JP6442014B1 - 被処理液の処理装置及び処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】カルシウムを十分に除去することができる被処理液の処理装置及び処理方法を提供する。【解決手段】処理装置Xに、反応槽21及び後段濾過装置30を備える。反応槽21には、第1の領域Z1及び第2の領域Z2に仕切る仕切り材22と、被処理液Dの供給口24と、二酸化炭素の吹込み手段23と、被処理液Dの排出口25とが備わる。供給口24から供給された被処理液Dは、二酸化炭素と接触し、仕切り材22に沿って第1の領域Zを流れた後、第2の領域Z2に流れ込み、排出口25から排出される。また、処理方法においては、処理装置Xに、後段濾過装置30から排出された被処理液Dのカルシウムイオン濃度を計測するイオン濃度計43を備え、測定値が所定値以上である場合は、被処理液Dを反応槽21に戻す。【選択図】図1

Description

本発明は、被処理液の処理装置及び処理方法に関するものである。特に、被処理液がウォータージェット排水、道路カッター排水、ごみ処理場排水等のカルシウムを含む排水である場合に好適な被処理液の処理装置及び処理方法に関するものである。
現在、コンクリート構造物の切断、斫り作業等においては、ウォータージェット工法(WJ工法)が汎用されている。このウォータージェット工法においては、カルシウムを含む排水が発生する。この排水は、SSが1000〜3000mg/L、カルシウムが1000mg/L以上、pHが11以上にもなる。したがって、そのままでは海や河川等に放流することができない。また、排水中のカルシウムが析出、粒子化し、超高圧(例えば300MPa)ポンプが故障するおそれがあることから、そのままではウォータージェット工法において再利用することもできない。したがって、ウォータージェット工法においては、水道水を使用するのが現状であり、水道料金、運搬費用等によってコストが増加する原因になっている。また、排水を運搬、浄化等するのにもコストがかる。これらのコストは、給水処理(水道料金及び運搬費用)には3000円/m2程度、排水処理(回収・運搬費用及び浄化費用)には5000円/m2程度かかるため、80m3/日とすると、640000円/日にもなる。したがって、例えば、橋梁コンクリート床板斫り工事では、工事期間中の水使用料が6000m3になるため、水の使用に関するコストだけで48000000円にもなる。もちろん、給水場所や排水場所が遠くなれば、その分、更にコストがかかる。
なお、水道水の水質基準は、例えば、SS2mg/L以下、硬度300mg/L以下、pH5.8〜8.6とされている。これに対し、ウォータージェット工法に使用する水の水質基準は、SS1mg/L以下、カルシウム50mg/L以下(マグネシウムは地域による差が存在するが10mg/L程度。)、pH7前後が推奨されている。したがって、水道水であってもそのままではウォータージェット工法の水として使用することができない場合がある。
そこで、ウォータージェット排水をウォータージェット工法で再利用することを目的としたウォータージェット排水の処理装置が提案されている(特許文献1参照)。この処理装置は、ウォータージェット排水の中和装置及び固形物除去装置が備わることを特徴としている。また、この処理装置に備わる中和装置においては、ウォータージェット排水と硫酸とを混合するものとされている。
しかしながら、本発明者らが知見するところによると、この処理装置では、十分にカルシウムを除去することができない可能性がある。しかも、この処理装置は硫酸を使用することから、安全性の点で改善の余地がある。
特開平11−33549号公報
本発明が解決しようとする主たる課題は、カルシウムを十分に除去することができる被処理液の処理装置及び処理方法を提供することにある。
まず、本発明者らは、従来の技術におけるような硫酸を使用して被処理液中のカルシウムを除去する方法について検討をした。カルシウムに硫酸を反応させて硫酸カルシウムとし、この硫酸カルシウムを濾過装置で除去することでカルシウムを取り除くというものである。しかしながら、硫酸カルシウムは水に対する溶解度が高い(約2.4g/L)。したがって、硫酸を使用する方法によると、被処理液のpHは中性になるが、カルシウムを十分に取り除くことができないことが知見された。
