JP4631420B2 - フッ素含有水の処理方法 - Google Patents

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Description

本発明はフッ素含有水の処理方法に係り、特にフッ化カルシウム法によるフッ素含有水の処理において、少ない薬品使用量で効率的な処理を行って高水質の処理水を得る方法に関する。
半導体部品製造におけるシリコンウェハ製造工程から排出されるフッ素含有排水、ステンレス鋼板製造工程から排出される酸洗排水、アルミニウム表面処理排水、フッ酸製造排水、肥料製造排水、ゴミ焼却排水等のフッ素含有排水は、排水基準を満たすようにフッ素の除去処理を行った後排出する必要がある。フッ素含有排水については、その排水基準が平成13年度にフッ素濃度15mg/Lから8mg/Lに強化されたことに伴い、処理水のフッ素濃度をより一層低減することができる処理技術の開発が望まれている。
従来、フッ素含有水の処理方法として、フッ化カルシウム法と高度処理としての水酸化物共沈法とが知られており、図4に示す如く、一段目にフッ化カルシウム法で処理を行った後、二段目に水酸化物共沈法で高度処理を行う二段処理法も知られている(非特許文献1)。即ち、フッ化カルシウム法では、フッ化カルシウムの溶解度以下に処理水のフッ素濃度を低減することができず、排水基準を満たすことはできないため、このような二段処理が採用されている。
フッ化カルシウム法は、原水槽11からの原水(フッ素含有水)にカルシウム化合物を添加した後(第1反応槽12)、中和剤を添加してpH中性付近に調整し(第2反応槽13)、フッ素とカルシウムとの反応によりフッ化カルシウムの不溶性塩を生成させ、高分子凝集剤を添加して凝集処理し(凝集槽14)、その後固液分離する(沈殿槽15)方法である。この方法において、カルシウム化合物としては一般に消石灰が用いられており、中和剤としては、通常、安価な硫酸が用いられているが、塩酸が用いられる場合もある。
水酸化物共沈法は、アルミニウムが水酸化アルミニウムとして沈殿する際の共沈作用を利用するものであり、一般的には、高度処理に用いられている。この方法では、原水(図4では一段目の処理水)にポリ塩化アルミニウム(PAC)を添加した後(第1反応槽16)、中和剤で中和し(第2反応槽17)、高分子凝集剤を添加して凝集処理し(凝集槽18)、その後固液分離する(沈殿槽19)。この方法では、PACを添加することによって処理水pHは酸性になるが、中性付近での処理が最も効率良く行えるため、中和のためのアルカリ剤として苛性ソーダなどを添加している。
「公害防止の技術と法規」第288頁〜第289頁
フッ素含有水に消石灰を添加した後、硫酸、塩酸などの中和剤を用いてpH中性に調整するフッ化カルシウム法では、フッ素の除去性を高めて処理水質を向上させるために、消石灰を多量に添加すると、中和に必要な中和剤量も多くなり、薬品コストが高くつく。また、中和剤として特に硫酸を用いた場合には、消石灰と硫酸との反応で石膏を生成し、フッ素含有水に添加された消石灰がフッ素除去に有効に使用されなくなり、また、石膏の生成で発生汚泥量が増大するといった問題もあった。
また、フッ化カルシウム法と水酸化物共沈法との二段処理により処理水質の向上を図ることができるが、この場合には、装置設備が大型化し、特に設置面積の大きい沈殿槽を二槽必要とし、好ましくない。
本発明は上記従来の問題点を解決し、フッ化カルシウム法によるフッ素含有水の処理において、薬品使用量の低減、発生汚泥量の低減、処理水質の向上を図るフッ素含有水の処理方法を提供することを目的とする。
