JP4631425B2 - リン酸を含むフッ素含有排水の処理方法及び処理装置 - Google Patents

リン酸を含むフッ素含有排水の処理方法及び処理装置 Download PDF

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Description

本発明は、リン酸を含むフッ素含有排水の処理方法及び処理装置に関する。さらに詳しくは、本発明は、リン酸を含むフッ素含有排水の処理において、フッ素のカルシウム化合物による処理に及ぼすリン酸の悪影響を防ぎ、フッ素を効率よく除去してフッ素濃度の低い処理水を得ることができるリン酸を含むフッ素含有排水の処理方法及び処理装置に関する。
フッ素は、フッ酸含有洗浄液やバッファードフッ酸含有エッチング剤を使用する半導体製造工場からの排水、金属精錬、石英ガラス、窯業、化学工場などからの排水、排煙脱硫排水、地下水などに含まれる。フッ酸は、腐食性が強く、管渠を破損し、フッ素は、終末処理場では生物処理機能を阻害するので、排水中のフッ素を低濃度まで除去することが求められる。平成13年6月に水質汚濁防止法が改正されて排水基準にフッ素が追加され、平成16年7月より公共用水域への排水基準としてフッ素8mg/Lが適用されている。
電子産業、金属加工業などで排出されるフッ素含有排水を、安価に大量に処理する一般的な方法は凝集沈殿法である。例えば、フッ素含有排水に水酸化カルシウムや塩化カルシウムなどのカルシウム化合物を添加し、フッ化カルシウムとして除去する方法、ポリ塩化アルミニウムや硫酸アルミニウムを添加し、水酸化アルミニウムとの共沈により除去する方法、フッ化カルシウムとしての除去処理と水酸化アルミニウムとの共沈処理を直列に配し、一段目の処理でカルシウム凝集処理を行い、高度処理として二段目にアルミニウム共沈処理を行う方法などが挙げられる。通常は、カルシウム凝集処理又はアルミニウム共沈処理単独では、安価で良好な脱フッ素処理を行うことは困難であり、二段処理法が用いられることが多い。しかし、このような方法を用いても、処理水のフッ素濃度を10mg/L未満とすることは極めて困難であり、大量の薬剤の添加が必要で、コスト高になるとともに、大量の汚泥の発生が避けられなかった。一段処理により処理水のフッ素濃度を十分に低下させることが難しい原因として、フッ素含有排水中の共存イオンの影響などが考えられるが、その解決法には定説がなく、処理水の水質が悪化した場合には、一般的に薬剤の添加量を増やすことで対応がなされていた。しかし、このような対応をした場合、薬剤消費量や汚泥量の増加を引き起こしていた。
リン酸イオンが共存するフッ素含有排水から、フッ素を高純度のフッ化カルシウムとして効率よく回収するフッ素含有水の処理方法として、フッ素とともにリン酸イオンを含む水を、凝集剤として鉄塩を用いて凝集処理してリン酸イオンを除去したのち、炭酸カルシウム粒子が充填された塔に通水し、フッ素をフッ化カルシウムとして回収するフッ素含有水の処理方法が提案されている(特許文献1)。しかし、この方法は、排水中のフッ素をフッ化カルシウムとして、資源として回収する際に、高純度のフッ化カルシウムを得ることを目的とし、処理水のフッ素濃度は十分に低下することは目的としていない。また、フッ素含有水を炭酸カルシウム充填塔に通水してフッ素をフッ化カルシウムとして除去、回収する方法において、フッ素除去率を高めて処理水質の向上を図るとともに、高純度フッ化カルシウムの回収を可能とするフッ素含有水の処理方法として、フッ素含有水を複数の炭酸カルシウム充填塔を直列に通水して処理する方法において、各炭酸カルシウム充填塔の流出水の一部を再度同一の炭酸カルシウム充填塔に通水するフッ素含有水の処理方法が提案されている(特許文献2)。しかし、この方法によっても、流出水のフッ素濃度は10.7〜14.6mg/Lの範囲にとどまっている。
特許第3257063号公報(第1頁) 特開平6−254571号公報(第2頁、第4頁)
