JP6612518B2 - 沈殿槽及び沈殿処理方法 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、沈殿槽及び沈殿処理方法に関する。
昨今、工業の発達や人口の増加により水資源の有効利用が求められている。そのためには、工業廃水などの廃水の再利用が非常に重要である。これらを達成するためには水の浄化、すなわち水中から他の物質を分離することが必要である。
液体から微小な浮遊物質(SS)を分離する方法の一つとして沈降分離法がある。沈降分離法において浮遊物質の分離効率を向上させるためには、長方形あるいは円形の沈殿槽において、低速で均一な上昇流を発生させることが重要となる。そのため、フィードウェルから下降させた原水を上昇流とし、沈殿槽上部から溢流する形式の沈殿槽が開発されている(特許文献1、2等参照)。
このような沈殿槽においては、沈殿槽内で上昇流となった原水に含まれる浮遊物質(SS)を凝集させてフロックとし、そのフロックを沈殿槽の底部に沈殿させて清浄化処理を行っている。
しかしながら、条件によっては原水中のフロックが十分に除去しきれない場合もあり、その場合、フロックを含有したままの原水が沈殿槽上部に滞留してしまう場合がある。沈殿槽上部にそのような原水が滞留すると、処理時間が経過するに従ってフロックの含有量が増え、滞留する水の水質が低下していき、溢流により得られる処理水の水質をも悪化させるおそれがある。
特開平10−165714号公報 特開2006−281059号公報
なお、沈殿槽内に供給された原水は、フィードウェル下方に汚泥巻上げ防止用のプレートを置いた場合に、沈殿槽の中央から水平方向に沈殿槽の壁面に向かって流れ、壁面と衝突して上昇流と下降流に分かれる。下降流では浮遊物質(SS)の分離が良好に行われる。一方、上昇流は沈殿槽上部(水面近く)において今度は沈殿槽壁面から中央部に流れ、さらに沈殿槽中央部付近で下降流となり循環する。
ところが、一度沈殿槽内を循環して沈殿槽中央部で下降流となった流れよりも、供給直後で沈殿槽中央から沈殿槽の壁面への流れの方が流れの勢いが強いため、フロックが沈殿槽の中央部(流入管周辺)で巻き上げられる。そのため、フロックの滞留が生じると考えられる。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、沈殿槽において、フロックの沈降を促進させ、処理水の水質が経時的に低下するのを防止することである。
実施形態の沈殿槽は、被処理水中に含まれるフロックを沈殿分離するための沈殿槽であって、円柱状又は多角柱状の槽体と、前記槽体内において、前記槽体の軸方向下方に沿って前記被処理水を供給する流入管と、前記流入管の前記流入口の周囲に、一旦前記槽体内に供給された前記被処理水の一部を引き込む投入口を形成するように前記流入管と所定の間隔を有して設けられた投入口形成部材と、を備えることを特徴とする。
実施形態の沈殿処理方法は、上記沈殿槽を用いた沈殿処理方法であって、前記流入管から、前記流入口を介して前記槽体内に、フロックを含有する被処理水を供給する被処理水供給工程と、前記槽体内に供給された被処理水を前記槽体内に循環させながら、被処理水中に含まれるフロックを沈降させるフロック沈降工程と、前記フロック沈降工程で沈降したフロックを、前記槽体の底部に沈殿させる沈殿工程と、前記槽体内を循環する前記被処理水の一部を、前記投入口に引き込んで前記槽体内を再度循環させる再循環工程と、を備えることを特徴とする。
第1の実施形態における沈殿槽の概略構成を示す断面図である。 図1に示す沈殿槽のA−A断面図である。 図1に示す沈殿槽において、沈殿槽内の被処理水の流れを示した図である。 第1の実施形態において、流入管及び投入口形成部材の変形例を示す拡大断面図である。 第1の実施形態において、流入管及び投入口形成部材のさらに他の変形例を示す拡大断面図である。 第2の実施形態における沈殿槽の概略構成を示す断面図である。
以下、本実施形態における沈殿槽について、図面を参照しながら説明する。
〔第1の実施形態〕
図1は、第1の実施形態における沈殿槽の概略構成を示す断面図であり、図2は、図1に示す沈殿槽のA−A断面図である。また、図3は、図1に示す沈殿槽において、沈殿槽内の被処理水の流れを示した図である。
