JPH0788358A - 水難溶性塩の連続製造方法 - Google Patents

水難溶性塩の連続製造方法

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JPH0788358A
JPH0788358A JP25763993A JP25763993A JPH0788358A JP H0788358 A JPH0788358 A JP H0788358A JP 25763993 A JP25763993 A JP 25763993A JP 25763993 A JP25763993 A JP 25763993A JP H0788358 A JPH0788358 A JP H0788358A
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JP
Japan
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soluble salt
seed crystal
reactor
particle size
raw material
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JP25763993A
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English (en)
Inventor
Kazuhito Miyoshi
一仁 三好
Itsuro Tsukahara
逸朗 塚原
Toshimitsu Koike
俊光 小池
Kazuo Taguchi
和男 田口
Mitsushi Makawa
充司 真川
Tetsuhiko Miyai
哲彦 宮井
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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  • Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【構成】2種以上の原料を連続的に管型反応器に供給
し、該反応器内で混合し反応させて水難溶性塩を製造す
る方法において、該反応器内に水難溶性の種結晶を供給
して水難溶性塩の結晶成長を促進させると共に、該反応
器内の液濁度から生成結晶の平均粒子径を算出し、該平
均粒子径に基づき前記種結晶の供給量を制御して、所望
の平均粒子径の水難溶性塩を製造することを特徴とする
水難溶性塩の連続製造方法。 【効果】本発明によれば、体質顔料、化粧品、写真乳
剤、電子材料および添加剤等に適した粒子径、形状のそ
ろった水難溶性塩結晶を安定して製造できる。また、収
率の向上ならびに種結晶の調製が図れ、簡便な設備で水
難溶性塩の種結晶の供給量を容易に調節することが可能
であるため、付帯設備の軽減も図れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、体質顔料、化粧品、写
真乳剤、電子材料および添加剤等に適した粒子径のそろ
った水難溶性塩を安定に製造する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】2種以上の原料溶液を混合して反応さ
せ、水難溶性塩を合成する場合、その合成条件により結
晶は様々な形状、粒子径を呈することが知られている。
例えば、Bull. Chem. Soc. Japan No.3 121 頁によれ
ば、混合原料の濃度によって生成する硫酸バリウムの結
晶は無定形、球形、紡錘状、ダイアモンド状等に種々変
形し、またその大きさは0.013μmから2.0μm
程度まで大幅に変化することが示されている。
【0003】即ち、水難溶性塩は、水易溶性塩に比べて
結晶核の発生および結晶成長の濃度域が非常に低いた
め、原料溶液の供給速度の多少の変動等によって過飽和
度が大きく変動することにより、結晶の粒子径、形状が
変化し、均一な大きさの結晶が得られにくい。そこで、
粒子径、形状がそろった結晶を得るために種結晶を添加
する方法が考えられる。これは、種結晶が存在すること
で種結晶上での核発生が容易になるため、種結晶が無い
場合よりも過飽和度の低い状態での核発生が起こり、さ
らにその発生した核が均一な状態のもとで結晶成長が可
能になるためと考えられている。つまり、種結晶が存在
することにより、マイルドな状態のもとで結晶化が進行
するため、結晶の粒子径ならびに形状が均一になると考
えられている。
【0004】上記の問題を解決する手段として、特開平
3−205314号公報、特公昭61−34841号公
報、特公平4−48730号公報に開示のものがある。
これらの手法としては、結晶缶(晶析部)から結晶を含
むスラリーを抜き出し、篩い分けした後、微細粒子を母
液と共に種結晶として連続的に結晶缶に戻している。
【0005】この時、問題となるのは種結晶のもどし量
をどのように制御するかということである。特開平3−
205314号公報では固液分離された製品粒子径を自
動測定し、その粒子径からもどし量を算出している。ま
