JP4594627B2 - フッ素含有排水の処理方法。 - Google Patents

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Description

本発明はフッ素を含有する排水の処理方法に関するものであり、更に詳しくは排水中に含まれるフッ素イオンを一段処理で低濃度まで除去する処理方法に関するものである。更に、フッ素と共に重金属化合物を含有する排水の処理方法に関するものである。
フッ素化合物は、化学工場や半導体製造、金属・ガラスの加工、メッキ加工等の業界に於いて大量に使用される有用な物質であるが、その人体・環境に対する有害性からそれらを含有する排水には排出基準値が設けられ、厳しい排出規制が行われている。
一般的な排水中のフッ素除去の方法としては、フッ素含有排水に消石灰、塩化カルシウム等のカルシウム化合物を添加し、更にpHを調整してフッ化カルシウムを沈殿させ、固液分離する方法が採られている。
しかしながらこの方法では、フッ素に対して過剰のカルシウムイオンを必要とし、又大量のカルシウムイオンを使用しても、そのフッ化カルシウムの溶解度から10数ppmのフッ素イオンが残留してしまう。
水質汚濁防止法が定めるフッ素の排水基準値は15ppm以下であるが、近年の環境保全の観点から8ppm以下に規制が強化されることになった。然し、カルシウム化合物による従来の方法では、この新基準値をクリアすることはできない。
このため複数の沈殿槽を用い、最終的に排水中に残ったフッ素をフッ素吸着樹脂で処理する方法が提案されている。(特許文献1参照)
この方法は、フッ素濃度を基準値以下に下げることが可能であるが、複数の処理槽が必要で、然も吸着樹脂の再生等のメンテナンスが必要となり、設備や処理工程の煩雑さから、小規模の事業者にとっては必ずしも好適な方法とは云い難い。
フッ素吸着樹脂を使用せずに、排出基準値以下とするため、アルミニウム化合物を添加して水酸化アルミニウムゲルを生成させ、これにフッ素イオンを吸着される所謂高度処理法が提案されている。(特許文献2参照)
この方法は、大量にアルミニウム化合物を加えなければならず、又生成するスラッジも膨大になり、更にスラッジの凝集性が悪く脱水が困難となる等処理操作、費用等の問題が多い。
更に、この方法の場合も凝集槽と沈殿分離槽の2段処理が必要であり、1槽だけのところでは設備の増強が必要となる。
又、上記のような化学工場や半導体製造、金属・ガラスの加工、メッキ加工等の工場排水は、フッ素以外に銅、亜鉛、クロム等の重金属化合物も含有する場合があるが、これら重金属化合物についても排水中から除去する必要がある。
更に、上記のようにフッ素の処理はカルシウム化合物により行われるが、一般的にカルシウムの添加量はフッ素イオンに対して過剰に添加されるため、排水中にカルシウムが残存することになり、このカルシウムが配管内で析出して、つまりの原因となる所謂カルシウムスケールの問題があった。
特開平5−92187号公報 特開平9−192675号公報
本発明は、上記のような従来の処理方法の欠点を改善し、何等の設備追加を必要とせず極めて簡単な操作、低廉なコストで少ないスラッジ量で排水中のフッ素濃度を排水基準値である8ppm以下とすることができるフッ素含有排水の処理方法を提供することを目的とし、更にはフッ素と共に重金属化合物を含有する排水から、フッ素と重金属化合物を同時に除去する処理方法を提供することを目的とする。
本発明の目的は下記(1)〜(8)の手段によって解決される。
(1)水中に含まれるフッ素イオンを除去する方法に於いて、被処理液にカルシウム化合物を添加し、pH4以上の状態で、下記一般式(1)、(2)で表される化合物、糖リン酸エステル、フィチン酸から選ばれる少なくとも一種の化合物を添加することを特徴とするフッ素含有排水の処理方法。
一般式(1)
Figure 0004594627
一般式(2)
Figure 0004594627
上記一般式(1)、(2)中、R〜Rは夫々水素原子、ホスホン酸基を表し、お互いに同じでも異なっていてもよい。R〜Rの何れかがホスホン酸基の場合、ホスホン酸基を介して他の一般式(1)、(2)で表される単位構造と連結してもよい。