図1に示すように、第1の実施形態の沈殿槽10は、槽体11と、槽体11の内部に配設され、該槽体11内に被処理水を供給する流入管12と、投入口13aを形成するように流入管12と所定の間隔を有して設けられた投入口形成部材13と、を備えてなる。
なお、槽体11の上端部には図中矢印で示すように、流入管12を介して槽体11内に被処理水を外部から供給する配管と、さらに、以下に説明するフロックの分離(沈殿)除去操作を実施して得られる処理水を外部に排出するための溢流堰14、流出管15が配設されている。
槽体11は円柱状又は多角柱状の形状をした槽である。この槽体11は、その壁面と底面とで構成される容器であり、内部に被処理水を貯留すると共に、フロックを沈殿させることが可能となっている。この槽体11は、内部に貯留する被処理水の流れを所定の方向に均一化できるよう、槽体11の中心軸を鉛直方向と一致するように配置する。このとき、槽体11を平面視したときの槽体の壁面の外形形状(図中上方あるいは下方から見た場合の形状)は円形状又は多角形状である。多角形状としては、正方形あるいは長方形などの矩形状であってもよいし、五角形以上の多角形状であってもよい。
なお、後述するように、槽体11内において被処理水をできるだけ均等に流れるようにすることがフロックを効率的に沈殿させることができる点で好ましい。そのため、槽体11の形状は、円形状であれば真円、多角形状であれば正多角形、の外形形状とすることがより好ましい。
また、槽体11の底部は、沈殿物を沈殿させ、効率的に回収できるように、底部中央が凹んだ形状であることが好ましい。このように凹んだ形状としては、円錐状又は多角錐状を上下逆さにした形状で底部中央が錐体の頂点であり最下部となるような形状がより好ましい。そして、この槽体11の底部の最下部には、槽体11の外部に沈殿物を排出できるよう排出口が設けられ、排出口には汚泥引抜管16が配設されている。
また、槽体11の大きさは処理すべき被処理水の量に応じて任意に調整することができる。この槽体11の大きさとしては、例えば、容量が20〜530m、内径が3〜15m、高さが2〜4m、のものが例示できる。
流入管12は、槽体11の内部に被処理水の流入口12aが設けられるように配設され、この流入管12から供給される被処理水は、流入口12aから槽体11の軸方向下方に沿って槽体11内に供給される。すなわち、流入口12aは槽体11の平面視形状においては、その槽体11の外形形状の中心部に位置し、槽体11の底部に向かって被処理水を供給するように設けられる。
さらに、この流入口12aは、高さ方向においては、槽体11の直胴部の高さに対してその下端から50%〜80%の位置に設けられることが好ましい。この位置に設けることで、後述する被処理水の分散、分散後の上昇流の形成を十分に行うことができる。なお、本明細書において、「直胴部」とは槽体11の筒状に形成された壁面部分を指し、底部は含まない。
また、流入管12の大きさは、被処理水の供給量にも係ってくるものであり、槽体11の大きさ等により適宜選択すればよい。この流入管12の径としては、例えば、槽体11の内径に対して0.1〜0.4倍の内径を有する配管が好ましい。
また、流入管12の中心部には、掻寄シャフト17が配設されている。掻寄シャフト17は、駆動モータ20により、槽体11の中心で回転する構成となっている。この掻寄シャフト17は、その下部に位置する支持部材18に連結されており、支持部材18には下方(槽体の底部)に向けて複数の掻寄板19が垂設されている。
掻寄シャフト17、支持板18及び掻寄板19は掻寄機構を構成し、この掻寄機構は、以下に説明するように、被処理水の処理後の沈殿物を槽体の底部中央に位置する排出口付近に掻寄せることができる。掻寄せられた沈殿物は、当該排出口から槽体11の外部に沈殿物を排出できるように構成されている。
投入口形成部材13は、流入管12の流入口12aの周囲に、投入口13aを形成するように流入管12と所定の間隔を有して設けられる。この投入口13aは、一旦槽体11内に供給された被処理水の一部を投入口形成部材13の内部に引き込むためのものである。
