 - 晶析処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、原水中のフッ素、リンおよび重金属をはじめとする晶析対象成分を晶析除去する晶析処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
工場などからの排水の水質については厳しい制限がなされているが、その規制は年々厳しくなる傾向にある。電子産業(特に半導体関連)、発電所、アルミニウム工業などから排出される原水中には、フッ素、リンまたは重金属類という、近年厳しい排水基準が設けられている元素が含まれている場合が多い。このため、これらを排水から効率良く除去することが求められており、近年、フッ素、リン、重金属等を除去する技術の1つとして、晶析法が開発されている。
【0003】
フッ素の晶析除去技術としては、フッ素を含む原水に、水酸化カルシウム(Ca(OH))、塩化カルシウム(CaCl)、炭酸カルシウム(CaCO)をはじめとするカルシウム化合物を添加し、式(I)に示されるように、難溶性のフッ化カルシウムを生じさせることを基本とする。
Ca2++2F→ CaF↓ (I)
特願昭59−63884号(特開昭60−206485号)には、フッ素とカルシウムを含有する種晶を充填した反応槽にフッ素含有原水をカルシウム剤と共に導入して、種晶上にフッ化カルシウムを析出させる、いわゆるフッ化カルシウム晶析法が開示されている。この晶析法においては、一般的に、反応槽の底部から原水を導入し、種晶を流動化させながら上向流で通水して処理を行い、必要に応じて反応槽からの流出水を循環している。この方法の長所としては装置設置面積を低減できること、汚泥発生量が少ないこと等が挙げられる。なお、反応槽内に充填される種晶としては、フッ素とカルシウムを含有する粒子が一般的であるが、必ずしもこれに限定されるものではなく、砂や活性炭などの微細粒子が用いられる場合もある。
【0004】
また、リンの晶析除去技術としては、リンを含む原水に、水酸化カルシウム(Ca(OH))、塩化カルシウム(CaCl)をはじめとするカルシウム化合物を添加し、式(II)および(III)に示されるように、難溶性のリン酸カルシウムおよびリン酸ヒドロキシアパタイト(以下、リン酸カルシウム等という)を生じさせることを基本とする。
3Ca2++2PO 3− → Ca(PO↓ (II)5Ca2++OH+3PO 3−→CaOH(PO↓ (III)リンの晶析除去技術の1つとしては、リンとカルシウムを含有する種晶、または砂や活性炭などの微細粒子を充填した反応槽に、リン含有原水をカルシウム剤と共に導入して、種晶上にリン酸カルシウムを析出させる、いわゆるリン酸カルシウム晶析法がある。この方法の長所としては、装置設置面積を低減できること、汚泥発生量が少ないこと等が挙げられる。しかし、いわゆる下水処理の場合には、原水中のリンの濃度がそれほど高くない場合が多いことや、きわめて多量の原水の処理が要求される場合が多いことから、現時点ではあまり実用化されていない。
【0005】
さらに、銅、鉄、鉛などの重金属を原水から除去する場合においても、水酸化ナトリウムなどの添加によりpHを上昇させ、金属水酸化物の不溶体を生じさせることにより、これら重金属を晶析除去するという技術が開発されている。
【0006】
上述の様に、フッ素、リンおよび/または重金属を含む原水からこれらを除去するために晶析処理を利用することができ、該晶析処理に使用される従来の晶析反応装置の概略図を図3に示す。図3の態様においては、晶析反応装置は、内部に種晶2が充填され、原水中の晶析対象成分を晶析反応により除去する晶析反応槽1と、原水を該晶析反応槽1に供給する原水供給手段と、晶析用薬液を該晶析反応槽1に供給する晶析用薬液供給手段とを具備しており、さらに、任意に該晶析反応槽1から排出される処理水の少なくとも一部を該晶析反応槽1に返送する処理水循環手段とを具備していてもよい。また、原水供給手段は、原水を貯留する原水タンク3、該原水タンク3と晶析反応槽1とを連結する原水供給ライン4を具備し、該原水供給ライン4には原水移送のためのポンプが介装される。さらに、原水供給ラインには、原水中の晶析対象成分の濃度を測定する濃度測定手段5が介装されていても良い。晶析用薬液供給手段は、晶析用薬液を貯留する晶析用薬液タンク6、該晶析用薬液タンク6と晶析反応槽1とを連結する晶析用薬液供給ライン7を具備し、該晶析用薬液供給ライン7には薬液移送のためのポンプが介装されている。晶析用薬液は、晶析用薬液供給ライン7に接続され、晶析反応槽1内に設けられたノズル11の小孔12から該晶析反応槽1内に供給される。晶析反応槽1で得られる処理水は該晶析反応槽1の上部から処理水排出ライン8を通って排出される。また、処理水排出ライン8上には、処理水中の晶析対象成分および/または晶析反応成分の濃度を測定するための、濃度測定手段5’が介装されていても良い。図3の態様においては、処理水循環手段として、処理水貯留タンク9と晶析反応槽1を連結する処理水循環ライン10が設けられており、該処理水循環ライン10には処理水移送のためのポンプが介装されている。
