JP3900591B2 - フッ化物イオンおよびcod成分含有水の処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、フッ化物イオンおよびCOD成分含有水からフッ化物イオンおよびCOD成分を除去するための処理方法、特に利用可能な状態で水を回収するとともに、フッ化物イオンおよびCOD成分を効率よく除去するためのフッ化物イオンおよびCOD成分含有水の処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
火力発電所等から排出される排煙脱硫排水などのフッ化物イオンおよびCOD成分含有水は、フッ化物イオンおよびCOD成分を含むため、そのままでは再利用できない。
従来、フッ化物イオン含有水の処理方法として、フッ化物イオンの2倍当量程度のカルシウムイオンまたはアルミニウムイオンを添加し、沈殿物を生成させてこれを除去する処理方法が知られているが、この方法は薬剤添加量が多いために汚泥発生量が多く、また得られる処理水のフッ化物イオン濃度も高いので、完全な処理方法とはいえなかった。
【0003】
このような点を改善するために、さらにマグネシウムイオンの存在下に沈殿物を生成して分離することにより高度処理を行うとともに、マグネシウムを循環使用することのできるマグネシウム循環法を組合せたフッ化物イオン含有水の処理方法が提案されている(特公昭58−13230号)。しかし、上記の方法では、マグネシウムの沈殿物を生成させるために用いるアルカリ剤の使用量が多いとともに、処理水はそのままでは再利用できず、放流水として無駄に放流されている。
【0004】
また排煙脱硫排水にはフッ化物イオンおよびCOD成分が含まれているが、これらは上記のような処理では除去できない。COD成分の除去方法として弱塩基性アニオン交換樹脂による処理が知られているが、フッ化物イオンが共存するとCOD成分の除去効率が低くなるという問題点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、利用可能な状態で水を回収できるとともに、少ない薬剤使用量により効率よく、しかも高度にフッ化物イオンおよびCOD成分を除去できるフッ化物イオンおよびCOD成分含有水の処理方法を提案することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は次のフッ化物イオンおよびCOD成分含有水の処理方法である。
(1) フッ化物イオンおよびCOD成分含有水を蒸発させて水を回収するとともにフッ化物およびCOD成分を濃縮する蒸発工程と、
蒸発工程で得られた濃縮液を多価金属イオンの存在下にpH調整し、沈殿物を生成させて固液分離する凝集分離工程と、
凝集分離工程で得られた分離液をアニオン交換樹脂で処理してCOD成分を除去するイオン交換工程と
を含むことを特徴とするフッ化物イオンおよびCOD成分含有水の処理方法。
(2) 蒸発工程の前にフッ化物イオンおよびCOD成分含有水をカルシウムイオンおよび/またはアルミニウムイオンの存在下にpH5〜8.5に調整し、不溶性化合物を析出させて分離する予備分離工程を含む上記(1)記載の方法。
【0007】
本発明では蒸発工程によって利用可能な状態で水を回収するとともに、フッ化物イオンの濃度を上げてフッ化カルシウムの析出を促進し、これにより凝集分離工程におけるpH調整剤の使用量を少なくして、効率よくフッ化物イオンを除去し、これによりアニオン交換で効率よくCOD成分を除去する方法である。
【0008】
本発明において処理対象となるフッ化物イオンおよびCOD成分含有水としては、フッ化物イオンおよびCOD成分を含有していれば他の成分を含有していてもよく、具体的には火力発電所等における排煙脱硫工程から排出される排水などが例示できる。排煙脱硫排水にはフッ化物イオンのほかに、ジチオン酸等のCOD成分を含むものがある。
【0009】
排煙脱硫排水は、スーツ分離方式、スーツ混合方式などの排煙脱硫方法により排水の性状が変わる。スーツ分離方式は排ガスを順次除塵塔および吸収塔に通して処理し、排水を除塵塔から排出する方法であり、この場合排水はpHが低く、フッ化物イオンを多く含む。スーツ混合方式は排ガス処理を吸収塔のみで行う方法であり、この場合排水のpHは中性で、フッ化物イオンは少ない。
従ってスーツ混合方式の場合のように中性でフッ化物イオンが少ない場合はそのまま蒸発工程において蒸発濃縮することができるが、スーツ分離方式のように低pHでフッ化物イオンを多く含む場合は、蒸発工程の前に中和とフッ化物イオンの除去を兼ねた予備分離工程を設けるのが好ましい。