(2)水中に含まれるフッ素イオンを除去する方法に於いて、被処理液にカルシウム化合物を添加し、pH4以上の状態で、下記一般式(1)、(2)で表される化合物、又は糖リン酸エステル、フィチン酸から選ばれる少なくとも一種の化合物、更に多価金属化合物を添加することを特徴とするフッ素含有排水の処理方法。
一般式(1)
Figure 0004594627
一般式(2)
Figure 0004594627
上記一般式(1)、(2)中、R〜Rは夫々水素原子、ホスホン酸基を表し、お互いに同じでも異なっていてもよい。R1〜R6の何れかがホスホン酸基の場合、ホスホン酸基を介して他の一般式(1)、(2)で表される単位構造と連結してもよい。
(3)多価金属化合物がアルミニウム塩、鉄塩、マグネシウム塩の何れかであることを特徴とする請求項2に記載のフッ素含有排水の処理方法。
(4)多価金属化合物の添加量は、多価金属として5〜500ppmであることを特徴とする請求項2又は3の何れかの項に記載のフッ素含有排水の処理方法。
(5)被処理液のpHを8〜11に調整してフッ素化合物及び/又は重金属化合物を凝集させることを特徴とする請求項1乃至4の何れかの項に記載のフッ素含有排水の処理方法。
(6)有機系凝集剤を添加することことを特徴とする請求項1〜5の何れかの項に記載のフッ素含有排水の処理方法。
(7)一般式(1)、(2)で表される化合物又は糖リン酸エステル、フィチン酸の添加量は、排水中のフッ素イオン1重量部に対し、0.1〜5.0重量部であることを特徴とする請求項1乃至6の何れかの項に記載のフッ素含有排水の処理方法。
一般式(1)
Figure 0004594627
一般式(2)
Figure 0004594627
上記一般式(1)、(2)中、R〜Rは夫々水素原子、ホスホン酸基を表し、お互いに同じでも異なっていてもよい。R1〜R6の何れかがホスホン酸基の場合、ホスホン酸基を介して他の一般式(1)、(2)で表される単位構造と連結してもよい。
(8)フッ素イオンを除去した後、硫酸塩、炭酸塩、リン酸塩から選ばれる少なくとも1つの化合物を添加して、被処理水中に溶存するカルシウムを不溶性物質として除去する工程を含むことを特徴とする請求項1乃至10の何れかの項に記載のフッ素含有排水の処理方法。
本発明によれば、フッ素を含有する排水から一次処理設備のみで、少ないスラッジ量で排水中のフッ素濃度を8ppm以下とすることができる。更に本発明によれば、フッ素と共に重金属化合物を含有する排水から、フッ素、重金属化合物を同時に除去することができる。
更に、本発明に従えば、フッ素を除去した処理水からフッ素を再溶出することなく、余剰のカルシウムを除去することが可能となり、カルシウムスケールの発生を抑えることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の排水の処理方法は、フッ素イオンを含有した排水、フッ素イオンと共に重金属化合物を含有する排水を対象とする。フッ素イオンがホウ素と共にホウフッ化水素酸塩を形成している場合は、ホウフッ化水素酸塩の分解行程を行った後、本発明の処理方法を適用してもよい。フッ素イオン、重金属化合物を含有する排水は、例えばメッキ加工業者、ガラス加工業者などから排出される排水などが挙げられるが、これに限定するものではない。
本発明は、水中に含まれるフッ素イオンを除去する方法に於いて、pH4以上の被処理水に対し、或はpH4以上になるようにカルシウム化合物と、下記一般式(1)、(2)で表される化合物、糖リン酸エステル、フィチン酸から選ばれる少なくとも一種の化合物を添加することを特徴とする。
一般式(1)
Figure 0004594627
一般式(2)
Figure 0004594627
上記一般式(1)、(2)中、R〜Rは夫々水素原子、ホスホン酸基を表し、お互いに同じでも異なっていてもよい。R〜Rの何れかがホスホン酸基の場合、ホスホン酸基を介して他の一般式(1)、(2)で表される単位構造と連結してもよい。
