JP4035347B2 - セレン酸含有排水の処理方法及びこれに用いる処理剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水中に含まれるセレン酸を除去する方法及びこれに用いる薬剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、非鉄精錬所や工場などから排出されるセレンを含有する排水を処理する最も簡便な方法としては、共沈処理法が採用されていた。しかしながら、従来の方法では、排水中のセレンをある程度除去することはできるものの、その程度は十分なものではなかった。その理由は、溶解性セレンには亜セレン酸[SeO3 2-(IV)]とセレン酸[SeO4 2-(VI)]とがあり、亜セレン酸には水酸化鉄(III)による共沈処理が有効であるものの、セレン酸に対する効率が低く、10%以下の除去率にとどまるためである(「公害防止の技術と法規(水質編)」通産省環境立地局 監修)。また、共沈剤として代表的なものにアルミニウム塩があるが、アルミニウム塩を使用しても、セレン酸を有効に除去することはできない。したがって、セレン酸を除去するためには、セレン酸を還元して一旦亜セレン酸とした後に、共沈処理を行なう必要があった。セレン酸を還元する方法として、例えば、特開平10−99874号公報は、6価セレンを塩化第1鉄で還元する技術を開示している。しかしながら、この方法は、多量の薬剤を使用する必要があり、また高温で長時間反応を行なわなければならない点で、問題があった。このように、セレン酸は亜セレン酸に還元しないと処理できないが、その還元が容易でないため、セレンを有効に除去することは、極めて困難であるのが現状であった。
近年では、工業排水などによる環境汚染の問題の解決が重要視されていることから、セレンのような有害物質の有効な除去方法に対する要求も高い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、少ないスラッジ量で水中のセレン酸を除去するための方法、およびそれに用いる薬剤を提供することをその課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
処理対象のセレン酸含有排水に、鉄化合物を添加し、アルカリを添加して、生成する水酸化鉄による共沈によってセレン酸を除去しようとしても、除去率は低い(10%以下)。
セレン酸を還元するには、第一鉄塩で還元する方法があるが、大量の薬剤を必要とし、高温で長時間の反応が必要である。また、このようにしても、処理水の濃度を排水基準の0.1mg/l以下にすることができない。
本発明者らは、セレン酸を含有する被処理水中に、アルミニウム化合物、鉄化合物及び有効塩素量が0.1〜25%の塩素系酸化剤を共存させ、該被処理水のpHを4〜8に調整することにより、セレン酸が水中から効率よく除去(排水基準の0.1mg/l以下)されることを見出した。この条件下では、水酸化鉄ではなく、酸化鉄が生成する。セレンはこの酸化鉄を含む沈殿に効果的に取り込まれる。
後記の実施例1(アルミニウムを含有する排水)に示すように、塩素系酸化剤が存在しなければ、硫酸第一鉄を使用しても、処理水のセレン濃度は0.21mg/lであり、排水基準の0.1mg/l以下にすることができない。それに対して、塩素系酸化剤を含む薬剤を添加すると、排水基準をはるかに下回る処理が可能である。そして、塩素系酸化剤が存在しない場合は水酸化鉄、塩素系酸化剤が存在する場合は酸化鉄が生成した。
即ち、本発明によれば、以下に示すセレン酸の除去方法及びこれに用いる薬剤が提供される。
(1)セレン酸を含有する被処理水中に、アルミニウム化合物、鉄化合物及び有効塩素量が0.1〜25%の塩素系酸化剤を共存させ、被処理水のpHを4〜8に調整して、被処理水中に含まれるセレン酸を不溶化させることを特徴とするセレン酸の除去方法。
(2)前記鉄化合物が、硫酸第一鉄又は塩化第一鉄である(1)項記載のセレン酸の除去方法。
(3)前記被処理水中に炭酸イオンを存在させた状態でセレン酸を不溶化させる(1)又は(2)項に記載のセレン酸の除去方法。
(4)前記炭酸イオンは、排水中に炭酸イオン発生剤を添加することにより得られるものであることを特徴とする(1)〜(3)項のいずれかに記載のセレン酸の除去方法。
(5)前記炭酸イオン発生剤は、炭酸ナトリウムもしくは炭酸カリウムから選ばれるものであることを特徴とする(1)〜(4)項のいずれかに記載のセレン酸の除去方法。
(6)前記被処理水に対し、凝集剤を添加する(1)〜(5)項のいずれかに記載の方法。
(7)(3)項記載の方法において用いられる(i)有効塩素量0.1〜25%の塩素系酸化剤と( ii )水溶性炭酸塩化合物との混合物からなることを特徴とする薬剤。
