JPWO2004067139A1 - 晶析法による液中イオンの除去方法及び装置 - Google Patents

晶析法による液中イオンの除去方法及び装置 Download PDF

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Abstract

本発明は、晶析反応槽内において被処理液中の被除去イオンの難溶性塩の結晶粒子を晶析させることによって被処理液中の被除去イオンを除去する方法及び装置において、リンの回収効率を向上することを課題とする。かかる課題の解決手段の一つとして、本発明の一態様は、晶析反応槽内において被処理液中の被除去イオンの難溶性塩の結晶粒子を晶析させることによって被処理液中の被除去イオンを除去する方法であって、晶析反応槽から流出する処理液の一部に、晶析反応に必要な薬剤を加えて溶解させ、これを循環液として晶析反応槽に供給し、その際、被処理液及び循環液を、晶析反応槽の横断面に対して接線方向に導入することを特徴とする方法を提供する。

Description

本発明は、晶析法によって液中から特定なイオンを除去あるいは回収する方法及び装置に係わり、特に、各種の液中に含まれるリン酸イオン、カルシウムイオン、フッ素イオン、炭酸イオン、硫酸イオンなどを化学反応させて粒度の揃った難溶性塩の結晶を析出させることにより、これらのイオンを安定して効率よく除去し、また性状の安定した製品結晶を得る方法及び装置に関する。本発明の好ましい一態様によれば、高濃度の窒素及びリンを含有する汚水から、リンを物理化学的に除去・回収することができる。
従来より、液中から特定なイオンを除去する方法の一つとして晶析法が用いられてきた。晶析法は、被処理液中に含まれる特定のイオンと反応して難溶性の塩を形成するイオンを薬剤として添加したり、pHを変化させることで被処理液中をイオンの過飽和状態として、特定イオンを含む結晶を析出させ分離する方法である。
晶析法の例を示すと、下水の2次処理水や汚泥処理系からの返流水などの廃水を被処理水として、その中のリン酸イオンを除去する場合には、カルシウムを添加し、リン酸カルシウム(Ca(PO)やヒドロキシアパタイト(Ca10(PO(OH)):HAP)の結晶を析出させることができる。また、半導体工場の廃水はフッ素イオンを多く含んでいる場合が多いが、この廃水を処理する場合には、同じくカルシウム源を添加してフッ化カルシウム(CaF)の結晶を析出させることにより、廃水中のフッ素を除去することができる。更に、地下水を原水とする用水、排水、ゴミ浸出水からカルシウムイオンを除去する場合では、pHを上昇させたり、炭酸源を添加することで炭酸カルシウムの結晶を析出させることができる。或いは、炭酸イオンを多く含む硬水に、カルシウムイオンを添加することによって、同様に炭酸カルシウム(CaCO)の結晶を析出させて、硬度を低下させることができる。また、水道水中の不純物であるMnを、炭酸イオンを加えることによって炭酸マンガン(MnCO)として除去することができる。更には、嫌気性消化汚泥の濾液や肥料工場廃水など、液中にリン酸イオンとアンモニウムイオンを含有している廃水では、マグネシウムを添加してリン酸マグネシウムアンモニウム(MgNHPO:MAP)の結晶を析出させることができる。
例えば、MAPの晶析を例にとって説明すると、MAPは、液中のマグネシウム、アンモニウム、リン、水酸基が以下のような形態で反応し、生成されると言われている。
Mg2++NH +HPO 2−+OH+6HO → MgNHPO・6HO(MAP)+H
MAPを生成させるための条件は、リン、アンモニア、マグネシウム、水酸基の各モル濃度を掛け合わせた濃度(イオン積という。[HPO 2−][NH ][Mg2+][OH];[]内の単位はmol/リットル)が、MAPの溶解度積以上となるように操作する。また、被処理水中のアンモニア、マグネシウムが、リンと比較して等モル或いはそれ以上となるように存在させると、よりリン濃度を低下させることが可能となる。
マグネシウムの添加量は、流入するリンに対しモル比で1.2位になるようにすると効率的で良い。添加するマグネシウムは、塩化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、ドロマイトが主な物質である。
同様に、被処理水にカルシウムイオンを加えて、液中のカルシウムイオン、リン、水酸基を以下のような形態で反応させることによって、リン酸カルシウム(ヒドロキシアパタイト:HAP)が生成する。
10Ca2++6PO 3−+2OH → Ca10(PO(OH)(HAP)
各種晶析法の中でも、特に上記に説明したMAP法やHAP法は、汚水中に含まれる窒素やリンを除去する方法として、広く研究されている。
汚水中に含まれる窒素、リンは河川、海洋、貯水池などにおける富栄養化問題の原因物質であり、水処理工程で効率的に除去されることが望まれる。
今日、汚水処理工程から発生する汚泥を処理する方法として、汚泥を脱水して焼却して処分する方法、汚泥を嫌気性消化させた後脱水し、更に乾燥、焼却、溶融などを行って処分する方法がある。これらの処理方法から排出される分離液(脱水分離液)は、高濃度の窒素(およそ50〜3000mg/リットル)、リン(およそ100〜600mg/リットル)を含んでおり、これらが汚水処理系に返流されると、窒素、リン負荷が高くなるため処理しきれなくなり、放流水中の窒素、リン濃度が高くなる原因となる。そこで、高濃度の窒素、リンを含有する汚水を高効率に除去する方法が望まれている。
また、リン資源は21世紀中の枯渇が予想されている物質である。日本は、リンのほとんどを輸入に頼っており、今日では、有機性廃棄物及び廃水中からリンを、高効率に回収する方法が望まれている。
リンを含有する汚水からリンを除去する方法としては生物学的除去方法、凝集沈殿方法、晶析法、吸着法など種々開発されてきた。各処理方法にメリット、デメリットがあるが、晶析法は、基本的に汚泥発生がなく、除去したリンの再利用がしやすく、しかも安定した状態で除去(回収)できる。
晶析は、結晶核の発生を伴う核化現象と、核が肥大化する成長現象からなる。発生したばかりの核は、粒径が小さいために沈降速度が遅く、水面積負荷を低くする必要があり、リアクターが大きくなる。一方で、ある程度成長した核は、十分な沈降速度があるために、リアクター容積を小さくすることが可能である。
廃水中のリンを晶析法を利用して除去或いは回収する方法として、上記に説明した、リンをヒドロキシアパタイトとして回収するHAP法、リンをリン酸マグネシウムアンモニウムとして回収するMAP法が開発されてきた。
被処理水中のリンをリン酸マグネシウムアンモニウムとして晶析生成させることによって除去する方法において、被処理水を導入する手段を備えた上向流式の1次処理槽の槽上部より流出した液に、2次処理槽においてマグネシウム、アルカリ成分、場合によっては被処理水を添加し、反応、固液分離した後、2次処理槽底部の固液分離域に蓄積した汚泥スラリーを前記1次処理槽の下部混合晶析域に返送することによって、MAPの回収率を高めた2段式脱リン方法が提案されている(特開2002−126761号公報)。
また、被処理水中のリンを反応槽内で流動しているリン酸マグネシウムアンモニウム(MAP)粒子の表面で晶析させる除去方法において、反応槽内で析出した微細なMAP結晶を固液分離槽にて回収し、回収した微細MAP結晶を熟成槽で、原水とマグネシウム、必要に応じてアルカリ成分を添加することによって成長させ、成長させたMAP粒子を前記反応槽の下部に返送して前記反応槽内におけるMAP粒子とする脱リン方法が提案されている(特開2002−326089号公報)。
流動層リアクターでは、リアクター内の結晶がリアクターから流出しないような速度で原水及び循環水を上向流で通水する。これによって、結晶粒子の流動層がリアクター内に形成され、ここで結晶粒子の成長が進行する。前述したように、晶析は核化現象と成長現象からなるが、流動層リアクターの場合は、リアクター内の結晶の成長現象のみが起こるように操作条件を決めることで、微細な核を発生させずに晶析対象物質を回収することができる。このような操作によって、リアクター容積を小さくすることが可能となる。ここで、核発生をさせずに、結晶の成長現象のみを起こさせるようにするには、高過飽和状態とならないように、準安定域で運転するとよい。また、過大に成長したMAP粒子は、沈降速度が極めて大きくなり、結晶流動の悪化、反応に寄与する表面積の減少等によって回収率を低下させる。よって、リアクター内のMAP粒子径は、過大に或いは過小にならないように、運転することが好ましい。
流動層リアクターを用いたMAP晶析のリン回収率は、(1)リアクター内のMAP結晶の流動及び、(2)晶析反応関係物質(リン、アンモニア性窒素、マグネシウム、アルカリ)の混合、さらには、(3)リアクター内結晶と晶析反応関係物質との接触状態に大きく左右される。今までは、上記3点の検討が十分されていなかった。その結果、局所的な過飽和度の生成によって微細な核が発生することによるリン回収率の低下、結晶の不均一流動及び結晶不動化部分の生成(結晶充填容積当たりのリン負荷の増加となる)によるリン回収率の低下、更に、原水及び循環水、薬剤のショートパスによる結晶表面以外での核化によるリン回収率の低下等の問題があった。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、上記の問題を解決した高回収率(90%以上)が維持できる晶析法による液中イオンの回収及び除去技術を提供することにある。本発明者らは、上記の3点を大型の実験プラントで長期にわたり検証した結果、上記のリン回収率の低下は、リアクター内の反応関係物質の流動の均一化により解決できることを知見し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。具体的には、本発明によれば、晶析反応に必要な薬剤を反応系に加えるにあたって、晶析反応槽から排出される処理水の一部を分岐し、これに上記薬剤を加えて溶解させた後に晶析反応槽に循環水として供給すると共に、上記循環水及び被処理水を、晶析反応槽の横断面に対して接線方向に導入することで、晶析反応槽内の反応関係物質の流動の均一化を達成し、被処理水及び薬剤の十分且つ均一な混合を図ることができ、これによって被除去イオンの回収率を大幅に向上させることができた。
即ち、本発明の第一の態様は、晶析反応槽内において被処理液中の被除去イオンの難溶性塩の結晶粒子を晶析させることによって被処理液中の被除去イオンを除去する方法であって、晶析反応槽から流出する処理液の一部に、晶析反応に必要な薬剤を加えて溶解させ、これを循環液として晶析反応槽に供給し、その際、被処理液及び循環液を、晶析反応槽の横断面に対して接線方向に導入することを特徴とする方法に関する。ここで、「晶析反応に必要な薬剤」とは、、例えばMAPの晶析反応によって液中のリンを除去する方法の場合にはMg化合物であり、HAPの晶析反応によって液中のリンを除去する方法の場合にはCa化合物であり、また、pHを上昇させることによって液中のカルシウムを炭酸カルシウムとして除去する方法の場合にはアルカリ剤である。その他各種の晶析反応において、「晶析反応に必要な薬剤」は当業者に明らかである。
また、本発明の第一の態様においては、晶析反応槽の横断面の中心部付近に空気を供給、即ちバブリングすることにより、反応槽内の被処理水及び薬剤の混合をより促進させることができる。特に、反応槽が大径の容器である場合、横断面の接線方向に被処理液及び循環液を供給すると、槽の外周付近では液の流れが強くなるが、槽の横断面の中心部付近では液の流れが悪くなり、混合が十分に行われなくなることがある。そこで、槽の横断面中心部に空気(泡)を供給して撹拌を行うことによって、槽内の液の混合をより十分に行うことができる。
また、晶析反応槽として、下部の横断面が上部の横断面よりも小さい形状の反応容器を用い、被処理液及び循環液を、かかる反応槽の下部に導入することができる。反応槽として径の大きな容器を用いる場合、被処理液と循環液とが十分に混じり合う前に、それぞれが槽内の上昇流となって上方に流れてしまって、混合状態が悪くなる場合がある。そこで、反応槽の下部を上部よりも横断面が小さな形状として、即ち、反応槽の下部を上部よりも細くして、この細くした部分に被処理液及び循環液を供給することにより、導入した被処理液と循環液とを十分に混合させてから上昇流とすることができる。例えば、槽の下部が上部よりも径の小さな段付の円筒形の反応容器を晶析反応槽として用いることができる。また、槽の下部が階段状に徐々に小径となっていくような形状の反応容器を用いることもできる。更には、図1の1で示すように、槽の最下部が逆円錐形の形状の反応容器を用いることもできる。
図1は、本発明の第一の態様にかかる晶析反応装置の一具体例を示す縦断面説明図である。
図2は、図1における晶析反応装置の逆円錐形部分のA−A’面の横断面図である。
図3は、図1におけるA−A’面についての斜視図である。
図4は、比較例1での原水及び循環水の供給方法を示す図である。
図5は、本発明の好ましい形態のリン回収装置の構成例を示す図である。
図6は、図5の晶析反応槽の線A−A’面の水平断面図である。
図7は、実施例3で用いたリン回収装置の構成を示す図である。
図8は、図7における晶析反応装置の逆円錐形部分のA−A’面の横断面図である
図9は、比較例3で用いたリン回収装置の構成を示す図である。
図10は、比較例3での原水及び循環水の供給方法を示す図である。
図11は、本発明の第二の態様にかかる晶析反応装置の一具体例を示す図である。
図12は、原水と循環水との水バランスを考慮した本発明の好ましい形態にかかるリン回収装置の構成を示す図である。
図13は、図12の水バランスを具体的に説明する晶析反応槽上部の部分拡大図である。
図14は、比較例4で用いたリン回収装置の構成を示す図である。
図15は、本発明の好ましい形態のリン回収装置の構成を示す図である。
図16は、原水と循環水との水バランスを考慮した本発明の好ましい形態にかかるリン回収装置の構成を示す図である。
図17は、図16の水バランスを具体的に説明する晶析反応槽上部の部分拡大図である。
図18は、比較例5で用いたリン回収装置の構成を示す図である。
図19は、比較例6で用いたリン回収装置の構成を示す図である。
図20は、本発明の第三の態様にかかるリン回収装置の構成を示す図である。
図21は、調整槽を設けた本発明の第三の態様にかかるリン回収装置の構成を示す図である。
図22は、pH調整を2段で行う本発明の第三の態様にかかるリン回収装置の構成を示す図である。
図23は、実施例9で用いたリン回収装置の構成を示す図である。
図24は、比較例7で用いたリン回収装置の構成を示す図である。
図25は、水酸化マグネシウムの溶解度のpH依存性を示すグラフである。
発明の詳細な説明
本発明の第一の態様にかかる方法の具体例を、図面を参照して説明する。以下の説明は、本発明の第一の態様の一具体例を説明するものであり、本発明はこれらの記載によって限定されるものではない。また、以下の説明においては、具体例として、リンを含む被処理水から、リン酸マグネシウムアンモニウム(MAP)の結晶を生成させることによってリンを除去・回収する方法及び装置に関して説明する。以下の各図面において、同一機能を有する構成要素は同一の符号を付けて説明する。また、各図面の説明において、同一機能を有する構成要素については適宜その説明を省略する。
図1は、本発明の第一の態様にかかる晶析反応装置の一具体例を示す縦断面説明図である。図2は、図1における晶析反応装置の逆円錐形部分のA−A’面の横断面図であり、図3は、図1におけるA−A’面についての斜視図である。
図1に示す具体例においては、リンを含む原水からMAP結晶を生成させることによって原水中のリンを除去・回収するプロセスが示される。晶析反応槽1の形状は、特に制限されないが、好ましい形態として、図1に示すように、下部が上部よりも細い2段円筒形の反応容器であって、更に最下部が逆円錐形をした反応容器を用いることができる。晶析反応槽1には、原水供給管12、循環水供給管13、処理水流出管16、結晶抜き出し管17が接続されている。更に、晶析反応槽1には、必要に応じて、アルカリ供給管14、空気供給管15を接続することができる。
