JP5276898B2 - フッ素およびアンモニアの回収装置ならびに回収方法 - Google Patents

フッ素およびアンモニアの回収装置ならびに回収方法 Download PDF

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Description

本発明は、フッ素およびアンモニアを含む原水からフッ素およびアンモニアを回収する回収装置ならびに回収方法に関する。
半導体、液晶表示装置などの電子製品やその部品などの製造工程、その他の産業などから、フッ素およびアンモニアを含む排水が排出されることがある。このような排水については、一般に、フッ素およびアンモニアを含む排水に水酸化ナトリウムなどのアルカリ剤を添加後、蒸発濃縮し、アンモニア水とフッ化ナトリウム水とに分別した後、アンモニア水は蒸留塔で濃縮して回収する。この方法では、フッ素を除去するために蒸発濃縮装置を用いるが、蒸発濃縮装置では蒸気や薬剤を大量に使用しなければならず、回収に要するコストが膨大である。一方、フッ化ナトリウム水は凝集沈殿処理などで処理している。
この排水処理に際して発生するフッ化ナトリウムを含有する汚泥は、脱水機などにより脱水後、脱水ケーキとなり、廃棄物として処理しているのが現状である。その量は多く、環境負荷を増大させている。また、アンモニア蒸留塔から排出される排水はそのまま微生物を用いた排水処理装置などで処理している。
また、フッ素含有水の処理については、各種提案がされている(例えば、特許文献1〜3)。
特開2004−174416号公報 特開2007−117874号公報 特許第3284260号公報
このように、フッ素およびアンモニアを含む原水からフッ素とアンモニアを共に回収する回収装置ならびに回収方法は知られていなかった。
本発明は、フッ素およびアンモニアを含む原水からフッ素とアンモニアを共に回収する回収装置ならびに回収方法である。
本発明は、フッ素およびアンモニアを含む原水からフッ素およびアンモニアを回収する回収装置であって、前記原水にカルシウム剤を添加してフッ化カルシウムの結晶を生成させるための晶析反応槽と、前記カルシウム剤を前記原水に添加するカルシウム剤添加手段と、前記晶析反応槽においてフッ素が除去された晶析処理水に含まれるアンモニアを濃縮するアンモニア濃縮手段と、前記カルシウム剤添加手段によるカルシウム剤の添加量を制御する制御手段と、を備え、前記原水に含まれるフッ素濃度の化学当量以下のカルシウム剤を添加するフッ素およびアンモニアの回収装置である。
また、前記フッ素およびアンモニアの回収装置において、前記晶析処理水にpH調整剤を添加する晶析処理水pH調整剤添加手段を備え、前記晶析処理水のpHを12〜13の範囲に調整することが好ましい。
また、前記フッ素およびアンモニアの回収装置において、前記アンモニア濃縮手段の前段に、前記晶析処理水からアンモニアを蒸発濃縮するアンモニア蒸発濃縮手段を備えていてもよい。
また、本発明は、フッ素およびアンモニアを含む原水からフッ素およびアンモニアを回収する回収方法であって、前記原水にカルシウム剤を添加してフッ化カルシウムの結晶を生成させる晶析反応工程と、前記晶析反応工程においてフッ素が除去されたアンモニア含有水に含まれるアンモニアを濃縮するアンモニア濃縮工程と、を含み、前記晶析反応工程において、前記原水に含まれるフッ素濃度の化学当量以下のカルシウム剤を添加するフッ素およびアンモニアの回収方法である。
また、前記フッ素およびアンモニアの回収方法において、前記晶析処理水のpHを12〜13の範囲に調整するpH調整工程を含むことが好ましい。
また、前記フッ素およびアンモニアの回収方法において、前記アンモニア濃縮工程の前段に、前記晶析処理水からアンモニアを蒸発濃縮するアンモニア蒸発濃縮工程を含んでもよい。
本発明では、フッ素およびアンモニアを含む原水にカルシウム剤を添加してフッ化カルシウムの結晶を生成させてフッ素を除去し、フッ素が除去された晶析処理水に含まれるアンモニアを濃縮することにより、フッ素およびアンモニアを含む原水からフッ素とアンモニアを共に回収することができる。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
本実施形態に係る回収方法では、フッ素およびアンモニアを含む原水にカルシウム剤を添加してフッ化カルシウムの結晶を生成させてフッ素を除去し(晶析反応工程)、フッ素が除去された晶析処理水に含まれるアンモニアを濃縮する(アンモニア濃縮工程)ことにより、フッ素およびアンモニアを回収する。
本発明の実施形態に係る回収装置の一例の概略構成を図1に示す。図1の回収装置1は、原水槽10と、pH調整槽12と、晶析反応槽14と、スラリ貯槽16と、脱水装置18と、晶析処理水槽20と、晶析処理水pH調整槽22と、アンモニア濃縮手段であるアンモニア蒸留装置24とを備える。
