JP2008086840A - フッ素を含む排水の晶析処理方法 - Google Patents

フッ素を含む排水の晶析処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】フッ素を含む排水の晶析処理方法を提供する。
【解決手段】フッ素を含む排水とカルシウム含有液とを晶析反応槽に供給し、晶析反応槽内でpH2超かつ3以下の条件下でフッ化カルシウムを析出させて、フッ素が低減された処理水を生じさせるフッ素の晶析処理方法。該方法により、晶析反応の際の微細結晶の生成を低減し、pH3超〜12の条件下では微細結晶が生成する高濃度の原水に対しても高いフッ素回収率を得ることができ、かつフッ化カルシウムの溶解度を適正な範囲に保つことで、処理水中の溶解性フッ素濃度をも低減でき、さらに従来法で必要とされるような加温操作も不要となり、処理系でのエネルギー消費を低減することが可能となる。
【選択図】図6

Description

本発明は、フッ素を含む排水から、フッ素を除去するフッ素の晶析処理方法に関する。
半導体や液晶などを製造するエレクトロニクス産業においては、その製造工程においてフッ素を使用するため、排水にフッ素が含まれることが多い。また、近年ではフッ素含有排水中のフッ素をフッ化カルシウムとして回収し、フッ酸製造の原料としてリサイクルするニーズが高まってきている。
フッ素含有排水からフッ素を処理する方法としては、例えば特開2003−225680号に示されるように、種晶としてフッ化カルシウムを流動状態で保持した反応槽にフッ素を含有する排水とカルシウム剤を供給し、フッ化カルシウムをペレットの表面に析出させる晶析法と呼ばれる方法がある。当該晶析法においては、一般的には被処理水が反応槽の下部から導入され、フッ化カルシウムを流動化させながら上向流で通水され、必要に応じて反応槽流出水が反応槽へ循環される。この方法においては、カルシウム剤との反応により生じたフッ化カルシウムのペレットは含水率が低く、純度が高いため、回収されたフッ素を有効に再利用できる。上記方法の他にも、晶析を利用してフッ素含有排水からフッ素を回収し再利用する方法としては、特開2005−296888号に記載されているように、フッ化カルシウムの結晶または粒子が分散した条件下において、フッ素含有排水とカルシウム塩水溶液を注入することでフッ化カルシウムとして回収する方法がある。
これらの晶析法においては、処理水中の溶解性フッ素濃度を低減させるために、フッ化カルシウムの溶解度が低いpH3〜12、好ましくは4〜11の範囲で処理が行われることが一般的である。
一方で、フッ化カルシウムを析出させる際の微細結晶生成の問題を解決するものとして、特開2005−206405号には、反応系のpHを2以下にすることによって、高濃度のフッ素含有排水においても微細結晶を生成させることなしに、フッ化水素製造用に適する粒径を有するフッ化カルシウムを析出させる方法が記載されている。
また、高濃度のフッ素含有排水の処理におけるSS性フッ素の処理水中への流出によるフッ素の回収率低下を解決するものとして、特開2005−206405号および特開2005−230735号には、攪拌機を反応槽に設置した晶析反応槽が提案されている。
特開2003−225680号公報 特開2005−296888号公報 特開2005−206405号公報 特開2005−230735号公報
上記のようなフッ素処理法においては、排水中のフッ素濃度が高い場合、フッ化カルシウムの微細結晶が大量に発生して流出し、SS性のフッ素濃度が増大するという問題がある。そのため、フッ素の回収率((1−(処理水F/原水F))が低下するという問題が起こり、安定的な処理を行うためには、排水中のフッ素濃度や反応系内に導入可能なフッ素負荷量に制約があった。これは、特開2005−296888号に記載されている、フッ化カルシウムの結晶または粒子が分散した条件下において処理を行う方法においても同様であり、フッ素濃度が急激に高くなるとフッ素排水の導入量を調整して負荷を下げる必要があり、また加温操作を加えて、反応温度を40〜70℃程度とする必要があるため、多量のエネルギーを消費する。
微細結晶生成の問題を解決するものとして、特開2005−206405号には、反応系のpHを2以下にすることによって、高濃度のフッ素排水においても微細結晶を生成させることなしにフッ化カルシウムの結晶成長を行う方法が記載されている。しかし、このような条件下で反応を行うと、フッ化カルシウムの溶解度が高くなりすぎるために、処理水中に溶解して流出する溶解性のフッ素濃度が高くなり、やはりフッ素の回収率が低下するという問題があった。また、より高濃度のフッ素排水を処理するためには加温操作が必要となり、エネルギー消費量が多くなるという問題もある。本発明の1態様は上記課題を解決するものである。
また、反応系のpHを2以下にしてフッ化カルシウムの結晶成長を行う方法を記載する特開2005−206405号においては、フッ化カルシウムの結晶成長にあたって種晶を使用しておらず、むしろ種晶を使用しないことにより、得られる析出物の純度、経済性などの有利な効果を達成するとしている。よって、種晶を使用する方法において反応系のpHを2以下にすること、およびそれが如何なる効果を奏するかについては、特開2005−206405号においては、記載も示唆もなされていない。本発明の他の態様は、種晶を使用する晶析系において反応系のpHを2以下にすることによる有利な効果を見いだしたことに基づくものである。
さらに、攪拌機を反応槽に設置した晶析装置を用いる特開2005−206405号および特開2005−230735号の方法は、pH=1程度のフッ化カルシウムの溶解度が高い条件下、すなわち、微細なフッ化カルシウムが成長しにくい条件下で実施するものであるが、処理水の溶解性のフッ素濃度が高くなる問題がある。この溶解性フッ素をできるだけ低減するため、高温(40〜90℃)で反応させて、反応速度を上げる方法も提案されているが、加温のための熱が必要などの問題や、反応槽の材質や攪拌機の材質が高価となり、pH計などの計器の耐久性が短くなるなどの問題もある。これらの問題は、フッ化カルシウムの溶解度がpH=1では数百mg/Lと高いが、pH2〜11では、15〜数十mg/Lと非常に低く、0.5〜5%の高濃度のフッ酸とカルシウムを反応させると反応速度が非常に速く、瞬時に微細なフッ化カルシウム粒子を形成してしまう性質に原因がある。
本発明は第1の態様として、フッ素を含む排水とカルシウム含有液とを晶析反応槽に供給し、晶析反応槽内でpH2超かつ3以下の条件下でフッ化カルシウムを析出させて、フッ素が低減された処理水を生じさせるフッ素の晶析処理方法を提供する。
本発明は第2の態様として、フッ素を含む排水およびカルシウム含有液を晶析反応槽に供給し、晶析反応槽内でpH2以下の条件下で種晶上にフッ化カルシウムを析出させてペレットを形成させ、フッ素が低減された処理水を生じさせるフッ素の晶析処理方法を提供する。
本発明は第3の態様として、フッ素とカルシウムとを反応させてフッ化カルシウムを析出させる晶析反応槽が複数段直列に連結された晶析反応装置を用いて、フッ素を含む排水から、フッ素が低減された処理水を生じさせるフッ素の晶析処理方法であって、
第1段の晶析反応槽にフッ素を含む排水を供給し、かつ第1段の晶析反応槽に供給されるフッ素の0.6〜0.8倍量(重量比)のカルシウム量となるように、カルシウム含有液を第1段の晶析反応槽に供給して、フッ化カルシウムを析出させて、フッ素が低減された処理水を生じさせ、
第2段以降の晶析反応槽においては、前段からの処理水を晶析反応槽に供給し、第2段以降の晶析反応槽に供給されるカルシウムの合計量が、第1段の晶析反応槽に供給されるフッ素の0.2〜0.5倍量(重量比)(ただし、全ての晶析反応槽に供給されるカルシウム量の合計は、第1段の晶析反応槽に供給されるフッ素の1.0〜1.3倍量(重量比)である)となるように、カルシウム含有液を第2段以降の各段の晶析反応槽に供給して、第2段以降の晶析反応槽においてフッ化カルシウムを析出させて、フッ素が低減された処理水を生じさせる、フッ素の晶析処理方法を提供する。
本発明の第1の態様においては、晶析反応槽内で、pH2超かつ3以下の条件下でフッ化カルシウムを析出させることによって、晶析反応の際の微細結晶の生成を低減させ、pH3超〜12の条件下では微細結晶が生成する高濃度のフッ素を含む原水に対しても高いフッ素回収率を得ることができ、かつフッ化カルシウムの溶解度を適正な範囲に保つことで、処理水中の溶解性フッ素濃度をも低減でき、さらにフッ素を含む排水の一般的な温度である10〜40℃でも処理できることから、処理系でのエネルギー消費を低減できるという有利な効果を有する。