原水供給管12と循環水供給管13は、晶析反応槽1の下部の逆円錐形をした部分11に接続されていて、原水2と、処理水6の一部を引き抜いた循環水3とが導入される。循環水3は、処理水の一部を分岐して、これにMgイオン源としてMg化合物を添加・溶解したものである。図1に示されているように、Mg化合物を循環水に添加・溶解するために、処理水の一部を、一旦Mg溶解槽8に貯留し、ここにMg化合物9をMg供給管19から添加して溶解してもよい。晶析反応槽1内に、原水と、Mgイオンが溶解した循環水とを供給することにより、晶析反応槽1内に上向流が生じて、MAP結晶粒子の流動層が形成され、液中のMgイオンとリンとの反応がMAP結晶粒子の表面上で進行して、MAP結晶粒子が成長する。
原水と循環水の通水方向は、逆円錐形部分の横断面図である図2及び斜視図である図3に示すように、晶析反応槽1の横断面Bに対して接線方向となるように、原水供給管12と循環水供給管13を接続する。原水供給管12と循環水供給管13とを、晶析反応槽横断面に対して接線方向に接続することで、原水2及び循環水3が供給される液流の勢いにより原水及び循環水による渦流が形成され、これによって、晶析反応槽内の液及び結晶粒子が均一に流動する。この場合、均一な流動とは、晶析反応槽内の液及び結晶粒子が流動しないデッドゾーンが生じていない流動状態のことである。このような均一な流動状態を達成することによって、晶析反応に関係する物質の混合と、それら関係物質と結晶表面との接触が極めて良好になる。
本発明者らが、0.2〜1.0mmの結晶粒子の存在下で、原水2及び循環水3の水平方向の流れの速度が失速して、液流が上向流になる時間を検討した結果、およそ0.1〜0.3秒であることが判明した。したがって、少なくとも原水2の流れと循環水3の流れを合わせた1秒間の流速(m/s)が、原水及び循環水供給管12及び13の接続箇所の横断面Bの外周の3〜10倍であると、原水及び循環水の導入箇所の横断面上の結晶粒子のすべてが均一に流動することとなる。この結果、反応槽1内の結晶粒子の全てが晶析反応に寄与することができて、晶析反応が促進される。
更に、原水2及び循環水3を接線方向に導入する結果として、液が旋回流で上昇するため、反応時間が長くなり、反応雰囲気が十分に低い過飽和度となるまで反応させることができる。
原水2及び循環水3を接線方向に供給すると、直径が大きな晶析反応槽1では、晶析反応槽1の側面付近、即ち外周付近の流動は良好であるが、晶析反応槽の中心部の流動が悪くなることがある。従って、このような場合には、晶析反応槽1の横断面の中心部に空気供給管15を接続して空気5を供給することにより、晶析反応槽内の液の混合を促進させることが好ましい。空気供給管15の位置、特に供給管の下端の位置は任意の位置で良いが、結晶粒子の流動層内に位置させることが好ましい。更には、液の旋回流を妨げないように、少なくとも、原水及び循環水の供給管12及び13の接続位置よりも上方に空気供給管の下端を位置させることが好ましい。
マグネシウム化合物9の供給管19は、晶析反応槽1からの処理水6の一部を分岐した循環水3のラインに接続する。マグネシウム化合物9を循環水3のラインに供給することで、高濃度のマグネシウム化合物原液を添加する場合でも、循環水3によって十分低い濃度まで希釈してから晶析反応槽1内に供給することが可能であり、晶析反応槽1内での局所的な高過飽和状態の形成を防ぐことができる。
マグネシウム化合物9の供給位置は、循環水の配管13内でも、循環水3を一度貯留したタンク(Mg溶解槽)8内でも良い。添加するマグネシウム化合物9は、イオン状態のものでも、化合物の状態でもよく、具体的には、塩化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウムなどを用いることができる。
また、晶析反応槽1内のpHをpH計10で測定して、必要に応じてアルカリ剤4をアルカリ供給管14を通して添加することによって、反応雰囲気を適当なpHに保つことが好ましい。アルカリ剤4は、原水2或いは晶析反応槽1内に供給することができる。アルカリ剤を原水2中に供給する場合は、添加場所は原水槽でも原水供給管12内でもよい。アルカリ剤を晶析反応槽1内に供給する場合は、原水2及び/又は循環水3の供給位置の付近に供給することが好ましい。この場合も、アルカリ剤が晶析反応槽1に流入する際には原水によって希釈されているので、晶析反応槽1内の局所的な過飽和状態の形成を防ぐことができる。アルカリ剤4としては、苛性ソーダ、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等を用いることができる。アルカリ剤4の添加は、晶析反応槽1内を測定したpHの値に応じて、所望のpH値になるように、アルカリ注入ポンプをon−off制御、比例制御等の各制御方法により運転することによって行うことができる。所望のpHとは、原水中のアンモニア濃度、リン濃度、マグネシウム濃度などに応じて設定値を変えることが好ましく、例えば、アンモニア濃度が1000mg/L以上の原水を処理する場合にはpH7.0〜8.0、アンモニア濃度が300mg/L以下の原水を処理する場合にはpH8.0〜9.5というように、原水の種類及び濃度変動に応じて設定値を変えることが好ましい。
晶析反応槽1内で成長したMAP結晶粒子7を抜き出す方法としては、晶析反応槽1の底部からバルブの開閉によって抜き出す方法があるが、バルブの閉塞によるトラブルが多かった。図1に示す本発明の一形態においては、エアリフトポンプ17を用いることで、バルブの閉塞等のトラブル等の問題点が解消され、良好に結晶を抜き出すことができる。
ここで、エアリフトポンプとは、水槽の液中に下端が配置され、液面の上方に上端が配置されるように設置された管(エアリフト管)の下端部に、空気を吹き込むことにより、揚液管中の気泡混合液の見かけ比重が管外の液の比重よりも小さくなることによって揚液管内の液面が水槽の液面よりも上昇して、水槽の液面を超えて水槽内の液を揚液することができるというもので、屎尿浄化槽の沈殿汚泥の排出、沈砂池における汚泥の排出、大深度海底からの固体輸送などの分野で多用されている。
前述したように、晶析反応槽1内の結晶粒子は均一に流動し、特に、原水及び循環水供給管12及び13の接続箇所付近では流動状態が極めて良好である。マグネシウム化合物9及びアルカリ剤4は、このような流動状態の良好な部分に供給されるため、即時に十分混合され、核発生が起こらない準安定域が即座に形成される。また、結晶粒子が均一に流動しているため、晶析反応関係物質と結晶粒子の接触効率が良好で、結晶粒子の成長過程を主とした晶析反応が促進される。
なお、上記に説明の本発明の第一の態様において、晶析反応槽に加えて種晶生成槽を配置して、晶析反応槽内の液中に含まれる微細結晶粒子を取出して種晶生成槽に供給し、種晶生成槽内で成長させることによって種晶を形成し、この成長した種晶を晶析反応槽に戻すようにしてもよい。このような構成を採用することにより、晶析反応槽内で生成した微細結晶粒子が処理水中に混入して排出されるのを防ぐことができ、被除去イオンの除去率・回収率を向上させることができる。
かかる形態において、種晶生成槽においては、晶析反応槽に関して上記に説明したのと同様に、種晶生成槽の横断面の中心部付近に空気を供給して、種晶生成槽内の液及び結晶粒子の混合をより促進させることができる。また、種晶生成槽として、晶析反応槽と同様に、下部の横断面が上部の横断面よりも小さい形状の反応容器を用い、被処理液及び循環液を、かかる反応槽の下部に導入することができる。更には、槽の下部が階段状に徐々に小径となっていくような形状の反応容器や図5の31で示すように、槽の最下部が逆円錐形の形状の反応容器を種晶生成槽として用いることもできる。
かかる形態の具体例を、以下に図面を参照して説明する。図1〜図3と同様、以下の説明においては、具体例として、リンを含む被処理水から、リン酸マグネシウムアンモニウム(MAP)の結晶を生成させることによってリンを除去・回収する方法及び装置に関して説明する。また、各図面において、同一機能を有する構成要素は同一の符号を付け、適宜その説明を省略する。
図5は、上記に説明した本発明の好ましい形態のリン回収装置の構成例を示す。図6は、図5の晶析反応槽の線A−A’面の横断面図である。
図5に示す晶析反応装置は、晶析反応槽1と種晶生成槽31とを具備する。
種晶生成槽31は、種晶が効率的に生成するように、晶析反応槽1の上部より、或いは、晶析反応槽1からの流出水から、微細結晶回収装置(図示省略)で微細MAP結晶を回収し、回収した微細MAPを微細結晶移送管37によって種晶生成槽31移送して、種晶生成槽31内で微細MAP結晶粒子を成長させることによって種晶を生成する。微細結晶回収装置としては、当該技術において公知の種々の回収装置を用いることができ、例えば、液体サイクロン、単純沈殿槽等を用いることができる。
種晶生成槽31においては、原水2及びMg化合物を添加した循環水3を供給することで、晶析反応に関係する物質を微細MAP結晶粒子の表面で晶析させることで成長させる。原水は、晶析反応槽1への原水供給管12の分岐管32によって、また、循環水は、晶析反応槽1への循環水供給管13の分岐管33によって、それぞれ種晶生成槽31に供給することができる。成長した種晶は、適時、晶析反応槽1に返送することができる。成長種晶の返送は、例えば、エアリフト管38を用いることによって行うことができる。成長種晶の返送は、間欠的に行っても連続的に行っても良い。成長種晶の返送頻度及び返送量は、晶析反応槽1内の結晶粒子の平均粒径が所望の値となるように設定する。例えば、晶析反応槽1で、平均粒径0.6mmのMAP製品結晶を1日に80kg引き抜くとすると、平均粒径0.3mm(製品結晶粒子の粒径の1/2、体積の1/8)の種晶を1日に10kg/d、或いは、平均粒径0.3mmの種晶を3日に一度30kg、種晶生成槽31から晶析反応槽1に返送することができる。種晶生成槽31の流出水39の排出管40は、図5に示すように、晶析反応槽1の流出水6の排出管16に接続することができる。
晶析反応槽1においては、上記に説明したように種晶を更に成長させる。種晶生成槽31と同様に、原水2及びMg化合物を含む循環水3を晶析反応槽1に供給することで、晶析反応物質を種晶の表面で晶析させて種晶を成長させることができる。種晶から成長した結晶粒子の一部は、製品結晶7として適時抜き出すことができる。結晶粒子の抜き出し方法は、晶析反応槽1底部からバルブの開閉によって抜き出す方法があるが、バルブの閉塞によるトラブルが多かった。図5に示す形態においては、、エアリフトポンプ17を用いることで、バルブの閉塞等のトラブル等の問題点が解消され、良好に製品結晶を抜き出すことができる。
以下に、各槽について詳細に説明する。
種晶生成槽31及び/又は晶析反応槽1の形状は特に制限されないが、好ましい形態においては、図5に示すように、最下部が逆円錐形をした流動層型反応容器を用いることができる。各反応槽には、原水2の供給管12,32と、循環水3の供給管13,33、アルカリ剤4の供給管14、処理水6の流出管16、空気5,35の供給管15,36、微細MAP結晶の移送管37、製品結晶の抜き出し管17、種晶の移送管38を、それぞれ必要に応じて接続することができる。
原水2、及び処理水6の一部を引き抜いてマグネシウム化合物9を添加した循環水3は、晶析反応槽1の底部の逆円錐形をした部分に供給される。通水方向は、図6に示すように、晶析反応槽1の横断面に対して接線方向となるように、原水供給管12及び循環水供給管13を、晶析反応槽1に接続する。原水供給管12と循環水供給管13とを、晶析反応槽の横断面に対して接線方向に接続することで、原水2及び循環水3が供給される液流の勢いにより、原水及び循環水による渦流が形成され、これによって、晶析反応槽内の液及び結晶粒子が均一に流動する。この場合、均一な流動とは、晶析反応槽内の液及び結晶粒子が流動しないデッドゾーンが生じていない流動状態のことである。このような均一な流動状態を達成することによって、晶析反応に関係する物質の混合と、それら関係物質と結晶表面との接触が極めて良好になる。
本発明者らが、0.2〜1.0mmの結晶粒子の存在下で、原水2及び循環水3の水平方向の流れの速度が失速して、液流が上向流になる時間を検討した結果、およそ0.1〜0.3秒であることが判明した。したがって、少なくとも原水2の流れと循環水3の流れを合わせた1秒間の流速(m/s)が、原水及び循環水供給管12及び13の接続箇所の横断面の外周の3〜10倍であると、原水及び循環水の導入箇所の横断面上の結晶粒子のすべてが均一に流動することとなる。この結果、反応槽内の結晶粒子の全てが晶析反応に寄与することができ、晶析反応が促進される。
更に、原水2及び循環水3を接線方向に導入する結果として、液が旋回流で晶析反応槽1内を上昇するため、反応時間が長くなり、反応雰囲気が十分に低い過飽和度となるまで反応させることができる。
原水2及び循環水3を接線方向に供給すると、直径が大きな反応槽では、反応槽の内側面付近の流動は良好であるが、反応槽の中心部の流動が悪くなることがある。したがって、このような場合には、晶析反応槽1の横断面の中心部に空気供給管15を接続し、空気5を供給して、晶析反応槽内の液の混合を促進させることが好ましい。空気供給管15の位置、特に供給管の下端の位置は任意の位置で良いが、結晶粒子の流動層内に位置させることが好ましい。更には、液の旋回流を妨げないように、少なくとも、原水及び循環水の供給管12及び13の接続位置よりも上方に空気供給管15の下端を位置させることが好ましい。
マグネシウム化合物の供給管19は、反応槽からの処理水の一部を分岐した循環水3のラインに接続する。マグネシウム化合物9を循環水3のラインに供給することで、高濃度のマグネシウム化合物原液を添加する場合でも、循環水3によって十分低い濃度まで希釈して反応槽内に供給することが可能であり、反応槽内での局所的な高過飽和状態の形成を防ぐことができる。
マグネシウム化合物9の供給位置は、循環水の配管13内でも、循環水3を一度貯留したタンク8内でも良い。添加するマグネシウム化合物9は、イオン状態のものでも、化合物の状態でもよく、具体的には、塩化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウムなどを用いることができる。
また、晶析反応槽1内のpHをpH計10で測定して、必要に応じて、アルカリ剤4を添加することによって、反応雰囲気を適当なpHに保つことが好ましい。アルカリ剤4は、原水2或いは晶析反応槽1内に供給することができる。アルカリ剤4を原水2中に供給する場合は、添加場所は原水槽でも原水供給管12内でもよい。アルカリ剤4を晶析反応槽1内に供給する場合は、原水2及び/又は循環水3の供給位置の付近に供給することが好ましい。この場合も、アルカリ剤4が晶析反応槽1に流入する際には原水によって希釈されているので、晶析反応槽1内の局所的な過飽和状態の形成を防ぐことができる。アルカリ剤4としては、苛性ソーダ、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等を用いることができる。アルカリ剤4の添加は、晶析反応槽1内を測定したpHの値に応じて、所望のpH値になるように、アルカリ注入ポンプ(図示せず)をon−off制御、比例制御等の各制御方法により運転することによって行うことができる。所望のpHとは、原水中のアンモニア濃度、リン濃度、マグネシウム濃度などに応じて設定値を変えることが好ましく、例えば、アンモニア濃度が1000mg/L以上の原水を処理する場合にはpH7.0〜8.0、アンモニア濃度が300mg/L以下の原水を処理する場合にはpH8.0〜9.5というように、原水の種類及び濃度変動に応じて設定値を変えることが好ましい。
前述したように、晶析反応槽1内の結晶粒子は均一に流動され、特に、原水供給管12及び循環水供給管13の接続部分付近では、流動状態が極めて良好である。マグネシウム化合物9及びアルカリ剤4は、このような流動状態の良好な部分に供給されるため、即時に十分混合され、核発生が起こらない準安定域が即座に形成される。また、結晶粒子が均一に流動しているため、晶析反応関係物質と結晶粒子の接触効率が良好で、成長過程を主とした晶析反応が促進される。
なお、図5に示す形態においては、種晶生成槽31に関しても、上記に説明した晶析反応槽1と同様の構成を採用することができる。即ち、種晶生成槽31においては、被処理液及び循環水を種晶生成槽の横断面に対して接線方向に導入することができ、更に晶析反応槽の横断面の中心部に空気を供給することができる。更には、種晶生成槽31として、下部の横断面が上部の横断面よりも小さい形状の反応容器を用いることができ、更に最下部が逆円錐形の形状の反応容器を用いることができる。