(8)(3)項記載の方法において用いられる(i)有効塩素量0.1〜25%の塩素系酸化剤と( ii )水溶性炭酸塩化合物と( iii )水酸化ナトリウムとの混合物からなることを特徴とする薬剤。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明のセレン酸の除去に用いる薬剤の一つの態様(以下、単に薬剤Aともいう)は、(i)有効塩素量0.1〜25%の塩素系酸化剤と(ii)水溶性炭酸塩化合物との混合物からなるものである。また、本発明の薬剤のもう一つの態様(以下、単に薬剤Bともいう)は、(i)有効塩素量0.1〜25%の塩素系酸化剤と(ii)水溶性炭酸塩化合物と(iii)水酸化ナトリウムとの混合物からなることを特徴とする薬剤である。
【0006】
被処理水に塩素系酸化剤を添加する時点は、特に制限はないが、アルミニウム化合物や鉄化合物を添加する以前、それらの添加と同時又はそれらを添加した後であることができる。その後にpH調整を行う。
【0007】
本発明で用いるアルミニウム化合物には、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム及びアルミン酸ナトリウム、水酸化アルミニウム等が挙げられる。これらの鉄化合物は、単独又は混合物の形態で用いることができる。
【0008】
本発明で用いる鉄化合物には、塩化第1鉄、塩化第2鉄、硫酸第1鉄、硫酸第2鉄、ポリ塩化鉄及びポリ硫酸鉄等が挙げられる。これらの鉄化合物は、単独又は混合物の形態で用いることができる。
【0009】
被処理水中のセレン酸を不溶化物とするためのpH調整に用いるアルカリとしては、従来公知のものが用いられる。このようなアルカリには、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウムの他、水酸化マグネシウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化アンモニウム等が包含される。本発明では、特に、経済性の点から、アルカリでは、水酸化ナトリウムや水酸化カルシウム、の使用が好ましい。
【0010】
被処理水に対するアルカリの添加量は、その水中のセレン酸が不溶化物となる量であればよく、一般的には、その処理水のpHを4〜8、好ましくは5.5〜6.0の範囲にコントロールするような量であればよい。
【0011】
有効塩素量が0.1〜25%の塩素系酸化剤と炭酸イオンを存在させることは以下のようにする。
【0012】
本発明では塩素系酸化剤を処理しようとする排水中に添加する。この塩素系酸化剤は、セレン酸を不溶化物に変換させることができるものであり、このような塩素系酸化剤を具体的にあげれば、次亜塩素酸、亜塩素酸、過塩素酸等及びそれらの水溶性塩などである。これらの中では、経済性の点から、有効塩素量(Cl換算による。以下同じ)が、0.1〜25%である塩素系酸化剤を使用することが簡便であり好ましく、より好ましくは1〜20%、特に好ましくは1〜13%である。塩素系酸化剤としては上記の次亜塩素酸、亜塩素酸、塩素酸、過塩素酸等及びそれらの水溶性塩などの薬剤を用いてもよいが、水酸化ナトリウム溶液に塩素ガスを導入することにより調製したものを用いてもよい。
【0013】
本発明により塩素系酸化剤を水中においてセレン酸と反応させる場合、炭酸イオンを存在させるのが好ましい。この炭酸イオンの存在により、塩素系酸化剤単独の場合と比べて、処理水中のセレンの濃度を低くすることができ、また、フロックの生成を促進させる、塩素系酸化剤単独の場合と比べて、沈降性がよいフロックが得られる等の効果を得ることができる。
【0014】
炭酸イオンを発生させる化合物(炭酸イオン発生剤)としては、水中で炭酸イオンを発生する化合物であれば任意のものが使用可能である。このようなものには、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等の水溶性炭酸塩及び炭酸ガス等が包含される。その被処理水に添加する量は、被処理水中の炭酸イオン濃度が0.000005〜0.1モル/L、好ましくは0.00005〜0.01モル/Lとなるような割合である。
【0015】
炭酸イオン発生剤の添加時点は、特に制約されず、塩素系酸化剤の添加前、添加時又は添加後であるが、好ましくは塩素系酸化剤の添加直前又は添加と同時である。
【0016】
アルミニウム化合物の添加量は、セレン酸1モル当たり、1〜5000モル、好ましくは1〜4000モル、より好ましくは1〜3000モルである。
【0017】
鉄化合物の添加量は、セレン酸1モル当たり、0.1〜10000モル、好ましくは0.2〜10000モル、より好ましくは1〜10000モルである。
【0018】