本発明は、リン酸を含むフッ素含有排水の処理において、フッ素のカルシウム化合物による処理に及ぼすリン酸の悪影響を防ぎ、フッ素を効率よく除去してフッ素濃度の低い処理水を得ることができるリン酸を含むフッ素含有排水の処理方法及び処理装置を提供することを目的としてなされたものである。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、フッ素含有排水にリン酸イオンが含まれていると、処理水の水質を悪化させる影響が大きいことを突き止め、フッ素含有排水にリン酸と不溶性の塩を形成する多価カチオン化合物を添加したのち、カルシウム化合物を添加してフッ化カルシウムの沈殿を生成させ、次いで固液分離することにより、フッ素濃度の低い処理水を得ることができることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)リン酸を含むフッ素含有排水のカルシウム化合物による処理方法において、鉄化合物濃度[Fe 3+ ]をリン酸濃度[PO 4 3- ]の0.1〜1倍として、リン酸と不溶性の塩を形成する鉄化合物とアルカリ剤とを、第一反応槽の前記排水に添加して、第一反応槽においてpH4〜10の条件下で、不溶性のリン酸の塩を生成させたのち、残留する遊離のリン酸イオンの濃度[PO 4 3- ]は、200mg/L以下として、該排水を、第二反応槽に送り、第二反応槽において、カルシウム化合物を添加してpH11以上にしてフッ化カルシウムの沈殿を生成させ、次いで、沈澱槽において、処理水と不溶性のリン酸の塩及びフッ化カルシウムの沈殿物を含む汚泥とに固液分離することを特徴とするリン酸を含むフッ素含有排水の処理方法、
(2)固液分離において生成した汚泥の一部を汚泥中継槽に送り、汚泥中継槽にカルシウム化合物を添加して汚泥と混合し、フッ化カルシウムの沈殿を生成させる工程に返送する(1)記載のリン酸を含むフッ素含有排水の処理方法、
(3)リン酸を含むフッ素含有排水のカルシウム化合物による処理方法において、該排水にリン吸着剤を添加してリン酸をリン吸着剤に吸着させたのち、カルシウム化合物を添加してフッ化カルシウムの沈殿を生成させ、次いで、処理水とリン酸を吸着したリン吸着剤及びフッ化カルシウムの沈殿物を含む汚泥とに固液分離することを特徴とするリン酸を含むフッ素含有排水の処理方法、
(4)リン酸を含むフッ素含有排水に、リン酸と不溶性の塩を形成する鉄化合物を鉄化合物濃度[Fe 3+ ]をリン酸濃度[PO 4 3- ]の0.1〜1倍として、アルカリ剤とともに添加してpH4〜10の条件下で、液中に残留する遊離のリン酸イオンの濃度[PO 4 3- ]は、200mg/L以下として、不溶性のリン酸の塩を生成させる手段、不溶性のリン酸の塩が形成された被処理水を導入し、pH11以上にしてカルシウム化合物を添加してフッ素と反応させる反応槽、反応後の水に凝集剤を添加してフロックを凝集させる凝集槽、凝集したフロックを含有する被処理水を固液分離する固液分離装置、及び、固液分離された汚泥の一部を反応槽に返送する汚泥返送路を有し、かつ、汚泥返送路の途中に返送汚泥にカルシウム化合物を混合する汚泥中継槽を有し、カルシウム化合物が混合された汚泥を反応槽に返送する手段とから成る(2)記載のリン酸を含むフッ素含有排水の処理方法に用いる処理装置、及び、
(5)リン酸を含むフッ素含有排水にリン吸着剤を添加してリン酸をリン吸着剤に吸着した処理水を得る手段、前記処理水にカルシウム化合物を添加してフッ素と反応させる反応槽、反応槽の水に凝集剤を添加してフロックを凝集させる凝集槽、凝集したフロックを含有する被処理水を固液分離する固液分離装置とから成るリン酸を含むフッ素含有排水の処理装置、
を提供するものである。
本発明方法及び装置によれば、電子産業などで排出されるリン酸を含むフッ素含有排水に対し、カルシウム化合物、アルミニウム化合物又はマグネシウム化合物以外のリン酸と不溶性の塩を形成する多価カチオン化合物を添加することにより、効果的にリン酸を除去し、カルシウム化合物の添加によるフッ素の除去処理へのリン酸の悪影響を低減させ、フッ素濃度の低い処理水を得ることができる。
本発明のリン酸を含むフッ素含有排水の処理方法の第一の態様においては、該排水のカルシウム化合物による処理方法において、カルシウム化合物、アルミニウム化合物又はマグネシウム化合物以外のリン酸と不溶性の塩を形成する多価カチオン化合物を添加したのち、カルシウム化合物を添加してフッ化カルシウムの沈殿を生成させ、次いで固液分離する。本発明方法によれば、リン酸を含むフッ素含有排水にリン酸と不溶性の塩を形成する多価カチオン化合物を添加して水中のリン酸イオンを除去したのち、カルシウム化合物を添加し、フッ化カルシウムの沈殿を生成させてフッ素を効率的に除去し、フッ素濃度の低い処理水を得ることができる。本発明において、不溶性の塩とは、20℃における溶解度積が1×10-20以下である塩をいう。本発明方法は、リン酸を使用する工程を有する電子部品工業などの工場で発生するリン酸を含むフッ素含有排水に好適に適用することができる。
