JP4289451B2 - フッ素含有排水の処理方法及びそれに使用する薬剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被処理水中に含まれる溶存フッ素イオンの除去方法および除去剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、被処理水中に含まれるフッ素イオンの除去方法としては、水中に塩化カルシウム又は消石灰等を添加して、フッ素イオンをフッ化カルシウムとして沈殿させるカルシウム凝集沈殿法が最も一般的に行われてきた(特許文献1参照)。
この方法では、被処理水中のフッ素イオンを高濃度(100mg/l以上)から中濃度(10〜20mg/l)になるまで除去することは可能であるものの、フッ化カルシウムの溶解度が約15mg/lであるためフッ素イオンを平成13年度に制定された新たな排水基準である8mg/l以下まで除去することは、大量のカルシウム塩を使用しても殆んど不可能である。
【0003】
カルシウム凝集沈殿法では、前記のようにフッ素イオンを8mg/l以下には除去できないので、フッ素イオンを低濃度(8mg/l以下)に除去する方法としていくつかの方法が検討されている。また、水酸化アルミニウム形成剤を添加し、難水溶性のゲル状の水酸化アルミニウムを生成させるとともに、水中のフッ素イオンをその水酸化アルミニウムゲルに吸着除去するアルミニウム法があるが(特許文献2参照)、この処理方法では大量のアルミニウム化合物を加えなければならず、しかも沈降性及び/又は脱水性のよいフロックが得られないため、脱水が困難であり、また大量のスラッジが発生する問題がある。
また、フッ素を特異的に吸着するフッ素吸着樹脂を使用する方法があるが(特許文献3参照)、高価な吸着樹脂を使用しなければならない。
【0004】
一方、水溶液中でフッ素と希土類元素を反応させて得られる化合物、例えばフッ化ランタン(LaF3)は、水に溶けないのでフッ素を8mg/l以下に除去するのに有効であると考えられ、希土類化合物とアルカリ土類金属化合物及びアルカリ金属化合物からなる水溶性組成物を加える方法が提案されている(特許文献4参照)。しかし、一般に希土類元素とフッ素が反応して生成する結晶のフロックは細かく、さらに凝集剤を添加しても沈降性の良いフロックが得られず、また、緻密な脱水性の良いフロックが得られないという問題がある。沈降性の良いフロックが得られないと固液分離のため砂ろ過や膜処理等の新たな処理設備を必要とし、コストの面でも設置場所の確保の点でも大きな問題となっている。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−54791号公報
【特許文献2】
特開平9−276875号公報
【特許文献3】
特開平7−195071号公報
【特許文献4】
特開平3−186393号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、該水中から溶存フッ素イオンを新たな排水基準の8mg/l以下に除去でき、しかも実排水の処理においても重力沈降のみの簡単な方法で固液分離を可能とする効率的な処理方法、及びそれに用いるフッ素イオンの除去剤を提供することをその課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)被処理水中に含まれる溶存フッ素イオンを除去する方法において、該被処理水中に、アルミニウムイオンを供給する、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム及びポリ塩化アルミニウムからなる群から選ばれた少なくとも1種と希土類元素イオンのみを、あるいは該被処理水中に、鉄イオンを供給する、塩化第二鉄、硫酸第二鉄及びポリ鉄からなる群から選ばれた少なくとも1種と希土類元素イオンのみを添加して、pHを5〜9に調整することによって該溶存フッ素イオンを難溶性物質として沈殿分離させることを特徴とするフッ素イオンの除去方法。
(2)該被処理水中に希土類元素イオン及び硫酸アルミニウムのみを添加する(1)項に記載の除去方法。
