JP5143762B2 - 凝集沈殿装置 - Google Patents

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本発明は、被処理水中の懸濁物質、凝集フロックを沈降分離させ、スラリブランケット層を形成して被処理水を清澄化する凝集沈殿装置に関する。
排水処理や用水処理等において、懸濁物質等を多く含む被処理水を処理対象とする場合には、ポリ塩化アルミニウム等のアルミニウム系凝集剤、塩化第二鉄等の鉄系凝集剤等を添加して、被処理水中の懸濁物質をフロック化させて、沈降分離を行う凝集沈殿処理が用いられる。また、フッ素のようなイオン状物質を含む被処理水を処理対象とする場合には、カルシウム剤と反応させて、フッ化カルシウム(固形物)を生成させてから、上記凝集剤を添加して、沈降分離を行う凝集沈殿処理が行われる。
上記凝集沈殿処理方法において、フッ素を高度に処理するには、アルミニウム系凝集剤等の無機凝集剤を多量に添加する必要があるが、凝集剤を多量に添加すると、凝集沈殿処理により生成した汚泥の脱水性は悪く、汚泥脱水後のケーキ量が非常に多くなる問題がある。
そこで、汚泥脱水後のケーキ量を低減する手法として、汚泥循環法と呼ばれる方法が採られている。これは、凝集沈殿処理後の汚泥の一部を前段に設けられるカルシウム反応槽や無機凝集剤反応槽へ返送することにより、汚泥濃度を高めて高密度化し、汚泥の凝集性及び脱水性を高める(つまり、含水率を低下させる)ようにした方法である(例えば、特許文献1,2参照)。
また、上記汚泥循環法において、近年では、無機凝集剤の添加量を削減するために、返送する汚泥に消石灰や水酸化ナトリウム等のアルカリ剤、硫酸等の酸剤を加えて処理する汚泥再生処理を施した後、カルシウム反応槽、無機凝集剤反応槽等に返送する方法が採用されている(例えば、特許文献3,4参照)。汚泥をアルカリ剤や酸剤で処理することで、汚泥中の凝集剤由来の水酸化アルミニウム等は溶解し、吸着していたフッ素を放出させる。放出されたフッ素は、汚泥中のカルシウム、または汚泥再生時にpH調整のために添加された消石灰や塩化カルシウム中のカルシウムと反応し、フッ化カルシウムを形成する。このようにして再生されたアルミニウム塩を無機凝集剤反応槽に返送し、凝集剤として再利用する。その結果、凝集剤の使用量を大幅に削減することができると共に、処理水質の向上、生成する汚泥の濃縮性及び脱水性の向上、処理設備の小型化等が可能となる。
凝集沈殿処理において、被処理水中の懸濁物質等の沈降分離には、スラリブランケット型の沈殿槽が用いられることが多い。スラリブランケット型の沈殿槽は、上向流式の沈殿槽であり、沈殿槽内の中間部にスラリブランケット層と称される懸濁・流動状態の汚泥層を形成し、槽内の上昇流に随伴される微細なフロックやその他の微粒子をスラリブランケット層にて捕捉して被処理水を清澄化するものである。そして、このようなスラリブランケット型の沈殿槽は、スラリブランケット層を形成しない通常の上向流式沈殿槽より良好な処理水質が得られ、且つ3〜10m/hの高い線速度(LV)を有する。
例えば、特許文献5には、槽内に設けられたチャンバに接続されると共に、チャンバの中心軸周りに回転自在であり、被処理水をチャンバから槽内に吐出するディストリビュータを有するスラッジブランケット型の凝集沈殿装置が提案されている。
また、例えば、特許文献6には、槽底部に汚泥が貯留することにより形成される汚泥ゾーンの界面位付近に、被処理水を吐出するディストリビュータを配置したスラッジブランケット型の凝集沈殿装置が提案されている。
また、例えば、特許文献7には、分離槽内に流入水受槽を設置し、該流入水受槽の上部を第1室、下部を第2室とし、該流入水受槽の外周と分離槽内の側壁とは水平方向に全周に渡って離れており、該流入水受槽の下方にロート状の整流板を設置し、該ロート状整流板は、上端が全周分離槽側壁に接し、下端は上端よりも径を狭くして分離槽側壁とは離れている凝集沈殿装置が提案されている。
特公平7−36911号公報 特開2001−9468号公報 特開2005−296838号公報 特許第2930594号公報 特許第2919462号公報 特許第3463493号公報 特許第3856314号公報
特許文献5の凝集沈殿装置では、槽内への被処理水の分散を均一にすることができ、高LVでも清澄な処理水を得ることができるが、装置の稼働時において、槽底部に貯留した汚泥を直ちに浮遊させて、スラリブランケット層を早期に形成することは困難である。
また、特許文献6の凝集沈殿装置では、装置の稼働時において、槽底部に貯留した汚泥を直ちに浮遊させて、スラリブランケット層を早期に形成させることは可能である。しかし、装置の停止時では、ディストリビュータに汚泥が堆積し、ディストリビュータの吹き出し口が閉塞されてしまう。また、装置の稼働時では、常時、槽底部の汚泥に被処理水が噴射され、汚泥が被処理水によって撹乱されて、槽底部から引き抜く汚泥の固形分濃度が薄くなってしまう。特に、汚泥循環再生法を伴う凝集沈殿処理(例えば、特許文献3,4)等に適用すると、汚泥の固形物濃度が薄いため、返送先での十分な凝集効果が得られない場合がある。また、凝集効果を高めるためには、容量の大きな循環ポンプが必要となるため、処理コストが増大する場合がある。
また、特許文献7の凝集沈殿装置では、装置の稼働時において、槽内の汚泥を直ちに浮遊させて、スラリブランケット層を早期に形成させることは可能である。しかし、ディストリビュータの吹き出し口が一つしか無く、また固定されているため、被処理水の処理流量が大きく、凝集沈殿槽が大きくなった場合では、層内への被処理水の均一分散性が悪くなる。特に、生成するフロックの比重が重く、且つ処理水SSが10mg/L以下の清澄な処理水質が求められる汚泥循環再生法を伴う凝集沈殿処理(例えば、特許文献3,4参照)等に適用すると、側壁付近でフロックの浮遊が悪く、清澄な処理水質が得られない場合がある。
