JPH1034166A - フッ素含有排水処理装置および方法 - Google Patents
フッ素含有排水処理装置および方法Info
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- JPH1034166A JPH1034166A JP8191955A JP19195596A JPH1034166A JP H1034166 A JPH1034166 A JP H1034166A JP 8191955 A JP8191955 A JP 8191955A JP 19195596 A JP19195596 A JP 19195596A JP H1034166 A JPH1034166 A JP H1034166A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 アルミニウム系凝集剤使用量を減少すると共
に、フッ素除去効果を改善する。 【解決手段】 晶析反応槽10において、フッ化カルシ
ウムの晶析を行う。アルミ凝集反応槽12で、フッ化カ
ルシウムの水酸化アルミニウムフロックへの取り込み
と、フッ素イオンの共沈を行う。沈殿槽14で、上澄み
にフッ素イオンが除去された処理水を得る。沈殿槽14
からの沈殿汚泥にアルカリを添加し、汚泥中のアルミを
溶解し、これを固液分離装置18で固液分離することで
液体分側にアルミを移行させ、固形分側にフッ化カルシ
ウムを得る。そして、液体分をアルミ凝集反応槽12に
供給し凝集剤として再利用する。一方、フッ化カルシウ
ムを晶析反応槽10に返送し、フッ化カルシウムの種晶
として利用する。
に、フッ素除去効果を改善する。 【解決手段】 晶析反応槽10において、フッ化カルシ
ウムの晶析を行う。アルミ凝集反応槽12で、フッ化カ
ルシウムの水酸化アルミニウムフロックへの取り込み
と、フッ素イオンの共沈を行う。沈殿槽14で、上澄み
にフッ素イオンが除去された処理水を得る。沈殿槽14
からの沈殿汚泥にアルカリを添加し、汚泥中のアルミを
溶解し、これを固液分離装置18で固液分離することで
液体分側にアルミを移行させ、固形分側にフッ化カルシ
ウムを得る。そして、液体分をアルミ凝集反応槽12に
供給し凝集剤として再利用する。一方、フッ化カルシウ
ムを晶析反応槽10に返送し、フッ化カルシウムの種晶
として利用する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カルシウム化合物
およびアルミニウム塩を利用して、フッ素含有排水から
フッ素を除去するフッ素含有排水処理、特に生成汚泥の
有効利用に関する。
およびアルミニウム塩を利用して、フッ素含有排水から
フッ素を除去するフッ素含有排水処理、特に生成汚泥の
有効利用に関する。
【0002】
【従来の技術】各種の工場排水において、フッ素(フッ
素イオン)が含有されている場合がある。例えば、半導
体集積回路の製造工程においては、エッチング剤として
フッ酸を利用することが多く、これらの製造工場からの
排水には、フッ素が含まれる。
素イオン)が含有されている場合がある。例えば、半導
体集積回路の製造工程においては、エッチング剤として
フッ酸を利用することが多く、これらの製造工場からの
排水には、フッ素が含まれる。
【0003】ここで、水質汚濁防止法におけるフッ素の
放流基準は、15mg/Lであり、また多くの自治体で
は、1〜8mg/Lというさらにきびしい上乗せ基準が
設定されている。
放流基準は、15mg/Lであり、また多くの自治体で
は、1〜8mg/Lというさらにきびしい上乗せ基準が
設定されている。
【0004】そこで、これらフッ素含有排水からフッ素
を除去することが必要となる。このフッ素の除去には、
従来からカルシウム化合物により、フッ素をフッ化カル
シウムとして晶析する方法が利用されている。この処理
方法では、まず、フッ素含有排水に塩化カルシウム、消
石灰などのカルシウム化合物を添加し、排水中のフッ素
をフッ化カルシウムとして晶析させる。次いで、フッ化
カルシウムを含む処理液にアルミニウム塩等の無機凝集
剤を添加し、フロックを形成した後、沈殿分離などの固
液分離処理をして、フッ化カルシウムを含む汚泥を分離
除去する。
を除去することが必要となる。このフッ素の除去には、
従来からカルシウム化合物により、フッ素をフッ化カル
シウムとして晶析する方法が利用されている。この処理
方法では、まず、フッ素含有排水に塩化カルシウム、消
石灰などのカルシウム化合物を添加し、排水中のフッ素
をフッ化カルシウムとして晶析させる。次いで、フッ化
カルシウムを含む処理液にアルミニウム塩等の無機凝集
剤を添加し、フロックを形成した後、沈殿分離などの固
液分離処理をして、フッ化カルシウムを含む汚泥を分離
除去する。
【0005】ここで、フッ素含有排水にシリカやリン酸
等が共存する場合、フッ化カルシウムの晶析が起こりに
くくなる。そこで、アルミニウム塩等の無機凝集剤の量
を多くして、この凝集反応において、フッ素の除去率を
上昇させている。微量のフッ素を除去するために、通常
数100ppm(10%のAL2 O3 として)のアルミ
ニウム系凝集剤を添加している。
等が共存する場合、フッ化カルシウムの晶析が起こりに
くくなる。そこで、アルミニウム塩等の無機凝集剤の量
を多くして、この凝集反応において、フッ素の除去率を
上昇させている。微量のフッ素を除去するために、通常
数100ppm(10%のAL2 O3 として)のアルミ
ニウム系凝集剤を添加している。
【0006】このように、従来の処理方法では、多量の
アルミニウム系凝集剤を使用し、また大量の汚泥が発生
するという問題点がある。
アルミニウム系凝集剤を使用し、また大量の汚泥が発生
するという問題点がある。
【0007】そこで、発生した汚泥をそのまま前段の反
応槽に返送し、汚泥中の水酸化アルミニウムをフッ素の