【0010】
予備分離工程では、フッ化物イオンを多量に含むフッ化物イオンおよびCOD成分含有水にカルシウムイオンおよび/またはアルミニウムイオンを存在させ、必要に応じてpH調整剤を添加してpH5〜8.5に調整することにより、フッ化物イオンを沈殿物として固液分離し、汚泥を系外に除去する。この沈殿物はカルシウムイオンの場合はCaF2であり、アルミニウムイオンの場合はAl(OH)3がフッ化物を抱き込んだ形であると推定される。
【0011】
予備分離において、カルシウムイオンおよび/またはアルミニウムイオンがフッ化物イオンおよびCOD成分含有水に十分存在する場合はそのままpH調整により沈殿物を生成させることができるが、不足する場合は薬剤として新たに添加することができる。このような薬剤としてはカルシウム塩が望ましく、例えば塩化カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム等がある。
【0012】
カルシウムイオンの必要存在量はフッ化物イオンに対して当量以上であればよいが、1.2〜3倍当量、好ましくは1.5〜2.5倍当量とするのが望ましい。しかし排煙脱硫および/または脱硝排水などのように十分な量のアルミニウムイオンが含まれている場合にはカルシウムイオンの添加量を減少またはゼロにすることもできる。アルミニウムイオンの必要量はフッ化物イオンの量によって変動するが、目安としてはフッ化物イオンに対して重量比で1:0.5〜2、好ましくは1:0.7〜1.5とするのが望ましい。ただしカルシウムイオンが含まれている場合には、それに対応する分だけ減少する。カルシウムイオンおよび/またはアルミニウムイオンの添加量は実験的に確認することができる。
【0013】
また予備分離工程において用いるpH調整剤としては、原水が酸性の場合は水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カルシウム等が使用でき、このうち水酸化カルシウムはカルシウムイオン源としても利用でき好ましい。また原水がアルカリ性の場合には硫酸、塩酸等が使用できる。
予備分離工程におけるpH範囲はフッ化カルシウム、水酸化アルミニウム等の沈殿生成物の溶解度が小さく、かつ後述の凝集分離工程において返送される水酸化マグネシウムの沈殿生成の少ない範囲、すなわちpH5〜8.5であり、特にpH6〜7が好ましい。なおこの予備分離工程では次の蒸発工程の蒸発に用いる装置のフッ素による腐食等を防止するために、流出水中のフッ化物イオン濃度を数10mg/l以下にすることが好ましい。
【0014】
本発明の蒸発工程では、スーツ混合方式のようにフッ化物イオンの多い被処理水について、前記予備分離工程で沈殿物を除去した流出液、またはスーツ分離方式のようにフッ化物イオンの少ない被処理水を蒸発させて水を回収するとともに、残留するフッ化物イオンとカルシウムイオンを濃縮してフッ化カルシウムを析出させる。フッ化物イオンの少ない被処理水の場合は、必要によりpH調整剤を添加してpH5〜8.5、好ましくはpH6〜7に調整して蒸発を行う。
【0015】
蒸発工程では、蒸発により水を利用可能な状態で回収するとともに、濃縮することにより次の凝集分離工程に導く水量を削減し、フッ化物濃度の高い濃縮液を得る。濃縮液中では、フッ化物イオンおよびカルシウムイオンの濃度が上昇して、フッ化カルシウムとして析出するため、凝集分離工程でのアルカリ剤の添加量が少なくなる。またフッ化カルシウムの析出の際、種添加法等により、濃縮液中に種晶が存在すると、フッ化カルシウムは種晶の周りに析出し、スケール化は生じない。
【0016】
蒸発工程における濃縮倍率は特に制限はないが、例えば結晶化するまで濃縮すると、フッ化ナトリウム等の水溶解性の結晶が排出されて処理が困難となり、また共存塩類濃度が高くなるため、凝集分離工程で生成する沈殿物の凝集性が悪くなる。このため結晶が析出する直前の濃縮倍率で濃縮するのが好ましい。一般的には、数10倍の濃縮倍率とすることができ、これにより以下の処理に供する濃縮水量は原水量の数10分の1となる。
【0017】
