JP3077174B2 - フッ化物含有液の処理方法 - Google Patents

フッ化物含有液の処理方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はフッ化物含有液の処理方法に係り、特にフッ
化物含有液からフッ化物を沈殿物として工業的に有利に
除去することができる方法に関する。
[従来の技術] 従来、フッ化物含有液の処理方法として、フッ化物の
2倍当量程度のカルシウムイオンを添加し、沈殿物を生
成させてこれを除去する処理方法が知られているが、こ
の方法では十分にフッ化物濃度の低い処理水が得られな
いという欠点があった。
上記の欠点を解消し、フッ化物含有液を効率的に処理
する方法として「フッ化物イオンおよび硫酸イオン含有
水にカルシウム化合物を添加して懸濁液を得る工程と、
前記工程の懸濁液を処理水と沈殿物とに分離する工程と
を含む水の処理方法において、さらに、前記沈殿物を前
記カルシウム化合物を添加する工程に返送する工程を含
むことを特徴とする水の処理方法。」が先に提案された
(特開昭59−169595号)。
第2図は特開昭59−169595号の処理方法を説明する系
統図であり、31は溶解槽、32は第1反応槽、33は第1沈
殿槽、34は第2反応槽、35は第2沈殿槽である。
この方法は、まず原水を後述の第2沈殿槽35の沈殿物
と共に溶解槽31に導入して必要に応じてHCl等の酸を添
加してpH4以下に調整することにより沈殿物を完全溶解
する。次いで、溶解槽31の流出液に第1沈殿槽33の沈殿
物を添加して第1反応槽に導入し、第1反応槽32におい
て、Ca2+を添加してpH5〜8.5とし、沈殿物を生成させ
る。この沈殿物は第1沈殿槽33にて固液分離して再び第
1反応槽へもどす(ここで得られる沈殿物はCaSO4,CaF2
が主体である)。更に、第2反応槽34において、第1沈
殿槽33の流出液にMg2+とCO32-を加えてpH9.5以上とする
ことにより凝集処理し、第2沈殿槽35にて固液分離す
る。第2沈殿槽35の沈殿物は溶解槽31に返送され、流出
水は硫酸でpH調整した後、処理水として系外へ排出され
る。
[発明が解決しようとする課題] 上記特開昭59−169595号の方法では次のような欠点が
あった。
第1反応槽32におけるスケール(CaSO4)が析出す
る場合がある。
溶解槽31はpH4以下とするため、耐酸性の容器が必
要となる。
溶解槽31で塩酸を添加するため、第1反応槽32で添
加するCaがCaCl2型となり、最終処理水中のCa濃度が高
い。このため、放流水基準に合わせて硫酸でpH調整する
と、CaSO4のスケールが析出する。
本発明は上記従来の問題点を解決し、スケールの発性
を抑えて高水質の処理水を少ない薬剤添加量にて、効率
的にかつ低コストで得ることができるフッ化物含有液の
処理方法を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明のフッ化物含有液の処理方法は、フッ化物含有
液に後述する第三工程、及び第五工程から排出される沈
殿物を添加すると共に、マグネシウム化合物の存在下、
硫酸を添加してpH4〜6.5に調整する第一工程と、第一工
程流出液にカルシウム化合物を添加してpH6.5〜8.5に調
整して懸濁液を得る第二工程と、第二工程の懸濁液を固
液分離して沈殿物と流出液を得、沈殿物の少くとも一部
を第一工程に返送する第三工程と、第三工程の流出液に
炭酸イオン源化合物を加えてpH9.5以上に調整して懸濁
液を得る第四工程と、第四工程の懸濁液を固液分離して
沈殿物と流出液を得、沈殿物の少くとも一部を第一工程
に返送する第五工程と、から成ることを特徴とする。
以下に本発明を図面を参照して詳細に説明する。