共沈に有効に利用することが、特開平6−154767
号公報に提案されている。また、この返送する汚泥中に
は、フッ化カルシウムが含まれている。そこで、この方
法により、返送汚泥中のフッ化カルシウムが種晶として
作用し、反応槽におけるフッ化カルシウムの晶析が促進
されるという効果も得られる。
応槽に返送し、汚泥中の水酸化アルミニウムをフッ素の
共沈に有効に利用することが、特開平6−154767
号公報に提案されている。また、この返送する汚泥中に
は、フッ化カルシウムが含まれている。そこで、この方
法により、返送汚泥中のフッ化カルシウムが種晶として
作用し、反応槽におけるフッ化カルシウムの晶析が促進
されるという効果も得られる。
【0008】また、アルミニウムは、酸やアルカリに溶
解するため、アルミ凝集汚泥を酸やアルカリで処理し、
溶解したアルミを含む液を凝集反応に再利用することも
提案されている。例えば、特開平1−107890号公
報に記載の方法では、水酸化アルミニウムを含有する汚
泥に水酸化ナトリウムを添加して、アルカリ処理し、こ
れを固液分離して得た水溶性アルミニウムをフッ素除去
に再利用することが示されている。
解するため、アルミ凝集汚泥を酸やアルカリで処理し、
溶解したアルミを含む液を凝集反応に再利用することも
提案されている。例えば、特開平1−107890号公
報に記載の方法では、水酸化アルミニウムを含有する汚
泥に水酸化ナトリウムを添加して、アルカリ処理し、こ
れを固液分離して得た水溶性アルミニウムをフッ素除去
に再利用することが示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】まず、特開平6−15
4767号公報に記載の方法では、汚泥中の水酸化アル
ミニウムの有効利用が図られ、また種晶の返送も行え
る。しかし、この方法では、汚泥は単に濃縮するだけ
で、アルミニウム塩による凝集反応槽にそのまま返送さ
れる。濃縮によって得られた汚泥では、フッ化カルシウ
ムは水酸化アルミニウムのフロック(以下、アルミフロ
ックということもある)内に取り込まれている。従っ
て、このような汚泥を凝集反応槽に返送しても、周囲を
アルミフロックで囲まれているためにフッ化カルシウム
が種晶として十分作用できない虞がある。
4767号公報に記載の方法では、汚泥中の水酸化アル
ミニウムの有効利用が図られ、また種晶の返送も行え
る。しかし、この方法では、汚泥は単に濃縮するだけ
で、アルミニウム塩による凝集反応槽にそのまま返送さ
れる。濃縮によって得られた汚泥では、フッ化カルシウ
ムは水酸化アルミニウムのフロック(以下、アルミフロ
ックということもある)内に取り込まれている。従っ
て、このような汚泥を凝集反応槽に返送しても、周囲を
アルミフロックで囲まれているためにフッ化カルシウム
が種晶として十分作用できない虞がある。
【0010】また、特開平1−107890号公報に記
載の方法では、単にアルミ凝集剤を回収再利用するだけ
であって、フッ化カルシウムの晶析によるフッ素除去効
果を上昇することはできない。
載の方法では、単にアルミ凝集剤を回収再利用するだけ
であって、フッ化カルシウムの晶析によるフッ素除去効
果を上昇することはできない。
【0011】本発明は、上記課題に鑑みなされたもので
あり、汚泥の有効利用により、アルミ凝集剤の回収再利
用を図ると共に、フッ化カルシウムの晶析を効果的に行
うことができるフッ素含有排水処理装置および方法を提
供することを目的とする。
あり、汚泥の有効利用により、アルミ凝集剤の回収再利
用を図ると共に、フッ化カルシウムの晶析を効果的に行
うことができるフッ素含有排水処理装置および方法を提
供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係るフッ素含有
排水処理装置は、フッ素含有排水にカルシウム化合物を
添加混合する晶析反応部と、カルシウム化合物添加後の
反応液にアルミニウム塩を添加するアルミ凝集反応部
と、アルミニウム塩添加後の反応液から汚泥を分離する
水処理系固液分離部と、を有するフッ素含有排水処理装
置において、上記水処理系固液分離部によって分離され
た汚泥をアルカリで溶解処理するアルカリ処理部と、ア
ルカリ処理後の処理液を固液分離する汚泥処理系固液分
離部と、を有し、上記汚泥処理系固液分離部により得ら
れた液体分をアルミ凝集反応部に供給し、固形分を晶析
反応部に供給することを特徴とする。
排水処理装置は、フッ素含有排水にカルシウム化合物を
添加混合する晶析反応部と、カルシウム化合物添加後の
反応液にアルミニウム塩を添加するアルミ凝集反応部
と、アルミニウム塩添加後の反応液から汚泥を分離する
水処理系固液分離部と、を有するフッ素含有排水処理装
置において、上記水処理系固液分離部によって分離され
た汚泥をアルカリで溶解処理するアルカリ処理部と、ア
ルカリ処理後の処理液を固液分離する汚泥処理系固液分
離部と、を有し、上記汚泥処理系固液分離部により得ら
れた液体分をアルミ凝集反応部に供給し、固形分を晶析
反応部に供給することを特徴とする。
【0013】フッ素含有排水にカルシウム化合物を添加
混合すると、カルシウムイオンとフッ素イオンとにより
フッ化カルシウムが生成され、これが晶析される。次
に、アルミニウム塩を添加し凝集反応を生起することに
よって、晶析されたフッ化カルシウムが水酸化アルミニ
ウムのフロックに取り込まれると共に、フッ素イオンも
フロック中に取り込まれる。そこで、アルミ凝集反応部
での処理液を沈殿処理などを行う水処理系固液分離部で
汚泥を分離することで、フッ素が除去された処理水を得
ることができる。
混合すると、カルシウムイオンとフッ素イオンとにより
フッ化カルシウムが生成され、これが晶析される。次
に、アルミニウム塩を添加し凝集反応を生起することに
よって、晶析されたフッ化カルシウムが水酸化アルミニ
ウムのフロックに取り込まれると共に、フッ素イオンも
