JPH10137769A - フッ素含有廃水の処理方法 - Google Patents
フッ素含有廃水の処理方法Info
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- JPH10137769A JPH10137769A JP29868196A JP29868196A JPH10137769A JP H10137769 A JPH10137769 A JP H10137769A JP 29868196 A JP29868196 A JP 29868196A JP 29868196 A JP29868196 A JP 29868196A JP H10137769 A JPH10137769 A JP H10137769A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 水酸化アルミニウムに吸着したフッ素をフッ
化カルシウムとして脱着し、水酸化アルミニウムをフッ
素吸着剤として再生する際、副生するフッ化カルシウム
の分離を容易にするとともに、処理に必要な薬品の使用
量を削減する。 【解決手段】 Al溶解槽6において、水酸化アルミニ
ウムをアルカリ性でアルミン酸イオンとして溶解する
際、水酸化アルミニウムを完全には溶解させず一部残留
させ、残留した水酸化アルミニウムを凝集助剤として、
第三沈降槽7で不溶性成分を沈降させる。第三沈降槽7
における不溶性成分の沈降性は沈降性モニター9によっ
て監視し、所望の沈降性が得られるように、Al溶解槽
6における水酸化アルミニウムの溶解を制御する。発生
する高度処理汚泥はフッ化カルシウム生成による一次処
理槽1に返送し、高度処理汚泥に含まれる水酸化アルミ
ニウムをフッ化カルシウムの凝集助剤の一部として再利
用する。
化カルシウムとして脱着し、水酸化アルミニウムをフッ
素吸着剤として再生する際、副生するフッ化カルシウム
の分離を容易にするとともに、処理に必要な薬品の使用
量を削減する。 【解決手段】 Al溶解槽6において、水酸化アルミニ
ウムをアルカリ性でアルミン酸イオンとして溶解する
際、水酸化アルミニウムを完全には溶解させず一部残留
させ、残留した水酸化アルミニウムを凝集助剤として、
第三沈降槽7で不溶性成分を沈降させる。第三沈降槽7
における不溶性成分の沈降性は沈降性モニター9によっ
て監視し、所望の沈降性が得られるように、Al溶解槽
6における水酸化アルミニウムの溶解を制御する。発生
する高度処理汚泥はフッ化カルシウム生成による一次処
理槽1に返送し、高度処理汚泥に含まれる水酸化アルミ
ニウムをフッ化カルシウムの凝集助剤の一部として再利
用する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フッ素含有廃水の
処理方法に関し、特に20〜30mg/l程度の比較的
希薄なフッ素を含有する廃水中のフッ素を水溶性アルミ
ニウム化合物の中和によって生成する水酸化アルミニウ
ムに吸着させる高度処理方法において、フッ素を吸着し
た水酸化アルミニウムを汚泥として廃棄せずに、繰り返
しフッ素吸着処理に使用する処理方法に関する。
処理方法に関し、特に20〜30mg/l程度の比較的
希薄なフッ素を含有する廃水中のフッ素を水溶性アルミ
ニウム化合物の中和によって生成する水酸化アルミニウ
ムに吸着させる高度処理方法において、フッ素を吸着し
た水酸化アルミニウムを汚泥として廃棄せずに、繰り返
しフッ素吸着処理に使用する処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】フッ素は化学工業や半導体製造などの種
々の産業分野で大量に使用される有用な物質である一
方、人体や環境に対しては有害物質であり、各種産業廃
水に含まれるフッ素量は水質汚濁防止法により15mg
/l以下にするよう規制されている。また、多くの自治
体では、10mg/l以下、さらには5mg/l以下と
いった更に厳しい上乗せ基準を設けているところもあ
り、最も厳しい規制値として0.8mg/l以下という
ケースもある。
々の産業分野で大量に使用される有用な物質である一
方、人体や環境に対しては有害物質であり、各種産業廃
水に含まれるフッ素量は水質汚濁防止法により15mg
/l以下にするよう規制されている。また、多くの自治
体では、10mg/l以下、さらには5mg/l以下と
いった更に厳しい上乗せ基準を設けているところもあ
り、最も厳しい規制値として0.8mg/l以下という
ケースもある。
【0003】一般に廃水中のフッ素を除去する方法とし
ては、廃水中にカルシウム塩を添加して下記の反応式
(1)に示すように難溶性のフッ化カルシウムを生成さ
せて除去するのが基本である。
ては、廃水中にカルシウム塩を添加して下記の反応式
(1)に示すように難溶性のフッ化カルシウムを生成さ
せて除去するのが基本である。
【0004】 Ca2+ + 2F- → CaF2↓ (1)
【0005】なお、生成するフッ化カルシウムは極めて
微細な結晶で、液中に分散しやすい為、液中に塩化アル
ミニウム、硫酸アルミニウム等のアルミニウム塩を溶解
して中和することで、反応式(2)に示すように水酸化
アルミニウムのゲル状物を生成させ、これを凝集助剤と
して作用させることで、フッ化カルシウム結晶を容易に
沈降させることができる。
微細な結晶で、液中に分散しやすい為、液中に塩化アル
ミニウム、硫酸アルミニウム等のアルミニウム塩を溶解
して中和することで、反応式(2)に示すように水酸化
アルミニウムのゲル状物を生成させ、これを凝集助剤と
して作用させることで、フッ化カルシウム結晶を容易に
沈降させることができる。
【0006】 Al3+ + 3OH- → Al(OH)3↓ (2)
【0007】しかしながら、フッ化カルシウム生成を利
用した処理法は、廃水中に含まれる夾雑物質によるフッ
化カルシウム生成反応の阻害及びフッ化カルシウム自体
の溶解度により、通常はフッ素濃度として20〜30m
g/l程度までの処理が限界である。従って、上述の環
境基準を達成するためには、この後更に高度処理を必要
としている。
用した処理法は、廃水中に含まれる夾雑物質によるフッ
化カルシウム生成反応の阻害及びフッ化カルシウム自体
の溶解度により、通常はフッ素濃度として20〜30m
g/l程度までの処理が限界である。従って、上述の環
境基準を達成するためには、この後更に高度処理を必要
としている。
【0008】高度処理技術として従来は、廃水中に塩化
アルミニウム、硫酸アルミニウム等のアルミニウム塩を
溶解し、これを中和して、上述の反応式(2)に示す反
応に従って生成するゲル状の水酸化アルミニウムに、廃
水中のフッ素を吸着させて共沈させる「凝集沈殿法」が
一般的に行われている。
アルミニウム、硫酸アルミニウム等のアルミニウム塩を
溶解し、これを中和して、上述の反応式(2)に示す反
応に従って生成するゲル状の水酸化アルミニウムに、廃
水中のフッ素を吸着させて共沈させる「凝集沈殿法」が
一般的に行われている。
【0009】すなわち、ゲル状の水酸化アルミニウムは
中性付近で優れたフッ素吸着性を示し、その沈殿にフッ
素が取り込まれることで、廃水中のフッ素を環境基準値
以下の十分な低濃度にまで処理することができる。ま
た、ゲル状水酸化アルミニウムを使用する凝集沈殿法に
は、少なくとも一時処理で用いたカルシウム処理法のよ
うな本質的な処理限界がないため、アルミニウム塩の添