また、晶析反応装置においては、反応槽内で生成する微細結晶が処理液中に混入して排出されてしまうという問題があった。
この問題を解決するために、MAP造粒塔の処理水供給管より供給されたMAPの固体粒子が混入した処理水からMAP固体粒子を分離する液体サイクロンをMAP造粒塔に併設することを特徴とした造粒脱りん装置が提案されている(特開平8−155469号公報、特開2001−9472号公報)。この場合の問題点として、造粒脱りん装置で回収したMAP粒子に比べ、液体サイクロンで回収したMAP粒子は径が非常に細かく、水切り等の脱水が困難となることがあった。また、リアクターの処理水を一度処理水槽に貯留してから液体サイクロンに圧送するため、水のバランスを取るのが難しかった。
また、特開2002−326089号公報においては、微細結晶を熟成槽で成長させて、成長させた結晶を反応槽内における種晶として使用することで、被処理水中のりんを高い除去率で安定して除去することができるりんの除去手段を提案している。
流動層リアクターでは、リアクター内の結晶がリアクターから流出しないような速度で原水及び循環水を上向流で通水する。これによって、結晶粒子の流動層がリアクター内に形成され、ここで結晶粒子の成長が進行する。前述したように、晶析は核化現象と成長現象からなるが、流動層リアクターの場合は、リアクター内の結晶の成長現象のみが起こるように、操作条件を決めることで、微細な核を発生させずに晶析対象物質を回収することができる。このような操作によって、リアクター容積を小さくすることが可能となる。ここで、核発生を起こさせずに、結晶の成長現象のみを起こさせるようにするには、高過飽和状態とならないように、準安定域で運転するとよい。
しかしながら、現実には少なからず微細な結晶が生成し流出する。特に、(a)原水の濃度変動があり、局所的な高過飽和度が生成する場合、(b)結晶の不均一流動及び結晶不動化部分の発生により、結晶充填容積当たりのりん負荷が増加する場合、及び(c)原水及び循環水、薬剤のショートパスの場合が、特に微細な核の発生が著しい。従来は、これら微細な結晶の流出を防ぐために、リアクター上部の水面積負荷を低下させていた。特に、リアクター上部は、晶析反応により微細な結晶の分離がメインであり、処理水量が多くなると、装置の大型化、イニシャルコストの増加、装置運転が難しくなる等の問題があった。
そこで、本発明の他の態様は、上記の問題点を解決し、高回収率(90%以上)を維持できるりんの回収方法及び装置を提供することを目的とする。
本発明者らは前記3点について、大型の実験プラントで長期にわたり検証した。その結果、上記の微細結晶の流出防止は、液体サイクロンの流出水の一部に晶析反応に必要な薬剤としてMg又はCa化合物を添加した後、この薬剤添加液を晶析反応槽に返送すると、種晶が成長し核発生をさせずに結晶の成長のみが起ることにより、実現できることを知見した。
即ち、本発明の第二の態様は、晶析反応槽と液体サイクロンを含む装置を使用して、晶析反応槽内で被処理液中の被除去イオンの難溶性塩の結晶粒子を晶析させることによって被処理液中の被除去イオンを除去する方法であって、晶析反応槽から流出する処理液を液体サイクロンに導入して、液体サイクロンで処理液中の微細結晶粒子を分離・回収して、回収した微細結晶粒子の一部又は全量を晶析反応槽に返送すると共に、液体サイクロンの流出水の一部に晶析反応に必要な薬剤を加えて溶解させ、これを循環液として晶析反応槽に供給することを特徴とする方法に関する。
すなわち、本発明の第二の態様の最も重要なポイントは、液体サイクロンから晶析反応槽に返送する循環水中に晶析反応に関係する薬剤を添加して、晶析反応槽中で微細結晶を完全に成長させることにある。
本発明の第二の態様の具体的な実施形態の例を図面を参照にして詳細に説明する。以下の図面において、先に説明した図面の構成要素と同一の機能を有する構成要素は、同一の符号を付けて、適宜説明を省略する。また、以下の説明においては、具体例として、リンを含む被処理水から、リン酸マグネシウムアンモニウム(MAP)の結晶を生成させることによってリンを除去・回収する方法及び装置に関して説明する。
図11は、本発明の第二の態様にかかる晶析反応装置の一具体例を示す。図11に示す晶析反応装置は、MAP晶析反応槽1と液体サイクロン51とを具備する。
MAP晶析反応槽1では種晶を成長させる。この場合の種晶とは、新たなMAPをその表面で晶析させることができる粒子を示し、すでに晶析させたMAP粒子、外部より添加した砂や砂などに生成物をコーティングした粒子などを意味する。MAP晶析反応槽1の形状は特に制限されないが、好ましい形態においては、、図11に示すように直胴部の下部を逆円錐形とすることができる。MAP晶析反応槽1には、原水供給管12と循環水供給管13、処理水移送管52、製品結晶7の抜出管17が接続されている。処理水移送管52は、MAP晶析反応槽1の、MAP結晶粒子の流動層が形成されている位置よりも高い位置で、且つMAP晶析反応槽1内の液面よりも下方に接続することが好ましい。原水のSSが高い場合や、晶析反応槽内の結晶粒子の流動を促進させたい場合には、さらに空気供給管15を通してMAP晶析反応槽1内に空気5を供給することができる。空気5を供給する位置は任意の位置でよいが、晶析反応槽の側面よりも横断面の中心部が好ましく、また、空気供給管15の下端部は、槽内に形成されるMAP結晶粒子の流動層内に位置させることが好ましい。
MAP晶析反応槽内には、種晶が所望の高さ以上の流動層を形成するように常に種晶を存在させておくことが好ましい。
原水2及び液体サイクロン流出水56の一部を引き抜いた循環水3は、晶析反応槽1の底部(図11では逆円錐形をした部分)に供給される。原水及び循環水の通水方向は特に制限はないが、好ましい態様では、晶析反応槽の横断面に対して接線方向となるよう流入管12及び13を接続することができる。原水2及び循環水3を反応槽の横断面に対して接線方向に導入することで、原水及び循環水が供給される液の勢いで、原水及び循環水による渦流が形成され、これによって晶析反応槽1内の液及び結晶粒子が均一に流動する。この場合、均一な流動とは、晶析反応槽内の液及び結晶粒子が流動しないデッドゾーンが生じていない流動状態のことである。このような均一な流動状態を達成することによって、晶析反応に関係する物質の混合と、それら関係物質と結晶表面との接触が極めて良好になる。
晶析反応に必要な薬剤9、即ちMAP晶析装置の場合にはマグネシウム化合物は、薬剤供給管19を通して液体サイクロン51の流出水の一部である循環水3に添加して晶析反応槽1に供給する。液体サイクロン51の流出水56中のりん濃度は低下しており、マグネシウム化合物を添加しても過飽和状態はほとんど生成せず、MAPの生成は極めて少ない。従って、高濃度のマグネシウム化合物原液であっても、上記に説明したような供給方法を採用することで、循環水によって十分に低い濃度まで希釈してから晶析反応槽1に供給することが可能であり、晶析反応槽1内での局所的な高過飽和状態の形成を防ぐことができる。これによって、りん回収率の低下を防ぐことができる。
添加するマグネシウム化合物は、イオン状態のものでも、化合物の状態でもよく、具体的には塩化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウムなどを用いることができる。
MAP晶析反応槽1内で成長した結晶粒子の一部は、適時抜き出して製品結晶7として得ることができる。結晶の抜き出し方法は、晶析反応槽1の底部からバルブの開閉によって抜き出す方法があるが、バルブの閉塞によるトラブルが多かった。図11に示す本発明の一形態においては、エアリフトポンプ17を用いることで、バルブの閉塞等によるトラブルの問題点が解消され、良好に結晶を抜き出すことができる。エアリフトによって製品結晶粒子を抜き出すときには、晶析反応槽1内への撹拌用空気5の供給を停止し、結晶を分級することで、粒径の大きなMAP粒子を選択的に回収することができる。エアリフトポンプの終了時には、エアリフト管内の洗浄を行うことが好ましい。洗浄方法は、エアリフト管内に残留したMAP結晶粒子を、水或いは空気で反応槽内に逆流させる。このようにエアリフト管の洗浄を行うことで、エアリフト管内の閉塞を防ぐことができる。
晶析反応槽1内のMAP結晶粒子が過大成長すると、りん回収率が低下する。その場合、槽内に含まれる結晶粒子の全量を抜き出して、新たに粒径の小さな種晶を添加してもよいし、別の反応槽で生成させた種晶を適時或いは連続的に添加してもよい。
液体サイクロン51は、一般に下部が円錐形となっており、処理液移送管52、微細結晶の濃縮固形分排出管54、液体サイクロン流出管55が接続されている。濃縮固形分排出管54はMAP晶析反応槽1に接続されている。また、濃縮固形分排出管54には、濃縮固形分を外部に排出するための排出管も備えることができる。
MAP晶析反応槽1から液体サイクロン51への処理水の流入方法としては、ポンプ移送、自然流下法などを採用することができる。ポンプ移送では、処理水移送管52の途中にポンプ(図示省略)を設置して、これによって晶析反応槽1中の液を液体サイクロン51に圧送することができる。移送管52を通して液体サイクロン51へ移送する液の流量は、回収しようとする微細なMAP結晶粒子の量に応じて任意に設定できる。液体サイクロン51内では、処理水が、液体サイクロンの逆円錐形部分の壁面に沿って旋回流を起こしながら下降することによって、液中に含まれる微細なMAP結晶粒子が遠心力の働きでより下方の壁面側へ集められて濃縮される。濃縮された微細MAP結晶粒子の一部或いは全量は、濃縮固形分排出管54を通してMAP晶析反応槽1に返送して更に成長させることができる。また、濃縮された微細MAP結晶粒子の一部は回収してもよい。
なお、液体サイクロン51の流出水をMAP晶析反応槽1に返送する場合には、晶析反応槽の上部に返送することが好ましい。かかる形態を図12及び図13を参照して説明する。
液体サイクロン51への処理水の流入水量と、MAP晶析反応槽1における原水2と循環水3の合計水量との水バランスが悪いと、晶析反応槽1から水や微細結晶粒子がオーバーフローしたり、晶析反応槽1内の水位が低下して、ポンプ内に空気が入り込み、所定のポンプ性能が出なくなることがある。この場合、MAP晶析反応槽1内に水位計を設置して、液体サイクロン流入ポンプ(図示省略)の回転数や、バルブを制御する方法が考えられる。しかしながら、水位計の汚れや、バルブの詰まり等を避けるために、頻繁に洗浄をする必要がある。
本発明の好ましい形態では、図12(詳細図は図13)に示すように、液体サイクロン51で分離された流出水の一部61を、MAP晶析反応槽1の上部、或いは、液体サイクロンへの処理水流入ポンプ(図示省略)の前方に返送することで、これらの問題点を解決することができる。すなわち、(1)晶析反応槽1に返送する液体サイクロン流出水の量を、MAP晶析反応槽1における原水2と循環水3の合計水量よりも多くすること、(2)液体サイクロン流出水をMAP晶析反応槽1の上部に供給することで、MAP晶析反応槽1の上部において、液体サイクロンへの流出口に向かう水流が起こり、残りが処理水として系外に排出される。例えば、MAP晶析反応槽1への原水及び循環水の供給量を1Qとし、液体サイクロン流出水のMAP晶析反応層1への返送量を2Qとすると、MAP晶析反応層1の上部において1Qが液体サイクロンへの流出口へ向かう流れとなり、残りの1Qが処理水として排出される。このように、原水・循環水の供給量と同量をMAP晶析反応層1の上部からオーバーフローすることで、MAP晶析反応層1の水面の水位を保つことができる。なお、図12及び13では、液体サイクロン51の流出水の一部を晶析反応槽1の上部へ供給し、液体サイクロン51流出水の残りは、所定の薬剤9を添加・溶解した後に晶析反応槽1の下部へ供給し、晶析反応槽1から処理水6を排出管16を通して取出す形態が示されている。
従来、微細結晶の生成及び流出によるりん回収率の低下を防ぐために、水面積負荷を小さくなるようにした結果、流動層リアクターが大きくなる傾向にあった。本発明の第二の態様によれば、(1)薬剤の添加方法を工夫すること、及び(2)液体サイクロンの効率的な採用により、リアクターの小型化及びりん回収率の向上に大きく貢献することができた。
なお、本発明の第二の態様においては、更に種晶生成槽を配置して、液体サイクロンで回収した微細結晶粒子の少なくとも一部を種晶生成槽で成長させて種晶とした後に晶析反応槽に供給することができる。
かかる形態の方法について、図面を参照して説明する。上記と同様に、各図面において同一機能を有する構成要素は同一の符号を付け、適宜説明を省略する。
図15は、上記の形態の晶析反応装置の構成例を示す。以下においてはMAP結晶を晶析させることによって処理液中のりんを回収する方法及び装置のシステムについて記述する。
図15に示す晶析反応装置は、MAPの結晶粒子を成長させる晶析反応槽(以下「MAP晶析反応槽」という)1、種晶生成槽31、及び液体サイクロン51を具備する。
MAP晶析反応槽1では、種晶を成長させてMAP結晶粒子を形成させる。MAP晶析反応槽1の形状は特に制限されないが、好ましい形態においては、図15に示すように、直胴部の下部が逆円錐形となっている形状を採用することができる。MAP晶析反応槽1には、原水供給管12、循環水供給管13、液体サイクロンへの処理水流出管(微細結晶移送管)52、製品結晶7の抜き出し管17などを接続することができる。液体サイクロンへの処理水流出管52は、MAP晶析反応槽1内に形成されるMAP粒子の流動層の高さ以上の位置であって、且つ、晶析反応槽内の水面より下方に接続することができ、この処理水流出管52を通してMAP晶析反応槽1内の微細結晶粒子含有液が液体サイクロン51に移送される。原水のSSが高い場合や、或いは、晶析反応槽1内の結晶の流動を促進させたい場合には、さらに空気供給管15を通してMAP晶析反応槽1内に空気5を供給するとよい。空気5を供給する位置は任意の位置でよいが、反応槽の側壁付近よりも横断面の中心部が好ましく、また、上下方向では、槽内に形成されるMAP粒子の流動層内が好ましい。
MAP晶析反応槽内には、種晶が希望の充填層高さ以上となるように、常に種晶を存在させておくことが好ましい。。
原水2及び液体サイクロンの流出水(処理水)55の一部を分岐した循環水3は、晶析反応槽1の底部の逆円錐形をした部分に供給することができる。通水方向は特に制限されないが、好ましい形態では、反応槽の横断面に対して接線方向となるよう各流入管を接続することができる。原水2と循環水3とを晶析反応槽横断面に対して接線方向に導入することで、原水及び循環水が供給される液流の勢いにより、原水及び循環水による渦流が形成され、これによって、晶析反応槽内の液及び結晶粒子が均一に流動する。この場合、均一な流動とは、原水2及び/又は循環水3が、少なくとも、原水供給管12及び循環水供給管13が接続された横断面の外周を一周するように供給され、液及び結晶粒子が動かないデッドゾーンが生じていない流動状態のことである。このような流動状態を達成することによって、晶析反応に間係する物質(MAP晶析反応の場合には、りん、アンモニウム、マグネシウム、アルカリ)の混合、及び、それら関係物質と結晶表面との接触が極めて良好になる。
なお、晶析反応に必要な薬剤、例えばMAP晶析反応の場合にはマグネシウム化合物9は、図15に示すように、液体サイクロン51の流出水の一部に供給して循環水3として晶析反応槽1に返送することができる。液体サイクロン51の流出水中のりん濃度は低下しており、マグネシウム化合物を添加しても、過飽和度はほとんど生成せず、MAPの生成は極めて少ない。したがって高濃度のマグネシウム原液であっても、上記のような供給方法とすることで、循環水3によって十分低い濃度まで希釈してから晶析反応槽1内に供給することが可能であり、晶析反応槽1内での局所的な高過飽和状態の形成を防ぐことができる。添加するマグネシウム化合物は、イオン状態のものでも、化合物の状態でもよく、例えば、塩化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウムなどを用いることができる。