本発明方法においては、リン酸と不溶性の塩を形成する多価カチオン化合物として、イットリウム化合物、ランタン化合物、セリウム化合物などの希土類化合物、バリウム化合物及び鉄化合物を好適に用いることができる。これらの化合物は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。イットリウム、ランタン、セリウム、バリウム及び鉄は、フッ化物の溶解度積よりもリン酸塩の溶解度積の方が小さいので、リン酸とフッ素が共存する系に添加したとき、リン酸と選択的に反応して不溶性の塩を形成する。リン酸とフッ素が共存する系に、リン酸と不溶性の塩を形成する多価カチオン化合物としてカルシウム化合物を添加すると、リン酸カルシウムの沈殿とフッ化カルシウムの沈殿が同時に生成して、効率的にフッ素を除去することが困難となるおそれがある。多価カチオン化合物としてアルミニウム化合物又はマグネシウム化合物を添加すると、生成するリン酸アルミニウム又はリン酸マグネシウムは膨潤しやすく、発生する汚泥の量が増大するおそれがある。
本発明方法においては、フッ素含有排水中のリン酸と不溶性の塩を形成するために、リン酸イオンの形態を制御することが好ましい。リン酸は、pHによってH3PO4、H2PO4 -、HPO4 2-、PO4 3-のそれぞれの形に解離する。カチオンがリン酸イオンと特に不溶性の塩を形成しやすい形は、HPO4 2-、PO4 3-であり、それぞれカチオンとの塩の生成のしやすさが異なる。また、添加するカチオンもpHによってリン酸以外のアニオンと不溶性の塩を形成することがあるために、反応の際のpHを制御することが好ましい。
リン酸と不溶性の塩を形成するための多価カチオン化合物として、イットリウム、ランタン、セリウムなどの希土類の化合物を用いる場合は、これらの多価カチオン化合物は酸性領域でフッ素と不溶性の塩を形成するために、リン酸と不溶性の塩を形成する効果が小さくなる。そのために、リン酸を含むフッ素含有排水から希土類化合物を用いてリン酸と不溶性の塩を形成する場合は、処理の際のpHを4以上にすることが好ましい。
リン酸と不溶性の塩を形成するための多価カチオン化合物としてバリウム化合物を用いる場合は、リン酸の形態の中でもPO4 3-との塩が最も溶解度が低いために、pHをアルカリ側にすることが好ましい。また、フッ素含有排水中に硫酸も含まれている場合は、バリウムは硫酸と不溶性の塩を形成し、特にpHが5以下の場合にはリン酸よりも硫酸を除去する能力が高くなる。そのために、リン酸と硫酸を含むフッ素含有排水からバリウム化合物を用いてリン酸と不溶性の塩を形成する場合、処理の際のpHを5以上にすることが好ましい。
リン酸を除去するための多価カチオン化合物として鉄化合物を用いる場合は、水酸化鉄の溶解度積が極めて小さく、アルカリ領域では鉄イオンが水酸化鉄として析出するために、リン酸と不溶性の塩を形成する効果が小さくなる。また、pHが低く、リン酸の存在形態としてH2PO4 -が多くなると、鉄と不溶性の塩を形成しづらくなる。そのために、リン酸を含むフッ素含有排水から、鉄化合物を用いてリン酸と不溶性の塩を形成する場合は、処理の際のpHを4〜10にすることが好ましい。
多価カチオンMn+を添加してリン酸と不溶性の塩を形成する場合、Mn+の濃度は[Mn+]≧(0.3/n)×[PO4 3-]であることが好ましく、[Mn+]≧(3/n)×[PO4 3-]であることがより好ましい。このとき、残留する遊離のリン酸イオンの濃度[PO4 3-]は、200mg/L以下であることが好ましく、20mg/L以下であることがより好ましい。また、添加する多価カチオン化合物のカチオンをすべて不溶性の塩とする場合には、多価カチオンと不溶性の塩を形成するアニオン[Ap-]のフッ素含有排水中の濃度が、[Mn+]≦(3/n)×[PO4 3-]+(p/n)×[Ap-]であることが好ましい。Ap-の例としては、Mn+がBa2+の場合のSO4 2-などを挙げることができる。
図1は、本発明のリン酸を含むフッ素含有排水の処理方法の一態様の工程系統図である。不溶性のリン酸の塩を形成するためにバリウム化合物を用いる場合は、調整槽1から流入するリン酸を含むフッ素含有排水に、第一反応槽2においてバリウム化合物を添加する。このとき、バリウムの濃度は[Ba2+]=1.5×[PO4 3-]であることが好ましいが、[Ba2+]≧0.15×[PO4 3-]であっても処理水の水質を向上することができる。また、リン酸を含むフッ素含有排水に硫酸イオンが含まれる場合は、溶解性バリウムが残留することを防ぐために、バリウム化合物の添加量は、[Ba2+]≦1.5×[PO4 3-]+[SO4 2-]であることが好ましい。