た、特公平4−48730号公報でも製品粒子径と粒子
総体積から晶析粒子数を推定し、もどし量を算出してい
る。どちらも製品粒子径を測定することが種結晶の供給
量を決めるためのキーポイントになっている。このと
き、製品粒子径は次のような手段で測定されている。 (1)定期的にサンプリングして、粒度測定等で計測す
る (2)画像処理装置等を用いて輝度の違いから粒子を認
識、判別して計測する (3)オンラインでサンプリングし、画像処理装置や粒
度測定装置で計測する (4)乾燥器から排出される結晶の粒子径を計測する これらの方法では、何れの場合においても測定に時間を
要し、リアルタイムでの対応が取りづらい。しかし、上
記の場合、水易溶性塩であるため、結晶成長速度が小さ
く供給量の変位がリアルタイムで製品粒子径に反映され
てこないため、上記の計測方法でも問題なかったと考え
られる。
【0006】しかしながら、本件で扱うような水難溶性
塩では結晶成長速度が非常に大きいために、供給量の変
位がリアルタイムで製品粒子径に反映される。言い換え
れば、粒子径をリアルタイムで測定し、なおかつ供給量
を速やかに適量だけ変位させなければ、所望する粒子径
や形状から外れた製品結晶しか製造できないことにな
る。加えて、種結晶供給量をコントロールする手段にお
いても、上記の場合、水易溶性塩であるため、水を追加
し塩濃度を下げる手段や、加熱し溶解度を上げる手段に
より、種結晶を溶かし種結晶量をコントロールする方法
が取られている。しかし、本件のような水難溶性塩で
は、水を追加し塩濃度を下げる方法や加熱して溶解度を
上げる方法では種結晶を溶かすことはほとんど不可能で
あり、他にこれといった有効な手段もなく、種結晶の量
をコントロールする手段も極めて制限されたものであ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】したがって、水難溶性
塩の製造において種結晶の量をコントロールし、粒子径
のそろった水難溶性塩を製造する方法の開発が望まれて
いた。本発明は、体質顔料、化粧品、写真乳剤、電子材
料および添加剤等に適した粒子径のそろった水難溶性塩
を安定に製造する方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を行った結
果、2種以上の原料を連続的に管型反応器に導入し、水
難溶性塩を製造する方法において、しかるべき水難溶性
塩の結晶を種結晶として供給し、核発生ならびに結晶成
長を均一化させると共に、反応器内部の液濁度を測定し
結晶化状態を観察することにより、排出される結晶の粒
子径を算出し、この粒子径を基準として前記種結晶の供
給量を制御する方法に着目して、本発明を完成した。
【0009】即ち、本発明の要旨は、2種以上の原料を
連続的に管型反応器に供給し、該反応器内で混合し反応
させて水難溶性塩を製造する方法において、該反応器内
に水難溶性の種結晶を供給して水難溶性塩の結晶成長を
促進させると共に、該反応器内の液濁度から生成結晶の
平均粒子径を算出し、該平均粒子径に基づき前記種結晶
の供給量を制御して、所望の平均粒子径の水難溶性塩を
製造することを特徴とする水難溶性塩の連続製造方法に
関する。
【0010】本発明において用いられる種結晶として
は、平均粒子径が0.005〜10μmの粒子径の水難
溶性粒子が好ましい。具体的には、硫酸バリウム、炭酸
バリウム、ジルコニア、アルミナ、シリカ、チタニア等
が挙げられる。このとき、平均粒子径が0.005μm
未満であると、種結晶粒子どうしが凝集を起こし、見か
け上、大粒子径粒子を用いたようになり、比表面積を大
きくとれる微細結晶の効果を損なってしまう。また、平
均粒子径が10μmを越えると、種結晶の比表面積が減
少するため、種結晶の供給量が増加してコスト的に非効
率的である。この中でも耐酸性、耐塩基性物質である硫
酸バリウム、ジルコニア、アルミナまたはチタニアがさ
らに好ましい。なお、ここでいう水難溶性粒子とは、常
温のイオン交換水1リットルに溶解する重量が50mg
以下のものをいう。
【0011】本発明において種結晶を供給する態様とし
ては、次の4つの態様が挙げられる。まず、第1の態様
としては、前記のような水難溶性粒子を粉体のままで又
はスラリー中に分散させて反応器内に供給する方法であ
る(図4)。第2の態様としては、反応器から排出され
た水難溶性塩が母液に分散した生成物スラリーを用いて
種結晶の供給を行う方法である(図5)。この方法で
は、品質、生産効率、付帯設備面、種結晶入手面から第
1の態様より有利となり望ましい。第3の態様として
は、反応器から排出された水難溶性塩が母液に分散した
生成物スラリーを篩い分けして得られた微細結晶を種結
晶として供給する方法である(図6)。この方法では、
生成物結晶を篩い分けした後の微細結晶をそのまま種結
晶として用いるため、第2の態様より有効となる。即
ち、同重量の種結晶の場合、粒子径の小さい結晶の方が
その数が多くなり、かつ比表面積も大きくなることか
ら、核発生がより均一に起こるためと考えられるからで
ある。
【0012】第4の態様としては、反応器から排出され
