JP2003305458A - フッ素含有排水の処理方法 - Google Patents

フッ素含有排水の処理方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フッ素吸着処理および晶析処理を使用する、
フッ素を含む排水の処理方法であって、高純度のフッ化
カルシウムを回収できると共に、フッ素吸着剤の再生頻
度を低減させる排水の処理方法を提供する。 【解決手段】 フッ素含有被処理水のフッ素をフッ素吸
着剤に吸着させて、最終処理水を生じさせるフッ素吸着
処理において、前記フッ素吸着処理で使用されたフッ素
吸着剤を再生剤で再生処理して、フッ素を含む再生廃液
を生じさせ、該再生廃液をフッ素含有排水と混合して混
合排水を調製し、該混合排水のpHをSS成分が実質的
に析出しない範囲に調整し、該混合排水とカルシウム含
有液とを晶析反応槽に供給して晶析処理を行い、フッ化
カルシウムペレットおよび晶析処理水を生じさせ、該晶
析処理水を前記フッ素含有被処理水として、前記フッ素
吸着処理に供することを特徴とするフッ素含有排水の処
理方法。該方法により、フッ素吸着剤の再生廃液を処理
する場合であっても、高純度のフッ化カルシウムを回収
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フッ素を含む排水
から、フッ素を高純度のフッ化カルシウムとして回収
し、さらにフッ素が低減された処理水を生じさせる、フ
ッ素含有排水の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】工場などからの排水の水質については厳
しい制限がなされているが、その規制は年々厳しくなる
傾向にある。電子産業(特に半導体関連)、発電所、ア
ルミニウム工業などから排出される排水中には、近年厳
しい排水基準が設けられているフッ素が含まれている場
合が多い。このため、フッ素を排水から効率良く除去す
ることが求められており、そのための従来技術の1つと
して晶析除去法が知られている。
【0003】フッ素の晶析除去法としては、フッ素を含
む排水に、水酸化カルシウム(Ca(OH))、塩化
カルシウム(CaCl)、炭酸カルシウム(CaCO
)をはじめとするカルシウム化合物を添加し、式
(I)に示されるように、難溶性のフッ化カルシウムを
生じさせることを基本とする。 Ca2++2F→ CaF↓ (I) 特願昭59−63884号(特開昭60−206485
号)には、フッ素とカルシウムを含有する種晶を充填し
た反応槽にフッ素含有排水をカルシウム剤と共に導入し
て、種晶上にフッ化カルシウムを析出させる、いわゆる
フッ化カルシウム晶析法が開示されている。この晶析法
においては、一般的に、反応槽の底部から排水を導入
し、種晶を流動化させながら上向流で通水して処理を行
い、必要に応じて反応槽からの流出水を循環している。
この方法によると、フッ素含有量が低減された処理水を
得ることができるだけでなく、析出するフッ化カルシウ
ムをペレットとして比較的高純度で回収でき、用途に応
じてこれを再利用することも可能である。
【0004】上述の様な晶析反応においては、晶析反応
槽内で、晶析用薬液中のカルシウムとフッ素との存在割
合が、晶析化合物の溶解度における過飽和条件の、液中
に核が存在しなければ晶析反応を起こさない準安定域に
制御されることが要求される。晶析反応装置としては、
従来の、公知の晶析反応装置が使用可能であり、具体的
には、晶析処理により得られる処理水を晶析反応槽に循
環することによって、晶析反応槽内でのカルシウムとフ
ッ素濃度を、晶析反応槽への注入濃度よりも低く(例え
ば、F=50〜200mg/L、Ca=200〜100
0mg/L)して、上記準安定域で晶析反応が行われ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のような晶析反応
では、条件にもよるが、10mgF/L程度までフッ素
が低減された晶析処理水を得ることが可能である。しか
し、例えば、純水製造用の原水として該晶析処理水を使
用する場合のように、最終処理水として、より低いフッ
素濃度が求められ、上記10mgF/L程度のフッ素濃
度では、充分でない場合には、晶析処理水からさらにフ
ッ素を除去する処理が必要となる。このような場合に使
用される手段の1つとして、フッ素を特異的に吸着す
る、フッ素吸着剤が知られている。フッ素吸着剤で晶析
処理水中のフッ素を吸着処理することにより、処理後の
フッ素濃度が1mgF/L以下となるような、フッ素濃
度が顕著に低減された処理水を得ることが可能である。
フッ素吸着剤は、フッ素が低減された処理水を調製する
場合に、非常に有効な手段であり、また、使用によりフ
ッ素吸着能が低下しても、再生剤によりフッ素吸着能を
回復させることができるという利点もある。
【0006】ここで、フッ素吸着剤を再生する場合に
は、フッ素を高濃度で含む再生廃液が生じるので、これ
を如何に処理するかが問題となる。再生廃液は、フッ素
を高濃度に含有するため、上述のような晶析処理に供す
ることにより、フッ素をフッ化カルシウムペレットとし
て回収し、フッ素が低減された処理水を生じさせること
が考えられる。しかし、晶析処理水をはじめとするフッ
素吸着被処理水をフッ素吸着剤で処理するような場合に
は、該フッ素吸着被処理水に含まれる、フッ素以外の元
素を含んで構成される、難溶性化合物、金属などの浮遊
物質(SS)並びにイオン等がフッ素吸着剤にトラップ
され、再生処理によりこれが溶出されて再生廃液中に含
まれる場合がある。
【0007】これら、フッ素以外の元素に由来するイオ
ン、金属、難溶性化合物等の成分が再生廃液中に含まれ
る場合に、該再生廃液をそのまま通常の条件で晶析処理
すれば、フッ化カルシウムペレット中に、これら元素か
らなる成分が混入し、ペレット中のフッ化カルシウム含
有率が低下し、該ペレットを再利用する場合に問題とな
る。また、上記成分の混入により、フッ化カルシウムの
ペレット強度が低下し、晶析反応槽内の上向流による流
動でペレットが摩耗して微細粒子が形成され、処理水質
の悪化をもたらすという問題もある。また、上記成分の
存在は、晶析処理水中のフッ素含有量の増加を招くとい
う問題もある。一般的には、フッ素のみを含有し、上述
の様な共存成分を含まない排水については、晶析処理に
よって、10mgF/L程度までフッ素濃度を低減でき
る。しかし、上述のような共存成分がイオン、金属、化
合物などの形態で存在する場合には、その含有量によっ
ては、上記水準までフッ素を除去することができなくな
る。
【0008】従って、フッ素吸着剤の再生廃液を処理す
る場合における上記問題点を解決しなければ、フッ素含
有排水からフッ素を除去する手段の1つとして、フッ素
吸着剤を用いるのは実用的とは言い難い。特に、半導体
工場等から排出されるような、フッ素を含む排水から、
フッ化カルシウムを高純度、高回収率で回収して、フッ
化カルシウムの廃棄物を出すことなく再利用し、かつ、
処理水を純水製造の原料として利用できる程度にまで処
理するのは困難となる。
【0009】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであって、フッ素吸着処理および晶析処理を用い
て、フッ素を含む排水から、フッ素を高純度のフッ化カ
ルシウムとして回収すると共に、フッ素が高度に低減さ
れた最終処理水を得ることができ、さらにフッ素吸着剤
の再生頻度を低減することができる、フッ素含有排水の
処理方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は請求項1とし
て、フッ素含有被処理水のフッ素をフッ素吸着剤に吸着
させて、最終処理水を生じさせるフッ素吸着処理におい
て、前記フッ素吸着処理で使用されたフッ素吸着剤を再
生剤で再生処理して、フッ素を含む再生廃液を生じさ
せ、該再生廃液のpHをSS成分が実質的に析出しない
範囲に調整し、該再生廃液とカルシウム含有液とを晶析
反応槽に供給して晶析処理を行い、フッ化カルシウムペ
レットおよび晶析処理水を生じさせ、該晶析処理水をフ
ッ素含有排水と混合したものを、前記フッ素含有被処理
水として、前記フッ素吸着処理に供することを特徴とす
る、フッ素含有排水の処理方法を提供する。本発明は請
求項2として、フッ素含有被処理水のフッ素をフッ素吸
着剤に吸着させて、最終処理水を生じさせるフッ素吸着
処理において、前記フッ素吸着処理で使用されたフッ素
吸着剤を再生剤で再生処理して、フッ素を含む再生廃液
を生じさせ、該再生廃液をフッ素含有排水と混合して混
合排水を調製し、該混合排水のpHをSS成分が実質的
に析出しない範囲に調整し、該混合排水とカルシウム含
有液とを晶析反応槽に供給して晶析処理を行い、フッ化
カルシウムペレットおよび晶析処理水を生じさせ、該晶
析処理水を前記フッ素含有被処理水として、前記フッ素
吸着処理に供することを特徴とする、フッ素含有排水の
処理方法を提供する。本発明は請求項3として、フッ素
含有被処理水のフッ素をフッ素吸着剤に吸着させて、最
終処理水を生じさせるフッ素吸着処理において、前記フ
ッ素吸着処理で使用されたフッ素吸着剤を再生剤で再生
