JP3362276B2 - 廃水処理装置 - Google Patents

廃水処理装置

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JP3362276B2 JP29531595A JP29531595A JP3362276B2 JP 3362276 B2 JP3362276 B2 JP 3362276B2 JP 29531595 A JP29531595 A JP 29531595A JP 29531595 A JP29531595 A JP 29531595A JP 3362276 B2 JP3362276 B2 JP 3362276B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、下水処理
や排水処理を含む廃水処理装置に関し、詳しくは、下水
処理における生物学的脱リン法で発生する汚泥処理分離
液のようなアンモニウムイオン及びリン酸イオンを含む
廃水にマグネシウム化合物とpH調整剤とを加えて反応
させ、結晶状態のリン酸マグネシウムアンモニウム六水
和物(ストラバイト)を生成させて回収するための廃水
処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、廃水中のリン及び窒素を除去
するための方法として、例えば、特開平1−11939
2号公報には、アンモニウムイオン及びリン酸イオンを
含む廃水に、マグネシウム化合物を添加するとともにア
ルカリからなるpH調整剤を加えてpHを8以上に調整
し、通気によって廃水を撹拌することによりこれらを反
応させてリン酸マグネシウムアンモニウム(MAP)の
微細結晶を生成成長させ、廃水中の浮遊物質と生成した
リン酸マグネシウムアンモニウムの結晶とを分離し、ア
ンモニウムイオン及びリン酸イオンをリン酸マグネシウ
ムアンモニウムの固体粒子として除去する方法が記載さ
れている。
【0003】上記方法を実施するための装置としては、
従来、下端が先細りのテーパー状に形成した筒体からな
る反応槽の底部に、廃水、マグネシウム化合物及びpH
調整剤を供給する液供給管や撹拌用空気を供給する空気
供給管を設けたものが用いられていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、反応槽底部
から廃水等を供給すると、前記アンモニウムイオン,リ
ン酸イオン,マグネシウム化合物が反応槽底部や液供給
管の内部で反応してしまうことがあり、リン酸マグネシ
ウムアンモニウムの結晶が配管中で成長してスケールを
形成し、配管を閉塞することがあった。このスケールを
除去するために、装置を分解して強酸で洗うなどの対策
を必要としていた。また、スケールを溶解させて除去す
るためにクエン酸を導入する方法も提案されているが
(特開平5−169093号公報参照)、いずれにして
も、スケール除去のために装置の運転を停止する必要が
あった。
【0005】また、上記処理を行った処理水中にも未反
応のアンモニウムイオン,リン酸イオン,マグネシウム
イオンが残存しているため、処理水を水処理系に戻すた
めの返送配管内でも反応が進み、返送配管の内壁にスケ
ールが堆積して配管を閉塞するおそれもあった。
【0006】さらに、反応槽内で生成したリン酸マグネ
シウムアンモニウムの結晶は、空気撹拌によって結晶同
士が頻繁に衝突し、摩耗して細かな破片となってしま
う。このような破片状のものは、沈降性が悪いために処
理水と共に流出してしまい、リンの除去率を悪化させる
大きな要因となっている。
【0007】そこで本発明は、例えば、消化槽脱離液の
ようなリンを高濃度で含有する廃水からリンをリン酸マ
グネシウムアンモニウム六水和物(ストラバイト)とし
て化学的に反応・結晶化させ、回収する場合等に用いる
のに好適な廃水処理装置であって、配管を閉塞するおそ
れのあるスケールの発生を防止するとともに、効率よ
く、経済的にストラバイトの結晶を回収することができ
る廃水処理装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の廃水処理装置は、アンモニウムイオン及び
