JP2005296888A - フッ素の固定化処理方法およびその方法により回収されたフッ化カルシウムのリサイクル方法ならびに残留フッ素の濃度規制方法 - Google Patents

フッ素の固定化処理方法およびその方法により回収されたフッ化カルシウムのリサイクル方法ならびに残留フッ素の濃度規制方法 Download PDF

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健司 安井
Mitsuhiro Takayanagi
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Abstract

【課題】
フッ化水素酸含有排水から、大部分のフッ素をフッ化水素製造用に適する純度および粒径を有するフッ化カルシウムとして固定化・処理する。この処理方法により回収されたフッ化カルシウムをリサイクルする。処理排水中の残留フッ素の濃度をフッ素規制値以下にする。
【解決手段】
フッ化カルシウムの結晶または粒子を分散させた条件下において、フッ化水素酸含有排水とカルシウム塩水溶液とを反応系に同時に導入する。そして、フッ素の固定化とフッ化カルシウムの結晶成長を同時に行わしめる。成長または生成したフッ化カルシウムを連続的または間歇的に抜き出し、濾過してフッ化カルシウムを回収する。上記処理方法で排出される酸性流出液を、アルカリ水溶液または薄いスラリーを用いて中和処理する。これにより、残留フッ素をフッ化カルシウムとして固定し、排水中のフッ素濃度をフッ素規制値以下にする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、フッ化水素酸含有排水から、大部分のフッ素をそのままでフッ化水素製造用の原料として利用できる純度および粒径を有するフッ化カルシウムとして固定化するための処理方法に関するものである。また、本発明は、この処理方法により回収されたフッ化カルシウムのリサイクル方法に関するものである。さらに、本発明は、処理排水中の残留フッ素の濃度をフッ素規制値以下にする技術に関するものである。
フッ素含有排水を処理するに当っては、通常、それらを水酸化カルシウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウムなどのカルシウム化合物と反応させ、難溶性のフッ化カルシウムとして固定化している。
このようにして回収されたフッ化カルシウムは、粒径が細かく、ほとんど沈降しない。従って、そのままでは濾過できないため凝集剤を用いてフロックとし、シックナーなどで沈降分離した後、フィルタープレスなどの濾過を行っている。そのため、水分が50〜60%もあり、さらに、表面に付着した脱水母液から持ち込む塩素などの不純物を多量に含むため産業用として再利用できないだけでなく、そのボリュームも大きいためその処分が問題となっている。
粒径を大きくするために粒度を揃えた天然炭酸カルシウムにフッ素含有排液を通すことにより、天然炭酸カルシウムの骨格をほぼ保ったままフッ化カルシウムを生成させる試みがなされている(例えば、特許文献1,2参照)。この際、発生する炭酸ガスが抜けたり、フッ化カルシウムフロックが生成されたり、炭酸カルシウムの中心部が未反応で残るなどの問題がある。回収されたフッ化カルシウムは粒度、流動性共に問題はないが、中心部に炭酸カルシウムが10〜15%残るため、フッ化水素製造用の原料として使用すると式(1)の反応により多量の炭酸ガスと水とが発生する。その結果、フッ化水素の収率が低下したり、運転が不安定になったり、装置の腐食が激しいなどの問題がある。それでもこの方法で回収されたフッ化カルシウム数%を蛍石と混ぜて処理した報告例もある(例えば、非特許文献1参照)。
特開平06−063561号公報(出願人:栗田工業株式会社および橋本化成株式会社、発明の名称:フッ素含有水用処理装置) 特開平06−063563号公報(出願人:栗田工業株式会社および橋本化成株式会社、発明の名称:フッ素含有水の処理方法) 新エネルギー・産業技術総合開発機構 「平成13年度成果報告書 51101125 平成13年度地球温暖化防止関連技術開発 HFC−23 破壊技術の開発」 平成14年3月報告 (委託先:社団法人産業環境管理協会)
数百ppmの希薄なフッ素含有排液については、フッ化カルシウムの結晶を成長させて大きな粒径にする技術(例えば、特許文献3,4、非特許文献2,3参照)もあるが、スケールの割には処理量が少ないこと、回収したフッ化カルシウムの粒径が0.5mmから1mmと大きいためフッ化水素製造用原料として用いるためには粉砕が必要であり、また、種結晶の選択にも問題があり、その回収物の再利用技術が未だ確立されていない。
特開2003−225680号公報(出願人:オルガノ株式会社、発明の名称:フッ素を含む排水の処理方法) 特開2003−305458号公報(出願人:オルガノ株式会社、発明の名称:フッ素含有排水の処理方法) オルガノ株式会社 橋本貴行著、「晶析法を用いたフッ酸リサイクル技術」、クリーンテクノロジー、5月号、日本工業出版株式会社、2001年5月、第40〜42頁 オルガノ株式会社 明賀春樹著、「排水からの水回収、物質回収」 化学工学、1月号、化学工学会、2004年1月、第54〜56頁