本発明(請求項1)のフッ素含有水の処理方法は、フッ素含有水を処理する方法において、原水に消石灰を添加した後、酸性度が高い塩化アルミニウム系凝集剤を添加し、中和後、固液分離する方法であって、該消石灰の添加量が、原水中のフッ素濃度に対して反応当量の1〜10倍であり、該酸性度が高い塩化アルミニウム系凝集剤が、LACであり、該LACの添加量が、LAC添加前のフッ素濃度に対して5〜100倍であり、該LACをpH4以下、アルミニウム濃度8重量%以下の水溶液として添加することを特徴とする
求項のフッ素含有水の処理方法は、請求項1において、酸性度が高い塩化アルミニウム系凝集剤を、フッ素濃度15mg/l以下の希薄排水で稀釈した後、消石灰を添加した原水に添加することを特徴とする。
請求項のフッ素含有水の処理方法は、請求項1又は2において、固液分離により得られた分離汚泥を前記消石灰と混合して原水に添加することを特徴とする。
本発明では、酸性度が高い塩化アルミニウム系凝集剤(以下「酸性AC系凝集剤」と称す場合がある。)を添加することにより、消石灰の添加によってアルカリ性になった被処理水を中性〜弱アルカリ性に戻すことができ、このことにより、硫酸などの中和剤の使用量を削減することができる。また、中和剤として硫酸を用いた場合には、前述の如く、石膏生成による消石灰の消費や汚泥量の増大の問題があったが、本発明では酸性AC系凝集剤の添加により中和剤使用量を低減できることから、このような問題を起こすことのない硫酸添加量で、十分にpH中性に調整することが可能となり、石膏生成による消石灰の消費や汚泥量の増大の問題が防止される。
しかも、酸性AC系凝集剤であれば、そのアルミニウム成分により、イオン状のフッ素を共沈させて除去することにより、処理水質を高めることもできる。従って、従来の水酸化物共沈法による高度処理を不要とすることができ、この場合には、処理効率を向上させると共に高度処理のための沈殿槽等を削減して装置設置面積を大幅に低減することができる。
従って、本発明によれば、少ない薬品使用量でフッ素含有水を効率的に処理し、発生汚泥量を低減した上で、フッ素を高度に除去し、高水質の処理水を得ることができる。
本発明において、酸性AC系凝集剤は、電解アルミニウムの廃棄物から生産されるLAC:Liquid Aluminium Chlorideを用いる(請求項)。
このような酸性AC系凝集剤は、フッ素濃度15mg/l以下の希薄排水で稀釈した後、消石灰を添加した原水に添加しても良く、この場合には、他の希薄排水の同時処理を行った上で、良好な処理効果を得ることができる(請求項)。
また、消石灰は、固液分離により得られた分離汚泥の一部と混合して原水に添加しても良く、この場合には、汚泥の結晶性の向上、沈降性の向上、含水率の低下を図ることができ、より一層処理水質を良好なものとすると共に、発生汚泥量を低減することができる(請求項)。
以下に本発明のフッ素含有水の処理方法の実施の形態を詳細に説明する。
まず、本発明で用いる酸性AC系凝集剤について説明する。
本発明で用いる酸性AC系凝集剤は、pH4以下、特にpH2.5以下、とりわけpH1.5以下、好ましくはアルミニウム濃度が8重量%以下の条件において、pH4以下、特にpH2.5以下、とりわけpH1.5以下の強酸性の塩化アルミニウム系凝集剤である。このpH値が4を超えるものであると、これを添加することによる中和作用を十分に得ることができず、消石灰添加後の中和剤としての酸添加量の低減効果を十分に得ることができない。また、pHが4を超えるときは、アルミニウムイオンが高分子様の形態をとるのに対し、pHが4以下のときにはアルミニウムイオンが分散するようになる。分散状のアルミニウムイオンは添加時に網目状に凝集するため、処理効率が向上する。なお、ここで酸性AC系凝集剤のpHとは、酸性AC系凝集剤を原水に添加する直前において測定した値であり、本発明では、このときにおいて、アルミニウム濃度8重量%以下でpH4以下を示すものである。