加量が多いほどフッ素吸着量も増加し、よって廃水中の
フッ素濃度を限りなく低減することができる。またこの
方法では、処理条件の制約が少なく、フッ素以外にも多
様な物質を含む廃水に適用することができ、処理の安定
性も優れており、さらに使用する薬剤も安価であること
から、現在最も多用されている。
中性付近で優れたフッ素吸着性を示し、その沈殿にフッ
素が取り込まれることで、廃水中のフッ素を環境基準値
以下の十分な低濃度にまで処理することができる。ま
た、ゲル状水酸化アルミニウムを使用する凝集沈殿法に
は、少なくとも一時処理で用いたカルシウム処理法のよ
うな本質的な処理限界がないため、アルミニウム塩の添
加量が多いほどフッ素吸着量も増加し、よって廃水中の
フッ素濃度を限りなく低減することができる。またこの
方法では、処理条件の制約が少なく、フッ素以外にも多
様な物質を含む廃水に適用することができ、処理の安定
性も優れており、さらに使用する薬剤も安価であること
から、現在最も多用されている。
【0010】ところが、この方法ではフッ素を吸着した
水酸化アルミニウムが汚泥として大量に発生する。例え
ば、このような凝集沈殿法によってフッ素濃度20mg
/lの廃水10m3をフッ素濃度5mg/lまで処理す
るためには、水酸化アルミニウムをAl(OH)3とし
て少なくとも10kg程度必要とする。実際にはゲル状
水酸化アルミニウムはかなりの水分を含んでおり、含水
率70%まで絞ったとしても、その含水重量は25kg
程度になる。そして、発生した汚泥を処分しなければな
らないが、このように大量に発生するために処理コスト
の高騰を招き問題となっている。
水酸化アルミニウムが汚泥として大量に発生する。例え
ば、このような凝集沈殿法によってフッ素濃度20mg
/lの廃水10m3をフッ素濃度5mg/lまで処理す
るためには、水酸化アルミニウムをAl(OH)3とし
て少なくとも10kg程度必要とする。実際にはゲル状
水酸化アルミニウムはかなりの水分を含んでおり、含水
率70%まで絞ったとしても、その含水重量は25kg
程度になる。そして、発生した汚泥を処分しなければな
らないが、このように大量に発生するために処理コスト
の高騰を招き問題となっている。
【0011】一方、フッ素を吸着した水酸化アルミニウ
ムを汚泥として処分せず、フッ素を脱着・回収して繰り
返し水酸化アルミニウムをフッ素吸着剤として使用する
高度処理技術が特公平7−36911号公報に開示され
ている。この方法は、フッ素含有廃水の処理に伴い発生
する汚泥量が著しく少ないことを特徴としている。この
技術による処理フローを図6に示す。まず、フッ素吸着
槽21においてフッ素濃度20〜30mg/l程度の廃
水にAl塩を添加し、中性とし、生成する水酸化アルミ
ニウムによるフッ素吸着処理を行った後、沈降槽22で
フッ素吸着した水酸化アルミニウム23を固液分離す
る。上澄み液24は十分フッ素濃度が低下しておりその
まま放流することができる。一方、フッ素吸着した水酸
化アルミニウム23のスラリーは汚泥として処分せず
に、脱着槽25へ引き抜き、水酸化カルシウム又は塩化
カルシウムなどのカルシウム塩を添加して吸着フッ素を
フッ化カルシウムとして脱着させる。さらにAl溶解槽
26において強アルカリ性条件下に、反応式(3)に示
す反応によって水酸化アルミニウムのスラリーをアルミ
ン酸溶液27として溶解し、フッ化カルシウム28を固
液分離する。
ムを汚泥として処分せず、フッ素を脱着・回収して繰り
返し水酸化アルミニウムをフッ素吸着剤として使用する
高度処理技術が特公平7−36911号公報に開示され
ている。この方法は、フッ素含有廃水の処理に伴い発生
する汚泥量が著しく少ないことを特徴としている。この
技術による処理フローを図6に示す。まず、フッ素吸着
槽21においてフッ素濃度20〜30mg/l程度の廃
水にAl塩を添加し、中性とし、生成する水酸化アルミ
ニウムによるフッ素吸着処理を行った後、沈降槽22で
フッ素吸着した水酸化アルミニウム23を固液分離す
る。上澄み液24は十分フッ素濃度が低下しておりその
まま放流することができる。一方、フッ素吸着した水酸
化アルミニウム23のスラリーは汚泥として処分せず
に、脱着槽25へ引き抜き、水酸化カルシウム又は塩化
カルシウムなどのカルシウム塩を添加して吸着フッ素を
フッ化カルシウムとして脱着させる。さらにAl溶解槽
26において強アルカリ性条件下に、反応式(3)に示
す反応によって水酸化アルミニウムのスラリーをアルミ
ン酸溶液27として溶解し、フッ化カルシウム28を固
液分離する。
【0012】 Al(OH)3 + OH- → Al(OH)4 - (3) アルミン酸溶液27は不図示の中和槽にて中和し、反応
式(4)に示す反応によって水酸化アルミニウムを再生
させ、 Al(OH)4 - + H+ → Al(OH)3↓ + H2O (4) フッ素吸着槽21に返送してフッ素吸着処理に再利用す
ることができる。従って、添加した水酸化アルミニウム
自体は系外へ排出されず、発生する汚泥はフッ化カルシ
ウムのみとなる。この技術によれば、フッ素濃度20m
g/lの廃水10m3を5mg/lまで処理する際に、
汚泥として発生するフッ化カルシウムは正味の重量で
0.3kg程度であり、更にフッ化カルシウムは結晶性
であり、水酸化アルミニウムに比べて容易に含水率を低
下させることができるため、実際に排出される汚泥量は
含水率66%として0.6kg程度となり、一般の凝集
沈殿法に比べて大幅に汚泥量を削減することができる。
式(4)に示す反応によって水酸化アルミニウムを再生
させ、 Al(OH)4 - + H+ → Al(OH)3↓ + H2O (4) フッ素吸着槽21に返送してフッ素吸着処理に再利用す
ることができる。従って、添加した水酸化アルミニウム
自体は系外へ排出されず、発生する汚泥はフッ化カルシ
ウムのみとなる。この技術によれば、フッ素濃度20m
g/lの廃水10m3を5mg/lまで処理する際に、
汚泥として発生するフッ化カルシウムは正味の重量で
0.3kg程度であり、更にフッ化カルシウムは結晶性
であり、水酸化アルミニウムに比べて容易に含水率を低
下させることができるため、実際に排出される汚泥量は
含水率66%として0.6kg程度となり、一般の凝集
沈殿法に比べて大幅に汚泥量を削減することができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のフッ素含有廃水の高度処理方法にも更に解決す
べき幾つかの課題がある。その一つは、強アルカリで水
酸化アルミニウムをアルミン酸溶液として溶解した後、
副生したフッ化カルシウム28を固液分離しなければな
らないが、前述のようにフッ化カルシウムの結晶は極め
て微細で、液中に分散しやすい為、沈降分離には長時間
を要し、またフィルターを用いた濾過分離を行う場合で
もフィルターの目詰まりが起きやすく、そのため濾過に
際して高圧にしなければならず、また頻繁なフィルター
洗浄作業あるいはフィルター交換が必要となることであ
る。
た従来のフッ素含有廃水の高度処理方法にも更に解決す
べき幾つかの課題がある。その一つは、強アルカリで水
酸化アルミニウムをアルミン酸溶液として溶解した後、
副生したフッ化カルシウム28を固液分離しなければな
らないが、前述のようにフッ化カルシウムの結晶は極め
て微細で、液中に分散しやすい為、沈降分離には長時間
を要し、またフィルターを用いた濾過分離を行う場合で
もフィルターの目詰まりが起きやすく、そのため濾過に