粒を揃えた炭酸カルシウムから得られた回収フッ化カルシウムや結晶成長により得られた回収フッ化カルシウムをフッ化水素製造原料である蛍石と数パーセント混ぜて使用することができるが、これらの回収フッ化カルシウムの純度は85〜90%程度であり、強熱減量(500〜600℃の温度条件下で数時間加熱時の重量損失)および不純物の変動が大きいため、それらの分析管理および運転管理が大変であり、それに要する経費が大きな問題となる。
通常の水酸化カルシウムスラリーや塩化カルシウム水溶液などのカルシウム処理により回収されたフッ化カルシウムは、一般的に、平均粒径が小さく二次的に凝集していること、比表面積が非常に大きいこと、嵩密度が小さいこと、水分が多いこと、強熱減量が大きいこと、塩素などの不純物が多いこと等の問題がある。そのため、乾燥時の粉塵の問題や蛍石との混ざり具合が悪く、硫酸との反応性が高いこと、塩素不純物が増加するなどの理由により、フッ化水素製造用原料として利用できない。
本発明の目的は、電子産業、金属産業、化学産業から排出される、リサイクルやリユースが出来ないフッ化水素酸を含有する排液から、フッ素の大部分を効率良くフッ化水素製造用に適する粒径を有し、かつ、高純度のフッ化カルシウムとして固定化して回収することにより、主としてフッ化水素製造用原料に供することである。そして、本発明によれば、フッ素の固定化処理に伴う産業廃棄物量を大幅に削減できると共に、資源的に乏しい天然のフッ化カルシウム(蛍石)を使用せずにフッ素化学産業のキーマテリアルであるフッ化水素を製造することができる。
本発明者等は、かかる目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、反応条件を工夫することにより、フッ化水素製造用に適する純度、粒度、嵩密度のフッ化カルシウムを簡便に回収する技術を見出した。このようにして得られたフッ化カルシウムは、粒径が大きく、しかも、高純度であるだけでなく、天然の蛍石で問題となるシリカ分および砒素分をほとんど含有しない利点を有することも分かった。
すなわち、本発明においては、フッ化カルシウム結晶または粒子を分散させた条件下において、例えば、容易に沈降し得るサイズ(通常、5〜10μm)以上のフッ化カルシウム結晶または粒子を分散させた条件下において、フッ化水素酸含有排水とカルシウム塩水溶液とを反応系に同時に導入する。この条件下では、フッ化カルシウムの核生成はほとんど起こらずに、分散させたフッ化粒子上での結晶成長が起こり、粒子径は徐々に大きくなる。従って、反応系から流出する液が濁ることはない。この固定化処理方法によれば、純度が高く、粒度の大きなフッ化カルシウム結晶を成長させることができる。
このようにして得られたフッ化カルシウムを水洗・乾燥すると、既存のフッ化水素製造プラントの原料として何ら問題なく使用することができる。
あらかじめ反応系に分散させるフッ化カルシウムの結晶または粒子の濃度、フッ化水素酸含有排水とカルシウム塩水溶液の導入速度および液の温度を調整することにより、濁りを発生させないための最適条件を保持することが好ましい。このような最適条件を保持することによって、反応系から流出する液が濁ることは全くない。従って、純度が98%以上と高く、粒度の大きいフッ化カルシウム結晶を容易に得ることができる。
なお、前記導入速度はフッ化カルシウムの核生成により液の濁りを生成する速度以下に保持する必要がある。この限界速度はフッ化水素酸含有排水中のフッ素濃度と関係し、フッ素濃度が低いほど速く、フッ素濃度が高くなるに従って遅くなる。また、反応速度を上げたり、分散させたフッ化カルシウムの結晶または粒子の濃度を上げることにより、限界速度を速くすることができる。
室温から90℃の温度条件下で反応させることが好ましい。少し高い温度で反応させた方が導入液の拡散や混合および結晶成長がよりスムーズに起こるため、生成する結晶の状態が良くなる場合が多く、処理速度を速めることができる。逆に、高すぎると、エネルギーの無駄使いとなる。
分散させるフッ化カルシウムの平均粒径を5〜300μm、さらに好ましくは10〜100μmとするのが良い。また、分散させるフッ化カルシウムの濃度を5〜60wt%、さらに好ましくは5〜40wt%とするのが良い。これらの範囲内でフッ素の固定化処理を行った場合には、その処理を効果的に実施することができる。分散させるフッ化カルシウムの濃度が低いと結晶成長のためのフッ化カルシウムの表面積が低くなり、フッ化水素酸含有排水の濁りを発生することなしに処理できる処理速度の低下を招き、逆に、フッ化カルシウムの濃度が高くなり過ぎると液の粘度が上がり、攪拌などに問題を生じる可能性があるので、いずれの場合も好ましくない。
