JP2002292203A - 高比重の種晶が充填された晶析反応装置および該装置を用いた晶析処理方法 - Google Patents

高比重の種晶が充填された晶析反応装置および該装置を用いた晶析処理方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 種晶の比表面積が向上された晶析反応装置お
よび該装置を用いた晶析処理方法を提供する。 【解決手段】 内部に種晶2が流動可能に充填され、原
水中の晶析対象成分が低減された処理水を排出する晶析
反応糟1と、該原水を該晶析反応糟1に供給する原水供
給手段と、晶析用薬液を該晶析反応糟1に供給する晶析
用薬液供給手段と、該晶析反応糟1から排出される処理
水の少なくとも一部を該晶析反応糟に返送する処理水循
環手段とを備える晶析反応装置において、該種晶2の比
重が3.2よりも大きいことを特徴とする前記晶析反応
装置を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原水中のフッ素、
リンおよび重金属をはじめとする晶析対象成分を晶析除
去する晶析反応装置、および該晶析反応装置を用いた晶
析処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】工場などからの排水の水質については厳
しい制限がなされているが、その規制は年々厳しくなる
傾向にある。電子産業(特に半導体関連)、発電所、ア
ルミニウム工業などから排出される原水中には、フッ
素、リンまたは重金属類という、近年厳しい排水基準が
設けられている元素が含まれている場合が多い。このた
め、これらを排水からこれらの成分を効率良く除去する
ことが求められており、フッ素、リン、重金属等を除去
するのに有効な技術としては晶析法が知られている。
【0003】フッ素の除去技術としては、フッ素を含む
原水に、水酸化カルシウム(Ca(OH))、塩化カ
ルシウム(CaCl)、炭酸カルシウム(CaC
)をはじめとするカルシウム化合物を添加し、式
(I)に示されるように、難溶性のフッ化カルシウムを
生じさせることを基本とする。 Ca2++2F→ CaF↓ (I) 特願昭59−63884号(特開昭60−206485
号)には、フッ素とカルシウムを含有する種晶を充填し
た反応糟にフッ素含有原水をカルシウム剤と共に導入し
て、種晶上にフッ化カルシウムを析出させる、いわゆる
フッ化カルシウム晶析法が開示されている。この晶析法
においては、一般的に、反応糟の底部から原水を導入
し、種晶を流動化させながら上向流で通水して処理を行
い、必要に応じて反応糟からの流出水を循環するという
方法が用いられる。
【0004】また、原水からのリンの除去方法における
晶析技術は、リンを含む原水に、水酸化カルシウム(C
a(OH))、塩化カルシウム(CaCl)をはじ
めとするカルシウム化合物を添加し、式(II)および
(III)に示されるように、難溶性のリン酸カルシウ
ムおよびリン酸ヒドロキシアパタイト(以下、リン酸カ
ルシウム等という)を生じさせることを基本とする。 3Ca2++2PO 3−→Ca(PO↓ (II) 5Ca2++OH+3PO 3−→CaOH(PO↓ (III) この反応を利用して、リンとカルシウムを含有する種
晶、または砂や活性炭などの微細粒子を充填した反応糟
に、リン含有原水をカルシウム剤と共に導入して、種晶
上にリン酸カルシウムを析出させる。さらに、銅、鉄、
鉛などの重金属を原水から除去する技術としては、水酸
化ナトリウムなどの添加によりpHを上昇させ、金属水
酸化物の不溶体を生じさせることにより晶析除去する技
術が代表的なものとして知られている。
【0005】上述の様に、フッ素、リンおよび/または
重金属を含む原水からこれらを除去する晶析方法におい
ては、一般的に、図1に示すような晶析反応装置が使用
される。すなわち、晶析反応装置は、内部に種晶2が充
填され、原水中の晶析対象成分を晶析反応により除去す
る晶析反応糟1と、原水を該晶析反応糟1に供給する原
水供給手段と、晶析用薬液を該晶析反応糟1に供給する
晶析用薬液供給手段と、該晶析反応糟1から排出される
処理水の少なくとも一部を該晶析反応糟1に返送する処
理水循環手段とを具備している。また、原水供給手段
は、原水を貯留する原水タンク3、該原水タンク3と晶
析反応糟1とを連結する原水供給ライン4を具備する。
晶析用薬液供給手段は、晶析用薬液を貯留する晶析用薬
液タンク6、該晶析用薬液タンク6と晶析反応糟1とを
連結する晶析用薬液供給ライン7を具備する。晶析反応
