JP6301860B2 - 沈殿槽及び沈殿処理方法 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、沈殿槽及び沈殿処理方法に関する。
昨今、工業の発達や人口の増加により水資源の有効利用が求められている。そのためには、工業廃水などの廃水の再利用が非常に重要である。これらを達成するためには水の浄化、すなわち水中から他の物質を分離することが必要である。
液体から微小な浮遊物質(SS)を分離する方法の一つとして沈降分離法がある。沈降分離法において浮遊物質の分離効率を向上させるためには、長方形あるいは円形の沈殿槽において、低速で均一な上昇流を発生させることが重要となる。そのため、フィードウェルから下降させた原水を上向流とし、沈殿槽上部から溢流する形式の沈殿槽が開発されている(特許文献1等参照)。
一方、このような沈殿槽においては、沈殿槽下部から、流入した原水を均一な上昇流に変える機構が必要となる。簡易な方法として、フィードウェル下方に構造体を設置し、水の流れを変えるものが一般的に用いられている(特許文献2等参照)。具体的には、フィードウェル下方にプレートを配設し、当該プレートにより、原水がプレート上面で衝突噴流を形成し、水平方向に流出するようにする。その後、主流は槽壁面で上昇流を形成し、傾斜板を通過して流出する。
この方法では、原水流出角度が水平方向であるため、沈殿槽底部の汚泥巻上げが発生しにくく、処理水水質を向上させる効果が得られると同時に、原水流出部をより低い位置に設定し、槽高さの低減を可能にする効果が得られる。また、主流が槽壁面付近を通るため、槽壁面付近にのみ設置した傾斜板がより大きな効果を与え、浮遊物質のリークを抑制する。
しかしながら、プレート上面での衝突噴流は、プレート近傍での局所的な高速流を形成してしまう。その結果、槽壁面での上昇流速が高速化し、実質的滞留時間を減少させてしまい処理水の水質を悪化させてしまうという問題がある。
また、沈殿槽底部付近の高速な噴流は周囲の流体を引き込む特性を持つため、沈殿槽底部の汚泥の巻き上げが発生しやすい。この衝突噴流速度は、フィードウェル下端とプレートの距離が一定以上離隔している場合には、処理流量とフィードウェル径によってのみ決定されるので、槽の直径、処理流量に合わせて流速を細かく調節することが不可能となっている。特に、流速を低下させるにはフィードウェルを大口径化させることが必要となるが、フィードウェルの外側に存在する分離面積の縮小につながるため、効果的な対策とは言えない。
特開平10−165714号公報 特開2006−281059号公報
本発明が解決しようとする課題は、流入管及び当該流入管の下方においてプレートを有する沈殿槽において、汚泥の巻き上げを生じることなく、槽壁面での原水の上昇速度を低減させ、当該原水の滞留時間を増大させて処理水の水質を向上させることである。
実施形態の沈殿槽は、被処理水中に含まれるフロックを沈殿分離するための沈殿槽であって、円柱状又は多角柱状の槽体と、前記槽体内において、前記槽体の軸方向下方に沿って前記被処理水を供給する流入管と、前記流入管から供給される被処理水の流れを2以上に分離する筒状の分流筒と、前記分流筒により分離された被処理水を、それぞれ衝突させることにより水平方向に分散させる複数の分散プレートと、を有する被処理水分配機構と、を備えることを特徴とする。
実施形態の沈殿処理方法は、上記沈殿槽を用いた沈殿処理方法であって、前記流入管から、前記流入口を介して前記槽体内に、フロックを含有する被処理水を供給する被処理水供給工程と、前記槽体内に供給された被処理水を、前記被処理水分配機構と衝突させ水平方向に分散させる被処理水分散工程と、前記水平方向に分散された被処理水中に含まれるフロックを沈降させるフロック沈降工程と、前記フロック沈降工程で沈降したフロックを、前記槽体の底部に沈殿させる沈殿工程と、を備えることを特徴とする。
第1の実施形態における沈殿槽の概略構成を示す断面図である。 図1に示す沈殿槽の被処理水分配機構を示す拡大斜視図である。 図2に示す被処理水分配機構の変形例を示す斜視図である。 第1の実施形態における、他の被処理水分配機構を有する沈殿槽の概略構成を示す断面図である。 第2の実施形態における沈殿槽の概略構成を示す断面図である。 図5に示す沈殿槽の被処理水分配機構を示す拡大斜視図である。 第2の実施形態における、他の被処理水分配機構を有する沈殿槽の概略構成を示す断面図である。 図5に示す被処理水分配機構の分流部材の変形例を示す側面図である。
以下、本実施形態における沈殿槽について、図面を参照しながら説明する。
〔第1の実施形態〕
図1は、第1の実施形態における沈殿槽の概略構成を示す断面図であり、図2は、図1に示す沈殿槽の被処理水分配機構を示す拡大斜視図である。また、図3は、図2の被処理水分配機構の変形例を示す斜視図であり、図4は図1における他の被処理水分配機構を有する沈殿槽の概略構成を示す断面図である。