フロック中に取り込まれる。そこで、アルミ凝集反応部
での処理液を沈殿処理などを行う水処理系固液分離部で
汚泥を分離することで、フッ素が除去された処理水を得
ることができる。
【0014】ここで、水処理系固液分離部で得られた汚
泥をアルカリで処理することによって、汚泥中の水酸化
アルミニウムが溶解する。そこで、汚泥系固液分離部
で、アルカリ処理した汚泥を固液分離することで、液体
分側にアルミが移行し、固形分側にフッ化カルシウムが
分離される。
泥をアルカリで処理することによって、汚泥中の水酸化
アルミニウムが溶解する。そこで、汚泥系固液分離部
で、アルカリ処理した汚泥を固液分離することで、液体
分側にアルミが移行し、固形分側にフッ化カルシウムが
分離される。
【0015】そして、汚泥系固液分離部で得られたアル
ミが溶解された液体をアルミ凝集反応部に供給すること
で、凝集剤としてのアルミの再利用が図られる。一方、
汚泥系固液分離部で得られた固形物(フッ化カルシウ
ム)を晶析反応部に返送することで、返送されたフッ化
カルシウムが種晶として機能し、より効果的なフッ化カ
ルシウムの晶析処理が達成される。
ミが溶解された液体をアルミ凝集反応部に供給すること
で、凝集剤としてのアルミの再利用が図られる。一方、
汚泥系固液分離部で得られた固形物(フッ化カルシウ
ム)を晶析反応部に返送することで、返送されたフッ化
カルシウムが種晶として機能し、より効果的なフッ化カ
ルシウムの晶析処理が達成される。
【0016】このようにして、アルミ凝集剤の使用量を
減少すると共に、処理効果の向上を図ることができる。
減少すると共に、処理効果の向上を図ることができる。
【0017】なお、水処理系固液分離部で得られた汚泥
をアルカリで処理する代りに、汚泥を酸で処理すること
によって汚泥中の水酸化アルミニウムを溶解する方法も
考えられるが、このようにすると水酸化アルミニウムと
共にフッ化カルシウムも一部溶解し、その結果、フッ素
イオンを多量に含む液体分がアルミ凝集反応部に返送さ
れることとなって得られる処理水のフッ素濃度が高くな
るので好ましくない。また、本発明は、上記アルカリ処
理部において、汚泥にアルカリ剤を添加して、pHを
8.5以上として、汚泥を溶解させることを特徴とす
る。
をアルカリで処理する代りに、汚泥を酸で処理すること
によって汚泥中の水酸化アルミニウムを溶解する方法も
考えられるが、このようにすると水酸化アルミニウムと
共にフッ化カルシウムも一部溶解し、その結果、フッ素
イオンを多量に含む液体分がアルミ凝集反応部に返送さ
れることとなって得られる処理水のフッ素濃度が高くな
るので好ましくない。また、本発明は、上記アルカリ処
理部において、汚泥にアルカリ剤を添加して、pHを
8.5以上として、汚泥を溶解させることを特徴とす
る。
【0018】水酸化アルミニウムは、pH8.5以上で
効果的に溶解されるため、pHを8.5以上にすること
によって、アルミの溶解を十分なものにできる。なお、
pHを9以上にすれば、さらに確実なアルミの溶解を達
成できる。
効果的に溶解されるため、pHを8.5以上にすること
によって、アルミの溶解を十分なものにできる。なお、
pHを9以上にすれば、さらに確実なアルミの溶解を達
成できる。
【0019】また、本発明は、上記晶析反応部は、排水
の一部にカルシウム化合物を添加して、フッ化カルシウ
ム種晶を形成する種晶形成部と、種晶形成部で得た反応
液と排水の他部を混合する混合部とからなることを特徴
とする。
の一部にカルシウム化合物を添加して、フッ化カルシウ
ム種晶を形成する種晶形成部と、種晶形成部で得た反応
液と排水の他部を混合する混合部とからなることを特徴
とする。
【0020】このように、種晶形成部を設けることで、
排水の一部と大量のカルシウムの混合が行え、フッ化カ
ルシウムの種晶が形成される。そこで、その後に排水の
他部と混合したときに、種晶の存在により、フッ化カル
シウムの晶析がより効果的になり、処理効果を上昇する
ことができる。そして、汚泥系固液分離部で得たフッ化
カルシウムを種晶形成部または混合部に返送すること
で、種晶を増加して、より効果的な処理を行うことがで
きる。
排水の一部と大量のカルシウムの混合が行え、フッ化カ
ルシウムの種晶が形成される。そこで、その後に排水の
他部と混合したときに、種晶の存在により、フッ化カル
シウムの晶析がより効果的になり、処理効果を上昇する
ことができる。そして、汚泥系固液分離部で得たフッ化
カルシウムを種晶形成部または混合部に返送すること
で、種晶を増加して、より効果的な処理を行うことがで
きる。
【0021】また、本発明に係るフッ素含有排水処理方
法は、フッ素含有排水にカルシウム化合物を添加混合す
る晶析反応工程と、カルシウム化合物添加後の反応液に
アルミニウム塩を添加するアルミ凝集反応工程と、アル
ミニウム塩添加後の反応液から汚泥を分離し、処理水を
得る水処理系固液分離工程と、を有するフッ素含有排水
処理方法であって、上記水処理系固液分離工程によって
分離された汚泥をアルカリで溶解処理した後、固液分離
し、得られた液体分をアルミ凝集反応工程に供給し、固
形分を晶析反応工程に供給することを特徴とする。
法は、フッ素含有排水にカルシウム化合物を添加混合す
る晶析反応工程と、カルシウム化合物添加後の反応液に
アルミニウム塩を添加するアルミ凝集反応工程と、アル
ミニウム塩添加後の反応液から汚泥を分離し、処理水を
得る水処理系固液分離工程と、を有するフッ素含有排水
処理方法であって、上記水処理系固液分離工程によって
分離された汚泥をアルカリで溶解処理した後、固液分離
し、得られた液体分をアルミ凝集反応工程に供給し、固
形分を晶析反応工程に供給することを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明に好適な実施の形態