pHが低い領域ではリン酸パリウムの溶解度が大きくなるので、リン酸バリウムを効率的に沈降させるために、pHを5以上とすることが好ましく、pHを9以上とすることがより好ましい。また、バリウム化合物として、塩化バリウムは、化合物中のバリウムの割合が大きく、水に対する溶解度が大きいので好適に用いることができる。このとき、pH調整剤として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ剤を使用することにより、効率的に不溶性のリン酸の塩を形成することができる。アルカリ剤を使用しない場合は、水酸化バリウムを単独で使用することもできる。
次いで、水を第二反応槽3に送り、カルシウム化合物を添加し、フッ化カルシウムの沈殿を生成させる。カルシウム化合物としては、例えば、水酸化カルシウム、塩化カルシウムなどを挙げることができる。また、第一反応槽と第二反応槽を一つの反応槽とすることもできる。フッ化カルシウムの沈殿が生成した水は、凝集槽4に送り、処理水質、汚泥沈降性などに応じて、凝集剤を添加することができる。凝集剤としては、例えば、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムなどのアルミニウム化合物や、高分子凝集剤などを挙げることができる。また、pHを中性付近の6〜7に調整するために、塩酸や硫酸などの酸を添加することができる。フッ化カルシウムの沈殿が凝集した水は、固液分離装置5に送って固液分離を行う。
不溶性のリン酸の塩を形成するために鉄化合物を用いる場合は、調整槽1から流入するリン酸を含むフッ素含有排水に、第一反応槽2で鉄化合物を添加する。このとき、鉄化合物の濃度は[Fe3+]=[PO4 3-]であることが好ましいが、[Fe3+]≧0.1×[PO4 3-]であっても、処理水の水質を向上することができる。このとき、pHが低い領域ではリン酸鉄(III)の溶解度が大きくなり、pHが高い領域では水酸化鉄(III)の生成が促進されるために、pHを4〜10とすることが好ましく、5〜7とすることがより好ましい。pHを4〜10とすることにより、リン酸鉄(III)を効率的に沈降させることができる。また、鉄化合物として、塩化鉄(III)は、化合物中の鉄の割合が大きく、水に対する溶解度が大きいので好適に用いることができる。このとき、pH調整剤として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ剤を使用することにより、効率的に不溶性のリン酸の塩を形成することができる。
次いで、水を第二反応槽3に送り、カルシウム化合物を添加し、フッ化カルシウムの沈殿を生成させる。カルシウム化合物としては、例えば、水酸化カルシウム、塩化カルシウムなどを挙げることができる。カルシウム化合物添加後の水のpHは、アルカリ側、特にpH11以上にすることが好ましい。また、第一反応槽と第二反応槽を一つの反応槽とすることもできる。フッ化カルシウムの沈殿が生成した水は、凝集槽4に送り、処理水質、汚泥沈降性などに応じて、凝集剤を添加することができる。凝集剤としては、例えば、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムなどのアルミニウム化合物や、高分子凝集剤などを挙げることができる。また、pHを中性付近の6〜7に調整するために、塩酸や硫酸などの酸を添加することができる。フッ化カルシウムの沈殿が凝集した水は、固液分離装置5に送って固液分離を行う。
本発明のリン酸を含むフッ素含有排水の処理方法の第二の態様においては、リン酸を含むフッ素含有排水のカルシウム化合物による処理方法において、該排水をリン吸着剤と接触させたのち、カルシウム化合物を添加してフッ化カルシウムの沈殿を生成させ、次いで固液分離する。
本発明に用いるリン吸着剤としては、例えば、土壌に鉄塩とアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物などを加えて混合し、成形し、焼成して得られるリン酸吸着剤、チタン塩を加水分解して得られるチタン酸化物、ジルコニウムを分散担持させた多孔質吸着材、ジルコニウム塩を加水分解して得られるジルコニウム酸化物、赤玉土、鹿沼土、カルサイト又は水酸化アルミニウムをポリウレタンで硬化したリン酸イオン吸着剤、セリウム酸化物を含有するリン吸着剤、ゲーサイトを含有するリン吸着剤、アルミドロスを酸処理したのち加熱処理して得られるリン吸着剤、水酸化鉄又は水酸化アルミニウム、吸水性高分子、セメント及び水を混練、造粒、乾燥して得られるリン吸着剤、粉末活性炭、吸水性高分子、セメント及び水を混練、造粒、乾燥して得られるリン吸着剤、上水汚泥、吸水性高分子、セメント及び水を混練、造粒して得られるリン吸着剤、鉄塩又はアルミニウム塩にセメントを添加して中和し、吸水性高分子を添加し、混練造粒してなるリン吸着剤、浄水発生土に過酸化水素と鉄塩などを添加し、成形し、焼成して得られるリン酸吸着材、カキ殻粉末、鹿沼土、水硬性アルミナ、ガラス粉末及び浄水場汚泥を混合、造粒、焼成して得られるリン酸イオン吸着材、リン酸結合タンパク質を担体に固定したリン酸イオン吸着剤、活性炭にイットリウム化合物を保持させたリン酸イオン吸着材、アルカリ質成分と炭素成分とを含む製紙スラッジを熱分解処理して得られるリン吸着材、M1-x 2+x 3+(OH-)2+x-y(An-)y/nで表される複合金属水酸化物などを挙げることができる。