そこで、本発明の目的は、凝集沈殿処理速度の向上、槽内への被処理水の均一分散性、装置の稼働時におけるスラリブランケット層の早期形成、槽から引き抜く汚泥の固形物濃度の向上、清澄な処理水質の確保等を達成することができる凝集沈殿装置を提供することにある。
(1)本発明は、槽内で、被処理水中の懸濁物質、凝集フロックを沈降分離させ、スラリブランケット層を形成して被処理水を清澄化する凝集沈殿装置であって、前記槽内に配設され、前記被処理水が導入されるチャンバと、前記チャンバの下端部に回転可能に配置され、前記チャンバ内の被処理水を前記槽内の下方に向かって吐出させる吹き出し孔が形成されている吹き出し管を有するディストリビュータと、前記吹き出し孔の下方に設置され、前記ディストリビュータと共に回転する阻流板と、を備え、前記阻流板は、装置の停止時には、前記懸濁物質を汚泥として堆積可能なステージ面を有し、前記ステージ面の面積は、前記吹き出し孔の断面積の2倍以上であって、前記槽の水平断面積の50%以下であり、前記ステージ面の幅は前記吹き出し管の幅より大きく、前記吹き出し孔は前記吹き出し管の端面に設けられ、前記吹き出し管は、前記吹き出し孔が前記阻流板の前記ステージ面と対向するように、前記チャンバの下端部から前記阻流板の前記ステージ面に向かって下方に延びている
(2)上記(1)記載の凝集沈殿装置において、前記槽内の底部に堆積した汚泥を槽外へ引き抜く汚泥引き抜き手段と、引き抜いた汚泥の一部を前記槽内に導入される被処理水又は前記阻流板より高い位置の槽内へと返送する汚泥返送手段と、を備える。
(3)上記(1)又は(2)記載の凝集沈殿装置において、前記槽内の底部に堆積した汚泥を掻き寄せるスクレーパを備えることが好ましい。
(4)上記(1)〜(3)のいずれか1つに記載の凝集沈殿装置において、前記スラリブランケット層の界面位を検出する界面位計と、前記汚泥引き抜き手段は、前記界面位計の検出値に基づいて、前記槽内の底部に堆積した汚泥の引き抜き量を調整する調整手段と、を備えることが好ましい。
(5)本実施形態に示すフッ素含有水の処理装置は、フッ素含有水にカルシウム剤を添加してフッ化カルシウムを形成させ、フッ化カルシウムを含む第1処理水を生じさせるカルシウム反応槽と、前記第1処理水にアルミニウム塩を添加して、前記フッ化カルシウムを凝集フロック化させ、凝集フロック化したフッ化カルシウムを含む第2処理水を生じさせる無機凝集反応槽と、第2処理水中の懸濁物質、凝集フロック化したフッ化カルシウムを沈降分離させ、スラリブランケット層を形成して被処理水を清澄化する凝集沈殿装置と、前記凝集沈殿装置の槽底部に堆積した汚泥に酸又はアルカリを添加して、該汚泥を再生処理する再生処理槽と、再生処理された汚泥をカルシウム反応槽、無機凝集反応槽のうちいずれか一方に供給する循環ラインとを備え、前記凝集沈殿装置は、上記(1)〜(4)のいずれか1つに記載の凝集沈殿装置である。
本発明の凝集沈殿装置によれば、槽内への被処理水の均一分散性、装置の稼働時におけるスラリブランケット層の早期形成、槽から引き抜く汚泥の固形物濃度の向上、清澄な処理水質の確保等を達成することができる。
フッ素含有水の処理装置の構成の一例を示す模式図である。 (A)は、参考例に係る凝集沈殿装置の構成の一例を示す側面模式図であり、(B)は、参考例に係る凝集沈殿装置の構成の一例を示す上面模式図である。 参考例に係る凝集沈殿装置の構成の他の一例を示す側面模式図である。 (A)は、本実施形態に係る凝集沈殿装置の構成の一例を示す側面模式図であり、(B)は、本実施形態に係る凝集沈殿装置の構成の一例を示す上面模式図である。 実施例及び比較例で使用した処理装置の構成を示す模式図である。
本実施形態では、汚泥循環法を用いたフッ素含有水の処理に基づいて、本実施形態に係る凝集沈殿装置を説明する。本実施形態の凝集沈殿装置は本発明を実施する一例であって、本発明は、汚泥循環法を用いたフッ素含有水の処理に限定されるものではない。
図1は、フッ素含有水の処理装置の構成の一例を示す模式図である。図1に示すように、フッ素含有水の処理装置1は、カルシウム反応槽10、無機凝集反応槽12、高分子凝集反応槽14、凝集沈殿装置16、汚泥再生槽18を備える。
カルシウム反応槽10には、被処理水であるフッ素含有水を供給するフッ素含有水供給ライン20が接続され、カルシウム剤を供給するカルシウム剤供給ライン22が接続されている。そして、カルシウム反応槽10内において、フッ素含有水とカルシウム剤とが反応してフッ化カルシウムが形成される。また、本実施形態では、カルシウム反応槽10には苛性ソーダ等のpH調整剤を供給するpH調整剤添加ライン24が接続され、また、カルシウム反応槽10内には撹拌装置26が設置されているが、これらは任意である。なお、カルシウム反応槽10の前段に、pH調整槽を設け、被処理水とカルシウム剤との混合液のpHを調整(例えば、pH7に調整)した上で、カルシウム反応槽10に供給してもよい。
本実施形態におけるフッ素含有水は、フッ素を含むものであれば、如何なる由来の水であっても良く、例えば、半導体関連産業をはじめとする電子産業、発電所、アルミニウム工業等から排出される排水が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