カルシウム塩水溶液として塩化カルシウム、硝酸カルシウム、酢酸カルシウム、硫酸カルシウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウムの水溶液を使用し、フッ素量に対して0.8〜2倍等量、より好ましくは1.0〜1.3倍当量を用いるのが良い。これにより、フッ素の固定化処理を効果的に実施することができる。カルシウム塩の量がフッ素量に対して0.8倍当量以下の場合には、残留するフッ素分が多くなり、2倍当量を越えてもフッ素固定化率はほとんど増加せず、カルシウム塩が無駄になるだけなので、いずれの場合も好ましくない。
処理液とフッ化カルシウム粒子の比重差を利用した分離ゾーンを反応系に設けておくことが好ましい。このようにすることにより、反応系から流出する処理液と共にフッ化カルシウム粒子が流出するのを避けることができる。
上述した処理方法で成長または生成したフッ化カルシウムを連続的または間歇的に抜き出し、濾過してフッ化カルシウムを回収する。この場合には、純度が高く、粒度の大きいフッ化カルシウムを容易に得ることができ、回収されたこのフッ化カルシウムをフッ化水素製造用原料として供することにより、資源的に乏しい天然の蛍石を使用せずにフッ化水素を容易に製造することができる。
そして、この方法で抜き出したフッ化カルシウムを分級して、細かい粒子を反応系に戻して粒径をさらに大きく成長させることが好ましい。このようにすると、回収したフッ化カルシウムをフッ化水素製造用原料として使用する際、粉塵の問題が大きく緩和される。
上述した処理方法で排出される酸性流出液を、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ水溶液または薄いスラリーを用いて中和処理することにより、残留フッ素をフッ化カルシウムとして固定し、排水中のフッ素濃度をフッ素規制値以下にすることが好ましい。すなわち、反応系にフッ素に対して余剰のカルシウム溶液を導入することにより、単に中和処理を行うだけで、反応系から流出する酸性の液中に含まれる残留フッ素濃度を一般的な排水規制値(通常、8ppm)以下に保持することができる。
本発明をさらに具体的に説明する。
フッ素を含有する排水を処理するに当っては、通常、生石灰、消石灰、塩化カルシウムなどの水溶性のカルシウム化合物と反応させて中性付近に保持することにより、難溶性のフッ化カルシウムとして大部分のフッ素を固定化している。
このような固定化処理により得られたフッ化カルシウムは、粒径が非常に細かく、そのままでは濾過できないため、凝集剤を用いてフロックにした後、沈降分離・フィルタープレス濾過を行っている。そのために、水分が50〜80%もあり、産業用として再利用できないだけでなく、そのボリュームも大きいためその処分が問題となっている。
この問題を解決するために、適度の粒径に揃えた天然炭酸カルシウムとフッ化水素を反応させて(式(2)参照)、炭酸カルシウムの骨格をほぼ保ったままフッ化カルシウムを生成させる試みがなされ、多くの企業で採用されている。
この場合においては、大部分の炭酸カルシウムが粒径を保持したままフッ化カルシウムとして回収されるが、中心部に行くに従って発生する炭酸ガスが抜け難く、さらなる反応の進行を阻害するために炭酸カルシウムの中心部が未反応の炭酸カルシウムとして約10%程度残るなどの問題がある。また、炭酸ガスの発生に伴い、微粒子のフッ化カルシウムフロックが生成し、また、この処理ではフッ素濃度を数百ppm程度しか下げることが出来ないなどの問題もある。さらに、この方法は中性のフッ素含有排液に対してはそのままでは適用できず、フッ素含量に相当する多量の酸を加えて処理した液を用いる必要がある。
数百ppm程度の希薄なフッ化水素酸含有排液については、pHを中性付近に調整したのち、薄い塩化カルシウムの水溶液と種結晶とを同時に流動層内に入れて反応させることによって、種結晶にフッ化カルシウムの結晶を成長させ、大きな粒径にする技術もある。この際用いられる種結晶の粒径が100〜200μmと大きく、比表面積が小さいために、スケールの割には処理量が少ない。また、回収したフッ化カルシウムの粒径が0.5mmから1mmと大きいため、フッ化水素製造用原料として用いると表面の0.1mm程度しか反応せず、未反応のフッ化カルシウムが多量に残るので、粉砕が必要である。この場合、種結晶にフッ化カルシウムを使用すれば、回収したフッ化カルシウムの純度は93〜98%程度にすることができる。ただし、溶解度の小さい不純物は一緒に析出してフッ化カルシウムの純度を下げる。
また、炭酸カルシウムを用いる場合においても、種結晶を用いる場合においても、使用し得る炭酸カルシウムおよび種結晶の粒度の範囲がいずれも狭く、それらを選別するための経費も必要となり、予想外に高価な原料を使用しなければならないことになる。
フッ化水素酸含有排水は、カルシウム塩水溶液と反応させると、通常酸性を示すため、濁りの原因となるフッ化カルシウムの核の生成をある程度阻害することができる。換言すると、この酸性を保持することにより、フッ化カルシウムの溶解度が大きくなり、そのことにより過飽和領域がフッ素およびカルシウムの高濃度側に移動し、核生成が阻害される。このような状況下において、フッ化カルシウムの粒子がある程度以上の量で反応系内に存在すると、結晶成長がスムーズに起こり、反応系の液は濁らない。