本発明の凝集分離工程では、前記蒸発工程で得られた濃縮液に多価金属イオンの存在下にpH調整剤を添加してpH調整することにより沈殿物を生成させ、これを固液分離により分離する。多価金属イオンとしてはマグネシウムイオン、アルミニウムイオン、鉄イオンなど、pH調整剤の添加により沈殿物を生成するものが使用できる。調整するpH範囲は多価金属イオンの種類によって異なり、それぞれ沈殿物が生成する最適pH範囲とする。例えばマグネシウムイオンの存在下にpH調整剤を添加してpHを9.5以上に調整することにより、Mg(OH)2の沈殿が生成し、液中のフッ化物もこれに抱き込まれて沈殿する。アルミニウムイオンの場合はpH5〜8.5に調整する。鉄イオンの場合、3価ではpH4以上、2価では6以上に調整する。
【0018】
凝集分離工程において濃縮液中にマグネシウムイオン等の多価金属イオンが存在する場合は、そのままpH調整剤の添加により沈殿が生成するが、不足する場合には、マグネシウム塩等の多価金属塩を添加する。マグネシウム塩としては塩化マグネシウム、アルミニウム塩としては塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム等が使用できる。反応液中に存在させる多価金属イオンの量はフッ化物イオンに対し重量比で20倍以上、好ましくは20〜25倍とすることにより残留フッ化物イオン量を1mg/l以下にすることができる。pH調整剤としては水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カルシウム等が使用できる。
【0019】
こうして沈殿物が生成した反応液は固液分離により沈殿物を汚泥として分離して系外に排出する。予備分離を行う場合は、この汚泥を予備分離工程に返送して、汚泥を溶解することによりフッ化物イオンを予備分離工程に放出する。この場合予備分離工程の原水が酸性の場合には、沈殿物は直接原水に混合して溶解すればよいが、原水がアルカリ性または中性の場合には酸により溶解したのち返送するのが望ましい。こうして放出されたフッ化物イオンは原水中のフッ化物イオンとともに前述の予備分離工程の処理を受ける。
【0020】
凝集分離工程においてマグネシウムイオンを用いる場合、凝集分離工程から返送され、予備分離工程において溶解したマグネシウムイオンはそのまま蒸発工程に流出して循環使用される。このため凝集分離工程におけるマグネシウムイオンの添加量は予備分離工程から排出されるマグネシウム沈殿物に対応する量でよい。このとき予備分離工程においてpH7以下に調整する場合には、マグネシウムがほとんど沈殿しないため、凝集分離工程におけるマグネシウム塩の添加量は最初以外はわずかでよい。凝集分離工程でアルミニウムイオンを用いる場合は、沈殿物となったアルミニウムイオンは予備分離工程においてフッ化物イオンの沈殿に利用される。
【0021】
上記の処理において、蒸発工程の濃縮倍率が大きいと、共存塩類濃度の増加により凝集分離工程で生成する水酸化マグネシウムの凝集性が悪くなり、固液分離が困難となる。このような場合は、凝集分離工程で生成する水酸化マグネシウム主体の汚泥を返送する際、その一部を凝集分離工程に循環すると、汚泥の沈降性が改善されるので好ましい。この場合、凝集分離工程に循環する汚泥量は、凝集分離工程における新たなSS生成量の0.1〜30倍量(SSとして)とするのが好ましく、この範囲内で生成汚泥の沈降性が最高になるように循環量を決める。残りの汚泥は全量予備分離工程に返送する。凝集分離工程へ循環する汚泥は一定量が循環しているだけであるから、凝集分離工程で生成する汚泥は全量が予備分離工程に返送されることになる。
【0022】
原水中に存在するジチオン酸等のCOD成分は予備分離工程や凝集分離工程において除去されないため、蒸発工程において濃縮されてさらに除去困難になる。このような場合にはイオン交換工程において、凝集分離工程の分離液をアニオン交換樹脂によりイオン交換し、COD成分を除去する。イオン交換樹脂は弱塩基性アニオン交換樹脂が好ましいが、強塩基性アニオン交換樹脂でもよい。
【0023】
この場合、イオン交換工程に先立って濾過工程によりSSを除去し、活性炭処理工程により有機物その他のTOC成分を除去しておくのが好ましい。濾過工程は砂、アンスラサイト等の粒状濾材の充填層による濾過のほか、精密濾過などでもよい。活性炭処理は粒状活性炭の充填層による処理または粉末活性炭による処理などがあげられる。
【0024】
イオン交換工程では必要により濾過または活性炭処理した分離液を弱または強塩基性アニオン交換樹脂等のイオン交換樹脂層に通過させてイオン交換し、ジチオン酸イオン、その他のCOD成分を除去する。イオン交換後酸またはアルカリ液を通液して再生すると、樹脂に吸着されたジチオン酸イオン等のCOD成分は再生排液中に溶離する。再生排液中のジチオン酸イオンは硫酸イオンに酸化して無害化することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面により説明する。図1は好ましい実施態様によるフッ化物イオンおよびCOD成分含有水の処理装置を示す系統図であり、スーツ分離方式の排煙脱硫排水のように低pHでフッ化物イオンの多い被処理水の処理に適用した例を示す。