た水難溶性塩が母液に分散した生成物スラリーを篩い分
けして得られる未反応原料を含有する母液を反応器に再
度供給して母液を循環させながら、反応器への供給ライ
ンで該未反応原料と新たな原料を反応させ、得られる水
難溶性塩を種結晶として供給する方法である(図7)。
この方法では、母液を排出する無駄をなくし、加えて、
母液に含まれる未反応原料をそのまま系外へ排出しなく
て済むため、省エネルギー化ならびに環境へのクリーン
化の点から、最も有利な態様となる。また、この態様で
は未反応原料と新たな原料との反応により種結晶が生成
するため、循環する母液中に種結晶を含んでいる必要は
なく、母液中の種結晶の有無は制限されない。なお、第
2および第3の態様でも種結晶の供給液(母液)に未反
応原料を含有する場合があり、この場合には第4の態様
の場合と同様に反応器への供給ラインで未反応原料と新
たな原料との反応が起こり、種結晶である水難溶性塩の
量が増加することになる。
【0013】次に、種結晶の供給方法ならびに供給量の
制御について述べる。種結晶の供給量は、その種結晶の
大きさならびに粒子数に応じて適宜調整される。すなわ
ち種結晶の平均粒子径が小さい場合、比表面積が大きく
とれるためその粒子数は少なくても効果があり、平均粒
子径が大きくなればなるほどその粒子数を増やす必要が
ある。これは、種結晶表面での核発生に起因するもので
あり、種結晶の比表面積が核発生数に関与しているため
であると理論的にも解釈がつけられている。したがっ
て、本来、種結晶の大きさならびにその粒子数、あるい
は比表面積を測定することが重要であるが、現在の技術
レベルではリアルタイムでそれらすべてを測定するのは
不可能である。
【0014】そこで、本発明では、測定された液濁度の
値から製品粒子径を算出し(推定粒子径)、この粒子径
が目標粒子径と同じになるように種結晶の供給量を制御
する。第1の態様のように系外より種結晶を供給する場
合、種結晶の大きさや粒子数が既知であるため、種結晶
の導入量を直接制御する。すなわち、種結晶を溶媒に分
散させてスラリーにて導入する場合はその液量を導入ポ
ンプの出力等により、また固形物として導入する場合
は、粉体用定量器により制御すればよい。また、種結晶
の導入する箇所は2種以上の原料溶液にそれぞれ導入し
ても良いし、いずれかの1種にのみ導入しても良い。
【0015】一方、生成物スラリーをそのまま種結晶と
する場合(第2の態様)、生成物スラリーを篩い分けし
た微細結晶を種結晶とする場合(第3の態様)、あるい
は未反応原料と新たな原料とから生成した結晶を種結晶
とする場合(第4の態様)、いずれも種結晶の大きさが
経時的に変化し、さらにその粒子数も経時的に変化する
可能性がある。したがって、供給量も液濁度測定値から
得られる推定粒子径に応じて変える必要がある。このと
き、反応(連続反応器)から分級(分級器)まで一連の
連続操作であるため、種結晶の供給量の変動が反応から
分級までの工程の処理能力に影響を及ぼす。
【0016】これらの第2〜第4の態様において種結晶
の供給量を制御する方法としては以下の方法が好まし
い。すなわち、種結晶や未反応原料等(以下、種結晶等
と略す)を含んだ母液の戻し量は一定にしておき、下記
の方法により種結晶の供給量を制御する方法である。種
結晶等を含んだ母液は2つのラインを通じ導入される。
つまり、一方はクノフィルター、リキッドフィルター、
ロータリーフィルター、フィルタープレス等の固液分離
器を介したライン(フィルトレイトライン)であり、他
方は、種結晶をそのまま送液するライン(バイパスライ
ン)である。この方法では、種結晶供給量は、種結晶を
捕捉し全く種結晶を通さないライン(フィルトレイトラ
イン)とそのまま種結晶を含んだまま送液するライン
(バイパスライン)における送液量の割合により制御さ
れる。具体的には、例えば推定粒子径が目標粒子径より
も大きい場合、種結晶供給量を増やす必要があり、この
ときはフィルトレイトラインの方に流れる母液流量を減
らし、バイパスラインの方に流れる母液流量を増やすこ
とにより、種結晶供給量を増やすことができる。その結
果、核発生量が増え、生成粒子数が増加することにな
る。つまり、個々の粒子の大きさが小さくなり、製品の
粒子径が目標粒子径に近づくことになる。逆に、推定粒
子径が目標粒子径よりも小さい場合、フィルトレイトラ
インの方の母液流量を増やし、バイパスラインの母液流
量を減らすことにより、種結晶供給量を減らすようにす
れば良い。なお、このとき、その流量比は例えばそれぞ
れのラインに設置された流量計と制御弁により操作さ
れ、その応答は非常に速く行うことができる。尚、この
ような母液の戻しは、2種以上の原料溶液にそれぞれ送
液してもよく、いずれか1種にのみ送液して戻してもよ
い。第2、第3の態様では反応器の入口に送液してもよ
い。また第4の態様において、母液に含まれる未反応原
料をいずれか1種に送液する場合は、反応して種結晶を
生成する原料溶液側に送液する。
【0017】ここで、生成物の平均粒子径は、測定した
反応器内部の液濁度(輝度計等の公知の測定器により測
定することができる)から算出され、そのシステムは次