図1に示すように、第1の実施形態の沈殿槽10は、槽体11と、槽体11の内部に配設され、該槽体11内に被処理水を供給する流入管12と、流入管12の流入口に配設され、被処理水の流れを分離する分流部材と分離された被処理水を水平方向に分散させる分散プレートとを有する被処理水分配機構13と、を備えてなる。
なお、槽体11の上端部には図中矢印で示すように、流入管12を介して槽体11内に被処理水を外部から供給する配管と、さらに、以下に説明するフロックの分離(沈殿)除去操作を実施して得られる処理水を外部に排出するための溢流堰14、流出管15が配設されている。
槽体11は円柱状又は多角柱状の形状をした槽である。この槽体11は、その壁面と底面とで構成される容器であり、内部に被処理水を貯留すると共に、フロックを沈殿させることが可能となっている。この槽体11は、内部に貯留する被処理水の流れを所定の方向に均一化できるよう、槽体11の中心軸を鉛直方向と一致するように配置する。このとき、槽体11を平面視したときの槽体の壁面の外形形状(図中上方あるいは下方から見た場合の形状)は円形状又は多角形状である。多角形状としては、正方形あるいは長方形などの矩形状であってもよいし、五角形以上の多角形状であってもよい。
なお、後述するように、槽体11内において被処理水をできるだけ均等に流れるようにすることがフロックを効率的に沈殿させることができる点で好ましい。そのため、槽体11の形状は、円形状であれば真円、多角形状であれば正多角形、の外形形状とすることがより好ましい。
また、槽体11の底部は、沈殿物を沈殿させ、効率的に回収できるように、底部中央が凹んだ形状であることが好ましい。このように凹んだ形状としては、円錐状又は多角錐状を上下逆さにした形状で底部中央が錐体の頂点であり最下部となるような形状がより好ましい。そして、この槽体11の底部の最下部には、槽体11の外部に沈殿物を排出できるよう排出口が設けられ、排出口には汚泥引抜管16が配設されている。
また、槽体11の大きさは処理すべき被処理水の量に応じて任意に調整することができる。この槽体11の大きさとしては、例えば、容量が20〜530m、内径が3〜15m、高さが2〜4m、のものが例示できる。
流入管12は、槽体11の内部に被処理水の流入口が設けられるように配設され、この流入管12から供給される被処理水は、流入口から槽体11の軸方向下方に沿って槽体11内に供給される。すなわち、流入口は槽体11の平面視形状においては、その槽体11の外形形状の中心部に位置し、槽体11の底部に向かって被処理水を供給するように設けられる。
さらに、この流入口は、槽体11の高さ方向においては、その中央部分よりも低い位置に設けられることが好ましい。中央部分よりも低い位置に設けることで、後述する被処理水の分散、分散後の上昇流の形成を十分に行うことができる。
また、流入管12の大きさは、被処理水の供給量にも係ってくるものであり、槽体11の大きさ等により適宜選択すればよい。この流入管12の径としては、例えば、槽体11の内径に対して0.1〜0.4倍の内径を有する配管が好ましい。
また、流入管12の中心部には、掻寄シャフト17が配設されている。掻寄シャフト17は、駆動モータ20により、槽体11の中心で回転する構成となっている。この掻寄シャフト17は、その下部に位置する支持部材18に連結されており、支持部材18には下方(槽体の底部)に向けて複数の掻寄板19が垂設されている。
掻寄シャフト17、支持板18及び掻寄板19は掻寄機構を構成し、この掻寄機構は、以下に説明するように、被処理水の処理後の沈殿物を槽体の底部中央に位置する排出口付近に掻寄せることができる。掻寄せられた沈殿物は、当該排出口から槽体11の外部に沈殿物を排出できるように構成されている。
被処理水分配機構13は、流入管12から供給される被処理水を水平方向に分散させるものであり、槽体11内に高速流が生じないように均等に分散させる構成とすることが好ましい。図2には、この被処理水分配機構13の一例を示した。図2に示すように、被処理水分配機構13は、分流部材13Aと分散プレート13Bとから構成されている。
この被処理水分配機構13においては、分流部材13Aは、主に被処理水の分流機能を担う分流筒13A−aと、その下端部に接続された円環状の分散プレート13A−bと、から構成されている。したがって、図2の被処理水分配機構13において、被処理水を水平方向に分散する分散プレートは、分散プレート13A−bと分散プレート13Bの2つである。
なお、分散プレート13A−bは開口部が形成された円環形状であり、分流筒13A−aの下端部の外周側に一体的に接続されている。すなわち、上方から供給される被処理水は分流筒13A−aにより2つの流れに分離され、そのうち分流筒13A−aの内側を流れる被処理水は、そのまま分流筒13A−aの内部を通過して、分散プレート13Bに衝突するようになっている。一方、分流筒13A−aの外側を流れる被処理水は、分流筒13A−aの外側面に沿って流れ、分散プレート13A−bに衝突するようになっている。
このように、分散プレート13A−bに衝突した被処理水は高い位置で、分散プレート13Bに衝突した被処理水は低い位置で、それぞれ分散されることになる。この被処理水の流れを図2に矢印で示した。