本発明で用いる酸性AC系凝集剤はまた、カルシウムと不溶性塩を形成するアニオンを多く含まないものであることが好ましく、特に硫酸を多く含まず、硫酸含有量2000mg/L以下であって、水以外の成分中の硫酸の割合が50重量%以下であるものが好ましい。これは、消石灰と酸性AC系凝集剤中の硫酸との反応で、消石灰が石膏の生成に消費されることにより、消石灰とフッ素との反応が阻害され、また石膏の生成で発生汚泥量が増大することを防止するためである。なお、本発明において「塩化アルミニウム系」とは、水以外の成分中の塩化アルミニウムの割合が50重量%以上であるものをさす。
本発明で用いる酸性AC系凝集剤としては、塩化アルミニウムを10%程度含み、かつ、酸性度の高いLACである
なお、無機凝集剤として一般に用いられているポリ塩化アルミニウム(PAC)も、本発明に係る酸性AC系凝集剤に該当するが、PACはアルミニウム濃度8重量%の条件でpH4〜5を示す。これに対して、LACは、PACよりも水酸化アルミニウムの割合が少なく、ほぼ100%が塩化アルミニウムであり、水等で希釈してアルミニウム濃度8重量%としたときのpHは約0.5と強酸性であるため、本発明に有効である。ただし、PACであっても、塩酸、硫酸等の鉱酸を加えてアルミニウム濃度が8重量%以下の条件においてpH4以下、特にpH2.5以下、とりわけpH1.5以下となるように調整することにより、本発明に好適に用いることができるようになる。また、LACとPACとを混合して酸性AC系凝集剤としても良い。
このような酸性AC系凝集剤は、その取り扱い上、希釈して添加しても良い。ここで水溶液の調製に用いる水は、市水、工水、或いは本発明による処理で得られる処理水のいずれであっても良く、後述の如く、他の排水であっても良いが、pH4以下の水溶液として添加することが、高い中和作用を得る上で好ましい。
本発明においては、フッ素含有水に消石灰を添加した後、このような酸性AC系凝集剤を添加し、必要に応じて中和剤(酸)を添加して中和し、その後好ましくは高分子凝集剤を添加して凝集処理した後固液分離する。
消石灰の添加量は、原水(フッ素含有水)中のフッ素濃度によって決定され、原水のフッ素濃度に対して反応当量の1〜10倍、特に1.1〜3倍程度とする。消石灰の添加量が少な過ぎると原水中のフッ素を十分に除去し得ず、多過ぎると消石灰のみならず、その後の中和のための酸添加量も増大し、好ましくない。本発明では、前述の如く、酸性AC系凝集剤の添加により中和剤としての酸の添加量を低減することができる。このため、中和剤として硫酸を用いる場合の石膏生成による消石灰の無駄な消費の問題がないため、消石灰の添加量を反応当量よりも大過剰に添加することなく、フッ素含有水中のフッ素を効率的に除去することができる。
原水に消石灰を添加した後の液は通常pH10.0〜13.0程度のアルカリ性となるため、次いで、この液に酸性AC系凝集剤と中和剤としての酸を添加してpH6.0〜7.5、好ましくはpH約7.0の中性にpH調整する。
ここで、酸性AC系凝集剤の添加量が少な過ぎると、酸性AC系凝集剤を添加することによる本発明の効果を十分に得ることができず、多過ぎると汚泥量が増大し、また、処理水のpHが下がりすぎることから、酸性AC系凝集剤の添加量は、酸性AC系凝集剤添加前のフッ素濃度(mg/L)に対して5〜100倍、特に5〜20倍程度とする。
中和剤としての酸としては、従来と同様、塩酸、硫酸等の鉱酸、好ましくは硫酸が用いられ、酸は液pHが中性となるような量添加される。
なお、酸性AC系凝集剤と酸とは同時に添加しても良く、別々に添加しても良い。また、酸性AC系凝集剤と酸とを予め混合して添加することもできる。別々に添加する場合、酸性AC系凝集剤添加後に酸を添加してpH調整することが好ましい。