処理して、フッ素を含む再生廃液を生じさせ、該再生廃
液を固液分離処理して固液分離処理水を生じさせ、該固
液分離処理水とカルシウム含有液とを晶析反応槽に供給
して晶析処理を行い、フッ化カルシウムペレットおよび
晶析処理水を生じさせ、該晶析処理水をフッ素含有排水
と混合したものを、前記フッ素含有被処理水として、前
記フッ素吸着処理に供することを特徴とする、フッ素含
有排水の処理方法を提供する。本発明は請求項4とし
て、フッ素含有被処理水のフッ素をフッ素吸着剤に吸着
させて、最終処理水を生じさせるフッ素吸着処理におい
て、前記フッ素吸着処理で使用されたフッ素吸着剤を再
生剤で再生処理して、フッ素を含む再生廃液を生じさ
せ、該再生廃液を固液分離処理して固液分離処理水を生
じさせ、該固液分離処理水をフッ素含有排水と混合し
て、排水含有固液分離処理水を調製し、該排水含有固液
分離処理水とカルシウム含有液とを晶析反応槽に供給し
て晶析処理を行い、フッ化カルシウムペレットおよび晶
析処理水を生じさせ、該晶析処理水を前記フッ素含有被
処理水として、前記フッ素吸着処理に供することを特徴
とする、フッ素含有排水の処理方法を提供する。本発明
は請求項5として、フッ素含有被処理水のフッ素をフッ
素吸着剤に吸着させて、最終処理水を生じさせるフッ素
吸着処理において、前記フッ素吸着処理で使用されたフ
ッ素吸着剤を再生剤で再生処理して、フッ素を含む再生
廃液を生じさせ、該再生廃液をフッ素含有排水と混合し
て混合排水を調製し、該混合排水を固液分離処理して固
液分離処理水を生じさせ、該固液分離処理水とカルシウ
ム含有液とを晶析反応槽に供給して晶析処理を行い、フ
ッ化カルシウムペレットおよび晶析処理水を生じさせ、
該晶析処理水を前記フッ素含有被処理水として、前記フ
ッ素吸着処理に供することを特徴とする、フッ素含有排
水の処理方法を提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の方法においては、フッ素
含有被処理水のフッ素をフッ素吸着剤に吸着させて、最
終処理水を生じさせるフッ素吸着処理が行われ、前記フ
ッ素吸着処理で使用されたフッ素吸着剤を再生剤で再生
処理して、フッ素を含む再生廃液を生じさせる処理が行
われる。本発明における「フッ素含有被処理水」とは、
フッ素吸着処理に供される、フッ素を含有する水をい
い、その由来、調製方法などは本発明の各態様により異
なるが、具体的には、晶析処理水をフッ素含有排水と混
合したもの、または晶析処理水であり、これらについて
は後に詳述される。
【0012】本発明の方法に使用されるフッ素吸着剤
は、フッ素含有被処理水中のフッ素を吸着することがで
き、特に、フッ素を特異的に吸着することができる吸着
剤である。該フッ素吸着剤は、フッ素を吸着できるもの
であれば、任意の材質から構成されることができ、例え
ば、金属元素を金属として、および/または金属酸化物
などの化合物として、母体上に吸着または担持した吸着
剤であっても良く、この場合にフッ素吸着剤に含まれる
金属元素としては、フッ素を吸着できる金属元素であれ
ば特に限定されるものではないが、好ましくは、ハフニ
ウム、チタン、ジルコニウム、鉄、アルミニウム、並び
に、セリウム等のランタノイド類が挙げられるがこれら
に限定されるものではない。また、フッ素吸着剤の母体
としては、上記金属元素を担持、吸着等できるものであ
れば特に限定されるものではない。理論に拘束されるの
は望まないが、金属元素を含むフッ素吸着剤において
は、含まれる金属および/または金属化合物等が被処理
水中のフッ素と錯化化合物を形成することにより、フッ
素を吸着するものと考えられている。フッ素吸着剤とし
ては、任意の、市販のフッ素吸着剤を使用することがで
き、例えば、ジルコニウム系吸着剤、セリウム系吸着剤
等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0013】フッ素吸着剤のフッ素吸着能は、フッ素含
有被処理水のpHに応じて変化し、酸性域でフッ素吸着
能が高い。よって、フッ素吸着処理に供されるフッ素含
有被処理水は、好ましくは、pH2〜5、より好ましく
は、pH3〜4の範囲に調整され、フッ素吸着処理に供
される。上述のような、フッ素含有被処理水のpHの調
整は、該フッ素含有被処理水にpH調整剤を添加するこ
とにより行うことができ、使用可能なpH調整剤として
は、pHを変動させることができる任意の酸、またはア
ルカリを含んでいれば良く、酸またはアルカリの種類は
本発明の目的に反しない限りは特に限定されるものでは
ない。好ましくは、pH調整剤に使用される酸として
は、塩酸等が挙げられ、アルカリとしては、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム等が挙げられる。また、添加の
態様は特に限定されるものではないが、フッ素吸着塔の
前段にフッ素含有被処理水を貯留する、フッ素吸着被処
理水貯留槽を設け、該フッ素吸着被処理水貯留槽にpH
調整剤を添加することによりpHを調整し、pH調整後
のフッ素含有被処理水をフッ素吸着塔に導入するような
態様が可能である。
【0014】本発明においては、フッ素含有被処理水が
フッ素吸着剤で吸着処理されることにより、該フッ素含
有被処理水中のフッ素がフッ素吸着剤に吸着され、フッ
素が低減された最終処理水が得られる。本発明の方法に
おいては、最終処理水中のフッ素濃度は、好ましくは、
8mgF/L以下、より好ましくは、3mgF/L以
下、さらにより好ましくは、1mgF/L以下まで低減
可能である。吸着処理の態様としては、フッ素含有被処
理水に含まれるフッ素が、フッ素吸着剤に吸着されるの
であれば、任意の方法でフッ素含有被処理水とフッ素吸
着剤とを接触させ、フッ素吸着処理を行うことが可能で
ある。例えば、フッ素吸着剤をフッ素吸着塔に充填し
て、該フッ素吸着塔にフッ素含有被処理水を連続的に、
または断続的に通水する態様であっても良いし、吸着処
理槽にフッ素含有被処理水を貯留し、そこにフッ素吸着
剤を添加することにより、バッチでフッ素吸着処理する
ような態様も可能であって、特に限定されるものではな
い。連続的に処理可能であるとの観点から、フッ素吸着
処理としては、フッ素吸着剤が充填されたフッ素吸着塔
にフッ素含有被処理水を通水する態様が好ましい。
【0015】本発明の方法においては、フッ素吸着処理
に使用されたフッ素吸着剤は再生剤で再生処理され、そ
の結果、フッ素を含む再生廃液が生じる。再生処理は、
フッ素吸着剤のフッ素吸着能の低下に応じて随時行われ
れば良く、例えば、フッ素含有被処理水の処理水量、最
終処理水中のフッ素濃度、処理時間など、任意のパラメ
ーターを指標として行うことができ、その頻度は特に限
定されるものではない。最終処理水は一定以下のフッ素
濃度であることが要求される場合が多いので、最終処理
水に要求されるフッ素濃度の限界となった場合にフッ素
吸着処理を停止し、再生処理を行うことが好ましく、こ
のような場合の最終処理水中のフッ素濃度としては、好
ましくは、8mgF/L、より好ましくは、3mgF/
L、さらにより好ましくは、1mgF/Lが挙げられる
が、これらに限定されるものではない。
【0016】再生処理に使用可能な再生剤としては、塩
酸などの酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のア
ルカリを含有する溶液を使用することが可能である。
酸、アルカリの濃度としては、特に限定されるものでは
ないが、好ましくは、0.1〜10重量%、より好まし
くは、0.1〜1重量%である。再生方法は、フッ素を
吸着したフッ素吸着剤に再生剤を接触させることによ
り、吸着されたフッ素を脱離させることができるもので
あれば、任意の態様で行うことが可能である。例えば、
フッ素吸着剤が充填されたフッ素吸着塔が使用される場
合には、再生剤を該フッ素吸着塔に通水させることによ
り、再生処理を行うことが可能である。他の態様として
は、使用されたフッ素吸着剤と再生剤とをバッチで混合
して再生させることも可能である。
【0017】本発明の方法では、フッ素吸着処理で使用
されたフッ素吸着剤を再生剤で再生処理することによ
り、フッ素を含む再生廃液が生じる。フッ素吸着剤は再
生剤で再生処理されることにより、吸着されていたフッ
素が脱離するだけでなく、フッ素以外の元素を含む成分
が脱離し、イオン、金属、難溶性化合物等として再生廃
液中に含まれる。例えば、フッ素吸着処理で処理される
フッ素含有被処理水がSSを含む場合には、吸着処理に
より該SSがフッ素吸着剤に吸着され、再生処理によ
り、吸着されたSSが脱離して、再生廃液中に含まれる
場合がある。また、フッ素以外の元素がイオンの形態で
フッ素吸着剤に吸着し、これが再生処理で脱離して再生
廃液中に含まれる場合もある。すなわち、再生廃液には
脱離したフッ素の他に、その他の元素がイオンとして溶
解された状態で、また金属、難溶性化合物等をはじめと
するSSとして含まれる場合がある。
【0018】本発明の方法においては、再生廃液は、そ
のpHを調整した後、続いて晶析処理に供され、さら
に、晶析処理により得られる晶析処理水が前記フッ素吸