(以下、実施形態という)について、図面に基づいて説
明する。図1は、本実施形態の装置の全体構成を示すブ
ロックである。まず、原水(フッ素含有排水)は、晶析
反応槽10に導入される。この晶析反応槽10には、塩
化カルシウムまたは消石灰等のカルシウム化合物が供給
され、これが原水と混合される。これによって、カルシ
ウムイオンとフッ素イオンが反応しフッ化カルシウムが
晶析される。なお、pHは、5〜8程度に調整されるこ
とが好ましい。
(以下、実施形態という)について、図面に基づいて説
明する。図1は、本実施形態の装置の全体構成を示すブ
ロックである。まず、原水(フッ素含有排水)は、晶析
反応槽10に導入される。この晶析反応槽10には、塩
化カルシウムまたは消石灰等のカルシウム化合物が供給
され、これが原水と混合される。これによって、カルシ
ウムイオンとフッ素イオンが反応しフッ化カルシウムが
晶析される。なお、pHは、5〜8程度に調整されるこ
とが好ましい。
【0023】このようにして得られたフッ化カルシウム
の固形物を含む晶析反応槽10の処理液は、アルミ凝集
反応槽12に供給される。このアルミ凝集反応槽12に
は、ポリ塩化アルミニウム(PAC)、硫酸アルミニウ
ム等のアルミ凝集剤が供給され、この混合によってフッ
化カルシウムを大きな水酸化アルミニウムフロック内に
取り込む。また、残留するフッ素イオンの共沈による除
去も行う。
の固形物を含む晶析反応槽10の処理液は、アルミ凝集
反応槽12に供給される。このアルミ凝集反応槽12に
は、ポリ塩化アルミニウム(PAC)、硫酸アルミニウ
ム等のアルミ凝集剤が供給され、この混合によってフッ
化カルシウムを大きな水酸化アルミニウムフロック内に
取り込む。また、残留するフッ素イオンの共沈による除
去も行う。
【0024】このようにして、アルミフロックを含む処
理液は、沈殿槽14に導入され、固形物が沈殿分離され
る。そして、上澄みが処理水として放流される。一方、
沈殿汚泥は、その一部が系外に引き出され、処分され
る。
理液は、沈殿槽14に導入され、固形物が沈殿分離され
る。そして、上澄みが処理水として放流される。一方、
沈殿汚泥は、その一部が系外に引き出され、処分され
る。
【0025】ここで、本実施形態では、沈殿汚泥の他部
は、汚泥返送ライン16に供給される。この汚泥返送ラ
イン16には、アルカリ剤が供給混合される。このた
め、汚泥返送ライン16内の汚泥は、アルカリ処理を受
ける。沈殿汚泥は、フッ化カルシウムおよび水酸化アル
ミニウムを主成分とするものであり、このアルカリ処理
によって、汚泥中の水酸化アルミニウムが溶解する。
は、汚泥返送ライン16に供給される。この汚泥返送ラ
イン16には、アルカリ剤が供給混合される。このた
め、汚泥返送ライン16内の汚泥は、アルカリ処理を受
ける。沈殿汚泥は、フッ化カルシウムおよび水酸化アル
ミニウムを主成分とするものであり、このアルカリ処理
によって、汚泥中の水酸化アルミニウムが溶解する。
【0026】アルカリ処理された汚泥は、固液分離装置
18に導入され、ここで固液分離される。ここで、上述
のように、アルミは溶解しているため、固液分離装置1
8による液側にアルミが含まれる。一方、フッ化カルシ
ウムは、アルカリ側では、溶解せず、固液分離装置18
において固形分側に分離される。
18に導入され、ここで固液分離される。ここで、上述
のように、アルミは溶解しているため、固液分離装置1
8による液側にアルミが含まれる。一方、フッ化カルシ
ウムは、アルカリ側では、溶解せず、固液分離装置18
において固形分側に分離される。
【0027】なお、固液分離装置18における液体分と
固形分との分離を促進させるために、アルミ溶解後の汚
泥中に例えばカチオン性高分子凝集剤等の高分子凝集剤
を添加してもよい。
固形分との分離を促進させるために、アルミ溶解後の汚
泥中に例えばカチオン性高分子凝集剤等の高分子凝集剤
を添加してもよい。
【0028】そして、固液分離装置18で得られた液体
分は、アルミ凝集反応槽12に導入され、アルミ凝集剤
として再利用される。一方、固形分は、晶析反応槽10
に供給される。この固形分は、晶析されたフッ化カルシ
ウムが主成分になっている。そこで、晶析反応槽10に
供給されたフッ化カルシウムの粒子は、種晶となり、晶
析反応槽10におけるフッ化カルシウムの晶析が促進さ
れる。
分は、アルミ凝集反応槽12に導入され、アルミ凝集剤
として再利用される。一方、固形分は、晶析反応槽10
に供給される。この固形分は、晶析されたフッ化カルシ
ウムが主成分になっている。そこで、晶析反応槽10に
供給されたフッ化カルシウムの粒子は、種晶となり、晶
析反応槽10におけるフッ化カルシウムの晶析が促進さ
れる。
【0029】このように、本実施形態によれば、アルミ
凝集汚泥をアルカリ処理し、汚泥中の水酸化アルミニウ
ムを溶解する。このため、アルカリ処理された汚泥を固
液分離して得た液体分には、アルミが溶解されている。
そこで、これをアルミ凝集反応槽12に添加すること
で、アルミ凝集剤として再利用でき、このようなアルミ
分の循環再利用によってたとえば後述するごとくアルミ
凝集汚泥の全量をアルカリ処理した場合は、初期に添加
するアルミ分を除けばアルミ凝集反応槽12内に系外か
ら新たに添加するアルミニウム塩の量を減少もしくはほ
とんどゼロにすることができる。一方、アルカリ処理し
た汚泥を固液分離して得られた固形分を晶析反応槽10
に供給する。この晶析反応槽10は、原水中に含まれる
フッ素イオンと外部から添加するカルシウムイオンとの
反応により、フッ化カルシウムを晶析させるが、ここに
フッ化カルシウムの晶析物を返送することで、このフッ
化カルシウムが種晶として働き、フッ化カルシウムの晶
析を促進する。特に、晶析反応槽10に返送されるの
は、水酸化アルミニウムが除去されたフッ化カルシウム
の晶析物であり、フッ化カルシウムの周囲に晶析反応を