第1図は本発明のフッ化物含有液の処理方法の一実施
例を示す系統図である。図中、1は第1反応槽、2は第
2反応槽、3は第1沈殿槽、4は第3反応槽、5は第2
沈殿槽である。
本発明においては、まず、第一工程において、第1反
応槽1に原水導入管11から原水を導入すると共に、返送
管12及び13からそれぞれ第1沈殿槽3(第三工程)及び
第2沈殿槽5(第五工程)の沈殿物を導入し、薬注管14
から硫酸(H2SO4)を添加してはpH4〜6.5に調整する。
この第一工程においては、返送された沈殿物が溶解し、
溶解によりマグネシウムイオン(Mg2+)及びカルシウム
イオン(Ca2+)が溶出する。即ち、返送された沈殿物は
水酸化マグネシウム及び炭酸カルシウムを含んでいるた
め、溶解によりMg2+及びCa2+が溶出する。
この第一工程において、H2SO4の添加によりpH4〜6.5に
調整した場合には、耐酸性容器が不要となり、また返送
された沈殿物は完全溶解することがないため、この第一
工程におけるCaSO4スケールに対して種晶効果を発揮し
てスケール発生を防止する。マグネシウム化合物は排煙
脱硫排水等のフッ化物含有液中には通常必要量が存在す
るため、この第一工程で特に添加する必要はないが、マ
グネシウム化合物が40mg−Mg/よりも少ない場合に
は、適宜マグネシウム化合物を添加する。このマグネシ
ウム化合物の添加は、任意の場所で良く、例えば原水槽
や後述の第3反応槽(第四工程)4であっても良い。添
加するマグネシウム化合物としては、酸化マグネシウ
ム、水酸化マグネシウム、塩化マグネシウム等を用いる
ことができる。第一工程及び第四工程のマグネシウム化
合物は、沈殿物として返送され、再溶解させて循環使用
されるため、一旦、マグネシウム化合物を添加すれば、
以後添加する必要はない。但し、後述の第3反応槽(第
四工程)4におけるMg(OH)の析出量とMg(OH)
フッ化物(F-)吸着量とは比例するので、フッ化物の処
理レベルに応じて第1反応槽(第一工程)及び第3反応
槽(第四工程)のマグネシウム量を加減することが重要
である。
この第一工程では、更に硫酸バンドを添加するのが好
ましい(配管15)。硫酸バンドの添加により、Al3+イオ
ンが液中に放出され、第二工程でのフッ化物除去率が向
上すると共に、カルシウム化合物の添加量を低減するこ
とができる。硫酸バンド添加量は多い程フッ化物除去率
が向上する。フッ化物除去率向上効果及び薬剤コストの
面から、第1反応槽(第一工程)1の硫酸バンドの添加
量は100〜3000mg/程度とするのが好ましい。なお、硫
酸バンドの添加は第一工程に限らず、例えば原水槽で行
なっても良い。
第二工程では、第1反応槽(第一工程)1の流出液を
配管16より第2反応槽2に導入し、第2反応槽2にて配
管17よりカルシウム化合物を添加し、必要に応じてpH調
整剤を配管18より添加してpH6.5〜8.5に調整し懸濁液を
得る。カルシウム化合物を加えてpHを6.5〜8.5に調整す
ることにより、生成したCa2+と液中のF-とからCaF2の沈
殿が形成され、懸濁状態となる。液中にアルミニウムイ
オン(Al3+)が存在する場合にはAl(OH)がF-を抱き
込んだ形で沈殿物に含まれると考えられるが詳細は不明
である。なお、この第二工程で添加されるカルシウム化
合物としては水酸化カルシウム(消石灰)、塩化カルシ
ウム、炭酸カルシウム等を用いることができる。カルシ
ウム化合物の添加量は液中のカルシウム濃度がCaF2とし
てのCa当量に対して1〜3倍程度、特に2倍当量となる
ような量が好ましい。液中にAl3+が存在する場合には、
カルシウム化合物の添加量を減少させることができる。
このカルシウム化合物の添加量は、原水水質によっても
異なるが、一般には実験により容易に決定することがで