リン酸イオンを含む廃水にマグネシウム化合物とpH調
整剤とを加えて攪拌し、生成したリン酸マグネシウムア
ンモニウム六水和物を分離回収する廃水処理装置におい
て、有底筒状の反応槽内に、槽中心軸を中心として大径
小径2個の筒体を槽底部から所定距離上方に二重管状に
配設し、外側の大径筒体の上部を液面より突出させ、内
側の筒体の上部を液面下に配置するとともに、前記廃水
の流入部、マグネシウム化合物の供給部及びpH調整剤
の供給部を大径筒体の内側に設け、かつ、小径筒体の内
部に上昇流又は下降流を発生させる攪拌手段を設け、前
記反応槽の底部に生成したリン酸マグネシウムアンモニ
ウム六水和物を回収する生成物排出部及び該リン酸マグ
ネシウムアンモニウム六水和物の微細結晶と粗大結晶と
を分級し、かつ、浮遊物を分離して前記リン酸マグネシ
ウムアンモニウム六水和物の洗浄を行う分級用給水部を
設け、反応槽上部外周に処理水排出部を設けたことを特
徴とし、また、前記生成物排出部は、前記反応槽の底部
に連通する配管に二連バルブを設けたものであり、前記
分級用給水部は、前記二連バルブの間又は二連バルブの
上方に連設した分級用水供給配管と該分級用水供給配管
に設けたバルブとを有していることを特徴としている。
【0009】上記構成によれば、反応槽内の大径筒体の
内側に流入した廃水は、小径筒体の内部に設けられた撹
拌手段の撹拌作用により小径筒体の内部を上昇又は下降
し、小径筒体の外部を下降又は上昇する循環流を形成す
るとともに、廃水流入量に略相当する量の水が反応槽と
大径筒体との間を上昇して反応槽上部外周に設けた処理
水排出部から排出される。廃水中のアンモニウムイオン
及びリン酸イオンは、循環流中において、大径筒体の内
側に供給されたマグネシウム化合物と所定のpH状態下
で反応してリン酸マグネシウムアンモニウム六水和物
(ストラバイト)の結晶となる。
【0010】上記ストラバイトの結晶は、反応の進行に
伴って成長し、次第に大きな固体粒子となり、処理水中
を沈降して槽底部に沈殿する。この沈殿物は、分級用給
水部から給水して槽底部に上昇流を発生させることによ
り、小粒子と大粒子とを分級して大粒子を槽底部に集め
ることができる。これにより、ストラバイトの大粒子の
みを生成物排出部から取出すことができる。また、スト
ラバイトの小粒子や一部の大粒子は、再び循環流中に取
込まれ、その表面で生成反応が行われて結晶成長するこ
とにより大粒子となり、再び槽底部に沈殿して分級操作
後に取出される。
【0011】したがって、反応槽での反応を続けながら
生成したストラバイトの大粒子のみを取出すことがで
き、また、廃水流入部、マグネシウム化合物及びpH調
整剤の供給部を反応槽に設けたので、各配管内で反応し
てスケールが発生することがなく、これらの配管がスケ
ールによって閉塞することがない。さらに、撹拌手段で
適当な早さの循環流を形成することにより、十分かつ均
一な撹拌を行うことができ、空気撹拌に比べて結晶同士
の衝突を抑えることができるとともに、生成したストラ
バイトを十分に混和させることができる。しかも、連続
処理により循環流中のストラバイト量を、常に所定量以
上に確保することができるため、ストラバイトの生成反
応をストラバイトの結晶表面で行わせることが可能とな
り、槽内各壁面でのスケールの発生を抑制することがで
きる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、図面を参照して
さらに詳細に説明する。まず、図1及び図2は、本発明
を適用した廃水処理装置の一例を示すもので、図1は縦
断面図、図2は横断面図である。
【0013】この廃水処理装置は、底面を漏斗状に形成
した有底円筒状の反応槽1と、該反応槽1の内部に設け
られた大径小径2個の円筒体2,3と、大径円筒体2の
内周側上方に設けられた廃水流入部4、マグネシウム化
合物供給部5及びpH調整剤供給部6と、小径円筒体3
の内部に下降流を発生させる撹拌手段である撹拌翼71
を設けた撹拌機7と、反応槽1の底部に設けられた生成