晶析反応槽1内のpHをpH計10で測定して、必要に応じてアルカリ剤4を添加することによって、反応雰囲気を適当なpHに保つことが好ましい。アルカリ剤4は、原水2或いは晶析反応槽1内に供給することができる。アルカリ剤4を原水2中にに供給する場合は、添加場所は原水槽(図示せず)でも原水供給管12内でもよい。アルカリ剤4を晶析反応槽1内に供給する場合は、原水2及び/又は循環水3の供給位置の付近に供給することが好ましい。この場合も、アルカリ剤4が晶析反応槽1に流入する際には原水によって希釈されているので、晶析反応槽1内の局所的な過飽和状態の形成を防ぐことができる。アルカリ剤4としては、苛性ソーダ、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等を用いることができる。アルカリ剤4の添加は、晶析反応槽1内をpH測定器10により測定し、そのpH値に応じて、所望のpH値になるように、アルカリ注入ポンプ(図示せず)をon−off制御、比例制御等の各制御方法により運転することによって行うことができる。所望のpHとは、原水中のアンモニア濃度、りん濃度、マグネシウム濃度などに応じて設定値を変えることが好ましく、例えば、アンモニア濃度が1000mg/L以上の原水を処理する場合にはpH7.0〜8.0、アンモニア濃度が300mg/L以下の原水の場合にはpH8.0〜9.5というように、原水(被処理液)の種類及び濃度変動に応じて設定値を変えることが好ましい。
液体サイクロン51は、例えば、図15に示すように下部構造が逆円錐形となっていて、処理水移送管52、濃縮微細結晶排出管72、液体サイクロン流出管55が接続されている。濃縮微細結晶の排出管72は、MAP晶析反応槽1と種晶生成槽31のそれぞれに接続するように分岐されており、途中のバルブ(図示省略)の開閉によって、どちらの槽にも微細MAP結晶粒子が移送可能な構造となっている。
MAP晶析反応槽1から処理水を液体サイクロン51へ移送する方法としては、ポンプ移送、自然流下法などを採用することができる。ポンプ移送では、処理水移送管52の途中にポンプP(図17参照)を設置し、これによって晶析反応槽1内の処理水を液体サイクロン51に圧送することができる。液体サイクロン51へ移送する処理水の流量は、回収しようとする微細MAP結晶粒子の量に応じて任意に設定できる。液体サイクロン51内では、微細MAP結晶粒子を含む処理水が、液体サイクロンの逆円錐形部分の壁面に沿って旋回流を起こしながら下降することによって、微細MAP結晶粒子が遠心力の働きでより下方の壁面側へ集められて濃縮される。濃縮された微細MAP結晶粒子の一部或いは全量は、濃縮微細結晶排出管72を通して、種晶生成槽31、或いはMAP晶析反応槽1に移送することができる。通常は、液体サイクロン51で回収された微細MAP結晶粒子が種晶生成槽31に供給されるようにすることが好ましい。適宜、MAP晶析反応槽1側のバルブを開くことで、MAP晶析反応槽1にも微細MAP結晶粒子を移送することができる。なお、微細MAP結晶粒子を、常時MAP晶析反応槽1に供給してもよく、また、微細MAP結晶粒子の全量をMAP晶析反応槽1に供給しても良い。さらに、液体サイクロン51で回収される微細MAP結晶粒子の一部を回収してもよい。
種晶生成槽31では、液体サイクロン51で回収した微細MAP結晶粒子を成長させることで種晶を形成させる。種晶生成槽31は、図15に示すように、例えば直胴部の下部が逆円錐形の形状とすることができる。種晶生成槽31には、原水供給管12から分岐した原水供給管75、循環水供給管13から分岐した循環水供給管33、処理水流出管40、液体サイクロン51からの種晶移送管72を接続することができる。種晶生成槽31においても、MAP晶析反応槽1と同様に、空気35の供給管36を接続してもよい。
種晶生成槽31では、原水2及びMg化合物9を添加・溶解した循環水3を供給して、晶析反応に関係する物質を微細MAP結晶粒子の表面で晶析させることで、微細MAP結晶粒子を成長させて種晶を形成させる。成長した種晶は、適宜、MAP晶析反応槽1に返送する。成長種晶のMAP晶析反応槽への返送手段としては、各種のポンプ、バルブの切り替え操作が考えられるが、図15に示す形態ではエアリフトポンプ38を用いることができる。成長種晶の返送は、間欠的に行っても連続的に行っても良い。成長種晶の返送頻度及び返送量は、MAP晶析反応槽1内のMAP結晶粒子の平均粒径が所望の値となるように設定する。例えば、MAP晶析反応槽1で、平均粒径0.6mmのMAP製品結晶6を1日に80kg引き抜くとすると、平均粒径0.3mm(製品結晶粒子の粒径の1/2、体積の1/8)の種晶を1日に10kg/d、或いは、平均粒径0.3mmの種晶を3日に一度30kg、種晶生成槽31から晶析反応槽1に移送させることができる。
晶析反応槽1では、成長した結晶粒子の一部を、製品結晶7として適宜抜き出す。結晶の抜き出し方法は、反応槽1の底部からバルブの開閉によって抜き出す方法があるが、バルブの閉塞によるトラブルが多かった。図15に示す形態では、エアリフトポンプ17を用いることで、バルブの閉塞等のトラブルの問題点が解消され、良好に結晶を抜き出すことができる。製品結晶7を抜き出すときには、反応槽1内への空気5の供給を停止して、結晶を分級することで、粒径の大きなMAP結晶粒子を選択的に回収することができる。エアリフトポンプの終了時には、エアリフト管内の洗浄を行うことが好ましい。エアリフト管の洗浄は、エアリフト管内に残留したMAPを、水或いは空気で晶析反応槽内に逆流させることによって行うことができる。このような洗浄を行うことで、エアリフト管内の閉塞を防ぐことができる。
粒径の小さなMAP結晶粒子(種晶)が種晶生成槽31から供給されることと、比較的大きなMAP結晶粒子を選択的に回収することで、MAP晶析反応槽1内の結晶粒子の平均粒径は変動することがなく、安定した処理が可能となる。
なお、図12・13に示す形態と同様に、液体サイクロン51の流出水及び種晶生成槽31の流出水をMAP晶析反応槽1に返送する際には、少なくとも一部は晶析反応槽1の上部に返送することが好ましい。かかる形態を図16及び図17を参照して説明する。
晶析反応槽1から液体サイクロン51への処理水の流入水量と、MAP晶析反応槽1における原水2と循環水3の合計水量との水バランスが悪いと、晶析反応槽1から水や微細結晶粒子がオーバーフローしたり、晶析反応槽1内の水位が低下して、ポンプ内に空気が入り込み、所定のポンプ性能が出なくなることがある。この場合、MAP晶析反応槽1内に水位計を設置して、液体サイクロンへの処理水流入ポンプ(図示省略)の回転数や、バルブを制御する方法が考えられる。しかしながら、水位計の汚れや、バルブの詰まり等を避けるために、頻繁に洗浄をする必要がある。
本発明の好ましい形態では、図16(詳細図は図17)に示すように、液体サイクロン51で分離された流出水55の一部及び種晶生成槽31からの流出水40の一部を、上部供給管62を通して、MAP晶析反応槽1の上部、或いは、液体サイクロンへの処理水流入ポンプ(図示省略)の前方に返送することで、これらの問題点を解決することができる。すなわち、(1)晶析反応槽1に返送する液体サイクロン流出水の量を、MAP晶析反応槽1における原水2と循環水3の合計水量よりも多くすること、(2)MAP晶析反応槽1の水面と、晶析反応槽に導入する液体サイクロン流出水の水面を同一面とすることで、液体サイクロン51の流出水61がMAP晶析反応槽1の方向へ流れる循環流が生じ、上記の課題を解決することができる。なお、図16では、液体サイクロン51及び種晶生成槽31の流出水の一部を晶析反応槽1の上部へ供給し、液体サイクロン51及び種晶生成槽31の流出水の残りは、所定の薬剤9を添加・溶解した後に晶析反応槽1の下部へ供給し、晶析反応槽1から処理水6を排出管16を通して取出す形態が示されている。
本発明の第二の態様においても、既に説明した本発明の第一の態様と同様に、晶析反応槽及び/又は種晶生成槽において、被処理液及び循環水を槽の横断面に対して接線方向に導入することができ、更に晶析反応槽及び/又は種晶生成槽の横断面の中心部に空気を供給することができる。更には、晶析反応槽及び/又は種晶生成槽として、下部の横断面が上部の横断面よりも小さい形状の反応容器を用いることができ、更に最下部が逆円錐形の形状の反応容器を用いることができる。
上記に説明した本発明の各種態様によれば、晶析反応プロセスを効率的に行うことができる。また、本発明の他の態様によれば、晶析反応に関係する反応物質の高濃度状態に起因する微細結晶粒子の形成及び回収率の低下という問題を解決することができる。
例えば、晶析反応として原水中のリンをMAPとして不溶化させることによって原水の脱リン処理を行う場合、MAP結晶粒子を生成させる晶析反応槽と、晶析反応槽にリンを含有する原水を供給する手段と、晶析反応槽或いは晶析反応槽周辺の設備に、必要に応じて、マグネシウム化合物、pH調整剤及びアンモニウムを供給する手段を設けた脱リン処理装置を用いて、リン、アンモニウム、マグネシウム、アルカリの各モル濃度を掛け合わせた濃度がMAPの溶解度積以上となるように操作し、且つ、原水中のリンに対して、アンモニウム、マグネシウムが等モル、或いはそれ以上存在するようにして処理がなされていた。
MAPを析出させるときには、反応pHが高いほどMAPの析出量が多く、処理水中のリン濃度は低下する傾向がみられる。しかしながら、過度に高いアルカリ性雰囲気で反応させると、微細なMAPが自己発核し、それらのMAPは処理水とともに流出してしまい、処理水質を悪くする。そのため、反応pHは、原水中のアンモニウム濃度、マグネシウム濃度にもよるが、7.5〜10、好ましくは7.5〜9の範囲で処理がなされていた。
従来、被処理水中のリンに対してアンモニウムが過剰に存在する原水、例えば、嫌気性消化を行った脱離液、汚泥処理工程より発生する返流水などは、被処理水中のリンに対してマグネシウムの含有量が少なく、MAP生成槽、或いはその周辺の設備にマグネシウム化合物を添加していた。また、必要に応じてアルカリ成分(例えば、苛性ソーダ)の添加も行っていた。
リンを含む被処理水中にマグネシウム化合物を添加してMAPを生成させる場合、添加するマグネシウム化合物としては、通常は塩化マグネシウムを用いて、被処理水中のリンに対して等モル以上になるように添加していた。塩化マグネシウムは、易溶性であり、取り扱いの容易な物質である。しかしながら、塩化マグネシウムは単価が高く、脱リン装置における塩化マグネシウムに要する費用が相当な金額になるため、処理に要するランニングコストが過大になっていた。更に、塩化マグネシウムは6水和物であることが多いため、重量当たりのマグネシウム含有量は約12%と少なく、使用量が多くなっていた。
上記のような事情から、特開2002−18448号公報では、単価が安く、重量当たりのマグネシウム含有量が約42%と多い難溶性の水酸化マグネシウムをMAPを生成させる為の添加剤として用いることが提案されている。提案されている方法においては、水酸化マグネシウムの溶解によってpHが上昇して微細なMAPが生成するのを防ぐために、脱リン処理された処理水を用いてスラリー状の水酸化マグネシウムを溶解させて、溶解性のマグネシウムイオン濃度が処理水よりも高まったマグネシウムイオン含有水を晶析反応槽に供給することが述べられている。
しかしながら、それでもなお、原水中のアンモニウム濃度が高い場合には、
(1)晶析反応槽内のpHの上昇による微細なMAPの析出;(2)一部の未溶解の水酸化マグネシウムの影響によるリン回収率の低下;という問題があった。
また、特開2002−326089号公報では、晶析反応槽と熟成槽とを具備するリンの除去装置において、熟成槽で成長させたMAP結晶粒子を晶析反応槽内における種晶として使用することで、原水中のリンを高い除去効率で安定して除去する脱リン方法及び装置を提案している。
しかし、原水の分注手段についての記述はあるが、アルカリの供給管、Mg化合物の供給管、pH測定装置が各槽別々に備えられており、処理プロセス及び運転制御が煩雑になったり、設備コストが増加する等の問題があった。
本発明の第三の態様によれば、スラリー状の難溶性化合物と酸とを、晶析反応槽から流出する処理液の一部に加えて、これを循環液として晶析反応槽に供給することによって、上記の課題が解決される。
即ち、本発明の第三の態様は、晶析反応槽内において被処理液中の被除去イオンの難溶性塩の結晶粒子を晶析させることによって被処理液中の被除去イオンを除去する方法であって、晶析反応に必要な薬剤としてスラリー状の難溶性の化合物を用い、晶析反応槽から流出する処理液の一部に、該スラリー状の難溶性化合物と酸とを加え、これを循環液として晶析反応槽に供給することを特徴とする方法に関する。
また、本発明の第三の態様においても、上記に説明した他の態様と同様に、更に種晶生成槽を配置して、晶析反応槽中の微細結晶粒子を種晶生成槽に移送して、ここで成長させて種晶を形成して、これを晶析反応槽に返送するという形態を採用することができる。
以下、図面を参照して本発明の第三の態様の一形態を説明する。以下においては、晶析反応槽と種晶生成槽とを使用する形態について説明する。また、以下においては、リン及びアンモニア性窒素を含む原水(被処理液)から、リン酸マグネシウムアンモニウム(MAP)を晶析させることによって、原水中のリンを除去・回収する方法について説明する。これまでの記載と同様に、以下の図面において、先に説明した図面の構成要素と同一の機能を有する構成要素は、同一の符号を付けて、適宜説明を省略する。
図20は、本発明の第三の態様にかかる水処理装置の一形態を示す。図20に示す処理装置は、MAP晶析反応槽1、種晶生成槽31、循環水調整槽82を具備する。
循環水に添加する薬剤は、スラリー状の難溶性マグネシウム化合物と酸である。用いることのできる難溶性マグネシウムとしては種々のものが挙げられるが、コストの点からその中でも単価が安いスラリー状の難溶性マグネシウム化合物として、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、ヒドロオキシ炭酸マグネシウムなどを好適に用いることができる。以下に説明する実施形態においては、マグネシウム化合物として水酸化マグネシウムを用いる。また、酸としては、硫酸、塩酸などを用いることができる。以下に説明する実施形態では、硫酸を用いる。
MAP晶析反応槽1には、原水供給管12、循環水供給管13、処理水の流出管16、微細MAP結晶粒子の種晶生成槽への移送管37、製品結晶の抜き出し管17などを接続することができる。種晶生成槽31には、原水供給管12から分岐した原水供給管32、循環水供給管13から分岐した循環水供給管33、種晶生成槽からの処理水の流出管40、微細MAP結晶粒子の移送管12、種晶の移送管38などを接続することができる。循環水調整槽82には、処理水6の一部を分岐した引き込み管81、水酸化マグネシウム供給管84、硫酸の供給管86、pH計10、循環水の供給管13などを接続することができる。
MAP晶析反応槽内1には、予め平均粒径0.1〜3mmのMAP結晶粒子を所定の層高さとなるように充填する。原水2及び循環水3をMAP晶析反応槽1の底部より、上向流で連続通水する。原水2がMAP晶析反応槽1内を通過する間に、原水中のリン及びアンモニウムと、循環水中のマグネシウムとの反応により、種晶の表面でMAPが晶析して、原水中のリンが除去される。MAP晶析反応槽1内で成長したMAP結晶粒子7の一部を適宜引き抜くことで、MAP結晶粒子を回収する。この際、晶析反応槽1内に形成されるMAP粒子の流動層の充填高さが低くなり過ぎないようにする。図20には、成長MAP結晶粒子の回収方法としてエアリフトポンプ17を利用した方法を示すが、リアクター底部より回収することもできる。
循環水調整槽82では、処理水の一部に水酸化マグネシウム83と硫酸85を添加して、得られた混合液を循環水3とする。循環水3は、配管13及び33を通して晶析反応槽1及び種晶生成槽31のそれぞれに供給する。
水酸化マグネシウムの溶解度は0.9mg/100g(化学大辞典,共立出版(株))であり、非常に溶解しにくい。また、酸化マグネシウムの溶解度は0.62mg/100g(化学大辞典,共立出版(株))、炭酸マグネシウムの溶解度は10.6mg/100g(化学大辞典,共立出版(株))、ヒドロオキシ炭酸マグネシウムは25mg/100g(化学大辞典,共立出版(株))であり、いずれも難溶性である。
従来の方法では、循環水調整槽82には水酸化マグネシウムのみを添加していた。その結果、液中のpHが直ぐに9以上となり、未溶解のマグネシウム化合物、及びpH上昇に伴い生成した微細なMAP結晶等によって、安定した処理を行うことができなかった。