きる。
一方、pH調整剤としては、水酸化ナトリウム、炭酸ナ
トリウム、水酸化カルシウム等が使用でき、これらのう
ち、水酸化カルシウムはCa2+源としても有効である。
第二工程におけるpH範囲はCaF2やAl(OH)の溶解度
が小さく、Mg(OH)の沈殿生成の少ない範囲であっ
て、特にpH6.5〜7が好ましい。
この第二工程においては、CaF2の凝集沈殿効率向上の
ために高分子凝集剤を添加するのが好ましい。高分子凝
集剤としては、ポリアクリルアミド部分加水分解物等の
アニオン性高分子凝集剤等を用いることができ、その添
加量は0.1〜20mg/程度が好適である。高分子凝集剤は
第2反応槽2に配管19よりカルシウム化合物やpH調整剤
と共に同時又は前後して添加しても良いが、好ましくは
第2反応槽2の下流に別途ポリマー槽を設けて凝集反応
をおこさせるのが望ましい。
本発明においては、この第二工程の第2反応槽2中の
SS濃度が3〜20重量%となるように、第一工程への第三
工程及び第五工程からの沈殿物返送量を調節するのが好
ましい。
第三工程では、第2反応槽(第二工程)2の懸濁液を
配管20より第1沈殿槽3に導入して固液分離する。固液
分離により得られた沈殿物は配管21より抜き出し、少く
ともその一部を配管12より第1反応槽(第一工程)1に
返送し、残部は系外へ排出させる。一方、第1沈殿槽3
の流出液は配管22より第3反応槽(第四工程)4へ導入
する。
第四工程では、第1沈殿槽(第三工程)3の流出液に
配管23より炭酸イオン(CO3 2-)源化合物を加え、必要
に応じて配管24よりpH調整剤を添加してpH9.5以上、好
ましくはpH10〜11に調整する。炭酸イオンの存在下にpH
9.5以上に調整することにより、液中のカルシウムイオ
ンがCaCO3として、またマグネシウムイオンがMg(OH)
としてそれぞれ沈殿し、懸濁状態となる。そして、第
二、第三工程終了後、なお液中に残留するフッ化物はこ
れらの沈殿に抱き込まれて沈殿する。ここで必要に応じ
て第一工程で挙げられたようなマグネシウム化合物を添
加して析出するMg(OH)量を増加させることもでき、
Mg(OH)量に比例してフッ化物の除去率を向上させる
ことができる。
第3反応槽(第四工程)4に添加する炭酸イオン源化
合物としては、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム等が
使用できるが、炭酸ガスを吹込んでもよい。炭酸イオン
源化合物の添加量は、液中の炭酸イオン量がカルシウム
イオンに対して1/2当量程度以上、好ましくは1〜2当
量となるようにするのが好ましい。また、pH調整剤は、
マグネシウム化合物や炭酸塩を添加してなおpH9.5以上
にならないときに添加するもので、第二工程と同様のも
のが使用できる。
なお、第四工程において、液中のマグネシウムイオン
の量はフッ化物イオンに対し重量比で20倍以上とするこ
とにより、処理水中の残留フッ化物イオン量を5mg/以
下にすることができ、非常に好ましい。
第四工程では、CaCO3とMg(OH)が混合された状態
で析出するため、生成するフロックは緻密で重質のもの
となり、Mg(OH)単独の場合よりもフッ化物の除去率
が高く、しかも後工程の第五工程での固液分離性も良好
となり、高濃縮された状態の沈殿物が得られる。
この第四工程においても、フッ化物イオンを吸着した
Mg(OH)及びCaCO3の凝集沈殿効率向上のために高分
子凝集剤を添加するのが好ましい。高分子凝集剤として
は、ポリアクリルアミド部分加水分解物等のアニオン性
高分子凝集剤等を用いることができ、その添加量は0.1
〜20mg/が好適である。高分子凝集剤は第3反応槽4
に配管25より炭酸イオン源化合物やpH調整剤と共に同時