際して高圧にしなければならず、また頻繁なフィルター
洗浄作業あるいはフィルター交換が必要となることであ
る。
【0014】第二に、処理に用いる薬品として、アルミ
ニウム塩はほとんど消費されず再利用され、また高度処
理の段階では処理すべきフッ素の量自体少ない為カルシ
ウム塩の使用量も僅かであるが、pH調整に用いる薬品
の使用量が多く、比較的大きなコスト要因となることで
ある。つまり、水酸化アルミニウムをアルカリ性でアル
ミン酸イオンとして溶解する際、十分高いpHに調整し
て多量の水酸化アルミニウムを完全に溶解しなければ、
溶解できなかった分はフッ素吸着剤として繰り返し使用
すべき水酸化アルミニウムのロスとなると同時に、汚泥
に混入し汚泥量の増大に繋がり、またこの水酸化アルミ
ニウムが含水率の高いゲル状であるためにフィルターに
よる濾過分離が一層困難になる。従って、水酸化アルミ
ニウムは十分に高いpHに調整して完全に溶解する必要
があり、そのために水酸化ナトリウムなどのアルカリ性
薬品を多量に使用しなければならない。更にアルミン酸
溶液を中和し水酸化アルミニウムを再生する際には、ア
ルミン酸溶液のpHが極めて高いため、硫酸などの酸性
薬品もまた多量に必要となるためである。
ニウム塩はほとんど消費されず再利用され、また高度処
理の段階では処理すべきフッ素の量自体少ない為カルシ
ウム塩の使用量も僅かであるが、pH調整に用いる薬品
の使用量が多く、比較的大きなコスト要因となることで
ある。つまり、水酸化アルミニウムをアルカリ性でアル
ミン酸イオンとして溶解する際、十分高いpHに調整し
て多量の水酸化アルミニウムを完全に溶解しなければ、
溶解できなかった分はフッ素吸着剤として繰り返し使用
すべき水酸化アルミニウムのロスとなると同時に、汚泥
に混入し汚泥量の増大に繋がり、またこの水酸化アルミ
ニウムが含水率の高いゲル状であるためにフィルターに
よる濾過分離が一層困難になる。従って、水酸化アルミ
ニウムは十分に高いpHに調整して完全に溶解する必要
があり、そのために水酸化ナトリウムなどのアルカリ性
薬品を多量に使用しなければならない。更にアルミン酸
溶液を中和し水酸化アルミニウムを再生する際には、ア
ルミン酸溶液のpHが極めて高いため、硫酸などの酸性
薬品もまた多量に必要となるためである。
【0015】本発明は、これらの問題を克服し、副生す
るフッ化カルシウムの固液分離を容易にすると共に、処
理に必要な薬品の使用量を削減し、処理における操作性
を大幅に向上させ、廃水処理のランニングコストを低減
するためのフッ素含有廃水の高度処理方法を提供するこ
とを目的とするものである。
るフッ化カルシウムの固液分離を容易にすると共に、処
理に必要な薬品の使用量を削減し、処理における操作性
を大幅に向上させ、廃水処理のランニングコストを低減
するためのフッ素含有廃水の高度処理方法を提供するこ
とを目的とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明のフッ素含有廃水
の処理方法は、比較的濃厚なフッ素含有廃水に対するフ
ッ化カルシウム生成を利用したフッ素の一次処理工程、
該一次処理工程を経た処理水中に含まれるフッ素を水酸
化アルミニウムに吸着させることによって処理する工
程、フッ素を吸着した該水酸化アルミニウムのスラリー
にカルシウム塩を作用させてフッ化カルシウムを生成さ
せることによって吸着フッ素を脱着する工程、該フッ素
脱着された水酸化アルミニウムをアルカリ性でアルミン
酸イオンとして溶解する工程、該フッ化カルシウムを固
液分離する工程、及び該アルミン酸塩溶液を中性として
水酸化アルミニウムをフッ素吸着に繰り返し使用するた
めに再生させる工程を含むフッ素含有廃水の処理方法に
おいて、前記水酸化アルミニウムをアルカリ性でアルミ
ン酸イオンとして溶解する際、該水酸化アルミニウムを
完全には溶解させず一部残留させ、前記フッ化カルシウ
ムを固液分離する際、所望の沈降分離性が得られるよう
に、残留した該水酸化アルミニウムを凝集助剤として利
用し、不溶性成分を沈降分離することを特徴とする。
の処理方法は、比較的濃厚なフッ素含有廃水に対するフ
ッ化カルシウム生成を利用したフッ素の一次処理工程、
該一次処理工程を経た処理水中に含まれるフッ素を水酸
化アルミニウムに吸着させることによって処理する工
程、フッ素を吸着した該水酸化アルミニウムのスラリー
にカルシウム塩を作用させてフッ化カルシウムを生成さ
せることによって吸着フッ素を脱着する工程、該フッ素
脱着された水酸化アルミニウムをアルカリ性でアルミン
酸イオンとして溶解する工程、該フッ化カルシウムを固
液分離する工程、及び該アルミン酸塩溶液を中性として
水酸化アルミニウムをフッ素吸着に繰り返し使用するた
めに再生させる工程を含むフッ素含有廃水の処理方法に
おいて、前記水酸化アルミニウムをアルカリ性でアルミ
ン酸イオンとして溶解する際、該水酸化アルミニウムを
完全には溶解させず一部残留させ、前記フッ化カルシウ
ムを固液分離する際、所望の沈降分離性が得られるよう
に、残留した該水酸化アルミニウムを凝集助剤として利
用し、不溶性成分を沈降分離することを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】より具体的には、フッ化カルシウ
ム等の不溶性成分の沈降性を監視するための手段(例え
ば濁度計)9(図1)を有し、さらに該不溶性成分の所
望の沈降性が得られるように、該水酸化アルミニウムを
アルカリ性でアルミン酸イオンとして溶解する際、該水
酸化アルミニウムの溶解を制御するために、溶解槽中へ
のアルカリ薬剤の添加量を制御する薬剤添加量コントロ
ーラー10(図1)または溶解槽中への該水酸化アルミ
ニウムの流入量を制御するための流量コントローラー1
1(図4)を有する。なお薬剤添加量コントローラー1
0または流量コントローラー11と沈降性監視手段9と
は連動させる。
ム等の不溶性成分の沈降性を監視するための手段(例え
ば濁度計)9(図1)を有し、さらに該不溶性成分の所
望の沈降性が得られるように、該水酸化アルミニウムを
アルカリ性でアルミン酸イオンとして溶解する際、該水
酸化アルミニウムの溶解を制御するために、溶解槽中へ
のアルカリ薬剤の添加量を制御する薬剤添加量コントロ
ーラー10(図1)または溶解槽中への該水酸化アルミ
ニウムの流入量を制御するための流量コントローラー1
1(図4)を有する。なお薬剤添加量コントローラー1
0または流量コントローラー11と沈降性監視手段9と
は連動させる。
【0018】また、該水酸化アルミニウムを一部を残し
てアルカリ性でアルミン酸イオンとして溶解するのに先
立ち、あらかじめ該水酸化アルミニウムのスラリー中の
水酸化アルミニウム濃度を安定させる処理を施すことも
他の特徴である。より具体的には、第二沈降槽4から引
き抜いたスラリーの含水率を安定させるための、含水率
安定化機構12を有する(図5)。
てアルカリ性でアルミン酸イオンとして溶解するのに先
立ち、あらかじめ該水酸化アルミニウムのスラリー中の
水酸化アルミニウム濃度を安定させる処理を施すことも
他の特徴である。より具体的には、第二沈降槽4から引
き抜いたスラリーの含水率を安定させるための、含水率
安定化機構12を有する(図5)。
【0019】また、フッ化カルシウム等の不溶性成分を
水酸化アルミニウムを凝集助剤として用いて沈降分離し
た後、該分離した沈殿の少なくとも一部を、比較的濃厚