阻害する水酸化アルミニウムが存在しないので、晶析反
応槽10内で、種晶として十分に作用する。そこで、原
水中に含まれるフッ素イオン濃度が低い場合であって
も、種晶の存在により、効果的な晶析処理を行うことが
できる。
凝集汚泥をアルカリ処理し、汚泥中の水酸化アルミニウ
ムを溶解する。このため、アルカリ処理された汚泥を固
液分離して得た液体分には、アルミが溶解されている。
そこで、これをアルミ凝集反応槽12に添加すること
で、アルミ凝集剤として再利用でき、このようなアルミ
分の循環再利用によってたとえば後述するごとくアルミ
凝集汚泥の全量をアルカリ処理した場合は、初期に添加
するアルミ分を除けばアルミ凝集反応槽12内に系外か
ら新たに添加するアルミニウム塩の量を減少もしくはほ
とんどゼロにすることができる。一方、アルカリ処理し
た汚泥を固液分離して得られた固形分を晶析反応槽10
に供給する。この晶析反応槽10は、原水中に含まれる
フッ素イオンと外部から添加するカルシウムイオンとの
反応により、フッ化カルシウムを晶析させるが、ここに
フッ化カルシウムの晶析物を返送することで、このフッ
化カルシウムが種晶として働き、フッ化カルシウムの晶
析を促進する。特に、晶析反応槽10に返送されるの
は、水酸化アルミニウムが除去されたフッ化カルシウム
の晶析物であり、フッ化カルシウムの周囲に晶析反応を
阻害する水酸化アルミニウムが存在しないので、晶析反
応槽10内で、種晶として十分に作用する。そこで、原
水中に含まれるフッ素イオン濃度が低い場合であって
も、種晶の存在により、効果的な晶析処理を行うことが
できる。
【0030】なお、アルミフロックを確実に形成させる
ため、アルミ凝集反応槽12には、塩酸等の酸を供給
し、pHを中性付近に調整することが好ましい。
ため、アルミ凝集反応槽12には、塩酸等の酸を供給
し、pHを中性付近に調整することが好ましい。
【0031】ここで、本実施形態では、沈殿汚泥をその
ままアルカリ処理したが、遠心分離機などで、濃縮処理
した後、アルカリ処理することも好適である。
ままアルカリ処理したが、遠心分離機などで、濃縮処理
した後、アルカリ処理することも好適である。
【0032】また、本実施形態では、アルカリ処理のた
めに、アルカリ剤を汚泥返送ライン16に注入した。し
かし、確実なアルカリ処理を達成するためには、アルカ
リ処理のための混合槽を設けることが好適であり、この
混合槽でアルカリ剤と汚泥とを十分混合し、アルミを確
実に溶解することが好適である。また、図1に示したご
とくアルカリ剤を汚泥返送ライン16内に直接注入する
場合は、汚泥返送ライン16にインラインミキサ等を配
置し混合を促進してもよい。
めに、アルカリ剤を汚泥返送ライン16に注入した。し
かし、確実なアルカリ処理を達成するためには、アルカ
リ処理のための混合槽を設けることが好適であり、この
混合槽でアルカリ剤と汚泥とを十分混合し、アルミを確
実に溶解することが好適である。また、図1に示したご
とくアルカリ剤を汚泥返送ライン16内に直接注入する
場合は、汚泥返送ライン16にインラインミキサ等を配
置し混合を促進してもよい。
【0033】また、本実施形態では沈澱汚泥の一部をア
ルカリ処理することなくそのまま系外に引き出して廃棄
処分するように説明したが、汚泥中のアルミ分をなるべ
く有効に利用するという点では沈澱汚泥の全量をアルカ
リ処理し、得られた液体分の全量をアルミ凝集反応槽1
2に循環するのがよい。なお、このようにした場合は、
固液分離装置18で得られたアルカリ処理後の固形分の
一部を系外に引き抜いて処分する。
ルカリ処理することなくそのまま系外に引き出して廃棄
処分するように説明したが、汚泥中のアルミ分をなるべ
く有効に利用するという点では沈澱汚泥の全量をアルカ
リ処理し、得られた液体分の全量をアルミ凝集反応槽1
2に循環するのがよい。なお、このようにした場合は、
固液分離装置18で得られたアルカリ処理後の固形分の
一部を系外に引き抜いて処分する。
【0034】また、アルカリ剤としては、水酸化ナトリ
ウム、炭酸ナトリウムなど各種の薬剤が採用できるが、
消石灰を利用することもできる。
ウム、炭酸ナトリウムなど各種の薬剤が採用できるが、
消石灰を利用することもできる。
【0035】また、アルカリ処理のためには、水酸化ア
ルミニウムが溶解する高いpHとすることが必要であ
る。沈殿汚泥中に含まれる水酸化アルミニウムの固形物
としての存在割合は、pH8.5以上で急激に低下す
る。このため、アルカリ処理のpHは、8.5以上、好
ましくは9.0以上とするとよい。これによって、水酸
化アルミニウムの溶解が行え、固液分離装置18におい
て、液体分側にアルミが確実に移行する。なお、水酸化
ナトリウムによって、pH調整を行うと、比較的少ない
添加量で確実なアルカリ処理が行える。また、アルカリ
処理を確実に行うため、アルカリ剤添加後の汚泥のpH
を計測し、アルカリ剤の添加量を制御することも好適で
ある。
ルミニウムが溶解する高いpHとすることが必要であ
る。沈殿汚泥中に含まれる水酸化アルミニウムの固形物
としての存在割合は、pH8.5以上で急激に低下す
る。このため、アルカリ処理のpHは、8.5以上、好
ましくは9.0以上とするとよい。これによって、水酸
化アルミニウムの溶解が行え、固液分離装置18におい
て、液体分側にアルミが確実に移行する。なお、水酸化
ナトリウムによって、pH調整を行うと、比較的少ない
添加量で確実なアルカリ処理が行える。また、アルカリ
処理を確実に行うため、アルカリ剤添加後の汚泥のpH
を計測し、アルカリ剤の添加量を制御することも好適で
ある。
【0036】固液分離装置18は、沈殿槽でもよいが、
遠心分離装置など各種のものが利用できる。また、固液
分離装置18は、晶析反応槽10などと比べかなり小さ
い。すなわち、この固液分離装置18は、沈殿槽14で