着処理に供される。再生廃液が処理されるこのプロセス
のいずれかの段階において、フッ素含有排水が該プロセ
スに導入され、再生廃液と共に処理されることにより、
本発明におけるフッ素含有排水の処理が達成される。具
体的には、本発明の第1の態様においては、再生廃液の
pHをSS成分が実質的に析出しない範囲に調整し、該
再生廃液とカルシウム含有液とを晶析反応槽に供給して
晶析処理を行い、フッ化カルシウムペレットおよび晶析
処理水を生じさせ、該晶析処理水をフッ素含有排水と混
合したものを、フッ素含有被処理水としてフッ素吸着処
理に供することにより、フッ素含有排水の処理が行われ
る。また、本発明の第2の態様においては、再生廃液を
フッ素含有排水と混合して混合排水を調製し、該混合排
水のpHをSS成分が実質的に析出しない範囲に調整
し、該混合排水とカルシウム含有液とを晶析反応槽に供
給して晶析処理を行い、フッ化カルシウムペレットおよ
び晶析処理水を生じさせ、該晶析処理水をフッ素含有被
処理水としてフッ素吸着処理に供することにより、フッ
素含有排水の処理が行われる。
【0019】これら、第1と第2の態様は、晶析処理の
対象となる溶液、すなわち、第1の態様においては「再
生廃液」、第2の態様においては、再生廃液をフッ素含
有排水と混合することにより調製される「混合排水」の
pHを、SS成分がこれらの溶液中で実質的に析出しな
いような範囲に調整することを特徴とする。本発明者
は、上記再生廃液または混合排水を処理するに際し、S
S成分がこれらの液中で析出している、もしくは析出し
得る場合に、これらをそのまま晶析処理したのでは、晶
析処理におけるフッ化カルシウムペレット中のフッ化カ
ルシウム含有率が低下すると共に、晶析処理水中のフッ
素濃度も上昇し、それに伴い、フッ素吸着処理に使用さ
れるフッ素吸着剤の再生頻度も上昇するという問題が生
じることを見出した。そして、本発明者は、かかる問題
点を解消可能な条件を検討し、上記「再生廃液」または
「混合排水」のpHを、SS成分がこれらの液中で実質
的に析出しないような範囲に調整することにより、これ
らの問題を解消できることを見出した。本明細書におい
てSS成分の「析出」とは、前記「再生廃液」または
「混合排水」中で、金属および/または難溶性化合物を
含むSS成分が形成され、これら液中で該SS成分が存
在することをいう。また、「実質的に析出しない」と
は、本発明においては、pHの調整は、SSが完全に析
出しないような範囲まで行われることを必要とするので
はなく、本発明の効果を奏する程度にまでSS成分が析
出しないような範囲まで行われれば良いことを示すもの
である。SS成分が実質的に析出しないとは、好ましく
は、液中でのSS成分が10mg/L以下、より好まし
くは5mg/L以下の状態である。第1および第2の態
様において、晶析処理前の「再生廃液」または「混合排
水」に要求されるpHの範囲としては、SS成分がこれ
ら「再生廃液」または「混合排水」中で実質的に析出し
ないpHであれば良く、好ましくは、pH5以下であ
り、より好ましくはpH3以下である。SS成分を構成
する元素の違いにより、SS成分が実質的に析出しない
pHの範囲は変動するが、上述のようなpHの範囲であ
れば、一般的に使用されるフッ素吸着剤に対応すること
が可能である。なお、各種元素についての、「再生廃
液」または「混合排水」中でSSとして実質的に析出し
ないpHとしては、例えば、これらに限定されるもので
はないが、SSを構成する元素がFeの場合には、好ま
しくはpH5以下であり、より好ましくはpH4以下で
ある。SSを構成する元素がZrまたはSeの場合に
は、好ましくはpH7以下であり、より好ましくはpH
5以下である。SSを構成する元素がAlの場合には、
好ましくはpH6以下であり、より好ましくはpH5以
下である。
【0020】pHを上述のような所定の範囲に調整する
ために、必要な場合にはpH調整剤が再生廃液または混
合排水に添加され、pHの調整が行われる。pH調整剤
としては、pHを変動させることができる任意の酸、ま
たはアルカリを含んでいれば良く、酸またはアルカリの
種類は本発明の目的に反しない限りは特に限定されるも
のではない。好ましくは、pH調整剤に使用される酸と
しては、塩酸等が挙げられ、アルカリとしては、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。pHの調
整は、「再生廃液」または「混合排水」が晶析反応槽に
供給される前であれば、任意の態様で行うことが可能で
ある。再生廃液が晶析反応槽に供給される本発明の第1
の態様においては、晶析反応槽に供給される再生廃液の
pH、フッ素濃度等を一定にすることにより、晶析反応
の制御が容易になるとの観点から、再生廃液を再生廃液
貯留槽に貯留し、該再生廃液貯留槽にpH調整剤を添加
して再生廃液のpHを調整するのが好ましいが、他の方
法でpHを調整することも可能である。
【0021】また、混合排水が晶析反応槽に供給される
本発明の第2の態様においては、pHの調整方法として
は、再生廃液を再生廃液貯留槽に貯留し、該再生廃液貯
留槽にpH調整剤を添加して再生廃液のpHを調整した
後に、フッ素含有排水と混合して、pHが所定の範囲内
である混合排水を調製し、これを晶析反応槽に供給する
態様、および、再生廃液貯槽に貯留された再生廃液とフ
ッ素含有排水とをpH調整槽に供給して該混合排水を調
製し、該混合排水を貯留するpH調整槽にpH調整剤を
添加して、混合排水のpHを調整する態様が好ましい
が、これらに限定されるものではなく、他の方法でpH
を調整することも可能である。
【0022】また、本発明者は、上述の第1と第2の態
様のような再生廃液のpHの調整だけでなく、再生廃液
を晶析処理に供する前に、あらかじめ固液分離処理する
ことにより、上記問題を解消できることも見出した。す
なわち、本発明の他の態様では、再生廃液は固液分離処
理された後、続いて晶析処理され、さらに、晶析処理に
より得られる晶析処理水がフッ素吸着処理に供される。
再生廃液が処理されるこのプロセスのいずれかの段階に
おいて、フッ素含有排水が該プロセスに導入され、再生
廃液と共に処理されることにより、本発明におけるフッ
素含有排水の処理が達成される。具体的には、本発明の
第3の態様においては、再生廃液を固液分離処理して固
液分離処理水を生じさせ、該固液分離処理水とカルシウ
ム含有液とを晶析反応槽に供給して晶析処理を行い、フ
ッ化カルシウムペレットおよび晶析処理水を生じさせ、
該晶析処理水をフッ素含有排水と混合したものを、フッ
素含有被処理水としてフッ素吸着処理に供することによ
り、フッ素含有排水の処理が行われる。また、本発明の
第4の態様においては、再生廃液を固液分離処理して固
液分離処理水を生じさせ、該固液分離処理水をフッ素含
有排水と混合して、排水含有固液分離処理水を調製し、
該排水含有固液分離処理水とカルシウム含有液とを晶析
反応槽に供給して晶析処理を行い、フッ化カルシウムペ
レットおよび晶析処理水を生じさせ、該晶析処理水をフ
ッ素含有被処理水としてフッ素吸着処理に供することに
より、フッ素含有排水の処理が行われる。また、本発明
の第5の態様においては、再生廃液をフッ素含有排水と
混合して混合排水を調製し、該混合排水を固液分離処理
して固液分離処理水を生じさせ、該固液分離処理水とカ
ルシウム含有液とを晶析反応槽に供給して晶析処理を行
い、フッ化カルシウムペレットおよび晶析処理水を生じ
させ、該晶析処理水を前記フッ素含有被処理水としてフ
ッ素吸着処理に供することにより、フッ素含有排水の処
理が行われる。これら、第3、第4および第5の態様
は、再生廃液が晶析処理される前に、あらかじめ固液分
離処理されることを特徴とする。すなわち、第3の態様
においては、再生廃液を固液分離処理して得られる「固
液分離処理水」、第4の態様においては、前記固液分離
処理水をフッ素含有排水と混合することにより調製され
る「排水含有固液分離処理水」、第5の態様において
は、再生廃液をフッ素含有排水と混合して得られる「再
生排水」を固液分離処理して得られる「固液分離処理
水」が晶析処理に供される。
【0023】本発明の第3、第4および第5の態様にお
いて行われる固液分離処理では、再生廃液中に存在する
固形分が固液分離され、再生廃液中の固形分が低減され
た固液分離処理水が得られる。再生廃液中に存在する固
形分としては、フッ素吸着被処理水由来の成分からなる
SS等が挙げられるが、これに限定されるものではな
い。また、固液分離処理条件によっては、再生廃液中に
溶存している状態の、SSを形成し得る元素を、金属お
よび/または難溶性化合物として固液分離することも可
能である。これらの態様における固液分離処理として
は、本発明の目的に反しない限り、任意の、公知の方法
を用いることが可能であり、例えば、再生廃液中の固形
分を沈殿分離する沈殿処理、凝集剤を添加して固形分を
凝集沈殿分離する凝集沈殿処理、砂ろ過装置を用いて固
形分を濾別する砂ろ過処理、精密ろ過膜を用いて固形分
を濾別する精密ろ過膜処理等が挙げられるが、特に限定
されるものではない。また、これらの複数の処理を組み
合わせて固液分離処理することも可能である。さらに、