のようなものである。例えば、管型の反応器を用いた場
合、液濁度の測定値と製品粒子径との間には図2のよう
な相関がある。すなわち、液濁度の測定値から製品粒子
径が算出される。ここで、輝度計を用いた液濁度測定の
システムについて、図3に基づき詳細に説明を加える。
【0018】本システムは、照明装置、輝度計、照度
計、コントロールボックスから構成される。照明装置
は、光源として用いられ、発光するランプを有していれ
ば充分であるが、発光度を変えられるコントローラーを
有していれば更に望ましい。また、その設置位置はどこ
でも良く、測定点から遠ければ光ファイバー等の転送手
段を用いて測定点近くまで光を移送すれば良い。照明装
置から出た光は、双手に分けられるが、一方は照度計に
送られブランク値として測定される。また、他方は測定
スラリーを通した後に輝度計により測定される。このと
き、光源から発せられた光は測定スラリーを通り、減衰
し光が弱まった状態で測定される。この減衰量は照度計
からのブランク値と輝度計からの測定値から差分値とし
て得られ、これを液濁度として算出する。さらに、測定
スラリーがある特定波長の光に対して、特徴のある吸収
を示すならば、照明装置にフィルターを設置し、ある特
定波長の光のみ測定に用いることは有効である。また図
3のシステムで液濁度を測定する場合は、反応器の液濁
度測定部は光透過性の材質(例えばガラス製)で構成さ
れていることが必要である。なお、液濁度を測定する手
法は、特に限定されることなく、図3に示した形式、あ
るいはライン取り付け型の濁度計(例えば、SSRエン
ジニアリング(株)製の濁度計、電気化学計器(株)製
の濁度計等)等を用いることができる。
【0019】本システムでは、液濁度と製品粒子径の相
関性を利用するが、液濁度の測定位置は、特に限定され
ず、水難溶性塩の生成が始まった位置(水難溶性塩によ
る濁りが発生した位置)から、下流側(液流れ方向)で
あれば測定可能である。ただし、反応が完結した状態で
液濁度が高く、液濁度と水難溶性塩の相関が図2のよう
に直線的に得られない場合は、適度な液濁度を有する反
応率の位置で液濁度を測定することが好ましい。あるい
は液濁度測定における光透過流路の距離を小さくして液
濁度を測定してもよい。本システムを用いれば、従来の
粒子径測定に比べサンプリング操作、スラリー濃縮/希
釈操作が不要であり、光を利用した測定手法であるた
め、より迅速な測定が連続して行なえることになる。ま
た、非接触による測定であるため、メンテナンスも少な
く自動化が容易である。従って、本発明ではパソコン等
の利用により、液濁度の測定値のデータ処理から種結晶
の供給制御までをすべて自動で行うことが、リアルタイ
ムで応答して所望の粒子径の水難溶性塩を安定して製造
すること、及び省力化等の点より好ましい。なお、以下
の説明も自動制御する場合の例について行う。
【0020】管型反応器の型式は特に限定されないが、
装置内での流体の滞留時間分布を極度に狭く保つことが
でき、かつ、反応装置内に攪拌部・駆動部を有しないに
もかかわらず、各種流体を迅速かつ均一に混合・攪拌し
て反応させ、さらに、反応生成物をすみやかに反応装置
外へ排出することのできる連続反応装置という点から、
特願平4−358429号に記載された管型反応器が好
適に用いることができる。このような管型反応器の具体
例として、例えば図1に示すようなものが挙げられる。
このような管型反応器を用いることにより、管型反応器
に駆動部あるいは攪拌部を有さない装置を用いているに
もかかわらず、異種の流体を接触させた後にすばやく均
一な混合流体とすることが可能である。しかも、管型反
応器内での逆混合がほとんどないために滞留時間分布が
非常に狭く保たれている。さらに、反応器内全体を見た
場合、混合・攪拌された流体はピストンフローとなって
おり、反応生成物を含む流体はすみやかに反応器外へ排
出されるために、滞留時間が短く、従って定常状態に至
る迄の時間も短いという特徴を有している。
【0021】また、連続反応装置から排出された水難溶
性塩(生成物)を含んだスラリーは分級器により篩い分
けされるが、ここで用いられる分級器としては特に限定
されないが、遠心力を利用した沈降式のタイプが好まし
い。具体的には、液体サイクロン、円筒型遠心分離器、
デカンター型遠心分離器等が挙げられる。この中でも、
機器コスト、メンテナンス性、設備スペースのコンパク
トさから液体サイクロンがより好ましい。
【0022】以下、本発明の連続製造方法(第1〜4の
態様)について、原料供給から製品回収までの全工程を
装置構成図(図4〜7)に基づき詳細に説明する。
【0023】本発明は、2種以上の原料を連続的に管型
反応器に導入し、水難溶性塩を製造する方法において、
しかるべき水難溶性塩の結晶を種結晶として供給し、核
発生ならびに結晶成長を均一化させると共に、反応器内
部の液濁度を測定し結晶化状態を観察することにより、
排出される結晶の平均粒子径を算出し、この推定粒子径
を基準として前記種結晶の供給量を制御するものであ
る。このとき、種結晶を含む原料溶液をそのまま通過さ
せるライン(バイパスライン)と固液分離器を通して種