上記の難溶性マグネシウム化合物の溶解度はpHに依存し、pHが低いほどよく溶解する。一例として、水酸化マグネシウムの溶解度とpHとの関係を図25に示す(溶解度積1.2×1011で算出した)。水酸化マグネシウムの溶解度は、pH9ではおよそ7g/Lであるが、pH8ではおよそ700g/Lと100倍高くなる。
本発明の第三の態様においては、スラリー状の難溶性マグネシウム化合物を処理水を分岐した循環水に添加すると共に、酸を添加してpHの上昇を抑えることで、未溶解のマグネシウム化合物及び微細MAP結晶を浮遊させないようにする。その結果、安定した処理を行うことが可能となる。
循環水への硫酸の添加は、循環水調整槽82内に設置されたpH計10によって測定されたpH値に応じて、所望のpHとなるように硫酸の添加量を制御して行うことができる。制御は、オン−オフ制御や比例制御などで行うことができる。所望のpHとしては、原水中のアンモニア濃度、リン濃度、マグネシウム濃度に応じて設定値を変えることが好ましく、例えば、アンモニア濃度が1000mg/L以上の原水を処理する場合には、pH7.0〜8.0、アンモニア濃度が300mg/L以下の原水の場合にはpH8.0〜9.5と、被処理液の種類及び濃度変動に応じて設定値を変えることができる。
水酸化マグネシウム及び硫酸を添加する処理水は、溶解性のリン濃度が20mg/L以下、好ましくは10mg/L以下とすることが好ましい。消化脱離液等の廃水は溶解性のリン濃度が100〜600mg/Lと高濃度であり、このような廃水に水酸化マグネシウムを添加すると容易に過飽和度が形成されて微細なMAP結晶粒子が生成する。一方で、MAPを晶析させた後の処理水中のリン濃度は20mg/L以下と低濃度であるため、このような処理水に水酸化マグネシウムを添加しても過飽和度がほとんど形成されず、微細なMAP結晶粒子を生成することなく、回収率の低下を防ぐことができる。
また、晶析反応槽からの処理水を用いて水酸化マグネシウムを溶解させる他のメリットとして、嫌気性消化の脱離液や、返流水などの排水には、市水や二次或いは三次処理水に比べ緩衝作用があり、pHの上昇を抑える作用があることを挙げることができる。
スラリー状の難溶性マグネシウム化合物及び酸を循環水に溶解させた後に、循環水3として晶析反応槽1に供給するメリットとして、従来のように高濃度のマグネシウム(1〜10%)を直接晶析反応槽に注入する場合に比べて、十分にマグネシウム濃度を低下させてから注入することができる(0.1%以下)ことを挙げることができる。その結果、晶析反応槽内で局所的な高過飽和状態を形成することなく、微細MAP結晶粒子の析出を抑えて、回収率の低下を防ぐことができる。
水酸化マグネシウムの添加量は、単位時間当たりに供給されるリンの投入(kg−P/hr)に対して、マグネシウムとして0.5〜1.5倍(kg−Mg/hr)となるように添加することが好ましい。
循環水調整槽82においてpHとマグネシウム濃度が調整された循環水3は、所定の分注比で、MAP晶析反応槽1と種晶生成槽31に供給することができる。このとき、原水2の各槽への分注比率と循環水3の各槽への分注比は同一とすることが好ましい。このようにすると、供給されるリン、アンモニア、Mgの比率が各槽で同じとなり、各槽を別々に制御する必要がなくなり、処理プロセス及び運転制御を簡便にすることができる。また、機器の点数が削減され、設備コストを低減することができる。
図20の装置において、種晶生成槽31では、MAP晶析反応槽1内に浮遊している微細MAP結晶粒子を移送させて、微細MAP結晶粒子を成長させて種晶を生成する。原水2及び循環水3を種晶生成槽31の底部より上向流で連続通水することができる。原水2が種晶生成槽31内を通過する間に、原水中のリン、アンモニウム、及び循環水中のマグネシウムの反応により、微細MAP結晶粒子の表面でMAPが晶析して、微細MAP結晶が成長する。種晶生成槽31で成長した種晶は、適宜、MAP晶析反応槽1に移送することができる。図20では、種晶生成槽31から晶析反応槽1への種晶の移送方法にエアリフトポンプ38を利用したシステムを示す。種晶生成槽31からの流出水の排出管40は、図20に示すように、晶析反応槽1の流出水6の排出管16に接続することができる。
原水は、所定の分注比で、MAP晶析反応槽1と種晶生成槽31に供給することができる。
図21は、薬剤調整槽91を設けた例である。薬剤調整槽91では、水酸化マグネシウム83と硫酸85を混合して、所定の濃度及びpHとなるように調整する。調整した薬液は処理水6の一部を分岐した循環水3に添加し、循環水3を各槽に分注する。その他の操作は、図20に関して上記に説明した通りである。
図22では、pHの調整を2段で行う方法を説明する。第一段目のpH調整槽92には、水酸化マグネシウム83と硫酸85を添加する。硫酸85は、水酸化マグネシウム83の添加量に比例して添加してもよいし、pH計(図示せず)を設置してpH測定値に応じて添加してもよい。第二段目のpH微調整槽93では、pHの微調整を行うために硫酸85を添加する。第一段目の調製槽92と同様に、硫酸85は、水酸化マグネシウムの添加量に比例して添加してもよいが、好ましくはpH計10を設置してpH測定値に応じて添加することが好ましい。また、pHが低下しすぎる場合には、別にアルカリ剤を添加することもできる。その他の方法に関しては、図20に関して上記に説明した通りである。
本発明の第三の態様においても、既に説明した本発明の第一の態様と同様に、晶析反応槽及び/又は種晶生成槽において、被処理液及び循環水を槽の横断面に対して接線方向に導入することができ、更に晶析反応槽及び/又は種晶生成槽の横断面の中心部に空気を供給することができる。更には、晶析反応槽及び/又は種晶生成槽として、下部の横断面が上部の横断面よりも小さい形状の反応容器を用いることができ、更に最下部が逆円錐形の形状の反応容器を用いることができる。
なお、上記の具体的形態の説明においては、リン及びアンモニア性窒素を含む被処理液からリン酸マグネシウムアンモニウム(MAP)を晶析させることによってリンを除去する方法について説明したが、上記の方法を用いてリンを含む被処理液からヒドロキシアパタイト(HAP)を晶析させることによってリンを除去することもできる。この場合には、晶析反応に必要な薬剤として、カルシウム化合物を添加する。また、同様に、本発明によって、フッ素イオンを含む被処理水、例えば半導体工場の廃水から、フッ化カルシウムを晶析させることによってフッ素を除去することができる。この場合には、晶析反応に必要な薬剤として、カルシウム化合物を添加する。更に、本発明によって、炭酸イオンを含む硬水にカルシウム化合物を添加して炭酸カルシウムを晶析させることによって、被処理水の硬度を低下させることができる。あるいは、カルシウムを含む被処理液に炭酸イオンを添加して炭酸カルシウムを晶析させることによって、被処理水からカルシウムイオンを除去することができる。更には、本発明によって、水道水中に炭酸イオンを加えることによって、水道水中の不純物であるマンガンを炭酸マンガンとして晶析させることによって除去することができる。
本発明は、上記に説明したような方法を実施するための装置にも関する。以下に本発明の各種態様を示す。
1.晶析反応槽内において被処理液中の被除去イオンの難溶性塩の結晶粒子を晶析させることによって被処理液中の被除去イオンを除去する方法であって、晶析反応槽から流出する処理液の一部に、晶析反応に必要な薬剤を加えて溶解させ、これを循環液として晶析反応槽に供給し、その際、被処理液及び循環液を、晶析反応槽の横断面に対して接線方向に導入することを特徴とする方法。
2.晶析反応槽の横断面の中心部に空気を供給する上記第1項に記載の方法。
3.晶析反応槽として、下部の横断面が上部の横断面よりも小さい形状の反応容器を用い、被処理液及び循環液を反応槽の下部に導入する上記第1項又は第2項に記載の方法。
4.晶析反応槽として、最下部が逆円錐形である反応容器を用いる上記第1項〜第3項のいずれかに記載の方法。
5.晶析反応槽と種晶生成槽とを用い、種晶生成槽に被処理液及び循環液を供給すると共に、晶析反応槽から液中の微細結晶粒子を取出して種晶生成槽に供給し、種晶生成槽内で微細結晶粒子を成長させることにより種晶を形成し、種晶生成槽中で成長した種晶を晶析反応槽に供給する上記第1項〜第4項のいずれかに記載の方法。
6.微細結晶粒子、被処理液及び循環液を、種晶生成槽の横断面に対して接線方向に導入する上記第5項に記載の方法。
7.種晶生成槽の横断面の中心部に空気を供給する上記第5項又は第6項に記載の方法。
8.種晶生成槽として、下部の横断面が上部の横断面よりも小さい形状の反応容器を用い、微細結晶粒子、被処理液及び循環液を種晶生成槽の下部に導入する上記第5項〜第7項のいずれかに記載の方法。
9.種晶生成槽として、最下部が逆円錐形である反応容器を用いる上記第5項〜第8項のいずれかに記載の方法。
10.晶析反応槽と液体サイクロンを含む装置を使用して、晶析反応槽内で被処理液中の被除去イオンの難溶性塩の結晶粒子を晶析させることによって被処理液中の被除去イオンを除去する方法であって、晶析反応槽から流出する処理液を液体サイクロンに導入して、液体サイクロンで処理液中の微細結晶粒子を分離・回収して、回収した微細結晶粒子の一部又は全量を晶析反応槽に返送すると共に、液体サイクロンの流出水の一部に晶析反応に必要な薬剤を加えて溶解させ、これを循環液として晶析反応槽に供給することを特徴とする方法。
11.液体サイクロンの流出水の一部を晶析反応槽の上部に供給する請求項10に記載の方法。
12.更に種晶生成槽を用い、液体サイクロンで回収された微細結晶粒子の一部又は全量を種晶生成槽に供給して、種晶生成槽内で微細結晶粒子を成長させて種晶を形成し、種晶生成槽中で成長した種晶を晶析反応槽に供給すると共に、液体サイクロンの流出水及び種晶生成槽の流出水の一部に晶析反応に必要な薬剤を加えて溶解させ、これを循環液として晶析反応槽に供給することを特徴とする上記第10又は11項に記載の方法。
13.被処理液及び循環液を、晶析反応槽の横断面に対して接線方向に導入することを特徴とする上記第10項〜12項のいずれかに記載の方法。
14.晶析反応槽の横断面の中心部に空気を供給する上記第10項〜第13項のいずれかに記載の方法。
15.晶析反応槽として、下部の横断面が上部の横断面よりも小さい形状の反応容器を用い、被処理液及び循環液を反応槽の下部に導入する上記第10項〜第14項のいずれかに記載の方法。
16.晶析反応槽として、最下部が逆円錐形である反応容器を用いる上記第10項〜第15項のいずれかに記載の方法。
17.微細結晶粒子、被処理液及び循環液を、種晶生成槽の横断面に対して接線方向に導入する上記第12項〜第16項のいずれかに記載の方法。
18.種晶生成槽の横断面の中心部に空気を供給する上記第12項〜第17項のいずれかに記載の方法。
19.種晶生成槽として、下部の横断面が上部の横断面よりも小さい形状の反応容器を用い、微細結晶粒子、被処理液及び循環液を種晶生成槽の下部に導入する上記第12項〜第18項のいずれかに記載の方法。
20.種晶生成槽として、最下部が逆円錐形である反応容器を用いる上記第12項〜第19項のいずれかに記載の方法。
21.晶析反応槽内において被処理液中の被除去イオンの難溶性塩の結晶粒子を晶析させることによって被処理液中の被除去イオンを除去する方法であって、晶析反応に必要な薬剤としてスラリー状の難溶性の化合物を用い、晶析反応槽から流出する処理液の一部に、該スラリー状の難溶性化合物と酸とを加え、これを循環液として晶析反応槽に供給することを特徴とする方法。
22.晶析反応槽と種晶生成槽とを用い、種晶生成槽に被処理液及び循環液を供給すると共に、晶析反応槽から液中の微細結晶粒子を取出して種晶生成槽に供給し、種晶生成槽内で微細結晶粒子を成長させることにより種晶を形成し、種晶生成槽中で成長した種晶を晶析反応槽に供給する上記第21項に記載の方法。
23.種晶生成槽からの流出液を晶析反応槽から流出する処理液と合流させる上記第22項に記載の方法。
24.被処理液及び循環液を、晶析反応槽の横断面に対して接線方向に導入することを特徴とする上記第21項〜23項のいずれかに記載の方法。
25.晶析反応槽の横断面の中心部に空気を供給する上記第21項〜第24項のいずれかに記載の方法。
26.晶析反応槽として、下部の横断面が上部の横断面よりも小さい形状の反応容器を用い、被処理液及び循環液を反応槽の下部に導入する上記第21項〜第24項のいずれかに記載の方法。
27.晶析反応槽として、最下部が逆円錐形である反応容器を用いる上記第21項〜第26項のいずれかに記載の方法。
28.微細結晶粒子、被処理液及び循環液を、種晶生成槽の横断面に対して接線方向に導入する上記第22項〜第27項のいずれかに記載の方法。
29.種晶生成槽の横断面の中心部に空気を供給する上記第22項〜第28項のいずれかに記載の方法。
30.種晶生成槽として、下部の横断面が上部の横断面よりも小さい形状の反応容器を用い、微細結晶粒子、被処理液及び循環液を種晶生成槽の下部に導入する上記第22項〜第29項のいずれかに記載の方法。
31.種晶生成槽として、最下部が逆円錐形である反応容器を用いる上記第22項〜第30項のいずれかに記載の方法。
32.リン及びアンモニア性窒素を含む被処理液からリン酸マグネシウムアンモニウムを晶析させることによって、被処理液からリンを除去する上記第1項〜第31項のいずれかに記載の方法。
33.リンを含む被処理液からヒドロキシアパタイトを晶析させることによって、被処理液からリンを除去する上記第1項〜第31項のいずれかに記載の方法。
34.フッ素イオンを含む被処理液からフッ化カルシウムを晶析させることによって、被処理液からフッ素を除去する上記第1項〜第31項のいずれかに記載の方法。
35.カルシウムイオンを含む被処理液から炭酸カルシウムを晶析させることによって、被処理液からカルシウムを除去する上記第1項〜第31項のいずれかに記載の方法。
36.炭酸イオンを含む被処理液から炭酸カルシウムを晶析させることによって、被処理液から炭酸イオンを除去する上記第1項〜第31項のいずれかに記載の方法。
37.晶析反応によって被処理液中の被除去イオンの難溶性塩の結晶粒子を晶析させることによって被処理液中の被除去イオンを除去する装置であって、晶析反応槽と;晶析反応槽に被処理液を供給する被処理液供給管と;晶析反応槽から流出する処理液を誘導する処理液排出管と;処理液排出管から分岐して、処理液を晶析反応槽に返送する循環水供給管;晶析反応に必要な薬剤を循環水に供給する薬剤供給手段;とを具備しており、被処理液供給管及び循環水供給管が、晶析反応槽に、反応槽の横断面に対して接線方向に接続されていることを特徴とする装置。
38.晶析反応槽の横断面の中心部に空気を供給する空気供給管を更に具備する上記第37項に記載の装置。
39.晶析反応槽が、下部の横断面が上部の横断面よりも小さい形状の容器であり、被処理液供給管及び循環水供給管が晶析反応槽の下部に接続されている上記第37項又は38項に記載の装置。
40.晶析反応槽が、最下部が逆円錐形の形状の容器である上記第37項〜第39項のいずれかに記載の装置。
41.更に種晶生成槽を具備していて、被処理液供給管及び循環水供給管が種晶生成槽にも接続されており、晶析反応槽から、槽内の微細結晶粒子を種晶生成槽に移送する微細結晶粒子移送管、種晶生成槽内で成長した種晶を晶析反応槽に移送する種晶移送管を更に具備する上記第37項〜第40項のいずれかに記載の装置。
42.微細結晶粒子移送管、被処理液供給管、循環水供給管が、それぞれ、種晶生成槽に、槽の横断面に対して接線方向に接続されている上記第41項に記載の装置。
43.種晶生成槽の横断面の中心部に空気を供給する空気供給管を更に具備する上記第41項又は第42項に記載の装置。
44.種晶生成槽が、下部の横断面が上部の横断面よりも小さい形状の容器であり、被処理液供給管及び循環水供給管が種晶生成槽の下部に接続されている上記第41項〜第43項のいずれかに記載の装置。
45.種晶生成槽が、最下部が逆円錐形の形状の容器である上記第41項〜第44項のいずれかに記載の装置。
46.晶析反応槽から成長した結晶粒子を回収する結晶回収手段を具備する上記第37項〜第45項のいずれかに記載の装置。
47.晶析反応によって被処理液中の被除去イオンの難溶性塩の結晶粒子を晶析させることによって被処理液中の被除去イオンを除去する装置であって、晶析反応槽;液体サイクロン;晶析反応槽に被処理液を供給する被処理液供給管;晶析反応槽から流出する処理液を液体サイクロンに誘導する処理液移送管;液体サイクロンの流出水を誘導する処理液排出管;処理液排出管から分岐して、処理液を晶析反応槽に返送する循環水供給管;液体サイクロンで濃縮分離された微細結晶粒子を晶析反応槽に供給する濃縮固形分移送管;晶析反応に必要な薬剤を循環水に供給する薬剤供給手段;を具備することを特徴とする装置。
