JP4543481B2 - ホウ素およびフッ素含有水の処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はホウ素およびフッ素含有水をアルミニウム化合物およびカルシウム化合物で処理し、固液分離してホウ素を除去し、その分離液をさらに処理してフッ素を除去するホウ素およびフッ素含有水の処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ホウ素化合物およびフッ素化合物は種々の分野で使用されており、これらの分野から発生する排水、あるいは他の分野で発生する排水にはホウ素化合物およびフッ素化合物を含むものがある。このような化合物は有害とされているため、ホウ素化合物およびフッ素化合物含有水からホウ素化合物およびフッ素化合物を除去するための処理が行なわれている。
【0003】
ホウ素含有水の処理方法として、アルミニウム化合物およびカルシウム化合物によりpH9以上で不溶化物として沈殿させ、固液分離する方法(特開昭57−81881号)、ならびにアルミニウム化合物およびカルシウム化合物で処理して固液分離し、分離液をアニオン交換樹脂で処理する方法(特開昭57−180493号)などが知られている。しかしこれらの方法ではホウ素の除去は可能であるが、フッ素の除去は不十分である。
【0004】
一方、フッ素含有水をカルシウム化合物およびアルミニウム化合物の存在下にpH5〜8.5に調整して沈殿物を分離し、分離液をマグネシウム化合物の存在下にpH9.5以上に調整して沈殿物を分離し、得られた沈殿物を返送する方法(特開昭57−27191号)が知られている。しかしこの方法ではフッ素の除去は可能であるが、ホウ素の除去は不十分である。
【0005】
また、ホウ素およびフッ化物含有水の処理方法として、アルミニウム化合物の存在下pH4以下に調整し、さらにカルシウム化合物を加えてpH5以上に調整した後固液分離し、分離液にアルミニウム化合物および必要によりアルカリ剤を加えてpH10以上に調整した後固液分離し、分離した固形物を返送する方法(特開昭57−144086号)が知られている。しかしこの方法では、ホウ素およびフッ素除去率は必ずしも満足できるものではなく、また被処理水にマグネシウムが含まれている場合にはマグネシウムは第1段の反応で析出して除去され、後段のフッ素の高度処理に利用できないため薬剤使用量が多くなるなどの問題点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、ホウ素およびフッ素を高度処理して高除去率で除去することができ、被処理水中にマグネシウムが含まれる場合にはそのマグネシウムを利用して高度処理を行なうことにより薬剤使用量を少なくすることが可能なホウ素およびフッ素含有水の処理方法を得ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は次のホウ素およびフッ素含有水の処理方法である。
(1) ホウ素およびフッ素含有水からなる被処理水を、被処理水中のホウ素濃度1000〜3000mg/lに対して、アルミニウムとして200〜5,000mg/lのアルミニウム化合物、およびカルシウムとして2,000〜50,000mg/lのカルシウム化合物の存在下にpH9以上に調整して不溶性析出物を生成させる第1の反応工程と、
第1の反応工程の反応液を分離液と分離汚泥とに固液分離する第1の固液分離工程と、
第1の固液分離工程の分離液を、マグネシウムとして100〜1000mg/lのマグネシウム化合物の存在下にpH9.5以上に調整して不溶性析出物を生成させる第2の反応工程と、
第2の反応工程の反応液を分離液と分離汚泥とに固液分離する第2の固液分離工程と、
第1の固液分離工程の分離汚泥の一部を引き抜き、酸で中和してpH5〜8とする中和工程と
を含むホウ素およびフッ素含有水の処理方法。
(2) 第1の固液分離工程の分離汚泥の一部を第1の返送汚泥として第1の反応工程に返送する第1の返送工程を含む上記(1)記載の方法。
(3) 中和工程の反応液を固液分離し、分離液を第2の反応工程に送る第3の固液分離工程を含む上記(1)記載の方法。
(4) 第2の固液分離工程の分離汚泥を第2の返送汚泥として第1の反応工程に返送する第2の返送工程を含む上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の方法。
【0008】
本発明において処理対象となるホウ素およびフッ素含有水はホウ素およびフッ素を含む水であり、アルミニウムの電解製錬工程、リン酸肥料の製造工程、シリコン等の電機部品の洗浄工程およびウラン製錬工程、表面処理洗浄工程等から排出される排水、排煙脱硫および(または)脱硝排水などが例示できる。