このように、本発明においては、カルシウム塩水溶液を用いることにより、反応系のフッ化カルシウムの溶解度を高くできること、反応系へのフッ化水素酸含有排水とカルシウム塩水溶液の導入方法を工夫すること、フッ化カルシウムの結晶成長を行わしめるための種となるフッ化カルシウム粒子が分散していることから、フッ素の固定化に際して、細かいフッ化カルシウムの濁りを生成することなしに、フッ化カルシウムの結晶を成長させることができる。従って、純度が高く、粒度の大きいフッ化カルシウム結晶を容易に得ることができる。このようにして得られたフッ化カルシウムを濾別後軽く水洗して乾燥すると、物理的にも品位的にも問題はなく、既存のフッ化水素製造プラントの原料として使用することができる。
本発明において、フッ化水素酸含有排水とカルシウム塩水溶液を同時に導入することにより反応させる方法は、バッチ方式でも良いが、流動層方式、半回分式、連続オーバーフロー方式などの方法で連続的に行うのが好ましい。フッ化水素酸含有排水とカルシウム塩水溶液の反応系への導入方法は、ノズル噴霧、細かい穴を複数開けたインサート管など、反応系内に効率良く分散する方法を用い、流量をコントロールするために微調整可能な定量ポンプを用いるのが良い。ただし、本発明はこれらの導入方法のみに制限されるものではない。
フッ化水素酸含有排水とカルシウム塩水溶液とを同時に導入する場合における反応温度は、常温(室温)から90℃以下が好ましい。常温(室温)よりも少し高い温度で反応させた方が導入液の拡散や混合および結晶成長がよりスムーズに起こるため、生成する結晶の状態が良くなる場合が多く、処理速度を速めることができる。従って、純度が高く、粒度の大きなフッ化カルシウム結晶が出来やすくなるので、より有利である。逆に、90℃を越えるような反応温度にすると、エネルギーの無駄使いとなる。
分散させるフッ化カルシウムは容易に沈降できるサイズのものが好ましく、平均粒径は5〜300μm、さらに好ましくは平均粒径10〜100μmが良い。分散させるフッ化カルシウムの濃度は5〜60wt%で、さらに好ましくは5〜40wt%が良い。分散させるフッ化カルシウムの濃度が低いと、結晶成長のためのフッ化カルシウムの表面積が低くなり、フッ化水素酸含有排水の濁りを発生することなしに処理できる処理速度の低下を招く。逆に、フッ化カルシウムの濃度が高くなり過ぎると、液の粘度が上がり、攪拌などに問題を生じる可能性がある。
処理するフッ化水素酸含有排水中のフッ素濃度により、適用できる処理速度が大きく変わる。従って、高濃度のフッ素を含有するフッ化水素酸含有排水ほど、分散させるフッ化カルシウムの濃度を高めたり、液の温度を高めたり、処理速度を速める必要がある。通常、平均滞留時間4時間でフッ化水素酸含有排水を処理した場合、室温では、1000ppmのフッ素含量のフッ化水素酸含有排水に対して5〜15wt%、3000ppmのフッ素含量のフッ化水素酸含有排水に対して15〜40wt%のフッ化カルシウムスラリー濃度で行うのが良い。この範囲を越える高濃度のフッ素含量のフッ化水素酸含有排水に対しては、反応温度を上げたり、処理速度を遅くして、濁りを発生させないための最適条件を保持すべきである。
カルシウム塩水溶液として塩化カルシウム、硝酸カルシウム、酢酸カルシウム、硫酸カルシウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウムなどの水溶液を使用することができる。加えるカルシウム塩の量は、フッ化水素酸含有排水中のフッ素量に対して0.8〜2倍等量、より好ましくは1.0〜1.3倍当量で、ややカルシウム塩が過剰な条件で運転するのが良い。
処理液とフッ化カルシウム粒子の比重差を利用した分離ゾーンを反応系に設けておくことが好ましい。処理液とフッ化カルシウム粒子の比重差を利用してフッ化カルシウムを沈降させるための分離ゾーンを反応系に設けることにより、反応系から流出する処理液と共にフッ化カルシウム粒子が流出するのを避けることができ、強制的に抜き出さない限りフッ化カルシウム粒子を反応系内に保持することができる。反応系から流出する処理液中にフッ化カルシウム粒子を含まないように、例えば、攪拌の影響を避けるための内壁を反応槽の内部に設けた場合(図1(a))、反応槽の内部に仕切りを設けた場合(図1(b))、反応槽に分離ゾーンを挿入した場合(図1(c))、反応槽の外部に分離ゾーンを設けた場合(図1(d))などが考えられるが、本発明はこれらの実例の場合のみに限定されるものではなく、機能としてフッ化カルシウム粒子の流出を防ぐ工夫が凝らされておれば、いずれも使用可能である。