そこで、二酸化炭素を使用して被処理液中のカルシウムを除去する方法について検討した。カルシウムと二酸化炭素との反応で生成される炭酸カルシウムは溶解度が低く(0.015g/L)、数μmの結晶になることから、濾過装置で十分に取り除くことができるという試算による。しかしながら、カルシウムに二酸化炭素を単に反応させるのみでは、十分にカルシウムを取り除くことができなかった。その原因を追究したところ、二酸化炭素を使用した場合は、反応が進むと炭酸カルシウムが炭酸水素カルシウムになり、この炭酸水素カルシウムは水に溶解する(溶解度16.6g/L)ことが原因であると知見された。
そこで、これらの検討・知見等に基づいて創作するに至ったのが、本発明である。
すなわち、上記課題を解決するための手段は、
被処理液の反応槽と、この反応槽から排出された被処理液の濾過装置とを有し、
前記反応槽には、この反応槽内を第1の領域及び第2の領域に仕切る仕切り材と、前記第1の領域へ被処理液を供給する供給口と、前記第1の領域へ二酸化炭素を吹き込む吹込み手段と、前記第2の領域から被処理液を排出する排出口とが備わり、
前記供給口から供給された被処理液は、前記二酸化炭素と接触し、前記仕切り材に沿って前記第1の領域を流れた後、前記第2の領域に流れ込み、前記排出口から排出され、
前記仕切り材は、筒状で、かつ前記反応槽の中央底面に備わり、
前記供給口及び前記吹込み手段は、前記第1の領域の底部に備わる、
ことを特徴とする被処理液の処理装置である。
また、前記後段濾過装置から排出された被処理液のカルシウムイオン濃度を計測するイオン濃度計が備わる前記処理装置を用い、
このイオン濃度計の測定値が所定値以上である場合は、前記被処理液を前記反応槽に戻す、
ことを特徴とする被処理液の処理方法である。
本発明によるとカルシウムを十分に除去することができる被処理液の処理装置及び処理方法となる。
第1の形態の被処理液の処理装置の設備図である。 反応槽の変形例である。 第2の形態の被処理液の処理装置の設備図である。
次に、本発明を実施するための形態を説明する。なお、この形態は、本発明の一例である。本発明の範囲は、この形態の範囲に限定されない。
(第1の形態)
図1に本形態の処理装置Xを示した。本形態の処理装置Xは、例えば、ウォータージェット排水、道路カッター排水、ごみ処理場排水等のカルシウムを含む排水(被処理液D)からカルシウムを除去するための装置である。したがって、処理装置Xで処理した浄水Cは、例えば、ウォータージェット工法での再利用が可能となり、また、海や川等への放流も可能となる。
本形態の処理装置Xは、反応槽21及び濾過装置で主に構成され、濾過装置として、反応槽21の前段(上流)に備わる前段濾過装置10と、反応槽21の後段(下流)に備わる後段濾過装置30とが設けられている。なお、詳細は後述するが、後述する第2の処理装置X2は、濾過装置として、前段濾過装置10のみが備えられており、この点で本形態(第1の形態)と大きな違いがある。
被処理液Dは、まず、ポンプP1によって前段濾過装置10に送られる。この前段濾過装置10は、被処理液Dに含まれる砂、セメント、ゴミ等の異物を除去するための装置である。反応槽21の前段で異物を除去しておくことで、反応槽21が汚れにくくなり、メンテナンスが容易になる。しかも、被処理液Dからセメントを除去しておくことで、反応槽21においてセメントと二酸化炭素とが反応するのを避けることができ、二酸化炭素の消費(投与)量を減らすことができる。この点、二酸化炭素の投与量が増えると、単にコストが嵩むとの問題が生じるだけではない。二酸化炭素の投与量が増えると、その分炭酸カルシウムが炭酸水素カルシウムに変化する可能性が高まる。したがって、二酸化炭素の投与量を減少させることの利点は大きい。
前段濾過装置10としては、UF膜(限外濾過膜)、MF膜(精密濾過膜)、RO膜(逆浸透膜)等の濾過膜が備わる種々の濾過装置を使用することができる。ただし、0.3μm以上の粒子を除去することができる性能の濾過装置を使用するのが好ましい。
前段濾過装置10で濾過された被処理液Dは、流路81及び流路82を通して反応槽21に送られる。この反応槽21は、被処理液Dに含まれるカルシウムに二酸化炭素を反応させるための槽である。この反応槽21は、二酸化炭素の過反応を防止することができるように設計されている点に特徴がある。具体的には、反応槽21には、仕切り材22、被処理液Dの供給口24、二酸化炭素CO2の吹込み手段23、及び被処理液Dの排出口25が備わる。