このように、分流筒13A−aにより被処理水の流れを分離することで、供給される被処理水の流束が外周側から順番に各分散プレートに衝突することとなる。分散プレートと衝突した被処理水は、それぞれ水平方向に外周側に向かって分散される。また、この分散は、分流した後、各分散プレートで段階的に行われるため、一度に衝突させて被処理水の流れを変更するのに比べ負荷が少なく、効率的に分散させることができる。
分流筒13A−aは、上記したように筒形状の部材であり、流入管12から供給される被処理水の流れを分離するものである。そのため、この分流筒13A−aは、被処理水を効率的に分流させるように、流入管12の流入口に、流入管12と平行に配設される。分流筒13A−aがこのように配設されることで、被処理水を、その流れに逆らうことなく、分流筒13A−aの内側と外側の2つの流れに円滑に分離できる。
このように分離された被処理水は、それぞれ沈殿に好ましい条件となるように槽体11内に供給されるようにすることが望まれる。槽体11内での上昇流の中で流速の速いところがあると、フロックの巻き上がりの発生の原因となり、沈殿処理自体が効率的にできなくなる恐れがあるので、槽体11内での上昇流をできるだけ均一にすることが好ましい。
したがって、上記被処理水分配機構13から分散する被処理水を槽体11内に、できるだけ均一に分散させることが好ましい。このように分散させるには、例えば、図2の分散プレート13A−bに衝突する被処理水をできるだけ槽体11の中心側(流入管12の外周付近)に、分散プレート13Bに衝突する被処理水をできるだけ槽体11の外周側(槽体11の壁面付近)に、それぞれ分散させるようにすれば、槽体11内において生じる上昇流の流速の差を小さくでき、槽体11のフロックの沈降を促進できる。
例えば、分流筒13A−aの外径は、流入管12の内径の0.5〜0.9倍とすることが好ましく、0.6〜0.7倍とすることがより好ましい。また、その他、沈殿を効率的に行う所望の条件が得られるように、分散プレート13A−b、13Bの外径、流入管12の流入口と分散プレート13A−bとの間隔、分散プレート13A−bと分散プレート13Bとの間隔、等を適宜設定すればよい。
このとき、分散プレート13A−bの外径は、流入管12の内径以上とするもので、流入管12の直径の1〜3倍が好ましい。また、分散プレート13Bの外径は、分流筒13A−aの内径以上とするもので、分流筒13A−aの内径の1〜4倍が好ましい。
さらに、分散プレート13A−bに開口部又はスリットを形成してもよい。図3には、図2に示した被処理水分配機構13の分散プレート13A−bに、開口部13A−cを設けた被処理水分配機構の変形例を示した。ここでは円形の複数の開口部を外径に沿って均等に形成する場合を例示している。このように分散プレート13A−bに開口部を設けることで、水平方向に分散させる被処理水の量を調整したり、分散プレート13A−bにかかる負荷を調整したり、することができる。
図3では、円形の開口部を設けた例を示したが、この開口部の形状は楕円形、多角形等のように任意の形状とでき、また、開口部を複数設ける場合に、その配列も分散プレートの外径に沿って均等に整列して設ける以外に、千鳥配列等の任意の配列とすることもできる。また、開口部以外にも、分散プレート13A−bの外周部分を切り欠いたスリットを設けた分散プレートとしてもよい。切り欠く場合、例えば、分散プレートの外周部を三角形、四角形、台形等に切り欠いた形状等の分散プレートとすることで被処理水の量や分散プレートの負荷を調整することもできる。
なお、分散プレート13A−bにかかる負荷ができるだけ均等になるように開口部又はスリットを設けることが好ましい。均等に設ける場合には、例えば、分散プレート13A−bを平面視した際に、2等分や4等分等の任意の領域に分割した際に、各領域にかかる負荷を同等のものとすることが考えられる。
これらの分流部材13A及び分散プレート13Bは、図示していない保持部材によりそれぞれが所定の位置関係になるように保持、固定される。さらに、この被処理水分配機構13は、流入管12の流入口との位置関係も重要であり、それぞれ鉛直方向に中心(軸)が一致するように配置、固定される。したがって、この被処理水分配機構13は、流入管12に固定されることが好ましい。
なお、後述する沈殿処理方法において詳細に説明するが、この被処理水分配機構13により、被処理水は水平方向に分散され、分散された被処理水は槽体11内において上昇流を形成する。また、水平方向に分散された被処理水が槽体11の壁面まで到達した場合、壁面に衝突した被処理水は、上昇流と下降流とに分かれることとなる。
溢流堰14は、槽体11内でフロックの沈降処理が行われ、被処理水を清浄化処理して得られた処理水を得るためのものであり、槽体11の上部に設けられる。この溢流堰14は、その上端部から溢れた処理水を収容できるように槽体11内に溝状に、一般に槽体11の壁面に沿って、設けられる。そして、溢流堰14に収容された処理水を流出管15により槽体11の外部に流出させる。このように得られた処理水はさらに他の処理を行う等してユースポイントへ送出される。