反応系で成長または生成したフッ化カルシウムは、連続的または間歇的に抜き出して回収するのが好ましい。ここで得られたフッ化カルシウムの平均粒径は、通常、20〜100μmであり、遠心分離などの手段により容易に分離できる。分離した状態での付着母液は5%以下であり、平均粒径が50μm以上の場合では、3%以下となる。水洗・乾燥後のフッ化カルシウムの純度は98%以上、強熱減量は0.3%以下、シリカの含量は0.1%以下、塩素含量は0.05%以下であり、通常の蛍石(純度97%以上、シリカの含量0.5%以下、強熱減量0.5%以下)と比べて高品位である。
抜き出したフッ化カルシウムはある範囲の粒径分布を示す。そこで、スラリー状態でデカンテーションや液サイクロンなどの分級手段を利用して得られた細かい粒子を、反応系に戻してさらに粒径を大きく成長させるのが好ましい。このようにすると、回収されたフッ化カルシウムをフッ化水素製造用原料として使用する際、粉塵の問題が大きく緩和されるので、有利である。
さらに、本発明では、フッ化水素酸含有発生に対してカルシウム塩水溶液で処理することにより、反応液を酸性に保持できるため、炭酸カルシウムや水酸化カルシウムを用いた中性領域で行う通常のフッ素固定化処理に比べて、金属類、シリカ、砒素などの不純物析出がほとんど見られないので、有利である。
フッ素の固定化処理から出てくる酸性流出液は、処理したフッ化水素酸含有排水中に含まれるフッ素の5〜20%が溶解している。これを排水規制値のフッ素濃度に近づけるために、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カルシウムなどのアルカリ水溶液またはスラリーを用いて中和処理することにより、残留フッ素をフッ化カルシウムとして固定化することができる。すなわち、フッ素に対して余剰のカルシウム溶液を反応系に導入することにより、反応系から流出する液中に含まれる残留フッ素を、液性が酸性にもかかわらず数百ppm以下にすることができ、続いて中和処理を行うだけで処理水中のフッ素濃度を排水規制値(通常、8ppm)以下に保持することができる。
なお、残留フッ素をフッ化カルシウムとして固定化した場合において、このフッ化カルシウム以外に処理液中に含まれている多くの不純物を析出することができる。
本発明では、酸性流出液にはフッ素に比べて過剰のカルシウムイオンが溶解しており、単に酸性領域から中性領域にすることによりフッ化カルシウムの溶解度を低くできる。この際、中性域への調製の仕方により生成するフッ化カルシウムの沈降性(粒子サイズ)が大きく変わる。例えば、石灰スラリーを用いて中和すると、白濁して沈降しない液になるが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム水溶液でゆっくりと中性にすると、沈降性の良い数μm以上のフッ化カルシウムを得ることができる。中和した液中のフッ素濃度は、残留するカルシウムイオン濃度により大きく左右されるが、残留カルシウムイオン濃度を50ppm以上にすれば、フッ素の一般的な排水規制値(通常、8ppm)をクリヤーすることができる。
請求項1記載の発明によれば、フッ素の固定化処理によりフッ素含有産業廃棄物の負荷を大幅に削減できる。また、資源的に乏しい蛍石を使用せずに、フッ化水素製造用に適するフッ化カルシウムを回収することができる。
請求項2記載の発明によれば、反応系から流出する液が濁ることは全くないから、純度が98%以上と高く、粒度の大きいフッ化カルシウム結晶を容易に得ることができる。
請求項3記載の発明によれば、導入液の拡散や混合および結晶成長がよりスムーズに起こるため、生成する結晶の状態が良くなる場合が多く、処理速度を速めることができる。
請求項4または5記載の発明によれば、フッ素の固定化処理をより効果的に実施することができる。
請求項6記載の発明によれば、反応系から流出する処理液と共にフッ化カルシウム粒子が流出するのを避けることができる。
請求項7記載の発明によれば、純度が高く、粒度の大きいフッ化カルシウムを容易に得ることができ、回収されたこのフッ化カルシウムをフッ化水素製造用原料として供することにより、資源的に乏しい天然の蛍石を使用せずにフッ化水素を容易に製造することができる。
請求項8記載の発明によれば、回収したフッ化カルシウムをフッ化水素製造用原料として使用する際、粉塵の問題が大きく緩和される。
請求項9記載の発明によれば、排水規制値を十分クリヤーできるフッ素の固定化処理を効果的に実施することができる。
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。
以下の各実施例における処理試験は、図2に示すベンチプラントを用いて行った。反応槽と中和槽は、図1(b)に示すタイプの分離ゾーンを有している。なお、図面中、符号1は200Lのフッ化水素酸含有排水貯槽、符号1pはフッ化水素酸含有排水定量ポンプ、符号2は200Lのカルシウム塩水溶液貯槽、符号2pはカルシウム塩水溶液用定量ポンプ、符号3は7Lの反応槽、符号4は7Lの中和槽、符号5は200Lのアルカリ水溶液貯槽、符号5pはアルカリ水溶液送液ポンプ、符号6は200Lの処理水槽である。
(実施例1)