仕切り材22は、反応槽21の内部を第1の領域Z1と、第2の領域Z2とに仕切る部材である。仕切り材22は、例えば、図2の(1)に示すように、反応槽21の底面21aから上方へ延在する平板状とすることができる。ただし、本形態の仕切り材22は、円筒状で、かつ反応槽21の中央部の底面21aに備わり、この中央底面21aから上方へ延在している。この形態においては、円筒状の仕切り材22の内方(内側)が第1の領域Z1に、外方(外側)が第2の領域Z2に該当する。
本形態において、仕切り材22の上端縁22bは、反応槽21内の被処理液Dの液面よりも下方に位置するように設計されている。他方、仕切り材22の下端部22aは、反応槽21の床面21aよりも下方へ突出しているが、突出しない形態も考えることができる。また、本形態の仕切り材22は円筒状とされているが、角筒状等とすることも考えることができる。ただし、被処理液Dと二酸化炭素との均一な反応(接触)という観点からは円筒状とするのが好ましい。
流路81及び流路82を通して反応槽21に送られた被処理液Dは、供給口24を通して反応槽21内に供給される。本形態の供給口24は、開口であり、仕切り材22の下端部22aの側壁に形成されている。したがって、供給口24は、第1の領域Z1の底部に位置することになり、被処理液Dは、まず、反応槽21内の第1の領域Z1に供給されることになる。なお、被処理液Dを、まず第1の領域Z1に供給することができるのであれば、供給口24は仕切り材22以外の部材に形成されていてもよい。
二酸化炭素の吹込み手段23は、第1の領域Z1に二酸化炭素を吹き込む手段である。また、吹込み手段23は、第1の領域Z1の底部に位置する。したがって、第1の領域Z1に供給された被処理液Dには、まず、二酸化炭素が吹き込まれることになる。
吹込み手段23としては、種々の形態を考えることができる。ただし、本形態においては、二酸化炭素をマイクロバブル、マイクロナノバルブ、ナノバルブ等の微細気泡として噴射する噴射ノズルで吹込み手段23を構成している。二酸化炭素を微細気泡として噴射することで、被処理液Dに含まれるカルシウムと二酸化炭素との反応効率が向上する。この点、反応効率が悪いと、カルシウムの一部は炭酸カルシウムへの反応が完了しているのに、カルシウムの残部は炭酸カルシウムへの反応が完了していない状態になる。そこで、反応が完了していないカルシウムの反応を進める必要が生じ、反応を進めると、反応が完了しているカルシウムの反応が更に進み、炭酸カルシウムから炭酸水素カルシウムに変化し、被処理液Dに溶解してしまう。したがって、反応効率の向上は極めて重要である。
以上のようにカルシウムと二酸化炭素との反応を制御することは極めて重要であり、本形態においては、吹込み手段23から吹き込む二酸化炭素の量を、次のように制御してその正確性(過剰投与の防止)を向上させている。
すなわち、まず、二酸化炭素の供給に関する設備として、二酸化炭素が充填された貯留タンク50と、二酸化炭素の圧力を調整する調圧弁51と、二酸化炭素の流量を制御する流量弁(制御手段)52とが備えられている。また、前段濾過装置10と供給口24との間に、被処理液Dの流量を計測する流量計41と、被処理液DのpHを計測するpH計42が備えられている。さらに、流量計41及びpH計42で計測された値(流量及びpH)は、信号S1として流量弁52に送られるように構成されている。そして、この流量弁52は、信号S1の値に応じて開閉(流量)が制御され、もって第1の領域Z1に吹き込む二酸化炭素の流量が制御される。また、この二酸化炭素は、第1の領域Z1に吹き込まれるに先立って流路83を通して取り込まれる被処理液Dと混合される。なお、流路83は、流路81及び流路82から分岐しており、例えば、輸送管、ダクト等からなる。また、流路81〜83内の被処理液Dの流通は、ポンプP3によって行われている。
本発明者らが行った試験においては、二酸化炭素の流量を0.4L/分、流路83からの被処理液Dと二酸化炭素との混合比を10:1、反応槽21内の被処理液Dの容量を16.3Lとし、反応槽21内における被処理液Dの滞留時間を5分として試験を行った。結果、過反応(炭酸水素カルシウムへの変化)を避けつつ、十分に炭酸カルシウムへの反応を行うことができることが知見された。