本発明方法の第二の態様においては、リン酸を含むフッ素含有排水をリン吸着材と接触させてリン酸を除去したのち、カルシウム化合物を添加し、フッ化カルシウムの沈殿を生成させる。カルシウム化合物としては、例えば、水酸化カルシウム、塩化カルシウムなどを挙げることができる。フッ化カルシウムの沈殿が生成した被処理水には、処理水質、汚泥沈降性などに応じて、凝集剤を添加する。凝集剤としては、例えば、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムなどのアルミニウム化合物や、高分子凝集剤などを挙げることができる。フッ化カルシウムの沈殿が凝集した被処理水は、固液分離槽に送って固液分離を行う。
本発明のリン酸を含むフッ素含有排水の処理装置は、リン酸を含むフッ素含有排水にリン酸と不溶性の塩を形成する多価カチオン化合物を添加する手段、不溶性のリン酸の塩が形成された被処理水を導入し、カルシウム化合物を添加してフッ素と反応させる反応槽、反応後の被処理水に凝集剤を添加してフロックを凝集させる凝集槽、凝集したフロックを含有する被処理水を固液分離する固液分離装置、及び、固液分離された汚泥の一部を反応槽に返送する汚泥返送路を有するリン酸を含むフッ素含有排水の処理装置であって、汚泥返送路の途中に返送汚泥にカルシウム化合物を混合する汚泥中継槽を有し、カルシウム化合物が混合された汚泥を反応槽に返送する装置である。
図2は、本発明のリン酸を含むフッ素含有排水の処理装置の一態様の工程系統図である。本態様の処理装置は、調整槽1、第一反応槽2、第二反応槽3、凝集槽4、固液分離装置5、汚泥返送路6及び汚泥中継槽7を有する。本態様においては、調整槽1からリン酸を含むフッ素含有排水が第一反応槽2に送られ、多価カチオン化合物とアルカリ剤が添加されて、不溶性のリン酸の塩が形成されたのち、第二反応槽3に送られる。第二反応槽においては、返送汚泥とともに添加されたカルシウム化合物とフッ素との反応によりフッ化カルシウムの沈殿が生成する。フッ化カルシウムの沈殿が生成した被処理水は、凝集槽4に送られ、アルミニウム化合物、高分子凝集剤などの凝集剤が添加される。フッ化カルシウムの沈殿が凝集した被処理水は、固液分離装置5に送られて固液分離される。固液分離により発生した汚泥の一部は汚泥返送路6を経由して汚泥中継槽7に送られ、汚泥の残部は処分される。
汚泥中継槽7に送られた汚泥には、フッ素と反応してフッ化カルシウムの沈殿を生成させるためのカルシウム化合物が添加されて混合され、第二反応槽3に返送される。汚泥中継槽において汚泥にカルシウム化合物を添加して混合することにより、カルシウム化合物は汚泥の懸濁物質粒子の表面に吸着され、微視的に懸濁物質粒子の表面のカルシウム化合物の濃度が高い状態になる。その結果、水中のフッ素とカルシウム化合物の反応は、主として懸濁物質粒子の表面で起こり、生成するフッ化カルシウムは、懸濁物質粒子の表面に結晶として析出するので、沈降性と脱水性の良好な汚泥が形成され、汚泥の含水率が低下し、発生する汚泥の量を減少することができる。
本発明のリン酸を含むフッ素含有排水の処理方法によれば、該排水にリン酸と不溶性の塩を形成するイットリウム化合物、ランタン化合物、セリウム化合物、バリウム化合物、鉄化合物などを添加し、pHを調整して不溶性のリン酸の塩を形成させ、リン酸がカルシウムと結合してアパタイトなどの不溶性カルシウム塩が生成することを防ぎ、リン酸によるフッ素凝集への悪影響を低減させることができる。その結果、アルミニウム化合物や高分子凝集剤を使用する高度処理の負荷低減、あるいは、高度処理の省略が可能となり、生成する汚泥の量を減少させ、処理費用を節減することができる。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例において、フッ素濃度は、JIS K 0101 34.1(ランタン−アリザリンコンプレキソン吸光光度法)により測定した。
比較例1
フッ素200mgF-/L、リン酸20mgPO4 3-/Lを含む排水に、520mgCa2+/Lとなるように消石灰を添加してpHを12とし、硫酸を加えてpH7に調整した。30分間撹拌したのち、ポリ塩化アルミニウム100mg/Lと高分子凝集剤(ポリアクリルアミド部分加水分解物)1mg/Lを添加した。30分間沈降させたのち、上澄水中のフッ素濃度は14.9mgF-/Lであった。