【0007】
晶析反応においては、晶析反応槽内で、晶析用薬液中の晶析反応成分(例えば、フッ化カルシウムの生成における「カルシウム」等)と、晶析対象成分(例えばフッ素)との存在割合が、晶析化合物の溶解度における過飽和条件の、液中に核が存在しなければ晶析反応を生じない準安定域に制御されることが要求される。よって、単に晶析用薬液の供給量を増加したのでは、晶析反応成分の存在割合が、より過飽和度が大きい不安定域に達し、晶析対象成分の反応物が種晶上に晶析するのではなく、微細な結晶を形成し、該微細結晶が処理水中に排出され、処理水の水質が悪化するという問題があった。また、微細結晶が生じないように晶析用薬液の量を制限する場合には、未反応の晶析対象成分が処理水中に残存するという問題が残る。
【0008】
このような、晶析用薬液の供給量の過不足に由来する水質の悪化を防止するために、図3の従来の晶析反応装置では、原水供給ライン4および/または処理水排出ライン8に介装された濃度測定手段5、5’で測定される、原水中の晶析対象成分の濃度、処理水中の晶析対象成分の濃度、および/または処理水中の晶析反応成分の濃度に応じて、晶析用薬液供給制御手段13によって、晶析用薬液供給ライン7に介装されたポンプを制御し、晶析用薬液の供給量を制御することが行われる。すなわち、晶析反応槽1に供給される原水および/または晶析反応槽1から排出される処理水中の晶析対象成分の濃度が上昇した場合には、それに応じて晶析用薬液の供給量を増加させ、処理水中の晶析対象成分の濃度を低減させることができる。また、処理水中の晶析反応成分の濃度が上昇した場合には、それに応じて晶析用薬液の供給量を低減させることができる。
例えば、原水中のフッ素をフッ化カルシウムとして晶析除去する場合には、原水中のフッ素濃度が50〜2000mg/Lに変動すると、この濃度に対応して、原水流量換算でのカルシウム濃度が350〜2300mg/Lとなり、得られる処理水中のカルシウム濃度が約300mg/Lと、ほぼ一定の値になるように、晶析用薬液の供給量が調節される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、晶析用薬液の晶析反応槽への供給量が増減する場合には、ノズルの小孔から晶析反応槽に供給される晶析用薬液の流速が変化し、該小孔付近における原水と晶析用薬液との混合状態が変化する。これは、特に供給量が減少した場合に、小孔から供給される晶析用薬液の流速が低下し、これにより局所的な高濃度域、即ち過飽和域が生じやすくなり、微細粒子発生の原因となるという問題がある。
また、このような微細粒子の発生による処理水の水質悪化だけでなく、流量不足は、ディストリビューション不良をもたらし、ノズルの小孔付近で反応物の析出反応が起こり、晶析用薬液供給ライン内部、ノズル内部および/またはノズルの小孔の閉塞を生じさせるという問題を引き起こし、ひいては、処理水の水質の悪化という問題ももたらす。
ここで、上述のような晶析用薬液の局所的な高濃度域の発生、およびディストリビューション不良に対しては、晶析用薬液をあらかじめ希釈しておくことも考えられる。しかし、例えば、晶析用薬液として使用頻度の高い、市販の35%CaCl溶液が使用される場合には、これらの不都合を防止するために、5倍程度にまで希釈されることが要求され、このような多量の晶析用薬液を貯留するタンクを準備し、使用するのは実用的ではない。
【0010】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、フッ素、リンおよび/または重金属をはじめとする晶析対象成分を含む原水を晶析処理する方法において、晶析用薬液供給ラインに希釈液供給ラインを連結させ、該希釈液供給ラインから希釈液を該晶析用薬液供給ラインに供給して、該晶析用薬液を希釈し、該希釈された晶析用薬液を、ノズルの小孔から最低線速度以上の流速で、該晶析反応槽内に供給することにより、晶析反応成分の局所的な高濃度域を生じさせず、その結果、微細粒子の形成を防止でき、また、ディストリビューション不良を防止することにより、晶析用薬液供給ライン内部、ノズル内部および/またはノズルの小孔の閉塞を生じさせず、処理水の水質を維持できるような、一定以上の流速を確保しつつ、晶析用薬液の供給量を制御できる晶析処理方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は請求項1として、晶析対象成分を含む原水と晶析用薬液とを晶析反応槽に供給し、該晶析反応槽の内部の種晶上に、該晶析対象成分と、該晶析用薬液に含まれる晶析反応成分との反応物を析出させることにより、晶析対象成分が低減された処理水を生じさせる晶析処理方法において、