本発明に用いられるカルシウム化合物としては、少なくともその一部が排水中で溶解してカルシウムイオンを放出し、フッ素イオンと共に難溶性のフッ化カルシウムを形成するものであり、塩化カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム等が挙げられるが、これに限定するものではない。
カルシウム化合物の添加量は、排水中に含まれるフッ素濃度が50ppm以上であれば、そのフッ素濃度の当量以上であればよいが、過剰の添加はスラッジ増加の原因となるため、当量〜5倍当量、より好ましくは1.2倍〜4倍当量である。
排水中に含まれるフッ素濃度が50ppm以下のときは、排水中のカルシウム濃度として200ppm以上、より好ましくは300ppm以上とすればよい。
次に、一般式(1)、(2)で表される化合物について説明する。
一般式(1)、(2)で表される化合物の具体例として、下記表1に示したものが挙げられる。
Figure 0004594627
一般式(1)又は(2)に於いて、R〜Rはお互いに同じでも異なっていてもよく、各々水素原子又はホスホン酸基を示す。ここで云うホスホン酸基の導入率とは、一般式(1)又は(2)で表される単位構造を含む水溶性高分子に含まれる、R〜Rのうちホスホン酸基の割合(平均値)を云う。好ましい範囲としては0.5〜3が好ましく。更に、好ましくは0.8〜2.5が好ましい。
本発明に用いる一般式(1)又は(2)は、デンプン及びセルロースを構成するグルコースの水酸基にリン酸がエステル結合したものである。本発明では、1個のリン酸に1個のグルコースが結合したモノグルコース型、1個或はそれ以上のリン酸を挟んで2個のグルコースが架橋状に結合した架橋型及びそれらの塩を単独で又は併せて用いられる。
尚、水に対する溶解性と云う点から、モノグルコース型の化合物を単独で用いるか又はモノグルコース型の混合比の高いものを用いることが好ましい。リン酸エステル結合のうち、架橋型の割合は20%以下が好ましく、更に好ましくは10%以下が好ましい。
次に糖リン酸エステルについて説明する。糖リン酸エステルとして、具体的にはα−D−グルコピラノース1−リン酸、α−D−フルクトフラノース6−リン酸、α−D−グルコピラノース6−リン酸、α−D−フルクトフラノース1,6−ニリン酸等が挙げられる。
一般式(1)又は(2)で表される化合物又はフィチン酸、糖リン酸エステル化合物の添加量は、排水中のフッ素イオン1重量部に対して0.1〜5.0重量部、好ましくは0.5〜3.5重量部である。
本発明に記載される一般式(1)又は(2)で表される化合物は、デンプンやセルロースをpH7〜8のリン酸ソーダ水溶液に浸漬し濾過乾燥したものを、減圧又は常圧下に120〜190℃で焙焼する方法で容易に合成できる。又、これらの合成物は、高分子論文集Vol.39,No.4,pp293〜298,Apr1982に記載される方法で確認を行うことが出来る。
又、市販品を使用することもできる。具体的には、日澱化学株式会社より「ブリバイン(登録商標)」シリーズ、ブリバインP−63として、日本食品化工株式会社より尿素リン酸エステル化でん粉として、日食MS#4400、日食MS#4600、日食スターコート#14・#16・#18として市販されているものや、或は、王子コーンスターチ株式会社のリン酸エステル澱粉等が好適に使用できる。
本発明では、このブリバインP−63を化合物1として、日食スターコート#14を化合物2として処理を行った。
本発明により、フッ素イオンを除去するためには、カルシウム化合物と一般式(1)、(2)の化合物又は糖リン酸エステル類、フィチン酸から選ばれる少なくとも一種の化合物を添加すればよいが、被処理水のpHが4以下の場合は、pHを4以上に調整する必要がある。pHの調整時期は、カルシウム化合物の添加前であっても添加後でも構わないが、一般式(1)、(2)の化合物又は糖リン酸エステル類、フィチン酸の添加前に、被処理液をpH4以上に調製しておくことによってフッ素を効率よく除去することができる。
pHを4以上に調整するためには、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ性物質が用いられるが、これに限定するものではない。尚、アルカリ性物質として水酸化カルシウムを使用すれば、カルシウムイオンの供給とpH調整が同時に行えるため好ましい。