糟1で得られる処理水は該晶析反応糟1の上部から処理
水排出ライン8を通って排出され、該処理水排出ライン
8には砂ろ過装置9、処理水タンク10が順次介装され
ている。また、図1の態様においては、処理水循環手段
として、処理水タンク10から処理水循環ライン11が
分岐し、該処理水循環ライン11は晶析反応糟1と接続
されている。
【0006】上述の様な晶析反応装置を用いて晶析処理
を行う場合、晶析反応糟内では、一般的に、良好な反応
を行うと共に、最終的に種晶2の上に成長した粒径60
0μm以上の晶析ペレットが晶析反応糟1の底部で固着
することがないように、30〜60m/hの線速度の上
向流で、150〜300%の展開率の流動床が形成され
る。該晶析反応装置は、この条件下で種晶2の周りに晶
析対象成分を析出させ、一定の粒径まで成長させた後
に、晶析ペレットとして晶析反応糟の底部から抜き出
し、抜き出した量に応じて新たな種晶2を補給するとい
う方法で運転される。一般に、種晶2としては、SiO
を主成分とする珪砂(比重2.6、粒径200〜30
0μm)や、晶析対象成分が種晶上に晶析しやすいとい
う観点から、晶析対象成分と晶析反応成分の両成分を含
む種晶(例えば、フッ素とカルシウムの反応により原水
中のフッ素を除去する場合には、フッ化カルシウム(蛍
石))が好んで使用される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】晶析反応糟の内部に充
填される種晶としては、上述のように、珪砂(比重2.
6、粒径200〜300μm)や、蛍石(比重3.2、
粒径150〜300μm)が使用される。種晶に求めら
れる特性は、粒径が小さく、晶析反応糟内での晶析対象
成分と晶析反応成分との反応に関係する比表面積(単位
体積あたりの表面積)が大きく、しかも、カラム内での
上向流によって流出しない沈降速度を有することであ
る。従来の珪砂や蛍石などの種晶では、比表面積を大き
くするために粒径を小さくすると沈降速度が小さくな
り、晶析反応糟内に保持されず、流出してしまうという
問題があった。一方で、沈降速度を確保するために粒径
を大きくすると、比表面積が小さくなり、晶析反応の効
率が低下し、処理水の水質が悪化するという問題が生じ
る。
【0008】また、成長した晶析ペレットから晶析成分
を回収し、該晶析成分を再利用する場合には、種晶とし
て晶析対象成分と晶析反応成分の反応物を使用する場合
(例えば、フッ素とカルシウムの場合での蛍石)を除
き、種晶の成分が不純物となる。よって、高純度の晶析
成分を回収するという観点からは、種晶はできるだけ小
さい方が良い。例えば、晶析対象成分がフッ素で種晶と
して珪砂を用いる場合には、フッ素を回収する際に、珪
砂の主成分であるSiOに起因するケイ素が不純物と
なり、ケイフッ酸が生成するという問題がある。この晶
析ペレットの純度を向上させるという点では、晶析対象
成分と晶析反応成分との反応物を使用するのが良いが、
該反応物を利用するのは、蛍石をはじめとして一般的に
高価であり、比重も珪砂と大きな差がなく、比表面積を
増大させるための粒子の小径化にも限界がある。一方、
比重を大きくするという観点から、安価な種晶として金
属を主成分とするものが考えられるが、晶析処理によっ
て処理される排水は低pHであったり、腐食性のフッ素
を含有することが多く、種晶の成分である金属が溶解
し、種晶から溶出した金属イオンで処理水を汚染するこ
ととなるので適用は困難である。
【0009】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであって、フッ素、リンおよび/または重金属を
はじめとする晶析対象成分を含む原水を晶析処理する晶
析反応装置において、種晶の比重を大きくすることによ
り、種晶の比表面積を大きくすることができ、晶析処理
の効率を向上させると共に、晶析反応装置全体をコンパ
クトにし、コストダウンを図ることができる晶析反応装
置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は請求項1とし
て、内部に種晶が流動可能に充填され、原水中の晶析対
象成分が低減された処理水を排出する晶析反応糟と、該
原水を該晶析反応糟に供給する原水供給手段と、晶析用
薬液を該晶析反応糟に供給する晶析用薬液供給手段と、
該晶析反応糟から排出される処理水の少なくとも一部を
該晶析反応糟に返送する処理水循環手段とを備える晶析
反応装置において、該種晶の比重が3.2よりも大きい
ことを特徴とする前記晶析反応装置。本発明は請求項2
として、種晶が金属元素酸化物の1種以上を主成分とし