なフッ素含有廃水に対するフッ化カルシウム生成を利用
した、フッ素の一次処理工程における処理槽に合流させ
るため、一次処理槽1へ返送するための固層返送機構8
を有する(図1)。
水酸化アルミニウムを凝集助剤として用いて沈降分離し
た後、該分離した沈殿の少なくとも一部を、比較的濃厚
なフッ素含有廃水に対するフッ化カルシウム生成を利用
した、フッ素の一次処理工程における処理槽に合流させ
るため、一次処理槽1へ返送するための固層返送機構8
を有する(図1)。
【0020】生成するフッ化カルシウムの結晶は極めて
微細で液中に分散しやすいが、水酸化アルミニウムが共
存すると、水酸化アルミニウムが凝集助剤として作用
し、共沈により容易にフッ化カルシウム等の不溶性成分
を沈降分離させることができる。この現象を利用するた
め、フッ化カルシウムと水酸化アルミニウムの混合物を
含むスラリーを、アルカリ性にして水酸化アルミニウム
を溶解する際、水酸化アルミニウムが一部残留するよう
に溶解を制御する。具体的には、水酸化アルミニウムは
pHの値によって一定の溶解度をもち、アルカリ薬剤を
多量に添加してpHを高くするほど溶解度が高くなる
が、溶解槽へのアルカリ薬剤の添加量を制御すれば水酸
化アルミニウムの溶解量および残留量を制御できる。ま
たpHが同じならば溶解する水酸化アルミニウムの量は
一定なので、溶解槽中へのスラリーの流入量を制御する
ことによっても水酸化アルミニウムの溶解量および残留
量を制御できる。なお、スラリー中の水酸化アルミニウ
ム濃度が変動すると、溶解槽へのアルカリ薬剤添加量ま
たはスラリー流入量の最適値もまた変動してしまうの
で、沈降槽においてはフッ化カルシウムの沈降性を監視
し、沈降の具合それ自体によって直接、溶解槽中へのア
ルカリ薬剤添加量またはスラリー流入量を制御して水酸
化アルミニウムの溶解および残留を制御することによ
り、常に最適のフッ化カルシウム沈降性を得ることがで
きる。
微細で液中に分散しやすいが、水酸化アルミニウムが共
存すると、水酸化アルミニウムが凝集助剤として作用
し、共沈により容易にフッ化カルシウム等の不溶性成分
を沈降分離させることができる。この現象を利用するた
め、フッ化カルシウムと水酸化アルミニウムの混合物を
含むスラリーを、アルカリ性にして水酸化アルミニウム
を溶解する際、水酸化アルミニウムが一部残留するよう
に溶解を制御する。具体的には、水酸化アルミニウムは
pHの値によって一定の溶解度をもち、アルカリ薬剤を
多量に添加してpHを高くするほど溶解度が高くなる
が、溶解槽へのアルカリ薬剤の添加量を制御すれば水酸
化アルミニウムの溶解量および残留量を制御できる。ま
たpHが同じならば溶解する水酸化アルミニウムの量は
一定なので、溶解槽中へのスラリーの流入量を制御する
ことによっても水酸化アルミニウムの溶解量および残留
量を制御できる。なお、スラリー中の水酸化アルミニウ
ム濃度が変動すると、溶解槽へのアルカリ薬剤添加量ま
たはスラリー流入量の最適値もまた変動してしまうの
で、沈降槽においてはフッ化カルシウムの沈降性を監視
し、沈降の具合それ自体によって直接、溶解槽中へのア
ルカリ薬剤添加量またはスラリー流入量を制御して水酸
化アルミニウムの溶解および残留を制御することによ
り、常に最適のフッ化カルシウム沈降性を得ることがで
きる。
【0021】また、水酸化アルミニウムのスラリーの含
水率を安定させ、スラリー中の水酸化アルミニウム濃度
の変動を抑制することにより、フッ化カルシウムの良好
な沈降性を得るための、溶解槽へのアルカリ薬剤添加量
または水酸化アルミニウム流入量の最適値が安定し、大
幅な調整や頻繁な制御が不要になる。また、水酸化アル
ミニウムを凝集助剤として利用すると、その分はフッ素
吸着剤として繰り返し使用する水酸化アルミニウムのロ
スになるとともに高度処理汚泥の量も増加するが、この
高度処理汚泥の少なくとも一部を、フッ化カルシウム生
成によるフッ素の一次処理工程における処理槽に合流さ
せることにより、高度処理汚泥に含まれる水酸化アルミ
ニウムが、一次処理で生成したフッ化カルシウムを沈降
させるための凝集助剤として使用される水酸化アルミニ
ウムの一部として有効に利用できるので、フッ素処理全
体としてAl塩の消費量及び汚泥量の増加を抑制するこ
とができる。
水率を安定させ、スラリー中の水酸化アルミニウム濃度
の変動を抑制することにより、フッ化カルシウムの良好
な沈降性を得るための、溶解槽へのアルカリ薬剤添加量
または水酸化アルミニウム流入量の最適値が安定し、大
幅な調整や頻繁な制御が不要になる。また、水酸化アル
ミニウムを凝集助剤として利用すると、その分はフッ素
吸着剤として繰り返し使用する水酸化アルミニウムのロ
スになるとともに高度処理汚泥の量も増加するが、この
高度処理汚泥の少なくとも一部を、フッ化カルシウム生
成によるフッ素の一次処理工程における処理槽に合流さ
せることにより、高度処理汚泥に含まれる水酸化アルミ
ニウムが、一次処理で生成したフッ化カルシウムを沈降
させるための凝集助剤として使用される水酸化アルミニ
ウムの一部として有効に利用できるので、フッ素処理全
体としてAl塩の消費量及び汚泥量の増加を抑制するこ
とができる。
【0022】[1]構成の説明 次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細
に説明する。図1は、本発明を実施するための最良の形
態を示す処理フロー構成図である。本発明の処理方法を
実施可能な処理システムの構成は、あらかじめ廃水中の
大部分のフッ素をフッ化カルシウムとして固定するため
の一次処理槽1、生成したフッ化カルシウムを沈降分離
するための第一沈降槽2、残留する20mg/l程度の
フッ素を水酸化アルミニウムによって吸着処理するため
の高度処理槽3、フッ素を吸着した水酸化アルミニウム
を沈降分離するための第二沈降槽4、分離した水酸化ア
ルミニウムに吸着したフッ素をフッ化カルシウムを生成
させることによって脱着させるためのフッ素脱着槽5、
アルカリ薬剤を添加し水酸化アルミニウムをアルミン酸
イオンとして溶解するためのAl溶解槽6、液層と固層
を分離するための第三沈降槽7からなり、さらに第三沈
降槽7で分離した固層を一次処理槽1へ返送する固層返
送機構8を有する。なお第三沈降槽7においては、不溶
性成分の沈降性を監視する手段として例えば濁度計9を
有し、さらに不溶性成分の所望の沈降性が得られるよう
に、Al溶解槽6において、アルカリ薬剤の添加量を制
御し水酸化アルミニウムの溶解を制御するための薬剤添
加量コントローラー10を有する。
に説明する。図1は、本発明を実施するための最良の形
態を示す処理フロー構成図である。本発明の処理方法を
実施可能な処理システムの構成は、あらかじめ廃水中の
大部分のフッ素をフッ化カルシウムとして固定するため
の一次処理槽1、生成したフッ化カルシウムを沈降分離
するための第一沈降槽2、残留する20mg/l程度の
フッ素を水酸化アルミニウムによって吸着処理するため
の高度処理槽3、フッ素を吸着した水酸化アルミニウム
を沈降分離するための第二沈降槽4、分離した水酸化ア
ルミニウムに吸着したフッ素をフッ化カルシウムを生成
させることによって脱着させるためのフッ素脱着槽5、
アルカリ薬剤を添加し水酸化アルミニウムをアルミン酸
イオンとして溶解するためのAl溶解槽6、液層と固層
を分離するための第三沈降槽7からなり、さらに第三沈
降槽7で分離した固層を一次処理槽1へ返送する固層返