汚泥引抜管16は、槽体11の底部に沈殿し滞留した汚泥を槽体11の外部に排出する排出管である。この汚泥は、槽体11内においてフロックが塊状物となって沈降し、滞留した混合物である。この汚泥は、槽体11の底部に配設された掻寄機構の掻寄シャフト17を駆動モータ20により、支持板18に垂設された掻寄板19を回転させることによって底部中央(最下部)に掻き寄せられる。
さらに、沈殿槽10には被処理水中のフロックの沈殿効率を高めるための傾斜板を設けてもよい。この傾斜板は、被処理水分配機構13の水平面よりも高い位置であって、該水平面に対して主面を傾斜した状態で設けられる。また、傾斜板は、槽体11の内壁面の周方向に複数の傾斜板が整列して設けられる。この傾斜板は、水平面と角度θをなすようにして当該内壁面と接触させて固定されることが好ましく、角度θは、例えば40〜70度の範囲に設定することができる。
沈殿槽10を構成する上記した槽体11、流入管12、被処理水分配機構13等は任意の材料から構成することができるが、腐食性の被処理水を取り扱う場合は、ステンレスやプラスチックなどの材料から構成することができ、特に強度が要求されるような場合はステンレスから構成する。
また、本実施形態における“フロック”とは、浮遊物質を含む被処理水中に、例えば凝集剤などを添加するときに生じる、綿くず状の塊状物を意味するものである。
次に、図1及び図2に示す沈殿槽10を用いた被処理水の沈殿処理方法について説明する。最初に、沈降性のあるフロックを含む被処理水を流入管12に流入させると、被処理水は、流入管12の内部を一定流速で流通していき、流入口から槽体11内に供給され、槽体11内を満たすこととなる。その際、供給される被処理水は、槽体11の軸方向下方に向かって供給されるが、流入管12から槽体11に供給される前に(流入管12の内部において)分流部材13により分離される。より具体的には、分流筒13A−aにより、その分流筒13A−aの内側と外側に分離される。
分離された被処理水は、それぞれ流入管12の流入口の下方に位置する分散プレートに到達する。このとき、分流筒13A−aの外側に分離された被処理水は、分流筒13A−aの外側面に沿って流れ、分散プレート13A−bに衝突し、槽体11の壁面に向けて水平方向に分散される。また、分流筒13A−aの内側に分離された被処理水は、分流筒13A−aの筒内を通過し、分散プレート13Bに衝突し、槽体11の壁面に向けて水平方向に分散される。
その後、分散プレートから槽体11内に流入した被処理水の一部は上昇流を、一部は下降流を形成し、槽体11内を循環する。例えば、分散プレート13Bから槽体11内に流入した被処理水は、槽体11の内壁面に到達し、比較的多量のフロックを含む被処理水の一部は、槽体の内壁面に沿って上昇し、他の一部は下降する。上昇流中に含まれるフロックは、近くのフロックと塊状になる等しながら沈降し、また下降流中に含まれるフロックは、そのまま沈降する。このようにして沈降したフロックは、槽体11の分散プレート13Bよりも下方において汚泥として滞留するようになる。
なお、このとき、上昇流中に含まれるフロックを沈降させるには、上記したように上昇流の流速をできるだけ均一にすることが望ましい。
本実施形態の沈殿槽10では、従来と異なり、流入管12を下降してきた被処理水が、流入管12の下方に配設されたプレートに一度に衝突して水平方向に流出するのではない。沈殿槽10において、被処理水は、まず分流部材によりその流れが分離され、分離されたそれぞれの被処理水が異なる分散プレート13A−b及び13Bによって水平方向に分散されて、槽体11内に流入する。
したがって、被処理水分配機構13の各分散プレートの表面で局所的な高速流を形成してしまうことがなく、被処理水が槽体の内壁面に沿って上昇する際の上昇流速が高速化することを抑制できる。また、この被処理水分配機構13においては、被処理水を分離し、それぞれに対して垂直方向に異なる高さで段階的に分散して槽体11内へ流入させるため、流入部分における負荷も低減する。
結果として、被処理水の槽体11、すなわち沈殿槽10、内での流速分布を均一なものに近づけることができ、実質的滞留時間が短い流れの割合を低減することができる。そのため、沈殿槽10は、フロックを効果的に分離除去することができ、処理水の水質を悪化させてしまうという問題を回避することができる。
さらに、分散プレートに衝突する被処理水は、分流筒13A−aにより分離され、一旦分離された被処理水は分散前に交わることなく分散プレートに衝突するようになっているため、各被処理水の流れを安定させて処理を行うことができる。
また、従来のように被処理水分配機構13の近傍で高速流を発生させることがないので、槽体11、すなわち沈殿槽10の汚泥滞留部に滞留した汚泥の巻き上げをも抑制することができる。したがって、処理水中に汚泥が混入するのを抑制することができ、処理水の清浄化を促進することができる。