図1の回収装置1において、pH調整槽12には、原水槽10からの原水配管がポンプ26を介して接続されている。晶析反応槽14には、pH調整槽12からのpH調整液配管がポンプ28を介して接続されている。晶析処理水槽20には、晶析反応槽14からの晶析処理水配管が接続されている。晶析処理水pH調整槽22には、晶析処理水槽20からの晶析処理水配管がポンプ36を介して接続されている。アンモニア蒸留装置24には、晶析処理水pH調整槽22からのpH調整液配管がポンプ38を介して接続され、アンモニア蒸留装置24の出口には、アンモニア水配管がポンプ40を介して接続されている。また、スラリ貯槽16には、晶析反応槽14の下部からのスラリ配管がポンプ30を介して接続されている。脱水装置18には、スラリ貯槽16からのスラリ配管がポンプ32を介して接続され、脱水装置18の出口には、ペレット配管がポンプ34を介して接続されている。pH調整槽12、晶析処理水pH調整槽22には、モータおよびpH調整槽12あるいは晶析処理水pH調整槽22内の流体を撹拌する撹拌翼を備える撹拌手段である撹拌装置44,54、pH測定手段であるpHメータ42,52がそれぞれ設置されている。晶析反応槽14には、モータおよび晶析反応槽14内の流体を撹拌する撹拌翼48を備える撹拌手段である撹拌装置46が設置されており、ドラフトチューブ50を備える。原水槽10、晶析処理水槽20には撹拌装置が設けられていてもよい。
本実施形態に係るフッ素およびアンモニアの回収方法、回収装置1の動作について説明する。
フッ素およびアンモニアを含有するフッ素・アンモニア含有原水(以下、単に「原水」と呼ぶ場合がある。)が原水槽10からポンプ26により原水配管を通してpH調整槽12に送液される。pH調整槽12において、撹拌装置44によって撹拌されながら、pH調整剤がポンプなどのpH調整剤添加手段により添加され、所定の範囲のpHに調整される(pH調整工程)。pHメータ42により計測されるpH調整槽12内の液のpHに基づいてポンプなどを制御して、pH調整剤の添加量を調整してもよい。
また、pH調整槽12において、撹拌装置44によって撹拌されながら、希釈水がポンプなどにより添加され、所定の範囲のフッ素濃度に調整される(フッ素濃度調整工程)。フッ素濃度計などのフッ素濃度計測手段によりフッ素濃度を計測して、計測されるpH調整槽12内の液のフッ素濃度に基づいてポンプなどを制御して、希釈水の添加量を調整してもよい。
pH調整槽12においてpHおよびフッ素濃度が調整されたpH調整液は、pH調整液配管を通して、ポンプ28により晶析反応槽14へ送液される。次に、カルシウム剤がポンプなどのカルシウム剤添加手段によりカルシウム剤配管を通して、晶析反応槽14に添加される(カルシウム剤添加工程)。晶析反応槽14において、原水に含まれるフッ素と、カルシウム剤とが反応してフッ化カルシウムの結晶が生成される(晶析反応工程)。晶析反応液は撹拌装置46によって撹拌される。
晶析反応槽14において晶析反応により生じる、フッ素が低減された晶析処理水は、晶析処理水配管を通して晶析処理水槽20へ送液される。
晶析反応槽14内の晶析反応により生じるフッ化カルシウムの結晶がある程度大きく成長すると、晶析反応槽14内からスラリ配管を通してフッ化カルシウムを含むスラリの少なくとも一部がポンプ30により引抜かれる(引抜工程)。引抜かれた結晶はスラリ状であり、スラリ槽16へ送液されて貯留された後、ポンプ32によりスラリ配管を通して、脱水装置18へ送液され、脱水処理が行われる(脱水工程)。脱水処理が行われたフッ化カルシウムのペレットはポンプ34により、系外に排出され、フッ酸の原料などとして再利用される。スラリ槽16において、引抜スラリは撹拌装置によって撹拌されてもよい。
脱水したフッ化カルシウムは洗浄水などで洗浄してもよい。洗浄および脱水は必要に応じて繰り返してもよい。また、脱水工程の前段において、引抜スラリを中和してもよい。
一方、晶析処理水槽20へ送液された晶析処理水は、晶析処理水配管を通して、ポンプ36により晶析処理水pH調整槽22へ送液される。晶析処理水pH調整槽22において、撹拌装置54によって撹拌されながら、pH調整剤がポンプなどの晶析処理水pH調整剤添加手段により添加され、所定の範囲のpHに調整される(晶析処理水pH調整工程)。pHメータ52により計測される晶析処理水pH調整槽22内の液のpHに基づいてポンプなどを制御して、pH調整剤の添加量を調整してもよい。
晶析処理水pH調整槽22においてpH調整されたアンモニア含有pH調整液は、pH調整液配管を通して、ポンプ38によりアンモニア蒸留装置24へ送液される。アンモニア蒸留装置24において、アンモニア含有pH調整液からアンモニアが濃縮され、所定の濃度(例えば、20〜25重量%)の回収アンモニア含有水が得られ(アンモニア濃縮工程)、アンモニア水配管を通してポンプ40により系外へ排出され、再利用される。