送機構8を有する。なお第三沈降槽7においては、不溶
性成分の沈降性を監視する手段として例えば濁度計9を
有し、さらに不溶性成分の所望の沈降性が得られるよう
に、Al溶解槽6において、アルカリ薬剤の添加量を制
御し水酸化アルミニウムの溶解を制御するための薬剤添
加量コントローラー10を有する。
【0023】[2]動作の説明 次に、本発明の実施の形態の動作について図1を参照し
て詳細に説明する。フッ素濃度が100mg/l程度、
あるいはそれ以上の廃水に対して、一次処理槽1におい
てカルシウム塩を添加し、廃水中の大部分のフッ素をフ
ッ化カルシウムとして固定する。ここで生成したフッ化
カルシウムは粒子が極めて微細で液中に分散しやすいの
で少量のアルミニウム塩を同時に添加し、中性で生成す
る水酸化アルミニウムを凝集助剤として第一沈降槽2に
おいて沈降分離する。分離したフッ化カルシウムおよび
水酸化アルミニウムは一次処理汚泥として廃棄する。一
次処理後の廃水中には20mg/l程度のフッ素が残留
しており、これを高度処理槽3において多量のアルミニ
ウム塩を添加し、中性で生成する水酸化アルミニウムに
よって吸着処理し、第二沈降槽4でフッ素吸着した水酸
化アルミニウムを沈降分離する。高度処理後の処理水は
十分フッ素濃度が低く、放流することができる。一方フ
ッ素を吸着した水酸化アルミニウムのスラリーはフッ素
脱着槽5へ搬送され、カルシウム塩を添加して吸着フッ
素をフッ化カルシウムとして脱着する。
て詳細に説明する。フッ素濃度が100mg/l程度、
あるいはそれ以上の廃水に対して、一次処理槽1におい
てカルシウム塩を添加し、廃水中の大部分のフッ素をフ
ッ化カルシウムとして固定する。ここで生成したフッ化
カルシウムは粒子が極めて微細で液中に分散しやすいの
で少量のアルミニウム塩を同時に添加し、中性で生成す
る水酸化アルミニウムを凝集助剤として第一沈降槽2に
おいて沈降分離する。分離したフッ化カルシウムおよび
水酸化アルミニウムは一次処理汚泥として廃棄する。一
次処理後の廃水中には20mg/l程度のフッ素が残留
しており、これを高度処理槽3において多量のアルミニ
ウム塩を添加し、中性で生成する水酸化アルミニウムに
よって吸着処理し、第二沈降槽4でフッ素吸着した水酸
化アルミニウムを沈降分離する。高度処理後の処理水は
十分フッ素濃度が低く、放流することができる。一方フ
ッ素を吸着した水酸化アルミニウムのスラリーはフッ素
脱着槽5へ搬送され、カルシウム塩を添加して吸着フッ
素をフッ化カルシウムとして脱着する。
【0024】次にAl溶解槽6においてアルカリ薬剤を
添加し、水酸化アルミニウムを一部を残しアルミン酸イ
オンとして溶解する。その際、水酸化アルミニウムの溶
解度は図2に示すようにpHが高いほど高くなるので、
アルカリ薬剤の添加量が多すぎると水酸化アルミニウム
は完全に溶解してしまうが、アルカリ薬剤の添加量を制
御することによって水酸化アルミニウムの溶解および残
留を制御できる。なお共存するフッ化カルシウムはアル
カリ性では安定で溶解しない。
添加し、水酸化アルミニウムを一部を残しアルミン酸イ
オンとして溶解する。その際、水酸化アルミニウムの溶
解度は図2に示すようにpHが高いほど高くなるので、
アルカリ薬剤の添加量が多すぎると水酸化アルミニウム
は完全に溶解してしまうが、アルカリ薬剤の添加量を制
御することによって水酸化アルミニウムの溶解および残
留を制御できる。なお共存するフッ化カルシウムはアル
カリ性では安定で溶解しない。
【0025】溶解しないフッ化カルシウムは、わずかに
残留させた水酸化アルミニウムを凝集助剤として容易に
沈降し、第三沈降槽7においてアルミン酸溶液と固液分
離することができる。なおAl溶解槽6における水酸化
ナトリウムの添加量は、第三沈降槽7において濁度計9
で不溶成分の沈降性を監視することによって、必要なフ
ッ化カルシウムの沈降性が得られるように薬剤添加量コ
ントローラー10によって制御する。なお、沈降性モニ
ター9と薬剤添加量コントローラー10は連動させる。
残留させた水酸化アルミニウムを凝集助剤として容易に
沈降し、第三沈降槽7においてアルミン酸溶液と固液分
離することができる。なおAl溶解槽6における水酸化
ナトリウムの添加量は、第三沈降槽7において濁度計9
で不溶成分の沈降性を監視することによって、必要なフ
ッ化カルシウムの沈降性が得られるように薬剤添加量コ
ントローラー10によって制御する。なお、沈降性モニ
ター9と薬剤添加量コントローラー10は連動させる。
【0026】第三沈降槽7で分離した液層のアルミン酸
溶液は中和すれば水酸化アルミニウムが再生し、高度処
理槽3に返送することによってフッ素吸着剤として繰り
返し使用することができる。一方、水酸化アルミニウム
を凝集助剤として沈降分離したフッ化カルシウムはその
まま汚泥として廃棄することもできるが、本発明では固
層返送機構8によって一次処理槽1へ返送し、返送する
汚泥に含まれる水酸化アルミニウムは第一沈降槽2でフ
ッ化カルシウムを沈降分離するために使用する凝集助剤
の一部として有効に利用して最終的に第一沈降槽2で一
次処理汚泥とともに固液分離し、廃棄する。なお高度処
理で発生した汚泥を一次処理槽1へ返送するので、全体
の汚泥発生量は少しも増加しない。
溶液は中和すれば水酸化アルミニウムが再生し、高度処
理槽3に返送することによってフッ素吸着剤として繰り
返し使用することができる。一方、水酸化アルミニウム
を凝集助剤として沈降分離したフッ化カルシウムはその
まま汚泥として廃棄することもできるが、本発明では固
層返送機構8によって一次処理槽1へ返送し、返送する
汚泥に含まれる水酸化アルミニウムは第一沈降槽2でフ
ッ化カルシウムを沈降分離するために使用する凝集助剤
の一部として有効に利用して最終的に第一沈降槽2で一
次処理汚泥とともに固液分離し、廃棄する。なお高度処
理で発生した汚泥を一次処理槽1へ返送するので、全体
の汚泥発生量は少しも増加しない。
【0027】なおAl溶解槽6で残留させた水酸化アル
ミニウムは、水酸化アルミニウムを繰り返し使用する上
でロスとなるので、その分は新規に水酸化アルミニウム
を追加する。ただし上述したように高度処理で発生した
汚泥を一次処理槽1へ返送することにより、第一沈降槽
2でフッ化カルシウムを沈降分離するために凝集助剤と
して使用する水酸化アルミニウムの、新規に添加する量
が少なくてすむことになるので、全体の水酸化アルミニ
ウム消費量は少しも増加しない。
ミニウムは、水酸化アルミニウムを繰り返し使用する上
でロスとなるので、その分は新規に水酸化アルミニウム
を追加する。ただし上述したように高度処理で発生した
汚泥を一次処理槽1へ返送することにより、第一沈降槽
2でフッ化カルシウムを沈降分離するために凝集助剤と
して使用する水酸化アルミニウムの、新規に添加する量
が少なくてすむことになるので、全体の水酸化アルミニ
ウム消費量は少しも増加しない。
【0028】本発明ではこのように、多量のpH調整剤
を使用する必要がなく、また残留させた水酸化アルミニ
ウムによるフッ化カルシウムの沈降汚泥を一次処理槽へ
返送するため、フィルターによる濾過分離槽が不要とな
り、従来技術における諸問題を解決することができるも
のである。
を使用する必要がなく、また残留させた水酸化アルミニ
ウムによるフッ化カルシウムの沈降汚泥を一次処理槽へ
返送するため、フィルターによる濾過分離槽が不要とな
