JP3642516B2 - 水中のcod成分の除去方法及び除去装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、下水、下水処理水、各種産業排水、湖沼水、河川水など、種々のCOD含有水の新規処理方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
COD含有水からCODを除去するための従来の最も代表的な除去技術は、凝集沈殿法である。この技術は、COD含有水(以下「原水」ともいう)に硫酸アルミニウム、PAC、塩化第2鉄、硫酸第2鉄、ポリ硫酸第2鉄などの無機凝集剤を添加して攪拌し、CODを取り込んだフロックを形成させたのちフロックを沈殿させ、浄化処理水を得る技術である。
無機凝集剤を添加して凝集フロックを形成させた後、フロックを分離する凝集沈殿するなどの凝集分離法は、簡単な装置、操作でCODが効果的に除去できることが特徴である。しかし、大量の難脱水性凝集分離汚泥が発生し、その処理処分が非常に面倒であるという重大な欠点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の凝集分離法の上記問題点を解決し、利用価値の無い難脱水性凝集分離汚泥の発生を大幅に減少できる、新技術を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記の課題を解決すべく研究した結果、COD含有水に無機凝集剤を添加して攪拌する凝集沈殿法と、鉱酸による酸溶解処理と、更に亜塩素酸塩又は塩素酸塩による化学酸化処理を併用し、酸化処理酸性液を、前記COD含有排水に返送すれば、COD成分が効率的に除去できるとともに、処分が面倒な難脱水性凝集分離汚泥の発生の問題も解決できることを見出し、この知見に基づき、本発明を完成するに至った。
【0005】
すなわち、本発明は次の構成からなるものである。
(1)COD含有排水に、鉄又はアルミニウム系無機凝集剤を添加して凝集分離するとともに、凝集分離汚泥に酸を添加して凝集汚泥を溶解せしめ、鉄又はアルミニウムイオンを溶出せしめ、該溶解液に亜塩素酸塩又は塩素酸塩を添加し、前記金属イオン共存状態で化学酸化処理したのち、該処理液を、前記COD含有排水に添加することを特徴とする水中のCOD成分の除去方法。
【0006】
(2)COD含有排水を鉄又はアルミニウム系無機凝集剤によってCODを凝集してフロックを形成させる凝集反応槽と、生成したフロックを処理水と凝集汚泥に固液分離する固液分離手段と、分離凝集汚泥を鉱酸により溶解して酸溶解液を生成する酸溶解槽と、酸溶解液を亜塩素酸塩又は塩素酸塩で化学酸化処理する化学酸化処理槽と、該化学酸化処理液のCOD含有排水への返送配管を具備することを特徴とする水中のCOD成分の除去装置。
(3)前記酸溶解槽と前記化学酸化処理槽との間に、酸溶解液中の酸不溶性物質を沈殿処理して酸不溶解SSを沈殿分離する沈殿分離槽、及び前記沈殿分離槽からの分離された酸溶解液の化学酸化処理槽への供給配管を設けたことを特徴とする前記(2)記載の水中のCOD成分の除去装置。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する構成要素は同一の符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
【0008】
図1に本発明のCOD成分の除去方法を行うのに用いる装置の一構成例を示す。
図1において、COD含有水(以下「原水」と呼ぶことがある)1に、硫酸アルミニウム、PAC、塩化第2鉄、ポリ硫酸鉄などの無機凝集剤2を添加して、凝集反応槽4中で攪拌し、CODを凝集させ、凝集フロックを形成させる。
次いで、凝集フロックを沈殿、膜分離、ろ過、ダイナミックろ過などの固液分離手段5で固液分離し、CODが凝集除去された清澄な処理水6が得られる。
【0009】
次に、分離された凝集汚泥7に塩酸、硫酸などの鉱酸8を添加し、酸溶解槽9中で水酸化アルミニウム、又は水酸化鉄が溶解するpH以下に調整して攪拌し、Alイオン又はFeイオンを生成させる。フロックが溶解するに伴って、凝集フロックに取り込まれていたCOD成分が溶出し、Alイオン、Feイオンが共存する酸性液(これを「酸溶解液」と呼ぶ)10を形成する。
次に、この酸溶解液10に対し、化学酸化処理槽11中で、亜塩素酸ソーダなどの亜塩素酸塩12を添加し、2酸化塩素を発生させ、2酸化塩素の強力な酸化作用によって溶出CODを酸化分解する。