ホウ素およびフッ素含有水中では通常ホウ素はオルトホウ酸(H3BO3)、フッ素はフッ化物イオン(F-)の形で含まれる場合が多いが、それぞれ他の形で含まれていてもよく、また両者が結合してホウフッ化物イオン(BF4 -)の形で含まれていてもよい。ホウフッ化物を含む場合は、前処理としてアルミニウム化合物の存在下にpH4以下に調整することにより、ホウ酸とフッ化物に分解して本発明の処理に供するのが好ましい。
【0009】
本発明ではこのようなホウ素およびフッ素含有水を第1の反応工程において、アルミニウム化合物およびカルシウム化合物の存在下にpH9以上、好ましくは11以上に調整して反応させ不溶性析出物を析出させる。反応工程に先立って沈降分離、濾過等の前処理を行って固形分等を除去しておいてもよい。
【0010】
アルミニウム化合物およびカルシウム化合物を存在させる量は被処理水のホウ素濃度その他の条件によって異なるが、被処理水中のホウ素濃度が1000〜3000mg/lに対して、アルミニウムとして200〜5,000mg/l、好ましくは400〜3,000mg/l、カルシウムとして2,000〜50,000mg/l、好ましくは4,000〜30,000mg/lとする。このようなアルミニウムおよびカルシウム濃度とするために、被処理水中にこれらが不足する場合には、アルミニウム化合物および/またはカルシウム化合物を添加することができる。
【0011】
添加するアルミニウム化合物としては硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム等のアルミニウム塩が好ましいが、水酸化アルミニウムその他のアルミニウム化合物でもよい。カルシウム化合物としては水酸化カルシウムがpH調整剤と兼用できるため好ましいが、酸化カルシウム、塩化カルシウム、硫酸カルシウムその他のカルシウム化合物でもよい。このほかにpH調整剤が必要な場合には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリが一般に添加することができるが、場合によっては塩酸、硫酸等の酸を添加することができる。
【0012】
これらの薬剤の添加順序は特に制限されないが、水酸化カルシウムを含むpH調整剤は最後に添加するのが好ましい。従ってアルミニウム化合物およびカルシウム化合物が塩の場合は両者のいずれを先に添加してもよいが、水酸化カルシウムのようにpH調整剤として兼用する場合は水酸化カルシウムは最後に添加する。また水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム等の不溶性または難溶性化合物を添加する場合には酸性条件下で添加するなどして溶解し、イオン化することができる。
【0013】
第1の反応工程における反応はホウ素およびフッ素含有水にアルミニウム化合物、カルシウム化合物、pH調整剤等を添加し撹拌して行う。この場合アルミニウム化合物およびカルシウム化合物が水酸化物となって析出する際、フッ素はフッ化カルシウム等の不溶化物となって析出し、ホウ素は析出する不溶性析出物中に取り込まれる。この反応は常温、常圧で行うことができるが、加熱、加圧下に行ってもよい。
【0014】
このように反応を行ったのち、反応液を第1の固液分離工程において分離液と分離汚泥に分離する。固液分離手段としては沈降分離が一般的であるが、濾過、遠心分離、膜分離等の他の分離手段でもよい。固液分離により大部分のホウ素およびフッ素は分離汚泥側に分離される。分離液中のホウ素は10mg/l以下に処理可能であるが、フッ素は10〜30mg/l程度と残留するため、第2の反応工程において主としてフッ素除去の高度処理を行う。
【0015】
第1の固液分離工程の分離液は第2の反応工程においてマグネシウム化合物の存在下にpH9.5以上、好ましくはpH9.5〜11に調整して不溶性析出物を析出させる。マグネシウム化合物を存在させる量は、マグネシウムとして100〜1000mg/l、好ましくは200〜500mg/lとする。マグネシウム化合物としては塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム等のマグネシウム塩が好ましいが、他のマグネシウム化合物を添加してもよい。被処理水がマグネシウムを含む場合には、マグネシウムは第1の反応工程で析出するので、第1の固液分離工程の分離汚泥を後述の中和工程で中和し、第3の固液分離工程で分離した分離液をマグネシウム化合物として用いるのが好ましい。pH調整剤としては前記のものが使用できる。
【0016】
第2の反応工程では第1の固液分離工程の分離液にマグネシウム化合物を添加し、さらにpH調整剤を添加して撹拌し、pH9.5以上に調整して反応させる。これによりマグネシウムが水酸化マグネシウムとなって析出する際、フッ素が取り込まれて不溶性析出物を生成する。