本発明の処理方法は、多価金属化合物を併用することが好ましい。これらを併用することで、凝結した微細な集合体を大きくすることができるため、凝結したフッ素化合物の沈降速度が速まり、水との分離を効率よく行うことが出来る。
多価金属化合物としては硫酸第1鉄、硫酸第2鉄、塩化第1鉄、塩化第2鉄のような鉄化合物、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウムのようなアルミニウム化合物、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、水酸化マグネシウムのようなマグネシウム化合物、塩化亜鉛などのような亜鉛化合物が挙げられるが、これに限定されるのではない。
多価金属化合物の添加量は、多価金属として5〜500ppm、より好ましくは10〜250ppmである。過剰の添加はスラッジの増加を招くため好ましくない。
又、本発明の処理方法は、有機系の凝集剤を併用することが望ましい。有機系の凝集剤としては、ポリエチレンイミン、キトサン等のカチオン性有機系凝集剤、ポリアクリルアミド等のノニオン性有機系凝集剤、ポリアクリル酸、アクリルアミドとアクリル酸との共重合体及びその塩等のアニオン性有機系凝集剤が上げられるが、これらに限定されるものではない。又、その使用量は、凝集すればよく、特に制限は無い。
これらの有機系の凝集剤を添加することで、フッ素化合物のスラッジの嵩が小さくなり、効率よくスラッジ分離を行うことが出来る。
有機系の凝集剤は、被処理液に容易に可溶される場合、粉体で供給してもよいが、難溶の場合、予め水溶液の状態で供給することもできる。
排水中にフッ素の他に重金属化合物を含有しない場合、被処理水のpHを4以上に調整した後、カルシウム化合物及び一般式(1)、(2)の化合物又は糖リン酸エステル類、フィチン酸から選ばれる少なくとも一種の化合物を添加し、pHが6〜11程度であれば充分にフッ素を効率よく除去できるが、フッ素の他に重金属化合物を含有する場合、フッ素化合物と重金属化合物を同時に取り除くために、一般式(1)、(2)の化合物又は糖リン酸エステル類、フィチン酸から選ばれる少なくとも一種の化合物を添加した後、pHを若干アルカリ性側に調整することが望ましい。pHを若干アルカリ側に調整することで、一度にフッ素化合物と、重金属化合物を除去することが可能になる。具体的には、被処理水のpHを4以上に調整した後、カルシウム化合物及び一般式(1)、(2)の化合物又は糖リン酸エステル類、フィチン酸から選ばれる少なくとも一種の化合物を添加し、更にpHを8〜11、好ましくはpH9〜10.5の間に調整する。
pHの調整には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ性物質、硫酸、塩酸、リン酸等の酸性物質が用いられるが、これに限定されるものではない。
この操作によって、フッ素イオンを不溶化させると共に、重金属化合物を水酸化物として沈殿させることにより、フッ素イオンと重金属化合物を同時に除去することができる。更に、フロック強度を高めるために、凝集剤を添加してもよい。
フッ素イオン除去後に、余剰のカルシウムイオンを除去する場合、硫酸塩、炭酸塩、リン酸塩を添加すればよい。硫酸塩としては、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、炭酸塩としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、リン酸塩としては、リン酸、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム等が挙げられるがこれに限定されるものではない。
添加量は、残存しているカルシウム量に対して、0.2〜5倍当量、より好ましくは0.5〜2.5倍当量であり、所望の処理結果に合せて適宜調整すればよい。この処理によってカルシウムイオンを完全に除去する必要はなく、排水中のカルシウムイオンが経時で析出することのない程度まで除去すれば本発明の目的は達せられる。