本発明の第2の態様においては、晶析反応槽内で、pH2以下の条件下で種晶上にフッ化カルシウムを析出させることによって、晶析反応の際の微細結晶の生成を低減させ、pH3超〜12の条件下では微細結晶が生成する高濃度の原水に対しても高いフッ素回収率を得ることができ、かつフッ化カルシウムの溶解度を適正な範囲に保つことで、処理水中の溶解性フッ素濃度をも低減でき、さらにフッ素を含む排水の一般的な温度である10〜40℃でも処理できることから、処理系でのエネルギー消費を低減できるという有利な効果を有する。また、このとき、回収されたフッ化カルシウムのペレットの純度は95%以上であり、多くの場合、98%程度の高純度のフッ化カルシウムを回収することができる。また、フッ化カルシウムのペレットの含水率は10%以下であり、多くの場合は2〜5%にすることができる。
本発明の第3の態様においては、晶析処理において複数段の晶析反応槽を使用し、第1段の晶析反応槽に供給されるカルシウムの量を、第1段の晶析反応槽に供給されるフッ素の0.6〜0.8倍量(重量比)にして、第2段以降に残りの量のカルシウムを分配して供給することにより、複数段の全段において供給される合計量のカルシウムを、単一段の晶析反応槽に供給して晶析処理を行う場合と比較して、過酷な条件で処理を行わなくても、微細粒子の発生量を低減でき、晶析処理によるフッ素回収率を向上できるという有利な効果を有する。
本発明におけるフッ素を含む排水は、フッ素を含むものであれば、如何なる由来の水であっても良く、例えば、半導体関連産業をはじめとする電子産業、発電所、アルミニウム工業などから排出される排水が挙げられるが、これらに限定されるものではない。排水中に含まれるフッ素は、晶析反応により晶析するのであれば、任意の状態で排水中に存在することが可能である。
本発明の晶析処理方法において晶析反応槽に供給される排水(すなわち原水)に含まれるフッ素の量は、特に限定されるものではないが、好ましくは、例えば、500〜10000mg−F/L、1000〜5000mg−F/L、または5000〜10000mg−F/Lの範囲である。
カルシウム含有液は、カルシウムを含有する液体であれば良く、本発明の目的に反しない限りは特に限定されるものではない。例えば、カルシウム含有液は、水酸化カルシウム、塩化カルシウム、炭酸カルシウムをはじめとするカルシウム化合物が液体媒体中に溶解された溶液状態であっても良いし、その全部または一部が液体媒体中に固体として残存するスラリーの状態であってもよい。上記液体媒体は、特に限定されるものではないが、好ましくは水である。好ましいカルシウム含有液は、塩化カルシウム水溶液である。カルシウム含有液中のカルシウムの濃度は、排水中のフッ素濃度、晶析反応槽の処理能力、循環される処理水量等に応じて適宜設定され、特に限定されるものではない。
本発明においては、フッ素を含む排水とカルシウム含有液とが晶析反応槽に供給される。本発明において、晶析反応槽は、排水中のフッ素とカルシウムとが反応してフッ化カルシウムを析出させて、フッ素が低減された処理水を生じさせうる反応槽であればよく、前記機能を有するものであれば、長さ、内径、形状などについては任意の態様が可能であり、特に限定されるものではない。また、フッ素を含む排水とカルシウム含有液を晶析反応槽に供給する態様についても、本発明の目的に反しない限りは特に限定されるものではない。
晶析反応槽内の溶解性フッ素濃度は、本発明の目的に反しない限りは特に限定されるものではないが、例えば、100〜600mg−F/L、好ましくは、200〜500mg−F/Lの範囲でありうる。晶析反応槽内の溶解性フッ素濃度は、晶析反応槽内にフッ素濃度計を設置することにより測定可能である。晶析反応槽内のフッ素濃度を測定する場合の測定点としては、特に限定されるものではないが、例えば、フッ素を含む排水が晶析反応槽内に導入される付近などが挙げられる。
本発明の1態様においては、晶析反応槽内で、pH2超かつ3以下の条件下でフッ化カルシウムを析出させる。本発明におけるフッ化カルシウム析出の際のpHは、pH計などのpH測定装置を用いて、晶析反応槽内の反応場のpHを測定し、測定されたpHに応じて、酸またはアルカリを槽内に供給することにより、本発明において特定される範囲に制御可能である。pH測定装置は、フッ化カルシウム析出反応の反応場のpHをモニターできるのであれば、晶析反応槽のいずれの部分に設置されても良く、フッ素を含む排水の導入部付近、晶析反応槽からの処理水の出口付近など特に限定されるものではない。
本発明の方法においては、晶析反応槽内でフッ化カルシウムを析出させることにより、排水中のフッ素がフッ化カルシウムとして回収され、フッ素が低減された処理水が生じる。本発明においては、フッ素の回収率(1−(処理水中のフッ素量/排水(原水)中のフッ素量))として、70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上、さらにより好ましくは90%以上を達成できる。
本発明においては、フッ素を含む排水とカルシウム含有液とを晶析反応槽に供給する前に、あらかじめ、晶析反応槽に種晶が存在していてもよいし、あらかじめ晶析反応槽内に種晶が存在していなくても良い。安定した処理を行うためには、晶析反応槽にあらかじめ種晶が存在している態様が好ましい。晶析反応槽に充填される種晶の充填量は、フッ素を晶析反応により除去できるのであれば特に限定されるものではなく、排水中のフッ素濃度、カルシウムの濃度、また、晶析反応装置の運転条件等に応じて適宜設定される。種晶は、本発明の目的に反しない限りは、任意の材質が可能であり、例えば、ろ過砂、活性炭、およびジルコンサンド、ガーネットサンド、サクランダム(商品名、日本カートリット株式会社製)などをはじめとする金属元素の酸化物からなる粒子、並びに、晶析反応による析出物であるフッ化カルシウムからなる粒子等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。より純粋なフッ化カルシウムをペレットとして入手できるという観点から、晶析反応による析出物であるフッ化カルシウムからなる粒子(蛍石)が好ましい。種晶の形状、粒径は、晶析反応槽内の流速、フッ素およびカルシウムの濃度等に応じて適宜設定され、本発明の目的に反しない限りは特に限定されるものではない。
晶析反応槽にあらかじめ種晶が充填されている場合の本発明の1態様は、フッ素を含む排水およびカルシウム含有液を晶析反応槽に供給し、晶析反応槽内で、pH2超かつ3以下の条件下で種晶上にフッ化カルシウムを析出させてペレットを形成させ、フッ素が低減された処理水を生じさせるフッ素の晶析処理方法である。これに対して、晶析反応槽にあらかじめ種晶が存在していない場合には、フッ素を含む排水とカルシウム含有液の供給により晶析反応槽内で析出するフッ化カルシウムがペレットを形成し、成長することとなる。
本発明の晶析処理方法の好ましい態様としては、晶析反応槽内で上向流を形成し、該上向流によってペレットが流動する流動床式の態様が挙げられる。また、他の態様としては、晶析反応槽内に、攪拌羽根などの攪拌装置を設置し、該攪拌装置により晶析反応槽内を攪拌してペレットを流動させる態様が挙げられる。
図1は、本発明の方法に使用可能な晶析反応装置の一例を示す概略図であり、これに基づいて本発明を詳述する。晶析反応装置は、晶析反応が行われ、フッ素が低減された処理水を排出する晶析反応槽1と、フッ素を含む排水を晶析反応槽1に供給する排水供給手段と、カルシウム含有液を晶析反応槽1に供給するカルシウム含有液供給手段とを具備し、任意に、該晶析反応槽1から排出される処理水の少なくとも一部を晶析反応槽1に返送する処理水循環手段とを具備する。晶析反応槽1には種晶2が充填されており、該種晶の表面上に、排水中に含まれるフッ素と、カルシウム含有液中のカルシウムとの反応物であるフッ化カルシウムを析出させてペレットを形成させることにより、フッ素が低減された処理水が排出される。図1には示されていないが、晶析反応槽内のフッ素濃度などを制御するために、希釈水が晶析反応槽内に供給される態様も可能である。この場合希釈水は、晶析反応槽に直接導入されてもよいし、排水供給手段、カルシウム含有液供給手段、処理水循環手段又はその他の手段を介して晶析反応槽に導入されてもよい。
排水供給手段は、フッ素を含む排水を晶析反応槽1に供給できるものであれば任意の態様が可能である。図1の態様においては、晶析反応槽1に連結された排水供給ライン3から、フッ素を含む排水が晶析反応槽1に供給される。排水供給ライン3には、排水を晶析反応槽1に移送するためのポンプが介装されていても良い。排水中のフッ素を一定にする等のために、排水供給ライン3には、排水を一旦貯留することができる排水貯留タンク4が連結されていても良い。排水貯留タンク4には攪拌装置が設けられていてもよい。
カルシウム含有液供給手段は、カルシウム含有液を晶析反応槽1に供給できるものであれば任意の態様が可能である。図1の態様においては、カルシウム含有液貯留タンク6からカルシウム含有液供給ライン5を介して、カルシウム含有液が晶析反応槽1に供給される。カルシウム含有液供給ライン5には、カルシウム含有液注入のためのポンプが介装されていても良い。