カルシウム剤としては、フッ化カルシウムを生成させることができるものであれば特に制限されるものではなく、水酸化カルシウム、塩化カルシウム、炭酸カルシウム等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
フッ化カルシウム形成後、フッ化カルシウムを含む第1処理水は、第1処理水供給ライン28を介して、無機凝集反応槽12に供給される。無機凝集反応槽12には、アルミニウム塩等の無機凝集剤を供給する無機凝集剤添加ライン30が接続されている。そして、無機凝集反応槽12内では、無機凝集剤により、カルシウム剤と反応しきれずに残留したフッ素が吸着されると共に、被処理水中のフッ化カルシウムが凝集・フロック化される。また、無機凝集反応槽12内には、撹拌装置32が設置されているが、この撹拌装置32の設置は任意である。さらに、無機凝集反応槽12には、汚泥循環ライン34が接続されており、汚泥循環ライン34を介して後述する再生汚泥が無機凝集反応槽12に供給される。なお、汚泥循環ライン34は、上記説明したカルシウム反応槽10に接続され、カルシウム反応槽10に再生汚泥が添加されてもよい。
アルミニウム塩等の無機凝集剤としては、フッ化カルシウムを凝集・フロック化させることができる凝集剤として機能するものであれば、任意の公知のものを使用することができ、例えば、PAC、硫酸バンド等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
次に、凝集フロック化したフッ化カルシウムを含む第2処理水は、第2処理水供給ライン36を介して、高分子凝集反応槽14に供給される。高分子凝集反応槽14には、高分子凝集剤を供給する高分子凝集剤添加ライン38が接続されている。高分子凝集剤添加ライン38から供給される高分子凝集剤が高分子凝集反応槽14内で、第2処理水に添加、混合されることにより、第2処理水中のフッ化カルシウムの凝集性をさらに高めることができる。これにより、無機凝集反応槽12では凝集しなかった微細なフッ化カルシウム(懸濁物質)が凝集・フロック化される。また、高分子凝集反応槽14内には、撹拌装置40が設置されているが、この撹拌装置40の設置は任意である。
高分子凝集剤としては、無機凝集反応槽12において無機凝集剤を添加することにより生じるフッ化カルシウムの凝集性をさらに向上させる任意の高分子を使用することができ、例えば、アニオン性高分子有機凝集剤、ノニオン性高分子有機凝集剤及びカチオン基を有する高分子有機凝集剤を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
アニオン性高分子有機凝集剤としては、例えば、アルギン酸又はその塩、カルボキシメチルセルロース、アクリル酸又はその塩の重合物、アクリル酸又はその塩とアクリルアミドとの共重合物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、ノニオン性高分子有機凝集剤としては、例えば、アクリルアミドの重合物等が挙げられるが、これに限定されるものではない。また、カチオン基を有する高分子有機凝集剤としては、例えば、カチオン性有機凝結剤、カチオン性高分子有機凝集剤及び両性高分子有機凝集剤等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
高分子凝集反応槽14で凝集フロック化されたフッ化カルシウムを含む第3処理水は、第3処理水供給ライン42を介して、凝集沈殿装置16に供給される。凝集沈殿装置16の構成及び動作については後で詳述するが、槽内では、第3処理水中のフッ化カルシウムが汚泥として槽底部に堆積し、第3処理水は、槽内に形成されるスラリブランケット層を通過して、清澄化され、最終処理水となる。最終処理水は、凝集沈殿装置16に接続された処理水排出ライン44から取り出される。
また、凝集沈殿装置16の底部には、汚泥引き抜きライン46が接続されている。また、汚泥引き抜きライン46には、汚泥引き抜きポンプ48が設けられている。そして、汚泥引き抜きポンプ48を稼働させることにより、汚泥引き抜きライン46から槽底部に堆積したフッ化カルシウムを含む汚泥が引き抜かれる。汚泥引き抜きライン46は、汚泥貯槽50に接続されており、汚泥引き抜きライン46を流れる汚泥の一部が汚泥貯槽50に供給される。
また、詳細は後述するが、汚泥引き抜きライン46には、汚泥返送ライン47が接続されており、汚泥引き抜きライン46を流れる汚泥の一部が、汚泥返送ライン47を通り、凝集沈殿装置16内に返送される。
さらに、汚泥引き抜きライン46には、汚泥循環ライン34が接続されており、汚泥引き抜きライン46を流れる汚泥の一部が、汚泥循環ライン34を通り、汚泥再生槽18で再生処理され、再生汚泥として無機凝集反応槽12(又はカルシウム反応槽10)に返送される。汚泥循環ライン34に介装されている汚泥再生槽18には、酸又はアルカリの再生汚泥剤を添加する再生汚泥剤添加ライン52が接続されている。そして、再生汚泥剤添加ライン52から汚泥再生槽18へ再生汚泥剤が添加され、汚泥と再生汚泥剤とが混合されて再生処理される。なお、汚泥再生槽18内には、撹拌装置54が設置されているが、この撹拌装置54の設置は任意である。
再生処理に使用する再生汚泥剤として酸を使用する場合、使用する酸は特に制限されるものではなく、例えば、塩酸、硫酸、硝酸等が挙げられる。また、再生汚泥剤としてアルカリを使用する場合、使用するアルカリは特に制限されるものではなく、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム等が挙げられるが、再生処理には水酸化カルシウムを使用することが好ましい。これは、水酸化カルシウムをカルシウム源として使用することができ、水酸化カルシウムによって、溶解したアルミニウムから脱離したフッ素をフッ化カルシウムにできるからである。