次に、実施例に従い本発明を、更に詳しく説明する。
実施例に於いてフッ素濃度の測定は、JIS K0102のランタン−アリザリンコンプレキソン法、重金属化合物の測定は原子吸光分析法で行った。
〔実施例1〕
フッ素50ppm〜1000ppmを含有するモデル排水を作成し、以下のような操作を行い、処理後のフッ素濃度を測定した。
モデル排水 1−ア)フッ化水素酸水溶液(0.0053%)フッ素濃度 50ppm
1−イ)フッ化水素酸水溶液(0.0106%)フッ素濃度 100ppm
1−ウ)フッ化水素酸水溶液(0.0526%)フッ素濃度 500ppm
1−エ)フッ化水素酸水溶液(0.1053%)フッ素濃度 1000ppm
操作
フッ素に対して2倍当量に相当するカルシウムを添加(表2参照)し、更にNaOHで表2記載のpHに調整した。30分撹拌した後、表2記載のホスホン酸系化合物をモデル排水1l当り0.2g添加し、更にpHを塩酸で8に調整した。30分静置し、沈殿物が沈降した後の上澄み液のフッ素濃度を測定した(本発明1〜12)。
比較例として、ホスホン酸系化合物を添加しないで同様の処理を行った(比較例1〜5)。
初期フッ素濃度とカルシウム化合物の添加量及び処理後のフッ素濃度を表2に示す。
Figure 0004594627
処理工程13〜17(比較例1〜5)に示すように、従来の処理方法であるカルシウム化合物による沈降分離の方法では、カルシウムを過剰に添加しても、フッ化カルシウムがある程度溶解してしまうため、排水基準値となる8ppm以下ではクリアできないが、ホスホン酸系化合物を使用すればフッ素2倍程度のカルシウム添加量8ppmをクリアできる。
処理方法18(比較例6)に示すように、本発明化合物を添加する前の被処理水のpHが4以下の場合、除去率が低くなるが、処理方法1〜12に示すように、pHを4以上とすれば充分な効果が得られる。
〔実施例2〕
実施例1の処理方法1〜4の処理工程と、この操作の後27%硫酸バンド0.5g/lを添加し、更に硫酸でpH8.0に調整した。次いで、アクリルアミド−アクリル酸共重合体5ppmを添加して5分間攪拌し、10分静置後の上澄み液のフッ素濃度とスラッジの嵩を測定した。
初期フッ素濃度とカルシウム化合物の添加量及びフッ素の処理結果を表3に示す。
Figure 0004594627
化合物1と共にアルミニウム化合物、凝集剤を併用することで、フロックの沈降速度が大幅に速まり、更にフロック強度も強固になった。
〔実施例3〕
フッ素と共に重金属化合物を含有する排水として、モデル排水2として作成した。
モデル排水2 :フッ化水素水溶液(0.0053) フッ素 50ppm
塩化亜鉛 0.10g/l 亜 鉛 50ppm
塩化第2鉄 0.07g/l 鉄 20ppm
モデル排水2のpHは2.8
このモデル排水2に水酸化カルシウムを0.74g/l(カルシウムとして400ppm)添加した後、pHを6.0に調整し、更に化合物1を0.2g/l添加し、表4のように調整した。
アクリルアミド−アクリル酸共重合体10ppmを添加して5分間攪拌し、10分間静置後の上澄み液のフッ素濃度、亜鉛濃度及び鉄濃度を測定した。
Figure 0004594627
化合物1を添加することによって、全ての工程でフッ素濃度は8ppm以下にすることが可能となっているが、更に、最終的に処理液pHを表4の行程25〜29のようにpHを8〜11にすることによって、重金属の残存量も同時に減少させることができ、更に好ましくはpH9〜10.5の間に調整することで、1ppm以下までの廃水処理が可能となった。
〔実施例4〕
実施例1の本発明1〜4(処理工程1〜4)、比較例1〜4(処理工程13〜16)についてフッ素の処理を行った後、スラッジをろ過することなく、引続き炭酸水素ナトリウムを処理排水1lあたり表5に示す量添加して余剰のカルシウムイオンを沈降除去した。炭酸水素ナトリウム添加前と添加後のフッ素濃度及びカルシウム濃度を表5に示す。
Figure 0004594627