反応槽に、純度99.2%、粒径5〜50μm(平均粒径21μm)のフッ化カルシウム800gと0.105%のフッ化水素酸を含有する排水と0.62%の塩化カルシウム水溶液を処理して得た上澄み液5kgを入れ、攪拌しながら、室温下で0.105%のフッ化水素酸を含有する排水を1.6kg/時、0.62%の塩化カルシウム水溶液を0.8kg/時の速度で連続的に注入した。反応槽の分離ゾーンでは、下部の1/4程度はスラリー状態で揺れ動いていたが、その上は無色透明な液体で、流出液は当然無色透明であった。
反応槽からの流出液が中和槽の2/3貯まった時点から、2%水酸化ナトリウム水溶液を中和槽に注入し、中和槽内のpHを6〜7に保持した。中和槽からの流出液はわずかに濁りを有するが、その沈降性は良かった。
計120時間運転して、0.105%のフッ化水素酸を含有する排水(フッ素分1000ppm)を192kg処理し、0.62%の塩化カルシウム水溶液96kg、2%水酸化ナトリウム水溶液約20kgを使用した。
反応槽からの流出液の平均フッ素濃度は120ppmで、反応槽でのフッ素の固定化率は82%であった。反応槽から回収したフッ化カルシウム量は、1123gで純度99.1%、平均粒径29μmであった。
処理水槽の上澄み液のフッ素濃度は6〜7ppm、カルシウム濃度は58ppmであった。
中和槽および処理水槽で回収した固形分は、75gで主成分はフッ化カルシウムであった。沈降性は良いが、粒径は1〜5μmと細かった。
(実施例2)
反応槽に、純度99.2%、粒径5〜50μm(平均粒径21μm)のフッ化カルシウム1200gと0.105%のフッ化水素酸を含有する排水と0.62%の塩化カルシウム水溶液を処理して得た上澄み液5kgを入れ、攪拌しながら、室温下で0.07%のフッ化水素酸と0.12%フッ化アンモニウムを含有する排水(フッ素濃度独活1281ppm)を1.6kg/時、0.78%の塩化カルシウム水溶液を0.8kg/時の速度で連続的に注入した。反応槽の分離ゾーンでは、下部の1/4程度はスラリー状態で揺れ動いていたが、その上は無色透明な液体で、流出液は当然無色透明であった。
反応槽からの流出液が中和槽の2/3貯まった時点から、2%水酸化ナトリウム水溶液を中和槽に注入し、中和槽内のpHを6〜7に保持した。中和槽からの流出液はわずかに濁りを有するが、その沈降性は良かった。
計120時間運転して、0.07%のフッ化水素酸と0.12%フッ化アンモニウムを含有する排水(フッ素分1281ppm)を192kg処理し、0.78%の塩化カルシウム水溶液96kg、2%水酸化ナトリウム水溶液約14kgを使用した。
反応槽からの流出液の平均フッ素濃度は150ppmで、反応槽でのフッ素の固定化率は82%であった。反応槽から回収したフッ化カルシウム量は、1616gで純度99.0%、平均粒径29μmであった。
処理水槽の上澄み液のフッ素濃度は6〜7ppm、カルシウム濃度は96ppmであった。
中和槽および処理水槽で回収した固形分は、105gで主成分はフッ化カルシウムであった。沈降性は良いが、粒径は1〜5μmと細かった。
(実施例3)
反応槽に、純度99.2%、粒径5〜50μm(平均粒径21μm)のフッ化カルシウム1200gと実施例2で得られた母液5kgを入れ、攪拌しながら、室温下で主な成分として0.08%のフッ化水素酸と0.11%硝酸を含有する排水(フッ素濃度760ppm)を1.6kg/時、0.48%の塩化カルシウム水溶液を0.8kg/時の速度で連続的に注入した。反応槽の分離ゾーンでは、下部の1/4程度はスラリー状態で揺れ動いていたが、その上は無色透明な液体で、流出液は無色透明であった。
反応槽からの流出液が中和槽の2/3貯まった時点から、2%水酸化ナトリウム水溶液を中和槽に注入し、中和槽内のpHを6〜7に保持した。中和槽からの流出液はわずかに濁りを有するが、その沈降性は良かった。
計120時間運転して、0.08%のフッ化水素酸と0.11%硝酸を含有する排水(フッ素濃度760ppm)を192kg処理し、0.48%の塩化カルシウム水溶液96kg、2%水酸化ナトリウム水溶液約22kgを使用した。
反応槽からの流出液の平均フッ素濃度は90ppmで、反応槽でのフッ素の固定化率は85%であった。反応槽から回収したフッ化カルシウム量は、1455gで純度99.0%、平均粒径28μmであった。
処理水槽の上澄み液のフッ素濃度は6〜7ppm、カルシウム濃度は102ppmであった。
中和槽および処理水槽で回収した固形分は、55gで主成分はフッ化カルシウムであった。沈降性は良いが、粒径は1〜5μmと細かった。
(実施例4)
反応槽に、純度99.2%、粒径5〜50μm(平均粒径21μm)のフッ化カルシウム2400gと0.6%のフッ化水素酸を含有する排水と3.5%の塩化カルシウム水溶液を処理して得た上澄み液5kgを入れ、攪拌しながら、室温下、化学反応プロセスで発生したフッ化水素酸含有排水(フッ化水素0.6%、塩酸0.55%、リン酸0.15%含有、フッ素濃度5700ppm)を0.8kg/時、3.5%の塩化カルシウム水溶液を0.4kg/時の速度で連続的に注入した。反応槽の分離ゾーンでは、下部の1/3程度はスラリー状態で揺れ動いていたが、その上は無色透明な液体で、流出液は無色透明であった。