結晶を除去してしまうライン(フィルトレイトライン)
を設け、その通過させる液量を制御する事により、種結
晶の供給量が好適に制御される。このようにして、所望
の粒子径を有する水難溶性塩の結晶を得ることを特徴と
するものである。
【0024】第1の態様における装置構成図の一例を、
図4に示す。原料溶液は原料槽11や原料槽12におい
て調製される。また、種結晶は種結晶槽19で溶媒に分
散され、スラリーに調製される。(なお、粉末状で導入
される場合は粉末の種結晶をホッパー等の容器に調製す
る。)調製後、原料溶液ならびに種結晶スラリー等はポ
ンプ等(図示せず)の送液手段により管型反応器6に送
られる。このとき、原料溶液と種結晶スラリー等が均一
に混合されるようにスタティックミキサー等のミキサー
を設置しておけばより好ましい。管型反応器6で原料溶
液は反応し、水難溶性塩の結晶を生成し、中継槽17に
溜められる。さらに、分級器18により分級された後、
生成物は受液槽15に回収される。また、微細結晶を含
む母液は廃液として排出される。このとき、管型反応器
6に取り付けられた輝度計により液濁度を測定し、パソ
コン等でデーター処理して製品の粒子径を算出し、更に
種結晶供給ラインに設置した制御バルブで供給量を自動
調節することにより、所望の平均粒子径の水難溶性塩を
製造することができる。
【0025】第2の態様における装置構成図の一例を、
図5に示す。この場合、管型反応器6で生成した水難溶
性塩を含むスラリーの一定量をポンプ等の送液手段によ
り原料溶液にフィードバックする。そして、管型反応器
6に取り付けられた輝度計により液濁度をパソコン等で
データー処理し、フィルトレイトラインとバイパスライ
ンとの制御すべき流量比を算出する。更に、この流量比
になるようにフィルトレイトラインとバイパスラインに
設置した制御バルブで自動調節する。
【0026】第3の態様における装置構成図の一例を、
図6に示す。この場合、分級器18で分級され、微細結
晶を含んだ母液の一定量をポンプ等の送液手段により原
料溶液にフィードバックする。その他は、第2の態様の
場合と同様である。
【0027】第4の態様における装置構成図の一例を、
図7に示す。この場合、原料槽の代わりに原料溶液を調
製する際に使用する溶媒(母液)を貯蔵しておく母液槽
11’と12’を設置する。母液槽から母液を送液し、
これに原料を溶解し原料溶液とする。そして、分級器1
8で分級され、未反応原料を含んだ母液の全てをポンプ
等の送液手段により母液槽11’と12’にフィードバ
ックする。このフィードバックされてきた母液には未反
応原料を含んでおり、この液に新たな原料を溶解する
と、未反応原料と新たな原料が反応して結晶が生じる。
これを種結晶として用いる。このとき、母液中に分級器
で捕捉されなかった微細結晶が含まれている場合は、こ
の微細結晶と新たに生成した結晶の両者を用いることが
できるので、種結晶の供給量の制御がより容易となる。
また、母液が回収、再利用されるため排出される液もほ
とんどない。その他は、第2の態様の場合と同様であ
る。
【0028】本発明でいう水難溶性塩とは、Chem. Eng.
Technol. vol. 11 P.264 〜276(1988) に記載されてい
る、反応時等における相対過飽和度σが、1〜1000
であるような塩をいう。ただし、相対過飽和度とは次式
で表されるものである。
【0029】
【数1】
【0030】本発明の水難溶性塩の連続反応は、相対過
飽和度が1〜1000であるような瞬間反応により水難
溶性塩を得るものであり、好ましくは、本連続反応装置
の混合特性から、相対過飽和度が5〜500が望まし
い。さらに好ましくは、10〜200が最も望ましい。
相対過飽和度が1未満の場合、水難溶性塩の反応では、
非常に希薄な反応濃度となるため、生産効率が極端に低
いものとなり、製造コスト面で不利である。また、相対
過飽和度が1000を越える場合、水難溶性塩の反応の
なかでも反応速度が速いものであり、このような反応を
行うためには2流体間の速度差を非常に大きいものと
し、すばやく混合する必要がある。しかし、速度差を非
常に大きくするに伴い、圧力損失が大きくなり、送液用
の設備および動力が大きくなりコスト的に不利になるた
めである。
【0031】このように、相対過飽和度が1〜1000
となるような反応のための原料としては、例えば、 アルカリ;Ca(OH)2 ,Ba(OH)2 酸 ;HF,H2 SO4 ,H2 CO3 塩 ;BaCO3 ,BaCl2 ,K2 CO3 ,Ag
NO3 ,KCl,NaClO4 ,MgCl2 ,Na2
2 4 ,Ba(NO3 2NH4 F,NiSO4 ,(N
4 2 SO4 ,Na2 SO4 アルコキサイド;Ti(OC2 5 4 等を水、低級アルコール(例えばメタノール、エタノー
ル、イソプロパノール等)等に溶解して溶液(原料流
体)にしたものが用いられる。本発明では、これらを適
宜組み合わせることにより、相対過飽和度が1〜100
0となるようにするが、なかでも相対過飽和度が10〜
200であるような原料の組み合わせを具体的に示す
と、以下の(イ)〜(ヘ)が挙げられる。
【0032】