表5に示す通り、処理工程30〜33のように、本発明の化合物を使用してフッ素除去工程を行った場合。余剰カルシウムを減らす処理を行っても、フッ素の再溶出は見られないが、本発明の化合物を使用しない処理工程34〜37の場合、余剰カルシウムを減らすことにより、フッ化カルシウムスラッジからフッ素の溶出が見られる。
又、処理工程1〜4、30〜33の上澄み液を塩ビ容器で1ヶ月間放置し、カルシウムスケールの発生の有無について観察した。その結果を表6に示す。
Figure 0004594627
表6に示す通り、溶存カルシウム量が多いと、経時によりカルシウムスケールが発生するが、本発明に従い余剰カルシウムを除去するとスルシウムスケールは発生しない。

Claims (5)

  1. 水中に含まれるフッ素イオンを除去する方法に於いて、被処理液に、塩化カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウムから選ばれる少なくとも一種のカルシウム化合物を、被処理液に含まれるフッ素濃度が50ppm以上の場合には当該フッ素濃度の当量〜5倍当量、被処理液に含まれるフッ素濃度が50ppm以下の場合には200ppm以上添加して、フッ化カルシウムを生成させた後、pH4以上の状態で、下記一般式(1)、(2)で表される化合物、糖リン酸エステル、フィチン酸から選ばれる少なくとも一種の化合物を、被処理液のフッ素イオン1重量部に対して0.1〜5.0重量部、該被処理液に溶解させ、分散しているフッ化カルシウムを凝集させることを特徴とするフッ素含有排水の処理方法。
    一般式(1)
    Figure 0004594627
    一般式(2)
    Figure 0004594627
    上記一般式(1)、(2)中、R〜Rは夫々水素原子、ホスホン酸基を表し、お互いに同じでも異なっていてもよい。ホスホン酸基の導入率は0.5〜3.0で〜Rの何れかがホスホン酸基の場合、ホスホン酸基を介して他の一般式(1)、(2)で表される単位構造と連結してもよい。
  2. 水中に含まれるフッ素イオンを除去する方法に於いて、被処理液に、塩化カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウムから選ばれる少なくとも一種のカルシウム化合物を、被処理液に含まれるフッ素濃度が50ppm以上の場合には当該フッ素濃度の当量〜5倍当量、被処理液に含まれるフッ素濃度が50ppm以下の場合には200ppm以上添加して、フッ化カルシウムを生成させた後、pH4以上の状態で、下記一般式(1)、(2)で表される化合物、糖リン酸エステル、フィチン酸から選ばれる少なくとも一種の化合物を、被処理液のフッ素イオン1重量部に対して0.1〜5.0重量部、該被処理液に溶解させ、更に鉄化合物、アルミニウム化合物、マグネシウム化合物、亜鉛化合物から選ばれる少なくとも一種の多価金属化合物を、多価金属として5〜500ppm添加し、分散しているフッ化カルシウムを凝集させることを特徴とするフッ素含有排水の処理方法。
    一般式(1)
    Figure 0004594627
    一般式(2)
    Figure 0004594627
    上記一般式(1)、(2)中、R〜Rは夫々水素原子、ホスホン酸基を表し、お互いに同じでも異なっていてもよい。ホスホン酸基の導入率は0.5〜3.0で〜Rの何れかがホスホン酸基の場合、ホスホン酸基を介して他の一般式(1)、(2)で表される単位構造と連結してもよい。
  3. 被処理液のpHを8〜11に調整してフッ素化合物及び/又は重金属化合物を凝集させることを特徴とする請求項1又は2に記載のフッ素含有排水の処理方法。
  4. 有機系凝集剤を添加することことを特徴とする請求項1〜3のうち何れか1項に記載のフッ素含有排水の処理方法。
  5. フッ素イオンを除去した後、硫酸塩、炭酸塩、リン酸塩から選ばれる少なくとも1つの化合物を添加して、被処理水中に溶存するカルシウムを不溶性物質として除去する工程を含むことを特徴とする請求項1〜4のうち何れか1項に記載のフッ素含有排水の処理方法。
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