該晶析用薬液を該晶析反応槽に供給する晶析用薬液供給ラインに連結された希釈液供給ラインから、希釈液を該晶析用薬液供給ラインに供給して、該晶析用薬液を希釈し、
該希釈された晶析用薬液が、該晶析用薬液供給ラインに接続されたノズルの小孔から、最低線速度以上の流速で、該晶析反応槽内に供給されることを特徴とする前記晶析処理方法を提供する。
本発明は請求項2として、希釈液の供給量が、希釈液だけで、ノズルの小孔からの流速を最低線速度以上にする量である、請求項1記載の晶析処理方法を提供する。
本発明は請求項3として、最低線速度が、線速度0.5m/秒である請求項1または2記載の晶析処理方法を提供する。
本発明は請求項4として、希釈液の供給量が一定である、請求項1〜3のいずれか1項記載の晶析処理方法を提供する。
本発明は請求項5として、原水中の晶析対象成分の濃度、処理水中の晶析対象成分の濃度および/または処理水中の晶析反応成分の濃度を測定し、この濃度に応じて晶析用薬液の供給量を調節する、請求項1〜4のいずれか1項記載の晶析処理方法を提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の晶析処理方法で処理される原水は、晶析処理により除去される晶析対象成分を含むものであれば、如何なる由来の原水であっても良く、例えば、半導体関連産業をはじめとする電子産業、発電所、アルミニウム工業などから排出される原水が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0013】
本発明における原水中の晶析対象成分としては、晶析反応により晶析し、原水中から除去可能であれば任意の元素が可能であり、特に限定されるものではない。また、晶析対象成分となる元素の種類は1種類であっても良いし、2種類以上であっても良い。特に、原水中における存在が問題となるという観点から、本発明の晶析対象成分としては、フッ素、リンおよび重金属元素、並びにこれらの混合物が挙げられる。また、重金属元素としては、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Mo、Ag、Cd、Hg、Sn、Pb、Teが挙げられるが、これに限定されるものではない。
また、本発明においては、原水中の晶析対象成分の濃度は特に限定されるものではない。
【0014】
晶析対象成分となる元素は、晶析反応により晶析するのであれば、任意の状態で原水中に存在することが可能である。原水中に溶解しているという観点から、晶析対象成分はイオン化した状態であるのが好ましい。晶析対象成分がイオン化した状態としては、例えば、F、Cu2+等をはじめとする原子がイオン化したもの、メタリン酸、ピロリン酸、オルトリン酸、三リン酸、四リン酸、亜リン酸等をはじめとする晶析対象成分を含む化合物がイオン化したもの、また、重金属等の錯イオンなどが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0015】
晶析用薬液としては、晶析対象成分と反応して難溶性化合物を形成することにより、原水から晶析対象成分を除去できる晶析反応成分を含むものであれば、任意の化合物を含む薬液を使用することができ、除去されるべき晶析対象成分に応じて適宜設定される。なお、晶析反応成分とは、上述のように晶析対象成分と反応して難溶性化合物を形成するものであり、例えば、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウム、バリウム等の元素またはイオンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、晶析用薬液に含まれる、晶析反応成分は1種類であっても良いし、複数種類であっても良い。また、薬液を構成する液体媒体としては、本発明の目的に反しない限りは任意の物質が可能であり、好ましくは水である。
例えば、晶析対象成分がフッ素の場合には、晶析用薬液としては、水酸化カルシウム、塩化カルシウム、炭酸カルシウムをはじめとするカルシウム化合物、炭酸マグネシウム、塩化マグネシウムをはじめとするマグネシウム化合物、水酸化ストロンチウム、塩化ストロンチウムをはじめとするストロンチウム化合物を含む薬液、またはこれらの混合物を含む薬液が挙げられるがこれらに限定されるものではない。また、フッ素と反応して形成されるフッ化物の溶解度が低いという観点から、晶析用薬液としては、マグネシウム化合物および/またはカルシウム化合物を含む薬液が好ましく、より好ましくは、カルシウム化合物を含む薬液である。