本発明の実施形態に係る回収装置の他の例の概略構成を図2に示す。図2の回収装置3は、原水槽10と、pH調整槽12と、晶析反応槽14と、スラリ貯槽16と、脱水装置18と、晶析処理水槽20と、晶析処理水pH調整槽22と、アンモニア蒸発濃縮手段である蒸発濃縮装置56と、アンモニア濃縮手段であるアンモニア蒸留装置24とを備える。
図2の回収装置3において、蒸発濃縮装置56には、晶析処理水pH調整槽22からのpH調整液配管がポンプ38を介して接続され、アンモニア蒸留装置24には、蒸発濃縮装置56からのアンモニア水配管がポンプ58を介して接続されている。その他の構成は、図1の回収装置1と同様であるので、説明を省略する。
フッ素およびアンモニアを含有するフッ素・アンモニア含有原水について、図1の回収装置と同様に、晶析反応工程による処理が行われ、晶析処理水が得られる。晶析処理水槽20へ送液された晶析処理水は、晶析処理水配管を通して、ポンプ36により晶析処理水pH調整槽22へ送液され、晶析処理水pH調整槽22において、撹拌装置54によって撹拌されながら、pH調整剤がポンプなどの晶析処理水pH調整剤添加手段により添加され、所定の範囲のpHに調整される(晶析処理水pH調整工程)。
晶析処理水pH調整槽22においてpH調整されたアンモニア含有pH調整液は、pH調整液配管を通して、ポンプ38により蒸発濃縮装置56へ送液される。蒸発濃縮装置56において、アンモニア含有pH調整液からアンモニアが蒸発濃縮され、アンモニア含有水と、フッ素含有水とに分別される(アンモニア蒸発濃縮工程)。
蒸発濃縮装置56において分別されたアンモニア含有水は、アンモニア水配管を通して、ポンプ58によりアンモニア蒸留装置24へ送液される。アンモニア蒸留装置24の前段において、水酸化ナトリウムなどのアルカリなどのpH調整剤により、アンモニアのイオン化を促進するために、アンモニア含有水のpHを所定の範囲内に調整してもよい。図1の回収装置1と同様にして、アンモニアが濃縮され、所定の濃度(例えば、20〜25重量%)の回収アンモニア含有水が得られる(アンモニア濃縮工程)。フッ素含有水については、必要に応じて、凝集沈殿処理などの処理が行われてもよい。
本方法では、晶析反応法によって先に原水のフッ素除去を行うため、晶析処理水のフッ素濃度が例えば100mg−F/L未満となるので、図1の回収装置1のように蒸発濃縮装置56を省略することができ、設備コスト、運転コストなどを低減することができる。しかし、図2の回収装置3のように、晶析処理水pH調整槽22の後段で、かつアンモニア蒸留装置24の前段に、蒸発濃縮装置56を備えることにより、晶析処理水にフッ素が例えば100mg−F/L以上残存したとしても、アンモニアの濃縮を問題なく行うことができる。なお、原水がアンモニアを含有していても、晶析反応にはほとんど影響しないと考えられる。
本実施形態に係る図1および図2の回収装置1,3および回収方法では、フッ素およびアンモニアを含む原水について、晶析反応によりフッ素を回収した後、アンモニアを回収する。このため、後段の蒸発濃縮装置やアンモニア蒸留装置において、晶析反応で添加したカルシウム剤に起因するフッ化カルシウムや炭酸カルシウムなどのスケールが発生する場合がある。そこで、
(1)晶析反応において、添加するカルシウム剤の添加量を制御し、カルシウムの添加量をフッ素の化学当量以下に制御する。
あるいは、
(2)晶析処理水のpHを高アルカリ(pH12〜13)にする。
ことにより、スケールの発生を防止することができる。(1)と(2)の方法を組み合わせてもよい。
晶析反応におけるカルシウム添加量としては、フッ素の化学当量以下、例えば化学当量としてフッ素の好ましくは0.9倍〜1倍以下とすることができる。この範囲にカルシウム剤の添加量を制御することによって、晶析処理水にカルシウム分をほとんど残存させないことにより、蒸発濃縮装置56、アンモニア蒸留装置24などにおいてスケールなどが発生することを防止することができる。カルシウム剤の添加量が1倍以下であると原水中のフッ素の全量がフッ化カルシウムとならず、晶析処理水にフッ素が混入する場合があるが、フッ素濃度が好ましくは100mg/L以下であれば、後段の蒸発濃縮装置56を省略することができ、後段のアンモニア蒸留装置24により、アンモニア含有水へのフッ素の混入を防止することができる。したがって、設備コスト、運転コストなどを低減することができる。カルシウム添加量の調整は、ポンプなどのカルシウム剤添加手段によるカルシウム剤の添加量を制御する制御手段を設けて行ってもよい。