【0010】
また、無機凝集剤2として鉄系凝集剤を使用すると、酸溶解液10中に鉄イオンが存在するが、鉄イオンが2酸化塩素の酸化触媒になり、酸化力が増加することが判明した。その際、亜塩素酸塩12を添加する化学酸化処理槽11に紫外線を照射すると、2酸化塩素と紫外線の相乗効果によって、さらに効果的にCODを酸化分解できることが認められた。
亜塩素酸塩12は酸と反応して、次の反応式によって2酸化塩素を生成する。例えば亜塩素酸ナトリウムと塩酸は、次の反応によって2酸化塩素を生成する。
【0011】
5NaClO2+4HCl → 4ClO2+5NaCl+2H2O
【0012】
2酸化塩素は化学式ClO2で表され、塩素元素を分子内に含んでいるが、塩素、次亜塩素酸塩とは性質が全く異なり、次の特徴がある。
(1)塩素臭はほとんど無く、有機物を含有する水に添加しても、有害なトリハロメタンを生成することがない。すなわち、塩素(Cl2)、次亜塩素酸塩(たとえばNaClO)の酸化力は、対象物質の塩素化作用に起因しているのに対し、2酸化塩素は塩素化反応ではなく、分子結合のまま電子レベルで酸化するので、有機塩素化合物が原理的に生成しない。
(2)塩素、次亜塩素酸塩は、水中のアンモニウムイオンと反応して、クロルアミンを生成して酸化力が減少してしまうのに対し、2酸化塩素はアンモニウムイオンと反応しない。
(3)塩素よりも酸化力が強く、反応が早い。
(4)酸化力がpHに左右されない。
【0013】
なお、亜塩素酸塩の代わりに、塩素酸塩(たとえば塩素酸ナトリウム、NaClO3)と還元剤(たとえば、過酸化水素、2酸化硫黄)を添加すると、次の反応によって2酸化塩素が生成するので、塩素酸塩を使用しても良い。
【0014】
2NaClO3+H2O2+H2SO4
→ 2ClO2+O2+Na2SO4+2H2O
【0015】
2酸化塩素酸化処理の結果、酸溶解液10の液側に含まれているCOD成分が酸化分解を受け分解され、化学酸化処理液13を、返送管を経て原水1に添加すると、化学酸化処理液13の中の鉄イオン又はアルミニウムイオンが無機凝集剤3として作用し、原水1のCODが除去される。
この結果、新鮮な無機凝集剤2の所要量が大幅(1/10以下)に減少でき、CODの悪循環が断たれるので処理水CODが悪化しない。このため、系外に排出して汚泥処分すべき凝集汚泥量が大幅に減少する。
【0016】
再生凝集剤(化学酸化処理液のこと)3を添加する際に、新鮮な無機凝集剤2の添加量をゼロにすると、処理水6の水質が悪化する場合があるので、再生凝集剤3を原水1に添加する場合においても、少量の新鮮無機凝集剤2を添加できるようにしておくことが好ましい。
【0017】
なお、原水1にCOD以外にSSが含まれている場合は、図2にように装置を構成するのがよい。
図2において、酸溶解槽9で酸8に溶解しなかった不溶性物質(原水に含まれている粘土分、有機性SS、プランクトン、藻類等)を沈殿槽14で沈殿処理し、分離液16を化学酸化処理槽11で処理してから、化学酸化処理液13を再生凝集剤3として使用する。
この固液分離装置(工程)14を省略して長時間運転すると、酸不溶性SS15が凝集反応槽4に大量に蓄積し、処理水6へのSS流出などのトラブルが起き、凝集分離処理を破綻させる。
なお、酸不溶性SS(物質)の固液分離装置5による固液分離は、必ずしも常時行う必要はなく、間欠的に行っても良い。すなわち、系内に酸不溶性固体がある限度以上に蓄積した場合に、固液分離装置5を運転すれば良い。
【0018】
【実施例】
以下に本発明の実施例の一例を示すが、本発明はこの実施例により限定されるものではない。
【0019】
実施例1
下水の標準活性汚泥法処理水を砂ろ過したろ過水(CODMn15.2mg/リットル、SS2mg/リットル)を対象に、本発明の試験を行った。運転開始後10日間は新鮮な無機凝集剤(塩化第2鉄)を添加し、そのあとは図1の工程で製造された鉄イオン含有酸性液を、無機凝集剤として再利用した。試験条件及び方法を第1表に示す。
【0020】
【表1】
【0021】
以上の条件で1ヶ月運転し、処理水のCODを分析した。
運転開始後10日間の新鮮な塩化第2鉄を添加した場合には、処理水COD3.9mg/リットルであった。これに対し、新鮮な塩化第2鉄添加率をFeとして10mg/リットルに減少させ、本発明のFeイオン含有酸性液(化学)を凝集剤として再利用した場合には、処理水COD5.8mg/リットルであった。凝集沈殿汚泥の発生が、通常の凝集沈殿法の約1/10に減少した。