投入口形成部材13は、流入管12に対して所定の間隔を有して形成され、その間隔に応じて投入口13aが形成される。また、投入口13aから引き込まれた被処理水が流入管12から供給される被処理水と一緒に、槽体11の軸方向下方に流入するように、投入口形成部材13は、流入管12の径よりも一回り大きい筒形状となっている。
投入口形成部材13と流入管12との間隔は、例えば、流入管12と投入口形成部材13との最短距離で表される。この最短距離で形成される部分が、引き込む被処理水の流量のボトルネックとなるためである。
この間隔としては、投入口13aから槽体11内を一旦循環してきた被処理水を引き込むことができるものであればよい。被処理水の引き込みは、流入口12aから供給される被処理水の流れにより生じる圧力差を利用して行うものである。
この圧力差を利用して被処理水を引き込むには、被処理水の供給速度等によっても変わるものではあるが、例えば、流入口12aの径に対して、上記最短距離となる間隔における投入口形成部材13の径を1.2〜2.0倍とすることが好ましい。また、この間隔は、流入口12aの周囲に均等に形成されていることが好ましい。この間隔を均等に形成することで、引き込む被処理水の偏りをなくすことができる。
上記のように、投入口13a及び投入経路は流入管12と投入口形成部材13との間に形成される。投入口形成部材13を配設する位置は、被処理水を引き込むことができればよく、その上端部が流入口12aよりも高い位置でも低い位置でも同じ位置でもいずれでもよい。なお、投入口形成部材13の上端部が流入口12aとほぼ同じ高さであると、投入口13a付近の被処理水を引き込みやすく好ましい。
投入口形成部材13の筒の長さは、投入口13aから引き込んだ被処理水と流入管12から供給される被処理水とを槽体11の軸方向下方に沿って供給できる長さであれば特に限定されるものではない。なお、これらの被処理水を安定して軸方向下方に供給するために、投入口形成部材13の長さは400mm以上が好ましく、400mm〜800mm程度がより好ましい。なお、このとき、投入口形成部材13の下端が、高さ方向において、槽体11の直胴部の中央部分より低い位置に設けられることが好ましい。
溢流堰14は、槽体11内でフロックの沈降処理が行われ、被処理水を清浄化処理して得られた処理水を得るためのものであり、槽体11の上部に設けられる。この溢流堰14は、その上端部から溢れた処理水を収容できるように槽体11内に溝状に、一般に槽体11の壁面に沿って、設けられる。そして、溢流堰14に収容された処理水を流出管15により槽体11の外部に流出させる。このように得られた処理水はさらに他の処理を行う等してユースポイントへ送出される。
汚泥引抜管16は、槽体11の底部に沈殿し滞留した汚泥を槽体11の外部に排出する排出管である。この汚泥は、槽体11内においてフロックが塊状物となって沈降し、滞留した混合物である。この汚泥は、槽体11の底部に配設された掻寄機構の掻寄シャフト17を駆動モータ20により、支持板18に垂設された掻寄板19を回転させることによって底部中央(最下部)に掻き寄せられる。
さらに、沈殿槽10には被処理水中のフロックの沈殿効率を高めるための傾斜板を設けてもよい。この傾斜板は、流入管12から供給された被処理水が槽体11の壁面に沿って上昇流となって流れる高さに、水平面に対して主面を傾斜した状態で設けられる。また、この傾斜板は、槽体11の内壁面の周方向に複数の傾斜板が整列して設けられる。この傾斜板は、水平面と角度θをなすようにして当該内壁面と接触させて固定されることが好ましく、角度θは、例えば40〜70度の範囲に設定することができる。
沈殿槽10を構成する上記した槽体11、流入管12、投入口形成部材13、傾斜板等は任意の材料から構成することができるが、腐食性の被処理水を取り扱う場合は、ステンレスやプラスチックなどの材料から構成することができ、特に強度が要求されるような場合はステンレスから構成する。
また、本実施形態における“フロック”とは、浮遊物質を含む被処理水中に、例えば凝集剤などを添加するときに生じる、綿くず状の塊状物を意味するものである。
次に、図1及び図2に示す沈殿槽10を用いた被処理水の沈殿処理方法について説明する。最初に、沈降性のあるフロックを含む被処理水を流入管12に流入させると、被処理水は、流入管12の内部を一定流速で流通していき、流入口12aから槽体11内に供給され、槽体11内を満たすこととなる。