このようにして、フッ素含有水の処理が行われるが、以下に、凝集沈殿装置の構成及び動作を具体的に説明する。
図2(A)は、参考例に係る凝集沈殿装置の構成の一例を示す側面模式図であり、図2(B)は、参考例に係る凝集沈殿装置の構成の一例を示す上面模式図である。図2(A),(B)に示すように、凝集沈殿装置16aの沈殿槽56は円筒形とされ、沈殿槽56の底部は中央に向かって低位となるホッパ状とされている。また、底部の中央には、汚泥を溜めるピット58が設けられている。なお、沈殿槽56の形状は円筒形に限られず、多角形状等であってもよい。
凝集沈殿装置16aの沈殿槽56内には、チャンバ60が設けられている。チャンバ60は、円筒体であって、沈殿槽56の中心部に配置される。そして、チャンバ60に第3処理水供給ライン42が接続されている。
チャンバ60の下端には、チャンバ60内を挿通するシャフト62に固定されたディストリビュータ64が設けられている。ディストリビュータ64は、モータ66の駆動により回転される。ディストリビュータ64は、複数の吹き出し管68を有しており、各吹き出し管68の下部には、チャンバ60内の被処理水を沈殿槽56内の下方に向かって吐出させる複数の吹き出し孔70が形成されている。
沈殿槽56内には、ディストリビュータ64の吹き出し孔70の下方に設置され、ディストリビュータ64と共に回転する阻流板72が設けられている。この阻流板72は、支持体73(図2(B))を介してディストリビュータ64に吊り下げ固定され、吹き出し孔70の直下に配置されている。
底部の中央に設けられるピット58には、汚泥引き抜きライン46が接続されている。そして、汚泥引き抜きライン46には、汚泥引き抜き手段としての汚泥引き抜きポンプ48が設けられている。また、汚泥引き抜きライン46と沈殿槽56との間には、汚泥返送手段としての汚泥返送ライン47aが接続されている。但し、汚泥返送ライン47aの沈殿槽56側端部は、阻流板より高い位置の槽内に配置されている。
次に、本実施形態に係る凝集沈殿装置16aの動作について説明する。
まず、第3処理水供給ライン42から沈殿槽56のチャンバ60内に凝集フロック化したフッ化カルシウムを含む第3処理水(被処理水)を供給する。そして、チャンバ60内の第3処理水を回転するディストリビュータ64の吹き出し孔70から阻流板72(ステージ面72a)上に吐出させ、上昇流を発生させる。第3処理水の上昇流において、粗大な凝集フロックは重力により沈降分離して、沈殿槽56の底部に堆積し、汚泥を形成する。また、沈殿槽56の中間部に、フッ化カルシウム等からなる懸濁・流動状態のスラリブランケット層Aを形成する。スラリブランケット層Aにより、第3処理水の上昇流に含まれる微細な懸濁物質が捕捉される。そして、スラリブランケット層Aを通過した第3処理水は、懸濁物質、凝集フロックが除去された清澄な上澄水Bとなる。そして、沈殿槽56の上部の上澄水を処理水排出ライン44から取り出す。本実施形態では、阻流板72により、吹き出し孔70から吐出される第3処理水が、槽底部に堆積した汚泥に吹き付けられ、汚泥が巻き上げられることが防止されるため、汚泥の固形物の低濃度化を抑制することが可能となる。
また、装置の停止時には、スラリブランケット層Aを形成する懸濁物質が阻流板72(ステージ面72a)上に汚泥として堆積する。そのため、装置の稼働時には、吹き出し孔70から吐出される第3処理水が、阻流板72(ステージ面72a)上に堆積した汚泥に吹き付けられるため、早期にスラリブランケット層Aを形成することが可能となる。これにより、清澄な上澄水(最終処理水)を早期に得ることができる。
さらに、本実施形態では、装置の稼働時に、汚泥引き抜きポンプ48を稼働させ、沈殿槽56の底部に堆積した汚泥を、汚泥引き抜きライン46から引き抜き、そして、汚泥返送ライン47aの開閉弁を開放して、汚泥返送ライン47aから、阻流板72上方の槽内へ汚泥を供給する。これにより、汚泥は被処理水の上昇流に運ばれ、スラリブランケット層Aの形成に寄与するため、阻流板72上に堆積した汚泥のみによるスラリブランケット層Aの形成よりも、より早期にスラリブランケット層Aを形成することが可能となる。
次に、各部の構成について説明する。
本実施形態のディストリビュータ64は、モータ66の駆動により回転している。そして、ディストリビュータ64が回転することにより、槽内への被処理水の均一分散性が保たれる。したがって、槽内に形成されるスラリブランケット層Aの界面の乱れが少なくなり、良好な処理水質を得ることが可能となる。
本実施形態のディストリビュータ64の吹き出し孔70は、被処理水を下方に向かって吐出するように開口させることが好ましく、これにより、沈殿槽56内の汚泥により閉塞され難くなる。ディストリビュータ64の回転速度は、沈殿槽56内への被処理水の均一分散性の点から、0.2rpm〜2rpmの範囲であることが好ましい。ディストリビュータ64の回転速度が0.2rpm未満であると、被処理水の均一分散性が低下する場合があり、2rpmを超えると、モータ66の容量が大きくなり処理コストが高くなる場合や、モータ66に過大な負荷が掛かり故障の原因となる場合がある。