【0017】
第2の反応工程の反応液は第2の固液分離工程において分離液と分離汚泥に固液分離する。ここで得られる分離液はホウ素およびフッ素濃度は低くなる。このためそのまま排出することができるが、さらにイオン交換処理を行うことができる。
【0018】
第1の固液分離工程の分離汚泥は全量をそのまま、または中和工程を経て排出してもよいが、分離汚泥の一部を第1の返送工程において、第1の返送汚泥として第1の反応工程に返送するのが好ましい。また第2の固液分離工程の分離汚泥は全量を第2の返送工程において第2の返送汚泥として第1の反応工程に返送するのが好ましい。
【0019】
第1の反応工程に第1および/または第2の返送汚泥を返送すると、原水中のホウ素およびフッ素が返送汚泥に吸着されて濃縮され、原水中に残留するホウ素およびフッ素は新たに添加されるアルミニウム化合物およびカルシウム化合物の存在下にpH調整して生成する不溶性析出物に捕捉されて除去される。このような操作を繰り返し行うことにより分離汚泥のホウ素およびフッ素濃度は高くなり、ホウ素およびフッ素が高濃縮される。
【0020】
例えばアルミニウム化合物およびカルシウム化合物の存在下にpH9以上で凝集沈殿処理する場合は、生成する不溶性析出物(SS)中のホウ素量は0.01(g/g)程度である。すなわち、例えば100mg/lのホウ素を処理すると10000mg/l程度と多量のSSが生成する。このことは汚泥発生量が多いとともに使用薬剤量が多いことを意味する。これに対して発生した析出物を沈殿槽等で固液分離し、汚泥を反応槽に返送することにより汚泥が改質され、分離汚泥濃度およびホウ素およびフッ素濃度を上げることができる。また、第1の反応工程での新たなアルミニウム化合物およびカルシウム化合物の添加量を減らすことができ、その分汚泥発生量も減少する。この場合、薬剤添加量を同等とした場合は処理水中ホウ素およびフッ素濃度が低くなる。
【0021】
汚泥を返送しない場合は、固液分離により濃縮されるSS濃度は50000mg/l(ホウ素濃度で500mg/l)程度が限界である。この程度の汚泥濃度の汚泥のpHを中性にすると大部分のホウ素が汚泥中から溶出するため、埋め立て処理や、石炭火力発電所のように脱硫装置で回収される石コウ(pH5〜8)と混合処分を行うことができない。これに対して汚泥返送により改質し、汚泥中のホウ素濃度を1000mg/l以上とすることにより、pHを中性にしても溶出を防止することができる。これはホウ素濃度を高めることによりポリホウ酸化(高分子化)などによりホウ素化合物の形態が変わるため、中性でも水酸化アルミニウム等に吸着あるいは反応して固定化するものと推定される。
【0022】
前述のように分離汚泥を返送して反応を行うことにより使用薬剤量が減少し、使用薬剤を同等にしたときには高度処理により処理水のホウ素およびフッ素濃度が低くなるため、第2の反応工程でフッ素を除去した処理水はそのまま放流可能な場合があり、この場合には本発明の処理はこれで完結する。しかしさらにホウ素濃度を低くする場合には後述のイオン交換工程において処理水中の残留ホウ素を除去することができる。
【0023】
第1の固液分離工程の分離汚泥の一部は引抜汚泥として引き抜いて排出されるが、引抜汚泥は中和工程において酸で中和し、pH5〜8としたのち排出すると、環境汚染がなく好ましい。この場合中和する酸としては硫酸や塩酸等の鉱酸を用いることができるが、後述のイオン交換工程を採用する場合はそこで生じる酸性再生排液を用いるのが好ましい。このように引抜汚泥を酸で中和してもホウ素の溶出は少なく、環境汚染のおそれは低い。また被処理液がマグネシウムを含む場合、マグネシウムは第1の反応工程で析出して分離汚泥側に移行するが、中和工程において中和すると、汚泥中のアルミニウムおよびカルシウムは溶出しないにもかかわらず、マグネシウムは溶出する。
【0024】
このため中和工程の反応液を第3の固液分離工程において分離液と分離汚泥に固液分離すると、分離液はマグネシウムを含む。このためこの分離液を第2の反応工程に送ると、第2の反応工程におけるマグネシウムの添加量を減少させることができる。
この場合、第2の反応工程に送るマグネシウムの量が不足する場合にはマグネシウムを新たに添加することができ、また過剰に存在するときは中和工程におけるpHを高めに調整してマグネシウム溶解量を制御することができる。第3の固液分離工程で分離した分離汚泥はそのまま排出することができる。
【0025】