図1において、1は予備反応槽、2は固液分離槽、3は蒸発装置、4は凝集反応槽、5は固液分離槽、22はイオン交換槽である。
【0026】
処理方法はまず予備分離工程において、原水管6から予備反応槽1に原水を導入し、薬注管7からカルシウム塩および/またはアルミニウム塩を添加し、また薬注管8からpH調整剤を注入する。そして攪拌器9により攪拌して、カルシウムイオンおよび/またはアルミニウムイオンの存在下にpH5〜8.5に調整し、沈殿を生成させる。予備反応槽1の反応液は流路10から固液分離槽2に送液して固液分離を行い、沈殿物は汚泥として排泥管11から系外へ排出し、予備分離流は流路12より蒸発工程の蒸発装置3に流出させる。
【0027】
次に蒸発工程では、流路12からの予備分離液を蒸発装置3において蒸発させ、水回収路13から利用可能な水を回収するとともに、流出液中のフッ化物を濃縮する。このときフッ化物イオンとカルシウムイオンが濃縮されて、フッ化カルシウムとして沈殿し、スケール化は生じない。蒸発装置3の濃縮液は流路14から凝集反応槽4に送液される。
【0028】
凝集分離工程では、凝集反応槽4に入った蒸発工程からの濃縮液に薬注管15から多価金属塩を添加し、薬注管16からpH調整剤を添加して攪拌器17で攪拌し、多価金属イオンの存在下にpH調整して沈殿を生成させる。このとき、濃縮液は少量となっているため、pH調整剤の量は少量でよい。凝集反応槽4の反応液は流路18から固液分離槽5に送液して固液分離を行い、分離液は流路19からイオン交換槽22に送液される。
【0029】
凝集分離工程で固液分離された汚泥は返送管20から予備反応槽1に返送される。予備分離工程の原水が酸性の場合には、汚泥は直接原水に混合して溶解すればよいが、原水がアルカリ性または中性の場合には溶解槽21において酸により溶解したのち返送するのが望ましい。
また蒸発装置3における濃縮倍率が高くて、濃縮液中の共存塩類濃度が高い場合、固液分離槽5における汚泥の凝集性が悪いため、汚泥を返送管20から予備反応槽1に返送する際、一部の汚泥を返送管20aから凝集反応槽4に循環すると、汚泥の沈殿性が改善される。
【0030】
このようにしてフッ化物イオンおよびCOD成分含有水を処理すると、蒸発装置3から回収した水は清浄な水として利用できる。また固液分離槽2からの流出液中に残留するカルシウムイオンとフッ化物イオンが濃縮されてフッ化カルシウムとして析出するため、凝集反応槽4において添加するアルカリ剤使用量は少なくなる。
【0031】
イオン交換工程では、流路19から分離液をイオン交換槽22に導入して、弱塩基性アニオン交換樹脂等の樹脂層23を通過させてイオン交換を行い、ジチオン酸イオン等のCOD成分を樹脂に交換吸着させて除去し、処理水を処理水管24から系外へ排出する。この場合、前記予備分離工程および凝集分離工程においてフッ化物イオンを除去されているので、イオン交換工程におけるフッ化物イオンの負荷を小さくすることができ、これによりCOD成分をイオン交換槽で効率よく除去することができる。
【0032】
再生は酸またはアルカリ液等の再生剤を薬液管25から注入して行い、再生排液を排液管26から排出する。再生排液中のジチオン酸は酸化により硫酸塩とすることができる。
【0033】
図2は他の実施形態の処理装置を示す系統図であり、スーツ混合方式の排煙脱硫装置のようなpHが中性付近でフッ化物イオンの少ない被処理水に適用した例を示す。
図2において、31は濾過槽、32は活性炭処理槽である。
【0034】
この処理方法は予備分離工程がなく、蒸発工程から始まる。蒸発工程では原水管6から原水を蒸発装置3に導入し、前記図1の場合と同様に処理する。続いて凝集分離工程も凝集反応槽4および固液分離槽5において前記と同様に処理を行う。固液分離槽5の分離汚泥は一部を返送管20から凝集反応槽4に返送し、残部を排泥管33から排出する。
【0035】
固液分離槽5の分離液は濾過工程として、流路19から濾過槽31に導入し、濾層34を通過させて濾過を行う。濾層34は砂、アンスラサイト等の粒状濾材の充填層からなり、ここでSSを除去する。濾層34が閉塞したのちは、逆洗を行い濾層を再生する。