排水供給ライン3およびカルシウム含有液供給ライン5は晶析反応槽1の任意の部分に接続することができる。本発明においては、晶析反応槽1内に上向流を形成すると効率的に晶析反応を行うことができるという観点から、排水供給ライン3およびカルシウム含有液供給ライン5は晶析反応槽1の下部、特に底部に接続されるのが好ましい。また、図1の態様においては、排水供給ライン3およびカルシウム含有液供給ライン5はそれぞれ1つであるが、これに限定されるものではなく、これらが複数設けられていても良い。
晶析反応槽1は、晶析反応により生じるフッ素が低減された処理水を晶析反応槽1の外部に排出する。処理水は、晶析反応槽1における液体の流れに従って任意の部分から排出されうる。晶析反応槽1内で上向流が形成される場合には、晶析反応槽1の上部から処理水が排出される。図1の態様では、晶析反応槽1の上部から排出される処理水は、処理水排出ライン7を通って最終的に系外に排出される。図1の態様においては、処理水排出ライン7には処理水貯留タンク8が介装されているがこの設置は任意である。
図1の晶析処理装置は、晶析反応槽1から排出される処理水の少なくとも一部を晶析反応槽1に返送する処理水循環手段を有する。処理水循環手段としては、処理水の少なくとも一部を晶析反応槽1に返送できるものであれば任意の態様が可能であり、特に限定されるものではない。図1の態様においては、処理水循環手段として、処理水貯留タンク8と晶析反応槽1を連結する処理水循環ライン9が設けられており、該処理水循環ライン9には処理水移送のためのポンプが介装されている。処理水循環手段は、処理水を晶析反応槽1に循環させることにより、晶析反応槽1内に供給された排水を希釈すると共に、カルシウム含有液と排水を混合し、さらに、晶析反応槽1内で所定の流れ、好ましくは上向流を形成することができる。よって、晶析反応槽1内で上向流が形成される場合には、図1のように、処理水循環ライン9は晶析反応槽1の下部、特に底部に接続されるような態様が好ましい。また、図1には示されていないが、処理水と共にもしくは処理水の代りに、別途、希釈水が晶析反応槽に導入される態様も可能である。また、図1の態様において処理水貯留タンク8は、循環される処理水と、系外に排出される処理水との分岐のための手段として機能し、処理水循環手段を形成しているが、処理水循環手段の形成はこの態様に限定されるものではなく、処理水排出ライン7から処理水循環ライン9が直接分岐するような態様など、任意の態様が可能である。
1態様においては、晶析反応槽内の反応場のpHを所定の範囲内に制御するpH制御手段を有する。pH制御手段は、晶析反応槽内の反応場のpHを測定するpH計10などのpH測定手段、測定されたpHに応じて酸、アルカリを晶析反応槽に供給するpH調節剤添加手段を具備する。pH測定手段は、晶析反応槽内の反応場のpHを測定できるのであれば、pH測定手段の設置点、すなわちpHを測定する場所は特に限定されるものではない。pH制御手段は、上記機能を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、酸、アルカリ添加手段としては、pH調節剤供給ラインを晶析反応槽の任意の部位に接続し、当該ラインを介して酸またはアルカリを晶析反応槽の任意の部位に直接供給する態様であっても良いし、カルシウム含有液供給ライン5、排水供給ライン3または処理水循環ライン9のいずれか1以上に酸またはアルカリを供給する態様であっても良い。
排水中のフッ素濃度を測定するために、排水フッ素計を排水供給ライン3または排水貯留タンク4に設けてもよい。また、晶析反応槽内の溶解性フッ素濃度を測定するために、槽内フッ素計を晶析反応槽1に設けてもよい。排水フッ素計で測定された排水中のフッ素濃度および槽内フッ素計で測定された槽内溶解性フッ素濃度に基づいて、排水、希釈水、循環水量を調節し、溶解性フッ素濃度を好適な範囲に制御することができる。
槽内または処理水中の溶解性カルシウム濃度を測定するために、カルシウム濃度計を晶析反応槽内または処理水排出ライン7に設置してもよい。晶析反応槽内でのカルシウム濃度計の設置位置は特に限定されるものではないが、例えば、処理水中の溶解性カルシウム濃度を測定する場合には、晶析反応槽出口付近に設置することができる。カルシウム濃度計により測定された溶解性カルシウム濃度に応じて、晶析反応槽1へのカルシウム含有液の供給量を制御し、処理水中の溶解性カルシウム濃度を好適な範囲に制御することができる。
本発明の1態様においては、晶析反応槽内の反応場のpHが2超かつ3以下の条件下でフッ化カルシウムを析出させるが、この場合の制御方法として、測定された反応場のpHに応じて、晶析反応槽に供給する酸またはアルカリの添加量を調節する態様が挙げられる。
本発明の1態様においては、排水(原水)中のフッ素濃度が500〜10000mg−F/L、かつ晶析反応槽内の反応場のpHが2超かつ3以下の条件下;排水中のフッ素濃度が1000〜5000mg−F/L、かつ晶析反応槽内の反応場のpHが2超かつ3以下の条件下;または排水中のフッ素濃度が5000〜10000mg−F/L、かつ晶析反応槽内の反応場のpHが2超かつ2.5以下の条件下でフッ化カルシウムを析出させるが、この場合の制御方法として、排水フッ素濃度および槽内溶解性フッ素濃度に応じて排水、希釈水、循環水量を調節し、かつ反応場のpHに応じて酸またはアルカリの添加量を調節する態様が挙げられる。
本発明の1態様においては、排水中のフッ素濃度が500〜10000mg−F/L、処理水中の溶解性カルシウム濃度が10〜500mg/Lかつ、晶析反応槽内の反応場のpHが2超かつ3以下の条件下;または排水中のフッ素濃度が1000〜5000mg−F/L、処理水中の溶解性カルシウム濃度が50〜200mg/Lかつ、晶析反応槽内の反応場のpHが2超かつ3以下の条件下でフッ化カルシウムを析出させるが、この場合の制御方法として、排水フッ素濃度および槽内溶解性フッ素濃度に応じて排水、希釈水、循環水量を調節し、処理水中の溶解性カルシウム濃度に応じてカルシウム含有液の添加量を調節し、かつ反応場のpHに応じて酸またはアルカリの添加量を調節する態様が挙げられる。また、この場合の他の制御方法としては、排水フッ素濃度、槽内溶解性フッ素濃度および処理水中の溶解性カルシウム濃度に応じて排水、希釈水、循環水量を調節し、かつ反応場のpHに応じて酸またはアルカリの添加量を調節する態様が挙げられる。また、この場合の他の制御方法としては、排水フッ素濃度および槽内溶解性フッ素濃度に応じて排水、希釈水、循環水量を調節し、かつ処理水中の溶解性カルシウム濃度および反応場のpHに応じて酸またはアルカリの添加量を調節する態様が挙げられる。
本発明の1態様においては、槽内の溶解性フッ素濃度が100〜600mg−F/L、かつ晶析反応槽内の反応場のpHが2超かつ3以下の条件下;槽内の溶解性フッ素濃度が200〜500mg−F/L、かつ晶析反応槽内の反応場のpHが2超かつ3以下の条件下または槽内の溶解性フッ素濃度が200〜500mg−F/L、かつ晶析反応槽内の反応場のpHが2超かつ2.5以下の条件下でフッ化カルシウムを析出させるが、この場合の制御方法として、槽内溶解性フッ素濃度に応じて排水、希釈水、循環水量を調節し、かつ反応場のpHに応じて酸またはアルカリの添加量を調節する態様が挙げられる。また、この場合の他の制御方法としては、槽内溶解性フッ素濃度に応じてカルシウム含有液の添加量を調節し、かつ反応場のpHに応じて酸またはアルカリの添加量を調節する態様が挙げられる。また、この場合の他の制御方法としては、排水フッ素濃度に応じてカルシウム含有液の添加量を調節し(好ましくは、添加されるカルシウム量は排水中のフッ素量の1〜1.1倍(重量比)である)、かつ槽内溶解性フッ素濃度(および任意に反応場のpH)に応じて酸またはアルカリの添加量を調節する態様が挙げられる。また、この場合の他の制御方法としては、排水フッ素濃度に応じてカルシウム含有液の添加量を調節し(好ましくは、添加されるカルシウム量は排水中のフッ素量の1〜1.1倍(重量比)である)、処理水を循環させ、かつ槽内溶解性フッ素濃度(および任意に反応場のpH)に応じて酸またはアルカリの添加量を調節する態様が挙げられる。
本発明の1態様においては、処理水中の溶解性カルシウム濃度が10〜500mg/L、かつ晶析反応槽内の反応場のpHが2超かつ3以下の条件下;または処理水中の溶解性カルシウム濃度が50〜200mg/L、かつ晶析反応槽内の反応場のpHが2超かつ2.5以下の条件下でフッ化カルシウムを析出させるが、この場合の制御方法として、処理水中の溶解性カルシウム濃度に応じてカルシウム含有液の添加量を調節する態様が挙げられる。また、この場合の他の制御方法としては、処理水中の溶解性カルシウム濃度に応じて、排水、希釈水、循環水量を調節する態様が挙げられる。また、この場合の他の制御方法としては、排水フッ素濃度に応じてカルシウム含有液の添加量を調節し(好ましくは、添加されるカルシウム量は排水中のフッ素量の1〜1.1倍(重量比)である)、かつ処理水中の溶解性カルシウム濃度(および任意に反応場のpH)に応じて酸またはアルカリの添加量を調節する態様が挙げられる。また、この場合の他の制御方法としては、排水フッ素濃度に応じてカルシウム含有液の添加量を調節し(好ましくは、添加されるカルシウム量は排水中のフッ素量の1〜1.1倍(重量比)である)、処理水を循環させ、かつ処理水中の溶解性カルシウム濃度(および任意に反応場のpH)に応じて酸またはアルカリの添加量を調節する態様が挙げられる。