【0016】
晶析対象成分がリン元素であり、原水中にリン酸等のリン化合物として存在している場合には、晶析用薬液としては、水酸化カルシウム、塩化カルシウムをはじめとするカルシウム化合物、塩化バリウムをはじめとするバリウム化合物、塩化マグネシウムをはじめとするマグネシウム化合物が挙げられるがこれらに限定されるものではない。リン酸等の形態のリンと反応して形成される化合物の溶解度が低いという観点から、晶析用薬液としては、カルシウム化合物および/またはバリウム化合物を含む薬液が好ましい。
晶析対象成分が上述の重金属である場合には、晶析用薬液としては、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムをはじめとする、水に溶解された場合にアルカリ性を示すアルカリ化合物が好ましいが、これらに限定されるものではない。
【0017】
晶析対象成分が原水中に複数種類存在し、この中の全部もしくは2以上の成分の晶析除去が望まれる場合には、除去が望まれる晶析対象成分のいずれに対しても難溶性塩を形成する晶析反応成分を含む晶析用薬液が適宜選択される。例えば、晶析対象成分としてフッ素とリン酸を含む場合には、晶析用薬液としては、フッ素およびリン酸のいずれにも適した晶析反応成分であるカルシウムを含む晶析用薬液が使用されても良いし、また、それぞれに適した複数の晶析反応成分を含む晶析用薬液でも良い。
本発明の方法においては、晶析用薬液は、晶析用薬液供給ライン上で希釈されてから晶析反応槽に供給されるので、晶析用薬液中の晶析反応成分の濃度は特に限定されるものではなく、例えば、市販の35%CaCl溶液のような、晶析反応成分を高濃度で含むものであっても良い。晶析用薬液タンクを小型化でき、設備の省スペース化が達成できるとの観点から、晶析用薬液は、高濃度で晶析反応成分を含むものであるのが好ましいが、これに限定されるものではなく、任意の濃度の晶析用薬液が可能である。
【0018】
図1に、本発明の晶析処理方法に使用可能な晶析反応装置の一態様を示し、以下、これに基づいて本発明を詳述する。
本発明の晶析処理方法に使用可能な晶析反応装置は、内部に種晶2が充填され、原水中の晶析対象成分が低減された処理水を排出する晶析反応槽1と、該原水を晶析反応槽1に供給する原水供給手段と、晶析用薬液を晶析反応槽1に供給する晶析用薬液供給手段を具備し、さらに任意に、該晶析反応槽から排出される処理水の少なくとも一部を晶析反応槽1に返送する処理水循環手段とを具備する晶析反応装置であって、晶析用薬液供給ライン7に、希釈液を供給できるように連結された希釈液供給ライン14をさらに具備することを特徴とする。この態様を有することにより、希釈液供給ライン14から晶析用薬液供給ライン7に希釈液が供給され、該晶析用薬液供給ライン7内で晶析用薬液が希釈される。
希釈液供給ライン14と晶析用薬液供給ライン7とは、晶析用薬液を本発明の目的を達成できるように希釈できるのであれば、任意の態様で連結可能であり、特に限定されるものではない。また、図1の態様においては、1つの希釈液供給ライン14が晶析用薬液供給ライン7に連結されているが、2以上の希釈液供給ライン14が1つの晶析用薬液供給ライン7に連結されるような態様であっても良い。
【0019】
本発明においては、希釈液は、晶析用薬液を希釈でき、本発明の目的に反しない限りは、任意の液体を使用可能である。希釈液としては、晶析用薬液と反応して、不溶性の塩を形成する炭酸などの成分を含有しない液体であることが好ましく、より好ましくは、炭酸が除去された脱炭酸水、または純水が挙げられる。
【0020】
本発明においては、晶析用薬液供給ライン7上で希釈された晶析用薬液は、晶析用薬液供給ライン7に接続されたノズル11の小孔12から、最低線速度以上の流速で、晶析反応槽1内に供給されることを特徴とする。図2は、ノズル11部分の拡大図を示す。図2においては、矢印で小孔12からの晶析用薬液の供給が示されるが、これは単に小孔12から、希釈された晶析用薬液が供給されることを例示するものであり、矢印の方向、矢印の有無により、供給方向、供給の有無を示すものではない。
本発明の方法に使用可能なノズル11としては、希釈された晶析用薬液を晶析反応槽1内に供給できる小孔12を有する態様であれば特に限定されるものではなく、ノズル11の大きさ、形状、晶析反応槽1内への設置態様等は特に限定されるものではない。また、ノズル11が有する小孔12についても、その大きさ、数、形状等は特に限定されるものではない。