続けて供給される被処理水は、図3に示したように、矢印方向に流れる。すなわち、槽体11に供給されると、被処理水はまず槽体11の中央から壁面に向けて水平方向に分散される。分散され、槽体11の壁面に到達した被処理水は、その一部が槽体11の内壁面に沿って上昇し、他の一部は下降する(下降する流れについては矢印を省略する)。上昇流中に含まれるフロックは、近くのフロックと塊状になる等しながら沈降し、また下降流中に含まれるフロックは、そのまま沈降する。このようにして沈降したフロックは、槽体11の下部において汚泥として滞留するようになる。
上昇流を形成する被処理水は、槽体11の壁面に沿って上昇し、その後水面側で槽体11の壁面から中央に向かって流れを変え、さらに被処理水は流入管12付近で下降流となり槽体11内を循環する。
このようにして、被処理水中において沈降したフロックは、従来と同様に槽体11の底部に滞留(沈殿)して、必要に応じて掻寄機構により排出口付近に集められ、汚泥引抜管16から排出される。
上昇流において巻き上げられ、沈降しきれなかったフロックはこの循環する被処理水の中に残っている。本実施形態においては、このように循環してきた被処理水を、投入口13aから投入口形成部材13の内部に引き込み、流入管12から流入する被処理水と合わせて、槽体11内に改めて供給する。このような構成とすることで、被処理水が槽体11内を効率的に(再)循環できるため、一度供給され循環してきた被処理水が槽体11中央付近(流入管12の周囲)で滞留することを効果的に防止することができる。
そして、投入口形成部材13から槽体11の軸方向下方に沿って、流入口12aから供給される被処理水と共に再循環される被処理水は、改めて水平方向に分散され、槽体11の壁面に到達し、上昇流及び下降流に分かれ、上昇流は再び槽体11内を循環する。このときに、再びフロックの沈降機会を得ることができる。
なお、流入口12aから供給される被処理水を比較的速い流れとし、供給された被処理水の周囲に負圧が形成されるようにすることで周囲の水(循環してきた被処理水)を投入口13aから投入口形成部材13内に引き込むことができる。
したがって、本実施形態によれば、一度槽体11内を循環した被処理水が槽体11の中央上部付近で滞留することなく、槽体11内の再循環を効率的に行うことができる。このように循環させることで、被処理水が滞留することを防止でき、フロックの沈降機会を十分に確保することができる。そのため、フロックの沈降による処理水の清浄化を安定して行うことができ、安定した水質の処理水を得ることができる。
一方、槽体11の底部に滞留した汚泥及びフロックの塊状物は、それぞれ汚泥の混合物として、槽体11の底部に配設された掻寄機構により、槽体11の底部中央に設けられた排出口付近に集められ、該排出口に接続された汚泥引抜管16により外部に排出される。掻寄機構は、掻寄シャフト17と、その下部に支持部材18と、この支持部材18に垂下して設けられた掻寄板19と、掻寄シャフト17を軸回転させることができる駆動モータ20により構成される。
以上のような操作を経ることにより、沈殿槽10内に供給されたフロックを含む被処理水から当該フロックが分離除去された処理水は、槽体11の上部に配設された溢流堰14を超えて集められ、流出管15により外部に流出される。このように清浄化された処理水は、さらに所定の処理等を施されユースポイントに供給される。
以上説明したように、本実施形態では、被処理水の流入管12の流入口12a付近に投入口形成部材13を配設するという簡易な槽内構造とするだけで、被処理水中のフロックの分離(沈殿)効率を効果的に高めることができ、槽内構造の簡略化と沈殿効率向上を両立した沈殿槽を提供することができる。
なお、上記した投入口形成部材13は、流入管12と共に円筒形状で構成されている例であるが、これらの形状は被処理水を槽体11内に安定して供給できる形状で形成された流入管12、槽体11内で被処理水の循環を良好に行うことができる投入口13aを形成できる投入口形成部材13、であれば種々の変形を加えることもできる。