さらに、流入管12の下部と被処理水分配機構13とが一定以上離隔している場合においても、被処理水分配機構13における分流部材13Aの数及び間隔、並びに分流筒13A−aの大きさを適宜調節することによって、被処理水分配機構13から水平方向に分配する被処理水及び槽体11内を上昇する被処理水の流速を細かく調節することができる。例えば、被処理水分配機構13における分流部材13Aの数及び間隔を増大させ、分流筒13A−aの大きさを上方の分散プレートから下方の分散プレートに向かうにつれて順次狭小化するように、かつ、各分散プレートで水平方向に分散される被処理水量を調節すれば、槽体11、すなわち沈殿槽10、の大きさ及び処理水量に応じて細かく上記流速を調節(低下させる)することができる。なお、各分散プレートで分配される被処理水量は同程度とするか、各分散プレートの上側で分散される方が少ない流量となるようにすることが好ましい。
そして、被処理水分配機構13により水平方向に分散された被処理水は、槽体11の内壁面に向かって分散されるため、該内壁面と衝突する等により、フロックを含有したまま上昇流と下降流とに分かれる。下降流に含まれるフロックは、汚泥滞留部において沈降し、従来と同様に槽体の底部に滞留して、必要に応じて掻寄機構により排出口付近に集められ、汚泥引抜管16から排出される。
一方、上昇流に含まれるフロックは、被処理水の流れによって巻き上げられ、そのまま上方に移動する。上方に移動しながら、フロックは近くのフロックと塊状物を形成し、沈降する。また、このとき槽体11の内壁面に傾斜板を設けておくと、槽体11の内壁面に沿って上昇する被処理水は、この傾斜板に衝突し、傾斜板の下面に沿って流れる方向が変わる。これに対して、被処理水中に含まれるフロックは、被処理水が傾斜板に衝突すると、沈降を開始する。
このフロックの沈降の際、フロックは上昇流の流れの影響で傾斜板の上面に沈降することとなるが、効率的にフロックを分離するには、傾斜板を平面視したときに、一部が重なるように配置することが好ましく、重なりをできるだけ大きくすることがより好ましい。ただし、重なりを大きくしようとして、水平面に対する傾斜角度θを小さくしすぎると、上昇流の流れ方向が急激に変わることとなり乱流が発生したり、隣接する傾斜板同士の隙間を狭くしすぎてフロックが上昇流に巻き上げられやすくなる。その場合、十分にフロックが沈降できるように適宜条件を設定することが求められる。そして、傾斜板の上面に沈降したフロックは、傾斜板の上面を転がり落ち、下方へ移動する。下方に移動する際に、フロック同士が塊状物を形成し、この塊状となったフロックは、汚泥滞留部まで導かれる。フロックを塊状とすることで汚泥滞留部までの移動を円滑にできる効果もある。
したがって、本実施形態によれば、被処理水分配機構13の各分散プレートの表面で局所的な高速流を形成することがなく、被処理水が槽体11の内壁面に沿って上昇する際の上昇流速の高速化を抑制できる。この上昇流速の高速化の抑制により、実質的に滞留時間が短い被処理水の割合を低減でき、フロックの沈降による分離処理を十分に行うことができる。
槽体11の汚泥滞留部に滞留された汚泥及び傾斜板に滞留して汚泥滞留部に導入されたフロックの塊状物は、それぞれ汚泥の混合物として、槽体11の底部に配設された掻寄機構により、槽体11の底部中央に設けられた排出口付近に集められ、該排出口に接続された汚泥引抜管16により外部に排出される。掻寄機構は、掻寄シャフト17と、その下部に支持部材18と、この支持部材18に垂下して設けられた掻寄板19と、掻寄シャフト17を軸回転させることができる駆動モータ20により構成される。
一方、以上のような操作を経ることにより、沈殿槽10内に供給されたフロックを含む被処理水から当該フロックが分離除去された処理水は、槽体11の上部に配設された溢流堰14を超えて集められ、流出管15により外部に流出される。このように清浄化された処理水は、さらに所定の処理等を施されユースポイントに供給される。
以上説明したように、本実施形態では、槽体11内に被処理水分配機構13を配設するという簡易な槽内構造とした場合においても、被処理水中のフロックの分離(沈殿)効率を効果的に高めることができ、槽内構造の簡略化と沈殿効率向上を両立した沈殿槽を提供することができる。
なお、上記した被処理水分配機構13は、1つの分流部材と1枚の分散プレートで構成されている例であるが、分流部材を2つ以上設けて、段階的に細かく被処理水を分流、分散させるようにしてもよい。このとき、分流部材の設置数は1〜3つ程度が好ましい。
図4には、分流部材を2つ以上設ける場合の例として、分流部材を2つ有する被処理水分配機構を備えた沈殿槽30の概略構成を示した。この沈殿槽30は、図1に示した沈殿槽10において、被処理水分配機構13の代わりに、被処理水分配機構31を設けている点が異なるものであり、それ以外は同一の構成を有している沈殿槽である。
ここで、被処理水分配機構31は、分流部材31A,31Bと分散プレート31Cとから構成されている。
この被処理水分配機構31においては、分流部材31A,31Bは、それぞれ、主に被処理水の流れを分割する分流機能を担う分流筒と、その下端部に接続された円環状の分散プレートと、から構成されている。したがって、図4の被処理水分配機構13においては、分散プレートは、分流部材31Aの下端部、分流部材31Bの下端部、分散プレート31Cの3つを有してなるものである。