本実施形態の吹き出し管68は、少なくとも2本以上であることが好ましく、また、回転のバランスをとるために、ディストリビュータ64を中心に対称の位置に配置することが可能な偶数本であることがより好ましい。具体的には処理水量にもよるが、被処理水を吹き出し孔70から勢いよく吐出させて、阻流板72に堆積する汚泥を浮遊させることができる点で、2〜8本が好適である。また、吹き出し管68の径は、処理水量にもよるが、細すぎると、被処理水中のフロックにより管が閉塞する可能性があること、圧力損失が大きくなること等から、40mm以上が好ましい。また、吹き出し管68の水平方向の長さは、特に制限されるものではないが、沈殿槽56の径が大きい場合には、被処理水が槽内全体に均一分散するように、複数の吹き出し管68のうち、一部の吹き出し管68の水平方向の長さを変えることが好ましい。
本実施形態のように吹き出し孔70の下方に阻流板72を設けることにより、吹き出し孔70から吐出される被処理水を阻流板72にぶつけて、槽内全体に分散する上昇流を作り出すことができるため、吹き出し管68の数を少なく、吹き出し管68の径を大きくすることができる。その結果、沈殿槽56内の汚泥によって、吹き出し孔70の閉塞は極めて生じ難くなる。また、上記構成により、装置の稼働停止時において、吹き出し孔70から吐出される被処理水が、阻流板72のステージ面72aに堆積する汚泥を直ちに浮遊させ、スラリブランケット層Aを早期に形成させることが可能となり、再起動後すぐに良好な処理水質を得ることができる。また、本実施形態では、阻流板72により、吹き出し孔70から吐出される被処理水が、槽底部に堆積した汚泥に直接噴射されることが抑制される。その結果、槽底部に堆積する汚泥の固形分濃度を向上させることが可能となる。
阻流板72の形状は、吹き出し孔70から吐出される被処理水が全て当たる形状であること、製造が容易であることから、円形、正方形等の形状が好ましい。また、吹き出し孔70から吐出される被処理水が槽内全体に分散する上昇流となるように、阻流板72は、吹き出し孔70から下方に所定の間隔をあけて配置されることが好ましく、例えば、吹き出し孔70の断面積の1倍〜5倍の間隔をあけて配置されることが好ましい。
また、阻流板72の面積は、吹き出し孔70から吐出される被処理水が、槽底部に堆積した汚泥に直接噴射されることが抑制される大きさであれば特に制限されるものではないが、少なくとも吹き出し孔70の断面積と同等以上であることが好ましく、吹き出し孔70の断面積の2倍以上であることがより好ましい。但し、阻流板72の面積を大きくし過ぎると、槽内の凝集フロックが阻流板72に遮られて、槽底部に遅滞なく移動できなくなる。そのため、阻流板72の面積は、沈殿槽56の水平断面積に対して50%以下であることが好ましい。
本実施形態では、槽底部に堆積した汚泥の一部を被処理水の上昇流にのせて、スラリブランケット層Aを早期に形成させる目的で、引き抜いた汚泥の一部を阻流板72より高い位置の槽内に返送する場合、図2に示すように、汚泥返送ライン47aの槽内側端部を阻流板72より上方に配置させ、汚泥返送ライン47aから直接槽内に汚泥を供給してもよいし、例えば、汚泥返送ライン47aの槽内側端部をチャンバ60に接続して、汚泥返送ライン47aからチャンバ60を介して槽内に汚泥を供給してもよい。このような構成でも、返送された汚泥は、被処理水の上昇流により沈殿槽56上方に運ばれるため、装置の稼働時において、スラリブランケット層Aを早期に形成させることができる。特に、装置の稼働時において、阻流板72上に堆積した汚泥のみによってスラリブランケット層Aを形成させるより、引き抜いた汚泥を汚泥返送ラインから沈殿槽56内へ返送してスラリブランケット層A形成する方が、より速やかにスラリブランケット層Aを形成することができる。
また、図2に示すように、汚泥返送ラインから直接槽内に汚泥を供給する場合には、汚泥返送ライン47aの槽内側端部を阻流板72より上方に配置させることが好ましい。これにより、汚泥による最終処理水の汚染を抑制することができる。
本実施形態では、引き抜いた汚泥の一部を阻流板72より高い位置の槽内に返送する例を説明したが、槽底部に堆積した汚泥の一部を被処理水の上昇流にのせて、スラリブランケット層Aを早期に形成させるには、引き抜いた汚泥の一部を槽内に導入される被処理水に返送してもよい。以下にその一例を説明する。
図3は、参考例の他の形態に係る凝集沈殿装置の構成の一例を示す側面模式図である。図3に示す凝集沈殿装置16bにおいて、図2に示す凝集沈殿装置16aと同様の構成については、同一の符合を付しその説明を省略する。凝集沈殿装置16bでは、汚泥返送ライン47bが、汚泥引き抜きライン46から第3処理水供給ライン42へ接続されている。したがって、汚泥引き抜きポンプ48を稼働させ、槽底部から引き抜かれた汚泥は、汚泥引き抜きライン46から汚泥返送ライン47bを通り、第3処理水供給ライン42に供給される。汚泥は、被処理水と共にチャンバ60を介して槽内に供給される。そして、汚泥は、被処理水と共に上昇流となって、スラリブランケット層Aが形成される。このような構成によっても、装置の稼働時において、阻流板72上に堆積する汚泥のみでスラリブランケット層Aを形成するよりも、より速くスラリブランケット層Aを形成させることが可能となる。
また、本実施形態において、沈殿槽56の底部には、沈殿槽56の底部に堆積した汚泥を掻き寄せるスクレーパ76が設けられることが好ましい。特に沈殿槽56の径が大きい場合には、スクレーパ76を設置することにより、汚泥を高濃度で遅滞なく排出することができる。スクレーパ76は、シャフト62に固定されており、ディストリビュータ64と共に回転する。そして、スクレーパ76が回転することにより、沈殿槽56の底部に堆積した汚泥が、槽中央のピット58に掻き寄せられる。