また、カルシウム添加量としては、化学当量としてフッ素の好ましくは1倍超〜2倍とし、より好ましくは1倍超〜1.2倍としてもよい。カルシウムの化学当量が原水のフッ素の化学当量の2倍より多いとフッ化カルシウムが微粒子として生成しやすく、処理水にフッ化カルシウムが混入する場合がある。カルシウム添加量を1倍超〜2倍とした場合は、晶析処理水中にカルシウムが残存することがあるため、アンモニア蒸留装置24の前段に図2に示すように、アンモニア蒸発濃縮手段である蒸発濃縮装置56を備えることが好ましい。また、晶析処理水pH調整槽22において、pHを12〜13の範囲に調整することにより、晶析処理水中にカルシウムが残存した場合でも、蒸発濃縮装置56、アンモニア蒸留装置24などにおいてスケールなどが発生することを防止することができる。
このように、晶析反応においてカルシウム添加量を所定の範囲に制御し、あるいは晶析処理水のpHを所定の範囲に制御することにより、フッ素・アンモニア含有原水から、直接、晶析反応法によりフッ素を回収でき、晶析処理水からアンモニアを回収することができる。
本実施形態におけるフッ素・アンモニア含有原水は、フッ素およびアンモニアを含むものであれば、如何なる由来の原水であってもよく、例えば、半導体、液晶表示装置などの電子製品やその部品などの製造工程、その他の産業などから排出される原水が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
pH調整槽12のpH調整工程において、液のpHを、2〜3の範囲に調整することが好ましい。液のpHが、2未満であると、後段の晶析反応法によるフッ素回収工程において、原水中のフッ素のうち、フッ化カルシウムとならない割合が多くなり、晶析処理水中に溶解性フッ素が多く残存することになってフッ素の回収率が低下する場合があり、3を超えると、カルシウム剤が溶解しにくくなり、未溶分のカルシウム剤とフッ素との急激な反応により微細なフッ化カルシウムが生成する場合がある。
pH調整剤としては、塩酸、硫酸などの酸または水酸化ナトリウムなどのアルカリなどを用いることができる。
フッ素濃度調整工程において、原水のフッ素濃度は、特に限定されるものではないが、例えば、1,000mg/L〜100,000mg/Lの範囲に調整することが好ましく、5,000mg/L〜20,000mg/Lの範囲に調整することがより好ましい。原水のフッ素濃度が5,000mg/L未満であると、後段の晶析反応法によるフッ素回収工程において回収率が低下する場合がある。また、20,000mg/Lを超えると、後段の晶析反応法によるフッ素回収工程において、微細なフッ化カルシウムの結晶が生成し、フッ素回収率が低下して、処理水の水質が悪化する場合がある。
晶析反応工程において、晶析対象物質となるフッ素は、晶析反応により晶析するのであれば、任意の状態で原水中に存在することが可能である。原水に溶解しているという観点から、晶析対象物質はイオン化した状態であるのが好ましい。晶析対象物質がイオン化した状態としては、例えば、Fなどがイオン化したもの、フッ素を含む化合物がイオン化したものなどが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
本実施形態においては、晶析剤として塩化カルシウム、消石灰などのカルシウム剤が用いられるが、カルシウム剤を添加する形態としては、粉末状態でもよいし、スラリ状態であってもよい。カルシウム剤の添加の好ましい態様は、カルシウム剤スラリとして添加する態様である。
本実施形態においては、晶析用薬液として消石灰と酸とを混合したカルシウム溶液などが使用されてもよい。本明細書における「カルシウム溶液」とは、消石灰(水酸化カルシウム)に酸を添加して得られた液体であって、一定範囲のpHを有する液体である。「カルシウム溶液」は、消石灰が完全に溶解された溶液状態であってもよく、消石灰の固体粒子が含有されていてもよい。消石灰への酸の添加は、消石灰に酸が添加されるのであれば任意の、公知の方法による添加が可能であり、例えば、消石灰スラリに酸を添加する態様、消石灰の乾燥固体に酸を添加する態様またはこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。消石灰への酸の添加の好ましい態様は、消石灰スラリに酸を添加する態様である。
本明細書において、「消石灰スラリ」とは、消石灰の乾燥固体に水または水溶液を添加して形成されるスラリをいい、使用される水としては、蒸留水、精製水、水道水など任意のソースの水が可能であり、また、水溶液としては、前記水に、酸、アルカリ、これらの塩など任意の化合物が添加された水溶液が可能である。また、本明細書における「消石灰の乾燥固体」とは、前記消石灰スラリに対する概念を示すものであり、スラリを形成していない、粉体、顆粒、塊状物などの固体であればよく、化合物としての無水物を意味するものではない。