なお、分流部材31A,31Bが有する分散プレートは開口部が形成された円環形状であり、分流筒の下端部の外周側にこの円環形状の分散プレートが一体的に接続されている。そして、分流部材31Bの分流筒と分流部材31Aの分流筒は、それぞれ同時に被処理水の流れを分離できるようになっており、ここでは分流部材31Bの分流筒を小さい径で、分流部材31Aの分流筒を大きい径で形成した場合を例示している。
すなわち、上方から供給される被処理水が、分流部材31A,31Bの各分流筒により3つの流れに分けられ、そのうち分流部材31Bの分流筒の内側を流れる被処理水(流入管12の中心付近の被処理水)は、そのまま分流部材31Bの分流筒の内部を通過して、分散プレート31Cに衝突するようになっている。分流部材31Bの分流筒の外側であって、分流部材31Aの分流筒の内側を流れる被処理水は、分流部材31A,31Bの各分流筒の間の空間を流れ、分流部材31Bの下端に設けられた分散プレートに衝突するようになっている。一方、分流部材31Aの分流筒の外側を流れる被処理水は、分流部材31Aの分流筒の外側面に沿って流れ、分流部材31Aの下端に設けられた分散プレートに衝突するようになっている。
このように、分流部材31A,31Bにより被処理水の流れを分離することで、供給される被処理水の流束が外周側から順番に異なる分散プレートに衝突することとなる。分散プレートと衝突した被処理水は、それぞれ外周側の水平方向に分散される。この分散は、被処理水の流れを分離した後、各分散プレートで段階的に行われるため、一度に衝突させて被処理水の流れを変更するのに比べ負荷が少なく、効率的に分散させることができる。
分流部材31A,31Bの各分流筒は、上記したように筒形状の部材であり、流入管12から供給される被処理水の流れを分離するものである。これらの分流筒は、被処理水を効率的に分離するため、流入管12の流入口に、流入管12とそれぞれ平行に配設される。このように配設されることで、被処理水の流れに逆らうことなく3つの流れに分離できる。
なお、分流部材31Aに設けられる分流筒の内径は、例えば流入管12の直径の0.7〜0.8倍とすることができ、分流部材31Bに設けられる分流筒の内径は、流入管12の直径の0.5〜0.6倍とすることができる。したがって、分流部材31Bの分流筒の内径は、分流部材31Aの分流筒の内径よりも小さくなっている。この関係は、各分流部材が有する分散プレートの開口部の大きさと同一で、上方に位置する分散プレートから下方に位置する分散プレートに、順番に開口部の直径が小さくなる。
このようにすることで、供給される被処理水の流束が外周側から順番に各プレートに衝突することとなる。プレートと衝突した被処理水は、外周側の水平方向に均等に分散される。また、この分散は、各プレートで段階的に行われるため、一度に衝突させて被処理水の流れを変更するのに比べ負荷が少なく、効率的に分散させることができる。ここで、分散プレートの外径は、上方から流れてくる被処理水の流束よりも大きくなっていればよい。例えば、分流部材31Aの下端に設けられる分散プレートの外径は流入管12の内径よりも大きく、分流部材31Bの下端に設けられる分散プレートの外径は分流部材31Aの分流筒の内径よりも大きく、分散プレート31Cの外径は分流部材31Bの分流筒の内径よりも大きければよい。これらの外径は、それぞれ受ける流束を考慮したものであり、その対象とする大きさ(受ける流束の外径)の1〜3倍の大きさであることが好ましい。
〔第2の実施形態〕
図5は、第2の実施形態における沈殿槽の概略構成を示す断面図であり、図6は、図5に示す沈殿槽の被処理水分配機構を示す拡大斜視図である。また、図7は図5における他の被処理水分配機構を有する沈殿槽の概略構成を示す断面図である。さらに、図8は、図5に示す被処理水分配機構の分流部材の変形例を示す側面図である。
図5に示すように、第2の実施形態の沈殿槽40は、槽体11と、槽体11の内部に配設され、該槽体11内に被処理水を供給する流入管12と、流入管12の流入口に配設され、被処理水の流れを分離する分流部材と分離された被処理水を水平方向に分散させる分散プレートとを有する被処理水分配機構41と、を備えてなる。
ここで、第1の実施形態と同一の構成については、同一の符号を付し、以下の説明では省略する。したがって、この図5に示した第2の実施形態における沈殿槽40は、図1に示した第1の実施形態の沈殿槽10において、その被処理水分配機構13の代わりに、被処理水分配機構41を設けている点が異なるものであり、それ以外は同一の構成を有している沈殿槽である。
ここで、被処理水分配機構41は、分流部材41Aと分散プレート41Bとから構成されている。