これらの処理方法に使用される装置、処理条件などは、
特に限定されるものではなく、公知の、通常の態様のも
のを適用することが可能である。
【0024】固液分離処理が行われる際の再生廃液のp
Hは、再生廃液中に溶存している、SSを形成し得る元
素を、難溶性化合物として固液分離させることができる
pHであるのが好ましく、より好ましくは、pH6以上
であり、さらにより好ましくは、pH7〜10である。
固液分離処理におけるpHの調整に使用されるpH調整
剤としては、固液分離処理における再生廃液のpHを変
動させることができる任意の酸、またはアルカリを含ん
でいれば良く、酸またはアルカリの種類は本発明の目的
に反しない限りは特に限定されるものではない。好まし
くは、pH調整に使用される酸としては、塩酸等が挙げ
られ、アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム等が挙げられる。
【0025】固液分離処理の1態様である凝集沈殿処理
は、再生廃液に凝集剤を添加して行われるが、凝集剤の
添加により固形分の分離効率を向上させるとの観点か
ら、凝集剤を使用しない凝集処理よりも好ましい。凝集
沈殿処理に使用される凝集剤の例としては、ポリ塩化ア
ルミニウム(PAC)、硫酸バンド、塩化第2鉄、硫酸
第1鉄、硫酸第2鉄をはじめとする無機凝集剤が挙げら
れる。これら、無機凝集剤を再生廃液に添加して凝集沈
殿処理を行うことにより、金属、難溶性化合物などのS
Sを含む固形分が、無機凝集剤から形成される水酸化
物、炭酸塩等のフロックと共沈して凝集沈殿が促進され
る。また、凝集沈殿処理で使用される凝集剤としては、
上記無機凝集剤だけでなく、カチオン系高分子凝集剤、
アニオン系高分子凝集剤、ノニオン系高分子凝集剤をは
じめとする有機高分子凝集剤も挙げられ、該有機高分子
凝集剤を単独で、または無機凝集剤と併用して使用する
ことも可能である。無機凝集剤と高分子凝集剤は併用さ
れるのが好ましい。無機凝集剤と高分子凝集剤が併用さ
れる場合には、これら凝集剤は任意の順序で適用可能で
あるが、再生廃液に無機凝集剤が添加された後に、高分
子凝集剤が添加されることが好ましい。凝集沈殿処理に
おける再生廃液のpH調整は、凝集剤の添加前に行われ
ても良いし、凝集剤の添加と同時であっても良いし、凝
集剤添加後であっても良い。好ましくは、あらかじめ溶
存している、SSを形成し得る元素を難溶性物質に転化
させるとの観点から、凝集沈殿処理における再生廃液の
pHの調整は凝集剤の添加前に行われ、この場合、pH
調整槽を設け、該pH調整槽でpHを調整することがで
きる。
【0026】凝集沈殿処理においては、再生廃液中に存
在する固形分、および凝集沈殿処理中に形成される難溶
性化合物等の固形分が汚泥として分離され、固形分が低
減された固液分離処理水が得られる。また、凝集沈殿処
理工程で回収される汚泥には、添加される場合には、無
機凝集剤、高分子凝集剤、SS由来のフッ化カルシウム
等の難溶性化合物が含まれているので、これを溶解して
またはそのまま再生廃液に添加することにより、フロッ
クの導入による凝集沈殿処理の促進が可能になると共
に、無機凝集剤、高分子凝集剤の使用量を低減すること
も可能になる。
【0027】本発明の第1の態様における、pHが所定
の範囲に調整された再生廃液、または本発明の第2の態
様における、pHが所定の範囲に調整された混合排水
は、次いで、晶析反応槽に供給され、晶析処理が行われ
る。また、本発明の第3の態様における固液分離処理
水、本発明の第4の態様における排水含有固液分離処理
水、または本発明の第5の態様における固液分離処理水
は、次いで、晶析反応槽に供給され、晶析処理が行われ
る。晶析処理時には、晶析反応槽にはカルシウム含有液
も供給され、これにより、晶析反応槽内の種晶上にフッ
化カルシウムを析出させてフッ化カルシウムペレットを
形成させ、フッ素が低減された晶析処理水を生じさせ
る。該晶析処理工程に使用される晶析反応槽、種晶をは
じめとする晶析反応装置、また、晶析条件等について
は、フッ素の晶析除去に使用される公知の、任意の装
置、条件を適用することが可能である。
【0028】晶析処理において使用されるカルシウム含
有液としては、カルシウムを含んでおり、フッ素を晶析
除去できる液であれば、任意のカルシウム化合物を含む
液を使用することができる。また、カルシウム含有液を
構成する液体媒体としては、本発明の目的に反しない限
りは任意の物質が可能であり、好ましくは水である。カ
ルシウム含有液においてカルシウムの供給源となるカル
シウム化合物としては、水酸化カルシウム、塩化カルシ
ウム、炭酸カルシウム等が挙げられるが、これらに限定
されるものではない。得られる晶析処理水のpHが酸性
側にシフトし、続いて行われるフッ素吸着処理におい
て、フッ素含有被処理水のpHを酸性に調整するための
酸の量が少なくて済むという有利な効果も得られること
から、好ましくは、カルシウム化合物は塩化カルシウム
等カルシウムの中性塩である。カルシウム含有液は、こ
れらカルシウム化合物の1種類から調製されるものであ
っても良いし、2以上の化合物から調製されるものであ
っても良い。カルシウム含有液は、カルシウムが完全に
液体媒体中に溶解された溶液状態であっても良いし、カ
ルシウム化合物の全部または一部が固体として残存する
スラリーの状態でも良い。カルシウム含有液中のカルシ
ウムの濃度は、被処理水中のフッ素濃度およびその他の
元素からなる成分の濃度、晶析反応槽の処理能力、循環
される晶析処理水量等に応じて適宜設定される。
【0029】本発明の第1および第2の態様において
は、再生廃液または混合排水のpHを、SS成分がこれ
らの溶液中で実質的に析出しないような範囲に調整する
ことにより、晶析処理により生じるフッ化カルシウムペ
レット中のフッ化カルシウム含有率を向上させることが
可能となる。また、本発明の第3、第4および第5の態
様においては、固液分離処理によって再生廃液中に含ま
れる固形分を固液分離することで、晶析処理により生じ
るフッ化カルシウムペレット中のフッ化カルシウム含有
率を向上させることが可能となる。本発明の第1、第
2、第3、第4および第5の態様の方法において、晶析
処理の結果得られるフッ化カルシウムペレット中のフッ
化カルシウムの含有率は、好ましくは、97重量%以
上、より好ましくは、98重量%以上である。また、本
発明の第1、第2、第3、第4および第5の態様は、晶
析処理水中のフッ素濃度をより低減させることも可能に
し、これにより、晶析処理に続くフッ素吸着処理に供さ
れるフッ素含有被処理水中のフッ素含有量が低減される
ので、フッ素吸着処理に使用されるフッ素吸着剤の再生
頻度を低減させることも可能にする。晶析処理水中のフ
ッ素濃度は、処理される再生廃液または混合排水中のフ
ッ素濃度、晶析処理条件、金属元素など共存物質の存
在、その種類、濃度等により変動するが、好ましくは、
フッ素濃度が20mgF/L以下、より好ましくは、1
5mgF/L以下、さらにより好ましくは、10mgF
/L以下である。
【0030】本発明の第1、第2、第3、第4および第
5の態様においては、晶析反応の際の晶析反応槽内のp
Hが3〜11の範囲に維持されるのが好ましい。SS成
分がペレット中に取り込まれるのをさらに抑制するとい
う観点から、晶析反応槽内のpHは3〜5の範囲に維持
されるのがより好ましく、さらにより好ましくは、pH
は3.5〜4の範囲である。また、晶析反応槽のpHを
3〜5の範囲に維持することにより、得られる晶析処理
水のpHが酸性側に維持されるので、続いて行われるフ
ッ素吸着処理において、フッ素含有被処理水のpHを酸
性に調整するための酸の量が少なくて済むという有利な
効果も得られる。上述のような、晶析反応槽内のpHの
調整は、該晶析反応槽内にpH調整剤を供給することに
より行うことができ、使用可能なpH調整剤としては、
pHを変動させることができる任意の酸、またはアルカ
リを含んでいれば良く、酸またはアルカリの種類は本発
明の目的に反しない限りは特に限定されるものではな
い。好ましくは、pH調整剤に使用される酸としては、
塩酸等が挙げられ、アルカリとしては、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等が挙げられる。pH調整剤の供給
方法としては、晶析反応槽にpH調整剤供給手段を設
け、該手段から直接に晶析反応槽内にpH調整剤を供給
するような態様が可能である。また、他の態様として
は、pH調整剤を、晶析反応槽に供給されるカルシウム
含有液、再生廃液もしくは混合排水、および/または循
環処理水に添加して、これらと共に晶析反応槽内に供給
するような態様も可能である。また、晶析反応槽内のp
Hをモニターするために、任意に、pHメーターを晶析
反応槽に設置することができる。また、晶析反応槽内の
pHをモニターするために、晶析反応槽から排出される
晶析処理水のpHをモニターする態様も可能である。
【0031】本発明の第1の態様においては、晶析処理
水はフッ素含有排水と混合され、これがフッ素含有被処
理水としてフッ素吸着処理に供される。このフッ素吸着