又は前後して添加しても良いが、好ましくは第3反応槽
4の下流に別途ポリマー槽を設けて凝集反応をおこさせ
るのが望ましい。
また、第四工程においては、後述の第五工程の沈殿物
の少くとも一部を返送して、CaCO3スケールの発生を抑
制するのが好ましい。即ち、第3反応槽4には、第2沈
殿槽5の沈殿物を配管28,13,29を経て返送する。本発明
においては、このように沈殿物を返送することにより第
3反応槽4中のSSを0.2重量%以上とするのが好まし
い。このように沈殿物を返送することにより、その種晶
効果でCaCO3スケール発生を防止することができる。
第五工程においては、第3反応槽(第四工程)3の懸
濁液を配管26より第2沈殿槽5に導入して固液分離す
る。固液分離により得られた沈殿物は配管28より抜き出
し、少くともその一部を配管13より第1反応槽(第一工
程)1へ、また必要に応じて配管29より第3反応槽(第
四工程)4に返送し、残部は系外へ排出させる。一方、
第2沈殿槽5の流出水は処理水として配管27より系外へ
排出させる。
なお、この第2沈殿槽(第五工程)5の流出水には硫
酸を加えて中性化するのが好ましい(配管30)。この場
合、処理水中のCa濃度は著しく低いため、中和剤として
硫酸を用いても、CaSO4が析出することはなく、処理水
はそのまま系外へ排出することが可能である。
本発明において、第一工程に返送された沈殿物は第一
反応槽1でその一部が溶解し、放出されたフッ化物イオ
ンは原水中のフッ化物イオンとともに前述の第二工程の
処理を受ける。また溶離したマグネシウムイオンはその
まま第3反応槽(第四工程)4に流出して、循環使用さ
れる。このため第3反応槽(第四工程)4におけるマグ
ネシウムイオンの添加量は第二工程から排出されるマグ
ネシウム沈殿物に対応する量だけでよいが、第二工程に
おいてpH7以下に調整する場合には、マグネシウムがほ
とんど沈殿しないので、マグネシウムイオンの添加は最
初だけでよいことになる。また原水中にマグネシウムイ
オンが含まれる場合は、第四工程でその量に見合うpH調
整剤を加え、第五工程中で余剰分のマグネシウム沈殿を
取り出せばよい。
このような本発明の方法において処理対象となるフッ
化物含有液としては、例えば、アルミニウムの電解製精
錬工程、リン酸肥料の製造工程、シリコン等の電気部品
の洗浄工程及びウラン製錬工程、表面処理洗浄工程等か
ら排出される廃水、ならびに排煙脱硫及び/又は脱硝廃
水等が挙げられる。特に酸度が2000mg/以下のフッ化
物含有液に好適である。
[作用] フッ化物を含有する原水と、Mg(OH)及びCaCO3
含む第三工程及び第五工程の沈殿物とを混合してpH4〜
6.5の酸性とすることにより、Mg(OH)が酸溶解する
(第一工程)、次いで、カルシウム化合物を添加する
と、Ca2+と液中のF-とでCaF2の沈殿が析出する(第二工
程)での、これを固液分離する(第三工程)。更に炭酸
イオン源化合物を添加してCa2+をCaCO3として析出させ
ると共に(脱Ca)、pHを上げてMg(OH)を析出させる
ことにより、なお残留するフッ化物をこれらの析出物が
吸着等の作用で抱き込んで沈殿する(第四工程)。従っ
て、この沈殿物を除去する(第五工程)ことにより、フ
ッ化物が高度に除去された処理水が得られる。
しかして、このような処理において、沈殿物を循環さ
せることにより、薬剤の添加量を低減し、低コストで処
理することが可能とされる。
このような原理の処理方法において、本発明では、特
に次のような効果が奏される。
第一工程でpH4〜6.5とすることにより、耐酸性容器
を不要とすることができる。
第一工程でpH4〜6.5とすることにより、第三工程及
び第五工程から返送された沈殿物が完全溶解することな
