JP2907158B2 - フッ素含有廃水の処理方法 - Google Patents

フッ素含有廃水の処理方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フッ素含有廃水の
処理方法に関し、特に20〜30mg/l程度の比較的
希薄なフッ素を含有する廃水中のフッ素を水溶性アルミ
ニウム化合物の中和によって生成する水酸化アルミニウ
ムに吸着させる高度処理方法において、フッ素を吸着し
た水酸化アルミニウムを汚泥として廃棄せずに、吸着フ
ッ素を脱着して、繰り返しフッ素吸着処理に使用する処
理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】フッ素は化学工業や半導体製造などの種
々の産業分野で大量に使用される有用な物質である一
方、人体や環境に対しては有害物質であり、各種産業廃
水に含まれるフッ素量は水質汚濁防止法により15mg
/l以下にするよう規制されている。また、多くの自治
体では、10mg/l以下、さらには5mg/l以下と
いった更に厳しい上乗せ基準を設けているところもあ
り、最も厳しい規制値として0.8mg/l以下という
ケースもある。
【0003】一般に廃水中のフッ素を除去する方法とし
ては、廃水中にカルシウム塩を添加して難溶性のフッ化
カルシウムを生成させて除去するのが基本である。
【0004】なお、生成するフッ化カルシウムは極めて
微細な結晶で、液中に分散しやすい為、液中に塩化アル
ミニウム、硫酸アルミニウム等のアルミニウム塩を溶解
して中和することで、水酸化アルミニウムのゲル状物を
生成させ、これを凝集助剤として作用させることで、フ
ッ化カルシウム結晶を容易に沈降させることができる。
【0005】しかしながら、フッ化カルシウム生成を利
用した処理法は、廃水中に含まれる夾雑物質によるフッ
化カルシウム生成反応の阻害及びフッ化カルシウム自体
の溶解度により、通常はフッ素濃度として20〜30m
g/l程度までの処理が限界である。従って、上述の環
境基準を達成するためには、この後更に高度処理を必要
としている。
【0006】高度処理技術として従来は、廃水中に塩化
アルミニウム、硫酸アルミニウム等のアルミニウム塩を
溶解し、これを中和して、生成するゲル状の水酸化アル
ミニウムに、廃水中のフッ素を吸着させて共沈させる
「凝集沈殿法」が一般的に行われている。
【0007】すなわち、ゲル状の水酸化アルミニウムは
中性付近で優れたフッ素吸着性を示し、その沈殿にフッ
素が取り込まれることで、廃水中のフッ素を環境基準値
以下の十分な低濃度にまで処理することができる。ま
た、ゲル状水酸化アルミニウムを使用する凝集沈殿法に
は、少なくともフッ化カルシウム生成を利用した処理法
のような本質的な処理限界がないため、アルミニウム塩
の添加量が多いほどフッ素吸着量も増加し、よって廃水
中のフッ素濃度を限りなく低減することができる。また
この方法では、処理条件の制約が少なく、フッ素以外に
も多様な物質を含む廃水に適用することができ、処理の
安定性も優れており、さらに使用する薬剤も安価である
ことから、現在最も多用されている。
【0008】ところが、この方法ではフッ素を吸着した
水酸化アルミニウムが汚泥として大量に発生する。例え
ば、このような凝集沈殿法によってフッ素濃度20mg
/lの廃水10m3をフッ素濃度5mg/lまで処理す
るためには、水酸化アルミニウムをAl(OH)3とし
て少なくとも10kg程度必要とする。実際にはゲル状
水酸化アルミニウムはかなりの水分を含んでおり、フィ
ルタープレス法などの脱水を行ってもおおよそ70%の
含水率までしか脱水できず、含水率70%の含水重量は
25kg程度になる。そして、発生した汚泥を処分しな
ければならないが、このように大量に発生するために処
理コストの高騰を招き問題となっている。
【0009】一方、フッ素を吸着した水酸化アルミニウ
ムを汚泥として処分せず、フッ素を脱着・回収して繰り
返し水酸化アルミニウムをフッ素吸着剤として使用する
高度処理技術が特公平7−36911号公報に開示され