反応槽からの流出液が中和槽の2/3貯まった時点から、10%水酸化ナトリウム水溶液を中和槽に注入し、中和槽内のpHを6〜7に保持した。中和槽からの流出液はわずかに濁りを有するが、その沈降性は良かった。
計120時間運転して、フッ素含有排水(フッ素分5700ppm)を96kg処理し、3.5%の塩化カルシウム水溶液48kg、5%水酸化ナトリウム水溶液約23kgを使用した。この間に、反応槽からほぼ20時間おきにフッ化カルシウムスラリー500mlを抜き出し、フッ化カルシウムを回収すると共にその上澄み液を中和槽に戻した。
反応槽からの流出液の平均フッ素濃度は600ppmで、反応槽でのフッ素の固定化率は89%であった。反応槽から回収したフッ化カルシウム量は、3399gで純度99.0%、平均粒径28μmであった。
処理水槽の上澄み液のフッ素濃度は5〜7ppm、カルシウム濃度は480ppmであった。
中和槽および処理水槽で回収した固形分は、260gでフッ化カルシウムの他にリン酸カルシウムを多量に含み、その他フッ素含有排水に含まれていた金属不純物を含んでいた。沈降性は比較的良かった。
(実施例5)
実施例4において、中和に5%水酸化ナトリウム水溶液の代わりに5%水酸化カルシウムスラリーを用いた結果、同様の結果が得られたが、中和槽および処理水槽から回収した固形分は濾過性が悪く、その量も多かった。
(実施例6)
反応槽に、純度99.2%、粒径5〜50μm(平均粒径21μm)のフッ化カルシウム1200gとフッ化水素酸を含有する排水と3.8%の硝酸カルシウム水溶液を処理して得た上澄み液5kgを入れ、攪拌しながら、化学反応プロセスで発生したフッ化水素酸含有排水(主な成分:フッ化水素0.43%、硝酸0.6%、フッ素濃度4100ppm)を1.6kg/時、3.8%の硝酸カルシウム水溶液を0.8kg/時の速度で、反応系の液温をテフロン(登録商標)被覆パイプヒーターにて50℃に保持しながら連続的に注入した。反応槽の分離ゾーンでは、下部の1/3程度はスラリー状態で揺れ動いていたが、その上は無色透明な液体で、流出液は無色透明であった。
反応槽からの流出液が中和槽の2/3貯まった時点から、10%水酸化ナトリウム水溶液を中和槽に注入し、中和槽内のpHを6〜7に保持した。中和槽からの流出液はわずかに濁りを有するが、その濁りの沈降性は良かった。
計60時間運転して、フッ素含有排水(フッ素分4100ppm)を96kg処理し、3.8%の硝酸カルシウム水溶液48kg、10%水酸化ナトリウム水溶液約12kgを使用した。
反応槽からの流出液の平均フッ素濃度は315ppmで、反応槽でのフッ素の固定化率は88%であった。反応槽から回収したフッ化カルシウム量は1911gで、純度99.1%、平均粒径30μmであった。
処理水槽の上澄み液のフッ素濃度は5〜7ppm、カルシウム濃度は95ppmであった。
中和槽および処理水槽で回収した固形分は、130gでフッ化カルシウムの他にリン酸カルシウムを多量に含み、その他フッ素含有排水に含まれていた金属不純物を含んでいた。沈降性は比較的良かった。
(実施例7)
反応槽に、純度99.2%、粒径5〜50μm(平均粒径21μm)のフッ化カルシウム2400gとフッ化水素酸を含有する排水と2.2%の塩化カルシウム水溶液を処理して得られた上澄み液5kgを入れ、攪拌しながら、室温下でフッ化水素酸含有排水(pH1.8、フッ素3600ppm、珪素600ppm、カリウム100ppm)を1.6kg/時、2.2%の塩化カルシウム水溶液を0.8kg/時の速度で連続的に注入した。反応槽の分離ゾーンでは、下部の1/4程度はスラリー状態で揺れ動いていたが、その上は無色透明な液体で、流出液は当然無色透明であった。
反応槽からの流出液が中和槽の2/3貯まった時点から、2%水酸化ナトリウム水溶液を中和槽に注入し、中和槽内のpHを6〜7に保持した。中和槽からの流出液はわずかに濁りを有するが、その濁りの沈降性は良かった。
計60時間運転して、フッ素含有排水(フッ素分3600ppm)を96kgを処理し、2.2%の塩化カルシウム水溶液48kg、2%水酸化ナトリウム水溶液約22kgを使用した。
反応槽からの流出液の平均フッ素濃度は160ppmで、反応槽でのフッ素の固定化率は93%であった。反応槽から回収したフッ化カルシウム量は、3060gで純度99.0%、平均粒径29μmで、珪素はほとんど含有していなかった。
中和槽および処理水槽はシリカ分の析出による沈降性の悪い濁りを生じたため、混分子凝集剤を使用後濾過した。濾過後の液のフッ素濃度は6〜7ppm、カルシウム濃度は63ppmであった。
(実施例8)
図2に示すベンチプラントのほぼ20倍のスケールのパイロット設備を用いて、無機フッ素工業から排出されるフッ化水素酸含有排水(フッ素濃度5600ppm、pH2以下、フッ素以外に多くの種類の陰イオン、陽イオンを含有、酸として0.23N)を処理した。140Lの反応槽に、フッ素処理で得た純度99.1%、粒径5〜50μm(平均粒径18μm)のフッ化カルシウム50kgとフッ化水素酸含有排水と3.4%の塩化カルシウム水溶液を処理して得た上澄み液120kgを入れ、攪拌しながら、室温下でフッ素含有排水20kg/時、3.4%の塩化カルシウム水溶液を10kg/時の速度で連続的に注入した。反応槽の分離ゾーンでは、下部の1/4程度はスラリー状態で揺れ動いていたが、その上は無色透明な液体で、流出液は無色透明であった。