【化1】
【0033】これらのうち、特に化粧品、体質顔料等へ
の用途においては、粒子径のそろった硫酸バリウムが望
まれており、水難溶性塩が硫酸バリウムであることが好
ましい。
【0034】以上のような本発明の製造方法によると、
反応速度の非常に大きい水難溶性塩を生成する反応で
も、均一な品質(粒径、結晶形状等)の生成物を連続的
に製造することができる。特に伸び、付き等の使用感に
優れ、かつ高い光拡散性と透明性、素肌感を有しつつ、
シミ・ソバカス等の色むらを見え難くする効果を有する
点から、体質顔料及び化粧品用の配合成分として優れた
硫酸バリウムを効率良く連続的に製造することができ
る。以上のような本発明によると、反応速度の非常に大
きい水難溶性塩を生成する反応でも、粒子径、形状のそ
ろった結晶が容易に製造することができる。
【0035】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定さ
れるものではない。
【0036】実施例1 図4に基づく装置で、種結晶の供給量と製品の平均粒子
径の関係を調査すべく、下記のように準備した。特級試
薬 塩化バリウム2水塩1465.7gをイオン交換水
200リットルに溶解した0.03モル/リットルの塩
化バリウム溶液(原料b)を原料槽bに、特級試薬 9
8重量%硫酸588gをイオン交換水200リットルに
溶解した0.03モル/リットルの硫酸溶液(原料a)
を原料槽aに用意し、60℃まで昇温した。また、体積
累積平均粒子径で0.1μmのジルコニアゾル14.0
gを40リットルのイオン交換水に投入し超音波分散を
10分行ったスラリーを種結晶として種結晶槽に用意
し、攪拌下のもとで60℃に昇温した。
【0037】すべて準備が整ったところで、予め充液
(イオン交換水)し、60℃に予熱しておいた反応装置
(反応器は表1中のR−1を用い、反応装置構成は図1
の形式)にポンプを用いて原料aとbをそれぞれ10リ
ットル/minで供給し、種結晶スラリーは表2のよう
に供給した。反応開始後、60秒おきにサンプリングを
行い、平均粒子径を測定した。反応が安定したところ
で、反応生成物である硫酸バリウムを含んだスラリーを
回収した。次いで、常温まで冷却し、濾紙(No.5
C、東洋濾紙(株)製)で濾過してイオン交換水で十分
に水洗後、乾燥させた。
【0038】
【表1】
【0039】こうして得られた硫酸バリウム粉末の平均
粒子径を測定(堀場(株)製、粒度分布測定装置LA−
700)した。その結果を表2に示す。
【0040】
【表2】
【0041】この結果から、実施例1−1〜1−5にお
いて種結晶の供給量を増やすことにより、平均粒子径が
減少している。したがって、種結晶の供給量を制御する
ことにより、所望の平均粒子径を有する硫酸バリウムが
製造可能であることがわかる。
【0042】実施例2 図5に基づく装置で本発明を実施すべく、下記のように
準備した。特級試薬 塩化バリウム2水塩4886gと
水酸化バリウム8水塩3156gをイオン交換水200
0リットルに溶解した0.015モル/リットルのバリ
ウム溶液(原料b)と、特級試薬 98重量%硫酸29
40gをイオン交換水2000リットルに溶解した0.
015モル/リットルの硫酸溶液(原料a)を原料槽に
それぞれ用意し、60℃まで昇温した。また、フィルト
レイトラインには、リキッドフィルター(住友スリーエ
ム(株)製、フィルターバッグ523Aを使用)を、管
型反応器にはR−2を、分級器には液体サイクロン(大
石機械(株)製、スーパークロンTR10−50を使
用)を用いた。また、生成物スラリーは管型反応器6の
生成物排出口7に装着した分岐配管から抜き出し、ポン
プを用いて原料溶液中に送液した。
【0043】すべて準備が整ったところで、予め充液
(イオン交換水)し、60℃に予熱しておいた反応装置
(反応器は表1中のR−2を用い、反応装置構成は図1
の形式)にポンプを用いて原料aとbをそれぞれ30リ
ットル/minで供給した。また、生成物スラリーは、
生成物排出口から生成物が出てきた(硫酸バリウム結晶
の白濁)のを確認した後、すぐにポンプを作動させて生
成物スラリーを3リットル/minで原料溶液中に送液
した。さらに、反応開始時はバイパスラインの流量を1
00%(=バイパスラインの流量/全流量)として、そ
れ以後は図8に示すように、輝度計からのデータを処理
し、それに基づいてフィルトレイトラインとバイパスラ
インの流量をそれぞれのラインに設置した制御バルブに
て自動調節し、平均粒子径が一定になるようにした。な
お、反応開始から30分までは、平均粒子径が5μmに
なるように、30分以降は平均粒子径が4μmになるよ
うに設定した。生成物の平均粒子径は、種結晶スラリー
送液用ポンプを作動させた後、2分おきにサンプリング
を行い、実施例1と同様にして実際に測定したものであ
る。その結果を図8に併せて示す。この図から、輝度計
から得られた情報からフィルトレイトラインとバイパス
ラインとの流量を自動調節することにより、平均粒子径
の安定した生成物が得られていることがわかる。
【0044】実施例3 図6に基づく装置で本発明を実施すべく、下記のように