本発明の1態様においては、槽内の溶解性フッ素濃度が100〜600mg−F/L、処理水中の溶解性カルシウム濃度が10〜500mg/L、かつ晶析反応槽内の反応場のpHが2超かつ3以下の条件下;または槽内の溶解性フッ素濃度が200〜500mg−F/L、処理水中の溶解性カルシウム濃度が50〜200mg/L、かつ晶析反応槽内の反応場のpHが2超かつ2.5以下の条件下でフッ化カルシウムを析出させるが、この場合の制御方法として、槽内フッ素濃度に応じて排水、希釈水、循環水量を調節し、処理水中の溶解性カルシウム濃度に応じてカルシウム含有液の添加量を調節し、かつ反応場のpHに応じて酸またはアルカリの添加量を調節する態様が挙げられる。また、この場合の他の制御方法としては、処理水中の溶解性カルシウム濃度および槽内溶解性フッ素濃度(および任意に反応場のpH)に応じて酸またはアルカリの添加量を調節する態様が挙げられる。また、この場合の他の制御方法としては、排水フッ素濃度に応じてカルシウム含有液の添加量を調節し、かつ処理水中の溶解性カルシウム濃度および槽内溶解性フッ素濃度(および任意に反応場のpH)に応じて酸またはアルカリの添加量を調節する態様が挙げられる。また、この場合の他の制御方法としては、排水フッ素濃度に応じてカルシウム含有液の添加量を調節し、処理水中の溶解性カルシウム濃度および槽内溶解性フッ素濃度(および任意に反応場のpH)に応じて酸またはアルカリの添加量を調節し、かつ処理水を循環させる態様が挙げられる。
ここで、槽内溶解性フッ素濃度と処理水中の溶解性カルシウム濃度とに基づいて酸またはアルカリを添加する場合には、以下のように制御が可能である:1)槽内溶解性フッ素濃度が設定範囲を超える場合には、反応場のpHを上げる操作をおこなう。2)槽内溶解性フッ素濃度が設定範囲内で、かつ処理水中の溶解性カルシウム濃度が設定範囲を超える場合には、反応場のpHを下げる操作をおこなう。3)槽内溶解性フッ素濃度が設定範囲内で、かつ処理水中の溶解性カルシウム濃度が設定範囲より低い場合には、反応場のpHを上げる操作をおこなう。4)槽内溶解性フッ素濃度が設定範囲より低い場合には、反応場のpHを下げる操作をおこなう。反応場のpHを調整する手段としては、例えば、槽内溶解性フッ素濃度や処理水中の溶解性カルシウム濃度により、pH制御手段(例えばpHコントローラー)の設定値を変更することが挙げられる。
本発明の他の態様としては、晶析反応槽内に、攪拌羽根などの攪拌装置を設置し、該攪拌装置により晶析反応槽内を攪拌してペレットを流動させる態様が挙げられる。図2は、攪拌羽根を備えた晶析反応装置の一例を示す概略図であり、これに基づいて本発明を詳述する。この態様においては、晶析反応装置は、晶析反応が行われ、フッ素が低減された処理水を排出する晶析反応槽11と、回転可能なシャフトに連結された攪拌羽根20と、フッ素を含む排水を晶析反応槽11に供給する排水供給手段と、カルシウム含有液を晶析反応槽1に供給するカルシウム含有液供給手段とを具備する。攪拌羽根20は晶析反応槽内で内容物を攪拌できるのであればよく、攪拌羽根の設置態様、攪拌羽根の大きさなどは特に限定されるものではない。晶析反応槽11には種晶が存在していてもよく、安定した処理を行うために種晶が存在しているのが好ましい。該種晶の表面上に、排水中に含まれるフッ素と、カルシウム含有液中のカルシウムとの反応物であるフッ化カルシウムを析出させてペレットを形成させることにより、フッ素が低減された処理水が処理水排出ライン17から排出される。
排水供給手段は、フッ素を含む排水を晶析反応槽11に供給できるものであれば任意の態様が可能であり、図1に示されるような、ポンプを介して排水供給ライン13から晶析反応槽11に排水が供給される態様であってもよい。排水供給ラインには排水貯留タンクが接続されていてもよい。また、カルシウム含有液供給手段は、カルシウム含有液を晶析反応槽1に供給できるものであれば任意の態様が可能であり、図1に示されるような、ポンプを介してカルシウム含有液供給ライン15から晶析反応槽11にカルシウム含有液が供給される態様であってもよい。カルシウム含有液供給ラインにはカルシウム含有液貯留タンクが接続されていてもよい。
排水供給ライン13およびカルシウム含有液供給ライン15は晶析反応槽11の任意の部分に接続することができ、例えば、晶析反応槽11の上部から排水、カルシウム含有液を晶析反応槽11に供給する様に接続されていてもよい。また、処理水排出ライン17も晶析反応槽11の任意の部分に接続することができるが、析出物およびペレットと処理水の分離という観点から、晶析反応槽11の上部に設けるのが好ましいが、これに限定されるものではない。
また、攪拌羽根20を有する晶析反応槽11としては、晶析反応槽の周壁に対向させて内周壁を配置して、この内外周壁間を処理水排出路とし、フッ化カルシウム粒子と処理水との分離能を向上させ、処理水中にフッ化カルシウム粒子が流出するのを防止する分離ゾーンを有するものであってもよい。この態様においては、処理水排出路の上部に処理水排出ラインが接続される様な態様が好ましい。また、この処理水排出路には、ペレットの分離能を向上させるために、処理水排出路の入口部分に複数枚のじゃま板で構成したバッファ板や、複数枚の整流板で構成したバッファ板を位置させていてもよい。この態様の詳細は特開2005−230735号および特開2005−296888号に記載されており、これらの特許文献に記載される晶析反応槽も本発明に使用可能である。
また、攪拌羽根20を有する晶析反応槽11にあっては、フッ素を含む排水やカルシウム含有液、pH調節剤の注入点を攪拌羽根近傍に設置することが好ましい。これにより、攪拌羽根近傍の強い攪拌力により排水等がすばやく分散され、微細粒子が大量に発生することが抑制され、フッ素の回収率を向上させることができる。このとき、排水等の注入点の軸方向(すなわち、図12においては縦方向)の位置は、図12に示されるような、攪拌羽根から上方あるいは下方の、攪拌羽根径(ここで、攪拌羽根径とは、回転する攪拌羽根が形成する円の直径をいう)と同程度の位置までの領域内(図12において薄く着色されている部分)であることが好ましい。なお、図12は、攪拌羽根20を有する晶析反応槽11の側面からおよび上方からの概略図を示し、各供給ラインなどは省略されている。
また、攪拌羽根20を有する晶析反応槽11としては、攪拌羽根の外周に筒状のドラフトチューブ60を配置するものであってもよい。このとき、攪拌羽根は、ドラフトチューブ内に下降流れを形成するように選定することが好ましい。これにより、ドラフトチューブの外側には緩やかな上向流が形成され、この上向流ゾーンでは粒子が分級されて、小粒径の粒子がドラフトチューブ上部からドラフトチューブ内部に下降することから、排水とカルシウム含有液が反応する際の核となり、フッ素の回収率を向上させることができる。このとき、排水等をすばやく分散させるために、排水等の注入点の径方向(即ち、図13においては横方向)の位置を、ドラフトチューブ内部に配置することが好ましく。この態様が図13に示され、図13において薄く着色された部分が、上記観点から注入点の配置に好ましい部分である。より好ましくは、フッ素を含む排水やカルシウム含有液、pH調節剤の注入点をドラフトチューブ内に配置することが好ましい。例えば、この部分は、図14において薄く着色された部分として示される。
本発明の他の態様は、フッ素を含む排水およびカルシウム含有液を晶析反応槽に供給し、晶析反応槽内で、pH2以下の条件下で種晶上にフッ化カルシウムを析出させてペレットを形成させ、フッ素が低減された処理水を生じさせるフッ素の晶析処理方法に関する。このpH2以下の条件下で種晶上にフッ化カルシウムを析出させる態様においても、pHの範囲を別にして、既に述べたpH2超かつ3以下の態様と同様の方法で実施することが可能である。例えば、好ましい態様は、晶析反応槽内で上向流を形成し、該上向流によってペレットが流動する流動床式の態様である。また、この態様に使用可能な晶析反応装置の一例として、図1に示す態様が挙げられる。pH2以下の条件下においては、フッ化カルシウムの溶解度が大きく、フッ素の回収率が低下しやすいが、本態様によれば、処理水循環手段により処理水を循環することができ、そのような条件下であっても回収率を維持することができる。また、他の態様としては、図2に記載されるような、晶析反応槽内に攪拌羽根などの攪拌装置を設置し、該攪拌装置により晶析反応槽内を攪拌してペレットを流動させる態様も可能であるが、これらに限定されるものではない。