カルシウム溶液の調製に使用される消石灰としては、任意のグレードの消石灰を使用することができ、特に限定されるものではない。カルシウム溶液の調製に使用される酸としては、特に限定されるものではなく、任意の酸を使用可能である。好ましくは、カルシウムと難溶性の塩を形成させる成分を含まない任意の酸であり、例えば、塩酸などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。より好ましくは、酸は塩酸である。使用される酸は1種類であってもよいし、複数種類の酸が使用されてもよい。使用される酸の濃度、添加量などは、カルシウム溶液が所望のpHとなるように適宜設定される。例えば、工場内の処々の設備で中和用などに使用される目的で、水と混合して工場内を循環している消石灰スラリを用いると利便性がよい。
本実施形態における、カルシウム溶液のpH範囲は好ましくはpH9以下であり、より好ましくは、pH8以下であり、さらに好ましくは、pH8〜4の範囲であり、特に好ましくは、pH7〜5の範囲である。カルシウム溶液のpHを、上記範囲に調節することにより、消石灰をある程度溶解させることが可能となる。ここで、消石灰スラリが完全な溶解が達成されるような条件、すなわちpHが低い方が晶析処理において良好であると考えられる。しかし、本発明者らは、晶析処理によって得られる処理水中の晶析対象成分の濃度をより低減させるためには、カルシウム溶液のpHを所定の範囲に設定するのが有効であることを見出した。すなわち、カルシウム溶液のpHをpH4未満に低下させるよりも、上述のようにpH8〜4の範囲、さらには、pH7〜5の範囲にすることにより、処理水中のフッ素の濃度を顕著に低減できる。上記至適pHの存在は、pHを一定範囲にすることにより消石灰の微粒子を完全に溶解させるのではなく、一定量の消石灰微粒子をカルシウム溶液中に残存させることにより、晶析反応槽内において、該微粒子によって晶析反応の反応面積を増大させて晶析反応効率を向上させ、処理水中のフッ素の濃度を低減させるためであると考えられる。
カルシウム溶液などのカルシウム剤溶液中のカルシウム剤の濃度は、原水のフッ素濃度、晶析反応槽14の処理能力などに応じて適宜設定され、特に限定されるものではない。
本実施形態においては、pH調整液とカルシウム剤とを晶析反応槽14に添加する前に、あらかじめ、晶析反応槽14に種晶が存在していてもよいし、あらかじめ晶析反応槽14内に種晶が存在していなくてもよい。安定した処理を行うためには、晶析反応槽14にあらかじめ種晶が存在していることが好ましい。晶析反応槽14に充填される種晶の充填量は、フッ素を晶析反応により除去できるのであれば特に限定されるものではなく、原水中のフッ素濃度、カルシウムの濃度、また、晶析反応槽14の運転条件などに応じて適宜設定される。
種晶は、その表面に生成した難溶性塩(フッ化カルシウム)の結晶を析出させることができるものであればよく、任意の材質が選択可能であり、例えば、ろ過砂、活性炭、およびジルコンサンド、ガーネットサンド、サクランダム(商品名、日本カートリット株式会社製)などをはじめとする金属元素の酸化物を含んで構成される粒子、ならびに、晶析反応による析出物であるフッ化カルシウムを含んで構成される粒子などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。より純粋な難溶性塩をペレットなどとして入手できるという観点から、晶析反応による析出物である難溶性塩を含んで構成される粒子(フッ化カルシウムの場合は例えば蛍石)が好ましい。種晶の形状、粒径は、晶析反応槽14内の流速、フッ素およびカルシウムの濃度などに応じて適宜設定され、特に限定されるものではない。
晶析反応槽14にあらかじめ種晶が充填されている場合は、例えば、pH調整液へカルシウム剤を晶析反応槽14において添加し、晶析反応槽14内で、種晶上にフッ化カルシウムを析出させてペレットを形成させ、フッ素が低減された処理水を生じさせる。これに対して、晶析反応槽14にあらかじめ種晶が存在していない場合には、pH調整液へカルシウム剤を添加することにより晶析反応槽14内で析出するフッ化カルシウムがペレットを形成し、成長することとなる。いずれの場合も、晶析反応槽14内の結晶がある程度大きく成長すると、晶析反応槽14内から一部の結晶を引抜く引抜操作と、引抜いた結晶よりも小粒径の種晶を新たに補充する補充操作を繰り返し行うことで、連続的に結晶を得るような方法が採用される。
晶析反応槽14は、原水中のフッ素とカルシウム剤とが反応して難溶性塩のフッ化カルシウムの結晶を析出させて、フッ素が低減された処理水を生じさせうる反応槽であればよく、長さ、内径、形状などについては任意の態様が可能であり、特に限定されるものではない。
晶析反応槽としては、図1のように晶析反応槽14に、撹拌翼48などを備える撹拌装置46を設置し、該撹拌装置46により晶析反応槽14内を撹拌してペレットを流動させる撹拌式の晶析反応槽が挙げられる。撹拌翼48は晶析反応槽14内で内容物を撹拌できるものであればよく、撹拌翼の設置態様、撹拌翼の大きさなどは特に限定されるものではない。