く、一部残留するようになる。このためこの残留分が第
一工程におけるCaSO4スケールに対して種晶効果を発揮
してスケールの発生を防止する。
の如く、各反応工程においてCaSO4、CaCO3に対す
る種晶が存在するようになるため、スケールの発生が防
止される。
第一工程において、H2SO4を添加するため、液中はC
a2+はCaSO4となる。このCaSO4型のCaは溶解度が低いた
め、従来の塩酸を用いた場合のCaCl型のCaに比べて液中
の残存量がはるかに低くなる。
このため、第四工程及び第五工程の脱Ca工程におい
て、従来のCaCl型のCaではCa残存量が多いのに対し、本
発明のCaSO4型のCaは脱Ca効率が高く、液中Ca残存量が
少ない。従って、第五工程からの処理水に硫酸で中和し
てもCaSO4が析出することはない。
[実施例] 以下に実施例、実験例及び比較例を挙げて本発明をよ
り具体的に説明する。
実施例1 下記水質の火力発電所における排煙脱硫排水を、第1
図に示す本発明の方法に従って処理した。
排煙脱硫排水水質 pH (−) :1.5〜2.4 酸度(mg/):1000〜2000(平均1200) F (mg/):45.0〜189(平均135) Ca (mg/):410〜880(平均650) Mg (mg/):12〜182(平均92.2) Al (mg/):17〜109(平均44.3) SS (mg/):27〜163(平均77.1) 即ち、上記水質の原水20m3/hに、第1反応槽(第一工
程)1にて、第1沈殿槽(第三工程)3及び第2沈殿槽
(第五工程)5の沈殿物をそれぞれ13m3/h,0.5m3/h加え
た後、硫酸700〜850mg/を加えてpH5.0〜6.0に調整
し、更に酸化マグネシウムを66mg/添加した。次い
で、これに第2反応槽(第二工程)2にて、消石灰を80
0〜1000mg/添加し、十分攪拌後、ポリアクリルアミド
部分加水分解物から成るアニオン性高分子凝集剤を6mg/
加えた。このときのpHは7.0〜7.2、懸濁物濃度は3.0
〜7.5重量%であった(なお、この懸濁物濃度は第三、
五工程の沈殿物の引抜量、即ち沈殿物の濃度で制御し
た)。
第1沈殿槽(第三工程)3にて固液分離後の流出水の
フッ化物イオン濃度は平均53.5mg/であった。第1沈
殿槽(第三工程)3の沈殿物を第1反応槽(第一工程)
1に返送するとともに、第1沈殿槽(第三工程)3の分
離水を第3反応槽(第四工程)4に送り、炭酸ソーダ60
0〜700mg/、苛性ソーダ(47重量%)2400〜2700mg/
及び第2沈殿槽(第五工程)5の沈殿物0.5m3/hを加え
て、pH10.0〜10.2とし、次いで第2反応槽(第二工程)
2で用いたと同一のアニオン性高分子凝集剤2mg/を加
え、十分攪拌後、第2沈殿槽(第五工程)5にて固液分
離した。
得られた処理水のフッ化物イオン濃度は10〜14mg/
(平均12.7mg/)であり、この処理水に硫酸100〜120m
g/を加えてpHを7.5に調整してもスケール等のにごり
は全く見られなかった。
実施例2 実施例1において、第1反応槽(第一工程)1に硫酸
600〜700mg/、硫酸バンド1400〜1550mg/を加えたこ
と以外は、実施例1と同様の処理法により処理した。
本実施例では、第1沈殿槽(第三工程)3の流出水の
フッ化物イオン濃度は平均49.2mg/、第2沈殿槽(第
五工程)5より得られる処理水のフッ化物イオン濃度は
10〜12mg/(平均10.5mg/)となり、実施例1よりも
一層安定した良好な処理結果が得られた。また、得られ
た処理水に実施例1と同様に硫酸を加えて中和しても、
スケール等のにごりは全く見られなかった。
実験例1 実施例1及び実施例2の方法において、第一〜第三工
程に用いる槽(第1反応槽1、第2反応槽2、第1沈殿