【0021】
本発明における「最低線速度」とは、ノズル11の小孔12付近において、晶析対象成分の局所的な高濃度域を生じさせないことにより、晶析反応槽1内で微細粒子を形成させず、また、ディストリビューション不良により、晶析用薬液供給ライン7内部、ノズル11内部および/または小孔12の閉塞を生じさせず、かつ水質悪化を生じさせないないような、小孔12から晶析反応槽1内に供給される晶析用薬液の線速度の最低限の値をいう。本発明においては、希釈された晶析用薬液が「最低線速度」以上の流速で、小孔12から晶析反応槽内に供給されることにより、ノズル11の小孔12から供給される希釈された晶析用薬液が、晶析対象成分の局所的な高濃度域を生じさせず、これにより、晶析反応槽1内で微細粒子を形成させず、また、ディストリビューション不良による晶析用薬液供給ライン7内部、ノズル11内部および/または小孔12の閉塞を防止でき、さらに処理水の水質悪化を防止できる。
本発明において、希釈された晶析用薬液が小孔12から晶析反応槽1内に供給される、最低線速度以上の流速は、希釈された晶析用薬液の濃度、晶析反応成分の種類、原水中の晶析対象成分の濃度、晶析反応槽内での上向流の流速等に応じて適宜設定され、特に限定されるものではないが、好ましくは、線速度0.5m/秒以上であり、より好ましくは、線速度1.0m/秒以上である。
【0022】
本発明においては、希釈された晶析用薬液の流速が最低線速度以上であるなら、晶析用薬液の希釈液による希釈割合は特に限定されるものではない。晶析用薬液の供給量が変動しても、希釈された晶析用薬液全体として最低線速度以上の流速を確保するのが容易であるとの観点から、希釈液が晶析用薬液に対して大過剰量であるのが好ましい。この場合、高濃度の晶析反応成分を含む晶析用薬液を使用し、これを大過剰量の希釈液で希釈する態様がより好ましい。
希釈液の供給量を調整しなくても良いという観点からは、希釈液の供給量が、希釈液だけで、ノズル11の小孔12からの流速を最低線速度以上にする量であるのが好ましい。晶析処理を容易にするという観点から、希釈液の供給量が、ノズル11の小孔12からの流速を最低線速度以上にするような、一定の量であるのがさらにより好ましい。
【0023】
本発明の晶析処理方法においては、任意に、原水中の晶析対象成分の濃度、処理水中の晶析対象成分の濃度および/または処理水中の晶析反応成分の濃度を測定し、この濃度に応じて晶析用薬液の供給量を調節することが可能である。本発明の晶析処理方法においては、これら濃度の測定は任意であるが、好ましい態様としては、これらの濃度のうち、いずれか1以上が測定される態様であり、より好ましくは、処理水および原水の両方の晶析対象成分の濃度、並びに処理水中の晶析反応成分の濃度を測定するような態様である。原水を測定対象とすることにより、直接的に原水中の晶析対象成分の濃度を測定でき、処理水を測定する場合には、処理水中の晶析対象成分の濃度の上昇により、間接的に原水中の晶析対象成分の濃度が上昇したことを検出できる。また、処理水中の晶析反応成分の濃度の上昇により、晶析用薬液の供給量が過剰になっていることを検出できる。
図1の態様においては、原水中の晶析対象成分の濃度を測定するために、濃度測定手段5が原水供給ライン4に介装されており、処理水中の晶析対象成分および/または晶析反応成分の濃度を測定するために、濃度測定手段5’が処理水排出ライン8に介装されている。
【0024】
濃度測定手段5、5’は、液中の晶析対象成分または晶析反応成分の濃度を測定できるものであれば、その種類に応じて適宜、任意の手段が可能であり、特に限定されるものではない。例えば、晶析対象成分がフッ素の場合には、ランタン−アリザリンコンプレキソン吸光光度法やイオン電極法(JIS K0102 34)を使用することができ、自動フッ素イオン測定装置(FLIA−101;堀場製作所製)等を使用して、連続的に測定することも可能である。測定が容易であるとの観点からイオン電極法が好ましく、自動フッ素イオン測定装置を使用するのがより好ましい。晶析対象成分がリンの場合には、リン酸イオンとしてはモリブデン青(アスコルビン酸還元)吸光光度法を使用することができ、全リンとしては、試料にペルオキソ2硫酸カリウムを加え、高圧蒸気滅菌器で加熱して有機物を分解した後にリン酸イオンを測定する方法がある(JIS K010246)。また、全リン濃度の測定における、自動全リン測定装置(TOPA−200;堀場製作所製)等、自動測定装置を使用することもできる。晶析対象成分が重金属の場合には、イオン電極を使用することができ、別法としては原子吸光度計、分光光度計などにより測定することも可能である。例えば、重金属が銅の場合には、ジエチルジチオカルバミド酸吸光光度法、フレーム原子吸光法、電気加熱原子吸光法、ICP発光分光分析法、ICP質量分析法などが適用できる(JIS K0102 52)。また、カルシウムをはじめとする晶析反応成分についても、各元素に応じた、公知の任意の測定方法が使用可能である。さらに、濃度測定手段5’としては、処理水中の濁度を測定することにより、晶析対象成分および/または晶析反応成分濃度を測定するような態様のものも可能である。