り、従来技術における諸問題を解決することができるも
のである。
【0029】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるもので
はない。
るが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるもので
はない。
【0030】実施例1 次に本発明の実施例について図1を参照して説明する。
フッ素濃度が約200mg/lの廃水に対して、一次処
理槽1において廃水中フッ素に対して2倍当量の水酸化
カルシウムを添加し、廃水中の大部分のフッ素をフッ化
カルシウムとして固定する。さらに硫酸アルミニウムを
Al濃度として約50mg/lとなるように添加し、中
和して生成する水酸化アルミニウムを凝集助剤として、
フッ化カルシウムを第一沈降槽2において沈降分離す
る。分離したフッ化カルシウムおよび水酸化アルミニウ
ムは汚泥として廃棄する。一次処理後の廃水中には20
mg/l程度のフッ素が残留しており、高度処理槽3に
おいて、硫酸アルミニウムをAl濃度として約300m
g/lとなるように添加し、中和して生成する水酸化ア
ルミニウムによって残留フッ素を吸着処理し、第二沈降
槽4でフッ素吸着した水酸化アルミニウムを沈降分離す
る。この高度処理を施した後の処理水はフッ素濃度が5
mg/lを越えることはなく、放流することができる。
一方フッ素を吸着した水酸化アルミニウムのスラリーは
フッ素脱着槽5へ引き抜き、吸着フッ素に対して2倍当
量の水酸化カルシウムを添加して吸着フッ素をフッ化カ
ルシウムとして脱着する。次にAl溶解槽6において水
酸化ナトリウムを添加し、水酸化アルミニウムを一部を
残しアルミン酸イオンとして溶解する。その際、不溶性
のフッ化カルシウムの第三沈降槽7における沈降性を、
第三沈降槽7の液表面近傍に設けた濁度計9によってモ
ニターし、フッ化カルシウムの良好な沈降性が得られる
ように、Al溶解槽6における水酸化ナトリウムの添加
量を薬剤添加量コントローラー10によって制御する。
すなわち図3に示すように、水酸化ナトリウムの添加に
よりAl溶解槽6のpHが11.5を越えるとフッ化カ
ルシウムが沈降せず液中に分散するため第三沈降槽7に
おける濁度が高くなるが、pHが11.5以下となるよ
うに水酸化ナトリウムの添加量を制御すれば、第三沈降
槽7の濁度成分はほとんど検出されなくなり、Al溶解
槽6で残留した水酸化アルミニウムが凝集助剤として働
き、フッ化カルシウムが容易に沈降することがわかる。
なお、第二沈降槽4からフッ素を吸着した水酸化アルミ
ニウムのスラリーをフッ素脱着槽5へ引き抜く際、スラ
リーの含水率は第二沈降槽4の底部に溜まる沈降物の量
などによって変動する。すなわちスラリー中の水酸化ア
ルミニウム濃度が一定せず、第三沈降槽7におけるフッ
化カルシウムの良好な沈降性を得るためのAl溶解槽6
のpHの最適値は一定しなくなるので、Al溶解槽6に
おける水酸化ナトリウムの添加量はpHではなく第三沈
降槽7におけるフッ化カルシウムの沈降性そのものによ
って制御するべきである。
フッ素濃度が約200mg/lの廃水に対して、一次処
理槽1において廃水中フッ素に対して2倍当量の水酸化
カルシウムを添加し、廃水中の大部分のフッ素をフッ化
カルシウムとして固定する。さらに硫酸アルミニウムを
Al濃度として約50mg/lとなるように添加し、中
和して生成する水酸化アルミニウムを凝集助剤として、
フッ化カルシウムを第一沈降槽2において沈降分離す
る。分離したフッ化カルシウムおよび水酸化アルミニウ
ムは汚泥として廃棄する。一次処理後の廃水中には20
mg/l程度のフッ素が残留しており、高度処理槽3に
おいて、硫酸アルミニウムをAl濃度として約300m
g/lとなるように添加し、中和して生成する水酸化ア
ルミニウムによって残留フッ素を吸着処理し、第二沈降
槽4でフッ素吸着した水酸化アルミニウムを沈降分離す
る。この高度処理を施した後の処理水はフッ素濃度が5
mg/lを越えることはなく、放流することができる。
一方フッ素を吸着した水酸化アルミニウムのスラリーは
フッ素脱着槽5へ引き抜き、吸着フッ素に対して2倍当
量の水酸化カルシウムを添加して吸着フッ素をフッ化カ
ルシウムとして脱着する。次にAl溶解槽6において水
酸化ナトリウムを添加し、水酸化アルミニウムを一部を
残しアルミン酸イオンとして溶解する。その際、不溶性
のフッ化カルシウムの第三沈降槽7における沈降性を、
第三沈降槽7の液表面近傍に設けた濁度計9によってモ
ニターし、フッ化カルシウムの良好な沈降性が得られる
ように、Al溶解槽6における水酸化ナトリウムの添加
量を薬剤添加量コントローラー10によって制御する。
すなわち図3に示すように、水酸化ナトリウムの添加に
よりAl溶解槽6のpHが11.5を越えるとフッ化カ
ルシウムが沈降せず液中に分散するため第三沈降槽7に
おける濁度が高くなるが、pHが11.5以下となるよ
うに水酸化ナトリウムの添加量を制御すれば、第三沈降
槽7の濁度成分はほとんど検出されなくなり、Al溶解
槽6で残留した水酸化アルミニウムが凝集助剤として働
き、フッ化カルシウムが容易に沈降することがわかる。
なお、第二沈降槽4からフッ素を吸着した水酸化アルミ
ニウムのスラリーをフッ素脱着槽5へ引き抜く際、スラ
リーの含水率は第二沈降槽4の底部に溜まる沈降物の量
などによって変動する。すなわちスラリー中の水酸化ア
ルミニウム濃度が一定せず、第三沈降槽7におけるフッ
化カルシウムの良好な沈降性を得るためのAl溶解槽6
のpHの最適値は一定しなくなるので、Al溶解槽6に
おける水酸化ナトリウムの添加量はpHではなく第三沈
降槽7におけるフッ化カルシウムの沈降性そのものによ
って制御するべきである。
【0031】次に、第三沈降槽7で分離した液層のアル
ミン酸溶液は硫酸を添加して中和し水酸化アルミニウム
を再生させ、これを高度処理槽3に返送することによっ
てフッ素吸着剤として繰り返し使用する。一方水酸化ア
ルミニウムを凝集助剤として分離した固層のフッ化カル
シウムはスラリーポンプなどの固層返送機構8によって
一次処理槽1へ返送し、最終的に第一沈降槽2で一次処
理汚泥とともに固液分離し、廃棄する。一次処理槽1へ
返送する汚泥には、フッ化カルシウム以外に水酸化アル
ミニウムが含まれるが、この分は第一沈降槽2でフッ化
カルシウムを沈降分離するために凝集助剤として使用す
る水酸化アルミニウムの一部として有効に利用できるの
で、その分一次処理槽1に添加する硫酸アルミニウム量
を減らすことができ、全体として汚泥量が増加すること
はない。なお、第一沈降槽2でフッ化カルシウムを沈降
分離するための凝集助剤として使用する水酸化アルミニ
ウムのうち、第三沈降槽7から返送される汚泥中に含ま
れる水酸化アルミニウムが占める割合は10%以下であ
る。またAl溶解槽6で残留させた分の水酸化アルミニ
ウムは、水酸化アルミニウムをフッ素吸着剤として繰り
返し使用する上でロスとなるので、その分を高度処理槽
3において新規に硫酸アルミニウムを追加することによ
って補う。ただし上述したように高度処理で発生した汚
泥を一次処理槽1へ返送して、一次処理槽1に添加する
硫酸アルミニウム量を減らすことができるので、全体と
して硫酸アルミニウム消費量が増加することはない。
ミン酸溶液は硫酸を添加して中和し水酸化アルミニウム
を再生させ、これを高度処理槽3に返送することによっ
てフッ素吸着剤として繰り返し使用する。一方水酸化ア