得られた汚泥の一部を処理するだけであって、その処理
量自体が晶析反応槽10、アルミ凝集反応槽12、沈殿
槽14に比べ小さい。例えば、容積は、晶析反応槽10
の1/10以下でよい。そこで、この固液分離装置18
を晶析反応槽10、アルミ凝集反応槽12、または沈殿
槽14のいずれかの上方に設置することもできる。この
場合、沈殿汚泥をポンプで固液分離装置18に輸送すれ
ば、分離後の固形分の晶析反応槽10、液体分のアルミ
凝集反応槽12への輸送は、水位差を利用して行うこと
ができる。固液分離装置18を沈殿槽で構成した場合、
固形分を一定の流量(割合)で引き抜けば、上澄みは溢
流水を自然流下でアルミ凝集反応槽12に供給すればよ
い。
遠心分離装置など各種のものが利用できる。また、固液
分離装置18は、晶析反応槽10などと比べかなり小さ
い。すなわち、この固液分離装置18は、沈殿槽14で
得られた汚泥の一部を処理するだけであって、その処理
量自体が晶析反応槽10、アルミ凝集反応槽12、沈殿
槽14に比べ小さい。例えば、容積は、晶析反応槽10
の1/10以下でよい。そこで、この固液分離装置18
を晶析反応槽10、アルミ凝集反応槽12、または沈殿
槽14のいずれかの上方に設置することもできる。この
場合、沈殿汚泥をポンプで固液分離装置18に輸送すれ
ば、分離後の固形分の晶析反応槽10、液体分のアルミ
凝集反応槽12への輸送は、水位差を利用して行うこと
ができる。固液分離装置18を沈殿槽で構成した場合、
固形分を一定の流量(割合)で引き抜けば、上澄みは溢
流水を自然流下でアルミ凝集反応槽12に供給すればよ
い。
【0037】また、沈殿槽14において得られる沈殿汚
泥の廃棄分と、アルカリ処理への返送分の割合は、原水
中のフッ素濃度等の条件にもよるが、通常は廃棄する汚
泥1(容積)に対して1〜20倍程度に設定される。
泥の廃棄分と、アルカリ処理への返送分の割合は、原水
中のフッ素濃度等の条件にもよるが、通常は廃棄する汚
泥1(容積)に対して1〜20倍程度に設定される。
【0038】なお、本実施形態の装置は、新設の排水処
理施設だけでなく、既存の施設の汚泥削減、水質改善、
増設対応(処理量の増加)等の目的にも適用できる。
理施設だけでなく、既存の施設の汚泥削減、水質改善、
増設対応(処理量の増加)等の目的にも適用できる。
【0039】「変形例」図2に、変形例の構成を示す。
この例では、種晶形成槽20を有している。そして、こ
の種晶形成槽20に、原水の一部を導入すると共に、添
加するカルシウム化合物の全量をこの種晶形成槽20に
供給する。また、晶析反応槽10には、大部分の原水
と、種晶形成槽20において、カルシウム化合物が添加
された原水が供給される。なお、種晶形成槽を設けるこ
とについては、特開平6−312190号公報に記載さ
れている。
この例では、種晶形成槽20を有している。そして、こ
の種晶形成槽20に、原水の一部を導入すると共に、添
加するカルシウム化合物の全量をこの種晶形成槽20に
供給する。また、晶析反応槽10には、大部分の原水
と、種晶形成槽20において、カルシウム化合物が添加
された原水が供給される。なお、種晶形成槽を設けるこ
とについては、特開平6−312190号公報に記載さ
れている。
【0040】このように構成することで、種晶形成槽2
0では、カルシウム濃度が非常に高くなる。そこで、こ
こにおいて、フッ化カルシウムの晶析が促進される。こ
のため、晶析反応槽10において、種晶の存在下でフッ
化カルシウムの晶析が起こり、非常に効果的なフッ素除
去が行える。
0では、カルシウム濃度が非常に高くなる。そこで、こ
こにおいて、フッ化カルシウムの晶析が促進される。こ
のため、晶析反応槽10において、種晶の存在下でフッ
化カルシウムの晶析が起こり、非常に効果的なフッ素除
去が行える。
【0041】そして、本例では、アルカリ処理後の固液
分離で得たフッ化カルシウムを多量に含む固形物が種晶
形成槽20に供給される。これによって、種晶の形成が
より効果的に行われ、晶析反応槽10におけるフッ素除
去がさらに効果的になる。特に、フッ素濃度が低濃度の
原水であっても種晶を確実に形成することができ、効果
的なフッ素含有排水処理が行える。
分離で得たフッ化カルシウムを多量に含む固形物が種晶
形成槽20に供給される。これによって、種晶の形成が
より効果的に行われ、晶析反応槽10におけるフッ素除
去がさらに効果的になる。特に、フッ素濃度が低濃度の
原水であっても種晶を確実に形成することができ、効果
的なフッ素含有排水処理が行える。
【0042】なお、アルカリ処理後の固液分離で得たフ
ッ化カルシウムは、晶析反応槽10に直接供給してもよ
い。
ッ化カルシウムは、晶析反応槽10に直接供給してもよ
い。
【0043】「実験例」本実施形態の装置の処理効果を
試すため、以下の条件で実験を行った。
試すため、以下の条件で実験を行った。
【0044】(i)フッ素濃度100mg/Lの原水
(液晶工場排水)を500mL用意し、これについて、
カルシウム化合物による晶析処理およびアルミ凝集剤に
よる凝集沈殿処理を行った。
(液晶工場排水)を500mL用意し、これについて、
カルシウム化合物による晶析処理およびアルミ凝集剤に
よる凝集沈殿処理を行った。
【0045】まず、塩化カルシウムを原水に添加し(添
加量は、Ca2+として、500mg/L)、20分間反
応させた。このときのpHは、7.5に調整した。次
に、PAC(ポリ塩化アルミニウム)を10%AL2 O
3 溶液として、500ppm添加し、10分間反応さ
せ、その後生成した汚泥を沈殿分離した。
加量は、Ca2+として、500mg/L)、20分間反
応させた。このときのpHは、7.5に調整した。次
に、PAC(ポリ塩化アルミニウム)を10%AL2 O
3 溶液として、500ppm添加し、10分間反応さ
せ、その後生成した汚泥を沈殿分離した。
【0046】カルシウムによる晶析処理後の処理水(濾