(3)被処理水中に含まれる溶存フッ素イオンを除去する方法において、該被処理水中に、アルミニウムイオンを供給する、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム及びポリ塩化アルミニウムからなる群から選ばれた少なくとも1種と希土類元素イオンとカルシウム化合物のみを、あるいは該被処理水中に、鉄イオンを供給する、塩化第二鉄、硫酸第二鉄及びポリ鉄からなる群から選ばれた少なくとも1種と希土類元素イオンとカルシウム化合物のみを添加して、pHを5〜9に調整することによって該溶存フッ素イオンを難溶性物質として沈殿分離させることを特徴とするフッ素イオンの除去方法。
(4)該希土類元素イオンが、希土類元素の酸化物、水酸化物、炭酸塩、リン酸塩、酢酸塩又はハロゲン化物の水溶液、塩酸溶液又は硫酸溶液として被処理水中に添加される(1)〜(3)のいずれか1項に記載の除去方法。
【0008】
(5)(1)〜(4)のいずれか1項に記載の方法に使用される薬剤であって、希土類元素イオンおよびアルミニウムイオンを供給する化合物をそれぞれ含有して構成される薬剤であり、その薬剤が、(i)希土類元素の酸化物、水酸化物、炭酸塩、リン酸塩、酢酸塩又はハロゲン化物の水溶液、塩酸溶液又は硫酸溶液からなる群から選択される少なくとも一種と(ii)硫酸アルミニウム溶液、ポリ塩化アルミニウム溶液又はそれらの混合物から選ばれる少なくとも1種とからなることを特徴とする薬剤。
(6)(1)、(3)及び(4)のいずれか1項に記載の方法に使用される薬剤であって、供給される希土類元素イオンおよび鉄イオンが薬剤として構成されるものであり、その薬剤が、(i)希土類元素の酸化物、水酸化物、炭酸塩、リン酸塩、酢酸塩又はハロゲン化物の水溶液、塩酸溶液又は硫酸溶液からなる群から選択される少なくとも一種と(ii)塩化第二鉄溶液、ポリ鉄溶液又はそれらの混合物との混合物からなることを特徴とする薬剤。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明では、希土類元素イオン及びアルミニウムイオン又は鉄イオンのみを被処理水中に添加し、pHを5〜9に調整する。被処理水へ添加する際の希土類元素イオンは本発明の目的を達成できればいかなる状態であってもよいが希土類元素含有溶液として添加するのが好ましく、希土類元素の酸化物、水酸化物、炭酸塩、リン酸塩、酢酸塩又はハロゲン化物の水溶液、塩酸溶液又は硫酸溶液として被処理水へ添加するのが好ましい。その濃度は特に限定されるものではないが、操作性を考慮すると、例えば希土類元素酸化物の塩酸溶液の場合は、塩酸溶液中の希土類元素を酸化物として好ましくは10〜60質量%、より好ましくは30〜50質量%である。
また、本発明のフッ素イオン除去剤(以下、単に除去剤という)は、希土類元素イオンからなるもの、希土類元素イオンとアルミニウムイオン、並びに希土類元素イオンと鉄イオンからなるものである。
【0010】
希土類元素イオンの中でもランタンイオン、セリウムイオンの使用が好ましく、ランタンイオンの使用がより好ましい。
また、本発明において除去剤主体として用いる希土類元素含有溶液は、希土類元素の混合物の溶液もしくは、希土類元素の単独又は混合液の形態で用いることができる。ランタンとセリウム及び/又はイッテルビウムとの混合溶液の使用が好ましく、ランタンとセリウムとの混合溶液がより好ましい。好ましい具体例としては、ランタンとセリウムとイッテルビウムとの塩酸溶液(濃度は酸化物として50質量%、その中の組成は、ランタン95質量%、セリウム4.9質量%、イッテルビウム0.1質量%)である。
【0011】
本発明において、希土類元素イオンの添加量は、被処理水中のフッ素イオンの濃度にもよるが、フッ素イオン1モル当たり好ましくは0.01〜10モル、より好ましくは0.1〜10モル、さらに好ましくは0.1〜5モルである。希土類元素イオンの添加量が少なすぎると沈殿物ができにくくなってフッ素の除去率が低下してしまい、一方、多すぎると希土類元素が被処理水中に残ってしまいその除去が必要となる。
【0012】
本発明では、希土類元素イオンに加えて、アルミニウムイオン又は鉄イオンを被処理水中に添加する。本発明においては、アルミニウムイオンの使用がより好ましい。それらには、具体例として、アルミニウム化合物として硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム等が挙げられ、本発明の場合、硫酸アルミニウムの使用が特に好ましい。また、鉄化合物等として塩化第二鉄、硫酸第二鉄、ポリ鉄などが挙げられる。