処理により、晶析処理水中に残存するフッ素およびフッ
素含有排水中のフッ素が、フッ素吸着剤に吸着され、フ
ッ素が低減された最終処理水を得ることができる。本発
明の第2の態様においては、晶析処理水はフッ素含有被
処理水としてフッ素吸着処理に供される。このフッ素吸
着処理により、晶析処理水中に残存するフッ素が、フッ
素吸着剤に吸着され、フッ素が低減された最終処理水を
得ることができる。本発明の第3の態様においては、晶
析処理水はフッ素含有排水と混合され、これがフッ素含
有被処理水としてフッ素吸着処理に供される。このフッ
素吸着処理により、晶析処理水中に残存するフッ素およ
びフッ素含有排水中のフッ素が、フッ素吸着剤に吸着さ
れ、フッ素が低減された最終処理水を得ることができ
る。本発明の第4および第5の態様においては、晶析処
理水はフッ素含有被処理水としてフッ素吸着処理に供さ
れる。このフッ素吸着処理により、晶析処理水中に残存
するフッ素が、フッ素吸着剤に吸着され、フッ素が低減
された最終処理水を得ることができる。
【0032】本発明の排水処理方法で処理されるフッ素
含有排水は、フッ素を含むものであれば、如何なる由来
の排水であっても良く、例えば、半導体関連産業をはじ
めとする電子産業、発電所、アルミニウム工業などから
排出される排水が挙げられるが、これらに限定されるも
のではない。また、本発明の排水処理方法で処理される
排水はフッ素以外の元素を含んでいても良く、具体的に
は、リン、ケイ素、金属元素等が挙げられるが、これら
に限定されるものではない。排水に含まれることができ
る金属元素としては、例えば、Al、V、Cr、Mn、
Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Mo、Ag、Cd、H
g、Sn、Pb、Teが挙げられるが、これらに限定さ
れるものではない。排水中に含まれるフッ素は、任意の
状態で排水中に存在することが可能である。排水中に溶
解しているという観点から、フッ素はイオン化した状態
であるのが好ましいが、化合物、金属など排水中に溶解
していない状態でも良い。イオン化した状態とは、フッ
素イオン(F)のように元素がそのままイオン化した
もの、また、フッ素を含む化合物がイオン化したもの等
が挙げられるが、これらに限定されるものではない。排
水中に含まれるフッ素については、フッ酸(HF)およ
び/またはフッ素イオンの形態で存在するのが好まし
い。
【0033】図1に、本発明の排水処理方法の第1の態
様のフローを示し、これに基づいて本発明を詳述する。
ただし、図1のフローは例示であり、本発明はこの態様
に限定されるものではない。フッ素吸着装置は、フッ素
吸着剤2が充填されたフッ素吸着塔1と、該フッ素吸着
塔1にフッ素含有被処理水を供給する被処理水供給ライ
ン3と、フッ素吸着処理されて生じる、フッ素が低減さ
れた最終処理水を排出する最終処理水排出ライン4とを
具備しており、さらに、該フッ素吸着装置は再生処理の
ために、再生剤供給ライン5と再生廃液排出ライン6と
を具備している。図1の態様においては、被処理水供給
ライン3と再生剤供給ライン5、および最終処理水排出
ライン4と再生廃液排出ライン6とは別のラインで構成
されているが、これらは、それぞれラインの一部を共通
するような態様であっても良い。また、図1ではフッ素
吸着装置はフッ素吸着塔1を有する態様であるが、フッ
素吸着処理可能な装置であれば、フッ素吸着塔に限定さ
れるものではなく、任意の公知の装置を採用することが
できる。
【0034】再生廃液は再生廃液排出ライン6を介し
て、再生廃液貯留槽7に移送され、該再生廃液貯留槽7
内に貯留される。再生廃液貯留槽7には、pH調整剤を
再生廃液貯留槽7に供給するためのpH調整剤供給ライ
ン8が設けられており、このpH調整剤供給ライン8を
介してpH調整剤が再生廃液貯留槽7に供給され、再生
廃液のpHが所定の範囲に調整される。再生廃液貯留槽
7においては、再生廃液のpHの調整が行われるので、
図1に示されるようなpHメーターをはじめとするpH
測定手段が設けられるのが好ましい。
【0035】再生廃液貯留槽7でpHが調整された再生
廃液は、次いで、晶析反応装置で晶析処理される。晶析
反応装置は、再生廃液を晶析反応槽11に供給する晶析
被処理水供給ライン13と、フッ素が低減された晶析処
理水を排出する晶析反応槽11と、カルシウム含有液を
晶析反応槽11に供給するカルシウム含有液供給ライン
14とを具備し、晶析処理水を排出する晶析処理水排出
ライン15が晶析反応槽11に連結されており、さら
に、任意に、該晶析反応槽11から排出される晶析処理
水の少なくとも一部を該晶析反応槽11に返送する処理
水循環手段とを具備する。晶析反応槽11の内部には晶
析処理前に種晶が充填され、該種晶の表面上に、晶析被
処理水である再生廃液に含まれるフッ素と、カルシウム
との反応物であるフッ化カルシウムを析出させてフッ化
カルシウムペレット12を形成させることにより、フッ
素濃度が低下した晶析処理水を排出させる。晶析反応槽
11は前記機能を有するものであれば、長さ、内径、形
状などについては、任意の態様が可能であり、特に限定
されるものではない。
【0036】晶析反応槽11に充填される種晶の充填量
は、フッ素を晶析反応により除去できるのであれば特に
限定されるものではなく、フッ素濃度、カルシウム濃
度、また、晶析反応装置の運転条件等に応じて適宜設定
される。晶析反応装置においては、晶析反応槽11内に
上向流を形成し、該上向流によってペレット12が流動
するような流動床の晶析反応槽11が好ましいので、種
晶は流動可能な量で晶析反応槽11に充填されるのが好
ましい。種晶は、本発明の目的に反しない限りは、任意
の材質が可能であり、例えば、ろ過砂、活性炭、および
ジルコンサンド、ガーネットサンド、サクランダム(商
品名、日本カートリット株式会社製)などをはじめとす
る金属元素の酸化物からなる粒子、並びに、晶析反応に
よる析出物であるフッ化カルシウムからなる粒子等が挙
げられるが、これらに限定されるものではない。種晶上
で晶析反応が起こりやすいという点、また、生成するペ
レット12から、より純粋なフッ化カルシウムを回収で
きるという観点から、フッ化カルシウム(蛍石)が種晶
として使用されるのが好ましい。種晶の形状、粒径は、
晶析反応槽11内での流速、晶析対象成分の濃度等に応
じて適宜設定され、本発明の目的に反しない限りは特に
限定されるものではない。
【0037】晶析被処理水供給ライン13およびカルシ
ウム含有液供給ライン14は晶析反応槽11の任意の部
分に接続することができる。本発明の晶析反応装置にお
いては、晶析反応槽11内に上向流を形成すると、効率
的に晶析反応を行うことができるという観点から、晶析
被処理水供給ライン13およびカルシウム含有液供給ラ
イン14は晶析反応槽11の底部に接続されるのが好ま
しい。また、図1の態様においては、晶析被処理水供給
ライン13およびカルシウム含有液供給ライン14はそ
れぞれ1つであるが、これに限定されるものではなく、
これらが複数設けられていても良い。また、晶析反応槽
11にpH調整剤を供給するpH調整剤供給ライン、さ
らに、晶析反応槽11内のpHをモニターするためのp
Hメーターが、晶析反応槽11に設置されていても良
い。
【0038】晶析反応槽11は、晶析反応により生じ
る、フッ素が低減された晶析処理水を該晶析反応槽11
の外部に排出する。晶析処理水は、晶析反応槽11にお
ける液体の流れに従って任意の部分から排出される。晶
析反応槽11内で上向流が形成される場合には、晶析反
応槽11の上部から晶析処理水が排出される。図1の態
様では、晶析反応槽11の上部から排出される晶析処理
水は、晶析処理水排出ライン15を通って排出される。
図1の態様においては、処理水循環手段として、晶析処
理水排出ライン15から分岐し、晶析反応槽11に連結
された晶析処理水循環ライン16が設けられており、該
晶析処理水循環ライン16には晶析処理水移送のための
ポンプが介装されている。処理水循環手段は、晶析処理
水を晶析反応槽11に循環させることにより、晶析反応
槽11内に供給された再生廃液を希釈すると共に、カル
シウム含有液と再生廃液を混合し、さらに、晶析反応槽
11内で所定の流れ、特に上向流を形成させるものであ
る。よって、晶析反応槽11内で上向流が形成される場
合には、図1のように、晶析処理水循環ライン16は晶
析反応槽11の底部に接続されるような態様が好まし
い。
【0039】図1の態様においては、晶析処理水排出ラ
イン15は、フッ素吸着被処理水貯留槽18に連結され
ており、晶析処理槽11から排出される晶析処理水は、
晶析処理水排出ライン15を介してフッ素吸着被処理水
貯留槽18に移送され、該フッ素吸着被処理水貯留槽1
8に貯留される。フッ素吸着被処理水貯留槽18には、
フッ素含有排水をフッ素吸着被処理水貯留槽18に供給
するフッ素含有排水供給ライン17が設けられており、
フッ素吸着被処理水貯留槽18において、晶析処理水と
フッ素含有排水が混合される。また、フッ素吸着被処理
水貯留槽18は、任意に、貯留された晶析処理水とフッ
素含有排水の混合液のpHを調整するためのpH調整剤