本発明は他の態様として、pH3以下で、好ましくは、pH2以下、またはpH2超かつ3以下で、フッ素含有排水を処理してフッ化カルシウムとしてフッ素を回収し、フッ素が低減された処理水を生じさせる、フッ素含有排水の処理装置、およびフッ素含有排水の処理方法を提供する。当該態様の処理装置および処理方法において処理可能な排水(すなわち原水)に含まれるフッ素の量は、特に限定されるものではないが、好ましくは、例えば、500〜10000mg−F/L、1000〜5000mg−F/L、または5000〜10000mg−F/Lの範囲である。
本発明の処理方法を実施する処理装置の1態様は、フッ素含有排水を高濃度フッ素反応槽で処理して得られた処理水をさらに中和沈殿槽において処理する装置である。この態様においては、高濃度フッ素反応槽において、pH3以下で、好ましくは、pH2以下、またはpH2超かつ3以下で、フッ素含有排水が処理される。高濃度フッ素反応槽としては、上述のような、例えば、500〜10000mg−F/L、1000〜5000mg−F/L、または5000〜10000mg−F/Lのフッ素濃度の排水からフッ化カルシウムのペレットを形成し、フッ素濃度が低減された処理水を生じさせうるものであれば特に限定されるものではないが、好ましくは晶析反応槽であり、より好ましくは本明細書において説明された晶析反応槽である。また、高濃度フッ素反応槽として晶析反応槽が使用される場合には、晶析反応槽内にはあらかじめ種晶が存在する態様であってもよいし、種晶が存在しない態様であってもよい。
図3は、フッ素含有排水を高濃度フッ素反応槽で処理して得られた処理水をさらに中和沈殿槽において処理する装置の概略図である。高濃度フッ素反応槽21には、フッ素含有排水を供給する原水供給ライン22、カルシウム含有液を供給するカルシウム含有液供給ライン23、酸、例えば塩酸(および必要な場合には塩基、例えば水酸化ナトリウム)を供給するpH調節剤供給ライン24、および高濃度フッ素反応槽21から処理水を排出する1次処理水移送ライン25が接続されている。高濃度フッ素反応槽21から排出される1次処理水は、例えば、フッ素濃度が600mg/L程度であり、カルシウム濃度が200mg/L程度であり、pHが2〜3であるが、これらに限定されるものではない。高濃度フッ素反応槽21には、槽内の溶解性フッ素濃度を測定するフッ素計およびpHを測定するpH計が設置されている。高濃度フッ素反応槽21には、任意に、1次処理水を高濃度フッ素反応槽21に返送する1次処理水循環ライン26が接続されていてもよい。原水供給ライン22には、フッ素計、pH計および流量計が設置されていてもよく、原水を希釈するための希釈水を供給する希釈水供給ライン27が接続されていてもよい。希釈水供給ライン27には流量計が設けられていてもよい。
高濃度フッ素反応槽21には、形成されるペレットを分級するための分級脚28などが設けられていてもよい。分級脚28などで分級された高純度フッ化カルシウムペレットをペレット洗浄槽29に送り、ペレット洗浄槽29で洗浄することにより、高純度フッ化カルシウムペレットを回収できる。ペレット洗浄槽29のドレンパンには水位計を設置することができ、ドレンパンに存在するドレン水は高濃度フッ素反応槽21に返送されるのが好ましい。ペレット洗浄槽29は、ペレットを洗浄できるのであれば特に限定されるものではなく、任意に攪拌装置などを備えていてもよい。
高濃度フッ素反応槽21で生じるフッ素が低減された1次処理水は、1次処理水移送ライン25を介して、中和沈殿槽30に供給される。中和沈殿槽30においては、pHを3〜12、好ましくは4〜8とすることで、フッ化カルシウムを生成させて、フッ素を沈殿除去することにより、さらにフッ素濃度が低減された上澄水を回収できる。得られる上澄水においては、例えばフッ素濃度は8mg/L程度であり、カルシウム濃度は50mg/L程度であり、pHは6〜8であるが、これらに限定されるものではない。中和沈殿槽30では、塩基、例えば水酸化ナトリウム(必要な場合には酸、例えば塩酸)を供給するpH調節剤供給ライン31が接続されている。また、中和沈殿槽30には槽内の溶解性フッ素濃度を測定するフッ素計、およびpH計が設けられる。任意に、中和沈殿槽30には、溶解性カルシウム濃度を測定するカルシウム計が設けられ、およびカルシウム含有液、例えば塩化カルシウム含有液を供給するカルシウム含有液供給ラインが接続されていてもよい。中和沈殿槽30で得られるさらにフッ素が低減された上澄水は、2次処理水として中和沈殿槽30から排出され、2次処理水循環ライン32を介して系外に排出されうる。2次処理水循環ライン32には、2次処理水を貯留するための処理水槽34が介装されてもよい。中和沈殿槽30で得られる2次処理水は、2次処理水循環ライン32を介して、ペレット洗浄槽29に供給され、高濃度フッ素反応槽21で得られた高純度フッ化カルシウムペレットを洗浄するための洗浄水として使用されてもよい。これにより、回収されたペレットを安全にハンドリングすることが可能となる。
中和沈殿槽30から引き抜かれたフッ化カルシウムペレットの少なくとも一部を高濃度フッ素反応槽21に循環、供給する態様も可能である。中和沈殿槽30から引き抜かれたフッ化カルシウムペレットは、高濃度フッ素反応槽21において得られるフッ化カルシウムペレットと比較して純度が低い。しかし、中和沈殿槽30から引き抜かれたフッ化カルシウムペレットを高濃度フッ素反応槽21内で溶解し、フッ化カルシウムを再度析出させることにより、フッ素の回収率を上げる、特に、高純度のフッ化カルシウムとしてのフッ素の回収率を上げることが可能となる。
2次処理水は高濃度フッ素反応槽21の反応場のフッ素濃度を調節するための希釈水として、高濃度フッ素反応槽21に供給されてもよい。この場合、2次処理水循環ラインが高濃度フッ素反応槽21に直接連結される態様であってもよいし、原水供給ライン22または希釈水供給ライン27に接続して原水フッ素濃度を調節する態様であってもよい。これにより、原水フッ素濃度をコントロールして高濃度フッ素反応槽21内での反応を制御することが可能になる。また、図3に示されるように、カルシウム含有液供給ライン23と接続され、このラインを介して高濃度フッ素反応槽21に供給される態様も可能で、これにより、カルシウム含有液が高濃度フッ素反応槽21に流入するときのカルシウム濃度が小さくなり、局所的なカルシウムの濃度分布を抑制して反応を制御することが可能となる。さらに、2次処理水がペレット洗浄のためにペレット洗浄槽29に供給される場合には、2次処理水は、ペレット洗浄操作により生じるドレン水として高濃度フッ素反応槽21に返送されてもよい。また、ドレン水または2次処理水は中和沈殿槽30に返送されてもよい。
1態様においては、任意に、高濃度フッ素反応槽21と中和沈殿槽30との間の1次処理水移送ライン25に、図3の態様のように中間槽33を介装させてもよい。中間槽33は水位計を有していてもよい。この場合、中間槽には中間槽に貯留された1次処理水を高濃度フッ素反応槽21に返送させる、1次処理水循環ライン26が設けられていてもよい。1次処理水循環ライン26には、ポンプ、pH計、流量計が設けられていてもよく、さらに酸、例えば塩酸を供給するpH調節剤供給ラインが接続されていてもよい。この態様においては、pH計で測定される1次処理水のpHに応じて、pH調節剤として酸、例えば塩酸を1次処理水に添加し、1次処理水のpHを低下させ、好ましくはpH2〜3として、析出物の溶解度を上げると共に、高濃度フッ素反応槽21において回収されるペレットの純度を上げることができる。また、1次処理水を高濃度フッ素反応槽21に返送し、循環させることにより、当該装置を使用するフッ素晶析処理における見かけのフッ素回収率を向上させることが可能となる。また、1次処理水により高濃度フッ素反応槽21内のペレットを流動、攪拌させることも可能となる。
pH3以下で、好ましくは、pH2以下、またはpH2超かつ3以下で、フッ素含有排水を処理してフッ化カルシウムとしてフッ素を回収し、フッ素が低減された処理水を生じさせる、フッ素含有排水の処理装置、およびフッ素含有排水の処理方法の他の態様としては、凝集沈殿槽および汚泥精製槽を組合わせて使用する態様が挙げられる。この態様においては、汚泥精製槽において、pH3以下で、好ましくは、pH2以下、またはpH2超かつ3以下で、フッ素含有排水が処理される。この態様においては、高濃度のフッ素含有排水、例えば、500〜10000mg−F/L、1000〜5000mg−F/L、または5000〜10000mg−F/Lのフッ素濃度の排水を処理できる。図4はこの態様の概略図であり、これに基づいて当該態様を説明する。