【0025】
本発明の晶析処理方法では、原水中の晶析対象成分の濃度、処理水中の晶析対象成分の濃度および/または処理水中の晶析反応成分の濃度に応じて、晶析用薬液の供給量を制御することができる。図1の態様においては、濃度測定手段5により測定された原水中の晶析対象成分の濃度、および/または濃度測定手段5’により測定された処理水中の晶析対象成分および/または晶析反応成分の濃度に応じて、晶析用薬液の供給量を制御する晶析用薬液供給制御手段13を具備している。本発明の方法において、晶析用薬液の供給量を調節できる晶析用薬液供給制御手段13としては、濃度測定手段5、5’により測定された濃度に応じて、晶析用薬液の供給量を制御できるものであれば任意の態様が可能であり、特に限定されるものではない。例えば、図1の態様のように、晶析用薬液供給制御手段13は、晶析用薬液供給ライン7に介装されたポンプを制御することにより、晶析用薬液の供給量を制御するような態様であっても良いし、濃度測定手段5、5’により測定された濃度に応じて開閉される流量制御弁が、晶析用薬液供給ライン7に介装されるような態様も可能である。
【0026】
本発明における晶析反応槽1は、内部に種晶2が充填されており、該種晶2の表面上に、原水に含まれる晶析対象成分と、該晶析用薬液に含まれる晶析反応成分との反応物が析出することにより、原水中の晶析対象成分を低減させ、晶析対象成分の濃度が低下した処理水を排出するものである。晶析反応槽1は前記機能を有するものであれば、長さ、内径、形状などについては、任意の態様が可能であり、特に限定されるものではない。
晶析反応槽1に充填される種晶2の充填量も、晶析対象成分を晶析反応により除去できるのであれば特に限定されるものではなく、晶析対象成分の濃度、種類、使用される晶析用薬液の種類、濃度、また、晶析反応装置の運転条件等に応じて適宜設定される。本発明の晶析処理方法においては、晶析反応槽1内に上向流を形成し、該上向流によって種晶2が流動するような流動床の晶析反応槽1が好ましいので、種晶2は流動可能な量で晶析反応槽1に充填されるのが好ましい。種晶2は、本発明の目的に反しない限りは、任意の材質が可能であり、例えば、ろ過砂、活性炭、金属酸化物の1以上からなる粒子、または、晶析対象成分と晶析反応成分が反応して生じる化合物からなる粒子等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。種晶2の上で晶析反応が起こりやすいという観点、また、種晶2の上に晶析対象成分と晶析反応成分の反応物が析出して成長した粒子から、より純粋な反応物を回収できるという観点から、晶析反応により生じる化合物と同じ化合物、例えば、原水中の晶析対象成分がフッ素であり、晶析用薬液がカルシウム化合物を含む薬液の場合には、フッ化カルシウム(蛍石)が種晶2として使用されるのが好ましい。
【0027】
また、晶析反応槽1内に上向流が形成される場合に、この上向流の流速が大きくなると、種晶2が晶析反応槽1の外に流出してしまうことがある。よって、晶析反応槽1内の上向流の流速を上げることができるという観点から、種晶2は比重が大きい粒子が好ましい。さらに、本発明の晶析処理方法において処理される原水はフッ酸をはじめとする、腐食性、酸性物質を含む場合が多いので、種晶2は金属などの様に、酸によって溶解される材質は好ましくない。腐食性でないとの観点からは、種晶2はケイ素、チタン、アルミニウム、マグネシウム、鉄、ジルコニウムなどをはじめとする金属元素の酸化物からなる粒子が好ましい。比重も考慮すると、ジルコンサンド、ガーネットサンド、サクランダム(商品名、日本カートリット株式会社製)がより好ましい。
種晶2の形状、粒径は、晶析反応槽1内での流速、晶析対象成分の濃度等に応じて適宜設定され、本発明の目的に反しない限りは特に限定されるものではない。
【0028】
本発明の方法に適用可能な原水供給手段としては、原水を晶析反応槽1に供給できるものであれば任意の態様が可能である。図1の態様においては、原水供給手段は、原水を貯留する原水タンク3、該原水タンク3と晶析反応槽1とを連結する原水供給ライン4を具備し、該原水供給ライン4には原水移送のためのポンプ、および原水中の晶析対象成分の濃度を測定する濃度測定手段5が介装されている。原水を一旦貯留し、晶析対象成分を一定濃度にできるので、原水供給手段は、図1のように原水タンク3を有する態様が好ましい。