供給ライン、pHメーターを具備していても良い。フッ
素吸着被処理水貯留槽18に貯留された晶析処理水とフ
ッ素含有排水の混合液は、次いで、被処理水供給ライン
3を介してフッ素吸着塔1に移送される。これにより、
該混合液がフッ素吸着処理され、フッ素が低減された最
終処理水が得られる。
【0040】図2に、本発明の排水処理方法の第2の態
様のフローを示し、これに基づいて本発明を詳述する。
ただし、図2のフローは例示であり、本発明はこの態様
に限定されるものではない。図2の態様で使用されるフ
ッ素吸着装置および晶析反応装置の詳細については、図
1の説明で示した通りである。図2の態様においては、
再生廃液貯留槽7に貯留された再生廃液は、pH調整槽
9に移送される。pH調整槽9にはフッ素含有排水供給
ライン17と、pH調整剤供給ライン10とが接続され
ており、フッ素含有排水供給ライン17を介してフッ素
含有排水が、またpH調整剤供給ライン10を介してp
H調整剤がpH調整槽9に供給される。これにより、p
H調整槽9において、pHが所定の範囲に調整された、
再生廃液とフッ素含有排水の混合排水が調製される。p
H調整槽9には、pH調整のために、pHを測定するた
めのpHメーターが設けられているのが好ましい。
【0041】次いで、混合排水は晶析被処理水供給ライ
ン13を介して晶析反応槽11に供給され、晶析処理が
行われる。晶析処理により生じた晶析処理水は、晶析処
理水排出ライン15を介してフッ素吸着被処理水貯留槽
18に移送、貯留され、被処理水供給ライン3を介して
フッ素吸着塔1に供給される。これにより、該混合排水
がフッ素吸着処理され、フッ素が低減された最終処理水
が得られる。フッ素吸着被処理水貯留槽18には、貯留
している晶析処理水のpHを調整するためのpH調整剤
供給ライン、pHメーターなどの手段を設けることも可
能である。また、図2の態様においては、晶析処理水排
出ライン15と被処理水供給ライン3の間にフッ素吸着
被処理水貯留槽18が介装されているが、本発明の第2
の態様においては、晶析処理水をフッ素吸着塔に導入で
きれば良く、晶析処理水排出ライン15と被処理水供給
ライン3が直接連結されるような態様も可能である。
【0042】図3に、本発明の排水処理方法の第3の態
様のフローを示し、これに基づいて本発明を詳述する。
ただし、図3のフローは例示であり、本発明はこの態様
に限定されるものではない。図3の態様で使用されるフ
ッ素吸着装置および晶析反応装置の詳細については、図
1の説明で示した通りである。また、図3の態様では、
固液分離処理として凝集沈殿処理が採用されているが、
本発明の第3の態様においては、固液分離処理はこの態
様に限定されるものでないことは、上述した通りであ
る。図3の態様においては、再生廃液貯留槽7に貯留さ
れた再生廃液は、凝集沈殿処理装置を用いて、固液分離
処理としての凝集沈殿処理が行われる。再生廃液は凝集
槽21に移送され、凝集槽21において必要に応じて、
無機凝集剤、有機凝集剤等の凝集剤、および任意にpH
調整剤が添加され、再生廃液中に存在するSS成分を含
む固形分が凝集される。また、凝集剤、および任意にp
H調整剤を添加することにより、再生廃液中に溶存して
いる元素を、難溶性化合物をはじめとするSS成分とし
て析出、凝集させることも可能である。図3の態様にお
いては、凝集槽21は1槽式のものとして図示されてい
るが、これに限定されるものではなく、凝集処理を行う
ことができるのであれば任意の態様が可能であって、例
えば、pH調整槽、凝集槽およびフロック形成槽の3槽
から構成される凝集槽も使用可能である。
【0043】凝集槽21で凝集処理された処理水は沈殿
槽22に移送され、ここで難溶性化合物をはじめとする
固形分が沈殿し、該沈殿物が汚泥として分離され、固形
分が低減された固液分離処理水が得られる。本発明にお
ける固液分離処理に使用可能な装置としては、再生廃液
に含まれる固形分を固液分離できるものであれば、図3
に示される態様に限らず任意の態様が可能であり、特に
限定されるものではない。また、使用される装置の種
類、形状、大きさなども特に限定されるものではない。
次いで、固液分離処理水は晶析反応槽11に供給され
る。固液分離処理水が晶析反応槽11に供給されるので
あれば、その態様は特に限定されるものではないが、固
液分離処理水を安定した水質で晶析反応槽11に供給で
きるという観点から、固液分離処理水は、図3に示され
るような中間槽23に一旦貯留された後、晶析被処理水
供給ライン13を介して晶析反応槽11に供給されるの
が好ましい。また、中間槽23には、貯留している固液
分離処理水のpHを調整するためのpH調整剤供給ライ
ン、pHメーターなどの手段を設けることも可能であ
る。
【0044】図3の態様においては、晶析処理水排出ラ
イン15は、フッ素吸着被処理水貯留槽18に連結され
ており、晶析処理槽11から排出される晶析処理水は、
晶析処理水排出ライン15を介してフッ素吸着被処理水
貯留槽18に移送され、該フッ素吸着被処理水貯留槽1
8に貯留される。フッ素吸着被処理水貯留槽18には、
フッ素含有排水をフッ素吸着被処理水貯留槽18に供給
するフッ素含有排水供給ライン17が設けられており、
フッ素吸着被処理水貯留槽18においては、晶析処理水
とフッ素含有排水が混合される。また、フッ素吸着被処
理水貯留槽18には、任意に、貯留された晶析処理水と
フッ素含有排水の混合液のpHを調整するためのpH調
整剤供給ライン、pHメーターを具備していても良い。
フッ素吸着被処理水貯留槽18に貯留された晶析処理水
とフッ素含有排水の混合液は、次いで、被処理水供給ラ
イン3を介してフッ素吸着塔1に移送される。これによ
り、該混合液がフッ素吸着処理され、フッ素が低減され
た最終処理水が得られる。
【0045】図4に、本発明の排水処理方法の第4の態
様のフローを示し、これに基づいて本発明を詳述する。
ただし、図4のフローは例示であり、本発明はこの態様
に限定されるものではない。図4の態様で使用されるフ
ッ素吸着装置および晶析反応装置の詳細については、図
1の説明で示した通りである。また、図4の態様では、
固液分離処理として凝集沈殿処理が採用されているが、
本発明の第4の態様においては、固液分離処理はこの態
様に限定されるものでないことは、上述した通りであ
る。また、図4の態様における凝集沈殿処理装置の詳細
については、図3の説明で示した通りである。図4の態
様においては、再生廃液貯留槽7に貯留された再生廃液
は凝集沈殿処理装置を用いて、固液分離処理としての凝
集沈殿処理が行われる。再生廃液は凝集槽21に移送さ
れて凝集処理され、凝集槽21で凝集処理された処理水
は沈殿槽22に移送され、ここで難溶性化合物をはじめ
とするSS成分を含む固形分が沈殿し、該沈殿物が汚泥
として分離され、固形分が低減された固液分離処理水が
得られる。次いで、固液分離処理水は中間槽23に移送
される。中間槽23にはフッ素含有排水供給ライン17
が設けられており、フッ素含有排水供給ライン17を介
してフッ素含有排水が中間槽23に供給される。これに
より、中間槽23において、固液分離処理水とフッ素含
有排水とを含む、排水含有固液分離処理水が調製され
る。中間槽23には、pH調整のために、pH調整剤を
供給するためのpH調整剤供給ライン、pHを測定する
ためのpHメーターが設けられているのが好ましい。
【0046】次いで、排水含有固液分離処理水は晶析被
処理水供給ライン13を介して晶析反応槽11に供給さ
れ、晶析処理が行われる。晶析処理により生じた晶析処
理水は、晶析処理水排出ライン15を介してフッ素吸着
被処理水貯留槽18に移送、貯留され、被処理水供給ラ
イン3を介してフッ素吸着塔1に供給され、晶析処理水
がフッ素吸着処理されて、フッ素が低減された最終処理
水が得られる。フッ素吸着被処理水貯留槽18には、貯
留している晶析処理水のpHを調整するためのpH調整
剤供給ライン、pHメーターなどの手段を設けることも
可能である。また、図4の態様においては、晶析処理水
排出ライン15と被処理水供給ライン3の間にフッ素吸
着被処理水貯留槽18が介装されているが、本発明の第
4の態様においては、晶析処理水をフッ素吸着塔に導入
できれば良く、晶析処理水排出ライン15と被処理水供
給ライン3が直接連結されるような態様も可能である。
【0047】図5に、本発明の排水処理方法の第5の態
様のフローを示し、これに基づいて本発明を詳述する。
ただし、図5のフローは例示であり、本発明はこの態様
に限定されるものではない。図5の態様で使用されるフ
ッ素吸着装置および晶析反応装置の詳細については、図
1の説明で示した通りである。また、図5の態様では、
固液分離処理として凝集沈殿処理が採用されているが、
本発明の第5の態様においては、固液分離処理はこの態
様に限定されるものでないことは、上述した通りであ
る。また、図5の態様における凝集沈殿処理装置の詳細
については、図3の説明で示した通りである。図5の態
様においては、再生廃液は再生廃液貯留槽7に貯留され
る。再生廃液貯留槽7にはフッ素含有排水供給ライン1
7が設けられており、フッ素含有排水供給ライン17を
介してフッ素含有排水が再生廃液貯留槽7に供給され