準備した。なお、反応条件は実施例2と同様である。フ
ィルトレイトラインには、リキッドフィルター(住友ス
リーエム(株)製、フィルターバッグ523Aを使用)
を、管型反応器にはR−2を、分級器には液体サイクロ
ン(大石機械(株)製、スーパークロンTR10−50
を使用)を用いた。
【0045】すべての準備が整ったところで、予め充液
(イオン交換水)し、60℃に予熱しておいた反応装置
(反応器は表1中のR−2を用い、反応装置構成は図1
の形式)にポンプを用いて原料aとbをそれぞれ30リ
ットル/minで供給した。原料溶液送液ポンプを作動
させて2分後に生成物スラリーを液体サイクロンに供給
するためのポンプを起動し、液体サイクロンにて、微細
結晶を含んだ母液を頂部から、また、その他の微細でな
い結晶を含んだスラリーを底部から抜き出し、受液槽へ
溜めた。このとき、頂部から抜き出した微細結晶を含ん
だ母液の一部を種結晶として原料溶液中に3リットル/
minで送液し、残りは排水として廃棄した。また、反
応開始時はバイパスラインの流量を100%(=バイパ
スラインの流量/全流量)として、それ以後は図9に示
すように、輝度計からのデータを処理し、それに基づい
てフィルトレイトラインとバイパスラインの流量をそれ
ぞれのラインに設置した制御バルブにて自動調節し、平
均粒子径が一定になるようにした。なお、反応開始から
30分までは、平均粒子径が5μmになるように、30
分以降は平均粒子径が4μmになるように設定した。生
成物スラリーを液体サイクロンに供給するためのポンプ
を作動させた後、2分おきに液体サイクロン底部からス
ラリーをサンプリングし、平均粒子径を実施例1と同様
にして実際に測定した。その結果を図9に示す。この図
から、輝度計から得られた情報からフィルトレイトライ
ンとバイパスラインとの流量を調節することにより、平
均粒子径の安定した生成物が得られていることがわか
る。
【0046】実施例4 図7に基づく装置で本発明を実施すべく、下記のように
準備した。特級試薬 水酸化バリウム8水塩18930
gをイオン交換水170.4リットル(60℃に昇温し
たもの)に溶解した水酸化バリウム溶液(原料b)と、
特級試薬 98重量%硫酸5880g(原料a)を原料
としてそれぞれ準備し、母液槽11’と母液槽12’に
はそれぞれイオン交換水1000リットルに98重量%
硫酸30gを溶解した硫酸水溶液を仕込み60℃まで昇
温した。フィルトレイトラインには、リキッドフィルタ
ー(住友スリーエム(株)製、フィルターバッグ523
Aを使用)を、管型反応器にはR−2を、分級器には液
体サイクロン(大石機械(株)製、スーパークロンTR
10−50を使用)を用いた。
【0047】すべての準備が整ったところで、予め充液
(イオン交換水)し、60℃に予熱しておいた反応装置
(反応器は表1中のR−2を用い、反応装置構成は図1
の形式)にポンプを用いて母液をそれぞれ30リットル
/minで供給し、同時に原料aを88.2g/mi
n、原料bを2.84kg/minで送液して母液にそ
れぞれ溶解し、原料溶液とした。原料送液ポンプを作動
させて2分後に生成物スラリーを液体サイクロンに供給
するためのポンプを起動し、液体サイクロンにて、微細
結晶を含んだ母液を頂部から、また、その他の微細でな
い結晶を含んだスラリーを底部から抜き出し、受液槽へ
溜めた。このとき、頂部から抜き出した微細結晶を含ん
だ母液のすべてを母液槽に戻した。この時、母液は未反
応原料(硫酸)を含有しており、原料bとの反応により
水難溶性塩が生成していることがミキサー出口の液をサ
ンプリングして目視したところ、白濁していたことより
確認できた。
【0048】また、反応開始時はバイパスラインの流量
を100%(=バイパスラインの流量/全流量)とし
て、それ以後は図10に示すように、輝度計からのデー
タを処理し、それに基づいてフィルトレイトラインとバ
イパスラインの流量をそれぞれのラインに設置した制御
バルブにて自動調節し、平均粒子径が一定になるように
した。なお、反応開始から30分までは、平均粒子径が
5μmになるように、30分以降は平均粒子径が4μm
になるように設定した。生成物スラリーを液体サイクロ
ンに供給するためのポンプを作動させた後、2分おきに
液体サイクロン底部からスラリーをサンプリングし、実
施例1と同様にして平均粒子径を実際に測定した。その
結果を図10に示す。この図から、輝度計から得られた
情報からフィルトレイトラインとバイパスラインとの流
量を調節することにより、平均粒子径の安定した生成物
が得られていることがわかる。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、体質顔料、化粧品、写
真乳剤、電子材料および添加剤等に適した粒子径のそろ
った水難溶性塩を製造することができる。また、本発明
の方法によれば、下記の効果が得られる。 2種以上の原料を連続的に管型反応器に供給し、該
反応器内で混合し反応させて水難溶性塩を製造する方法
において、種結晶を供給し、核発生量を制御することに
より、所望の粒子径、形状のそろった水難溶性塩結晶を