図4の態様においては、高濃度のフッ素含有排水(原水)がフッ素反応槽41に供給される。このフッ素反応槽41においては、塩酸および水酸化カルシウムが供給され、フッ素含有排水中のフッ素とカルシウムが反応してフッ化カルシウムを含む処理水が生じる。この処理水は凝集槽44に移送され、次いで沈殿槽45において処理水と汚泥が分離される。必要に応じて、フッ素反応槽41から生じた処理水を、リン反応槽42およびアルミニウム反応槽43に通水し、リン反応槽においては、水酸化カルシウム、並びに任意にpH調節剤(塩酸、水酸化ナトリウムなど)を添加して、処理水中のリン酸類を析出させてもよい。また、アルミニウム反応槽43においては、任意に、ポリ塩化アルミニウム(PAC)などの無機凝集剤、pH調節剤(塩酸、水酸化ナトリウムなど)などを添加して析出物の凝集を促進させることも可能である。また、凝集槽44においては、任意に、カチオン系高分子凝集剤、アニオン系高分子凝集剤、ノニオン系高分子凝集剤をはじめとする有機高分子凝集剤を添加して析出物の凝集を促進させることも可能である。沈殿槽45において汚泥が分離され、フッ素が低減された処理水が得られる。このフッ素が低減された処理水は系外に排出することができるが、処理水槽46に貯留して、その少なくとも一部をペレット洗浄などの何らかの用途に使用してもよい。
汚泥は、沈殿槽45から汚泥引抜ポンプなどを介して回収でき、回収された汚泥はペレット精製槽47に移送される。好ましくは、回収された汚泥の一部は汚泥溶解槽48に移送され、汚泥溶解槽48において水酸化カルシウムや塩酸が汚泥に添加されて、汚泥が溶解され、フッ素反応槽41から生じた処理水に添加され、凝集沈殿操作において使用される無機凝集剤および有機凝集剤が再利用されることとなる。
得られる汚泥の濃度およびペレット精製槽47に移送される汚泥の流量については特に限定されるものではないが、例えば、汚泥中の固形分濃度は2〜4%であり、ペレット精製槽47に返送される汚泥の流量は当該装置に導入される原水流量の10〜20%である。すなわち、この装置においては、フッ化カルシウムをペレットとして回収するペレット精製槽47で処理すべき被処理水の量が、原水をそのまま処理するよりも体積で約1/5以下に低減でき、ペレット精製槽47の小型化が可能になるという有利な効果を有している。
ペレット精製槽47には、槽内に汚泥を供給する汚泥供給ライン、カルシウム含有液を供給するカルシウム含有液供給ライン、pH調節剤(塩酸、水酸化ナトリウムなどの酸、塩基)を供給するpH調節剤供給ライン、並びに必要に応じて原水の一部を供給する原水供給ラインが接続されている。ペレット精製槽47においては、精製槽内をpH3以下、好ましくは、pH2以下、またはpH2超かつ3以下にすることにより、汚泥中のフッ化カルシウムが再溶解後析出し、高純度のフッ化カルシウムペレットが形成される。このペレット精製槽内の条件を制御するために、ペレット精製槽には溶解性フッ素濃度を測定するフッ素計、pH計が設けられ、また任意に水位計が設置されていてもよい。ペレット精製槽47は上記機能を有するのであればその構成は特に限定されるものではなく、1態様としては本明細書に記載されるような晶析反応槽であってもよい。
ペレット精製槽47において精製されたペレットは、ペレット洗浄槽49に移され、洗浄水によりペレットが洗浄されてもよい。ここで、ペレット洗浄のための洗浄水としては、沈殿槽45から得られるフッ素が低減された処理水を使用してもよい。この場合には、沈殿槽45から得られるフッ素が低減された処理水をペレット洗浄槽49に供給する処理水供給ラインがペレット洗浄槽に接続されていてもよい。また、ペレット精製槽47とペレット洗浄槽49は、1つの槽をバッチで交互に精製槽および洗浄槽として使用することも可能である。バッチで使用する場合、ペレット精製槽内のフッ素濃度やpHを厳密に管理することができ、また晶析に充分な時間をかけることができる。ペレット精製槽47およびペレット洗浄槽49から排出される排水は、排水供給ラインを介してフッ素反応槽41に供給される。排水供給ラインには中継槽50が設けられていてもよい。
pH3以下で、好ましくは、pH2以下、またはpH2超かつ3以下で、フッ素含有排水を処理してフッ化カルシウムとしてフッ素を回収し、フッ素が低減された処理水を生じさせる、フッ素含有排水の処理装置、およびフッ素含有排水の処理方法の他の態様としては、フッ素含有排水を高濃度フッ素反応槽で処理して得られる処理水を、さらに凝集沈殿処理する態様が挙げられる。この態様においては、高濃度のフッ素含有排水、例えば、500〜10000mg−F/L、1000〜5000mg−F/L、または5000〜10000mg−F/Lのフッ素濃度の排水を処理できる。
図5に、高濃度フッ素反応槽における処理の後に凝集沈殿処理を行う当該装置の概略図を示す。この態様においては、高濃度フッ素反応槽21において、pH3以下で、好ましくは、pH2以下、またはpH2超かつ3以下で、フッ素含有排水が処理される。高濃度フッ素反応槽としては、上述のような、例えば、500〜10000mg−F/L、1000〜5000mg−F/L、または5000〜10000mg−F/Lのフッ素濃度の排水からフッ化カルシウムのペレットを形成し、フッ素濃度が低減された処理水を生じさせうるものであれば特に限定されるものではないが、好ましくは晶析反応槽であり、より好ましくは本明細書において説明された晶析反応槽である。また、高濃度フッ素反応槽として晶析反応槽が使用される場合には、晶析反応槽内にはあらかじめ種晶が存在する態様であってもよいし、種晶が存在しない態様であってもよい。
高濃度フッ素反応槽21には、フッ素含有排水を供給する原水供給ライン22、カルシウム含有液を供給するカルシウム含有液供給ライン23、酸、例えば塩酸(および必要な場合には塩基、例えば水酸化ナトリウム)を供給するpH調節剤供給ライン24、および高濃度フッ素反応槽21から処理水を排出する1次処理水移送ライン25が接続されている。高濃度フッ素反応槽21から排出される1次処理水は、例えば、フッ素濃度が600mg/L程度であり、カルシウム濃度が200mg/L程度であり、pHが2〜3であるが、これらに限定されるものではない。高濃度フッ素反応槽21には、槽内の溶解性フッ素濃度を測定するフッ素計およびpHを測定するpH計が設置されている。高濃度フッ素反応槽21には、任意に、1次処理水を高濃度フッ素反応槽21に返送する1次処理水循環ライン26が接続されていてもよい。原水供給ライン22には、フッ素計、pH計および流量計が設置されていてもよく、原水を希釈するための希釈水を供給する希釈水供給ライン27が接続されていてもよい。希釈水供給ライン27には流量計が設けられていてもよい。
高濃度フッ素反応槽21には、形成されるペレットを分級するための分級脚28などが設けられていてもよい。分級脚28などで分級された高純度フッ化カルシウムペレットをペレット洗浄槽29に送り、ペレット洗浄槽29で洗浄することにより、高純度フッ化カルシウムペレットを回収できる。ペレット洗浄槽29のドレンパンには水位計を設置することができ、ドレンパンに存在するドレン水は高濃度フッ素反応槽21に返送されるのが好ましい。ペレット洗浄槽29は、ペレットを洗浄できるのであれば特に限定されるものではなく、任意に攪拌装置などを備えていてもよい。
1態様においては、任意に、高濃度フッ素反応槽21とフッ素反応槽41との間の1次処理水移送ライン25に、図5の態様のように中間槽33を介装させてもよい。中間槽33は水位計を有していてもよい。この場合、中間槽には中間槽に貯留された1次処理水を高濃度フッ素反応槽21に返送させる、1次処理水循環ライン26が設けられていてもよい。1次処理水循環ライン26には、ポンプ、pH計、流量計が設けられていてもよく、さらに酸、例えば塩酸を供給するpH調節剤供給ラインが接続されていてもよい。この態様においては、pH計で測定される1次処理水のpHに応じて、pH調節剤として酸、例えば塩酸を1次処理水に添加し、1次処理水のpHを低下させ、好ましくはpH2〜3として、析出物の溶解度を上げると共に、高濃度フッ素反応槽21において回収されるペレットの純度を上げることができる。また、1次処理水を高濃度フッ素反応槽21に返送し、循環させることにより、当該装置を使用するフッ素晶析処理における見かけのフッ素回収率を向上させることが可能となる。また、1次処理水により高濃度フッ素反応槽21内のペレットを流動、攪拌させることも可能となる。
図5の態様においては、1次処理水移送ライン25を介して1次処理水がフッ素反応槽41に供給される。このフッ素反応槽41においては、塩酸および水酸化カルシウムが供給され、フッ素含有排水中のフッ素とカルシウムが反応してフッ化カルシウムを含む処理水が生じる。この処理水は凝集槽44に移送され、次いで沈殿槽45において処理水と汚泥が分離される。必要に応じて、フッ素反応槽41から生じた処理水を、リン反応槽42およびアルミニウム反応槽43に通水し、リン反応槽においては、水酸化カルシウム、並びに任意にpH調節剤(塩酸、水酸化ナトリウムなど)を添加して、処理水中のリン酸類を析出させてもよい。また、アルミニウム反応槽43においては、任意に、ポリ塩化アルミニウム(PAC)などの無機凝集剤、pH調節剤(塩酸、水酸化ナトリウムなど)などを添加して析出物の凝集を促進させることも可能である。また、凝集槽44においては、任意に、カチオン系高分子凝集剤、アニオン系高分子凝集剤、ノニオン系高分子凝集剤をはじめとする有機高分子凝集剤を添加して析出物の凝集を促進させることも可能である。沈殿槽45において汚泥が分離され、フッ素が低減された2次処理水が得られる。このフッ素が低減された2次処理水は系外に排出することができるが、処理水槽46に貯留して、その少なくとも一部をペレット洗浄などの何らかの用途に使用してもよい。