酸性AC系凝集剤添加後は、所定時間、例えば5〜20分程度攪拌して凝集処理することが好ましい。
酸性AC系凝集剤と酸を添加してpH中性に調整し、所定時間凝集処理した後は、好ましくは、更に高分子凝集剤を添加して凝集処理する。この高分子凝集剤としては、ポリアクリルアミド部分加水分解物、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルアミジン等の1種又は2種以上を用いることができ、その添加量は、処理対象原水の水質や用いる高分子凝集剤によっても異なるが、通常0.1〜5mg/L程度である。
凝集処理液は次いで固液分離して処理水を得る。この固液分離には沈殿槽、膜分離装置等を用いることができる。
本発明において、酸性AC系凝集剤は、前述の如く、希釈したのち添加することができるが、この水は必ずしもpH中性のものである必要はなく、他系統の排水であっても良い。ただし、この希釈水は、酸性AC系凝集剤を溶解した状態で、酸性AC系凝集剤による中和効果を損なうことがないようなpH及び量であることが必要であり、用いる排水量にもよるが、pH10以下の排水であることが好ましく、このような排水で溶解した酸性AC系凝集剤液のpHが6以下、好ましくはpH4程度であることが好ましい。また、この排水は、フッ素を含むものであっても良いが、その含有量は15mg/L以下の希薄排水であることが好ましい。このような希薄排水に酸性AC系凝集剤を混合して用いることにより、酸性AC系凝集剤の凝集作用をこの希薄排水に作用させることもでき、フッ素含有水と希薄排水とを同時に効率的に処理することができる。
また、固液分離により得られた汚泥の一部を原水側に返送し、返送汚泥の種晶効果で汚泥の結晶性の向上、含水率の低下、沈降性の向上を図ることもできる。この場合、返送汚泥を消石灰と混合し、混合物(以下「改質汚泥」と称す場合がある。)を原水に添加するようにすることもでき、これにより、より一層の処理水質の向上と発生汚泥量の低減を図ることができる。
なお、この場合の返送汚泥量は、少な過ぎると汚泥返送を行うことによる上記効果を十分に得ることができず、多過ぎると沈殿槽の負荷が増大するため、生成する汚泥量に対して5〜30倍程度とし、特に消石灰と返送汚泥とを混合する場合、改質汚泥のpHが10以上であるような量とすることが好ましい。
このような本発明の方法によれば、酸性AC系凝集剤により、中和作用のみならず、凝集作用をも得ることができ、また、前述の如く、共沈作用によるフッ素除去効果も得ることができる。このため、上記固液分離により得られる処理水は高度にフッ素が除去されたものであり、従来法のように水酸化物共沈法による高度処理を行うことなく、一段の処理で図4に示す従来の二段処理による処理水と同等、あるいはそれ以上の水質の処理水を得ることができる。
本発明の方法では、従来のフッ化カルシウム法と比べて硫酸等の酸添加量は大幅に低減できるものの、酸性AC系凝集剤が必要となるが、このように二段処理を必要とせず、従って二段目の処理で用いるPAC等の凝集剤を必要とせず、また、二段目で添加するPACよりも少ない酸性AC系凝集剤量で良く、この結果、全体の薬品使用量を大幅に低減し、発生汚泥量を低減した上で良好な処理水を得ることができる。
次に、このような酸性AC系凝集剤を用いる本発明のフッ素含有水の処理方法の具体的な処理法を、図面を参照して説明する。図1〜3は本発明のフッ素含有水の処理方法の実施の形態を示す系統図である。
図1の方法では、原水槽1の原水を第1反応槽2に導入して消石灰を添加して反応させてた後、第2反応槽3に導入して酸性AC系凝集剤と中和剤(酸)を添加して所定時間凝集処理する。次いで、凝集槽4で高分子凝集剤を添加して凝集処理し、凝集処理液を沈殿槽5で固液分離し、上澄液を処理水として系外に排出すると共に、分離汚泥を排出する。