【0013】
本発明において、アルミニウムイオン又は鉄イオンの添加量は、被処理水中のフッ素イオンの濃度にもよるが、フッ素イオン1モル当たり好ましくは0.01〜20モル、より好ましくは0.05〜5モル、さらに好ましくは0.1〜3モルである。アルミニウムイオン又は鉄イオンの添加量が少なすぎるとフロックの形成が悪くなり、多すぎるとスラッジの量が多くなる等の問題がある。
【0014】
本発明の特徴の一つは、除去剤への希土類元素イオンの供給源として、高度に精製分離された高価な希土類化合物を用いることは必要ではないことである。すなわち、本発明で使用される除去剤(以下、除去剤[I]ともいう)は、精製された希土類元素で調製する必要はない。例えば、希土類元素を含有している鉱石から礫、及び鉛等の重金属や放射性元素を除いたものを塩酸に溶解させた後に粗精製したものを使用することができる。このときの塩酸濃度は、0.1〜12規定が好ましく、より好ましくは5〜12規定、さらに好ましくは8〜12規定であり、希土類元素イオンの濃度は、特に限定されるものではないが、操作性を考慮すると、酸化物として好ましくは10〜60質量%、より好ましくは20〜50質量%、さらに好ましくは30〜50質量%である。溶解時間は、完全に溶解すればよく、特に限定されないが、0.5時間から2時間程度で十分である。
【0015】
得られた希土類溶液と硫酸アルミニウム溶液もしくはポリ塩化アルミニウム溶液と混合することにより除去剤(以下、除去剤[II]ともいう)を調製することが出来る。アルミニウムイオンは、単独又は混合液の形態で用いることができる。混合液としては、硫酸アルミニウム又はポリ塩化アルミニウムとの混合液の使用が好ましい。希土類溶液と硫酸アルミニウムもしくはポリ塩化アルミニウム溶液との混合割合は、希土類溶液中の希土類1モルに対して、好ましくは硫酸アルミニウムもしくはポリ塩化アルミニウム中のアルミニウム0.1〜5モル、より好ましくは0.5〜3モル、さらに好ましくは1〜2モルの割合である。
【0016】
得られた希土類溶液と塩化第二鉄溶液もしくはポリ鉄溶液と混合することにより除去剤(以下、除去剤[III]ともいう)を調製することが出来る。鉄イオンは、単独又は混合液の形態で用いることができる。混合液としては、塩化第二鉄溶液又はポリ鉄溶液との混合液の使用が好ましい。希土類溶液と塩化第二鉄溶液又はポリ鉄溶液との混合割合は、希土類溶液中の希土類1モルに対して、好ましくは塩化第二鉄溶液又はポリ鉄溶液中の鉄0.1〜5モル、より好ましくは0.5〜3モル、さらに好ましくは1〜2モルの割合である。
【0017】
本発明の除去剤を用いて排水中に溶存するフッ素イオンを除去する場合、その排水が酸性や中性の場合、除去剤の添加後、沈殿が生じるようにpH調整するのが好ましい。そのpHは、一般的には、5〜9の範囲、好ましくは6〜8の範囲、より好ましくは7〜8の範囲である。pHが低すぎるとフロックが生成せず、高すぎるとアルミニウムを使用した場合フロックが再溶解してしまう。
【0018】
被処理水のpHをアルカリ性領域や酸性領域に調節する場合、pH調節剤が用いられるが、このようなpH調節剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ性物質、もしくは塩酸、硫酸、硝酸等の酸性物質が用いられる。
【0019】
本発明における、希土類元素イオンの存在、pH調整の順序は、いずれの順序でもよい。希土類元素イオンを存在させてからpH調整をしてもよいし、先にpH調整を行った後に希土類元素イオンを存在させてもよい。
【0020】
本発明においては、カルシウム化合物を併用することが好ましい。まず従来のカルシウム凝集沈殿法により被処理水中のフッ素イオンを中濃度になるまで除去し、その後に本発明の除去方法を適用することで、本発明で用いられる除去剤の使用量を減らすことができる。カルシウム化合物としては塩化カルシウム、硫酸カルシウム、硝酸カルシウム、酢酸カルシウム等が挙げられる。カルシウム化合物は、pH調整の前に被処理水中に添加することが好ましい。
カルシウム化合物の添加量は、被処理水中のフッ素イオンの濃度にもよるが、フッ素イオン1モル当たり好ましくは0.01〜20モル、より好ましくは0.02〜5モル、さらに好ましくは0.05〜3モルである。