物排出部8及び分級用給水部9と、反応槽1の上部外周
に設けられた処理水排出部10と、pH調整剤の供給量
を制御するためのpHコントローラー11とにより形成
されている。
【0014】上記大径円筒体2は、その内周部分をドラ
フトチューブ型撹拌部として使用するものであって、下
端は反応槽1の底面から所定距離上方に位置し、上端は
水面より上方に位置するように設置されている。この大
径円筒体2の内部に設置される小径円筒体3は、撹拌部
のドラフトチューブとして作用するものであって、内部
の撹拌翼71により小径円筒体3の内周側に下降流が、
外周側に上昇流がそれぞれ形成されて循環流となる。
【0015】また、大径円筒体2の外周部、反応槽1の
内周面との間は、廃水流入部4から流入する廃水量に略
相当する水が上昇し、生成したストラバイトの結晶を、
その上昇過程で沈降分離させる生成物分離部として作用
する。この部分は、ストラバイトの小結晶や衝突により
発生した小片も確実に沈降させることができるように十
分な水面積を有している。
【0016】前記廃水流入部4は、原水貯留タンク4
1,原水撹拌機42,ポンプ43,逆止弁44,仕切弁
45,流量計46及び原水流入管47を備えており、廃
水は、原水貯留タンク41からポンプ43,各弁44,
45,46及び原水流入管47を経て所定流量で反応槽
1に送られる。
【0017】前記マグネシウム化合物供給部5は、マグ
ネシウム貯留タンク51,ポンプ52,逆止弁53,仕
切弁54,流量計55及びマグネシウム流入管56を備
えており、マグネシウム貯留タンク51内のマグネシウ
ム化合物、例えば所定濃度の塩化マグネシウム水溶液
は、マグネシウム貯留タンク51からマグネシウム流入
管56を経て所定流量で反応槽1に送られる。なお、マ
グネシウム化合物供給部5から供給するマグネシウム化
合物含有液としては、海水を用いることもできる。すな
わち、マグネシウムイオンの添加量は、原液(廃水)中
のリン酸イオンと等モルになるように設定するものであ
るから、例えば、原液中のリン酸イオン濃度50〜10
0mg/lに対しては、反応前のマグネシウムイオンの
濃度が約39〜78mg/lになるようにマグネシウム
化合物含有液を添加すればよい。一方、海水中には、1
300mg/lという高濃度でマグネシウムイオンが溶
存しているため、原液に対して1/15〜1/30の量
の海水を添加することで、リン酸マグネシウムアンモニ
ウムの生成反応を起こさせることが可能である。
【0018】また、前記pH調整剤供給部6は、pH調
整剤貯留タンク61,ポンプ62,逆止弁63,仕切弁
64,流量計65及びpH調整剤流入管66を備えてお
り、pH調整剤貯留タンク61内のpH調整剤、例えば
所定濃度の水酸化ナトリウム水溶液は、pHコントロー
ラー11の検出部11aで検出されたpH値に基づいて
作動するポンプ62により、反応槽1内が所定のpH、
例えばpH8になるように流量調節されてpH調整剤流
入管66から反応槽1に送られる。
【0019】さらに、前記生成物排出部8及び分級用給
水部9は、反応槽1の底部に連通する配管81に二連バ
ルブ82,83を設けるとともに、両バルブ82,83
間に雑用水等からなる分級用水を供給する分級用水供給
配管91,バルブ92を連設したものである。
【0020】このように形成した廃水処理装置におい
て、廃水流入部4から流入するアンモニウムイオン及び
リン酸イオンを含む廃水は、マグネシウム化合物供給部
5から供給されるマグネシウムイオン含有水と共に、大
径円筒体内周側の撹拌部を循環する循環流中に投入さ
れ、撹拌翼71による撹拌作用及び下降流形成作用によ
り、循環する水及びストラバイトの結晶と十分に混和さ
れながら小径円筒体3の内周側を下降する。
【0021】そして、一部の水が大径円筒体2の外周面
と反応槽1の内周面との間を上昇して処理水排出部10
から排出される他は、小径円筒体3の外周面と大径円筒
体2の内周面との間を上昇して循環流を形成する。一
方、pH調整剤供給部6から供給されるpH調整剤によ
り反応槽1内の水のpHが所定のpH値に調節されるこ