ルミニウムを凝集助剤として分離した固層のフッ化カル
シウムはスラリーポンプなどの固層返送機構8によって
一次処理槽1へ返送し、最終的に第一沈降槽2で一次処
理汚泥とともに固液分離し、廃棄する。一次処理槽1へ
返送する汚泥には、フッ化カルシウム以外に水酸化アル
ミニウムが含まれるが、この分は第一沈降槽2でフッ化
カルシウムを沈降分離するために凝集助剤として使用す
る水酸化アルミニウムの一部として有効に利用できるの
で、その分一次処理槽1に添加する硫酸アルミニウム量
を減らすことができ、全体として汚泥量が増加すること
はない。なお、第一沈降槽2でフッ化カルシウムを沈降
分離するための凝集助剤として使用する水酸化アルミニ
ウムのうち、第三沈降槽7から返送される汚泥中に含ま
れる水酸化アルミニウムが占める割合は10%以下であ
る。またAl溶解槽6で残留させた分の水酸化アルミニ
ウムは、水酸化アルミニウムをフッ素吸着剤として繰り
返し使用する上でロスとなるので、その分を高度処理槽
3において新規に硫酸アルミニウムを追加することによ
って補う。ただし上述したように高度処理で発生した汚
泥を一次処理槽1へ返送して、一次処理槽1に添加する
硫酸アルミニウム量を減らすことができるので、全体と
して硫酸アルミニウム消費量が増加することはない。
【0032】なお、図2からわかるように、Al溶解槽
6で水酸化アルミニウムを完全に溶解するためにはpH
を12.5以上とする必要があり多量の水酸化ナトリウ
ムを添加する必要があるが、pHが11.5であれば水
酸化ナトリウムの添加量は1/10以下で済むことにな
る。さらに、アルミン酸溶液を中和するのに要する硫酸
の添加量も必然的に同様な削減効果が得られる。
6で水酸化アルミニウムを完全に溶解するためにはpH
を12.5以上とする必要があり多量の水酸化ナトリウ
ムを添加する必要があるが、pHが11.5であれば水
酸化ナトリウムの添加量は1/10以下で済むことにな
る。さらに、アルミン酸溶液を中和するのに要する硫酸
の添加量も必然的に同様な削減効果が得られる。
【0033】実施例2 次に本発明の他の実施例について図面を参照して説明す
る。
る。
【0034】図4は本発明の第二の実施例を示すフロー
図である。第一の実施例と異なるのは、Al溶解槽6に
おいて、アルカリ薬剤の添加量を制御し水酸化アルミニ
ウムの残留量を制御するのではなく、アルカリ薬剤の添
加量は一定とし、Al溶解槽6への水酸化アルミニウム
のスラリーの流入量を制御し水酸化アルミニウムの残留
量を制御するための流量コントローラ−11を有する点
である。水酸化アルミニウムのスラリーの流入量を少な
くすれば水酸化アルミニウムの溶解する割合が増え、逆
に流入量を増やせば溶解せずに残留する水酸化アルミニ
ウムの量を増やすことができる。したがってこの実施例
によっても、第一の実施例と同じ効果を得ることができ
る。
図である。第一の実施例と異なるのは、Al溶解槽6に
おいて、アルカリ薬剤の添加量を制御し水酸化アルミニ
ウムの残留量を制御するのではなく、アルカリ薬剤の添
加量は一定とし、Al溶解槽6への水酸化アルミニウム
のスラリーの流入量を制御し水酸化アルミニウムの残留
量を制御するための流量コントローラ−11を有する点
である。水酸化アルミニウムのスラリーの流入量を少な
くすれば水酸化アルミニウムの溶解する割合が増え、逆
に流入量を増やせば溶解せずに残留する水酸化アルミニ
ウムの量を増やすことができる。したがってこの実施例
によっても、第一の実施例と同じ効果を得ることができ
る。
【0035】実施例3 本発明の第三の実施例の形態は、第一の実施例と第二の
実施例を組み合わせ、Al溶解槽における水酸化アルミ
ニウムの溶解および残留量を、アルカリ薬剤の添加量の
制御と水酸化アルミニウムのスラリーの流入量の制御の
両方によって制御するものである。
実施例を組み合わせ、Al溶解槽における水酸化アルミ
ニウムの溶解および残留量を、アルカリ薬剤の添加量の
制御と水酸化アルミニウムのスラリーの流入量の制御の
両方によって制御するものである。
【0036】また本発明の第3の実施例は、図5に示す
ように、第二沈降槽4でフッ素を吸着した水酸化アルミ
ニウムを沈降分離し、スラリーとして引き抜いた後、ス
ラリーの含水率を一定とするための含水率安定化機構1
2を有するものである。含水率安定化機構12として
は、例えば、引き抜いたスラリーを一旦静置するための
槽を設けるなどして、スラリーの含水率を安定化させる
ことができる。
ように、第二沈降槽4でフッ素を吸着した水酸化アルミ
ニウムを沈降分離し、スラリーとして引き抜いた後、ス
ラリーの含水率を一定とするための含水率安定化機構1
2を有するものである。含水率安定化機構12として
は、例えば、引き抜いたスラリーを一旦静置するための
槽を設けるなどして、スラリーの含水率を安定化させる
ことができる。
【0037】この実施例では、スラリー中の水酸化アル
ミニウム濃度が安定化するため、第三沈降槽7における
フッ化カルシウムの良好な沈降性を得るための、Al溶
解槽6へのアルカリ薬剤添加量又は水酸化アルミニウム
流入量の最適値が安定し、大幅な調整や頻繁な制御が不
要となるという利点がある。
ミニウム濃度が安定化するため、第三沈降槽7における
フッ化カルシウムの良好な沈降性を得るための、Al溶
解槽6へのアルカリ薬剤添加量又は水酸化アルミニウム
流入量の最適値が安定し、大幅な調整や頻繁な制御が不
要となるという利点がある。
【0038】
【発明の効果】第1の効果は、極めて微細な結晶である
副生フッ化カルシウムを容易かつ安定に固液分離でき、
処理の操作性を著しく向上させることができる。その理
由は、水酸化アルミニウムを凝集助剤として用い、フッ
化カルシウムを沈降分離していることと、凝集助剤とし
ての水酸化アルミニウムの使用量を、水酸化アルミニウ
ムの溶解度のpH依存性を利用して、フッ化カルシウム
の良好な沈降性が得られるように制御しているためであ
る。
副生フッ化カルシウムを容易かつ安定に固液分離でき、
処理の操作性を著しく向上させることができる。その理
由は、水酸化アルミニウムを凝集助剤として用い、フッ
化カルシウムを沈降分離していることと、凝集助剤とし
ての水酸化アルミニウムの使用量を、水酸化アルミニウ
ムの溶解度のpH依存性を利用して、フッ化カルシウム
の良好な沈降性が得られるように制御しているためであ
る。
【0039】第2の効果は、大きなコスト要因である、
pH調整剤として用いる薬剤消費量を低減でき、処理の
ランニングコストを大幅に低減できることである。その
理由は、水酸化アルミニウムを完全に溶解するために必
要なアルカリ薬剤量に比べて、水酸化ナトリウムを凝集
助剤として用いる分だけ残留させるのに要するアルカリ
薬剤量は大幅に少なくなるためであり、さらにアルミン
酸溶液を中和するのに要する酸性薬剤も、アルミン酸溶
液のpHを低くできる分、必要量を少なくできるためで
ある。
pH調整剤として用いる薬剤消費量を低減でき、処理の
ランニングコストを大幅に低減できることである。その
理由は、水酸化アルミニウムを完全に溶解するために必
要なアルカリ薬剤量に比べて、水酸化ナトリウムを凝集
助剤として用いる分だけ残留させるのに要するアルカリ
薬剤量は大幅に少なくなるためであり、さらにアルミン
酸溶液を中和するのに要する酸性薬剤も、アルミン酸溶
液のpHを低くできる分、必要量を少なくできるためで
ある。
【0040】第3の効果は、高度処理において副生する