本発明のセレン酸の除去に用いる薬剤の一つの態様(薬剤A)は、(i)有効塩素量0.1〜25%の塩素系酸化剤と(ii)炭酸ナトリウム等の水溶性炭酸塩化合物との混合物からなる薬剤である。また、本発明の薬剤のもう一つの態様(薬剤B)は、(i)有効塩素量0.1〜25%の塩素系酸化剤と(ii)炭酸ナトリウム等の水溶性炭酸塩化合物と(iii)水酸化ナトリウムとの混合物からなることを特徴とする薬剤である。
【0019】
前記薬剤Aを製造する場合において、有効塩素量0.1〜25%の塩素系酸化剤(水溶液など)に、炭酸塩を加えて溶解させる。この場合、炭酸塩の割合は、有効塩素1モル当たり、0.001〜1モル、好ましくは0.01〜0.5モルである。この場合には、アルカリが添加されていないので、結晶の析出などがおこることがある。
【0020】
本発明の薬剤Bを好ましく製造するには、以下のようにする。先ず、有効塩素量(濃度)0.1〜25%の塩素系酸化剤(水溶液など)に、水酸化ナトリウムを溶解させ、これに炭酸塩を加えて溶解させる。この場合、水酸化ナトリウムの割合は、有効塩素1モル当り、0.01〜1モル、好ましくは0.1〜1モルである。また、炭酸塩の割合は、有効塩素1モル当たり、0.001〜1モル、好ましくは0.01〜0.5モルである。
【0021】
本発明の薬剤によりセレン酸の処理水濃度を減少させる場合、水酸化ナトリウムを含む薬剤、あるいは水酸化ナトリウムを含まない薬剤のどちらを用いてもかまわないが、水酸化ナトリウムを含まない薬剤を用いる場合、薬剤添加後pHが低下する場合は、アルカリを再び添加すればよい。
本発明の薬剤によりセレン酸の処理水濃度を減少させるためには、被処理水にアルミニウム化合物、鉄化合物及び薬剤を添加し、次いでアルカリを添加してpHを4から8、好ましくは5〜7、より好ましくは5.5〜6.0に調整すればよい。
【0022】
薬剤の添加量は、塩素系酸化剤の有効塩素のモル数で、セレン酸1モル当たり、0.1〜3000モル、好ましくは0.2〜3000モル、より好ましくは0.5〜3000モルである。
【0023】
本発明においては、凝集剤を併用するのが好ましい。この場合の凝集剤は、フロックの凝集に用いられているものであればよく、このようなものには、ポリアクリルアミドのカチオン化変性物、ポリアクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、ポリメタクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、ポリエチレンイミン、キトサン等のカチオン性有機系凝集剤、ポリアクリルアミド等のノニオン性有機系凝集剤、ポリアクリル酸、アクリルアミドとアクリル酸との共重合体及びその塩等のアニオン性有機系凝集剤が包含される。凝集剤は、通常、被処理水に対し、薬剤の添加後に加えればよい。
【0024】
本発明の処理を施した後のフロックを含む被処理水は、固液分離処理される。この場合の固液分離方法としては、慣用の方法、例えば、濾過分離、遠心分離、沈降分離等が挙げられる。
【0025】
本発明で用いる被処理水は、セレン酸を含む液であり、各種の工場廃水が用いられる。被処理水中のセレン酸の濃度は、特に規定がなく、高濃度から低濃度のセレン酸を含む排水を、排水基準以下まで処理することが可能である。
【0026】
【実施例】
次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
【0027】
参考例1
次亜塩素酸ソーダ水溶液(工業用)(有効塩素量12%)1リットルに、炭酸ナトリウム36gを加えて溶解させた。この溶液を薬剤Aとする。
【0028】
参考例2
次亜塩素酸ソーダ水溶液(工業用)(有効塩素量12%)1リットルに、水酸化ナトリウム43gを溶解したものに、炭酸ナトリウム36gを加えて溶解させた。この溶液を薬剤Bとする。
【0029】
参考例3
次亜塩素酸ソーダ水溶液(工業用)(有効塩素量12%)1リットルに、水酸化ナトリウム43gを加えて溶解させた。この溶液を薬剤Cとする。
【0030】
実施例1
セレン酸(セレンとして0.28mg/l)を含有する実排水(アルミニウム濃度200mg/l)に、10%硫酸第一鉄溶液を40ml/l添加し、水酸化ナトリウム水溶液でpHを3に調整し、次に、薬剤Bを所定量添加し、次に水酸化ナトリウム水溶液でpHを5.5〜6.5に調整した後、高分子凝集剤3mg/lを添加して、凝集沈殿させた。上澄水のセレン濃度をICP発光分光測定装置で測定した。結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
実施例2
実施例1と同様の実排水に、薬剤Bを1ml/l添加し、10重量%硫酸第一鉄溶液を実施例1と同量添加し、次に水酸化ナトリウム水溶液でpHを5.5〜6.5に調整した後、高分子凝集剤3mg/lを添加して凝集沈殿させた。結果は、実施例1と同様薬剤Bの添加により良好な結果が得られた。
【0033】
実施例3