【0021】
さらに本発明においては、凝集剤を併用することが好ましい。この場合の凝集剤は、フロックの凝集に用いられているものであり、このようなものには、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、ポリ硫酸第一鉄、ポリ硫酸第二鉄等の無機系凝集剤の他、ポリアクリルアミドのカチオン化変性物、ポリアクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、ポリメタクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、ポリエチレンイミン、キトサン等のカチオン性有機系凝集剤、ポリアクリルアミド等のノニオン性有機系凝集剤、ポリアクリル酸、アクリルアミドとアクリル酸との共重合体及び/又はその塩等のアニオン性有機系凝集剤が包含される。
【0022】
一連の工程終了後、被処理水を固液分離処理する。この固液分離は常法により行うことができ、例として、濾過分離、遠心分離、沈降分離等が挙げられる。
【0023】
【実施例】
次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
【0024】
参考例1
希土類元素化合物の粗精製品を12Nの塩酸溶液に溶解して調製した溶液(希土類元素の濃度は酸化物として50質量%である。希土類元素の組成は、ランタン95質量%、セリウム4.9質量%、イッテルビウム0.1質量%)を除去剤[I]とした。
【0025】
参考例2
塩化ランタン水溶液(La2O3として32.5質量%)と硫酸アルミニウム水溶液(硫酸バンド 67質量%)を1:1で混合し撹拌した。これを除去剤[II]とした。
【0026】
参考例3
塩化ランタン水溶液(La2O3として32.5質量%)と塩化第二鉄水溶液(工業用、37.5質量%)を1:0.9で混合し撹拌した。これを除去剤[III]とした。
【0027】
実施例1
フッ素濃度20mg/l(1.05mM)、pH2.9のフッ酸排水(500ml)に除去剤[II]を、ランタンおよびアルミニウムいずれも0.35mMとなるように添加し撹拌した。その後、水酸化ナトリウム溶液でpH7に調整し5分間撹拌した後、固液分離し、処理水中のフッ素濃度をイオンクロマトグラフ(日本ダイオネクス(株)製、カラムIon Pac AS11(商品名))で測定したところ、4.3ppmであった。得られたスラッジは沈降性が良く、重力による沈降分離のみで固液分離することができた。
【0028】
実施例2
フッ素濃度100mg/l(5.26mM)、pH2.3のフッ化ナトリウムモデル排水に除去剤[II]をランタンおよびアルミニウムいずれも1.75mMとなるように添加し撹拌した。その後、水酸化ナトリウム溶液でpH7に調整し5分間撹拌した後、固液分離し、処理水中のフッ素濃度を測定したところ、3.6ppmであった。得られたスラッジは沈降性が良く、重力による沈降分離のみで固液分離することができた。
【0029】
実施例3
フッ素濃度100mg/l(5.26mM)、pH2.3のフッ化ナトリウムモデル排水に除去剤[III]をランタンおよび鉄としていずれも1.75mMとなるように添加し撹拌した。その後、水酸化ナトリウム溶液でpH7に調整し5分間撹拌した後、固液分離し、処理水中のフッ素濃度を測定したところ、6.8ppmであった。得られたスラッジは沈降性が良く、重力による沈降分離のみで固液分離することができた。
【0030】
実施例4
フッ素濃度100mg/l(5.26mM)、pH2.3のフッ化ナトリウムモデル排水に除去剤[III]をランタンおよび鉄としていずれも1.75mMとなるように添加し撹拌した。硫酸ナトリウム水溶液を硫酸根として1.75mMとなるように添加し撹拌した。その後、水酸化ナトリウム溶液でpH6に調整し5分間撹拌した後、固液分離し、処理水中のフッ素濃度を測定したところ、7.2ppmであった。得られたスラッジは沈降性が良く、重力による沈降分離のみで固液分離することができた。
【0031】
実施例5