第2の固液分離工程の分離液をさらにイオン交換工程で高度処理する場合、イオン交換工程では固液分離工程で分離した分離液をイオン交換樹脂で処理することにより残留するホウ素およびフッ素を吸着除去する。イオン交換樹脂としてはアニオン交換樹脂が使用される。アニオン交換樹脂は強塩基性、中または弱塩基性のいずれの樹脂でもよく、またホウ素を選択的に除去する場合はホウ素選択性イオン交換樹脂、例えばN−メチルグルカミン型樹脂でもよい。アニオン交換樹脂はSO4形等の酸形またはOH形で使用することができるが、酸を再生剤として再生するものが好ましい。
【0026】
イオン交換による処理は浸漬法等でもよいが、カラム通水法が好ましい。カラム通水の場合の通水速度はSV0.1〜10hr-1、好ましくは1〜3hr-1程度とすることができる。このようなイオン交換によりホウ酸等のアニオンがアニオン交換樹脂に交換吸着して除去され、処理水はホウ素濃度が低くなっているため、そのまま放流してもよく、また回収して再利用してもよい。
【0027】
ホウ素を吸着した樹脂は再生剤で再生することにより再生することができる。
このとき再生剤として酸を使用し、再生排液を引抜汚泥と混合して中和を行うと、引抜汚泥を中和できるとともに、再生排液中のホウ素およびフッ素も引抜汚泥に捕捉される。そして、この中和反応物は固液分離して固形物を排汚泥として排出し、分離液は原水とともに反応工程に送って処理を繰り返すことができるが、分離液中のホウ素およびフッ素濃度は低く処理は容易である。
【0028】
再生剤として酸を使用する場合、硫酸、塩酸等の鉱酸を使用することができる。アニオン交換樹脂をOH形で使用する場合は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリを使用することができ、特にホウ素選択性イオン交換樹脂を用いる場合は、酸で再生後アルカリで再生するのが好ましい。樹脂の再生方法は通常の再生方法を採用することができ、1〜10重量%の酸またはアルカリ水溶液を流速SV0.1〜10hr-1で通液する薬注工程、および同流速で純水で通液する押出工程を行った後、イオン交換工程と同等の流速で純水を通水する洗浄工程を行うことができる。
【0029】
再生排液は酸濃度またはアルカリ濃度の高い初期の排出部分を中和等に利用することができる。酸性再生排液を引抜汚泥の中和に利用するときは、引抜汚泥と酸性再生排液と混合して反応させ、固液分離して固形分を排汚泥として排出し、分離液を反応工程に返戻する。アルカリ性再生排液が発生する場合にはそのまま反応工程に返戻してアルカリ剤として使用し、含まれるホウ素およびフッ素は不溶性析出物に捕捉させることができる。
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、第1の反応工程においてホウ素およびフッ素含有水をアルミニウム化合物およびカルシウム化合物の存在下にpH9以上に調整して不溶性析出物を生成させ、固液分離した分離液を第2の反応工程においてマグネシウム化合物の存在下にpH9.5以上に調整して不溶性析出物を生成させ固液分離するようにしたので、ホウ素およびフッ素を高度処理して高除去率で除去することができ、被処理水中にマグネシウムが含まれる場合にはそのマグネシウムを利用して高度処理を行なうことにより薬剤使用量を少なくすることが可能なホウ素およびフッ素含有水の処理方法を得ることができる。
【0031】
また固液分離した第1および/または第2の分離汚泥を第1の反応工程に返送することにより、少ない薬剤量により高除去率で効率的にホウ素およびフッ素を除去することができ、発生汚泥量も少なく、しかも汚泥を中和してもホウ素およびフッ素の溶出を少なくすることができる。
【0032】
さらに固液分離工程の分離汚泥を中和して排出することにより、環境汚染を少なくできるほか、被処理水にマグネシウムを含む場合には、マグネシウムを溶出させてフッ素の除去に使用することができ、薬剤使用量をさらに少なくして高度処理を行うことができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面により説明する。
図1は実施形態のホウ素およびフッ素含有水の処理方法を示すフロー図であり、1は第1反応槽、2は第1固液分離槽、3は第2反応槽、4は第2固液分離槽、5は中和槽、6は脱水機である。
【0034】
図1の処理方法は、第1の反応工程において第1反応槽1に原水11を導入し、アルミニウム化合物12、カルシウム化合物13、pH調整剤14等を注入してpH9以上、好ましくは11以上に調整し、攪拌機7で撹拌混合して反応させ不溶性析出物を生成させ、ホウ素およびフッ素を捕捉させる。
【0035】
第1反応槽1の反応液15は第1の固液分離工程として第1固液分離槽2に送り、その際必要により高分子凝集剤等の凝集剤16を添加してフロックを生成させ、第1固液分離槽2で静置させることにより固液分離を行う。