ている。この方法は、フッ素含有廃水の処理に伴い発生
する汚泥量が著しく少ないことを特徴としている。この
技術による処理フローを図3に示す。まず、反応槽12
においてフッ素濃度20〜30mg/l程度の被処理廃
水11にAl塩を添加し、中性とし、生成する水酸化ア
ルミニウムによるフッ素吸着処理を行った後、沈降槽1
3でフッ素吸着した水酸化アルミニウムを固液分離す
る。上澄液14は十分フッ素濃度が低下しておりそのま
ま処理水として放流することができる。一方、フッ素吸
着した水酸化アルミニウムのスラリーは汚泥として処分
せずに、再生槽15へ導入し、水酸化カルシウム又は塩
化カルシウムなどのカルシウム塩を添加して吸着フッ素
をフッ化カルシウムとして脱着させる。さらにAl溶解
槽16において強アルカリ性条件下に、水酸化アルミニ
ウムのスラリーをアルミン酸イオンとしてとして溶解
し、フッ化カルシウム17とアルミン酸溶液18とを固
液分離する。アルミン酸溶液18は中和槽20にて中和
し、ゲル状水酸化アルミニウム19として再生させ、こ
のゲル状水酸化アルミニウム19を反応槽12へ返送し
てフッ素吸着処理に再利用することができる。従って、
添加した水酸化アルミニウム自体は系外へ排出されず、
発生する汚泥はフッ化カルシウムのみとなる。この技術
によれば、フッ素濃度20mg/lの廃水10m3を5
mg/lまで処理する際に、汚泥として発生するフッ化
カルシウムは正味の重量で0.3kg程度であり、更に
フッ化カルシウムは結晶性であり、水酸化アルミニウム
に比べて容易に含水率を低下させることができるため、
実際に排出される汚泥量は含水率66%として0.6k
g程度となり、一般の凝集沈殿法に比べて大幅に汚泥量
を削減することができる。同様の条件で凝集沈殿法で処
理した場合は、Alとして250mg/lのアルミニウ
ム塩を使用すると仮定すると汚泥の正味重量は7.5k
g程度であり、含水率70%では25kg程度となる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のフッ素含有廃水の高度処理方法にも更に解決す
べき幾つかの課題がある。
【0011】その一つは、フッ素を吸着した水酸化アル
ミニウムにカルシウム塩を作用させてフッ化カルシウム
の生成によりフッ素を脱着した後、強アルカリで水酸化
アルミニウムをアルミン酸イオンとして溶解する際、未
反応のカルシウムイオンが残留していると、せっかく溶
解したアルミン酸イオンにカルシウムイオンが作用して
生成する難溶性のアルミン酸カルシウムとして消費さ
れ、アルミン酸カルシウムとして固定された分は再生利
用できないことである。
【0012】第二に、フッ素を吸着した水酸化アルミニ
ウムのカルシウム塩によるフッ素脱着で生成する汚泥が
強アルカリ性で、取り扱いには特別の注意を要すること
である。前述のように、水酸化アルミニウムをアルミン
酸イオンとして溶解するためには強アルカリ性としなけ
ればならないが、このように強アルカリ性溶液中でフッ
化カルシウムを固液分離したとしても、汚泥としたフッ
化カルシウム中には強アルカリ性のアルミン酸溶液が含
まれるためである。
【0013】第三に、フッ素を吸着した水酸化アルミニ
ウムのカルシウム塩によるフッ素脱着の効率が低いた
め、循環するAlと共に、脱着し切れなかった残留フッ
素がフッ素吸着処理へ持ち込まれ、残留フッ素の影響に
より、フッ素吸着処理でのアルミニウム濃度を高く設定
する必要があることである。その理由は、フッ素を吸着
した水酸化アルミニウムにカルシウム塩を添加してフッ
化カルシウム生成反応を利用する際、アルミン酸カルシ
ウムの生成によるアルミニウムの消費を防止するため
に、中性か弱アルカリ性で処理を行うが、このpH領域
では水酸化アルミニウムのフッ素吸着作用が強くフッ化
カルシウム生成反応を阻害するからである。また、余剰
のカルシウム塩が残留するとアルミン酸カルシウムの生
成によるアルミニウムの消費が問題となるため、カルシ
ウム塩を十分添加できないからである。
【0014】本発明は、これらの問題を克服し、水酸化