とにより、反応槽1内でアンモニウムイオン,リン酸イ
オン,マグネシウムイオンの反応が進行してストラバイ
トが生成する。
【0022】このストラバイトの生成反応は、主として
各イオンの濃度が高いドラフトチューブ型撹拌部で行わ
れ、ストラバイトの生成反応がストラバイトの結晶表面
で行われることにより次第に成長して大粒の結晶粒子と
なる。このストラバイトの結晶粒子は、水との比重差
(ストラバイトの比重:1.7)により反応槽1の底部
に沈降する。また、廃水中のSS成分や副産物であるリ
ン酸カルシウムは、大径円筒体2の外周面と反応槽1の
内周面との間を処理水と共に上昇して処理水排出部10
から排出される。
【0023】実験によれば、結晶の長さが0.046〜
0.074mmのストラバイト粒子が上昇流と共に上昇
を始める上向き流速は毎分約10cmであり、リン酸カ
ルシウムは、毎分数cmの上向き流速で上昇を開始する
ので、大径円筒体2の外周面と反応槽1の内周面との間
の上向き流速を毎分10cm以下、例えば5cm程度に
なるように各部の大きさや処理水量を設定しておくこと
により、反応槽1の底部にストラバイトのみを沈殿させ
ることができ、極めて純度の高いストラバイトを得るこ
とができる。
【0024】また、反応槽1の底部には、ストラバイト
の比較的大きな結晶粒子が主として沈殿するが、粗大粒
子の間隙に入り込んだ微細結晶や廃水中の浮遊物(SS
成分や副産物等)は、粒度を不均一にするだけでなく、
回収物の純度を悪化させる原因となる。したがって、反
応槽1内にある程度のストラバイトが生成したときに、
分級用給水部9のバルブ92を開いて分級用水供給配管
91から分級用水を供給するとともに、配管81の上方
のバルブ82を開いて反応槽1の底部に上昇流を発生さ
せることにより、ストラバイトの微細結晶と粗大結晶と
を分級し、かつ、浮遊物を分離してストラバイトの洗浄
を行うことができ、ストラバイトの粗大結晶のみを反応
槽1の底部、生成物排出部8の部分に集めることができ
る。
【0025】次いで、バルブ82を開いた状態でバルブ
92を閉じて分級用水を止めると、反応槽底部のストラ
バイトの粗大結晶が下方のバルブ83の上方に落下する
ので、上方のバルブ82を閉じた後に下方のバルブ83
を開くことにより、二連バルブ82,83間のストラバ
イトの粗大結晶を若干の処理水と共に取出すことができ
る。
【0026】取出したストラバイトは、水切り後に搬送
・回収されて緩効性肥料として使用され、さらに、カリ
ウム塩を混合して造粒等の加工を施すことにより、植物
の三大栄養素を含む肥料として有効に利用することがで
きる。
【0027】また、ストラバイトの粗大結晶から分離上
昇した微細結晶は、再び撹拌部に流入することにより次
第に成長して大粒の結晶粒子となる。また、生成物分離
部に流入した微細結晶は再び沈降し、浮遊物は処理水と
共に上昇して処理水排出部10から排出される。したが
って、ストラバイトの流出を抑制しながら浮遊物が反応
槽1内に蓄積することを防止できる。
【0028】定常運転状態では、廃水流入部4,マグネ
シウム化合物供給部5及びpH調整剤供給部6からそれ
ぞれ所定量の廃水,マグネシウム化合物及びpH調整剤
が注入されることによってストラバイトの結晶成長が行
われるとともに、適当な時間間隔で分級用給水部9から
の注水によるストラバイト結晶の分級及び洗浄と、生成
物排出部8の二連バルブ82,83の操作によるストラ
バイト結晶の取出しとが行われる。
【0029】したがって、配管等がスケールにより閉塞
することがなく、スケール除去のために装置を停止する
必要がほとんど無いので、下水処理設備における消化槽
脱離液等に含まれるリンを、肥料として極めて有効なス
トラバイトとして連続的に回収することができる。特
に、分級により大きな結晶のみを回収するため、品質面
でも優れており、その取扱いも容易である。
【0030】また、大径小径2個の円筒体2,3で形成
したドラフトチューブ型撹拌部における撹拌機7による
撹拌状態を適当に設定することにより、十分かつ均一な
撹拌を行うことができ、空気撹拌に比べて結晶同士の衝