本発明の方法に適用可能な晶析用薬液供給手段としては、晶析用薬液を晶析反応槽1に供給できるものであれば任意の態様が可能である。図1の態様においては、晶析用薬液供給手段は、晶析用薬液を貯留する晶析用薬液タンク6、該晶析用薬液タンク6と晶析反応槽1をと連結する晶析用薬液供給ライン7を具備し、該晶析用薬液供給ライン7には薬液移送のためのポンプが介装されている。また、晶析用薬液供給ライン7にはノズル11が接続され、該ノズル11には、小孔12が設けられており、該小孔12から希釈された晶析用薬液が晶析反応槽1内に供給される。
【0029】
原水供給ライン4および晶析用薬液供給ライン7は晶析反応槽1の任意の部分に接続することができる。本発明の晶析反応装置においては、晶析反応槽1内に上向流を形成して晶析処理を行う場合には、効率的に反応を行うという観点から、原水供給ライン4および晶析用薬液供給ライン7は晶析反応槽1の底部に接続されるのが好ましい。また、図1の態様においては、原水タンク3、原水供給ライン4、晶析用薬液タンク6、および晶析用薬液供給ライン7はそれぞれ1つであるが、これに限定されるものではなく、本発明の晶析反応装置においてはこれらが複数設けられても良い。
【0030】
晶析反応槽1は、晶析反応により生じた晶析対象成分が低減された処理水を該晶析反応槽1の外部に排出する。処理水は、晶析反応槽1における液体の流れに従って任意の部分から排出される。晶析反応槽1内で上向流が形成される場合には、晶析反応槽1の上部から処理水が排出される。図1の態様では、該晶析反応槽1の上部から排出される処理水は、処理水排出ライン8を通って最終的に系外に排出される。図1の態様においては、処理水排出ライン8には処理水貯留タンク9が介装されているが、この設置は任意であり、通常の排水処理で使用されるその他の手段を設けることも可能である。
【0031】
本発明の晶析処理方法においては、任意に、晶析反応槽1から排出される処理水の少なくとも一部を該晶析反応槽1に返送する処理水循環手段を有することができるが、該処理水循環手段を有することが好ましい。処理水循環手段としては、処理水の少なくとも一部を晶析反応槽1に返送できるものであれば任意の態様が可能であり、特に限定されるものではない。図1の態様においては、処理水循環手段として、処理水貯留タンク9と晶析反応槽1を連結する処理水循環ライン10が設けられており、該処理水循環ライン10には処理水移送のためのポンプが介装されている。処理水循環手段が循環させる処理水は「処理水の少なくとも一部」であるから、処理水の一部だけでなく、全てを循環させることも本発明の範囲内である。
【0032】
処理水循環手段は、処理水を晶析反応槽1に循環させることにより、晶析反応槽1内に供給された原水を希釈すると共に、晶析用薬液と原水を混合し、さらに、晶析反応槽1内で所定の流れ、特に上向流を形成させる。よって、晶析反応槽1内で上向流が形成される場合には、図1のように、処理水循環ライン10は晶析反応槽1の底部に接続されるような態様が好ましい。
また、図1の態様において処理水貯留タンク9は、循環される処理水と、系外に排出される処理水との分岐のための手段として機能し、処理水循環手段を形成しているが、処理水循環手段の形成はこの態様に限定されるものではなく、処理水排出ライン8から処理水循環ライン10が直接分岐するような態様など、任意の態様が可能である。
以下、実施例で本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
【0033】
【実施例】
比較例1
フッ化ナトリウム100mgF/Lを水道水に溶解したものを原水として、図3に示す態様の晶析反応槽で実験を行った。反応槽は高さ2m、容積300mLの円柱型アクリルカラムを用いた。晶析部には種晶としてフッ化カルシウム粒子を充填量100mLで充填し、原水の流量は3L/hであった。晶析用薬液として35%CaCl水溶液を原水流量基準で500mgCa/L添加した。この時、該晶析用薬液供給ラインに接続されたノズルの小孔から、0.2m/秒の流速で、晶析用薬液を該晶析反応槽内に供給した。当初の晶析処理水中のフッ素濃度は4mgF/Lであったが、上記条件で晶析処理を500時間継続したところ、微細粒子による処理水の水質悪化が認められた。さらに、晶析用薬液供給ラインの圧力上昇が確認され、この時点での晶析処理水中のフッ素濃度は50mgF/Lであり、流路閉塞による晶析用薬液の供給不足が確認された。また、晶析用薬液供給ラインの先端に設置したノズル構造物を目視にて評価したところ、ノズル小孔部分およびノズル管内に析出物が認められた。