48.液体サイクロンの流出水の一部を晶析反応槽の上部に供給する液体サイクロン流出水移送管を具備する上記第47項に記載の装置。
49.更に種晶生成槽を具備していて、被処理液供給管及び循環水供給管が種晶生成槽にも接続されており、液体サイクロンで濃縮分離された微細結晶粒子を種晶生成槽に移送する微細結晶粒子移送管、種晶生成槽内で成長した種晶を晶析反応槽に移送する種晶移送管を更に具備する上記第47項又は第48項に記載の装置。
50.被処理液供給管及び循環水供給管が、晶析反応槽に、晶析反応槽の横断面に対して接線方向に接続されている上記第47項〜第49項のいずれかに記載の装置。
51.晶析反応槽の横断面の中心部に空気を供給する空気供給管を更に具備する上記第47項〜第50項のいずれかに記載の装置。
52.晶析反応槽が、下部の横断面が上部の横断面よりも小さい形状の容器であり、被処理液供給管及び循環水供給管が晶析反応槽の下部に接続されている上記第47項〜第51項のいずれかに記載の装置。
53.晶析反応槽が、最下部が逆円錐形の形状の容器である上記第47項〜第52項のいずれかに記載の装置。
54.被処理液供給管及び循環水供給管が、種晶生成槽に、種晶生成槽の横断面に対して接線方向に接続されている上記第47項〜第53項のいずれかに記載の装置。
55.種晶生成槽の横断面の中心部に空気を供給する空気供給管を更に具備する上記第47項〜第54項のいずれかに記載の装置。
56.種晶生成槽が、下部の横断面が上部の横断面よりも小さい形状の容器であり、被処理液供給管及び循環水供給管が種晶生成槽の下部に接続されている上記第47項〜第55項のいずれかに記載の装置。
57.種晶生成槽が、最下部が逆円錐形の形状の容器である上記第47項〜第56項のいずれかに記載の装置。
58.晶析反応槽から成長した結晶粒子を回収する結晶回収手段を具備する上記第47項〜第57項のいずれかに記載の装置。
59.晶析反応によって被処理液中の被除去イオンの難溶性塩の結晶粒子を晶析させることによって被処理液中の被除去イオンを除去する装置であって、晶析反応槽と;晶析反応槽に被処理液を供給する被処理液供給管と;晶析反応槽から流出する処理液を誘導する処理液排出管と;処理液排出管から分岐して、処理液を晶析反応槽に返送する循環水供給管;晶析反応に必要な薬剤及び酸を循環水に供給する薬剤供給手段;とを具備していることを特徴とする装置。
60.処理液から分岐された循環水を一旦受容して晶析反応槽に供給する調整槽を具備しており、晶析反応に必要な薬剤及び酸が調整槽に供給される上記第59項に記載の装置。
61.更に種晶生成槽を具備していて、被処理液供給管及び循環水供給管が種晶生成槽にも接続されており、晶析反応槽から、槽内の微細結晶粒子を種晶生成槽に移送する微細結晶粒子移送管、種晶生成槽内で成長した種晶を晶析反応槽に移送する種晶移送管を更に具備する上記第59項又は第60項に記載の装置。
62.被処理液供給管及び循環水供給管が、晶析反応槽に、晶析反応槽の横断面に対して接線方向に接続されている上記第59項〜第61項のいずれかに記載の装置。
63.晶析反応槽の横断面の中心部に空気を供給する空気供給管を更に具備する上記第59項〜第62項のいずれかに記載の装置。
64.晶析反応槽が、下部の横断面が上部の横断面よりも小さい形状の容器であり、被処理液供給管及び循環水供給管が晶析反応槽の下部に接続されている上記第59項〜第63項のいずれかに記載の装置。
65.晶析反応槽が、最下部が逆円錐形の形状の容器である上記第59項〜第64項のいずれかに記載の装置。
66.被処理液供給管及び循環水供給管が、種晶生成槽に、種晶生成槽の横断面に対して接線方向に接続されている上記第61項〜第65項のいずれかに記載の装置。
67.種晶生成槽の横断面の中心部に空気を供給する空気供給管を更に具備する上記第61項〜第66項のいずれかに記載の装置。
68.種晶生成槽が、下部の横断面が上部の横断面よりも小さい形状の容器であり、被処理液供給管及び循環水供給管が種晶生成槽の下部に接続されている上記第61項〜第67項のいずれかに記載の装置。
69.種晶生成槽が、最下部が逆円錐形の形状の容器である上記第61項〜第68項のいずれかに記載の装置。
70.晶析反応槽から成長した結晶粒子を回収する結晶回収手段を具備する上記第59項〜第69項のいずれかに記載の装置。
71.リン及びアンモニア性窒素を含む被処理液からリン酸マグネシウムアンモニウムを晶析させることによって、被処理液からリンを除去する上記第37項〜第70項のいずれかに記載の装置。
72.リンを含む被処理液からヒドロキシアパタイトを晶析させることによって、被処理液からリンを除去する上記第37項〜第70項のいずれかに記載の装置。
73.フッ素イオンを含む被処理液からフッ化カルシウムを晶析させることによって、被処理液からフッ素を除去する上記第37項〜第70項のいずれかに記載の装置。
74.カルシウムイオンを含む被処理液から炭酸カルシウムを晶析させることによって、被処理液からカルシウムを除去する上記第37項〜第70項のいずれかに記載の装置。
75.炭酸イオンを含む被処理液から炭酸カルシウムを晶析させることによって、被処理液から炭酸イオンを除去する上記第37項〜第70項のいずれかに記載の装置。
以下、実施例によって本発明の各種態様をより具体的に説明する。
本実施例では、図1に示す処理フローを用いて、嫌気性消化の脱水ろ液(以下、「原水」という)からMAP結晶粒子を生成させることでリンの回収を行う実験を行った。本実施例で用いた処理装置は、晶析反応槽1及び処理水貯留槽8を具備する。晶析反応槽1は、反応部(下部の逆円錐形の部分及び径の小さな部分)と、沈殿部(上部の径の大きな部分)を持つ形状であった。
表1に脱リンプロセスの操作条件を、表2に原水2及び処理水6の水質を示す。なお、実験装置はアクリル樹脂製のものを用いて、晶析反応槽内の結晶粒子の流動状態が確認できるようにした。
原水2及び処理水の一部を引き抜いた循環水3を、晶析反応槽1の逆円錐形の部分に、図2に示すように槽の横断面に対して接線方向に供給した。原水供給管12及び循環水供給管13の直径は20mm、供給線速度は原水=0.44m/s(0.5m/hr)、循環水2.2m/s(2.5m/hr)とした。原水供給管12及び循環水供給管13は、晶析反応槽1の同一の横断面上(接続箇所の横断面という)に接続した。接続箇所の横断面の直径は150mmであった。原水2及び循環水3をあわせた1秒間の線流速は、接続箇所の横断面の外周距離の5.6倍であった。図2に示すように、原水供給管12と循環水供給管13との間の接続角度は180度とした。
マグネシウム分9は循環水供給管13の配管内に、アルカリ4は原水の供給管12の配管内に、それぞれ供給した。マグネシウム分として3%マグネシウムイオン溶液、アルカリとして25%苛性ソーダ溶液を用いた。マグネシウム分の添加量はMg/P重量比=1.0となるように制御し、またリアクター内に設置されたpH制御機構によって、リアクター内のpHが7.9〜8.1となるようにアルカリ添加のon−off制御を行った。
空気供給管15の下端の位置は、原水及び循環水の供給管の接続位置から上方25cmの位置とした。供給空気量は10L/minとした。
原水T−P280mg/Lに対して処理水のT−Pは25mg/Lであり、水質から求めたリン回収率は91%であり、良好に回収されたことが示された。リアクター内の結晶粒子の流動状態は良好で、原水及び循環水の導入箇所の横断面上の結晶粒子の全てが均一に流動しており、デッドゾーンは確認されなかった。操作条件及び水質等を表1及び表2に示す。
Figure 2004067139
Figure 2004067139
比較例1
実施例1と同様な処理フローで、晶析反応槽の構造を変えたものを用いて表1と同様の条件で通水試験を行った。晶析反応槽において、図4に示すように、原水供給管12及び循環水供給管13の接続方向を共に晶析反応槽横断面に対し直角とした。即ち、原水供給管12と循環水供給管13は、晶析反応槽の中心に向かって接続し、接続角度は180度とした。実施例1と同様に、原水供給管12及び循環水供給管13の直径は20mm、供給線速度は原水=0.44m/s(0.5m/hr)、循環水2.2m/s(2.5m/hr)とした。原水供給管12及び循環水供給管13は、同一の横断面上に接続し、接続箇所の晶析反応槽の横断面の直径は150mmであった。
マグネシウム分及びアルカリの供給条件は実施例1と同様とした。空気の供給は行わなかった。
処理水質を表3に示す。原水T−P280mg/Lに対して処理水のT−Pは70mg/Lであった。また、水質から求めたリン回収率は75%であり、実施例1より16ポイント低下した。晶析反応槽1内の結晶粒子は、原水供給管12及び循環水供給管13の接続方向から90度の方向が流動しておらず、デッドゾーンが形成され、不均一な流動状態であった。
Figure 2004067139
比較例2
比較例2では、比較例1の通水条件の下で空気5の供給を行った。空気の供給量は10L/minとした。その他の条件は比較例1と同じとした。
処理水質を表4に示す。原水T−P280mg/Lに対して処理水のT−Pは50mg/Lであり、水質から求めたリン回収率は82%であり、比較例1より7ポイント上昇したものの、実施例1よりも9ポイント低かった。比較例1と同様、晶析反応槽1内の結晶粒子は、原水供給管12及び循環水供給管13の接続方向から90度の方向が流動しておらず、デッドゾーンが形成され、不均一な流動状態であった。
Figure 2004067139
本実施例では、図5に示す処理フローを用いて、嫌気性消化の脱水ろ液(原水)からMAPを生成させることでリンの回収を行う実験を行った。処理装置は、種晶生成槽31、MAP晶析反応槽1、Mg溶解槽8を具備する。
表5に脱リンプロセスの操作条件を、表6に原水2及び処理水6の水質を示す。なお、実験装置としてアクリル樹脂製のものを用いて、晶析反応槽内の結晶粒子の流動状態が確認できるようにした。
運転開始時には、予め用意した平均粒径0.5mmの種晶(MAP粒子)を、MAP晶析反応槽1に、充填高さ2.0mとなるように充填した。
定常運転後の運転方法は以下の通りである。
MAP晶析反応槽1の上部で浮遊している微細MAP結晶粒子を、3日に一度、微細MAP結晶移送管37を通して種晶生成槽31に移送した。微細MAP結晶粒子の移送と共に、種晶生成槽31で生成した種晶を全量、種晶生成槽31内に設置したエアリフトポンプ38によって、MAP晶析反応槽1に返送した。MAP晶析反応槽1では、MAP晶析反応槽1内にに設置したエアリフトポンプ17によって製品結晶7を1日に一度回収した。
MAP晶析反応槽1において、原水2及び処理水の一部を引き抜いた循環水3を、晶析反応槽の逆円錐形の部分に、図6に示すように槽の横断面に対して接線方向に供給した。原水供給管12及び循環水供給管13の直径は20mm、供給線速度は原水=0.44m/s(0.5m/hr)、循環水2.2m/s(2.5m/hr)とした。原水供給管12及び循環水供給管13は同一の横断面上にに接続した(横断面の直径は150mm)。原水2及び循環水3を合わせた1秒間の線流速は、接続横断面外周距離の5.2倍であった。図6に示すように、原水供給管12と循環水供給管13の接続角度は180度とした。
マグネシウム分9は循環水供給管13の配管内に、アルカリ4は原水の供給管12の配管内に供給した。マグネシウム分としては3%マグネシウムイオン(塩化マグネシウム)溶液、アルカリとしては25%苛性ソーダ溶液を用いた。マグネシウム分の添加量はMg/P重量比=1.0となるように制御し、またリアクター内に設置されたpH制御機構は、リアクター内のpHを7.9〜8.1となるようにアルカリの添加をon−off制御した。
空気の供給管15の出口の位置は、原水供給管12及び循環水供給管の接続位置から上方25cmの位置とした。空気量は10L/minとした。
運転開始後1〜2ヶ月間の平均水質は、原水T−P300mg/Lに対して処理水のT−Pは25mg/Lであり、水質から求めたリン回収率は92%であり、良好にリンが回収されたことが示された。種晶生成槽31からMAP晶析反応槽1に返送した種晶の平均粒径は約0.3mm、製品結晶7の粒径は約0.6mmであり、大きな変動もなく粒径は安定していた。また、晶析反応槽1内の結晶粒子の流動状態は良好で、原水2及び循環水3の接続横断面上の結晶粒子の全てが均一に流動しており、デッドゾーンは確認されなかった。
Figure 2004067139
Figure 2004067139
本実施例では、図7に示す処理フローを用いて、嫌気性消化のろ液(原水)からMAPを生成させることでリンの回収を行った。処理装置は、MAP晶析反応槽1、種晶生成槽31、微細MAP結晶回収槽42を具備する。
表7に脱リンプロセスの操作条件を、表8に原水2及び処理水6の水質を示す。なお、実験装置はアクリル樹脂製のものを用いて、晶析反応槽内の結晶粒子の流動状態が堪忍できるようにした。
運転開始時には、予め用意した平均粒径0.5mmの種晶(MAP粒子)をMAP晶析反応槽に、充填高さ2.0mとなるように充填した。
定常運転後の運転方法は以下の通りである。
MAP晶析反応槽1の上部から流出した微細MAP結晶を、微細MAP結晶回収槽42で単純沈殿により回収した。回収した微細MAP結晶粒子は、1週間に一度、移送管43を通して種晶生成槽31に移送し、ここで微細MAP結晶粒子を成長させることで種晶を生成した。生成した種晶は、1週間に一度、MAP晶析反応槽1に返送した。微細MAP結晶回収槽42から種晶生成槽31への微細MAP結晶粒子の移送はモーノポンプで行った。種晶生成槽31からMAP晶析反応槽1への種晶の返送、及びMAP晶析反応槽からの製品結晶7の抜き出しはエアリフトポンプ17、38を用いた。
実施例2と同様に、原水2及び処理水の一部を引き抜いた循環水3を、晶析反応槽の逆円錐形の部分に、図8に示すように槽の横断面に対して接線方向に供給した。原水供給管12及び循環水供給管13の直径は20mm、供給線速度は原水=0.44m/s(0.5m/hr)、循環水=2.2m/s(2.5m/hr)とした。原水供給管12及び循環水供給管13は同一の横断面上にに接続し、横断面の直径は150mmであった。原水2及び循環水3をあわせた1秒間の線流速は、接続横断面断面の外周距離の5.2倍であった。図8に示すように、原水供給管12と循環水供給管13の接続角度は180度とした。
マグネシウム分9は循環水供給管13の配管内に、アルカリ4は原水の供給管12の配管内に供給した。マグネシウム分としては3%マグネシウムイオン溶液(塩化マグネシウム)を、アルカリとしては25%苛性ソーダ溶液を用いた。マグネシウム分の添加量はMg/P重量比=1.0となるように制御し、リアクター内に設置されたpH制御機構は、リアクター内のpHを7.9〜8.1となるようにアルカリの添加をon−off制御した。
空気の供給管15の位置は、原水供給管12及び循環水供給管13の接続位置から上方25cmの位置とした。空気量は10L/minとした。
運転開始後1〜3月の2ヶ月間の平均水質は、原水T−P270mg/Lに対して処理水のT−Pは20mg/Lであり、水質から求めたリン回収率は92%であり、良好にリンが回収された。種晶生成槽31からMAP晶析反応槽1に返送した種晶の平均粒径は約0.4mm、製品結晶7の粒径は約0.8mmであり、大きな変動もなく粒径は安定していた。また、晶析反応槽1内の結晶粒子の流動状態は良好で、原水供給管12及び循環水供給管13の接続横断面上の結晶粒子の全てが均一に流動しており、デッドゾーンは確認されなかった。
Figure 2004067139
Figure 2004067139
比較例3
本比較例では、図9に示す処理フローを用いて、嫌気性消化の脱水ろ液(原水)からMAPを生成させることでリンの回収を行った。処理装置は、反応部と沈殿部を持つMAP晶析反応槽1と、Mg溶解槽8を具備していた。
表9に脱リンプロセスの操作条件を、表10に原水2及び処理水3の水質を示す。なお、実験装置はアクリル樹脂製のものを用いて、晶析反応槽1内の結晶粒子の流動状態が確認できるようにした。
運転開始時には、予め用意した平均粒径0.5mmの種晶(MAP粒子)をMAP晶析反応槽1に、充填高さ2.0mとなるように充填した。MAP晶析反応槽1では、MAP晶析反応槽1に設置されたエアリフトポンプ17によって製品結晶7を1日に一度回収した。