て含む粒子である請求項1記載の晶析反応装置を提供す
る。本発明は請求項3として、金属元素酸化物がMg、
Al、Si、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、N
i、Cu、Zn、Ga、Ge、Se、Y、Zr、Nb、
Mo、Tc、Pd、Hf、WおよびTlからなる群から
選択される1以上の金属元素の酸化物である請求項2記
載の晶析反応装置を提供する。本発明は請求項4とし
て、金属元素酸化物がジルコンおよび/またはジルコニ
アである請求項2記載の晶析反応装置を提供する。本発
明は請求項5として、請求項1〜4のいずれか1項記載
の晶析反応装置を用いて原水中の晶析対象成分を晶析除
去する晶析処理方法を提供する。本発明は請求項6とし
て、晶析対象成分がフッ素である請求項5記載の晶析処
理方法を提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】図1に本発明の晶析反応装置の一
態様を示し、以下、詳述する。本発明の晶析反応装置
は、内部に種晶2が流動可能に充填され、原水中の晶析
対象成分を晶析反応により除去する晶析反応糟1と、原
水を該晶析反応糟1に供給する原水供給手段と、晶析用
薬液を該晶析反応糟1に供給する晶析用薬液供給手段
と、該晶析反応糟1から排出される処理水の少なくとも
一部を該晶析反応糟1に返送する処理水循環手段とを具
備している。また、図1では、原水供給手段は、原水を
貯留する原水タンク3、該原水タンク3と晶析反応糟1
とを連結する原水供給ライン4を具備し、該原水供給ラ
イン4にはポンプが介装されている。晶析用薬液供給手
段は、晶析用薬液を貯留する晶析用薬液タンク6、該晶
析用薬液タンク6と晶析反応糟1とを連結する晶析用薬
液供給ライン7を具備し、該晶析用薬液供給ライン7に
はポンプが介装されている。晶析反応糟1で得られる処
理水は該晶析反応糟1の上部から処理水排出ライン8を
通って排出され、該処理水排出ライン8には砂ろ過装置
9、処理水タンク10が順次介装されている。また、図
1の態様においては、処理水循環手段として、処理水タ
ンク10から処理水循環ライン11が分岐し、該処理水
循環ライン11は晶析反応糟1と接続されている。
【0012】本発明の晶析反応装置で使用される種晶2
は、比重が3.2より大きい任意の物質である。比重が
3.2より大きいことから、蛍石よりも比重が大きく、
種晶として比表面積を大きくできる。好ましくは、比重
は4.0以上であり、より好ましくは4.5以上であ
る。
【0013】種晶2は金属元素酸化物の1種以上を主と
して含む粒子であることが好ましい。金属元素酸化物と
は、金属元素が酸化された化合物であり、例えば、Al
、ZnO・Al、MgO・Al、T
iO、SiO、Fe 、MgO、CaO、Mn
O、ZrO(ジルコニア)、ZrSiO(ジルコ
ン)、HfO等が挙げられるがこれらに限定されるも
のではない。金属元素酸化物を構成する金属元素はAl
のように1種類であっても良いし、ZrSiO
のように2以上の金属元素から構成されていても良い。
金属元素酸化物を構成する金属元素としては、好ましく
は、Mg、Al、Si、Ti、V、Cr、Mn、Fe、
Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Se、Y、Z
r、Nb、Mo、Tc、Pd、Hf、WまたはTlであ
るがこれに限定されるものではない。
【0014】本発明における種晶は、金属元素酸化物を
主成分とし、本発明の目的に反しない限りは、微量の金
属、金属元素硫化物など、金属元素酸化物以外の成分を
含んでいても良い。また、種晶は金属元素酸化物を1種
以上含むことができるので、例えば、ジルコンのように
1種類の金属元素酸化物であるZrSiOを主成分と
するものであっても良く、また、ガーネットサンド(S
iO、約35%;Fe、約33%;Al
、約23%;MgO、約7%;CaO、約1%;
MnO、約1%)のように複数種類の金属元素酸化物か
らなるものであっても良い。
【0015】本発明の晶析反応装置で処理される原水は
低pHであったり、晶析用薬液としてアルカリ性の薬液
が供給される。このため、種晶は酸、アルカリに対して
難溶性であることが好ましく、この観点から、種晶に使
用される金属元素酸化物としては、ZnO・Al
、MgO・Al、ZrO、ZrSi
、ZnSiO、ジルコンサンド、ガーネットサ
ンド、サクランダム(商品名;日本カートリット株式会
社製)が好ましい。より好ましくは、ZnO・Al
、MgO・Al、ZrO、ZrSiO、Z