槽3)内にテストピースを懸垂してスケール付着試験を
行なったところ、実施期間30日後のスケール付着厚は第
1反応槽(第一工程)1、第2反応槽(第二工程)2、
第1沈殿槽(第三工程)3では、それぞれ0.07mm,0.05m
m,0.08mmであった。
実施例2において、トータルの沈殿物返送量を減らし
て、第2反応槽(第二工程)2中の懸濁物濃度を2重量
%に保持して、14日間運転したところ、各々のスケール
付着厚は0.2mm(第1反応槽1),0.15mm(第2反応槽
2),0.27mm(第1沈殿槽3)に急増し、スケールが析
出しやすいことが判明した。テストピースに付着したス
ケールを分析すると硫酸カルシウムが主成分であり、シ
リカが若干含まれていた。
なお、上記いずれの試験においても、第四工程である
第3反応槽4中のSSは0.2〜2重量%に保持した。
比較例1 実施例1において、第1反応槽(第一工程)1に硫酸
のかわりに塩酸(35重量%)1800〜3000mg/を加えてp
H4以下とし、また、第2反応槽(第二工程)2において
消石灰を1900〜2100mg/加えたこと以外は、実施例1
と同様に処理した。その結果、得られた処理水のフッ化
物イオン濃度は4〜10mg/で安定していたが、処理水
を硫酸で中和すると、硫酸カルシウムが析出し、細い配
管の詰りや槽壁への付着が発生した。
[発明の効果] 以上詳述した通り、本発明のフッ化物含有液の処理方
法によれば、耐酸性容器を必要とすることなく、少ない
薬剤の添加量にて、系内のスケールの発生を防止して、
フッ化物イオン濃度が例えば15mg/以下と著しく低い
高水質の処理水を安定かつ効率的に、低コストで得るこ
とが可能とされる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例に係るフッ化物含有液の処理
方法を説明する系統図、第2図は従来法を説明する系統
図である。 1……第1反応槽、2……第2反応槽、 3……第1沈殿槽、4……第3反応槽、 5……第2沈殿槽。
フロントページの続き (72)発明者 上野 利夫 宮城県宮城郡七ケ浜町代ヶ崎浜字前島1 番地 (72)発明者 大野 育英 宮城県宮城郡七ケ浜町代ヶ崎浜字前島1 番地の1 (72)発明者 大滝 三好 宮城県宮城郡七ヶ浜町代ヶ崎浜字前島1 番地の1 (72)発明者 村上 孝文 東京都新宿区西新宿3丁目4番7号 栗 田工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−90092(JP,A) 特開 昭62−197192(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 1/58

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フッ化物含有液に後述する第三工程、及び
    第五工程から排出される沈殿物を添加すると共に、マグ
    ネシウム化合物の存在下、硫酸を添加してpHを4〜6.5
    に調整する第一工程と、 第一工程流出液にカルシウム化合物を添加してpH6.5〜
    8.5に調整して懸濁液を得る第二工程と、 第二工程の懸濁液を固液分離して沈殿物と流出液を得、
    沈殿物の少くとも一部を第一工程に返送する第三工程
    と、 第三工程の流出液に炭酸イオン源化合物を加えてpH9.5
    以上に調整して懸濁液を得る第四工程と、 第四工程の懸濁液を固液分離して沈殿物と流出液を得、
    沈殿物の少くとも一部を第一工程に返送する第五工程
    と、 から成るフッ化物含有液の処理方法。
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