以上のようにして二酸化炭素が吹き込まれることで、第1の領域Z1に供給された被処理液Dは、二酸化炭素と接触し、仕切り材22に沿って第1の領域Z1を(本形態においては仕切り材22内を)流れる。この間、カルシウムと二酸化炭素との反応が進むことになるが、この反応を確実なものとするために、本形態においては、以下の工夫が凝らしてある。
まず、本形態においては、噴射ノズル(吹込み手段23)の下流(上方)に、第1の領域Z1を横切る第1の網状板26が備えられている。吹込み手段23が噴射ノズルである本形態においては、二酸化炭素の上方への噴射によって第1の領域Z1における被処理液Dの流れV1が速まり、カルシウムと二酸化炭素との反応が十分に進まないおそれがある。そこで、第1の網状板26を備えることで、被処理液Dの流れV1が早くなり過ぎるのを抑え、反応を確実に進めようとするものである。また、第1の網状板26が網状であることによって、整流効果(特に乱流防止効果)も期待することができ、反応の均一性も確保することができる。なお、被処理液Dの流れは、例えば、0.1〜0.2m/sとなるように設計することができる。また、以上に際しては、被処理液Dの流れが速くなり過ぎるのをより確実に防止するために、図示例のように被処理液Dを仕切り材22の側方から供給する形態を採用するのが好ましい。
第1の網状板26としては、以上の効果を考慮して種々のものを採用することができる。具体的には、例えば、パンチングメタル、一枚の板に多数の孔が形成された多孔板、金網、ハニカム構造部材等を採用することができる。
仕切り材22に沿って第1の領域Z1を上方へ流れた被処理液Dは、反応槽21の上端部において仕切り材22を超えて方向転換し、第2の領域Z2に流れ込む。なお、この被処理液Dの流れを矢印で説明的に示している。
第2の領域Z2に流れ込んだ被処理液Dは、第2の領域Z2を下方へ流れ、排出口25から排出される。この排出口25は、反応槽21の底部における側壁に形成されている。
本形態によると、第2の領域Z2を流れている被処理液Dには、二酸化炭素が吹き込まれるおそれがない。したがって、炭酸カルシウムへの反応が終了しているカルシウムについて炭酸水素カルシウムへの過反応が生じるおそれはない。
また、本形態においては、第2の領域Z2を流れる被処理液Dの一部が逆流して過反応等が生じることのないよう工夫を凝らしている。
すなわち、排出口25の上流(上方)の第2の領域Z2には、この第2の領域Z2を横切る第2の網状板27が備えられている。第2の領域Z2に網状板27を備えることで、被処理液Dの整流効果を期待することができ、炭酸水素カルシウムへの過反応を避けることができる。
第2の網状板27を備える位置は、種々考えることができるが、図示例のように第2の領域Z2の上端部に備えるのが好ましい。反応槽21の上端部においては、被処理液Dの流れが方向転換することになり、従って被処理液Dの流れが乱れ易いためである。
第2の網状板27としては、以上の効果を考慮して種々のものを採用することができる。具体的には、例えば、パンチングメタル、一枚の板に多数の孔が形成された多孔板、金網、ハニカム構造部材等を採用することができる。また、第2の網状板27は、図示例のように流れ方向(本形態では上下方向)に2か所以上の複数を備えることもできる。なお、仕切り材22が円筒状である本形態においては、第2の網状板27がドーナツ状になる。
第2の領域Z2を流れ、排出口25から排出された被処理液Dは、ポンプP2によって後段濾過装置30に送られる。この後段濾過装置30は、被処理液Dに含まれる炭酸カルシウムを除去する装置である。炭酸カルシウムは水に溶解し難いため、後段濾過装置30によって確実に除去することができ、したがって本処理装置Xによると被処理液Dからカルシウムを確実に除去することができるということになる。
後段濾過装置30としては、前段濾過装置10と同様、例えば、UF膜(限外濾過膜)、MF膜(精密濾過膜)、RO膜(逆浸透膜)等の濾過膜が備わる種々の濾過装置を使用することができる。ただし、0.3μm以上の粒子を除去することができる性能の濾過装置を使用するのが好ましい。また、必要により、前段濾過装置10及び後段濾過装置30として、同一の濾過装置を使用することができる。