SiOであり、さらにより好ましくはZrO
ZrSiOであり、最も好ましくはZrSiOであ
る。本発明の晶析反応装置は晶析対象成分を特に限定し
ないが、上述のようにフッ素に対して安定な成分からな
る種晶が使用される場合には、特に、晶析対象成分がフ
ッ素である場合に有用である。
【0016】本発明における晶析反応糟1は、内部に種
晶2が充填されており、該種晶2の表面上に、原水に含
まれる晶析対象成分と、該晶析用薬液に含まれる晶析反
応成分との反応物が析出することにより、原水中の晶析
対象成分を低減させ、晶析対象成分の濃度が低下した処
理水を排出するものである。晶析反応糟1は前記機能を
有するものであれば、長さ、内径、形状などについて
は、任意の態様が可能であり、特に限定されるものでは
ない。
【0017】晶析反応糟1に充填される種晶2の充填量
も、晶析対象成分を晶析反応により除去できるのであれ
ば特に限定されるものではなく、晶析対象成分の濃度、
種類、使用される晶析用薬液の種類、濃度、また、晶析
反応装置の運転条件等に応じて適宜設定される。本発明
の晶析反応装置においては、晶析反応糟1内に上向流を
形成し、該上向流によって種晶2が流動するような流動
床の晶析反応糟1が好ましい。
【0018】本発明の原水供給手段は、原水を晶析反応
糟1に供給できるものであれば任意の態様が可能であ
る。図1の態様においては、原水タンク3、原水タンク
3と晶析反応糟1とを連結する原水供給ライン4を具備
し、該原水供給ライン4にはポンプが介装されている。
晶析用薬液供給手段は、晶析用薬液を晶析反応糟1に供
給できるものであれば任意の態様が可能である。図1の
態様においては、晶析用薬液供給手段は、晶析用薬液を
貯留する晶析用薬液タンク6、該晶析用薬液タンク6と
晶析反応糟1とを連結する晶析用薬液供給ライン7を具
備し、該晶析用薬液供給ライン7にはポンプが介装され
ている。
【0019】原水供給ライン4および晶析用薬液供給ラ
イン7は晶析反応糟1の任意の部分に接続することがで
きる。本発明の晶析反応装置においては、晶析反応糟1
内に上向流を形成して晶析処理を行う場合には、効率的
に反応を行うという観点から、原水供給ライン4および
晶析用薬液供給ライン7は晶析反応糟1の底部に接続さ
れるのが好ましい。
【0020】晶析反応糟1は、晶析反応により生じた晶
析対象成分が低減された処理水を該晶析反応糟1の外部
に排出する。処理水は、晶析反応糟1における液体の流
れに従って任意の部分から排出される。晶析反応糟1内
で上向流が形成される場合には、晶析反応糟1の上部か
ら処理水が排出される。図1の態様では、該晶析反応糟
1の上部から排出される処理水は、処理水排出ライン8
を通って排出される。本発明の晶析反応装置は、晶析反
応糟1から排出される処理水の少なくとも一部を該晶析
反応糟1に返送する処理水循環手段を有する。処理水循
環手段としては、処理水の少なくとも一部を晶析反応糟
1に返送できるものであれば任意の態様が可能であり、
特に限定されるものではない。図1の態様においては、
処理水循環手段として、処理水貯留タンク10から分岐
した処理水循環ライン11が設けられている。処理水循
環手段は、処理水を晶析反応糟1に循環させることによ
り、晶析反応糟1内に供給された原水を希釈すると共
に、晶析用薬液と原水を混合し、さらに、晶析反応糟1
内で所定の流れ、特に上向流を形成させるものである。
よって、晶析反応糟1内で上向流が形成される場合に
は、図1のように、処理水循環ライン11は晶析反応糟
1の底部に接続されるような態様が好ましい。また、本
発明の晶析反応装置は、通常、晶析反応装置において使
用される、砂ろ過装置9などの任意の装置を設けること
も可能である。
【0021】本発明の晶析反応装置で処理される原水
は、晶析処理により除去される晶析対象成分を含むもの
であれば、如何なる由来の原水であっても良く、例え
ば、半導体関連産業をはじめとする電子産業、発電所、
アルミニウム工業などから排出される原水が挙げられる
が、これらに限定されるものではない。本発明における
原水中の晶析対象成分としては、晶析反応により晶析
し、原水中から除去可能であれば任意の元素が挙げら
れ、特に限定されるものではない。また、晶析対象成分
となる元素の種類は1種類であっても良いし、2種類以
上であっても良い。特に、原水中における存在が問題と
なるという観点から、本発明の晶析対象成分としては、
フッ素、リンおよび重金属元素、並びにこれらの混合物
が挙げられる。また、重金属元素としては、V、Cr、
Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Mo、Ag、C
d、Hg、Sn、Pb、Teが挙げられるが、これに限
定されるものではない。晶析対象成分となる元素は、晶
析反応により晶析するのであれば、任意の状態で原水中
に存在することが可能である。原水中に溶解していると
いう観点から、晶析対象成分はイオン化した状態である
のが好ましい。晶析対象成分がイオン化した状態として
は、例えば、F、Cu2+等をはじめとする原子がイ
オン化したもの、メタリン酸、ピロリン酸、オルトリン
酸、三リン酸、四リン酸、亜リン酸等をはじめとする晶
析対象成分を含む化合物がイオン化したもの、また、重
金属等の錯イオンなどが挙げられるがこれらに限定され
るものではない。
【0022】晶析用薬液としては、晶析対象成分と反応
して難溶性化合物を形成することにより、原水から晶析
対象成分を除去できる晶析反応成分を含むものであれ
ば、任意の化合物を含む薬液を使用することができ、除
去されるべき晶析対象成分に応じて適宜設定される。な
お、晶析反応成分とは、上述のように晶析対象成分と反
応して難溶性化合物を形成するものであり、例えば、カ
ルシウム、マグネシウム、ストロンチウム、バリウム等
の元素またはイオンが挙げられるが、これらに限定され
るものではない。また、晶析用薬液に含まれる、晶析反
応成分は1種類であっても良いし、複数種類であっても
良い。また、薬液を構成する液体媒体としては、本発明
の目的に反しない限りは任意の物質が可能であり、好ま
しくは水である。例えば、晶析対象成分がフッ素の場合
には、晶析用薬液としては、水酸化カルシウム、塩化カ
ルシウム、炭酸カルシウムをはじめとするカルシウム化
合物、炭酸マグネシウム、塩化マグネシウムをはじめと
するマグネシウム化合物、水酸化ストロンチウム、塩化
ストロンチウムをはじめとするストロンチウム化合物を
含む薬液、またはこれらの混合物を含む薬液が挙げられ
るがこれらに限定されるものではない。また、フッ素と
反応して形成されるフッ化物の溶解度が低いという観点
から、晶析用薬液としては、マグネシウム化合物および
/またはカルシウム化合物を含む薬液が好ましく、より
好ましくは、カルシウム化合物を含む薬液である。
【0023】晶析対象成分がリン元素であり、原水中に
リン酸等のリン化合物として存在している場合には、晶
析用薬液としては、水酸化カルシウム、塩化カルシウム
をはじめとするカルシウム化合物、塩化バリウムをはじ
めとするバリウム化合物、塩化マグネシウムをはじめと
するマグネシウム化合物が挙げられるがこれらに限定さ
れるものではない。リン酸等の形態のリンと反応して形
成される化合物の溶解度が低いという観点から、晶析用
薬液としては、カルシウム化合物および/またはバリウ
ム化合物を含む薬液が好ましい。晶析対象成分が上述の
重金属である場合には、晶析用薬液としては、水酸化カ
ルシウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナ
トリウムをはじめとする、水に溶解された場合にアルカ
リ性を示すアルカリ化合物が好ましいが、これらに限定
されるものではない。
【0024】晶析対象成分が原水中に複数種類存在し、
この中の全部もしくは2以上の成分の晶析除去が望まれ
る場合には、除去が望まれる晶析対象成分のいずれに対
しても難溶性塩を形成する晶析反応成分を含む晶析用薬
液が適宜選択される。例えば、晶析対象成分としてフッ
素とリン酸を含む場合には、晶析用薬液としては、フッ
素およびリン酸のいずれにも適した晶析反応成分である
カルシウムを含む晶析用薬液が使用されても良いし、ま
た、それぞれに適した複数の晶析反応成分を含む晶析用
薬液でも良い。また、晶析用薬液中の晶析反応成分の濃
度は、晶析反応糟の処理能力、循環される処理水量、晶
析対象成分の種類および濃度等に応じて適宜設定され
る。
【0025】
【実施例】以下、実施例で本発明をより具体的に説明す
るが、本発明は実施例に限定されるものではない。 実施例1 図1に示される晶析反応装置に種晶として平均粒径10
0μm、空隙率40%、密度5g/cm、比表面積3
6m/dmのジルコンサンド(Mineral D
eposits社製、(ZrO、66%;SiO
32%;TiO 、0.1%))を充填し、表1に示す
実験条件で晶析処理を行った。
【0026】
【表1】
【0027】晶析処理開始から80時間後、晶析反応装
置の底部から晶析ペレットを回収した。回収された晶析
ペレットの平均粒径は約650μmであった。また、こ
のときの処理水中のフッ素濃度を自動フッ素イオン測定