フッ素濃度20mg/l(1.05mM)、pH2.9のフッ化ナトリウムモデル排水に除去剤[II]をランタンおよびアルミニウムいずれも0.35mMとなるように添加し撹拌した。その後、水酸化ナトリウム溶液でpH7に調整し5分間撹拌した後、固液分離し、処理水中のフッ素濃度を測定したところ、3.5ppmであった。得られたスラッジは沈降性が良く、重力による沈降分離のみで固液分離することができた。
【0032】
実施例6
フッ素濃度99.73mg/l、pH3.2の実排水1リットルに塩化カルシウム(35%)を5ml/l添加し、次に除去剤[I]を0.1ml/l、硫酸バンド(工業品;酸化アルミニウムとして8%)を0.28ml/l添加した。その後、水酸化ナトリウム溶液でpH8に調整し5分間撹拌した後、固液分離し、処理水中のフッ素濃度をイオンクロマトグラフ(日本ダイオネクス(株)製、カラムIon Pac AS11(商品名))で測定したところ、6.8ppmであった。得られたスラッジは沈降性が良く、重力による沈降分離のみで固液分離することができた。
【0033】
比較例1
除去剤[I]を添加しないこと以外は実施例6と同様にして処理を行った結果、フッ素の濃度は17.9ppmであった。
【0034】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、被処理水としての水中に含まれる溶存フッ素イオンを効率よく除去することができる。本発明の方法によれば、フッ素イオンを除去した後の処理水に含まれる溶存フッ素イオンを8ppm以下にすることができる。
Claims (6)
- 被処理水中に含まれる溶存フッ素イオンを除去する方法において、該被処理水中に、アルミニウムイオンを供給する、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム及びポリ塩化アルミニウムからなる群から選ばれた少なくとも1種と希土類元素イオンのみを、あるいは該被処理水中に、鉄イオンを供給する、塩化第二鉄、硫酸第二鉄及びポリ鉄からなる群から選ばれた少なくとも1種と希土類元素イオンのみを添加して、pHを5〜9に調整することによって該溶存フッ素イオンを難溶性物質として沈殿分離させることを特徴とするフッ素イオンの除去方法。
- 該被処理水中に希土類元素イオン及び硫酸アルミニウムのみを添加する請求項1に記載の除去方法。
- 被処理水中に含まれる溶存フッ素イオンを除去する方法において、該被処理水中に、アルミニウムイオンを供給する、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム及びポリ塩化アルミニウムからなる群から選ばれた少なくとも1種と希土類元素イオンとカルシウム化合物のみを、あるいは該被処理水中に、鉄イオンを供給する、塩化第二鉄、硫酸第二鉄及びポリ鉄からなる群から選ばれた少なくとも1種と希土類元素イオンとカルシウム化合物のみを添加して、pHを5〜9に調整することによって該溶存フッ素イオンを難溶性物質として沈殿分離させることを特徴とするフッ素イオンの除去方法。
- 該希土類元素イオンが、希土類元素の酸化物、水酸化物、炭酸塩、リン酸塩、酢酸塩又はハロゲン化物の水溶液、塩酸溶液又は硫酸溶液として被処理水中に添加される請求項1〜3のいずれか1項に記載の除去方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法に使用される薬剤であって、希土類元素イオンおよびアルミニウムイオンを供給する化合物をそれぞれ含有して構成される薬剤であり、その薬剤が、(i)希土類元素の酸化物、水酸化物、炭酸塩、リン酸塩、酢酸塩又はハロゲン化物の水溶液、塩酸溶液又は硫酸溶液からなる群から選択される少なくとも一種と(ii)硫酸アルミニウム溶液、ポリ塩化アルミニウム溶液又はそれらの混合物から選ばれる少なくとも1種とからなることを特徴とする薬剤。
- 請求項1、3及び4のいずれか1項に記載の方法に使用される薬剤であって、供給される希土類元素イオンおよび鉄イオンが薬剤として構成されるものであり、その薬剤が、(i)希土類元素の酸化物、水酸化物、炭酸塩、リン酸塩、酢酸塩又はハロゲン化物の水溶液、塩酸溶液又は硫酸溶液からなる群から選択される少なくとも一種と(ii)塩化第二鉄溶液、ポリ鉄溶液又はそれらの混合物との混合物からなることを特徴とする薬剤。
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