図10に示すように、原水供給管12及び循環水供給管13の接続方向は共に晶析反応槽の横断面においてその中心軸に対して直角とした。原水供給管12と循環水供給管13は横断面の中心部の方向に接続し、接続角度は180度とした。実施例2及び3と同様に、原水供給管12及び循環水供給管13の直径は20mm、供給線速度は原水=0.44m/s(0.5m/hr)、循環水=2.2m/s(2.5m/hr)とした。原水供給管12及び循環水供給管13は同一の横断面上に接続し、横断面の直径は150mmであった。
マグネシウム分9、アルカリ4及び空気5の供給の態様は実施例2と同様とした。空気の供給管の出口の位置は、原水供給管12及び循環水供給管13の接続位置から上方25cmの位置とした。空気量は10L/minとした。
運転開始後1〜2月の1ヶ月間の平均水質は、原水T−P290mg/Lに対して処理水のT−Pは70mg/Lであった。水質から求めたリン回収率は76%であり、実施例1に比べて16ポイント低下した。充填した種晶の平均粒径は0.5mmであったが、運転開始1ヶ月後は1.0mm、運転開始後2ヶ月後は2.5mmまで成長した。晶析反応槽内の結晶粒子は、原水供給管12及び循環水供給管13の接続方向から90度の方向が流動しておらず、デッドゾーンが形成され、不均一な流動状態であった。
Figure 2004067139
Figure 2004067139
本実施例では、図11に示す処理プロセスを用いて、嫌気性消化の脱水ろ液(原水)からMAPを生成させることでりんの回収を行った。処理装置は、MAP晶析反応槽1、液体サイクロン51を具備していた。表11に脱りんプロセスの操作条件を示す。
運転開始時には、予め用意した平均粒径0.5mmの種晶(MAP粒子)をMAP晶析反応槽1に、充填高さ2.0mとなるように充填した。
定常運転後の運転方法は以下の通りである。
原水2及び循環水(液体サイクロン流出水56の一部)3は、晶析反応槽1の底部より上向流で通水した。マグネシウム源9は循環水供給管13の配管内に、アルカリ4は原水の供給管12の配管内に供給した。マグネシウム源としては塩化マグネシウム溶液(マグネシウムイオン濃度=3%)、アルカリとしては25%苛性ソーダ溶液を用いた。塩化マグネシウム溶液の添加量はMg/P重量比=1.0となるように制御し、また苛性ソーダ溶液はリアクター内に設置されたpH測定器によるpHが7.9〜8.1となるようにon−off制御して添加した。晶析反応槽1内には空気5を供給した。製品結晶7は、エアリフトポンプ17によって適時回収した。
MAP晶析反応槽1の上部に水位計を設置し(図示省路)、晶析反応槽1内の水位が低下したら液体サイクロン流入ポンプを停止し、水位が上昇したらポンプを再起動した。
MAP晶析反応槽1の流出水52は、全量液体サイクロン51に供給した。液体サイクロン51で濃縮された微細MAP結晶粒子は、移送管54を通してMAP晶析反応槽1に返送した。
表12に原水2及び処理水6の水質を示す。
運転開始後2週間の平均水質は、原水T−P300mg/Lに対して処理水のT−Pは25mg/Lであり、水質から求めたりん回収率は92%であり、リンが良好に回収された。初期に充填したMAP結晶粒子の平均粒径=0.5mmに対し、2週間後のMAP結晶粒子の粒径は0.8mmであった。
Figure 2004067139
Figure 2004067139
本実施例では、図12に示す処理装置を用いて、嫌気性消化の脱水ろ液(原水)からMAP結晶粒子を生成させることでりんの回収を行った。処理装置は、MAP晶析反応槽1、液体サイクロン51を具備していた。表13に脱りんプロセスの操作条件を示す。
運転開始時には、予め用意した平均粒径0.5mmの種晶(MAP粒子)をMAP晶析反応槽1に、充填高さ2.0mとなるように充填した。
定常運転後の運転方法は以下の通りである。
原水2及び循環水3は、晶析反応槽1の底部より上向流で通水した。マグネシウム源9は、循環水供給管13の配管内に、アルカリ4は原水の供給管12の配管内に供給した。マグネシウム源9としては塩化マグネシウム溶液(マグネシウムイオン濃度=3%)、アルカリとしては25%苛性ソーダ溶液を用いた。塩化マグネシウム溶液の添加量はMg/P重量比=1.0となるように制御し、また苛性ソーダ溶液はリアクター内に設置されたpH測定器によるpHが7.9〜8.1となるように添加をon−off制御した。晶析反応槽1内には空気5を供給した。製品結晶7は、エアリフトポンプ17によって適時回収した。
MAP晶析反応槽1内の液を、MAP晶析反応槽1の中間部から液体サイクロン52に供給した。液体サイクロン流出水56の一部は、循環水3としてマグネシウム溶液9を添加した後、MAP晶析反応槽1に返送した。また、液体サイクロン流出水56の一部を、移送管61を通してMAP晶析反応槽1の上部に返送し、返送水の一部を常時オーバーフローさせることによって、水位が低下するのを防いだ。そしてオーバーフローした分を処理水6として取り出した。
液体サイクロン51で濃縮された微細MAP結晶粒子は、移送管54を通してMAP晶析反応槽1に返送した。
表14に原水2及び処理水6の水質を示す。
運転開始後2週間の平均水質は、原水T−P300mg/Lに対して処理水のT−Pは20mg/Lであり、水質から求めたりん回収率は93%であり、リンが良好に回収された。充填した種晶の平均粒径0.5mmに対し、2週間後の晶析反応槽1内のMAP結晶粒子の平均粒径は0.8mmであった。
Figure 2004067139
Figure 2004067139
比較例4(実施例4の比較例)
本比較例では、図14に示す液体サイクロンを有しない処理装置を用いて、嫌気性消化の脱水ろ液(原水)からMAPを生成させることでりんの回収を行った。処理装置は、実質的にMAP晶析反応槽1からなる。液体サイクロンを用いないこと以外、実施例4と同じ条件とした。
表15に原水2及び処理水6の水質を示す。
運転開始2週間の平均水質は、原水T−P300mg/Lに対して処理水のT−Pは65mg/Lであり、水質から求めたりん回収率は78%であった。処理水T−Pと処理水PO−Pの差は主に微細MAP中のPであり、55mg/Lと多かった。
Figure 2004067139
本実施例では、図15に示す処理装置を用いて、嫌気性消化の脱水ろ液(原水)からMAPを生成させることでりんの回収を行った。処理装置は、MAP晶析反応槽1、種晶生成槽31、液体サイクロン51を具備していた。表16に脱りんプロセスの操作条件を示す。
運転開始時には、予め用意した平均粒径0.5mmの種晶(MAP粒子)をMAP晶析反応槽1に、充填高さ2.0mとなるように充填した。
定常運転後の運転方法は以下の通りである。
原水2及び循環水3を、晶析反応槽1及び種晶生成槽31の底部より上向流で通水した。マグネシウム分9は循環水供給管13の配管内に、アルカリ4は原水の供給管12の配管内に供給した。マグネシウム分としては3%マグネシウムイオン溶液を、アルカリとしては25%苛性ソーダ溶液を用いた。マグネシウムの添加量はMg/P重量比=1.0となるように制御し、またリアクター内に設置されたpH測定器によるpHが7.9〜8.1となるようにアルカリの添加をon−off制御した。晶析反応槽1及び種晶生成槽31内には空気5、35を供給した。製品結晶7は、エアリフトポンプ17によって適時回収した。
MAP晶析反応槽1の流出水52を、全量、液体サイクロン51に供給した。液体サイクロン51で濃縮された微細MAP結晶粒子は、一部を種晶生成槽31に移送し、残りはMAP晶析反応槽1に返送した。
種晶生成槽31には、原水2と循環水3及び空気35を供給した。種晶生成槽31で微細MAP結晶粒子を成長させることで、種晶を生成した。種晶は1回/3日、移送管38を通してMAP晶析反応槽1に返送した。
表17に原水2及び処理水6の水質を示す。
運転開始後1〜2月の1ヶ月間の平均水質は、原水T−P300mg/Lに対して処理水のT−Pは22mg/Lであり、水質から求めたりん回収率は93%であり、リンが良好に回収された。種晶生成槽31からMAP晶析反応槽1に返送した種晶の平均粒径は約0.3mm、製品結晶7の平均粒径は約0.6mmであり、大きな変動もなく粒径は安定していた。
Figure 2004067139
Figure 2004067139
本実施例では、図16に示す処理装置を用いて、嫌気性消化の脱水ろ液(原水)からMAPを生成させることでりんの回収を行った。処理装置は、MAP晶析反応槽1、種晶生成槽31、液体サイクロン51を具備していた。表18に脱りんプロセスの操作条件を示す。
運転開始時には、予め用意した平均粒径0.5mmの種晶(MAP粒子)をMAP晶析反応槽1に、充填高さ2.0mとなるように充填した。
定常運転後の運転方法は以下の通りである。
原水2及び循環水3を、晶析反応槽1及び種晶生成槽31の底部より上向流で通水した。マグネシウム分9を循環水供給管13の配管内に、アルカリ4を原水の供給管12の配管内に供給した。マグネシウム分としては3%マグネシウムイオン溶液(塩化マグネシウム溶液)を、アルカリとしては25%苛性ソーダ溶液を用いた。マグネシウムの添加量はMg/P重量比=1.0となるように制御し、晶析反応槽内に設置されたpH測定器により測定したpHが7.9〜8.1となるようにアルカリの添加をon−off制御した。晶析反応槽1及び種晶生成槽31内には空気5,35を供給した。製品結晶7は、エアリフトポンプ17によって適時回収した。
MAP晶析反応槽1の流出水52を、全量、液体サイクロン51に供給した。液体サイクロン流出水の一部は、MAP晶析反応槽1の上部に返送した。液体サイクロン51で濃縮された微細MAPは、一部を種晶生成槽31に移送し、残りをMAP晶析反応槽1に返送した。種晶生成槽31には、原水2と循環水3及び空気35を供給した。種晶生成槽31で、微細MAP結晶粒子を成長させることで、種晶を生成した。種晶は1回/3日、移送管38を通してMAP晶析反応槽1に返送した。
表4に原水2及び処理水6の水質を示す。
運転開始後1〜2ヶ月の1月間の平均水質は、原水T−P300mg/Lに対して処理水のT−Pは20mg/Lであり、水質から求めたりん回収率は93%であり、りんが良好に回収された。種晶生成槽31からMAP晶析反応槽1に返送した種晶の平均粒径は約0.3mm、製品結晶7の平均粒径は約0.6mmであり、大きな変動もなく粒径は安定していた。
Figure 2004067139
Figure 2004067139
本実施例では、図15に示す処理装置を用いて、余剰汚泥からりんを吐き出させた分離水(原水)からHAPを生成させることでりんの回収を行った。処理装置は、HAP晶析反応槽1、種晶生成槽31、液体サイクロン51を具備していた。表20に脱りんプロセスの操作条件を示す。
運転開始時には、予め用意した平均粒径0.2mmの種晶(りん鉱石)をHAP晶析反応槽1に、充填高さ2.0mとなるように充填した。
定常運転後の運転方法は以下の通りである。
原水2及び循環水3を、晶析反応槽1及び種晶生成槽31の底部より上向流で通水した。カルシウム分を循環水供給管13の配管内に、アルカリを原水の供給管12の配管内に供給した。カルシウム分としては3%カルシウムイオン溶液を、アルカリとしては25%苛性ソーダ溶液を用いた。カルシウム分の添加量はCa/P重量比=3.0となるように制御し、またリアクター内に設置されたpH測定器により求めるpHが8.9〜9.1となるようにアルカリの添加をon−off制御した。晶析反応槽1及び種晶生成槽31内には空気5,35を供給した。製品結晶7は、エアリフトポンプ17によって適時回収した。
HAP晶析反応槽1の流出水52は、全量、液体サイクロン31に供給した。液体サイクロン31で濃縮された微細HAP結晶粒子は、一部を種晶生成槽に移送し、残りをHAP晶析反応槽1に返送した。種晶生成槽31には、原水2と循環水3及び空気35を供給した。種晶生成槽31で微細HAP結晶粒子を成長させることで、種晶を生成した。種晶は1回/10日、移送管38を通してHAP晶析反応槽1に返送した。また、適時、種晶生成槽31に粒径約0.05mmのりん鉱石を添加した。
表21に原水2及び処理水6の水質を示す。
運転開始後2〜4月の2ヶ月間の平均水質は、原水T−P100mg/Lに対して処理水のT−Pは15mg/Lであり、水質から求めたりん回収率は85%であり、りんが良好に回収された。種晶生成槽31からHAP晶析反応槽1に返送した種晶の平均粒径は約0.1mm、製品結晶7の平均粒径は約0.25mmであり、大きな変動もなく粒径は安定していた。
Figure 2004067139
Figure 2004067139
比較例5(実施例6の比較例)
本比較例では、図18に示す処理装置を用いて、嫌気性消化の脱水ろ液(原水)からMAPを生成させることでりんの回収を行った。処理装置は、MAP晶析反応槽1、種晶生成槽31を具備していた。液体サイクロンがないこと以外、実施例6と同じ条件とした。
表22に原水2及び処理水6の水質を示す。
運転開始後1〜2月の1ヶ月間の平均水質は、原水T−P300mg/Lに対して処理水のT−Pは70mg/Lであり、水質から求めたりん回収率は77%であった。処理水T−Pと処理水PO−Pの差は主に微細MAP中のPであり60mg/Lと多かった。
Figure 2004067139
比較例6(実施例6の比較例)
本比較例では、図19に示す処理装置を用いて、嫌気性消化の脱水ろ液(原水)からMAPを生成させることでりんの回収を行った。処理装置は、反応部(下部の径の小さな部分及び逆円錐形の部分)と沈澱部(上部の径の大きな部分)を持つ晶析反応槽1を具備していた。晶析反応槽1の反応部の直径は350mm、沈殿部の直径は800mmとした。
表23に脱りんプロセスの操作条件を示す。
運転開始時には、予め用意した平均粒径0.5mmの種晶(MAP粒子)をMAP晶析反応槽1に、充填高さ2.0mとなるように充填した。MAP晶析反応槽1では、MAP晶析反応槽1に設置されたエアリフトポンプ17によって製品結晶7を1日に1度回収した。マグネシウム分9、アルカリ4、及び空気5の供給は実施例6と同様とした。空気の供給管15の下端の位置は、原水供給管及び循環水供給管13の接続位置から上方25cmの位置とした。空気5の供給量は10L/minとした。
表24に原水2及び処理水6の水質を示す。
運転開始後1〜2月の1ヶ月間の平均水質は、原水T−P300mg/Lに対して処理水のT−Pは60mg/Lであり、水質から求めたりん回収率は80%であり、実施例6に比べて13ポイント低下した。充填した種晶の平均粒径は0.5mmであったが、運転開始2ヶ月後は2.3mmまで成長した。実施例6のMAP晶析反応槽1の直径は0.35m、本比較例6のMAP晶析反応槽1の直径は0.8mであり、装置が大きいにも関わらず回収率が低かった。
Figure 2004067139
Figure 2004067139
本実施例9では、図23に示すような処理装置を用いて、嫌気性消化の脱水ろ液(原水)からMAPを生成させることでリンの回収を行った。処理装置は、MAP晶析反応槽1、循環水調整槽82を具備していた。表25に脱リンプロセスの操作条件を、表26に原水2及び処理水6の水質を示す。Mg分83として水酸化マグネシウムを、酸85として硫酸を用いた。
運転開始時には、予め用意した平均粒径0.5mmの種晶(MAP粒子)をMAP晶析反応槽1に、充填高さ2.0mとなるように充填した。
定常運転後の連転方法は以下の通りである。
原水2及び循環水3を、MAP晶析反応槽1の底部より上向流で通水した。MAP晶析反応槽1内で成長したMAP結晶粒子7は、適宜、エアリフトポンプ17を用いて回収した。循環水調整槽82における水酸化マグネシウム83の添加量は、原水PO−P/添加Mg重量比=1.0となるように調整した。また、循環水調整槽82にはpH計10を設置して、pH計19の出力に応じて硫酸85をon−off添加した。pHの設定値は8.0とした。
運転開始後2週間の平均水質は、表26に示されるように、原水T−P:300mg/Lに対して処理水のT−Pは32mg/Lであり、水質から求めたリン回収率は89%であり、リンが良好に回収された。
Figure 2004067139
Figure 2004067139
本実施例10では、図20に示す処理装置を用いて、嫌気性消化の脱水ろ液(原水)からMAPを生成させることでリンの回収を行った。処理装置は、MAP晶析反応槽1、種晶生成槽31、循環水調整槽82を具備していた。表27に脱リンプロセスの操作条件を、表28に原水2及び処理水6の水質を示す。Mg源83として水酸化マグネシウムを、酸85として硫酸を用いた。