液)におけるフッ素濃度が、25mg/L、アルミ凝集
反応後の沈殿上澄みのフッ素濃度が8mg/Lであっ
た。この処理が、従来方式による処理に対応する。
液)におけるフッ素濃度が、25mg/L、アルミ凝集
反応後の沈殿上澄みのフッ素濃度が8mg/Lであっ
た。この処理が、従来方式による処理に対応する。
【0047】(ii)次に、アルミ凝集処理後の沈殿汚
泥に、20%水酸化ナトリウム液を添加し、pHを10
にし、アルカリ処理した。そして、得られたアルカリ処
理汚泥を、3000rpmで10分間遠心分離し、固形
分と液体分とに分離した。
泥に、20%水酸化ナトリウム液を添加し、pHを10
にし、アルカリ処理した。そして、得られたアルカリ処
理汚泥を、3000rpmで10分間遠心分離し、固形
分と液体分とに分離した。
【0048】(iii)次に、得られた固形分と、液体
分を利用して、上記と同一の原水に対し処理を行った。
すなわち、原水を500mg/L用意し、これに塩化カ
ルシウムをCa2+として500mg/L添加すると共
に、遠心分離で得た固形分を全量添加し、20分間反応
させた。なお、pHは、7.5に調整した。次に、遠心
分離で得られたアルミを含有する液体分を全量添加し、
塩酸でpHを7.0に調整しながら凝集反応を行った。
分を利用して、上記と同一の原水に対し処理を行った。
すなわち、原水を500mg/L用意し、これに塩化カ
ルシウムをCa2+として500mg/L添加すると共
に、遠心分離で得た固形分を全量添加し、20分間反応
させた。なお、pHは、7.5に調整した。次に、遠心
分離で得られたアルミを含有する液体分を全量添加し、
塩酸でpHを7.0に調整しながら凝集反応を行った。
【0049】このような処理におけるカルシウムによる
晶析処理後の処理水(濾液)のフッ素濃度が、19mg
/L、凝集反応後の沈殿上澄みのフッ素濃度が7mg/
Lであった。
晶析処理後の処理水(濾液)のフッ素濃度が、19mg
/L、凝集反応後の沈殿上澄みのフッ素濃度が7mg/
Lであった。
【0050】(iv)上記した(ii)による汚泥の処
理および(iii)による固形分および液体分を利用し
た原水の処理を繰り返し行い、それぞれの処理における
上澄みのフッ素濃度を上記(i)、(iii)での上澄
みのフッ素濃度と共に、表1に示す。なお、晶析反応後
の濃度は、濾液中のフッ素濃度である。
理および(iii)による固形分および液体分を利用し
た原水の処理を繰り返し行い、それぞれの処理における
上澄みのフッ素濃度を上記(i)、(iii)での上澄
みのフッ素濃度と共に、表1に示す。なお、晶析反応後
の濃度は、濾液中のフッ素濃度である。
【0051】
【表1】 カルシウムによる 晶析反応後のフッ素濃度 アルミ凝集反応後のフッ素濃度 mg/L mg/L 従来方式 25 8 1回目 19 7 2回目 16 6 3回目 12 5 4回目 11 6 5回目 11 6 6回目 11 7 7回目 12 7 8回目 12 8 9回目 11 9 10回目 11 9 この表から、沈殿汚泥をアルカリ処理して得られる、主
としてフッ化カルシウムを主体とする固形分を晶析反応
部で再利用しても処理水のフッ素濃度はほとんど増加せ
ず十分な処理が行われることが分かる。一方、アルミ凝
集剤は、1回の添加で、その後新たに添加することなく
10回の処理が可能であり、凝集剤使用量は、1/10
となる。
としてフッ化カルシウムを主体とする固形分を晶析反応
部で再利用しても処理水のフッ素濃度はほとんど増加せ
ず十分な処理が行われることが分かる。一方、アルミ凝
集剤は、1回の添加で、その後新たに添加することなく
10回の処理が可能であり、凝集剤使用量は、1/10
となる。
【0052】また、カルシウムによる晶析反応後のフッ
素濃度は、従来方式の1/2以下である。これより、フ
ッ化カルシウムの返送により、フッ化カルシウムの晶析
がより効果的に行われることが分かる。
素濃度は、従来方式の1/2以下である。これより、フ
ッ化カルシウムの返送により、フッ化カルシウムの晶析
がより効果的に行われることが分かる。
【0053】なお、本実験例では各回の処理で得られた
沈澱汚泥の全量をアルカリ処理すると共に、得られたア
ルカリ処理後の固形分の全量を次回の処理の晶析反応に
利用するというように、固形分を全く系外に引き抜くこ
となくその全量を再利用したが、実際の排水処理装置に
おいては固形分の一部を系外に引き抜きながら処理を行
うことは言うまでもないことである。
沈澱汚泥の全量をアルカリ処理すると共に、得られたア
ルカリ処理後の固形分の全量を次回の処理の晶析反応に
利用するというように、固形分を全く系外に引き抜くこ
となくその全量を再利用したが、実際の排水処理装置に
おいては固形分の一部を系外に引き抜きながら処理を行
うことは言うまでもないことである。
【図1】 実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】 変形例の構成を示すブロック図である。
10 晶析反応槽、12 アルミ凝集反応槽、14 沈
殿槽、16 汚泥返送ライン、18 固液分離装置、2
0 種晶形成槽。
殿槽、16 汚泥返送ライン、18 固液分離装置、2
0 種晶形成槽。
Claims (4)
- 【請求項1】 フッ素含有排水にカルシウム化合物を添
加混合する晶析反応部と、カルシウム化合物添加後の反
応液にアルミニウム塩を添加するアルミ凝集反応部と、
アルミニウム塩添加後の反応液から汚泥を分離する水処
理系固液分離部と、を有するフッ素含有排水処理装置に
おいて、 上記水処理系固液分離部によって分離された汚泥をアル
カリで溶解処理するアルカリ処理部と、 アルカリ処理後の処理液を固液分離する汚泥処理系固液
分離部と、 を有し、 上記汚泥処理系固液分離部により得られた液体分をアル
ミ凝集反応部に供給し、固形分を晶析反応部に供給する