る。これにより、再生廃液貯留槽7において、再生廃液
とフッ素含有排水とを含む混合排水が調製される。再生
廃液貯留槽7には、pH調整のために、pH調整剤を供
給するためのpH調整剤供給ライン、pHを測定するた
めのpHメーターが設けられているのが好ましい。調製
された混合排水は凝集沈殿処理装置を用いて、固液分離
処理としての凝集沈殿処理が行われる。混合排水は凝集
槽21に移送されて凝集処理され、凝集槽21で凝集処
理された処理水は沈殿槽22に移送され、ここで難溶性
化合物をはじめとするSS成分を含む固形分が沈殿し、
該沈殿物が汚泥として分離され、固形分が低減された固
液分離処理水が得られる。
【0048】次いで、固液分離処理水は晶析反応槽11
に供給される。固液分離処理水が晶析反応槽11に供給
されるのであれば、その態様は特に限定されるものでは
ないが、固液分離処理水を安定した水質で晶析反応槽1
1に供給できるという観点から、固液分離処理水は、図
5に示されるような中間槽23に一旦貯留された後、晶
析被処理水供給ライン13を介して晶析反応槽11に供
給されるのが好ましい。また、中間槽23には、貯留し
ている固液分離処理水のpHを調整するためのpH調整
剤供給ライン、pHメーターなどの手段を設けることも
可能である。晶析処理により生じた晶析処理水は、晶析
処理水排出ライン15を介してフッ素吸着被処理水貯留
槽18に移送、貯留され、被処理水供給ライン3を介し
てフッ素吸着塔1に供給され、晶析処理水がフッ素吸着
処理されて、フッ素が低減された最終処理水が得られ
る。フッ素吸着被処理水貯留槽18には、貯留している
晶析処理水のpHを調整するためのpH調整剤供給ライ
ン、pHメーターなどの手段を設けることも可能であ
る。また、図5の態様においては、晶析処理水排出ライ
ン15と被処理水供給ライン3の間にフッ素吸着被処理
水貯留槽18が介装されているが、本発明の第5の態様
においては、晶析処理水をフッ素吸着塔に導入できれば
良く、晶析処理水排出ライン15と被処理水供給ライン
3が直接連結されるような態様も可能である。以下、実
施例で本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施
例に限定されるものではない。
【0049】
【実施例】実施例1〜3および比較例1〜3 フッ化ナトリウムをフッ素濃度で500mgF/Lとな
るように精製水に溶解したものをフッ素含有排水とし
て、図2に示す態様の排水処理装置で、フッ素の除去試
験を行った。再生廃液としては、フッ素吸着塔から生じ
る最終処理水中のフッ素濃度が、1.0mgF/Lとな
った場合に吸着処理を停止させ、再生剤として、0.6
%NaOHを9L/サイクル、0.2%HClを5L/
サイクルの量で用い、さらに洗浄のため精製水を用いて
再生処理を行うことにより、1サイクルあたり26Lの
再生廃液が回収された。晶析反応槽としては、内径50
mm×高さ2500mmの円柱型アクリルカラムを使用
した。晶析部には種晶として蛍石(98.0%フッ化カ
ルシウム含有)を充填量1000mLで充填した。晶析
反応槽に供給される混合排水のうち、フッ素含有排水の
流量は17.0L/時間、再生廃液の流量は2.6L/
時間であった。すなわち、1回の再生処理で得られた再
生廃液は、10時間かけてフッ素含有排水に混合され、
晶析処理が行われた。フッ素吸着塔としては、内径30
mm×高さ1500mmの円柱型アクリルカラムを使用
し、フッ素吸着剤としては、ジルコニウム系フッ素吸着
剤を充填量0.7Lで充填して使用した。
【0050】また、晶析処理における晶析処理水の循環
量は58.9L/時間であった。カルシウム含有液とし
て、10%塩化カルシウムを0.46L/時間で、晶析
反応槽に供給した。pH調整剤として、塩酸または水酸
化ナトリウムを使用して、各実施例および比較例におい
て、pH調整槽のpH(すなわち、混合排水のpH)お
よび晶析反応槽内のpHを表1に示されるように調整し
た。フッ素含有排水と再生廃液が混合されるpH調整槽
は10Lであった。上記条件で400時間、装置の運転
を行い、この間の再生廃液の水質を分析したところ、平
均濃度として、再生廃液はフッ素75mgF/L、SS
150mg/Lを含んでいた。排水処理開始から、40
0時間後の晶析処理水について、含まれるフッ素の濃度
を測定した。なお、ここでのフッ素濃度は、晶析処理水
に酸を添加して、これら処理水中の微細粒子を溶解した
後に、該溶解液中のフッ素濃度を測定することにより得
られるトータルフッ素濃度である。また、400時間の
処理における、フッ素吸着塔の再生回数をカウントし、
再生頻度として、1サイクルでフッ素吸着処理可能な時
間を算出した(時間/サイクル)。また、晶析反応槽に
おいて形成されたペレットを回収し、ペレット中のフッ
化カルシウムの含有率を測定した。なお、フッ化カルシ
ウムの含有率の測定は、ペレットを酸で溶解した後にラ
ンタン−アリザリンコンプレキソン吸光光度法に基づい
てフッ素含有率を測定し、フッ化カルシウム含有率に換
算することにより行われた。これら、pH調整槽および
晶析反応槽でのpH、並びに測定結果を表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】実施例1〜3の結果から明らかなように、
再生廃液を含む混合排水のpHが3〜5の範囲に調整さ
れる場合には、比較例1〜3のようなpHが7以上の場
合に比べて、晶析処理水中のトータルフッ素濃度が低減
されており、さらに、晶析処理により形成されるフッ化
カルシウムペレット中のフッ化カルシウム純度が97.
5%以上の高純度であった。また、表1には示されてい
ないが、実験期間中、実施例1〜3においては、混合排
水中のSS濃度は10mg/L以下に維持されていた。
これにより、本発明の方法は、より高純度のフッ化カル
シウムペレットを回収できる方法であることが明らかと
なった。また、実施例1〜3においては比較例1〜3よ
りも、1サイクルあたりのフッ素吸着処理可能な時間が
長く、これは装置の総運転時間あたりのフッ素吸着処理
時間を長くすることができるとともに、再生廃液量も低
減できることを示しており、本発明の排水処理方法で
は、効率の良いフッ素除去処理が可能であることも明ら
かとなった。
【0053】実施例4および比較例4 実施例4として、フッ化ナトリウムをフッ素濃度で50
0mgF/Lとなるように精製水に溶解したものをフッ
素含有排水として、図4に示す態様の排水処理装置で、
フッ素の除去試験を行った。比較例4においては、再生
廃液の固液分離処理を行わなかった以外は、実施例4と
同じ条件でフッ素の除去試験が行なわれた。再生廃液と
しては、フッ素吸着塔から生じる最終処理水中のフッ素
濃度が、1.0mgF/Lとなった場合に吸着処理を停
止させ、再生剤として、0.6%NaOHを9L/サイ
クル、0.2%HClを5L/サイクルの量で用い、さ
らに洗浄のため精製水を用いて再生処理を行うことによ
り、1サイクルあたり26Lの再生廃液が回収された。
凝集沈殿処理装置としては、凝集槽は1L、沈殿槽は内
径100mm×高さ1000mmの容量のものを使用し
た。凝集処理は、まず、再生廃液のpHを塩酸を使用し
て、pH7に調整し、次いで、凝集剤として、アニオン
系高分子凝集剤である、オルフロックOA−23(ポリ
アクリルアミド系:オルガノ株式会社製)を、該再生廃
液に対して1mg/Lの量で添加して行い、次いで、固
形分を沈殿槽で沈殿除去して、固液分離処理水を得た。
晶析反応槽としては、内径50mm×高さ2500mm
の円柱型アクリルカラムを使用した。晶析部には種晶と
して蛍石(98.0%フッ化カルシウム含有)を充填量
1000mLで充填した。晶析反応槽に供給される排水
含有固液分離処理水のうち、フッ素含有排水の流量は1
7.0L/時間、固液分離処理水の流量は2.6L/時
間であった。すなわち、1回の再生処理で得られた再生
廃液は、10時間かけてフッ素含有排水に混合され、晶
析処理が行われた。フッ素吸着塔としては、内径30m
m×高さ1500mmの円柱型アクリルカラムを使用
し、フッ素吸着剤としては、ジルコニウム系フッ素吸着
剤を充填量0.7Lで充填して使用した。
【0054】また、晶析処理における晶析処理水の循環
量は58.9L/時間であった。カルシウム含有液とし
て、10%塩化カルシウムを0.46L/時間で、晶析
反応槽に供給した。pH調整剤として、塩酸または水酸
化ナトリウムを使用して、実施例4および比較例4にお
いて、晶析反応槽内のpHを5に調整した。フッ素含有
排水と固液分離処理水が混合される中間槽は10Lであ
った。上記条件で400時間、装置の運転を行い、この
間の再生廃液の水質を分析したところ、平均濃度とし
て、再生廃液はフッ素75mgF/L、SS150mg
/Lを含んでいた。排水処理開始から、400時間後の
晶析処理水について、含まれるフッ素の濃度を測定し
た。なお、ここでのフッ素濃度は、晶析処理水に酸を添
加して、これら処理水中の微細粒子を溶解した後に、該
溶解液中のフッ素濃度を測定することにより得られるト
ータルフッ素濃度である。また、400時間の処理にお
ける、フッ素吸着塔の再生回数をカウントし、再生頻度