突を抑えることができるとともに、生成したストラバイ
トを十分に混和させることができる。これにより、スト
ラバイトの生成反応をストラバイトの結晶表面で行わせ
ることができ、反応槽1及び円筒体2,3の各壁面での
スケールの発生を抑制することができる。
【0031】さらに、反応槽1の底部に沈殿した微細結
晶を分級操作により撹拌部に戻すことができることか
ら、撹拌部における反応生成物(ストラバイト)濃度を
常に所定量以上に確保できるため、反応速度を高くする
ことができ、装置内での滞留時間を短縮することが可能
となり、装置全体を非常にコンパクトに設計することが
できる。
【0032】図3は、本発明を適用した廃水処理装置の
他の例を示す縦断面図であって、撹拌翼71により小径
円筒体3の内周側に上昇流を、外周側に下降流をそれぞ
れ形成して上述のものとは逆方向の循環流を発生させた
ものである。また、撹拌機7の上部には、各流入供給部
4,5,6から供給される液を処理水中に分散させるた
めの分散翼72が設けられており、大径円筒体2は、小
径円筒体3上部から水面上までの範囲にリング状に設け
られ、処理水排出部10は、大径円筒体2の外周部で反
応槽1の下部より大径に形成されている。なお、図1及
び図2に示す装置と同一構成要素のものには同一符号を
付して詳細な説明は省略する。
【0033】前記同様に、廃水流入部4からの廃水は、
原水貯留タンクからポンプ,弁,原水流入管を経て所定
流量で反応槽1に送られ、マグネシウム化合物供給部5
からのマグネシウム化合物は、廃水中のリン酸イオン量
に応じた所定量がマグネシウム貯留タンクからポンプ,
弁,流量計,マグネシウム流入管を経て反応槽1に供給
され、pH調整剤供給部6からのpH調整剤は、pHコ
ントローラーにより検出されたpH値に基づいて所定量
がpH調整剤貯留タンクからポンプ,弁,流量計,pH
調整剤流入管を経て反応槽1に供給される。
【0034】大径円筒体2の内周側に供給された前記廃
水,マグネシウム化合物,pH調整剤は、撹拌翼71の
作用で小径円筒体3内を上昇してきた処理水と混合し、
大径円筒体2と小径円筒体3との間を下降し、その大部
分は、小径円筒体3の外周面と反応槽1の内周面との間
を下降して再び小径円筒体3内を上昇する。そして、前
記同様に、小径円筒体3内外の循環流中でアンモニウム
イオン,リン酸イオン,マグネシウムイオンの反応が進
行してストラバイトが生成し、次第に成長して大粒の結
晶粒子になるとともに反応槽1の底部に沈降し、廃水中
のSS成分や副産物であるリン酸カルシウムは、大径円
筒体2の外周面と反応槽1の上部内周面との間の大径部
を処理水と共に上昇して処理水排出部10から排出され
る。
【0035】また、各流入供給部4,5,6の近傍の水
面近くに分散翼72を設けているので、流入した廃水,
マグネシウム化合物及びpH調整剤を、反応槽1内を循
環する処理水内に速やかに分散,混合させることがで
き、ストラバイトの生成反応、特に結晶成長を効率よく
行うことができる。
【0036】すなわち、通常の処理においては、pH調
整剤として1規定程度の濃度の水酸化ナトリウム水溶液
を用いるが、これを反応槽1内に供給すると、該水溶液
の周囲の処理水のpHがかなり高くなり、この高pH域
ではMAPの生成速度が極めて大きくなるため、反応槽
1内に存在するMAP結晶の表面での結晶成長反応より
も、新たに結晶核を生成する反応が多く発生することに
なる。この結果、大量の微細なMAP(ストラバイト)
結晶が発生することになるが、この微細結晶は、処理水
排出部10から排出される水と共に流出しやいことか
ら、リンの回収率が悪化することになる。
【0037】したがって、pH調整剤供給部の近傍に分
散翼72を設けてpH調整剤を速やかに分散させ、局所
的なpH上昇を抑制することにより、上述の新たな結晶
核の生成よりも結晶成長反応を促進することができ、大
粒の結晶粒子を効率よく得ることができる。さらに、原
液である廃水やマグネシウム化合物も速やかに分散させ
て濃度分布を低減することにより、安定した状態で反応
を行わせることができる。
【0038】また、小径円筒体3の内周部の小径部分を