連転開始時には、予め用意した平均粒径0.5mmの種晶(MAP粒子)をMAP晶析反応槽1に、充填高さ2.0mとなるように充填した。
定常違転後の運転方法は以下の通りである。
MAP晶析反応槽1の上部で浮遊している微細MAP結晶粒子を、3日に一度、微細MAP結晶移送管37を通して種晶生成槽31に移送した。微細MAP結晶粒子の移送と共に、種晶生成槽31で生成した種晶を全量、種晶生成槽31に設置されたエアリフトポンプ38によって、MAP晶析反応槽1に返送した。MAP晶析反応槽1では、MAP晶析反応槽1に設置されたエアリフトポンプ17によって製品結晶7を1日に1度回収した。
原水2の供給量は、MAP晶析反応槽:種晶生成槽=0.5m/hr:0.06m/hr、循環水3の供給量は、MAP晶析反応槽:種晶生成槽=1.0m/hr:0.12m/hrであった。
水酸化マグネシウム83の添加量は、原水PO−P/添加Mg重量比=1.0となるように調整した。また、循環水調整槽82にはpH計10を設置し、pH計10の出力に応じて硫酸85をon−off添加した。pHの設定値は8.0とした。
運転開始後1ヶ月間の平均水質は、表28に示すように、原水T−P:300mg/Lに対して処理水のT−Pは30mg/Lであり、水質から求めたリン回収率は90%であり、リンが良好に回収された。
Figure 2004067139
Figure 2004067139
比較例7
本比較例7では、図24に示す処理装置を用いて、嫌気性消化の脱水ろ液(原水)からMAPを生成させることでリンの回収を行った。実施例9と比較して、硫酸の添加設備が無いこと以外は同じである。
表29に原水2及び処理水6の水質を示す。
運転開始後1ヶ月間の平均水質は、表29に示されるように、原水T−P=300mg/Lに対して処理水のT−Pは70mg/Lであり、水質から求めたリン回収率は77%であった。晶析反応槽1内のpHは8.8まで上昇し、フロック状のSSが多数見られ、一部が流出していた。フロック状のSSの成分を調べたところ、主にMAPであることが分かった。pHが上昇したことで、微細なMAP結晶粒子が多数生成してフロック状となったと推測される。
Figure 2004067139
産業上の利用の可能性
本発明の第一の態様によれば、晶析反応によって被処理液中の被除去イオンを除去する方法及び装置において、晶析反応槽から流出する処理液の一部に、晶析反応に必要な薬剤を加えて溶解させ、これを循環液として晶析反応槽に供給し、その際、被処理液及び循環液を、晶析反応槽の横断面に対して接線方向に導入することことによって、晶析反応槽内の結晶粒子が均一に流動し、反応関係物質同士の混合、及び反応関係物質と結晶表面と接触が極めて良好となり、結晶粒子の成長過程を主とした晶析反応が促進される。
また、本発明の第二の態様によれば、晶析反応によって被処理液中の被除去イオンを除去する方法及び装置において、晶析反応槽と液体サイクロンを含む装置を使用して、晶析反応槽から流出する処理液を液体サイクロンに導入して、液体サイクロンで処理液中の微細結晶粒子を分離・回収して、回収した微細結晶粒子の一部又は全量を晶析反応槽に返送すると共に、液体サイクロンの流出水の一部に晶析反応に必要な薬剤を加えて溶解させ、これを循環液として晶析反応槽に供給することによって、晶析反応槽から微細結晶粒子が外部に排出されることをなくし、かつ晶析反応槽で微細結晶粒子を更に成長させて製品結晶として回収する量を増加させ、その結果、りんの回収率が高く、しかも装置が極めてコンパクトにすることができた。
さらに、液体サイクロン流出水の一部を晶析反応槽の上部に循環させることにより、晶析反応槽における原水と循環水の合計水量の水バランスを良くし、晶析反応槽の液面の変動を少なくし、晶析反応槽から微細結晶粒子を含む液が液体サイクロンへ送られるのを容易にして移送用ポンプの故障が起きないようにし、また水位計の設置を省略することができた。
更に本発明の第三の態様によれば、晶析反応によって被処理液中の被除去イオンを除去する方法及び装置において、晶析反応に必要な薬剤としてスラリー状の難溶性の化合物を用い、晶析反応槽から流出する処理液の一部に、該スラリー状の難溶性化合物と酸とを加え、これを循環液として晶析反応槽に供給することによって、安価な難溶性化合物を用いて、これを容易に溶解させて液中の被除去イオンの濃度を高めることにより、処理性能を低下させることのない被除去イオンの回収方法及び装置を提供することができた。

Claims (51)

  1. 晶析反応槽内において被処理液中の被除去イオンの難溶性塩の結晶粒子を晶析させることによって被処理液中の被除去イオンを除去する方法であって、晶析反応槽から流出する処理液の一部に、晶析反応に必要な薬剤を加えて溶解させ、これを循環液として晶析反応槽に供給し、その際、被処理液及び循環液を、晶析反応槽の横断面に対して接線方向に導入することを特徴とする方法。
  2. 晶析反応槽の横断面の中心部に空気を供給する請求の範囲第1項に記載の方法。
  3. 晶析反応槽として、下部の横断面が上部の横断面よりも小さい形状の反応容器を用い、被処理液及び循環液を反応槽の下部に導入する請求の範囲第1項又は第2項に記載の方法。
  4. 晶析反応槽として、最下部が逆円錐形である反応容器を用いる請求の範囲第1項〜第3項のいずれかに記載の方法。
  5. 晶析反応槽と種晶生成槽とを用い、種晶生成槽に被処理液及び循環液を供給すると共に、晶析反応槽から液中の微細結晶粒子を取出して種晶生成槽に供給し、種晶生成槽内で微細結晶粒子を成長させることにより種晶を形成し、種晶生成槽中で成長した種晶を晶析反応槽に供給する請求の範囲第1項〜第4項のいずれかに記載の方法。
  6. 晶析反応槽と液体サイクロンを含む装置を使用して、晶析反応槽内で被処理液中の被除去イオンの難溶性塩の結晶粒子を晶析させることによって被処理液中の被除去イオンを除去する方法であって、晶析反応槽から流出する処理液を液体サイクロンに導入して、液体サイクロンで処理液中の微細結晶粒子を分離・回収して、回収した微細結晶粒子の一部又は全量を晶析反応槽に返送すると共に、液体サイクロンの流出水の一部に晶析反応に必要な薬剤を加えて溶解させ、これを循環液として晶析反応槽に供給することを特徴とする方法。
  7. 液体サイクロンの流出水の一部を晶析反応槽の上部に供給する請求項6に記載の方法。
  8. 更に種晶生成槽を用い、液体サイクロンで回収された微細結晶粒子の一部又は全量を種晶生成槽に供給して、種晶生成槽内で微細結晶粒子を成長させて種晶を形成し、種晶生成槽中で成長した種晶を晶析反応槽に供給すると共に、液体サイクロンの流出水及び種晶生成槽の流出水の一部に晶析反応に必要な薬剤を加えて溶解させ、これを循環液として晶析反応槽に供給することを特徴とする請求の範囲第6又は7項に記載の方法。
  9. 被処理液及び循環液を、晶析反応槽の横断面に対して接線方向に導入することを特徴とする請求の範囲第6項〜8項のいずれかに記載の方法。
  10. 晶析反応槽の横断面の中心部に空気を供給する請求の範囲第6項〜第9項のいずれかに記載の方法。
  11. 晶析反応槽として、下部の横断面が上部の横断面よりも小さい形状の反応容器を用い、被処理液及び循環液を反応槽の下部に導入する請求の範囲第6項〜第10項のいずれかに記載の方法。
  12. 晶析反応槽として、最下部が逆円錐形である反応容器を用いる請求の範囲第6項〜第11項のいずれかに記載の方法。
  13. 晶析反応槽内において被処理液中の被除去イオンの難溶性塩の結晶粒子を晶析させることによって被処理液中の被除去イオンを除去する方法であって、晶析反応に必要な薬剤としてスラリー状の難溶性の化合物を用い、晶析反応槽から流出する処理液の一部に、該スラリー状の難溶性化合物と酸とを加え、これを循環液として晶析反応槽に供給することを特徴とする方法。
  14. 晶析反応槽と種晶生成槽とを用い、種晶生成槽に被処理液及び循環液を供給すると共に、晶析反応槽から液中の微細結晶粒子を取出して種晶生成槽に供給し、種晶生成槽内で微細結晶粒子を成長させることにより種晶を形成し、種晶生成槽中で成長した種晶を晶析反応槽に供給する請求の範囲第13項に記載の方法。
  15. 種晶生成槽からの流出液を晶析反応槽から流出する処理液と合流させる請求の範囲第14項に記載の方法。
  16. 被処理液及び循環液を、晶析反応槽の横断面に対して接線方向に導入することを特徴とする請求の範囲第13項〜15項のいずれかに記載の方法。
  17. 晶析反応槽の横断面の中心部に空気を供給する請求の範囲第13項〜第16項のいずれかに記載の方法。
  18. 晶析反応槽として、下部の横断面が上部の横断面よりも小さい形状の反応容器を用い、被処理液及び循環液を反応槽の下部に導入する請求の範囲第13項〜第17項のいずれかに記載の方法。
  19. 晶析反応槽として、最下部が逆円錐形である反応容器を用いる請求の範囲第13項〜第18項のいずれかに記載の方法。
  20. リン及びアンモニア性窒素を含む被処理液からリン酸マグネシウムアンモニウムを晶析させることによって、被処理液からリンを除去する請求の範囲第1項〜第19項のいずれかに記載の方法。
  21. リンを含む被処理液からヒドロキシアパタイトを晶析させることによって、被処理液からリンを除去する請求の範囲第1項〜第19項のいずれかに記載の方法。
  22. フッ素イオンを含む被処理液からフッ化カルシウムを晶析させることによって、被処理液からフッ素を除去する請求の範囲第1項〜第19項のいずれかに記載の方法。
  23. カルシウムイオンを含む被処理液から炭酸カルシウムを晶析させることによって、被処理液からカルシウムを除去する請求の範囲第1項〜第19項のいずれかに記載の方法。
  24. 炭酸イオンを含む被処理液から炭酸カルシウムを晶析させることによって、被処理液から炭酸イオンを除去する請求の範囲第1項〜第19項のいずれかに記載の方法。
  25. 晶析反応によって被処理液中の被除去イオンの難溶性塩の結晶粒子を晶析させることによって被処理液中の被除去イオンを除去する装置であって、晶析反応槽と;晶析反応槽に被処理液を供給する被処理液供給管と;晶析反応槽から流出する処理液を誘導する処理液排出管と;処理液排出管から分岐して、処理液を晶析反応槽に返送する循環水供給管;晶析反応に必要な薬剤を循環水に供給する薬剤供給手段;とを具備しており、被処理液供給管及び循環水供給管が、晶析反応槽に、反応槽の横断面に対して接線方向に接続されていることを特徴とする装置。
  26. 晶析反応槽の横断面の中心部に空気を供給する空気供給管を更に具備する請求の範囲第25項に記載の装置。
  27. 晶析反応槽が、下部の横断面が上部の横断面よりも小さい形状の容器であり、被処理液供給管及び循環水供給管が晶析反応槽の下部に接続されている請求の範囲第25項又は26項に記載の装置。
  28. 晶析反応槽が、最下部が逆円錐形の形状の容器である請求の範囲第25項〜第27項のいずれかに記載の装置。
  29. 更に種晶生成槽を具備していて、被処理液供給管及び循環水供給管が種晶生成槽にも接続されており、晶析反応槽から、槽内の微細結晶粒子を種晶生成槽に移送する微細結晶粒子移送管、種晶生成槽内で成長した種晶を晶析反応槽に移送する種晶移送管を更に具備する請求の範囲第25項〜第28項のいずれかに記載の装置。
  30. 晶析反応槽から成長した結晶粒子を回収する結晶回収手段を具備する請求の範囲第25項〜第29項のいずれかに記載の装置。
  31. 晶析反応によって被処理液中の被除去イオンの難溶性塩の結晶粒子を晶析させることによって被処理液中の被除去イオンを除去する装置であって、晶析反応槽;液体サイクロン;晶析反応槽に被処理液を供給する被処理液供給管;晶析反応槽から流出する処理液を液体サイクロンに誘導する処理液移送管;液体サイクロンの流出水を誘導する処理液排出管;処理液排出管から分岐して、処理液を晶析反応槽に返送する循環水供給管;液体サイクロンで濃縮分離された微細結晶粒子を晶析反応槽に供給する濃縮固形分移送管;晶析反応に必要な薬剤を循環水に供給する薬剤供給手段;を具備することを特徴とする装置。
  32. 液体サイクロンの流出水の一部を晶析反応槽の上部に供給する液体サイクロン流出水移送管を具備する請求の範囲第31項に記載の装置。
  33. 更に種晶生成槽を具備していて、被処理液供給管及び循環水供給管が種晶生成槽にも接続されており、液体サイクロンで濃縮分離された微細結晶粒子を種晶生成槽に移送する微細結晶粒子移送管、種晶生成槽内で成長した種晶を晶析反応槽に移送する種晶移送管を更に具備する請求の範囲第31項又は第32項に記載の装置。
  34. 被処理液供給管及び循環水供給管が、晶析反応槽に、晶析反応槽の横断面に対して接線方向に接続されている請求の範囲第31項〜第33項のいずれかに記載の装置。
  35. 晶析反応槽の横断面の中心部に空気を供給する空気供給管を更に具備する請求の範囲第31項〜第34項のいずれかに記載の装置。
  36. 晶析反応槽が、下部の横断面が上部の横断面よりも小さい形状の容器であり、被処理液供給管及び循環水供給管が晶析反応槽の下部に接続されている請求の範囲第31項〜第35項のいずれかに記載の装置。
  37. 晶析反応槽が、最下部が逆円錐形の形状の容器である請求の範囲第31項〜第36項のいずれかに記載の装置。
  38. 晶析反応槽から成長した結晶粒子を回収する結晶回収手段を具備する請求の範囲第31項〜第37項のいずれかに記載の装置。
  39. 晶析反応によって被処理液中の被除去イオンの難溶性塩の結晶粒子を晶析させることによって被処理液中の被除去イオンを除去する装置であって、晶析反応槽と;晶析反応槽に被処理液を供給する被処理液供給管と;晶析反応槽から流出する処理液を誘導する処理液排出管と;処理液排出管から分岐して、処理液を晶析反応槽に返送する循環水供給管;晶析反応に必要な薬剤及び酸を循環水に供給する薬剤供給手段;とを具備していることを特徴とする装置。
  40. 処理液から分岐された循環水を一旦受容して晶析反応槽に供給する調整槽を具備しており、晶析反応に必要な薬剤及び酸が調整槽に供給される請求の範囲第39項に記載の装置。
  41. 更に種晶生成槽を具備していて、被処理液供給管及び循環水供給管が種晶生成槽にも接続されており、晶析反応槽から、槽内の微細結晶粒子を種晶生成槽に移送する微細結晶粒子移送管、種晶生成槽内で成長した種晶を晶析反応槽に移送する種晶移送管を更に具備する請求の範囲第39項又は第40項に記載の装置。
  42. 被処理液供給管及び循環水供給管が、晶析反応槽に、晶析反応槽の横断面に対して接線方向に接続されている請求の範囲第39項〜第41項のいずれかに記載の装置。
  43. 晶析反応槽の横断面の中心部に空気を供給する空気供給管を更に具備する請求の範囲第39項〜第41項のいずれかに記載の装置。
  44. 晶析反応槽が、下部の横断面が上部の横断面よりも小さい形状の容器であり、被処理液供給管及び循環水供給管が晶析反応槽の下部に接続されている請求の範囲第39項〜第43項のいずれかに記載の装置。
  45. 晶析反応槽が、最下部が逆円錐形の形状の容器である請求の範囲第39項〜第44項のいずれかに記載の装置。
  46. 晶析反応槽から成長した結晶粒子を回収する結晶回収手段を具備する請求の範囲第39項〜第45項のいずれかに記載の装置。
  47. リン及びアンモニア性窒素を含む被処理液からリン酸マグネシウムアンモニウムを晶析させることによって、被処理液からリンを除去する請求の範囲第25項〜第46項のいずれかに記載の装置。
  48. リンを含む被処理液からヒドロキシアパタイトを晶析させることによって、被処理液からリンを除去する請求の範囲第25項〜第46項のいずれかに記載の装置。
  49. フッ素イオンを含む被処理液からフッ化カルシウムを晶析させることによって、被処理液からフッ素を除去する請求の範囲第25項〜第46項のいずれかに記載の装置。
  50. カルシウムイオンを含む被処理液から炭酸カルシウムを晶析させることによって、被処理液からカルシウムを除去する請求の範囲第25項〜第46項のいずれかに記載の装置。
  51. 炭酸イオンを含む被処理液から炭酸カルシウムを晶析させることによって、被処理液から炭酸イオンを除去する請求の範囲25項〜第46項のいずれかに記載の装置。
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