として、1サイクルでフッ素吸着処理可能な時間を算出
した(時間/サイクル)。また、晶析反応槽において形
成されたペレットを回収し、ペレット中のフッ化カルシ
ウムの含有率を測定した。なお、フッ化カルシウムの含
有率の測定は、ペレットを酸で溶解した後に、ランタン
−アリザリンコンプレキソン吸光光度法に基づいてフッ
素含有率を測定し、フッ化カルシウム含有率に換算する
ことにより行われた。これら、pH調整槽および晶析反
応槽でのpH、並びに測定結果を表2に示す。
【0055】
【表2】
【0056】実施例4の結果から明らかなように、再生
廃液が固液分離処理された後に晶析処理される場合に
は、固液分離処理が行われない比較例4と比べて、晶析
処理水中のトータルフッ素濃度が低減されており、さら
に、晶析処理により形成されるフッ化カルシウムペレッ
ト中のフッ化カルシウム純度が高純度であった。これに
より、本発明のこの態様は、より高純度のフッ化カルシ
ウムペレットを回収できる方法であることが明らかとな
った。また、実施例4においては比較例4よりも、1サ
イクルあたりにフッ素吸着処理可能な時間が長く、これ
は装置の総運転時間あたりのフッ素吸着処理時間を長く
することができるとともに、再生廃液量も低減できるこ
とを示しており、本発明の排水処理方法では、効率の良
いフッ素除去処理が可能であることが明らかとなった。
さらに、実施例4においては、実施例1〜3と同等の結
果が得られ、このことから、再生廃液を固液分離処理す
ることは、再生廃液のpHの調整と同程度の効果を奏す
ることが明らかとなった。
【0057】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明は、晶析
処理およびフッ素吸着処理を用いた、フッ素含有排水の
処理方法において、SS成分および/またはSSを形成
し得る元素を含むフッ素吸着剤の再生廃液からフッ素を
フッ化カルシウムとして回収し、フッ素が低減された最
終処理水を生じさせるにあたり、再生廃液、または該再
生廃液を含む混合排水を、SS成分が実質的に析出しな
いpHに調整した後に晶析処理することにより、高純度
のフッ化カルシウムペレットの回収を可能にするという
有利な効果を有する。また、フッ素吸着剤の再生頻度を
低減させることにより、装置の総運転時間あたりのフッ
素吸着処理時間を長くすることができると共に、再生廃
液の発生量を低減させることにより、フッ素含有排水の
処理方法全体の処理効率を向上させることを可能にする
という有利な効果を有する。また、本発明は、晶析処理
およびフッ素吸着処理を用いた、フッ素含有排水の処理
方法において、SS成分および/またはSSを形成し得
る元素を含むフッ素吸着剤の再生廃液からフッ素をフッ
化カルシウムとして回収し、フッ素が低減された最終処
理水を生じさせるにあたり、再生廃液を晶析処理する前
に固液分離処理することにより、高純度のフッ化カルシ
ウムペレットの回収を可能にするという有利な効果を有
する。また、フッ素吸着剤の再生頻度を低減させること
により、装置の総運転時間あたりのフッ素吸着処理時間
を長くすることができると共に、再生廃液の生成を低減
させることにより、フッ素含有排水の処理方法全体の処
理効率を向上させることを可能にするという有利な効果
を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明のフッ素含有排水の処理方法
の第1の態様を示す概略図である。
【図2】 図2は、本発明のフッ素含有排水の処理方法
の第2の態様を示す概略図である。
【図3】 図3は、本発明のフッ素含有排水の処理方法
の第3の態様を示す概略図である。
【図4】 図4は、本発明のフッ素含有排水の処理方法
の第4の態様を示す概略図である。
【図5】 図5は、本発明のフッ素含有排水の処理方法
の第5の態様を示す概略図である。
【符号の説明】
1 フッ素吸着塔 2 フッ素吸着剤 3 被処理水供給ライン 4 最終処理水排出ライン 5 再生剤供給ライン 6 再生廃液排出ライン 7 再生廃液貯留槽 8 pH調整剤供給ライン 9 pH調整槽 10 pH調整剤供給ライン 11 晶析反応槽 12 フッ化カルシウムペレット 13 晶析被処理水供給ライン 14 カルシウム含有液供給ライン 15 晶析処理水排出ライン 16 晶析処理水循環ライン 17 フッ素含有排水供給ライン 18 フッ素吸着被処理水貯留槽 21 凝集槽 22 沈殿槽 23 中間槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01D 9/02 619 B01D 9/02 619Z 622 622 21/01 21/01 B C02F 1/56 C02F 1/56 J 1/58 1/58 M Fターム(参考) 4D015 BA19 BB06 BB12 CA20 DA04 DA05 DA13 DC06 DC07 DC08 EA12 EA32 FA02 FA11 4D024 AA04 AB11 BA13 BA14 BC01 CA01 DA08 DB05 DB12 4D038 AA08 AB41 BA02 BA04 BA06 BB06 BB09 BB18

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フッ素含有被処理水のフッ素をフッ素吸
    着剤に吸着させて、最終処理水を生じさせるフッ素吸着
    処理において、 前記フッ素吸着処理で使用されたフッ素吸着剤を再生剤
    で再生処理して、フッ素を含む再生廃液を生じさせ、 該再生廃液のpHをSS成分が実質的に析出しない範囲
    に調整し、該再生廃液とカルシウム含有液とを晶析反応
    槽に供給して晶析処理を行い、フッ化カルシウムペレッ
    トおよび晶析処理水を生じさせ、 該晶析処理水をフッ素含有排水と混合したものを、前記
    フッ素含有被処理水として、前記フッ素吸着処理に供す
    ることを特徴とする、フッ素含有排水の処理方法。
  2. 【請求項2】 フッ素含有被処理水のフッ素をフッ素吸
    着剤に吸着させて、最終処理水を生じさせるフッ素吸着
    処理において、 前記フッ素吸着処理で使用されたフッ素吸着剤を再生剤
    で再生処理して、フッ素を含む再生廃液を生じさせ、 該再生廃液をフッ素含有排水と混合して混合排水を調製
    し、該混合排水のpHをSS成分が実質的に析出しない
    範囲に調整し、該混合排水とカルシウム含有液とを晶析
    反応槽に供給して晶析処理を行い、フッ化カルシウムペ
    レットおよび晶析処理水を生じさせ、 該晶析処理水を前記フッ素含有被処理水として、前記フ
    ッ素吸着処理に供することを特徴とする、フッ素含有排
    水の処理方法。
  3. 【請求項3】 フッ素含有被処理水のフッ素をフッ素吸
    着剤に吸着させて、最終処理水を生じさせるフッ素吸着
    処理において、 前記フッ素吸着処理で使用されたフッ素吸着剤を再生剤
    で再生処理して、フッ素を含む再生廃液を生じさせ、 該再生廃液を固液分離処理して固液分離処理水を生じさ
    せ、 該固液分離処理水とカルシウム含有液とを晶析反応槽に
    供給して晶析処理を行い、フッ化カルシウムペレットお
    よび晶析処理水を生じさせ、 該晶析処理水をフッ素含有排水と混合したものを、前記
    フッ素含有被処理水として、前記フッ素吸着処理に供す
    ることを特徴とする、フッ素含有排水の処理方法。
  4. 【請求項4】 フッ素含有被処理水のフッ素をフッ素吸
    着剤に吸着させて、最終処理水を生じさせるフッ素吸着
    処理において、 前記フッ素吸着処理で使用されたフッ素吸着剤を再生剤
    で再生処理して、フッ素を含む再生廃液を生じさせ、 該再生廃液を固液分離処理して固液分離処理水を生じさ
    せ、 該固液分離処理水をフッ素含有排水と混合して、排水含
    有固液分離処理水を調製し、該排水含有固液分離処理水
    とカルシウム含有液とを晶析反応槽に供給して晶析処理
    を行い、フッ化カルシウムペレットおよび晶析処理水を
    生じさせ、 該晶析処理水を前記フッ素含有被処理水として、前記フ
    ッ素吸着処理に供することを特徴とする、フッ素含有排
    水の処理方法。
  5. 【請求項5】 フッ素含有被処理水のフッ素をフッ素吸
    着剤に吸着させて、最終処理水を生じさせるフッ素吸着
    処理において、 前記フッ素吸着処理で使用されたフッ素吸着剤を再生剤
    で再生処理して、フッ素を含む再生廃液を生じさせ、 該再生廃液をフッ素含有排水と混合して混合排水を調製
    し、 該混合排水を固液分離処理して固液分離処理水を生じさ
    せ、 該固液分離処理水とカルシウム含有液とを晶析反応槽に
    供給して晶析処理を行い、フッ化カルシウムペレットお
    よび晶析処理水を生じさせ、 該晶析処理水を前記フッ素含有被処理水として、前記フ
    ッ素吸着処理に供することを特徴とする、フッ素含有排
    水の処理方法。
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