フッ化カルシウムを沈降させるため、一部の水酸化アル
ミニウムを凝集助剤として使用しているにもかかわら
ず、一次処理を含めたフッ素処理全体では、汚泥量もア
ルミニウム塩の消費量も増加しないことである。その理
由は、高度処理汚泥に含まれる水酸化アルミニウムを、
一次処理で生成するフッ化カルシウムを沈降させるため
に凝集助剤として用いる水酸化アルミニウムの一部とし
て有効に利用できるためである。
フッ化カルシウムを沈降させるため、一部の水酸化アル
ミニウムを凝集助剤として使用しているにもかかわら
ず、一次処理を含めたフッ素処理全体では、汚泥量もア
ルミニウム塩の消費量も増加しないことである。その理
由は、高度処理汚泥に含まれる水酸化アルミニウムを、
一次処理で生成するフッ化カルシウムを沈降させるため
に凝集助剤として用いる水酸化アルミニウムの一部とし
て有効に利用できるためである。
【0041】さらに高度処理汚泥を一次処理槽へ返送す
るため、フィルター等で濾過分離する必要がなく、また
高度処理汚泥にはフッ化カルシウムが含まれることか
ら、これが一次処理の際のフッ化カルシウム形成時に種
結晶となり、より粒径の大きなフッ化カルシウムが得ら
れるので、固液分離がより一層容易となる。
るため、フィルター等で濾過分離する必要がなく、また
高度処理汚泥にはフッ化カルシウムが含まれることか
ら、これが一次処理の際のフッ化カルシウム形成時に種
結晶となり、より粒径の大きなフッ化カルシウムが得ら
れるので、固液分離がより一層容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフッ素含有廃水の処理方法の一実施の
形態を示すフロー図である。
形態を示すフロー図である。
【図2】水酸化アルミニウムの溶解度(Alとして)の
pH依存性を示すグラフである。
pH依存性を示すグラフである。
【図3】本発明のフッ素含有廃水の処理方法の一実施例
における、Al溶解槽のpHに対する、沈降槽でのフッ
化カルシウムの沈降性を表す指標としての濁度を示すグ
ラフである。
における、Al溶解槽のpHに対する、沈降槽でのフッ
化カルシウムの沈降性を表す指標としての濁度を示すグ
ラフである。
【図4】本発明のフッ素含有廃水の処理方法の第二の実
施の形態を示すフロ−図である。
施の形態を示すフロ−図である。
【図5】本発明のフッ素含有廃水の処理方法の第四の実
施の形態を示すフロ−図である。
施の形態を示すフロ−図である。
【図6】従来のフッ素含有廃水の処理方法を示すフロー
図である。
図である。
1 一次処理槽 2 第一沈降槽 3 高度処理槽 4 第二沈降槽 5 フッ素脱着槽 6 Al溶解槽 7 第三沈降槽 8 固層返送機構 9 沈降性監視手段(濁度計) 10 薬剤添加量コントローラー 11 流量コントローラー 12 含水率安定化機構
Claims (5)
- 【請求項1】 少なくとも、比較的濃厚なフッ素含有廃
水に対するフッ化カルシウム生成を利用したフッ素の一
次処理工程、該一次処理工程を経た処理水中に残留する
フッ素を水酸化アルミニウムに吸着させることによって
処理する工程、フッ素を吸着した該水酸化アルミニウム
のスラリーにカルシウム塩を作用させてフッ化カルシウ
ムを生成させることによって吸着フッ素を脱着する工
程、該フッ素脱着された水酸化アルミニウムをアルカリ
性でアルミン酸イオンとして溶解する工程、該フッ化カ
ルシウムを固液分離する工程、及び該アルミン酸塩溶液
を中性として水酸化アルミニウムをフッ素吸着に繰り返
し使用するために再生させる工程を含むフッ素含有廃水
の処理方法において、 前記水酸化アルミニウムをアルカリ性でアルミン酸イオ
ンとして溶解する際、該水酸化アルミニウムを完全には
溶解させず一部残留させ、前記フッ化カルシウムを固液
分離する際、所望の沈降分離性が得られるように、残留
した該水酸化アルミニウムを凝集助剤として利用し、不
溶性成分を沈降分離することを特徴とするフッ素含有廃
水の処理方法。 - 【請求項2】 前記水酸化アルミニウムをアルカリ性で
アルミン酸イオンとして溶解する際、pH調整剤の添加
量を制御することによって該水酸化アルミニウムを完全
には溶解させず一部残留させ前記凝集助剤として利用す
ることを特徴とする請求項1記載の処理方法。 - 【請求項3】 前記水酸化アルミニウムをアルカリ性で
アルミン酸イオンとして溶解する際、該水酸化アルミニ
ウムの溶解槽への注入量を制御することによって該水酸
化アルミニウムを完全には溶解させず一部残留させ前記
凝集助剤として利用することを特徴とする請求項1記載
の処理方法。 - 【請求項4】 前記水酸化アルミニウムをアルカリ性で
アルミン酸イオンとして溶解する工程に先立って、予め
水酸化アルミニウムスラリー中の水酸化アルミニウム濃
度を安定化させる処理を施すことを特徴とする請求項1
〜3のいずれかに記載の処理方法。 - 【請求項5】 前記分離した沈殿の少なくとも一部を比
較的濃厚なフッ素含有廃水に対するフッ化カルシウム生
成を利用したフッ素の前記一次処理工程における処理槽
に合流させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか
に記載の処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29868196A JP2927255B2 (ja) | 1996-11-11 | 1996-11-11 | フッ素含有廃水の処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29868196A JP2927255B2 (ja) | 1996-11-11 | 1996-11-11 | フッ素含有廃水の処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10137769A true JPH10137769A (ja) | 1998-05-26 |
JP2927255B2 JP2927255B2 (ja) | 1999-07-28 |
Family
ID=17862909
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29868196A Expired - Lifetime JP2927255B2 (ja) | 1996-11-11 | 1996-11-11 | フッ素含有廃水の処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2927255B2 (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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CN114804400A (zh) * | 2022-02-25 | 2022-07-29 | 北京能泰高科环保技术有限公司 | 一种焦化废水生化处理后除氟系统和工艺 |
-
1996
- 1996-11-11 JP JP29868196A patent/JP2927255B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP2927255B2 (ja) | 1999-07-28 |
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