図4(A)は、本実施形態に係る凝集沈殿装置の構成の他の一例を示す側面模式図であり、図4(B)は、本実施形態に係る凝集沈殿装置の構成の他の一例を示す上面模式図である。これまで、図2又は3に示すように、ディストリビュータ64は、水平方向に延びた吹き出し管68と、吹き出し管68の長手方向に沿って形成されている吹き出し孔70と、を備えているものを例として説明したが、必ずしもこれに制限されるものではない。例えば、図4に示す凝集沈殿装置16cのように、吹き出し孔84が吹き出し管82の端面に設けられ、そして、吹き出し管82は、吹き出し孔84と阻流板72とが対向するように(すなわち、吹き出し孔84とステージ面72aとが対向するように)、チャンバ60の下端部から阻流板72(ステージ面72a)に向かって下方に延びている構成のディストリビュータ80であってもよい。なお、本実施形態では、吹き出し管82が屈曲しているが、これに制限されるものではない。図4に示す構成のディストリビュータ80は、図2に示す構成のディストリビュータ64と比較して、ディストリビュータ80上又はディストリビュータ80内に汚泥が堆積し難いため、吹き出し孔84の閉塞が抑制される。
沈殿槽56には、槽内に形成されるスラリブランケット層Aの界面位(界面の高さ)を検出することができる界面位計78が設置されている。界面位計78と汚泥引き抜きライン46に設けられる汚泥引き抜きポンプ48とは電気的に接続されている。界面位計78は、沈殿槽56内に形成されるスラリブランケット層Aの界面位を検出することができるものであれば特に制限されるものではないが、超音波を発してからその対象物に反射してセンサに戻ってくるまでの時間をもとに、沈殿槽56内のスラリブランケット層Aの界面位を計測する超音波式界面位計であることが好ましい。
次に、本実施形態に係る凝集沈殿装置16cの動作を説明する。図4に示す凝集沈殿装置16cにおいて、懸濁物質、凝集フロックを沈降分離させ、スラリブランケット層Aを形成して被処理水を清澄化する処理については、上記図2の凝集沈殿装置16aに基づいて説明した処理と同様である。ここでは、スラリブランケット層Aの界面位に応じて、槽底部に堆積した汚泥の引き抜き量を調整する手段について説明する。
本実施形態では、装置の稼働時に、汚泥引き抜きポンプ48を稼働させ、沈殿槽56の底部に堆積した汚泥を汚泥引き抜きライン46から引き抜く。但し、本実施形態の汚泥引き抜きポンプ48は、界面位計78により検出されるスラリブランケット層Aの界面位(界面の高さ)に基づいて、沈殿槽56の底部に堆積した汚泥の引き抜き量を調整することができる機能を有する。これによって、スラリブランケット層Aの界面位を一定の範囲に維持することができ、安定した処理水質を得ることができる。具体的には、沈殿槽56内のスラリブランケット層Aの界面位が所定の高さに達したことを界面位計78で検知したときに、汚泥引き抜きポンプ48を一定時間稼働させたり、所定の高さまで界面位が低下するまで汚泥引き抜きポンプ48を稼働させたり、所定の高さまで界面位が低下するまで、汚泥引き抜きポンプ48の稼働−停止のサイクルを繰り返すこと等により、行われる。また、汚泥引き抜きライン46に開閉弁を設置し、汚泥引き抜きポンプ48の稼働に変えて、開閉弁の開度によって、汚泥の引き抜き量の調整を行ってもよい。すなわち、沈殿槽56内のスラリブランケット層Aの界面位が所定の高さに達したことを界面位計78で検知したときに、開閉弁を一定時間開放させたり、所定の高さまで界面位が低下するまで開閉弁を開放させたり、所定の高さまで界面位が低下するまで、開閉弁の開放−開閉のサイクルを繰り返すこと等により、行ってもよい。
ここで、沈殿槽56内に形成されるスラリブランケット層Aの界面位の高さは、被処理水中の除去対象物質の性状等によって変わるが、良好な処理水質(SS、濁度)を得るには、阻流板72から0.7m以上であることが好ましい。スラリブランケット層Aの界面位の高さの上限は特に制限されないが、スラリブランケット層Aの界面位の高さを必要以上に高くすると、その分だけ沈殿槽56を高くする必要があり、沈殿槽56の製作費増大等の影響を与えるため、スラリブランケット層Aの界面位の高さは、阻流板72から2m以下であることが好ましい。
以下、実施例および参考例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
図5は、実施例及び比較例で使用した処理装置の構成を示す模式図である。図5に示す処理装置は、被処理水、ポリ塩化アルミニウム(PAC)、水酸化ナトリウムを混和し、フッ化カルシウムを凝集・フロック化させる無機凝集反応槽86と、無機凝集反応槽86により得られる処理水と有機ポリマー(アニオン性ポリアクリルアミド)とを混和し、フロックを成長させる高分子凝集反応槽88と、高分子凝集反応槽88により得られる処理水を沈降分離処理する凝集沈殿装置と、を備える。凝集沈殿装置は、高分子凝集反応槽88の後段に、実施例1の凝集沈殿装置90、比較例1の凝集沈殿装置92、比較例2の凝集沈殿装置94を並列に設置し、高分子凝集反応槽88により得られる処理水を各凝集沈殿装置に分配供給した。実施例1の凝集沈殿装置90は、図4に示した装置と同様の装置である。比較例1の凝集沈殿装置92は、阻流板72を設置しないこと、汚泥返送ライン47aを設置しないこと以外は図2に示した装置と同様の装置である。比較例2の凝集沈殿装置94は、ディストリビュータ64と槽底部に堆積した汚泥を掻き寄せるスクレーパ76とを一体化させたこと以外は比較例1の装置と同様の装置である。
実施例1、比較例1,2の凝集沈殿装置の汚泥引き抜きライン46には、引き抜いた汚泥の固形物濃度を検出する超音波式汚泥濃度計96、汚泥の引き抜き量を検出する積算流量計98を介装した。また、槽内に形成されるスラリブランケット層の界面位を界面位計78により測定し、界面位が、槽底部中心から2mの高さを維持するように、槽底部に堆積した汚泥を引き抜いた。