比較例2
フッ素200mgF-/L、リン酸200mgPO4 3-/Lを含む排水に、520mgCa2+/Lとなるように消石灰を添加してpHを12とし、硫酸を加えてpH7に調整した。30分間撹拌したのち、ポリ塩化アルミニウム100mg/Lと高分子凝集剤(ポリアクリルアミド部分加水分解物)1mg/Lを添加した。30分間沈降させたのち、上澄水中のフッ素濃度は48.8mgF-/Lであった。
比較例3
フッ素200mgF-/L、リン酸20mgPO4 3-/Lを含む排水に、1,040mgCa2+/Lとなるように消石灰を添加してpHを12とし、硫酸を加えてpH7に調整した。30分間撹拌したのち、ポリ塩化アルミニウム100mg/Lと高分子凝集剤(ポリアクリルアミド部分加水分解物)1mg/Lを添加した。30分間沈降させたのち、上澄水中のフッ素濃度は12.0mgF-/Lであった。
比較例1〜3の結果を、第1表に示す。
Figure 0004631425
第1表に見られるように、フッ素200mgF-/Lとリン酸20mgPO4 3-/Lを含む排水に、消石灰を520mgCa2+/Lとなるように添加してフッ化カルシウムを沈殿させ、ポリ塩化アルミニウムと高分子凝集剤を添加して凝集沈降させた比較例1では、処理水のフッ素濃度は14.9mgF-/Lまでにしか低下しない。リン酸濃度が200mgPO4 3-/Lである比較例2では、処理水のフッ素濃度はさらに高くなる。消石灰の添加量を2倍にした比較例3でも、フッ素濃度は12.0mgF-/Lまでにしか低下しない。
参考例1
フッ素200mgF-/Lを含有し、リン酸濃度が0mgPO4 3-/L、10mgPO4 3-/L、20mgPO4 3-/L、40mgPO4 3-/L、80mgPO4 3-/L又は200mgPO4 3-/Lである6種の被処理水を調製した。これらの被処理水に、CaF2とCa3(PO4)2が生成し、なおカルシウムが300mgCa2+/L過剰となる量の消石灰、すなわち、それぞれに511mgCa2+/L、517mgCa2+/L、523mgCa2+/L、536mgCa2+/L、561mgCa2+/L又は637mgCa2+/Lとなるように消石灰を添加し、硫酸を加えてpH7に調整した。30分間撹拌したのち、ポリ塩化アルミニウム100mg/Lと高分子凝集剤(ポリアクリルアミド部分加水分解物)1mg/Lを添加した。30分間沈降させたのち、上澄水中のフッ素濃度を測定した。フッ素濃度は、それぞれ4.3mgF-/L、10.1mgF-/L、13.8mgF-/L、16.6mgF-/L、18.3mgF-/L、22.3mgF-/Lであった。被処理水のリン酸濃度と処理水のフッ素濃度の関係を、図3に示す。
図3に見られるように、被処理水のリン酸濃度が増加すると、それに応じて消石灰の添加量を増しても、処理水のフッ素濃度は高くなり、フッ素含有排水の処理において、共存するリン酸がフッ素の除去に悪影響を及ぼすことが分かる。
実施例1
フッ素200mgF-/L、リン酸20mgPO4 3-/Lを含む排水に、リン酸と当量の塩化バリウムを45mgBa2+/Lとなるように添加し、消石灰を加えてpH5に調整し、5分間撹拌した。この水に520mgCa2+/Lとなるように消石灰を添加してpHを12とし、硫酸を加えてpH7に調整した。30分間撹拌したのち、ポリ塩化アルミニウム100mg/Lと高分子凝集剤(ポリアクリルアミド部分加水分解物)1mg/Lを添加した。30分間沈降させたのち、上澄水中のフッ素濃度は5.1mgF-/Lであった。
実施例2
フッ素200mgF-/L、リン酸200mgPO4 3-/Lを含む排水に、リン酸と当量の塩化バリウムを450mgBa2+/Lとなるように添加した以外は、実施例1と同様にして処理を行った。上澄水中のフッ素濃度は、4.9mgF-/Lであった。
実施例3
フッ素200mgF-/L、リン酸200mgPO4 3-/Lを含む排水に、リン酸の0.1当量倍の塩化バリウムを45mgBa2+/Lとなるように添加し、消石灰を加えてpH9に調整し、5分間撹拌した。この水に520mgCa2+/Lとなるように消石灰を添加してpHを12とし、硫酸を加えてpH7に調整した。30分間撹拌したのち、ポリ塩化アルミニウム100mg/Lと高分子凝集剤(ポリアクリルアミド部分加水分解物)1mg/Lを添加した。30分間沈降させたのち、上澄水中のフッ素濃度は7.0mgF-/Lであった。
実施例1〜3の結果を、第2表に示す。
Figure 0004631425