図2の方法は、酸性AC系凝集剤を他系統の希薄排水と混合して用いるものであり、この混合液を第1反応槽2に添加すること以外は、図1に示す方法と同様に処理が行われる。
図3の方法は、沈殿槽5の分離汚泥の一部を消石灰と混合し、改質汚泥を原水に添加する方法であり、調整槽6を設け、この調整槽6に分離汚泥の一部を導入すると共に消石灰を添加混合して改質し、改質汚泥を第1反応槽2への原水導入配管に注入すること以外は図1の方法と同様に処理が行われる。なお、調整槽6からの改質汚泥は第1反応槽2に直接添加しても良い。
図1〜3に示す方法は、本発明の実施の形態の一例であって、本発明はその要旨を超えない限り、何ら図示の方法に限定されるものではない。例えば、酸性AC系凝集剤と中和剤(酸)とは別々の反応槽で添加しても良く、そのための反応槽を個別に設けるようにしても良い。
このような本発明のフッ素含有水の処理方法は、半導体部品製造におけるシリコンウェハ製造工程から排出されるフッ素含有排水、ステンレス鋼板製造工程から排出される酸洗排水、アルミニウム表面処理排水、フッ酸製造排水、肥料製造排水、ゴミ焼却排水等の各種フッ素含有水の処理に有効である。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。なお、以下において、フッ素濃度の測定はJIS K0102 34.1に従って行った。また、高分子凝集剤としてはポリアクリルアミド部分加水分解物を用いた。
実施例1
フッ素130mg/Lを含有する電子産業排水を原水として図1に示す方法で処理を行った。
まず、原水に消石灰550mg/Lを添加し、その後、LAC(pH1.5)300mg/Lを添加すると共に硫酸を添加してpH7に調整した。30分撹拌して凝集処理した後、高分子凝集剤を1mg/L添加して凝集処理し、次いで沈殿槽で固液分離した。
得られた処理水(上澄水)中のフッ素濃度と硫酸濃度を測定すると共に、発生汚泥量を調べ、結果を表1に示した。なお、表1には、高分子凝集剤以外の薬品使用量を併記した。
比較
実施例1において、LACの代りに、塩酸を用いてpH3に調整したPACを300mg/L添加したこと以外は同様にして処理を行い、処理水のフッ素及び硫酸濃度と汚泥発生量を調べ、その結果を薬品使用量と共に表1に示した。
比較
実施例1において、LACの代りに、硫酸を用いてpH3に調整したPACを300mg/L添加したこと以外は同様にして処理を行い、処理水のフッ素及び硫酸濃度と汚泥発生量を調べ、その結果を薬品使用量と共に表1に示した。
比較例1
実施例1において、消石灰添加後、LACを添加せず、硫酸のみでpHを7に調整したこと以外は同様にして処理を行い、処理水のフッ素及び硫酸濃度と汚泥発生量を調べ、その結果を薬品使用量と共に表1に示した。
比較例2
実施例1において、消石灰添加後、LACを添加せず、硫酸のみでpHを7に調整し、30分撹拌して凝集処理した後、10重量%PACを450mg/L添加し、次いで水酸化ナトリウムを添加してpH7に調整した後、高分子凝集剤による凝集処理に供したこと以外は同様にして処理を行い、処理水のフッ素及び硫酸濃度と汚泥発生量を調べ、その結果を薬品使用量と共に表1に示した。
比較例3
実施例1において、LACの代りに10重量%塩化第二鉄水溶液を300mg/L(FeCl換算)添加したこと以外は同様にして処理を行い、処理水のフッ素及び硫酸濃度と汚泥発生量を調べ、その結果を薬品使用量と共に表1に示した。
比較例4
実施例1において、LACの代りに10重量%塩化マグネシウム水溶液を300mg/L(MgCl換算)添加したこと以外は同様にして処理を行い、処理水のフッ素及び硫酸濃度と汚泥発生量を調べ、その結果を薬品使用量と共に表1に示した。
Figure 0004631420