アルミニウムが消費されることなく、高いフッ素脱着効
率が得られるアルミニウムの循環利用を可能とし、処理
によって発生する汚泥を強アルカリ性としない、フッ素
含有廃水の高度処理方法を提供することを目的とするも
のである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明のフッ素含有廃水
の処理方法は、少なくとも、廃水中に含まれるフッ素を
水酸化アルミニウムに吸着させることによって処理する
工程、フッ素を吸着した該水酸化アルミニウムのスラリ
ーから吸着フッ素を脱着する工程、該水酸化アルミニウ
ムをアルカリ性でアルミン酸イオンとして溶解する工
程、及び該アルミン酸塩溶液を中性として水酸化アルミ
ニウムをフッ素吸着に繰り返し使用するために再生させ
る工程を含むフッ素含有廃水の処理方法において、前記
フッ素を吸着した水酸化アルミニウムにマグネシウム塩
を添加し、アルカリ性で水酸化アルミニウムをアルミン
酸イオンとして溶解すると同時に、生成する水酸化マグ
ネシウムにフッ素を吸着させ、該フッ素を吸着した水酸
化マグネシウムとアルミン酸溶液を固液分離することを
特徴とする。
【0016】また本発明の処理方法は、分離したフッ素
を吸着した前記水酸化マグネシウムにカルシウム塩を添
加して、中性で該水酸化マグネシウムをマグネシウムイ
オンとして溶解し、同時にフッ素をフッ化カルシウムと
して固定することによってフッ素を脱着し、該フッ化カ
ルシウムは固液分離して汚泥として回収し、マグネシウ
ムイオンを含む溶液はフッ素吸着水酸化アルミニウムか
らのフッ素回収剤として繰り返し使用することも特徴と
する。
【0017】
【発明の実施の形態】フッ素を吸着した水酸化アルミニ
ウムにマグネシウム塩を添加し、強アルカリ性とすると
中性では強いフッ素吸着能力を有する水酸化アルミニウ
ムはフッ素吸着力のないアルミン酸イオンとして溶解
し、マグネシウム塩はフッ素吸着性を有する水酸化マグ
ネシウムとして析出する。この水酸化マグネシウムにフ
ッ素を吸着させて、フッ素の回収を行い、更にフッ素を
吸着した水酸化マグネシウムを固液分離すれば、アルミ
ン酸溶液をフッ素吸着処理に繰り返し使用することがで
きる。
【0018】また、フッ素を吸着した水酸化マグネシウ
ムにカルシウム塩を添加し、中性とすると水酸化マグネ
シウムはマグネシウムイオンとして溶解する。中性では
マグネシウムが水酸化物として存在しないため、フッ化
カルシウムの生成効率が向上し、フッ化カルシウムのみ
沈降分離して汚泥として回収することができる。この汚
泥は中性の汚泥として回収できるため、取り扱いが容易
である。一方、マグネシウムイオンはそのまま溶液の状
態でフッ素を吸着した水酸化アルミニウムのフッ素脱着
工程に移送し繰り返し使用できる。
【0019】次に、本発明の実施の形態について図面を
参照して詳細に説明する。図1は、本発明を実施するた
めの最良の形態を示す処理フロー構成図である。
【0020】図1に示す処理フローは、あらかじめ廃水
中の大部分のフッ素を一次処理により除去した廃水中に
残留するフッ素を水酸化アルミニウムによって吸着処理
するためのフッ素吸着槽1、フッ素を吸着した水酸化ア
ルミニウムを凝集させるための第1凝集槽2、凝集した
フッ素を吸着した水酸化アルミニウムを固液分離する第
1沈降槽3、分離したフッ素を吸着した水酸化アルミニ
ウムを溶解し、添加したマグネシウム塩から生成した水
酸化マグネシウムでフッ素を吸着させるAl溶解槽4、
フッ素を吸着した水酸化マグネシウムを凝集させる第2
凝集槽5、凝集したフッ素を吸着した水酸化マグネシウ
ムを固液分離させるための第2沈降槽6により構成され
る。
【0021】まず、20mg/l程度のフッ素を含有す
る廃水をフッ素吸着槽1に導入し、アルミニウム塩ある
いは後述する第2沈降槽6から返送されたアルミン酸溶
液を添加し、中性で生成する水酸化アルミニウムによっ
てフッ素を吸着処理しフッ素を吸着した水酸化アルミニ
ウムは第1凝集槽2で凝集剤を添加して凝集し、第1沈