<処理条件>
被処理水:フッ化カルシウム粒子が200mg/L懸濁した地下水(SS:200mg/L)
被処理水流量:16.5m/h(ポンプにより調整)
凝集沈殿装置への処理水流量:5.5m/h(LV5.0m/h)
無機凝集反応槽へのPAC添加量:300mg/L
無機凝集反応槽pH:7.0
高分子凝集反応へのアニオン性ポリアクリルアミド添加量:2.5mg/L
実施例1、比較例1,2では、12時間被処理水通水−12時間停止を1サイクルとし、これを10サイクル行った。なお、通水停止後でも、汚泥の流動性を損なわないように、スクレーパは極力回転させたままとした。さらに、実施例1では、上記通水サイクルの処理条件において、各サイクルの通水開始後3分間、汚泥を汚泥返送ラインから槽内へ返送した。
<試験装置>
無機凝集反応槽サイズ:1.5m
高分子凝集反応槽サイズ:1.5m
凝集沈殿装置槽サイズ:φ1.2m×4.0m(4.5m、有効沈殿面積1.1m
被処理水通水時において、各凝集沈殿装置から引き抜いた汚泥の固形物濃度と引き抜き量の平均値を表1にまとめた。表1から判るように、実施例1の凝集沈殿装置から引き抜いた汚泥の固形物濃度が最も高く28000mg/Lであり、比較例1の凝集沈殿装置から引き抜いた汚泥の固形物濃度は25000mg/Lと実施例1と比較してやや低く、比較例2の凝集沈殿装置から引き抜いた汚泥の固形物濃度は17000mg/Lと実施例1と比較してかなり低かった。これに伴って、汚泥の引き抜き量は、実施例1の凝集沈殿装置が最も少なく、次いで比較例1の凝集沈殿装置が少なく、そして、比較例2の凝集沈殿装置が最も多かった。
実施例1の凝集沈殿装置のように、ディストリビュータの直下に阻流板を設けることにより、底部に堆積した汚泥は、ディストリビュータから吐出される被処理水の噴流による乱れをほとんど受けずに濃縮されるため、実施例1の凝集沈殿装置から引き抜かれる汚泥の固形物濃度は高くなる。一方、比較例1の凝集沈殿装置は、ディストリビュータが槽底部から離れているが阻流板が設けられていないため、底部に堆積した汚泥は、ディストリビュータから吐出される被処理水の噴流による乱れを若干受ける。そのため、比較例1の汚泥の固形物濃度は実施例1より低くなる。また、比較例2の凝集沈殿装置は、ディストリビュータが槽底部付近にあるため、底部に堆積した汚泥は、ディストリビュータから吐出される被処理水の噴流により巻き上げられる。そのため、比較例2の凝集沈殿装置では、汚泥の濃縮が十分に進まず、汚泥の固形物濃度は最も低い値となる。これらのことから、実施例1の凝集沈殿装置は、比較例1,2の凝集沈殿装置より汚泥を十分濃縮して、高い濃度で引き抜くことができ、それに伴い引き抜き汚泥量も少なくすることができるため、後段に設置する汚泥貯槽の容量を小さくすることが可能となる。
Figure 0005143762
被処理水通水時において、各凝集沈殿装置から得られる上澄水(最終処理水)のSS及び濁度の平均値を表2にまとめた。この平均値は、通水開始後1時間までの値を除いた平均値である。実施例1の凝集沈殿装置から得られる上澄水のSS及び濁度は、比較例1,2と同程度であった。すなわち、実施例1の凝集沈殿装置は、従来型の凝集沈殿装置と同等のSS除去性能を有することが示された。
Figure 0005143762
12時間停止後再起動時における処理水の最高濁度と濁度が0.3度に低下するまでに掛かる時間(9サイクルの平均値)を表3に示す。処理水最高濁度は、実施例1の凝集沈殿装置が最も低く1.7度であり、次いで比較例2の凝集沈殿装置の1.8度であった。そして、比較例1の凝集沈殿装置が最も高く3.2度であった。また、処理水濁度が0.3度に低下するまでに掛かる時間は、実施例1の凝集沈殿装置が最も短く3分であり、次いで比較例2の凝集沈殿装置の5分であった。そして、比較例1の凝集沈殿装置が最も長く12分であった。
実施例1及び比較例2の凝集沈殿装置では、ディストリビュータから吐出される被処理水の噴流により、ディストリビュータ付近の汚泥(実施例1の凝集沈殿装置では阻流板に堆積した汚泥、比較例2の凝集沈殿装置では槽底部に堆積した汚泥)が直ちに巻き上げられ、速やかにスラリブランケット層が形成される。そのため、再起動時でも、スラリブランケット層によるSS・濁度除去性能が早期に発揮される。特に、実施例1の凝集沈殿装置では、汚泥返送ラインから供給される汚泥がスラリブランケット層の形成に寄与しているため、比較例2の凝集沈殿装置よりも速やかにスラリブランケット層を形成させることが可能となる。一方、比較例1の凝集沈殿装置の場合では、長時間の停止により、スラリブランケット層を形成する汚泥がディストリビュータより離れた槽底部に沈んでしまっているため、再起動時では、直ちにスラリブランケット層を形成することができない。そのため、一時的に高い濁度を示し、また濁度が0.3度に低下するまでに掛かる時間も長くなる。
Figure 0005143762
次に、通水サイクル10サイクル後、各凝集沈殿装置内のディストリビュータの吹き出し孔の閉塞状況を確認した。その結果、実施例1の凝集沈殿装置及び比較例1の凝集沈殿装置では、吹き出し孔の閉塞は見られなかったが、通水停止時に吹き出し孔が汚泥に埋もれやすい比較例2の凝集沈殿装置では、16個の吹き出し孔のうち2個の吹き出し孔が閉塞していた。
以上のように、実施例1の凝集沈殿装置は、比較例1,2の凝集沈殿装置のような従来型の凝集沈殿装置と同等の処理性能を保持しつつ、従来型の凝集沈殿装置の問題点、すなわち、汚泥の固形分濃度の低下、再起動時における良好な処理水質の早期確保、吹き出し孔の閉塞等といった問題点を解決することができた。