また、撹拌式の晶析反応槽14としては、晶析反応槽14の周壁に対向させて内周壁を配置して、この内外周壁間を処理水排出路とし、フッ化カルシウム粒子と晶析処理水との分離能を向上させ、晶析処理水中にフッ化カルシウム粒子が流出するのを防止する分離ゾーンを有するものであってもよい。この態様においては、晶析処理水排出路の上部に晶析処理水配管が接続されるような態様が好ましい。また、この晶析処理水排出路には、ペレットの分離能を向上させるために、晶析処理水排出路の入口部分に複数枚のじゃま板で構成したバッファ板や、複数枚の整流板で構成したバッファ板を位置させていてもよい。この態様の詳細は特開2005−230735号公報および特開2005−296888号公報に記載されており、これらの特許文献に記載される晶析反応槽も本実施形態において使用可能である。
また、晶析反応槽としては、晶析反応槽内で上向流を形成し、該上向流によってペレットが流動する流動床式の晶析反応槽も挙げられる。
本実施形態において、カルシウム剤の晶析反応槽14への添加は、撹拌翼48の近傍に行われることが好ましい。一方、原水(pH調整液)の晶析反応槽14への添加は、pH調整液を晶析反応槽14に添加できるものであれば任意の態様が可能であり、pH調整液配管は晶析反応槽14の任意の部分に接続することができる。図1のような撹拌式の晶析反応槽の場合は、pH調整液配管は、析出物と晶析処理水との分離という観点から、晶析反応槽14の上部に接続されるのが好ましい。また、図1においては、pH調整液配管およびカルシウム剤添加配管はそれぞれ1つであるが、これに限定されるものではなく、これらが複数設けられていてもよい。流動床式の晶析反応槽の場合は、晶析反応槽内に上向流を形成すると効率的に晶析反応を行うことができるという観点から、pH調整液配管およびカルシウム剤添加配管などは、晶析反応槽の下部、特に底部に接続されるのが好ましい。
この方法では、カルシウム剤を撹拌翼48の近傍に添加することにより、晶析処理水のフッ素濃度を低減させることができる。この理由としては、カルシウム剤スラリを撹拌翼48の近傍に添加することでカルシウム剤スラリが瞬時に拡散するため、カルシウム剤とフッ素との急激な反応を抑制し、微細なフッ化カルシウムの生成を低減できる効果があると考えられる。
本明細書において、撹拌翼48の「近傍」とは、撹拌翼48の撹拌流によって晶析反応槽14内の晶析反応液が素早く拡散しうる領域を意味する。例えば、カルシウム剤の注入点が、撹拌翼48による撹拌流速が大きい領域に設けられることが好ましい。特に、カルシウム剤の注入点の、撹拌翼48の回転軸方向の高さは、撹拌翼48の回転中心から、撹拌翼48の回転半径の2倍以内の距離であることが好ましい。また、撹拌翼48の回転径方向の位置は、撹拌翼48の回転中心から、撹拌翼48の回転半径の2倍以内の距離であることが好ましい。さらに、中心が撹拌翼48の回転中心であって、半径が撹拌翼48の回転半径の2倍である球状の領域内に設けられることが好ましい。これにより、カルシウム剤は、晶析反応槽14内へ注入されると直ちに拡散せしめられ、その濃度が素早く低下する。このため、カルシウム剤が溶けやすくなり、未溶分のカルシウム剤とフッ素との急激な反応を抑制し、微細なフッ化カルシウムの生成を低減できる。さらに、形成されたフッ化カルシウムが液中に直接析出することが少なくなり、粒状種晶上の難溶性塩(フッ化カルシウム)の結晶として液中のフッ素をじっくりと取り込むことができる。したがって、晶析処理水に混入する微細なフッ化カルシウムの量を極めて少なくすることができ、粒径の大きなフッ化カルシウムを安定的に得て、フッ素の回収率を大きく向上させることができる。
本実施形態においては、図1,3に示すように、晶析反応槽14の水面下に、筒内に撹拌装置20の撹拌翼48が位置するようにドラフトチューブ50を設置することが好ましい。このとき、撹拌翼48は下降流を形成するものであることが好ましい。このようにドラフトチューブ50を設置すると、チューブ下部に向けて下降流が生じ、拡散流速が比較的大きいゾーンが形成される。このため、pH調整液やカルシウム剤などをより素早く拡散させることができ、pH調整液やカルシウム剤の濃度が局所的に濃い領域同士が接触して、フッ化カルシウムの直接生成が生じることを極力抑制することが可能となる。
また、上記のようにドラフトチューブ50および撹拌翼48を設置すると、チューブ外周部には流れのゆるやかな上向流ゾーンが形成される。このゾーンでは、粒子が分級されて小粒径の粒子はチューブ外側面に沿って上昇すると共に、チューブ上端からチューブ内部に再侵入して下降し、pH調整液やカルシウム剤などの注入点付近やその下部の撹拌ゾーンへと再循環する。これら小粒径の結晶が核となって晶析反応を促進せしめる。このため、粒径の大きなフッ化カルシウムの結晶を安定的に形成させることが可能となり、フッ素の回収率を向上させることができる。