実施例1と同様の実排水に、10重量%硫酸第一鉄溶液を所定量添加し、水酸化ナトリウム水溶液でpHを3に調整し、次に、薬剤Bを1ml/l添加し、次に水酸化ナトリウム水溶液でpHを5.5〜6.5に調整した後、高分子凝集剤3mg/lを添加して凝集沈殿させた。結果を表2に示す。
【0034】
【表2】
【0035】
実施例4
セレン酸をセレンとして0.387mg/l、アルミニウムを169mg/l含有するpH2.5の実排水に、硫酸アルミニウム5重量%溶液を0.6ml/l、塩化第一鉄10重量%溶液を33ml/l添加し、水酸化ナトリウム水溶液でpHを3に調整し、次に、薬剤Bを1ml/l添加し、次に、水酸化ナトリウム水溶液でpHを5.5に調整した後、高分子凝集剤3mg/lを添加して凝集沈殿させた。上澄水のセレン濃度を測定したところ、0.000mg/lであった。
【0036】
実施例5
セレン酸をセレンとして0.330mg/l、アルミニウムを89mg/l含有するpH2.7の実排水に、硫酸アルミニウム5重量%溶液を2.1ml/l、塩化第一鉄10重量%溶液を33ml/l添加し、水酸化ナトリウム水溶液でpHを3に調整し、次に、薬剤Bを1ml/l添加し、次に、水酸化ナトリウム水溶液でpHを5.5に調整した後、高分子凝集剤3mg/lを添加して凝集沈殿させた。上澄水のセレン濃度を測定したところ、0.000mg/lであった。
【0037】
実施例6
セレン酸をセレンとして1.18mg/l、アルミニウムを191mg/l含有するpH2.3の実排水に、硫酸アルミニウム10重量%溶液を0.6ml/l、塩化第一鉄10重量%溶液を33ml/l添加し、水酸化ナトリウム水溶液でpHを3に調整し、次に、薬剤Bを1ml/l添加し、次に、水酸化ナトリウム水溶液でpHを5.5に調整した後、高分子凝集剤3mg/lを添加して凝集沈殿させた。上澄水のセレン濃度を測定したところ、0.000mg/lであった。
【0038】
実施例7
セレン酸をセレンとして0.63mg/l、アルミニウムを115mg/l含有するpH2.7の実排水に、硫酸アルミニウム10重量%溶液を2.1ml/l、塩化第一鉄10重量%溶液を33ml/l添加し、水酸化ナトリウム水溶液でpHを3に調整し、次に、薬剤Bを1ml/l添加し、次に、水酸化ナトリウム水溶液でpHを5.5に調整した後、高分子凝集剤3mg/lを添加して凝集沈殿させた。上澄水のセレン濃度を測定したところ、0.000mg/lであった。
【0039】
実施例8
実施例6の実排水に、薬剤Bの代わりに薬剤Cを1ml/l添加する以外はすべて実施例6と同様に処理した結果、上澄水のセレン濃度は、0.116mg/lであった。薬剤Cでは、モデル排水では、排水基準近くまで処理することができるが、実排水では、コンスタントに排水基準以下にすることは困難である。
【0040】
実施例9
実施例6の実排水に、薬剤Bの代わりに薬剤Aを1ml/l添加する以外はすべて実施例6と同様に処理した結果、上澄水のセレン濃度は、0.035mg/lであった。
【0041】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、被処理水中のセレン酸を不溶化物として効率よく除去することができる。
Claims (8)
- セレン酸を含有する被処理水中に、アルミニウム化合物、鉄化合物及び有効塩素量が0.1〜25%の塩素系酸化剤を共存させ、被処理水のpHを4〜8に調整して、被処理水中に含まれるセレン酸を不溶化させることを特徴とするセレン酸の除去方法。
- 前記鉄化合物が、硫酸第一鉄又は塩化第一鉄である請求項1記載のセレン酸の除去方法。
- 前記被処理水中に炭酸イオンを存在させた状態でセレン酸を不溶化させる請求項1又は2に記載のセレン酸の除去方法。
- 前記炭酸イオンは、排水中に炭酸イオン発生剤を添加することにより得られるものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のセレン酸の除去方法。
- 前記炭酸イオン発生剤は、炭酸ナトリウムもしくは炭酸カリウムから選ばれるものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のセレン酸の除去方法。
- 前記被処理水に対し、凝集剤を添加する請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
- 請求項3記載の方法において用いられる(i)有効塩素量0.1〜25%の塩素系酸化剤と( ii )水溶性炭酸塩化合物との混合物からなることを特徴とする薬剤。
- 請求項3記載の方法において用いられる(i)有効塩素量0.1〜25%の塩素系酸化剤と( ii )水溶性炭酸塩化合物と( iii )水酸化ナトリウムとの混合物からなることを特徴とする薬剤。
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