反応槽からの流出液が中和槽の2/3貯まった時点から、10%水酸化ナトリウム水溶液を中和槽に注入し、中和槽内のpHを6〜7に保持した。中和槽からの流出液はわずかに濁りを有するが、その濁りの沈降性は良かった。
計36時間運転して、フッ素含有排水(フッ素分5600ppm)720kgを処理し、3.4%の塩化カルシウム水溶液360kg、10%水酸化ナトリウム水溶液約66kgを使用した。
反応槽からの流出液の平均フッ素濃度は380ppmで、反応槽でのフッ素の固定化率は90%であった。反応槽から回収したフッ化カルシウム量は、57.4kgで純度98.6%、平均粒径23μmであった。
中和槽および処理水槽で回収した固形分は、23kgでほぼ半分がフッ化カルシウムで多くの不純物を含んでいた。沈降性は比較的良かった。
各実施例に示すベンチプラントで回収したフッ化カルシウムを、フッ化水素製造ベンチプラントで原料として使用したところ、ベンチプラントの運転および製造されたフッ化水素の品位などにおいて、全く問題は見られなかった。
本発明は、電子産業、金属産業、化学産業などから排出される比較的濃度の低い(10,000ppm程度以下)フッ化水素酸含有排水から、大部分のフッ素をフッ化水素製造用に適する98%以上の純度および粒径を有するフッ化カルシウムとして固定化・処理する場合に広く適用できる。また、本発明は、この処理方法により回収されたフッ化カルシウムのリサイクル(再資源化)にも広く適用できる。さらに、本発明は、処理排水中の残留フッ素の濃度をフッ素規制値以下にする場合にも広く適用できる。
分離ゾーンを設けた反応系の一例を示す概略図である。 フッ化カルシウムを回収するのに用いられるベンチプラントの一例を示す概要図である。
符号の説明
1…フッ素含有排水貯槽、1p…フッ素含有排水定量ポンプ、2…カルシウム塩水溶液貯槽、2p…カルシウム塩水溶液用定量ポンプ、3…反応槽、4…中和槽、5…アルカリ水溶液貯槽、5p…アルカリ水溶液送液ポンプ、6…処理水槽、pH…pHメータ、F…フローメーター、M…減速機付き撹拌機。

Claims (9)

  1. フッ化カルシウムの結晶または粒子を分散させた条件下において、フッ化水素酸含有排水とカルシウム塩水溶液とを反応系に同時に導入することにより、フッ素の固定化とフッ化カルシウムの結晶成長を同時に行わしめ、フッ素の大部分を粒径の大きな高純度のフッ化カルシウムとして固定化して回収することを特徴とするフッ素の固定化処理方法。
  2. あらかじめ反応系に分散させるフッ化カルシウムの結晶または粒子の濃度、フッ化水素酸含有排水とカルシウム塩水溶液の導入速度および液の温度を調整することにより、濁りを発生させないための最適条件を保持することを特徴とする請求項1記載のフッ素の固定化処理方法。
  3. 室温から90℃の温度条件下で反応させることを特徴とする請求項1または2記載のフッ素の固定化処理方法。
  4. 分散させるフッ化カルシウムの平均粒径を5〜300μm、濃度を5〜60wt%とすることを特徴とする請求項1または2記載のフッ素の固定化処理方法。
  5. カルシウム塩水溶液として塩化カルシウム、硝酸カルシウム、酢酸カルシウム、硫酸カルシウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウムの水溶液を使用し、フッ素量に対して0.8〜2倍等量を用いることを特徴とする請求項1または2記載のフッ素の固定化処理方法。
  6. 反応系から流出する処理液と共にフッ化カルシウム粒子の流出を避けるために、処理液とフッ化カルシウム粒子の比重差を利用した分離ゾーンを反応系に設けたことを特徴とする請求項1または2記載のフッ素の固定化処理方法。
  7. 請求項1または2記載の処理方法で成長または生成したフッ化カルシウムを連続的または間歇的に抜き出し、濾過してフッ化カルシウムを回収し、回収されたこのフッ化カルシウムを、フッ化水素製造用原料として供することを特徴とするフッ化カルシウムのリサイクル方法。
  8. 請求項7記載のリサイクル方法で抜き出したフッ化カルシウムを分級して、細かい粒子を反応系に戻して粒径をさらに大きく成長させる方法。
  9. 請求項1または2記載の処理方法で排出される酸性流出液を、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ水溶液または薄いスラリーを用いて中和処理することにより、残留フッ素をフッ化カルシウムとして固定し、排水中のフッ素濃度をフッ素規制値以下にする方法。
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