さらに、晶析反応が進んで粒径が大きくなった結晶は、チューブ外周部の上向流によっては上昇せず、下に沈んで再びドラフトチューブ50内には入り込まないため、成長した結晶が撹拌翼48との衝突により破壊されてしまうことを防止することができる。このような利点も、粒径の大きなフッ化カルシウムの結晶を安定的に得ることに寄与し、ひいてはフッ素の回収率の向上に寄与することができる。
チューブ下部に撹拌流速の比較的大きいゾーンを形成し、チューブ外周部に上向流を安定的に形成するためには、撹拌翼48が、チューブ内でチューブ下半分の何処かに位置することが好ましい。より好ましくは、チューブ下端より少し上方の位置がよい。このような配置とすれば、撹拌流速の大きなゾーンがチューブ下端付近に渦のように形成され、さらにそこから上向流がチューブ外周部に沿って安定的に形成される。したがって、pH調整液やカルシウム剤などの拡散や、粒子の分級を効果的に進めることできる。
ドラフトチューブ50を設ける場合、pH調整液やカルシウム剤の注入点は、これらをドラフトチューブ50内の下降流に乗せて素早く効果的に拡散させるために、ドラフトチューブ50の筒内に配することが好ましい。より好ましい位置は、ドラフトチューブ50の筒内かつ撹拌翼48の上方である。
本実施形態においては、カルシウム剤を用いて晶析反応槽14内でpH2〜11の条件下でフッ化カルシウムを析出させることが好ましい。微粒子生成抑制などの点から好ましくはpH2〜3の条件下でフッ化カルシウムを析出させることが好ましい。フッ化カルシウムの生成反応に伴ってpHが変化する場合は、晶析反応槽14にpH調整剤を適宜添加しうるように構成することが好ましい。フッ化カルシウム析出の際のpHは、pHメータなどのpH測定手段を用いて、晶析反応槽14内の反応場のpHを測定し、測定されたpHに応じて、酸またはアルカリなどのpH調整剤を槽内に添加することにより、pHを制御することができる。pHメータは、フッ化カルシウム析出反応の反応場のpHをモニタできるのであれば、晶析反応槽14のいずれの部分に設置されてもよく、pH調整液の導入部付近、晶析反応槽14からの晶析処理水の出口付近など、特に限定されるものではない。
また、晶析反応槽14内で10℃〜30℃程度の室温で反応させてもよいが、高純度かつ粒度の大きい結晶を得られる点で、40℃〜70℃の範囲の温度で反応させてもよい。
晶析反応槽14内または晶析処理水中の溶解性のフッ素濃度を測定するために、フッ素濃度計などのフッ素濃度測定手段を晶析反応槽14または晶析処理水配管に設置してもよい。また、晶析反応槽14内または晶析処理水中の溶解性カルシウムなどのカルシウム濃度を測定するために、カルシウム濃度計などのカルシウム濃度測定手段を晶析反応槽14または晶析処理水配管に設置してもよい。晶析反応槽14内でのフッ素濃度計、カルシウム濃度計などの設置位置は特に限定されるものではないが、例えば、晶析処理水中の濃度を測定する場合には、晶析反応槽14の出口付近に設置することができる。
得られる晶析処理水において、例えばフッ素濃度は、フッ化カルシウムなどの非溶解性フッ素を含む全フッ素として通常500mg−F/L以下、溶解性のフッ素イオンとして通常50mg−F/L以下程度である。カルシウム濃度は、pH2〜3で、溶解性のカルシウムイオンとして通常50mg−Ca/L程度であるが、これらに限定されるものではない。
原水を処理して得られた晶析処理水をさらに沈殿槽において処理してもよい。沈殿槽においては、例えば、pHを3〜12、好ましくは4〜11とすることでフッ化カルシウムを生成させて、フッ素を沈殿除去することにより、さらにフッ素濃度が低減された晶析処理水を得ることができる。
脱水装置18としては、フィルタプレス型、遠心脱水型などが採用されるが、生成する結晶粒子の粒径は数十μmと大きく脱水性がよいので、遠心力、圧力などのほか重力を利用したろ過式脱水装置(不織布など)なども採用される。
このように、晶析反応槽14内で難溶性塩のフッ化カルシウムの結晶を析出させることにより、原水中のフッ素が難溶性塩の結晶として回収される。本実施形態においては、フッ素の回収率(1−(処理水中のフッ素量/原水中のフッ素量))として、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上、さらにより好ましくは90%以上を達成できる。また、純度が90%〜98%のフッ化カルシウムを得ることができる。