実施例2は、図1に示す処理装置と同様の装置(凝集沈殿装置は図4に示すもの)を用いて、フッ素含有水の処理を行った。また、比較例3においては、実施例2で用いた凝集沈殿装置を比較例2で用いた凝集沈殿装置に変更したこと以外は、実施例2と同様にフッ素含有水の処理を行った。
<処理条件>
被処理水:フッ素イオンが100mg/L懸濁した水(SS<1mg/L)
被処理水流量:5.5m/h
凝集沈殿装置のLV:5.0m/h
汚泥循環ラインを通る汚泥循環量:0.5m/h
カルシウム反応槽への塩化カルシウム添加量:1300mg/L
無機凝集反応槽へのPAC添加量:200mg/L
無機凝集反応槽pH:7.0
高分子凝集反応槽へのアニオン性ポリアクリルアミド添加量:2.0mg/L
高分子凝集反応槽pH:7.0
凝集沈殿装置の底部に堆積した汚泥の引き抜き:槽内に形成されるスラリブランケット層の界面の高さが、槽底部中止から2mの高さを維持するように、汚泥を引き抜いた。
実施例2、比較例3では、12時間被処理水通水−12時間停止を1サイクルとし、これを10サイクル行った。なお、通水停止後でも、汚泥の流動性を損なわないように、スクレーパは極力回転させたままとした。さらに、実施例2では、上記通水サイクルの処理条件において、各サイクルの通水開始後3分間、汚泥を汚泥返送ラインから槽内へ返送した。
<試験装置>
カルシウム反応槽サイズ:1.5m
無機凝集反応槽サイズ:1.5m
高分子凝集反応槽サイズ:1.5m
凝集沈殿装置槽サイズ:φ1.2m×4.0m(4.5m、有効沈殿面積1.1m
汚泥再生槽:0.3m
汚泥貯槽:3m
実施例2及び比較例3の凝集沈殿装置から引き抜かれた汚泥の固形物濃度、実施例2及び比較例3の凝集沈殿装置から得られた上澄水(最終処理水)に残留するフッ素イオン濃度及びSSを表4にまとめた。表4から判るように、実施例2の凝集沈殿装置から引き抜いた汚泥の固形物濃度は、59000mg/Lであるのに対し、比較例3の凝集沈殿装置から引き抜いた汚泥の固形物濃度は、33000mg/Lであった。したがって、実施例2では、必然的に汚泥再生槽により凝集能力が再生されたアルミニウム濃度が、比較例3よりも高くなる。その結果、比較例3の凝集沈殿装置から得られた上澄水のフッ素イオン濃度は7.8mg/Lであるのに対し、実施例2の凝集沈殿装置から得られた上澄水のフッ素イオン濃度は、比較例3よりも低く、4.2mg/Lまで低減した。なお、上澄水のSSは、実施例2及び比較例3共に、同程度であった。
Figure 0005143762
1 処理装置、10 カルシウム反応槽、12,86 無機凝集反応槽、14,88 高分子凝集反応槽、16,16a,16b,16c,90,92,94 凝集沈殿装置、18 汚泥再生槽、20 フッ素含有水供給ライン、22 カルシウム剤供給ライン、24 pH調整剤添加ライン、26,32,40,54 撹拌装置、28 第1処理水供給ライン、30 無機凝集剤添加ライン、34 汚泥循環ライン、36 第2処理水供給ライン、38 高分子凝集剤添加ライン、42 第3処理水供給ライン、44 処理水排出ライン、46 汚泥引き抜きライン、47,47a,47b 汚泥返送ライン、48 汚泥引き抜きポンプ、50 汚泥貯槽、52 再生汚泥剤添加ライン、56 沈殿槽、58ピット、60 チャンバ、62 シャフト、64,80 ディストリビュータ、66 モータ、68,82 吹き出し管、70,84 吹き出し孔、72 阻流板、72a ステージ面、73 支持体、76 スクレーパ、78 界面位計、96 超音波式汚泥濃度計、98 積算流量計。

Claims (4)

  1. 槽内で、被処理水中の懸濁物質、凝集フロックを沈降分離させ、スラリブランケット層を形成して被処理水を清澄化する凝集沈殿装置であって、
    前記槽内に配設され、前記被処理水が導入されるチャンバと、前記チャンバの下端部に回転可能に配置され、前記チャンバ内の被処理水を前記槽内の下方に向かって吐出させる吹き出し孔が形成されている吹き出し管を有するディストリビュータと、前記吹き出し孔の下方に設置され、前記ディストリビュータと共に回転する阻流板と、を備え、
    前記阻流板は、装置の停止時には、前記懸濁物質を汚泥として堆積可能なステージ面を有し、前記ステージ面の面積は、前記吹き出し孔の断面積の2倍以上であって、前記槽の水平断面積の50%以下であり、前記ステージ面の幅は前記吹き出し管の幅より大きく、
    前記吹き出し孔は前記吹き出し管の端面に設けられ、前記吹き出し管は、前記吹き出し孔が前記阻流板の前記ステージ面と対向するように、前記チャンバの下端部から前記阻流板の前記ステージ面に向かって下方に延びていることを特徴とする凝集沈殿装置。
  2. 請求項1記載の凝集沈殿装置であって、前記槽内の底部に堆積した汚泥を槽外へ引き抜く汚泥引き抜き手段と、引き抜いた汚泥の一部を前記槽内に導入される被処理水又は前記阻流板より高い位置の槽内に返送する汚泥返送手段と、を備えることを特徴とする凝集沈殿装置。
  3. 請求項1又は2に記載の凝集沈殿装置であって、前記槽内の底部に堆積した汚泥を掻き寄せるスクレーパを備えることを特徴とする凝集沈殿装置。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の凝集沈殿装置であって、前記スラリブランケット層の界面位を検出する界面位計と、前記界面位計の検出値に基づいて、前記槽内の底部に堆積した汚泥の引き抜き量を調整する調整手段と、を備えることを特徴とする凝集沈殿装置。
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