【0036】
濾過槽31の濾過液は活性炭処理工程として、流路35から活性炭処理槽32に導入し、活性炭層36を通過させて活性炭処理を行い、TOC成分を吸着除去する。活性炭層36としては粒状活性炭の充填層を用いることができ、その吸着力が低下したときは取換えるか、加熱再生炉により再生して再使用することができる。活性炭処理槽31はイオン交換槽22の後に設けてもよい。また活性炭処理として、活性炭層36の代りに粉末活性炭を用いて処理を行うことができるが、この場合は凝集反応槽4に添加するのが好ましい。
【0037】
活性炭処理槽32において処理を行った活性炭処理液は流路37からイオン交換槽22に導入し、前述の通りイオン交換を行う。濾過槽31でSSが除去されているので、樹脂層23の汚泥、閉塞は防止される。また活性炭処理槽32でTOC成分が除去されているので、樹脂層23の負荷を低くできるとともに、処理水のTOC値を低くすることができる。
【0038】
上記のような濾過槽31および活性炭処理槽32は図1の装置においても、固液分離槽5とイオン交換槽22の間に設けることができ、前記と同様に処理することができる。
【0039】
【実施例】
次に本発明を試験例により説明する。
実施例1
F500〜1100mg/l、Mg400〜700mg/lを含むpH1.4〜2.5のスーツ分離方式の排煙脱硫排水に、予備分離工程として返送汚泥を混合して溶解し、これにCa(OH)2を4000〜6000mg/l添加して30分間反応させた後固液分離して予備分離工程の流出液を得た。この流出液を蒸発工程として強制循環型の蒸発装置(保有水量1.7m3)に1.1m3/hrで供給し、濃縮倍率を10倍として蒸発させた。この濃縮液を凝集分離工程として水酸化ナトリウムを16000mg/l(1600mg/l−原水)添加して凝集させ、固液分離して分離汚泥を予備工程に返送した。分離液を濾過したのち、活性炭を100liter充填した活性炭処理槽で活性炭処理し、その後、弱塩基性アニオン交換樹脂を200liter充填したイオン交換槽でイオン交換した。イオン交換樹脂の再生は水酸化ナトリウムと硫酸で行った。
各段階における水質を表1に示す。なお処理水の重金属はすべて排水基準以下であった。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】
本発明では、フッ化物イオンおよびCOD成分含有水を蒸発させて水を回収するとともに、濃縮液を凝集分離したのちイオン交換するようにしたので、利用可能な状態で水を回収できるとともに、効率よくしかも高度に、フッ化物イオンおよびCOD成分を除去することができる。
【0042】
またフッ化物イオンおよびCOD成分含有水にカルシウムイオンおよび/またはアルミニウムイオンを存在させて沈殿を生成させ、これを固液分離した後の流出液を蒸発させると、少ない薬剤使用量によりさらに効率よくフッ化物イオンおよびCOD成分を除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施態様によるフッ化物イオンおよびCOD成分含有水の処理装置の系統図である。
【図2】他の実施態様によるフッ化物イオンおよびCOD成分含有水の処理装置の系統図である。
【符号の説明】
1 予備反応槽
2、5 固液分離槽
3 蒸発装置
4 凝集反応槽
6 原水管
7、8、15、16 薬注管
9、17 攪拌器
10、12、14、18、19、35、37 流路
11、33 排泥管
13 水回収路
20、20a 返送管
21 溶解槽
22 イオン交換槽
23 樹脂層
24 処理水管
25 薬液管
26 排液管
31 濾過槽
32 活性炭処理槽
34 濾層
36 活性炭層
Claims (2)
- フッ化物イオンおよびCOD成分含有水を蒸発させて水を回収するとともにフッ化物およびCOD成分を濃縮する蒸発工程と、
蒸発工程で得られた濃縮液を多価金属イオンの存在下にpH調整し、沈殿物を生成させて固液分離する凝集分離工程と、
凝集分離工程で得られた分離液をアニオン交換樹脂で処理してCOD成分を除去するイオン交換工程と
を含むことを特徴とするフッ化物イオンおよびCOD成分含有水の処理方法。 - 蒸発工程の前にフッ化物イオンおよびCOD成分含有水をカルシウムイオンおよび/またはアルミニウムイオンの存在下にpH5〜8.5に調整し、不溶性化合物を析出させて分離する予備分離工程を含む請求項1記載の方法。
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