表1より、酸性AC系凝集剤を添加することにより、薬品使用量の低減、処理水質の向上、発生汚泥量の低減を図ることができることが分かる。
即ち、消石灰と硫酸で処理した比較例1では、発生汚泥量は少ないが、処理水質が悪い。また、比較例2では、この比較例1に対して、PACを添加する高度処理を行って、処理水質を高めているが、この場合には発生汚泥量が著しく増大する。また、比較例3,4のように、鉄系又はマグネシウム系凝集剤を添加しても効果は得られない。
これに対して、LACを用いた実施例1では、高度処理を行うことなく、一段の処理で、処理水質8mg−F/L以下を達成し、比較例1,2の場合の硫酸使用量は約1/5で良く、薬品使用量も汚泥発生量も少ない
実施例
フッ素300mg/Lを含有する排水(以下「フッ酸排水」と称す。)と、リン酸100mg/Lを含有するpH4の排水(以下「リン酸排水」と称す。)の二系統の排水を有する電子産業排水に対し、図2に示す方法で処理を行った。
フッ酸排水2Lに2200mg(全排水に対する消石灰添加量733mg/L)の消石灰を添加した後、これにLAC900mgを添加したリン酸排水(LAC添加後のpHは3.5)1Lを添加して混合し(全排水に対するLAC添加量300mg/L)、次いで硫酸を添加してpH7に調整した。30min撹拌して凝集処理した後、高分子凝集剤1mg/Lを添加して凝集処理し、次いで沈殿槽で固液分離した。
得られた処理水(上澄水)のフッ素及び硫酸濃度と汚泥発生量を調べ、その結果を高分子凝集剤以外の薬品使用量と共に表2に示した。
比較例5
実施例と同様の電子産業排水の処理を行った。
フッ酸排水2Lにリン酸排水1Lを混合し、これに2200mg(733mg/L)の消石灰を添加した後、硫酸を添加してpH7に調整した。30min撹拌して凝集処理後、PAC900mg(300mg/L)を添加し、水酸化ナトリウムを添加してpH7に調整し、その後、高分子凝集剤1mg/Lを添加して凝集処理し、次いで沈殿槽で固液分離した。
得られた処理水(上澄水)のフッ素及び硫酸濃度と汚泥発生量を調べ、その結果を高分子凝集剤以外の薬品使用量と共に表2に示した。
Figure 0004631420
表2より、希薄排水にLACを添加して用いた場合でも、著しく良好な処理水質の向上効果が認められ、また、発生汚泥量はほぼ同等ではあるが、薬品使用量を低減できることが分かる
本発明のフッ素含有水の処理方法の実施の形態を示す系統図である。 本発明の他のフッ素含有水の処理方法の実施の形態を示す系統図である。 本発明の別のフッ素含有水の処理方法の実施の形態を示す系統図である。 従来法を示す系統図である。
1 原水槽
2 第1反応槽
3 第2反応槽
4 凝集槽
5 沈殿槽

Claims (3)

  1. フッ素含有水を処理する方法において、原水に消石灰を添加した後、酸性度が高い塩化アルミニウム系凝集剤を添加し、中和後、固液分離する方法であって、
    該消石灰の添加量が、原水中のフッ素濃度に対して反応当量の1〜10倍であり、
    該酸性度が高い塩化アルミニウム系凝集剤が、LACであり、
    該LACの添加量が、LAC添加前のフッ素濃度に対して5〜100倍であり、
    該LACをpH4以下、アルミニウム濃度8重量%以下の水溶液として添加することを特徴とするフッ素含有水の処理方法。
  2. 請求項1において、酸性度が高い塩化アルミニウム系凝集剤を、フッ素濃度15mg/l以下の希薄排水で稀釈した後、消石灰を添加した原水に添加することを特徴とするフッ素含有水の処理方法。
  3. 請求項1又は2において、固液分離により得られた分離汚泥を前記消石灰と混合して原水に添加することを特徴とするフッ素含有水の処理方法。
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