汚泥は、沈殿槽45から汚泥引抜ポンプなどを介して回収でき、回収された汚泥は、好ましくは高濃度フッ素反応槽21に移送される。得られる汚泥の濃度および高濃度フッ素反応槽21に移送される汚泥の流量については特に限定されるものではないが、例えば、汚泥中の固形分濃度は2〜4%である。また、好ましくは、回収された汚泥の一部は汚泥溶解槽48に移送され、汚泥溶解槽48において水酸化カルシウムや塩酸が汚泥に添加されて、汚泥が溶解され、フッ素反応槽41から生じた処理水に添加され、凝集沈殿操作において使用される無機凝集剤および有機凝集剤が再利用されることとなる。
2次処理水は高濃度フッ素反応槽21の反応場のフッ素濃度を調節するための希釈水として、高濃度フッ素反応槽21に供給されてもよい。この場合、2次処理水循環ラインが高濃度フッ素反応槽21に直接連結される態様であってもよいし、原水供給ライン22または希釈水供給ライン27に接続して原水フッ素濃度を調節する態様であってもよい。これにより、原水フッ素濃度をコントロールして高濃度フッ素反応槽21内での反応を制御することが可能になる。また、図5に示されるように、カルシウム含有液供給ライン23と接続され、このラインを介して高濃度フッ素反応槽21に供給される態様も可能で、これにより、局所的なカルシウムの濃度分布を抑制して反応を制御することが可能となる。さらに、2次処理水がペレット洗浄のためにペレット洗浄槽29に供給される場合には、2次処理水は、ペレット洗浄操作により生じるドレン水として高濃度フッ素反応槽21に返送されてもよい。また、ドレン水または2次処理水はフッ素反応槽41に返送されてもよい。
本発明の他の態様は、晶析反応槽が複数段直列に連結された晶析反応装置を用いて、フッ素を含む排水から、フッ素が低減された処理水を生じさせるフッ素の晶析処理方法である。この態様において、「晶析反応槽が複数段直列に連結された」とは、第1段の晶析反応槽で生じた処理水を第2段の晶析反応槽に供給し、さらに存在する場合には第3段の晶析反応槽へ第2段の晶析反応槽で生じた処理水を供給するなど、順次、前段で生じた処理水を次段の晶析反応槽に供給して晶析処理できる様に連結されていることをいう。
連結される晶析反応槽の数は2以上であれば、2段連結、3段連結、4段連結などであって良く、その数は特に限定されるものではない。また、連結される複数の晶析反応槽は互いに同じであっても異なっていても良く、使用可能な晶析反応槽については、既に上述したとおりであり、図1に示すような上向流式流動床の態様の晶析反応槽であってもよいし、図2に示すような攪拌羽根を有する晶析反応槽であってもよい。例えば、図10および11に示すような攪拌羽根を有する晶析反応槽を2段、3段と連結させたものであってもよいし、図1に示すような上向流式流動床の晶析反応槽と図2に示すような攪拌羽根を有する晶析反応槽を連結させるものであってもよい。
当該態様においては、第1段の晶析反応槽にフッ素を含む排水を供給し、かつ第1弾の晶析反応槽に供給されるフッ素の0.6〜0.8倍量(重量比)のカルシウム量となるように、カルシウム含有液を第1段の晶析反応槽に供給して、フッ化カルシウムを析出させて、フッ素が低減された処理水を生じさせる。
第2段以降の晶析反応槽においては、前段からの処理水を晶析反応槽に供給し、第2段以降の晶析反応槽に供給されるカルシウムの合計量が、第1段の晶析反応槽に供給されるフッ素の0.2〜0.5倍量(重量比)(ただし、全ての晶析反応槽に供給されるカルシウム量の合計は、第1段の晶析反応槽に供給されるフッ素の1.0〜1.3倍量(重量比)である)となるように、カルシウム含有液を第2段以降の各段の晶析反応槽に供給して、第2段以降の晶析反応槽においてフッ化カルシウムを析出させて、フッ素が低減された処理水を生じさせる。
すなわち、この態様においては、晶析反応装置全体として使用されるカルシウムの量は、当該晶析反応装置に供給されるフッ素の1.0〜1.3倍量(重量比)のカルシウム量であり、このカルシウムが第1段および第2段以降に上述の量で分配され、晶析処理が行われる。第2段以降の晶析反応槽に供給されるカルシウム量は、合計量が上記特定した量であれば、第2段以降の各段に供給されるカルシウムの量比は特に限定されるものではない。例えば、晶析反応装置が3段の晶析反応槽を連結している場合には、第2段および第3段の晶析反応槽に供給されるカルシウム量の比(第2段:第3段)は、例えば、0.5:1、1:1、2:1、3:1、4:1など、特に限定されるものではない。
当該態様における晶析反応槽内の反応場のpHは、いずれの段の晶析反応槽においても、1.5〜4.0が好ましく、2.0〜2.5がより好ましい。
図10は、攪拌羽根を有する晶析反応槽を2段直列に連結させた晶析反応装置の1態様を示す。この態様においては、第1段の晶析反応槽11’にフッ素を含む排水とカルシウム含有液が供給され、第1段の晶析反応槽11’から生じる処理水が、第2段の晶析反応槽11’’に供給される。図10の態様においては、いずれの晶析反応槽11’および11’’も、ドラフトチューブ60を有しており、フッ素含有排水(または処理水)、カルシウム含有液、pH調節剤の注入点がいずれもドラフトチューブ60内にある。図10の詳細については、図1において説明されているとおりである。また図10の態様においては、pH調節剤はpH調節剤供給ライン61を介して晶析反応槽に供給される。
図11は、攪拌羽根を有する晶析反応槽を3段直列に連結させた晶析反応装置の1態様を示す。この態様においては、第1段の晶析反応槽11’にフッ素を含む排水とカルシウム含有液が供給され、第1段の晶析反応槽11’から生じる処理水が、第2段の晶析反応槽11’’に供給され、第2段の晶析反応槽11’’から生じる処理水が、第3段の晶析反応槽11’’’に供給される。図11の態様においては、いずれの晶析反応槽11’、11’’および11’’’も、ドラフトチューブ60を有しており、フッ素含有排水(または処理水)、カルシウム含有液、pH調節剤の注入点がいずれもドラフトチューブ60内にある。図11の詳細については、図1において説明されているとおりである。また、図11の態様においては、pH調節剤はpH調節剤供給ライン61を介して晶析反応槽に供給される。
以下、実施例で本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
実施例1
本発明の流動床型晶析方法による実施例を示す。晶析処理装置としては、図1に示される態様の装置を使用した。晶析反応槽は、晶析反応槽内に種晶を充填し、原水および晶析反応槽出口水(循環水)を上向流で通水することによる流動床式とした。装置の運転条件、通水条件は以下の通りである。晶析反応槽は、20mmφ内径×2500mm高さのアクリル製晶析塔を使用した。晶析処理水を貯留する中間槽は500mLの容量であった。原水タンクは100Lであった。種晶として蛍石(フッ化カルシウム)を使用した。被処理水として、フッ素濃度が500〜10000mg−F/Lの範囲のフッ化ナトリウム水溶液を調製し使用した。晶析剤すなわちカルシウム含有液として、塩化カルシウム10%水溶液を使用し、処理水中の溶解性カルシウム濃度10〜400mg/Lとなるように注入した。pH調節剤として水酸化ナトリウム溶液を使用した。反応場のpHとしては、晶析塔出口処理水のpHが所定の値になるように原水pHを調整した。通水量は、フッ素負荷=3kg−F/m/h、LV=40m/hになるように処理水を循環させた。
実施例1においては、処理水中の溶解性カルシウム濃度を50〜100mg/Lの範囲で一定になるようにして、原水のフッ素濃度の条件を500、1000、5000および10000mg−F/Lとし、各条件下でpHを変動させた。通液開始から12〜20時間後の処理水について、処理水中の全フッ素濃度および溶解性フッ素濃度を測定した。全フッ素濃度は処理水中に溶解した状態で存在するフッ素と不溶性物質として存在するSS性フッ素の合計濃度であり、処理水中の不溶性物質を溶解し、処理水を不溶性物質ごと測定することにより得られる。また、溶解性フッ素濃度は処理水中に溶解した状態で存在するフッ素濃度であり、膜ろ過で不溶性物質を除去した後の処理水を測定することにより得られる。フッ素濃度の測定はランタン・アリザリンコンプレキソン吸光光度法により分析を行い測定した結果である。フッ素回収率(%)は(1−(原水フッ素量/処理水中全フッ素量))×100の式から算出された。