また、処理水にトリハロメタンは検出されなかった。
【0022】
【発明の効果】
本発明によれば、下記の(1)〜(4)の効果が得られた。
(1)凝集沈殿汚泥がほとんど発生しない。
(2)したがって汚泥処理が容易になる。
(3)凝集剤をリサイクル使用しても、処理水CODが良好に維持される。
(4)トリハロメタンが生成しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のCOD成分の除去方法の一実施態様のブロック図である。
【図2】本発明のCOD成分とSSの除去方法で、酸溶解槽の後に沈殿槽を設けた実施態様のブロック図である。
【符号の説明】
1 COD含有排水(原水)
2 無機凝集剤
3 再生無機凝集剤(化学酸化処理液)
4 凝集反応槽
5 固液分離手段
6 処理水
7 分離凝集汚泥
8 鉱酸
9 酸溶解槽
10 酸溶解液
11 化学酸化処理槽
12 亜塩素酸塩又は塩素酸塩
13 化学酸化処理液
14 沈殿槽
15 酸不溶解SS
16 分離液
【発明の属する技術分野】
本発明は、下水、下水処理水、各種産業排水、湖沼水、河川水など、種々のCOD含有水の新規処理方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
COD含有水からCODを除去するための従来の最も代表的な除去技術は、凝集沈殿法である。この技術は、COD含有水(以下「原水」ともいう)に硫酸アルミニウム、PAC、塩化第2鉄、硫酸第2鉄、ポリ硫酸第2鉄などの無機凝集剤を添加して攪拌し、CODを取り込んだフロックを形成させたのちフロックを沈殿させ、浄化処理水を得る技術である。
無機凝集剤を添加して凝集フロックを形成させた後、フロックを分離する凝集沈殿するなどの凝集分離法は、簡単な装置、操作でCODが効果的に除去できることが特徴である。しかし、大量の難脱水性凝集分離汚泥が発生し、その処理処分が非常に面倒であるという重大な欠点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の凝集分離法の上記問題点を解決し、利用価値の無い難脱水性凝集分離汚泥の発生を大幅に減少できる、新技術を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記の課題を解決すべく研究した結果、COD含有水に無機凝集剤を添加して攪拌する凝集沈殿法と、鉱酸による酸溶解処理と、更に亜塩素酸塩又は塩素酸塩による化学酸化処理を併用し、酸化処理酸性液を、前記COD含有排水に返送すれば、COD成分が効率的に除去できるとともに、処分が面倒な難脱水性凝集分離汚泥の発生の問題も解決できることを見出し、この知見に基づき、本発明を完成するに至った。
【0005】
すなわち、本発明は次の構成からなるものである。
(1)COD含有排水に、鉄又はアルミニウム系無機凝集剤を添加して凝集分離するとともに、凝集分離汚泥に酸を添加して凝集汚泥を溶解せしめ、鉄又はアルミニウムイオンを溶出せしめ、該溶解液に亜塩素酸塩又は塩素酸塩を添加し、前記金属イオン共存状態で化学酸化処理したのち、該処理液を、前記COD含有排水に添加することを特徴とする水中のCOD成分の除去方法。
【0006】
(2)COD含有排水を鉄又はアルミニウム系無機凝集剤によってCODを凝集してフロックを形成させる凝集反応槽と、生成したフロックを処理水と凝集汚泥に固液分離する固液分離手段と、分離凝集汚泥を鉱酸により溶解して酸溶解液を生成する酸溶解槽と、酸溶解液を亜塩素酸塩又は塩素酸塩で化学酸化処理する化学酸化処理槽と、該化学酸化処理液のCOD含有排水への返送配管を具備することを特徴とする水中のCOD成分の除去装置。
(3)前記酸溶解槽と前記化学酸化処理槽との間に、酸溶解液中の酸不溶性物質を沈殿処理して酸不溶解SSを沈殿分離する沈殿分離槽、及び前記沈殿分離槽からの分離された酸溶解液の化学酸化処理槽への供給配管を設けたことを特徴とする前記(2)記載の水中のCOD成分の除去装置。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する構成要素は同一の符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
【0008】
図1に本発明のCOD成分の除去方法を行うのに用いる装置の一構成例を示す。