安定して製造できる。 種結晶供給量の制御に際し、種結晶を含む原料溶液
を、そのまま通過させるライン(バイパスライン)と固
液分離器を通し固形分を除去するライン(フィルトレイ
トライン)に分け、その通過させる液量を制御すること
により、簡便な設備で水難溶性塩の種結晶の供給量を容
易に調節することが可能である。 管型反応器内部の液濁度を非接触で測定することに
より、生成した結晶の粒子径を算出し、種結晶の供給量
を制御するため、リアルタイムでの対応がとられ、所望
する粒子径の製品結晶を安定して製造できる。 粒子径、形状のそろった結晶が安定して製造でき、
さらには収率の向上ならびに種結晶の調製やそれに伴う
付帯設備の軽減が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の製造方法に好適に用いられる
連続反応装置の反応器部の一例を斜視図により示したも
のである。
【図2】図2は、本発明における液濁度と製品の平均粒
子径との関係を示したものである。
【図3】図3は、輝度計を用いた粒子計測定システムの
概念を示したものである。
【図4】図4は、実施例1で用いた連続反応装置の構成
(第1の態様)の概略を示したものである。
【図5】図5は、実施例2で用いた連続反応装置の構成
(第2の態様)の概略を示したものである。
【図6】図6は、実施例3で用いた連続反応装置の構成
(第3の態様)の概略を示したものである。
【図7】図7は、実施例4で用いた連続反応装置の構成
(第4の態様)の概略を示したものである。
【図8】図8は、実施例2において反応時間の経過とと
もに、バイパスラインの流量比、輝度計指示値および製
品の平均粒子径の変化の様子を図示したものである。
【図9】図9は、実施例3において反応時間の経過とと
もに、バイパスラインの流量比、輝度計指示値および製
品の平均粒子径の変化の様子を図示したものである。
【図10】図10は、実施例4において反応時間の経過
とともに、バイパスラインの流量比、輝度計指示値およ
び製品の平均粒子径の変化の様子を図示したものであ
る。
【符号の説明】
1 原料供給口(B) 2 原料供給口(A) 3 バッファー槽 4 助走区間 5 原料供給管 6 管型反応器 7 生成物排出口 8 端部 9 原料供給管 11 原料槽(原料a) 11’母液槽(母液a) 12 原料槽(原料b) 12’母液槽(母液b) 15 受液槽 17 中継槽 18 分級器 19 種結晶槽
フロントページの続き (72)発明者 真川 充司 和歌山県海南市日方821−4 (72)発明者 宮井 哲彦 和歌山県和歌山市市小路202−10

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2種以上の原料を連続的に管型反応器に
    供給し、該反応器内で混合し反応させて水難溶性塩を製
    造する方法において、該反応器内に水難溶性の種結晶を
    供給して水難溶性塩の結晶成長を促進させると共に、該
    反応器内の液濁度から生成結晶の平均粒子径を算出し、
    該平均粒子径に基づき前記種結晶の供給量を制御して、
    所望の平均粒子径の水難溶性塩を製造することを特徴と
    する水難溶性塩の連続製造方法。
  2. 【請求項2】 水難溶性粒子又はスラリー中に分散させ
    た水難溶性粒子を種結晶として供給することを特徴とす
    る請求項1記載の連続製造方法。
  3. 【請求項3】 反応器から排出された水難溶性塩が母液
    に分散した生成物スラリーを用いて種結晶の供給を行う
    ことを特徴とする請求項1記載の連続製造方法。
  4. 【請求項4】 反応器から排出された水難溶性塩が母液
    に分散した生成物スラリーを篩い分けして得られた微細
    結晶を種結晶として供給することを特徴とする請求項1
    記載の連続製造方法。
  5. 【請求項5】 反応器から排出された水難溶性塩が母液
    に分散した生成物スラリーを篩い分けして得られる未反
    応原料を含有する母液を反応器に再度供給して母液を循
    環させながら、反応器への供給ラインで該未反応原料と
    新たな原料を反応させ、得られる水難溶性塩を種結晶と
    して供給することを特徴とする請求項1記載の連続製造
    方法。
  6. 【請求項6】 水難溶性塩が硫酸バリウムである請求項
    1〜5いずれか記載の連続製造方法。
  7. 【請求項7】 種結晶の供給量の制御が、種結晶を捕集
    可能な固液分離器を経由し種結晶を除去できるライン
    (フィルトレイトライン)と固液分離器を経由しないラ
    イン(バイパスライン)との2系列のラインを用いて、
    それぞれのラインを通過する液量をコントロールするこ
    とにより行なわれることを特徴とする請求項1、3〜5
    いずれか記載の連続製造方法。
JP25763993A 1993-09-20 1993-09-20 水難溶性塩の連続製造方法 Pending JPH0788358A (ja)

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