この被処理水分配機構41においては、分流部材41Aは、主に被処理水の流れを分割する分流機能を担う分流筒41A−aと、その下端部に接続された円環状の分散プレート41A−bと、その分散プレート41A−bの外周部に接続され、被処理水の流れ方向を上方に変更可能な分散補助プレート41A−cと、から構成されている。したがって、沈殿槽10の被処理水分配機構13とは分散プレートの外周部に、さらに分散補助プレートが接続されている点で異なるものである。
ここで、分流筒41A−aは第1の実施形態における分流筒13A−aに、分散プレート41A−bは第1の実施形態における分散プレート13A−bに、分散プレート41Bは第1の実施形態における分散プレート13Bに、それぞれ対応するものである。そのため、これらの説明で同一の内容については省略する。
なお、本実施形態においては、後述するように分散補助プレートにより被処理水の分散する角度を水平方向から変更する。そのため、その効果を十分に発揮できるように、分散プレート41A−bの外径は、流入管12の直径以上とするだけではなく、さらにその直径の1.2倍以上とすることが好ましい。すなわち、この分散プレート41A−bの外径は、流入管12の直径に対し1.2〜3倍のものが好ましい。
本実施形態の分散補助プレート41A−cは、上記のように分散プレート41A−bの外周部に、垂直方向に立ち上がるように設けられた円筒状のプレートである。この分散補助プレート41A−cは、供給された被処理水が、分散プレート41A−bへの衝突によって流れ方向を水平方向に変更された後、さらに流れ方向を変更させるものである。すなわち、分散プレート41A−bとの衝突により水平方向に流れる被処理水が、外周に向かって流れると、さらに分散補助プレート41A−cに衝突し、水平方向から上方に向かうように流れる方向が再度変更されることとなる。
このような構成とすることで、上方から供給される被処理水は、分流筒41A−aにより分流され、そのうち分流筒41A−aの内側を流れる被処理水は、そのまま分流筒41A−aの内部を通過して、分散プレート41Bに衝突するようになっている。分流筒41A−aの外側を流れる被処理水は、分流筒41A−aの外側面に沿って流れ、分散プレート41A−bに衝突するようになっている。
このとき、分散プレート41Bに衝突した被処理水は、第1の実施形態と同様に水平方向に分散される。一方、分散プレート41A−bに衝突した被処理水は、一旦水平方向に流れが変更され、分散プレート41A−b上を流れるが、すぐに分散プレート41A−bの外周に到達し、そこで分散補助プレート41A−cと衝突し、さらに流れ方向が水平方向よりも上方へと変更される。
このように、分流した被処理水を、全て水平方向に分散するのではなく、分散する方向を変更することで、槽体11内への被処理水の供給方向を所望のものとでき、沈殿槽として好ましい処理条件を適宜設定できる。
なお、図5では、分散補助プレート41A−cは、分散プレート41A−bの外周部に垂直方向に(分散補助プレート41A−cの被処理水との衝突面が、分散プレート41A−bの上面に対して90度の角度を有して)形成されている。しかし、分散補助プレート41A−cは、これに限られず、分散プレート41A−bの上面に対して90度を超える角度を有するように形成できる。この角度は、90度以上180度未満であればよく、100度〜140度が好ましく、110度〜130度がより好ましい。この角度は沈殿槽10の処理条件に応じて適宜設定すればよい。
なお、本実施形態においても、第1の実施形態と同様に複数の分流部材を設けることができる。図7には、被処理水分配機構として分流部材を2つ設けて構成された沈殿槽を例示した。この沈殿槽50は、図5に示した沈殿槽40において、被処理水分配機構41の代わりに、被処理水分配機構51を設けている点が異なるものであり、それ以外は同一の構成を有している沈殿槽である。
ここで、被処理水分配機構51は、分流部材51A,51Bと分散プレート51Cとから構成されている。
この被処理水分配機構51においては、分流部材51A,51Bは、主に被処理水の流れを分割する分流機能を担う分流筒と、その下端部に接続された円環状の分散プレートと、分散プレートの外周部に上方に立ち上がるように設けられた分散補助プレートと、から構成されている。
このとき、分散補助プレートは分流部材ごとに設ける角度を変えて、被処理水の分散方向を所望の方向となるように設定できる。例えば、図7に示したように、分流部材51Aに設けられる分散補助プレートは垂直上方に、分流部材51Bに設けられる分散補助プレートは斜め上方に、それぞれ異なる方向へと設置する場合が考えられる。このようにすると、主に、分流部材51Aから分散される被処理水を槽体11の中心側(流入管12の外周付近)、分流部材51Cから分散される被処理水を槽体11の外周側(槽体11の内壁面付近)、分流部材51Bから分散される被処理水をそれらの間、となるように所望の分散方向とできる。このように分散方向をそれぞれ変えることで、槽体11内で生じる被処理水の上昇流の流速や、槽体11内での被処理水の流れ方向を制御できる。