図1において、COD含有水(以下「原水」と呼ぶことがある)1に、硫酸アルミニウム、PAC、塩化第2鉄、ポリ硫酸鉄などの無機凝集剤2を添加して、凝集反応槽4中で攪拌し、CODを凝集させ、凝集フロックを形成させる。
次いで、凝集フロックを沈殿、膜分離、ろ過、ダイナミックろ過などの固液分離手段5で固液分離し、CODが凝集除去された清澄な処理水6が得られる。
【0009】
次に、分離された凝集汚泥7に塩酸、硫酸などの鉱酸8を添加し、酸溶解槽9中で水酸化アルミニウム、又は水酸化鉄が溶解するpH以下に調整して攪拌し、Alイオン又はFeイオンを生成させる。フロックが溶解するに伴って、凝集フロックに取り込まれていたCOD成分が溶出し、Alイオン、Feイオンが共存する酸性液(これを「酸溶解液」と呼ぶ)10を形成する。
次に、この酸溶解液10に対し、化学酸化処理槽11中で、亜塩素酸ソーダなどの亜塩素酸塩12を添加し、2酸化塩素を発生させ、2酸化塩素の強力な酸化作用によって溶出CODを酸化分解する。
【0010】
また、無機凝集剤2として鉄系凝集剤を使用すると、酸溶解液10中に鉄イオンが存在するが、鉄イオンが2酸化塩素の酸化触媒になり、酸化力が増加することが判明した。その際、亜塩素酸塩12を添加する化学酸化処理槽11に紫外線を照射すると、2酸化塩素と紫外線の相乗効果によって、さらに効果的にCODを酸化分解できることが認められた。
亜塩素酸塩12は酸と反応して、次の反応式によって2酸化塩素を生成する。例えば亜塩素酸ナトリウムと塩酸は、次の反応によって2酸化塩素を生成する。
【0011】
5NaClO2+4HCl → 4ClO2+5NaCl+2H2O
【0012】
2酸化塩素は化学式ClO2で表され、塩素元素を分子内に含んでいるが、塩素、次亜塩素酸塩とは性質が全く異なり、次の特徴がある。
(1)塩素臭はほとんど無く、有機物を含有する水に添加しても、有害なトリハロメタンを生成することがない。すなわち、塩素(Cl2)、次亜塩素酸塩(たとえばNaClO)の酸化力は、対象物質の塩素化作用に起因しているのに対し、2酸化塩素は塩素化反応ではなく、分子結合のまま電子レベルで酸化するので、有機塩素化合物が原理的に生成しない。
(2)塩素、次亜塩素酸塩は、水中のアンモニウムイオンと反応して、クロルアミンを生成して酸化力が減少してしまうのに対し、2酸化塩素はアンモニウムイオンと反応しない。
(3)塩素よりも酸化力が強く、反応が早い。
(4)酸化力がpHに左右されない。
【0013】
なお、亜塩素酸塩の代わりに、塩素酸塩(たとえば塩素酸ナトリウム、NaClO3)と還元剤(たとえば、過酸化水素、2酸化硫黄)を添加すると、次の反応によって2酸化塩素が生成するので、塩素酸塩を使用しても良い。
【0014】
2NaClO3+H2O2+H2SO4
→ 2ClO2+O2+Na2SO4+2H2O
【0015】
2酸化塩素酸化処理の結果、酸溶解液10の液側に含まれているCOD成分が酸化分解を受け分解され、化学酸化処理液13を、返送管を経て原水1に添加すると、化学酸化処理液13の中の鉄イオン又はアルミニウムイオンが無機凝集剤3として作用し、原水1のCODが除去される。
この結果、新鮮な無機凝集剤2の所要量が大幅(1/10以下)に減少でき、CODの悪循環が断たれるので処理水CODが悪化しない。このため、系外に排出して汚泥処分すべき凝集汚泥量が大幅に減少する。
【0016】
再生凝集剤(化学酸化処理液のこと)3を添加する際に、新鮮な無機凝集剤2の添加量をゼロにすると、処理水6の水質が悪化する場合があるので、再生凝集剤3を原水1に添加する場合においても、少量の新鮮無機凝集剤2を添加できるようにしておくことが好ましい。
【0017】
なお、原水1にCOD以外にSSが含まれている場合は、図2にように装置を構成するのがよい。
図2において、酸溶解槽9で酸8に溶解しなかった不溶性物質(原水に含まれている粘土分、有機性SS、プランクトン、藻類等)を沈殿槽14で沈殿処理し、分離液16を化学酸化処理槽11で処理してから、化学酸化処理液13を再生凝集剤3として使用する。
この固液分離装置(工程)14を省略して長時間運転すると、酸不溶性SS15が凝集反応槽4に大量に蓄積し、処理水6へのSS流出などのトラブルが起き、凝集分離処理を破綻させる。
なお、酸不溶性SS(物質)の固液分離装置5による固液分離は、必ずしも常時行う必要はなく、間欠的に行っても良い。すなわち、系内に酸不溶性固体がある限度以上に蓄積した場合に、固液分離装置5を運転すれば良い。
【0018】
【実施例】