第2表に見られるように、リン酸と当量の塩化バリウムを添加した以外は、比較例1、比較例2と同じ条件で処理した実施例1、実施例2においては、処理水のフッ素濃度がそれぞれ5.1mgF-/L、4.9mgF-/Lまで低下している。さらに、驚くべきことには、添加した塩化バリウムの量がリン酸の0.1当量倍に過ぎない実施例3でも、処理水のフッ素濃度が排水基準値以下の7.0mgF-/Lまで低下している。
実施例4
フッ素200mgF-/L、リン酸200mgPO4 3-/Lを含む排水に、塩化ランタンを430mgLa2+/Lとなるように添加し、水酸化ナトリウムを250mg/L加えてpH4に調整し、5分間撹拌した。この水に520mgCa2+/Lとなるように消石灰を添加してpHを12とし、塩酸を加えてpH7に調整した。30分間撹拌したのち、ポリ塩化アルミニウム100mg/Lと高分子凝集剤(ポリアクリルアミド部分加水分解物)1mg/Lを添加した。30分間沈降させたのち、上澄水中のフッ素濃度は4.7mgF-/Lであった。
実施例5
塩化ランタンの代わりに、塩化イットリウムを275mgY3+/Lとなるように添加した以外は、実施例4と同様にして処理を行った。上澄水中のフッ素濃度は、5.2mgF-/Lであった。
実施例6
塩化ランタンの代わりに、塩化セリウム(III)を434mgCe3+/Lとなるように添加した以外は、実施例4と同様にして処理を行った。上澄水中のフッ素濃度は、5.5mgF-/Lであった。
実施例4〜6の結果を、第3表に示す。
Figure 0004631425
第3表に見られるように、リン酸を含むフッ素含有排水に、塩化ランタン、塩化イットリウム又は塩化セリウムを添加したのち、消石灰を添加してフッ素をフッ化カルシウムとし、ポリ塩化アルミニウムと高分子凝集剤を添加して凝集分離した実施例4〜6では、処理水のフッ素濃度は4.7〜5.5mgF-/Lに低下している。
実施例7
図4に示す工程により、リン酸を含むフッ素含有排水の処理を行った。
調整槽8に貯留したフッ素180mgF-/L、リン酸85mgPO4 3-/Lを含む排水を第一反応槽9に送り、塩化鉄(III)170mg/Lを添加し、苛性ソーダを加えてpH5に調整し、5分間撹拌した。被処理水を第二反応槽10に送り、消石灰1,220mg/Lを添加し、硫酸を加えてpH12に調整し、5分間撹拌した。被処理水を第三反応槽11に送り、ポリ塩化アルミニウム100mg/Lを添加し、硫酸を加えてpHを7に調整し、ゆるやかに5分間撹拌した。次いで、被処理水を第一凝集槽12に送り、高分子凝集剤(ポリアクリルアミド部分加水分解物)1mg/Lを添加し、5分間ゆるやかに撹拌した。被処理水を第一沈殿槽13に送り、固液分離した。第一沈殿槽の上澄水のフッ素濃度は4.9mgF-/Lであった。
第一沈殿槽で分離された汚泥の70重量%を汚泥中継槽14に送り、撹拌下にpH12になるまで消石灰を添加したのち、第二反応槽10に返送した。第一沈殿槽13の上澄水を第四反応槽15に送り、ポリ塩化アルミニウム100mg/Lを添加し、苛性ソーダを加えてpHを7.0に調整し、ゆるやかに5分間撹拌した。次いで、被処理水を第二凝集槽16に送り、高分子凝集剤(ポリアクリルアミド部分加水分解物)1mg/Lを添加し、5分間ゆるやかに撹拌した。被処理水を第二沈殿槽17に送り、固液分離した。第二沈殿槽の上澄水のフッ素濃度は1.9mgF-/Lであった。
実施例7の結果を、第4表に示す。
Figure 0004631425
第4表に見られるように、リン酸を含むフッ素含有排水に塩化鉄(III)を添加して、リン酸を不溶性のリン酸鉄(III)としたのち、消石灰を添加してフッ素をフッ化カルシウムとし、さらにポリ塩化アルミニウムと高分子凝集剤を添加して凝集処理し、固液分離することにより、上澄水中のフッ素濃度を4.9mgF-/Lまで低下させることができる。さらに、この上澄水にポリ塩化アルミニウムと高分子凝集剤を添加して再度凝集処理し、固液分離すると、上澄水のフッ素濃度は1.9mgF-/Lまで低下する。
実施例8
フッ素200mgF-/L、リン酸20mgPO4 3-/Lを含む排水に、リン吸着剤[(株)クレアテラ、ピーキャッチ2号]1g/Lを添加し、5分間撹拌した。この混合物に、520mgCa2+/Lとなるように消石灰を添加してpHを12とし、塩酸を加えてpH7に調整した。30分間撹拌したのち、ポリ塩化アルミニウム100mg/Lと高分子凝集剤(ポリアクリルアミド部分加水分解物)1mg/Lを添加した。30分間沈降させたのち、上澄水中のフッ素濃度は6.5mgF-/Lであった。
実施例8の結果を、第5表に示す。
Figure 0004631425