降槽3でフッ素吸着した水酸化アルミニウムを沈降させ
処理水と固液分離する。分離された処理水は十分フッ素
濃度が低く、そのまま放流することができる。一方フッ
素を吸着した水酸化アルミニウムのスラリーはAl溶解
槽4に導入され、強アルカリ性でアルミン酸イオンとし
て溶解し、同時に添加したマグネシウム塩から生成され
た水酸化マグネシウムでフッ素を吸着する。フッ素を吸
着した水酸化マグネシウムを凝集させるため、Al溶解
槽4の内容物は第2凝集槽5に搬送され、ここで水酸化
マグネシウムに対して凝集作用のある凝集剤を添加して
凝集させる。次に第2沈降槽6において、フッ素を吸着
した水酸化マグネシウムとアルミン酸溶液とに固液分離
し、アルミン酸溶液はフッ素吸着処理剤として水酸化ア
ルミニウムを生成させるためにフッ素吸着槽1に返送さ
れる。
【0022】一方、分離されたフッ素を吸着した水酸化
マグネシウムは、図2に示すように、フッ素脱着槽7に
導入され、カルシウム塩を添加してフッ化カルシウム生
成によるフッ素脱着を行い、続いて、Mg溶解槽8にお
いて、pH調整剤の添加により中性とすることで水酸化
マグネシウムをマグネシウムイオンとして溶解させる。
一方、生成したフッ化カルシウムは第3凝集槽9におい
て凝集剤を添加して凝集させ、第3沈降槽10でマグネ
シウムイオンを含む溶液と固液分離され、液層はAl溶
解槽4へ返送されフッ素回収剤として繰り返し使用する
ことができる。固層のフッ化カルシウムは汚泥として廃
棄する。
【0023】なお、各凝集槽は必須ではなく、各沈降槽
で水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、またはフ
ッ化カルシウムの十分な沈降分離性が得られる場合は、
設ける必要はない。
【0024】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるもので
はない。
【0025】実施例1 フッ素吸着槽1において、フッ素濃度20mg/l程度
の廃水にアルミニウム塩として硫酸アルミニウムをAl
濃度として約300mg/lとなるよう添加し、水酸化
ナトリウムで中和して水酸化アルミニウムを生成させ、
フッ素を吸着させる。次に第1凝集槽2において、凝集
剤(ポリアクリルアミド)を添加し、フッ素を吸着した
水酸化アルミニウムを凝集させる。凝集したフッ素を吸
着した水酸化アルミニウムは、第1沈降槽3で固液分離
する。この処理により液層中のフッ素濃度は5mg/l
まで十分に低減されるため、処理水としてそのまま放流
できる。
【0026】固層のフッ素を吸着した水酸化アルミニウ
ムは、フッ素脱着槽4において、マグネシウムとして3
000mg/lとなるように塩化マグネシウムを添加
し、さらに水酸化ナトリウム等のアルカリを添加してp
Hを11.5以上とする。これにより水酸化アルミニウ
ムはアルミン酸イオンとして溶解し、塩化マグネシウム
は水酸化マグネシウムとなり、生成した水酸化マグネシ
ウムがフッ素を吸着する。ここで、塩化マグネシウムの
添加とアルカリの添加を別の槽で行ってもよい。
【0027】次に第2凝集槽5で凝集剤(ポリアクリル
アミド)を添加し、フッ素を吸着した水酸化マグネシウ
ムを凝集させ、第2沈降槽6で水酸化マグネシウムとア
ルミン酸溶液を固液分離し、アルミン酸溶液のみをフッ
素吸着槽1へ導入することで、アルミニウムが繰り返し
フッ素吸着処理剤として利用することができる。
【0028】実施例2 次に、実施例1にて生成した水酸化マグネシウムを再生
利用する方法について説明する。
【0029】実施例1の処理フローで生成した水酸化マ
グネシウムは、図2に示すように、フッ素脱着槽7に導
入され、ここでカルシウム塩(塩化カルシウム)を添加
して、水酸化マグネシウムに吸着しているフッ素をフッ
化カルシウムを生成させることで脱着する。フッ素脱着
された水酸化マグネシウムと生成したフッ化カルシウム
は、次にMg溶解槽8に導入され、酸を添加してpHを
中性とすることで水酸化マグネシウムをマグネシウムイ
オンとして溶解する。続いて、第3凝集槽9において、