晶析処理水pH調整槽22において、アンモニアのイオン化を促進するため、pHをアルカリ性の範囲に調整することが好ましく、上記の通り、特に晶析反応におけるカルシウム添加量がフッ素の化学当量を超える場合には、pH12〜13の範囲に調整することがより好ましい。pHが7未満であると、後段のアンモニア濃縮工程において回収率が低下する場合がある。pHを12〜13の範囲に調整することにより、アンモニア蒸留装置24などにおいてスケールなどが発生することを防止することができる。pH13を超えると、アンモニア蒸留装置24などにおいてスケールが発生する場合がある。
アンモニア蒸留装置24としては、アンモニア含有pH調整液からアンモニアを濃縮するものであればよく特に制限はない。
アンモニア蒸留装置24における温度は、例えば、90℃〜100℃の範囲である。
蒸発濃縮装置56を用いた場合、アンモニア蒸留装置24の前段において、アンモニアのイオン化を促進するために、アンモニア含有水のpHを11〜13の範囲内に調整してもよい。
アンモニア蒸留装置24において、フッ素およびアンモニア含有量が低減された排水が生成する。この排水のpHは通常11〜13の範囲であり、水温は通常、常温〜70℃の範囲であり、アンモニア含有量は通常100mg/L以下である。また、フッ素濃度は、例えば、フッ化カルシウムなどの非溶解性フッ素を含む全フッ素として通常500mg−F/L以下、溶解性のフッ素イオンとして通常50mg−F/L以下程度である。この排水は、例えば、凝集沈殿法により処理することができる。
蒸発濃縮装置56としては、アンモニア含有pH調整液からアンモニアを蒸発濃縮し、アンモニア含有水と、フッ素含有水とに分別するものであればよく特に制限はないが、例えば、蒸気を装置内へ導入し、減圧下でアンモニアを蒸発濃縮する蒸発濃縮装置などが挙げられる。
蒸発濃縮装置56における温度および圧力は、アンモニアが蒸発する条件であればよく特に制限はない。
本発明の実施形態に係る回収装置の一例を示す概略構成図である。 本発明の実施形態に係る回収装置の他の例を示す概略構成図である。 本発明の実施形態に係る晶析反応装置における晶析反応槽の一例を示す概略構成図である。
符号の説明
1,3 回収装置、10 原水槽、12 pH調整槽、14 晶析反応槽、16 スラリ貯槽、18 脱水装置、20 晶析処理水槽、22 晶析処理水pH調整槽、24 アンモニア蒸留装置、26,28,30,32,34,36,38,40,58 ポンプ、42,52 pHメータ、44,46,54 撹拌装置、48 撹拌翼、50 ドラフトチューブ、56 蒸発濃縮装置。

Claims (6)

  1. フッ素およびアンモニアを含む原水からフッ素およびアンモニアを回収する回収装置であって、
    前記原水にカルシウム剤を添加してフッ化カルシウムの結晶を生成させるための晶析反応槽と、
    前記カルシウム剤を前記原水に添加するカルシウム剤添加手段と、
    前記晶析反応槽においてフッ素が除去された晶析処理水に含まれるアンモニアを濃縮するアンモニア濃縮手段と、
    前記カルシウム剤添加手段によるカルシウム剤の添加量を制御する制御手段と、
    を備え
    前記原水に含まれるフッ素濃度の化学当量以下のカルシウム剤を添加することを特徴とするフッ素およびアンモニアの回収装置。
  2. 請求項1に記載のフッ素およびアンモニアの回収装置であって、
    前記晶析処理水にpH調整剤を添加する晶析処理水pH調整剤添加手段を備え、前記晶析処理水のpHを12〜13の範囲に調整することを特徴とするフッ素およびアンモニアの回収装置。
  3. 請求項1または2に記載のフッ素およびアンモニアの回収装置であって、
    前記アンモニア濃縮手段の前段に、前記晶析処理水からアンモニアを蒸発濃縮するアンモニア蒸発濃縮手段を備えることを特徴とするフッ素およびアンモニアの回収装置。
  4. フッ素およびアンモニアを含む原水からフッ素およびアンモニアを回収する回収方法であって、
    前記原水にカルシウム剤を添加してフッ化カルシウムの結晶を生成させてフッ素を除去する晶析反応工程と、
    前記晶析反応工程においてフッ素が除去された晶析処理水に含まれるアンモニアを濃縮するアンモニア濃縮工程と、
    を含み、
    前記晶析反応工程において、前記原水に含まれるフッ素濃度の化学当量以下のカルシウム剤を添加することを特徴とするフッ素およびアンモニアの回収方法。
  5. 請求項に記載のフッ素およびアンモニアの回収方法であって、
    前記晶析処理水のpHを12〜13の範囲に調整する晶析処理水pH調整工程を含むことを特徴とするフッ素およびアンモニアの回収方法。
  6. 請求項4または5に記載のフッ素およびアンモニアの回収方法であって、
    前記アンモニア濃縮工程の前段に、前記晶析処理水からアンモニアを蒸発濃縮するアンモニア蒸発濃縮工程を含むことを特徴とするフッ素およびアンモニアの回収方法。
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