【0034】
実施例1
フッ化ナトリウム100mgF/Lを水道水に溶解したものを原水として、図1に示す態様の晶析反応槽で実験を行った。反応槽は高さ2m、容積300mLの円柱型アクリルカラムを用いた。晶析部には種晶としてフッ化カルシウム粒子を充填量100mLで充填し、原水の流量は3L/hであった。晶析用薬液として35%CaCl水溶液を用い、希釈液として純水を用いて、該晶析用薬液を5倍に希釈して、原水流量基準で500mgCa/Lで添加し、希釈晶析処理を500時間行った。なお、該晶析用薬液供給ラインに接続されたノズルの小孔から、1.0m/秒の流速で、上記希釈液を該晶析反応槽に供給した。この条件で晶析処理を行った当初および500時間後の晶析処理水中のフッ素濃度は4mgF/Lであった。また、ノズル小孔部分およびノズル管内部への化合物の析出は目視により認められず、また、晶析用薬液供給ラインの圧力上昇も認められず、微細粒子の形成を含めた処理水質の悪化も認められなかった。
実施例1および比較例1の結果から、晶析用薬液の希釈を行わない従来法では、濃厚な晶析用薬液が供給されることによる過飽和域の発生と、それによる微細粒子の形成による水質の悪化、並びに、注入量不足によるディストリビューション不良による水質悪化およびノズル部分での析出が認められたが、本発明の方法で晶析処理を行うことにより、過飽和域の発生を防止できると共に、ディストリビューション不良も防止できることが明らかとなった。
【0035】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明の方法は、フッ素、リンおよび/または重金属をはじめとする晶析対象成分を含む原水を晶析処理する方法において、晶析用薬液供給ラインに希釈液供給ラインを連結させ、該希釈液供給ラインから希釈液を該晶析用薬液供給ラインに供給して、該晶析用薬液を希釈し、該希釈された晶析用薬液を、ノズルの小孔から最低線速度以上の流速で、該晶析反応槽内に供給するので、晶析反応成分の局所的な高濃度域を生じさせず、その結果、微細粒子の形成による処理水の水質悪化を防止でき、また、ディストリビューション不良を防止することにより、その結果、晶析用薬液供給ライン内部、ノズル内部および/またはノズルの小孔における閉塞を生じさせず、さらに処理水の水質悪化を防止できるという有利な効果を有する。また、本発明の方法においては、あらかじめ希釈された晶析用薬液を調製しておく必要がないので、装置を大型化することなく原水を処理できるという有利な効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の晶析処理方法に適用可能な晶析反応装置の一態様を示す概略図である。
【図2】 図2は、図1の晶析反応装置のノズル部分の拡大図である。
【図3】 図3は、従来の晶析処理方法に適用される晶析反応装置の一態様を示す概略図である。
【符号の説明】
1 晶析反応槽
2 種晶
3 原水タンク
4 原水供給ライン
5、5’ 濃度測定手段
6 晶析用薬液タンク
7 晶析用薬液供給ライン
8 処理水排出ライン
9 処理水貯留タンク
10 処理水循環ライン
11 ノズル
12 小孔
13 晶析用薬液供給制御手段
14 希釈液供給ライン

Claims (5)

  1. 晶析対象成分を含む原水と晶析用薬液とを晶析反応槽に供給し、該晶析反応槽の内部の種晶上に、該晶析対象成分と、該晶析用薬液に含まれる晶析反応成分との反応物を析出させることにより、晶析対象成分が低減された処理水を生じさせる晶析処理方法において、
    該晶析用薬液を該晶析反応槽に供給する晶析用薬液供給ラインに連結された希釈液供給ラインから、希釈液を該晶析用薬液供給ラインに供給して、該晶析用薬液を希釈し、
    該希釈された晶析用薬液が、該晶析用薬液供給ラインに接続されたノズルの小孔から、最低線速度以上の流速で、該晶析反応槽内に供給されることを特徴とする前記晶析処理方法。
  2. 希釈液の供給量が、希釈液だけで、ノズルの小孔からの流速を最低線速度以上にする量である、請求項1記載の晶析処理方法。
  3. 最低線速度が、線速度0.5m/秒である請求項1または2記載の晶析処理方法。
  4. 希釈液の供給量が一定である、請求項1〜3のいずれか1項記載の晶析処理方法。
  5. 原水中の晶析対象成分の濃度、処理水中の晶析対象成分の濃度および/または処理水中の晶析反応成分の濃度を測定し、この濃度に応じて晶析用薬液の供給量を調節する、請求項1〜4のいずれか1項記載の晶析処理方法。
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