【0036】
第2の反応工程として第1固液分離槽2で分離した分離液17を第2反応槽3に送り、マグネシウム化合物18を注入するとともにpH調整剤19を注入し、攪拌機8で撹拌してpH9.5以上、好ましくは9.5〜11に調整して不溶性析出物を生成させ、主としてフッ素を捕捉する。第2反応槽3の反応液20は第2の固液分離工程として第2固液分離槽4に送り、その際必要により高分子凝集剤21を添加してフロックを生成させ、第2固液分離槽4で静置することにより固液分離する。
【0037】
第1固液分離槽2の分離汚泥22の一部は第1の返送汚泥23として第1反応槽1に返送し一部は引抜汚泥24として中和槽5に送り、ここで酸25を添加して攪拌機9で撹拌してpH5〜8に調整して中和する。中和汚泥26は第3の固液分離工程として脱水機6に送って固液分離し、分離液27はマグネシウム化合物18として第2反応槽3に送り、分離汚泥28は排汚泥として排出する。
【0038】
第2固液分離槽4の分離汚泥29は第1反応槽1に返送し、分離液30は処理水として排出する。分離液30はイオン交換樹脂(図示せず)によりさらに高度処理することができるが、この場合酸で再生した再生排液は酸25として中和に利用することができる。
【0039】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。
【0040】
比較例1
ホウ素110mg/l、フッ素145mg/l、マグネシウム267mg/lを含み、pH6.1の石炭火力排煙脱硫排水を図1の第1反応槽1および第1固液分離槽2に通水した。硫酸バンド5000mg/l(固形)添加し、消石灰にてpHを12.2〜12.5に調整した。第1反応槽1の滞留時間は原水流量当たり3時間とし、第1固液分離槽2の分離汚泥を原水流量の6倍流量で返送したところ、10日間通水後の処理水中ホウ素濃度は5.6mg/l、フッ素濃度は15.7mg/l、マグネシウム濃度は0.1mg/l以下、沈殿汚泥濃度は153g/lとなった。
【0041】
実施例1
比較例1で得られた第1固液分離槽2の分離汚泥に硫酸を添加し、pHを7.1に調整して脱水したところ、脱水濾液中マグネシウム濃度は3320mg/lであった。この脱水濾液を比較例1の処理水と流量比(1:13)で混合後、硫酸でpH10.7に調整し析出した析出物を固液分離したところ、処理水中フッ素濃度は5.0mg/l、マグネシウム濃度は96mg/lであった。
【0042】
比較例2
比較例1の処理水に硫酸を添加、pH10.7に調整後、固液分離したところ、処理水中フッ素濃度は15.4mg/lであり、ほとんど除去されなかった。
【0043】
以上の結果より、アルミニウム化合物およびカルシウム化合物で析出させた後マグネシウム化合物で析出させることにより、ホウ素およびフッ素を高除去率で処理できることがわかる。この場合分離汚泥を酸で中和することによりマグネシウムを有効に利用して薬剤を減少させることができることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態のホウ素およびフッ素含有水の処理方法のフロー図である。
【符号の説明】
1 第1反応槽
2 第1固液分離槽
3 第2反応槽
4 第2固液分離槽
5 中和槽
6 脱水機
Claims (4)
- ホウ素およびフッ素含有水からなる被処理水を、被処理水中のホウ素濃度1000〜3000mg/lに対して、アルミニウムとして200〜5,000mg/lのアルミニウム化合物、およびカルシウムとして2,000〜50,000mg/lのカルシウム化合物の存在下にpH9以上に調整して不溶性析出物を生成させる第1の反応工程と、
第1の反応工程の反応液を分離液と分離汚泥とに固液分離する第1の固液分離工程と、
第1の固液分離工程の分離液を、マグネシウムとして100〜1000mg/lのマグネシウム化合物の存在下にpH9.5以上に調整して不溶性析出物を生成させる第2の反応工程と、
第2の反応工程の反応液を分離液と分離汚泥とに固液分離する第2の固液分離工程と、
第1の固液分離工程の分離汚泥の一部を引き抜き、酸で中和してpH5〜8とする中和工程と
を含むホウ素およびフッ素含有水の処理方法。 - 第1の固液分離工程の分離汚泥の一部を第1の返送汚泥として第1の反応工程に返送する第1の返送工程を含む請求項1記載の方法。
- 中和工程の反応液を固液分離し、分離液を第2の反応工程に送る第3の固液分離工程を含む請求項1記載の方法。
- 第2の固液分離工程の分離汚泥を第2の返送汚泥として第1の反応工程に返送する第2の返送工程を含む請求項1ないし3のいずれかに記載の方法。
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