後段濾過装置30で濾過処理された被処理液Dは、そのままウォータージェット工法等において再利用することや、海や川などに放流することもできるが、本形態においては、安全を期するために、更なる設備が備えられている。
すなわち、後段濾過装置30で濾過処理された被処理液Dは、流路85を通して排出されるが、この流路85には、イオン濃度計43及びバイパス弁53が備えられている。イオン濃度計43は、流路85を流れる被処理液Dに含まれるカルシウムのイオン濃度を計測する計器である。また、バイパス弁53は、被処理液Dの流れを流路86又は流路87のいずれかに切り替える弁である。流路86に送られた被処理液Dは、浄水Cとして再利用、あるいは放流等されることになる。流路87に送られた被処理液Dは、流路82を通して再度反応槽21に送られる。
バイパス弁53の切替えは、イオン濃度計43の計測値に基づいて行われる。すなわち、イオン濃度計43の計測値が所定値以上、例えば、50g/L以上である場合は、計測値を切替え信号S2としてバイパス弁53に送り、バイパス弁53による切替えが行われ、被処理液Dが反応槽21に戻される。
以上では、仕切り材22によって反応槽21が第1の領域Z1及び第2の領域Z2に仕切られている形態を示したが、第2の領域Z2は、1つの領域である必要はない。例えば、図2の(2)に示すように、仕切り材22の外側に第2の仕切り材29を備え、第2の領域Z2を2つの領域に仕切ることもできる。第2の仕切り材29は、円筒状で、第1の仕切り材22と同軸的に備えられており、下端部は反応槽21の床面21aに接しておらず、上端部は被処理液Dの液面よりも上方まで延在している。この形態においては、被処理液Dが仕切り材22に沿って第1の領域Z1を上方へ流れ、反応槽21の上端部において仕切り材22を超えて方向転換し、仕切り材22及び第2の仕切り材29の間を下方へ流れた後、更に第2の仕切り材29を潜って方向転換し、第2の仕切り材29及び反応槽21の間を上方へ流れ、反応槽21の上端部側壁に備わる排出口25から排出されることになる。この形態の特徴は、前述した形態によりカルシウム及び二酸化炭素の反応時間を長くすることができる点にある。もっとも、この形態は、反応槽21をメンテナンスする際に反応槽21内の被処理液Dを完全に取り除くのに時間かかかるため、メンテナンスを重視する場合は、前述した形態によるのが好ましい。
反応槽21内における被処理液Dの容量は、カルシウム及び二酸化炭素の反応時間に基づいて決定するのが好ましい。また、この容量を維持するために、本形態においては、被処理液Dの液面を検知するレベル計54が備えられている。このレベル計54からの信号S3に基づいて被処理液Dを前段濾過装置10に送るポンプP1が制御される。
(第2の形態)
次に、図3に基づいて、第2の形態の処理装置X2について説明する。なお、この説明では、第1の形態の処理装置Xと異なる点を中心に説明する。
本形態の処理装置X2も、反応槽21及び濾過装置で主に構成されている。しかしながら、本形態においては、濾過装置として反応槽21の前段(上流)に位置する前段濾過装置10のみが設けられている。つまり、本形態においては、第1の形態におけるのと異なり、後段濾過装置30が設けられていない。したがって、反応槽21から排出された被処理液Dは、濾過されることなく、つまり炭酸カルシウムを除去されることなく、イオン濃度計43によってイオン濃度が計測される。そして、イオン濃度計43の計測値(S2)に基づいてバイパス弁53の切替えが行われる。もっとも、この時点では炭酸カルシウムの除去が行われていないため、通常、イオン濃度計43の計測値(S2)が所定値以上であるとして、被処理液Dは流路88を通して前段濾過装置10に送られることになる。そして、この時点で被処理液Dに含まれる炭酸カルシウムが除去される。
前段濾過装置10において炭酸カルシウムが除去された被処理液Dは、流路82を通して反応槽21に送られる。そして、この反応槽21において二酸化炭素との反応が進められる。この点、この時点での二酸化炭素との反応は再度の反応ということになるが、炭酸カルシウムが除去されているので過反応が生じるおそれはない。この時点では、反応が完了していなかったカルシウムの反応のみが進むことになる。
反応槽21において二酸化炭素との反応が進められた被処理液Dは、反応槽21から排出され、イオン濃度計43でカルシウムのイオン濃度が計測される。そして、この時点での計測値(S2)が所定値未満であれば、バイパス弁53の切替えが行われ、流路86を通して浄水Cとして系外に排出される。一方、計測値(S2)が所定値以上であれば、被処理液Dは再び前段濾過装置10に送られ、炭酸カルシウムが除去される。