実施例1の結果をグラフにしたものを図6に示す。pH2〜3の範囲で、フッ素回収率はおおむね80%以上であるという良好な結果を示した。また、原水フッ素濃度が高いほどフッ素回収率のピークが低pH側に、原水フッ素濃度が低いほどフッ素回収率のピークが高pH側となった。このとき、回収したフッ化カルシウムのペレットの純度は95〜98%であり、含水率は2〜5%であった。
pHと溶解性フッ素濃度およびSS性フッ素濃度との関係を示す例として、実施例1における原水フッ素濃度が5000mg−F/Lのときのこれらの関係を図7のグラフに示す。pHが高いほどSS性フッ素濃度が高く、pHが低いほど溶解性フッ素濃度が高いことがわかる。
実施例2
原水のフッ素濃度を5000mg−F/Lで一定として、処理水中の溶解性カルシウム濃度の条件を、10、50、200、400mg/Lと変化させたことを除き、実施例1と同じ条件で晶析処理試験をおこなった。pHとフッ素回収率の関係を図8のグラフに示す。pH2〜3の範囲で、回収率はおおむね80%以上と良好な結果を示した。また、カルシウム濃度が高いほど回収率のピークが低pH側に、低いほど高pH側となった。このとき、回収したフッ化カルシウムのペレットの純度は95〜98%であり、含水率は2〜5%であった。
実施例3
本発明の攪拌型晶析方法による実施例を示す。晶析処理装置としては、図2に示される態様の装置を使用した。晶析反応槽内に種晶を充填し、原水およびカルシウム含有液を供給した。装置の運転条件、通水条件は以下の通りである。晶析反応槽としては、200mmφ内径、容積10Lのアクリル製攪拌型反応槽を使用した。種晶として蛍石(フッ化カルシウム)を使用した。被処理水として、フッ素濃度が5000mg−F/Lのフッ化ナトリウム水溶液を調製し使用した。晶析剤すなわちカルシウム含有液として、塩化カルシウム10%水溶液を使用し、処理水中の溶解性カルシウム濃度が100mg/Lとなるように注入した。pH調節剤として水酸化ナトリウム溶液を使用した。反応場のpHとしては、晶析反応槽出口処理水のpHが所定の値になるように原水pHを調整した。通水量は、フッ素負荷=5kg−F/m/hとした。その他の測定条件は実施例1と同じである。
実施例3の結果のグラフを図8に示す。攪拌型の晶析反応槽を用いた場合でも、pH2〜3の範囲で、フッ素回収率は90%以上という良好な結果を示した。このとき、回収したフッ化カルシウムのペレットの純度は95〜98%であり、含水率は2〜5%であった。
実施例4〜9並びに比較例1および2
晶析反応槽を複数段直列に連結した晶析反応装置を用いる態様について検討を行った。晶析処理装置としては、2つの反応槽を連結した装置として図10、3つの反応槽を連結した装置として図11に示される態様の装置を使用した。1つの反応槽により処理を行う比較例1および2については、図10の第1段晶析反応槽として記載される態様の装置を使用した。各晶析反応槽は500mmφ内径×1200mm高さ、容積150Lであった。被処理水として、フッ素濃度が10000mg−F/Lのフッ酸廃水を使用した。フッ酸廃水の流量は1槽式の晶析反応槽(比較例1および2)については300L/h、2槽式の晶析反応槽(実施例4〜7)については600L/h、3槽式の晶析反応槽(実施例8および9)については900L/hとした。晶析剤すなわちカルシウム含有液として、塩化カルシウム10%水溶液を使用した。pH調節剤として水酸化ナトリウム溶液を使用して、各晶析反応槽の反応場のpHを所定の値に調節した。
上記条件で、pH、フッ酸廃水およびカルシウム供給量を変え、晶析反応槽内での滞留時間を変えることなく、フッ素の晶析反応処理を行った。なお、ここでいう処理水フッ素濃度は、SS性のフッ素(フッ化カルシウム)と溶解性のフッ素を含むトータルフッ素濃度である。結果を表1に示す。
Figure 2008086840
晶析反応装置で使用されるカルシウム量の合計が同じであっても、複数段の晶析反応槽を用い、カルシウム量を本願発明の態様で分配して供給する実施例4〜9では、同じpHで単一段の晶析反応槽を使用する比較例1または2に比べて、処理水フッ素濃度が顕著に低減されており、フッ素回収率も向上されていた。また、pHが4の場合よりも、pHが2.5の場合の方が処理水フッ素濃度が低減されており、フッ素回収率も向上されていた。
図1は本発明の方法に使用可能な晶析反応装置の一例を示す概略図である。 図2は本発明の方法に使用可能な攪拌羽根を備えた晶析反応装置の一例を示す概略図である。 図3はフッ素含有排水を高濃度フッ素反応槽で処理して得られた処理水をさらに中和沈殿槽において処理する装置の概略図である。 図4は凝集沈殿槽および汚泥精製槽を組合わせて使用する装置の概略図である。 図5は高濃度フッ素反応槽における処理の後に凝集沈殿処理を行う装置の概略図である。 図6は、実施例において原水の濃度が変化した場合の、pHとフッ素回収率の関係を示すグラフである。 図7は、実施例において、pHが変化した場合の溶解性フッ素濃度とSS性フッ素濃度との関係を示すグラフである。 図8は、実施例において、カルシウム濃度が変化した場合の、pHとフッ素回収率の関係を示すグラフである。 図9は、実施例において攪拌型の晶析反応槽を用いた場合の、pHとフッ素回収率の関係を示すグラフである。 図10は、本発明において使用される晶析反応槽が2段直列に連結された晶析反応装置の1態様を示す概略図である。 図10は、本発明において使用される晶析反応槽が3段直列に連結された晶析反応装置の1態様を示す概略図である。 図12は、本発明の方法に使用可能な攪拌羽根を備えた晶析反応装置における注入点を示す概略図である。 図13は、本発明の方法に使用可能な攪拌羽根およびドラフトチューブを備えた晶析反応装置における注入点を示す概略図である。 図14は、本発明の方法に使用可能な攪拌羽根およびドラフトチューブを備えた晶析反応装置における注入点を示す概略図である。
符号の説明
1、11、11’、11’’、11’’’ 晶析反応槽
2 種晶
3、13 排水供給ライン
4 排水貯留タンク
5、15 カルシウム含有液供給ライン
6 カルシウム含有液貯留タンク
7、17 処理水排出ライン
8 処理水貯留タンク
9 処理水循環ライン
10 pH計
20 攪拌羽根
21 高濃度フッ素反応槽
22 原水供給ライン
23 カルシウム含有液供給ライン
24 pH調節剤供給ライン
25 1次処理水移送ライン
26 1次処理水循環ライン
27 希釈水供給ライン
28 分級脚
29 ペレット洗浄槽
30 中和沈殿槽
31 pH調節剤供給ライン
32 2次処理水循環ライン
33 中間槽
34 処理水槽
41 フッ素反応槽
42 リン反応槽
43 アルミニウム反応槽
44 凝集槽
45 沈殿槽
46 処理水槽
47 ペレット精製槽
48 汚泥溶解槽
49 ペレット洗浄槽
50 中継槽
60 ドラフトチューブ
61 pH調節剤供給ライン

Claims (5)

  1. フッ素を含む排水とカルシウム含有液とを晶析反応槽に供給し、晶析反応槽内でpH2超かつ3以下の条件下でフッ化カルシウムを析出させて、フッ素が低減された処理水を生じさせるフッ素の晶析処理方法。
  2. 排水中のフッ素濃度が500〜10000mg/Lである、請求項1に記載の方法。
  3. 処理水中の溶解性カルシウム濃度が10〜500mg/Lである、請求項1または2に記載の方法。
  4. フッ素を含む排水およびカルシウム含有液を晶析反応槽に供給し、晶析反応槽内で、pH2以下の条件下で種晶上にフッ化カルシウムを析出させてペレットを形成させ、フッ素が低減された処理水を生じさせるフッ素の晶析処理方法。
  5. フッ素とカルシウムとを反応させてフッ化カルシウムを析出させる晶析反応槽が複数段直列に連結された晶析反応装置を用いて、フッ素を含む排水から、フッ素が低減された処理水を生じさせるフッ素の晶析処理方法であって、
    第1段の晶析反応槽にフッ素を含む排水を供給し、かつ第1段の晶析反応槽に供給されるフッ素の0.6〜0.8倍量(重量比)のカルシウム量となるように、カルシウム含有液を第1段の晶析反応槽に供給して、フッ化カルシウムを析出させて、フッ素が低減された処理水を生じさせ、
    第2段以降の晶析反応槽においては、前段からの処理水を晶析反応槽に供給し、第2段以降の晶析反応槽に供給されるカルシウムの合計量が、第1段の晶析反応槽に供給されるフッ素の0.2〜0.5倍量(重量比)(ただし、全ての晶析反応槽に供給されるカルシウム量の合計は、第1段の晶析反応槽に供給されるフッ素の1.0〜1.3倍量(重量比)である)となるように、カルシウム含有液を第2段以降の各段の晶析反応槽に供給して、第2段以降の晶析反応槽においてフッ化カルシウムを析出させて、フッ素が低減された処理水を生じさせる、フッ素の晶析処理方法。
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