このように、分散補助プレートを有する分流部材を複数設けた場合には、分流部材ごとに分散補助プレートの設ける角度を変更することが好ましい。このとき、分散補助プレートの設ける角度(分散プレートに対する角度)は、上方に配設される分流部材から下方に配設される分流部材に向かって、大きくなるようにすることが好ましい。例えば、図7のように2つの分流部材を設けている場合は、上方に配設されている分流部材51Aにおける分散補助プレートの角度を90度以上150度以下、好ましくは100度〜130度、下方に配設されている分流部材51Bにおける分散補助プレートの角度を110度以上180度未満、好ましくは120度〜150度とし、分流部材51A側よりも分流部材51B側の角度が大きくなるようにする。
また、この分散補助プレートに開口部又はスリットを形成してもよい。図8には、図5に示した被処理水分配機構41の分流部材41Aにおける分散補助プレート41A−cに、開口部41A−dを設けた例を示した。この図8は、分散補助プレート41A−cの主面に円形の複数の開口部を均一に形成する場合を例示している。このように分散補助プレート41A−cに開口部41A−dを設けることで、上方に分散させる被処理水の量を調整したり、分散補助プレート41A−cにかかる負荷を調整したりすることができる。
図8では、円形の開口部を設けた例を示したが、この開口部の形状は楕円、多角形等のように任意の形状とでき、また、開口部を複数設ける場合に、その配列も一定に整列して設ける以外に、千鳥配列等の任意の配列とできる。また、開口部以外にも、分散補助プレート41A−cの上端部分を切り欠いたスリット状、例えば、上端部を三角形、四角形、台形等に切り欠いた形状等、の分散補助プレートとすることで被処理水の分散方向や分散補助プレートの負荷を調整することもできる。
なお、分散補助プレート41A−cにかかる負荷ができるだけ均等になるように開口部又はスリットを設けることが好ましい。さらに、分散補助プレート41A−cに開口部又はスリットを設けながら、図7に示したように、分散プレートに対して角度を調整して設けることもできる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として掲示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10 沈殿槽
11 槽体
12 流入管
13 被処理水分配機構
13A 分流部材
13A−a 分流筒
13A−b 分散プレート
13B 分散プレート
14 溢流堰
15 流出管
16 汚泥引抜管
17 掻寄シャフト
18 支持板
19 掻寄板
20 駆動モータ

Claims (8)

  1. 被処理水中に含まれるフロックを沈殿分離するための沈殿槽であって、
    円柱状又は多角柱状の槽体と、
    前記槽体内において、流入口を介して前記槽体の軸方向下方に沿って前記被処理水を供給する流入管と、
    前記流入口に、前記流入管と平行に配設され、前記流入管から供給される被処理水を、内側と外側の2つの流れに分離する筒状の分流筒と、
    この分流筒により分離された被処理水を、それぞれ衝突させることにより水平方向に分散させる複数の分散プレートと、を有する被処理水分配機構と、
    を備えることを特徴とする、沈殿槽。
  2. 前記分散プレートの一部が、前記分流筒の下端外側に一体的に取り付けられていることを特徴とする、請求項1に記載の沈殿槽。
  3. 前記分流筒が円筒状であって、該分流筒の下端外側に円環状の分散プレートが一体的に取り付けられていることを特徴とする、請求項2に記載の沈殿槽。
  4. 前記分流筒が複数設けられていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の沈殿槽。
  5. 前記分散プレートに、開口部又はスリットを有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の沈殿槽。
  6. 前記分散プレートの外周部に、前記分散プレートとの衝突により水平方向に分散された被処理水の一部又は全部の流れ方向を水平方向よりも上方に変更する分散補助プレートを有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の沈殿槽。
  7. 前記分散補助プレートに、開口部又はスリットを有することを特徴とする、請求項6に記載の沈殿槽。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の沈殿槽を用いた沈殿処理方法であって、
    前記流入管から、前記流入口を介して前記槽体内に、フロックを含有する被処理水を供給する被処理水供給工程と、
    前記槽体内に供給された被処理水を、前記被処理水分配機構と衝突させ水平方向に分散させる被処理水分散工程と、
    前記水平方向に分散された被処理水中に含まれるフロックを沈降させるフロック沈降工程と、
    前記フロック沈降工程で沈降したフロックを、前記槽体の底部に沈殿させる沈殿工程と、
    を備えることを特徴とする、沈殿処理方法。
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