装置(FLIA−101;堀場製作所製)を用いて測定
した。さらに、回収された晶析ペレットのフッ化カルシ
ウムの純度を蛍石分析方法(JIS K1468)で測
定した。測定結果は表2に示す。
【0028】比較例1 種晶が平均粒径300μm、空隙率50%、密度2.5
g/cm、比表面積10m/dmの珪砂であるこ
とを除き、実施例1と同様にして晶析処理を行った。測
定結果は表2に示す。 比較例2 種晶が平均粒径250μm、空隙率50%、密度3.2
g/cm、比表面積12m/dmの珪砂であるこ
とを除き、実施例1と同様にして晶析処理を行った。測
定結果は表2に示す。
【0029】
【表2】
【0030】処理水の水質は、種晶がジルコンサンドの
場合に最もフッ素含量が少なく、次いで蛍石、珪砂の場
合に最も濃度が高かった。このことから、ジルコンサン
ドは処理水の水質を向上させることが明らかとなった。
また、晶析ペレット中にフッ化カルシウム純度について
は、種晶がフッ化カルシウムを主成分とする蛍石の場合
が最も純度が高かったが、ジルコンサンドの場合はこれ
に次ぐ純度であり、珪砂と比較して純度ははるかに向上
されていた。これらを考慮すると、ジルコンサンドは処
理水の水質を向上させると共に、晶析ペレットから回収
される晶析対象成分の反応物の純度も向上させることが
明らかとなった。
【0031】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明の晶析反
応装置は、フッ素、リンおよび/または重金属をはじめ
とする晶析対象成分を含む原水を晶析処理する晶析反応
装置において、一定以上の比重の種晶を使用することに
より、種晶の比表面積を大きくすることができ、晶析処
理の効率を向上させると共に、晶析反応装置全体をコン
パクトにし、コストダウンを図ることが可能となる。ま
た、本発明においては、フッ素に耐性を有する種晶を使
用することにより、特に晶析対象成分がフッ素の場合に
上記効果を奏することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の晶析反応装置の一態様を示
す概略図である。
【符号の説明】
1 晶析反応糟 2 種晶 3 原水タンク 4 原水供給ライン 6 晶析用薬液タンク 7 晶析用薬液供給ライン 8 処理水排出ライン 9 砂ろ過装置 10 処理水貯留タンク 11 処理水循環ライン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01D 9/02 604 B01D 9/02 604 605 605 622 622 C02F 1/58 C02F 1/58 S M 1/62 1/62

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に種晶が流動可能に充填され、原水
    中の晶析対象成分が低減された処理水を排出する晶析反
    応糟と、 該原水を該晶析反応糟に供給する原水供給手段と、 晶析用薬液を該晶析反応糟に供給する晶析用薬液供給手
    段と、 該晶析反応糟から排出される処理水の少なくとも一部を
    該晶析反応糟に返送する処理水循環手段とを備える晶析
    反応装置において、 該種晶の比重が3.2よりも大きいことを特徴とする前
    記晶析反応装置。
  2. 【請求項2】 種晶が金属元素酸化物の1種以上を主成
    分として含む粒子である請求項1記載の晶析反応装置。
  3. 【請求項3】 金属元素酸化物がMg、Al、Si、T
    i、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、
    Ga、Ge、Se、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、P
    d、Hf、WおよびTlからなる群から選択される1以
    上の金属元素の酸化物である請求項2記載の晶析反応装
    置。
  4. 【請求項4】 金属元素酸化物がジルコンおよび/また
    はジルコニアである請求項2記載の晶析反応装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項記載の晶析
    反応装置を用いて原水中の晶析対象成分を晶析除去する
    晶析処理方法。
  6. 【請求項6】 晶析対象成分がフッ素である請求項5記
    載の晶析処理方法。
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