以上のように本形態においては、カルシウム及び二酸化炭素の反応(反応処理)、炭酸カルシウムの除去(除去処理)が繰り返され、最終的にカルシウムのイオン濃度が所定値未満になったら浄水Cとして系外に排出される。この反応処理及び除去処理に際しては、反応槽21に新たな被処理液Dを注ぎ足しても、注ぎ足さなくてもよい。被処理液Dを注ぎ足さない場合は、被処理液Dが浄水Cとして系外に排出されて徐々に減るため、最終的には反応槽21が空になる。反応槽21が空になったら、再び反応槽21を被処理液Dで満たし、同様の処理を繰り返すことになる。この処理は、同じ処理が繰り返されることになるため、バッチ式ということができる。一方、被処理液Dを注ぎ足す場合は、カルシウムの除去処理が連続して行われることになり、連続式ということができる。バッチ式は処理の安定性という点で利点があり、連続式は処理の効率性という点で利点がある。
本発明は、被処理液の処理装置及び処理方法、特に、被処理液がウォータージェット排水、道路カッター排水、ごみ処理場排水等のカルシウムを含む排水である場合に好適な被処理液の処理装置及び処理方法として利用可能である。
10 前段濾過装置
21 反応槽
22 仕切り材
23 吹込み手段
24 供給口
25 排出口
26 第1の網状板
27 第2の網状板
29 第2の仕切り材
30 後段濾過装置
41 流量計
42 pH計
43 イオン濃度計
50 貯留タンク
51 調圧弁
52 流量弁(制御手段)
53 バイパス弁
54 レベル計
D 被処理液
C 浄水
S1〜S3 信号
X,X1 処理装置
Z1 第1の領域
Z2 第2の領域
P1〜P3 ポンプ

Claims (7)

  1. 被処理液の反応槽と、この反応槽から排出された被処理液の濾過装置とを有し、
    前記反応槽には、この反応槽内を第1の領域及び第2の領域に仕切る仕切り材と、前記第1の領域へ被処理液を供給する供給口と、前記第1の領域へ二酸化炭素を吹き込む吹込み手段と、前記第2の領域から被処理液を排出する排出口とが備わり、
    前記供給口から供給された被処理液は、前記二酸化炭素と接触し、前記仕切り材に沿って前記第1の領域を流れた後、前記第2の領域に流れ込み、前記排出口から排出され、
    前記仕切り材は、筒状で、かつ前記反応槽の中央底面に備わり、
    前記供給口及び前記吹込み手段は、前記第1の領域の底部に備わる、
    ことを特徴とする被処理液の処理装置。
  2. 前記吹込み手段として、二酸化炭素を微細気泡として噴射する噴射ノズルが備わり、
    この噴射ノズルの下流に、前記第1の領域を横切る第1の網状板が備わる、
    請求項1に記載の被処理液の処理装置。
  3. 前記第2の領域を横切る第2の網状板が備わり、
    この第2の網状板の下流に前記排出口が備わる、
    請求項1又は請求項2に記載の被処理液の処理装置。
  4. 前記濾過装置として、前記反応槽の前段に前段濾過装置が備わり、前記反応槽の後段に後段濾過装置が備わる、
    請求項1〜のいずれか1項に記載の被処理液の処理装置。
  5. 前記前段濾過装置と前記供給口との間に、被処理液の流量計及びpH計が備わり、
    前記流量計及び前記pH計の計測値に基づいて前記第1の領域に吹き込む二酸化炭素の流量を制御する制御手段が備わる、
    請求項に記載の被処理液の処理装置。
  6. 前記後段濾過装置から排出された被処理液のカルシウムイオン濃度を計測するイオン濃度計が備わる請求項に記載の処理装置を用い、
    このイオン濃度計の測定値が所定値以上である場合は、前記被処理液を前記反応槽に戻す、
    ことを特徴とする被処理液の処理方法。
  7. 前記反応槽と前記濾過装置との間に、前記反応槽から排出された被処理液のカルシウムイオン濃度を計測するイオン濃度計が備わる請求項1に記載の処理装置を用い、
    このイオン濃度計の測定値が所定値以上である場合は、前記被処理液を前記濾過装置に送る、
    ことを特徴とする被処理液の処理方法。
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