以下に本発明の実施例の一例を示すが、本発明はこの実施例により限定されるものではない。
【0019】
実施例1
下水の標準活性汚泥法処理水を砂ろ過したろ過水(CODMn15.2mg/リットル、SS2mg/リットル)を対象に、本発明の試験を行った。運転開始後10日間は新鮮な無機凝集剤(塩化第2鉄)を添加し、そのあとは図1の工程で製造された鉄イオン含有酸性液を、無機凝集剤として再利用した。試験条件及び方法を第1表に示す。
【0020】
【表1】
【0021】
以上の条件で1ヶ月運転し、処理水のCODを分析した。
運転開始後10日間の新鮮な塩化第2鉄を添加した場合には、処理水COD3.9mg/リットルであった。これに対し、新鮮な塩化第2鉄添加率をFeとして10mg/リットルに減少させ、本発明のFeイオン含有酸性液(化学)を凝集剤として再利用した場合には、処理水COD5.8mg/リットルであった。凝集沈殿汚泥の発生が、通常の凝集沈殿法の約1/10に減少した。
また、処理水にトリハロメタンは検出されなかった。
【0022】
【発明の効果】
本発明によれば、下記の(1)〜(4)の効果が得られた。
(1)凝集沈殿汚泥がほとんど発生しない。
(2)したがって汚泥処理が容易になる。
(3)凝集剤をリサイクル使用しても、処理水CODが良好に維持される。
(4)トリハロメタンが生成しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のCOD成分の除去方法の一実施態様のブロック図である。
【図2】本発明のCOD成分とSSの除去方法で、酸溶解槽の後に沈殿槽を設けた実施態様のブロック図である。
【符号の説明】
1 COD含有排水(原水)
2 無機凝集剤
3 再生無機凝集剤(化学酸化処理液)
4 凝集反応槽
5 固液分離手段
6 処理水
7 分離凝集汚泥
8 鉱酸
9 酸溶解槽
10 酸溶解液
11 化学酸化処理槽
12 亜塩素酸塩又は塩素酸塩
13 化学酸化処理液
14 沈殿槽
15 酸不溶解SS
16 分離液
Claims (3)
- COD含有排水に、鉄又はアルミニウム系無機凝集剤を添加して凝集分離するとともに、分離凝集汚泥に酸を添加して凝集汚泥を溶解せしめ、鉄又はアルミニウムイオンを溶出せしめ、該溶解液に亜塩素酸塩又は塩素酸塩を添加し、前記金属イオン共存状態で化学酸化処理したのち、該処理液を前記COD含有排水に添加することを特徴とする水中のCOD成分の除去方法。
- COD含有排水を鉄又はアルミニウム系無機凝集剤によってCODを凝集してフロックを形成させる凝集反応槽と、生成したフロックを処理水と凝集汚泥に固液分離する固液分離手段と、分離凝集汚泥を鉱酸により溶解して酸溶解液を生成する酸溶解槽と、酸溶解液を亜塩素酸塩又は塩素酸塩で化学酸化処理する化学酸化処理槽と、該化学酸化処理液のCOD含有排水への返送配管を具備することを特徴とする水中のCOD成分の除去装置。
- 前記酸溶解槽と前記化学酸化処理槽との間に、酸溶解液中の酸不溶性物質を沈殿処理して酸不溶解SSを沈殿分離する沈殿分離槽、及び前記沈殿分離槽からの分離された酸溶解液の化学酸化処理槽への供給配管を設けたことを特徴とする請求項2記載の水中のCOD成分の除去装置。
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WO2021192246A1 (ja) * | 2020-03-27 | 2021-09-30 | 住友金属鉱山エンジニアリング株式会社 | 被処理水の処理方法、及びその処理方法を含む排水処理方法 |
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CN113371879A (zh) * | 2021-06-16 | 2021-09-10 | 华融化学股份有限公司 | 一种含氯乙烯废水的预处理方法 |
WO2023166539A1 (en) * | 2022-03-01 | 2023-09-07 | Giacomo Mencarini | Method for recycling sewage sludge from the treatment of civil wastewater to agriculture using a mixture containing sodium chlorite with the formation of chlorine dioxide |
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