凝集剤(ポリアクリルアミド)を添加してフッ化カルシ
ウムを凝集させ、第3沈降槽10にてフッ化カルシウム
とマグネシウムイオンを含む溶液とを固液分離する。分
離されたフッ化カルシウム汚泥は、中性であることか
ら、その後の汚泥廃棄が容易となる。一方、マグネシウ
ムイオンを含む溶液は、再びAl溶解槽4に返送され、
フッ素吸着水酸化アルミニウムからのフッ素回収剤とし
て繰り返し使用できる。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、従来、フッ素含有廃水
の高度処理において、水酸化アルミニウムを再生利用す
る場合に、フッ化カルシウム生成による脱着の際にアル
ミン酸カルシウムとして消費され、再生利用効率が低下
するという課題に対して、水酸化アルミニウムからのフ
ッ素の回収剤として強アルカリ性で生成する水酸化マグ
ネシウムを使用することで、アルミニウムのロスを抑制
し、水酸化アルミニウムの高い再生利用効率が得られ
る。
【0031】また、本発明では、生成した水酸化マグネ
シウムを再生利用することで、マグネシウムの消費量を
極めて少なくすることができる。
【0032】また、従来水酸化アルミニウムからフッ化
カルシウム生成によりフッ素を脱着する際には、水酸化
アルミニウムが中性付近で最も吸着性が高いために、p
Hを高くして行う必要があったため、汚泥として発生す
るフッ化カルシウムもpH値が高く、廃棄する際には中
和する必要があったが、水酸化マグネシウム生成による
フッ素脱着工程を間に介することにより、水酸化マグネ
シウムを再生する際に中性でフッ素を脱着を行なえるた
め、汚泥として発生するフッ化カルシウムは中性でその
まま廃棄できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフッ素含有廃水の処理方法の一実施の
形態を示すフロー図である。
【図2】本発明のフッ素含有廃水の処理方法において、
マグネシウムの再生利用を説明する処理フロー図であ
る。
【図3】従来のフッ素含有廃水の処理方法を示すフロー
図である。
【符号の説明】
1 フッ素吸着槽 2 第1凝集槽 3 第1沈降槽 4 Al溶解槽 5 第2凝集槽 6 第2沈降槽 7 フッ素脱着槽 8 Mg溶解槽 9 第3凝集槽 10 第3沈降槽

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、廃水中に含まれるフッ素を
    水酸化アルミニウムに吸着させることによって処理する
    工程、フッ素を吸着した該水酸化アルミニウムのスラリ
    ーから吸着フッ素を脱着する工程、該水酸化アルミニウ
    ムをアルカリ性でアルミン酸イオンとして溶解する工
    程、及び該アルミン酸塩溶液を中性として水酸化アルミ
    ニウムをフッ素吸着に繰り返し使用するために再生させ
    る工程を含むフッ素含有廃水の処理方法において、 前記フッ素を吸着した水酸化アルミニウムにマグネシウ
    ム塩を添加し、アルカリ性で水酸化アルミニウムをアル
    ミン酸イオンとして溶解すると同時に、生成する水酸化
    マグネシウムにフッ素を吸着させ、該フッ素を吸着した
    水酸化マグネシウムとアルミン酸溶液を固液分離するこ
    とを特徴とするフッ素含有廃水の処理方法。
  2. 【請求項2】 前記アルミン酸溶液と固液分離したフッ
    素を吸着した水酸化マグネシウムにカルシウム化合物を
    作用させてフッ化カルシウムを生成させることで前記水
    酸化マグネシウムに吸着しているフッ素を脱着し、該フ
    ッ素が脱着された水酸化マグネシウムを中性下にマグネ
    シウムイオンとして溶解し、該マグネシウムイオンを含
    む溶液を前記フッ化カルシウムと固液分離して前記水酸
    化アルミニウムからのフッ素脱着に繰り返し使用するこ
    とを特徴とする請求項1記載の処理方法。
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