ことを特徴とするフッ素含有排水処理装置。 - 【請求項2】 請求項1に記載の装置において、 上記アルカリ処理部は、汚泥にアルカリ剤を添加して、
pHを8.5以上として、汚泥を溶解させることを特徴
とするフッ素含有排水処理装置。 - 【請求項3】 請求項1または2に記載の装置におい
て、 上記晶析反応部は、排水の一部にカルシウム化合物を添
加して、フッ化カルシウム種晶を形成する種晶形成部
と、種晶形成部で得た反応液と排水の他部を混合する混
合部とからなることを特徴とするフッ素含有排水処理装
置。 - 【請求項4】 フッ素含有排水にカルシウム化合物を添
加混合する晶析反応工程と、カルシウム化合物添加後の
反応液にアルミニウム塩を添加するアルミ凝集反応工程
と、アルミニウム塩添加後の反応液から汚泥を分離し、
処理水を得る水処理系固液分離工程と、を有するフッ素
含有排水処理方法であって、 上記水処理系固液分離工程によって分離された汚泥をア
ルカリで溶解処理した後、固液分離し、得られた液体分
をアルミ凝集反応工程に供給し、固形分を晶析反応工程
に供給することを特徴とするフッ素含有排水処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8191955A JPH1034166A (ja) | 1996-07-22 | 1996-07-22 | フッ素含有排水処理装置および方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8191955A JPH1034166A (ja) | 1996-07-22 | 1996-07-22 | フッ素含有排水処理装置および方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1034166A true JPH1034166A (ja) | 1998-02-10 |
Family
ID=16283236
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8191955A Pending JPH1034166A (ja) | 1996-07-22 | 1996-07-22 | フッ素含有排水処理装置および方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1034166A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003001012A (ja) * | 2001-06-19 | 2003-01-07 | Hitachi Plant Eng & Constr Co Ltd | 凝集沈殿処理方法及び沈殿汚泥の処理方法 |
JP2005186022A (ja) * | 2003-12-26 | 2005-07-14 | Japan Organo Co Ltd | 有機性排水の処理装置および処理方法 |
JP2005296837A (ja) * | 2004-04-13 | 2005-10-27 | Japan Organo Co Ltd | フッ素、リン含有水の処理方法 |
JP2005296838A (ja) * | 2004-04-13 | 2005-10-27 | Japan Organo Co Ltd | フッ素、リン含有水の処理方法および装置 |
JP2006167633A (ja) * | 2004-12-16 | 2006-06-29 | Japan Organo Co Ltd | フッ素含有水の処理方法 |
Citations (5)
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JPS544874A (en) * | 1977-06-14 | 1979-01-13 | Asahi Glass Co Ltd | Treating method for waste solution containing fluorine and arsenic |
JPS6097091A (ja) * | 1983-10-31 | 1985-05-30 | Kurita Water Ind Ltd | フツ化物イオン含有水の処理方法 |
JPH01107890A (ja) * | 1987-10-19 | 1989-04-25 | Chiyoda Corp | フッ素含有排水の処理法 |
JPH06114382A (ja) * | 1992-10-05 | 1994-04-26 | Fuji Kasui Kogyo Kk | フッ素含有排水の処理方法 |
JPH06154767A (ja) * | 1992-11-27 | 1994-06-03 | Fuji Kasui Kogyo Kk | フッ素含有排水の処理方法 |
-
1996
- 1996-07-22 JP JP8191955A patent/JPH1034166A/ja active Pending
Patent Citations (5)
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JP2006167633A (ja) * | 2004-12-16 | 2006-06-29 | Japan Organo Co Ltd | フッ素含有水の処理方法 |
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---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
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A02 | Decision of refusal |
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