第5表に見られるように、リン酸を含むフッ素含有排水にリン吸着剤を添加してリン酸を除去したのち、消石灰を添加してフッ素をフッ化カルシウムとし、さらにポリ塩化アルミニウムと高分子凝集剤を添加して凝集処理し、固液分離することにより、処理水中のフッ素濃度は6.5mgF-/Lまで低下している。
本発明方法によれば、リン酸を含むフッ素含有排水に対し、カルシウム化合物、アルミニウム化合物又はマグネシウム化合物以外のリン酸と不溶性の塩を形成する多価カチオン化合物を添加することにより、効果的にリン酸を除去し、カルシウム化合物の添加によるフッ素の除去処理へのリン酸の悪影響を低減させ、フッ素濃度の低い処理水を得ることができる。電子産業では、プロセスにリン酸を使用する場合が多く、このような工場ではリン酸を含むフッ素含有排水が発生するので、本発明方法を適用して処理水のフッ素濃度を排水基準以下に低下させることができる。
本発明方法及び装置によれば、汚泥の懸濁物質粒子の表面にフッ化カルシウムの結晶を析出させ、沈降性と脱水性の良好な汚泥を形成し、汚泥の含水率を低下し、汚泥の発生量を減少することができる。
本発明のリン酸を含むフッ素含有排水の処理方法の一態様の工程系統図である。 本発明のリン酸を含むフッ素含有排水の処理装置の一態様の工程系統図である。 被処理水のリン酸濃度と処理水のフッ素濃度の関係を示すグラフの一例である。 実施例で用いた装置の工程系統図である。
符号の説明
1 調整槽
2 第一反応槽
3 第二反応槽
4 凝集槽
5 固液分離装置
6 汚泥返送路
7 汚泥中継槽
8 調整槽
9 第一反応槽
10 第二反応槽
11 第三反応槽
12 第一凝集槽
13 第一沈殿槽
14 汚泥中継槽
15 第四反応槽
16 第二凝集槽
17 第二沈殿槽

Claims (5)

  1. リン酸を含むフッ素含有排水のカルシウム化合物による処理方法において、鉄化合物濃度[Fe 3+ ]をリン酸濃度[PO 4 3- ]の0.1〜1倍として、リン酸と不溶性の塩を形成する鉄化合物とアルカリ剤とを、第一反応槽の前記排水に添加して、第一反応槽においてpH4〜10の条件下で、不溶性のリン酸の塩を生成させたのち、残留する遊離のリン酸イオンの濃度[PO 4 3- ]は、200mg/L以下として、該排水を、第二反応槽に送り、第二反応槽において、カルシウム化合物を添加してpH11以上にしてフッ化カルシウムの沈殿を生成させ、次いで、沈澱槽において、処理水と不溶性のリン酸の塩及びフッ化カルシウムの沈殿物を含む汚泥とに固液分離することを特徴とするリン酸を含むフッ素含有排水の処理方法。
  2. 固液分離において生成した汚泥の一部を汚泥中継槽に送り、汚泥中継槽にカルシウム化合物を添加して汚泥と混合し、フッ化カルシウムの沈殿を生成させる工程に返送する請求項1記載のリン酸を含むフッ素含有排水の処理方法。
  3. リン酸を含むフッ素含有排水のカルシウム化合物による処理方法において、該排水にリン吸着剤を添加してリン酸をリン吸着剤に吸着させたのち、カルシウム化合物を添加してフッ化カルシウムの沈殿を生成させ、次いで、処理水とリン酸を吸着したリン吸着剤及びフッ化カルシウムの沈殿物を含む汚泥とに固液分離することを特徴とするリン酸を含むフッ素含有排水の処理方法。
  4. リン酸を含むフッ素含有排水に、リン酸と不溶性の塩を形成する鉄化合物を鉄化合物濃度[Fe 3+ ]をリン酸濃度[PO 4 3- ]の0.1〜1倍として、アルカリ剤とともに添加してpH4〜10の条件下で、液中に残留する遊離のリン酸イオンの濃度[PO 4 3- ]は、200mg/L以下として、不溶性のリン酸の塩を生成させる手段、不溶性のリン酸の塩が形成された被処理水を導入し、pH11以上にしてカルシウム化合物を添加してフッ素と反応させる反応槽、反応後の水に凝集剤を添加してフロックを凝集させる凝集槽、凝集したフロックを含有する被処理水を固液分離する固液分離装置、及び、固液分離された汚泥の一部を反応槽に返送する汚泥返送路を有し、かつ、汚泥返送路の途中に返送汚泥にカルシウム化合物を混合する汚泥中継槽を有し、カルシウム化合物が混合された汚泥を反応槽に返送する手段とから成る請求項2記載のリン酸を含むフッ素含有排水の処理方法に用いる処理装置。
  5. リン酸を含むフッ素含有排水にリン吸着剤を添加してリン酸をリン吸着剤に吸着した処理水を得る手段、前記処理水にカルシウム化合物を添加してフッ素と反応させる反応槽、反応槽の水に凝集剤を添加してフロックを凝集させる凝集槽、凝集したフロックを含有する被処理水を固液分離する固液分離装置とから成るリン酸を含むフッ素含有排水の処理装置。
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