上昇してきた処理水と各流入液とを分散翼72で混合し
ながら分散させて小径円筒体3の外周部の大径部分に流
すようにしているので、より濃度分布を低減させること
ができる。
【0039】なお、ストラバイトの分級及び洗浄は、反
応槽1の底部に設けたバルブ82の上方に分級用給水部
9から分級用水を供給することにより行うことができ、
ストラバイトの粗大結晶の取出しは、二連バルブ82,
83を前記同様に操作することにより行うことができ
る。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の廃水処理
装置によれば、下水処理設備における消化槽脱離液等に
含まれるリンを、肥料として有用なストラバイトの粗大
粒子として効率よく回収することができる。特に、配管
等がスケールにより閉塞することを防止できるので、装
置を停止して洗浄する必要がほとんど無く、連続的に運
転することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用した廃水処理装置の一例を示す
縦断面図である。
【図2】 同じく横断面図である。
【図3】 廃水処理装置の他の例を示す縦断面図であ
る。
【符号の説明】
1…反応槽、2…大径円筒体、3…小径円筒体、4…廃
水流入部、5…マグネシウム化合物供給部、6…pH調
整剤供給部、7…撹拌機、71…撹拌翼、72…分散
翼、8…生成物排出部、9…分級用給水部、10…処理
水排出部、11…pHコントローラー
フロントページの続き (72)発明者 矢尾 真 東京都中央区京橋1丁目3番3号 前澤 工業株式会社内 (72)発明者 吉野 正章 東京都中央区京橋1丁目3番3号 前澤 工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭51−60682(JP,A) 特開 平4−141293(JP,A) 特開 昭56−84689(JP,A) 特開 平8−66688(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 1/58 B01D 9/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アンモニウムイオン及びリン酸イオンを
    含む廃水にマグネシウム化合物とpH調整剤とを加えて
    攪拌し、生成したリン酸マグネシウムアンモニウム六水
    和物を分離回収する廃水処理装置において、有底筒状の
    反応槽内に、槽中心軸を中心として大径小径2個の筒体
    を槽底部から所定距離上方に二重管状に配設し、外側の
    大径筒体の上部を液面より突出させ、内側の筒体の上部
    を液面下に配置するとともに、前記廃水の流入部、マグ
    ネシウム化合物の供給部及びpH調整剤の供給部を大径
    筒体の内側に設け、かつ、小径筒体の内部に上昇流又は
    下降流を発生させる攪拌手段を設け、前記反応槽の底部
    に生成したリン酸マグネシウムアンモニウム六水和物を
    回収する生成物排出部及び該リン酸マグネシウムアンモ
    ニウム六水和物の微細結晶と粗大結晶とを分級し、か
    つ、浮遊物を分離して前記リン酸マグネシウムアンモニ
    ウム六水和物の洗浄を行う分級用給水部を設け、反応槽
    上部外周に処理水排出部を設けたことを特徴とする廃水
    処理装置。
  2. 【請求項2】 前記生成物排出部は、前記反応槽の底部
    に連通する配管に二連バルブを設けたものであり、前記
    分級用給水部は、前記二連バルブの間又は二連バルブの
    上方に連設した分級用水供給配管と該分級用水供給配管
    に設けたバルブとを有していることを特徴とする請求項
    1記載の廃水処理装置。
JP29531595A 1995-11-14 1995-11-14 廃水処理装置 Expired - Fee Related JP3362276B2 (ja)

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