例えば、図4及び図5は、流入管12及び投入口形成部材13の変形例を示す拡大断面図である。図4には、流入管12の一部分が流入口12aに向かってテーパー形状となっている部分を有し、そのテーパー形状部分の流入口12a側の径が小さくなっているものを示した。言い換えると、流入管12は、その径を狭める逆円錐形部分とその逆円錐形部分の先端から同一の径で伸びる筒状部分とを有するもので、漏斗様形状ともいえるものである。ここで、逆円錐形部分は、逆円錐形状の円錐先端部分がカットされた側断面図が台形形状となる部分を指す。なお、投入口形成部材13は図1で示したものと同一である。
このように流入管12にテーパー形状を設けることで、流入管12から供給する被処理水を高速流としやすく、投入口13aから被処理水を引き込みやすくできる。また、上記テーパー形状を設けることで、槽体11内を循環する被処理水が流入管12の外周を下降流として流れる際、テーパー形状となっている流入管12の外壁に沿って、投入口13aに円滑に流れるようにでき、より被処理水の循環を促進できる。テーパー形状を設ける位置は、被処理水の循環が円滑になるように、その高さ、角度等を適宜決定することができる。
図5は、図4に示した流入管12と投入口形成部材13の上部において、流入管12のテーパー形状に対応するテーパー形状を設けたものである。この投入口形成部材13におけるテーパー形状は、投入口13aから流入口12aまで所定の間隔を形成するように設定される。このように投入口13aを流入口12aよりも高い位置に設けることで、引き込む被処理水が早い段階で決定され、被処理水の循環を安定して行うことができる。
このテーパー形状間の距離は、一定のものとしてもよいし、投入口13aから流入口12aに向かって狭まるようにしてもよい。なお、上記したテーパー形状はその断面が直線形状となっているが、この断面が円滑に接続された曲面形状となるように湾曲して形成されたものであってもよい。
また、このとき槽体11の内壁面に傾斜板を設けておくと、槽体11の内壁面に沿って上昇する被処理水は、この傾斜板に衝突し、傾斜板の下面に沿って流れる方向が変わる。これに対して、被処理水中に含まれるフロックは、被処理水が傾斜板に衝突すると、沈降を開始する。
このフロックの沈降の際、フロックは上昇流の流れの影響で傾斜板の上面に沈降することとなるが、効率的にフロックを分離するには、傾斜板を平面視したときに、一部が重なるように配置することが好ましく、重なりをできるだけ大きくすることがより好ましい。ただし、重なりを大きくしようとして、水平面に対する傾斜角度θを小さくしすぎると、上昇流の流れ方向が急激に変わることとなり乱流が発生したり、隣接する傾斜板同士の隙間を狭くしすぎてフロックが上昇流に巻き上げられたり、しやすくなる。その場合、十分にフロックが沈降できるように適宜条件を設定することが求められる。そして、傾斜板の上面に沈降したフロックは、傾斜板の上面を転がり落ち、下方へ移動する。下方に移動する際に、フロック同士が塊状物を形成し、この塊状となったフロックは、槽体11の下方まで導かれる。フロックを塊状とすることで槽体11の下方までの移動を円滑にできる効果もある。
〔第2の実施形態〕
図6は、第2の実施形態における沈殿槽の概略構成を示す断面図である。
図6に示すように、第2の実施形態の沈殿槽30は、槽体11と、槽体11の内部に配設され、該槽体11内に被処理水を供給する流入管12と、投入口13aを形成するように流入管12と所定の間隔を有して設けられた投入口形成部材13と、前記投入口形成部材13の下方に配設され、槽体11内に供給される被処理水との衝突により被処理水を水平方向に分散させる被処理水分配機構31と、を備えてなる。
ここで、第1の実施形態と同一の構成については、同一の符号を付し、以下の説明では省略する。したがって、この図6に示した第2の実施形態における沈殿槽30は、図1に示した第1の実施形態の沈殿槽10において、投入口形成部材13の下方に被処理水分配機構31を設けている点が異なるものであり、それ以外は同一の構成を有している沈殿槽である。
被処理水分配機構13は、供給管12から供給される被処理水を水平方向に分散させるものである。図6に示すように、被処理水分配機構31は、1枚のプレートから構成されている。
この被処理水分配機構31の外径は、投入口形成部材13の直径以上とするものであり、投入口形成部材13の内径の1〜3倍が好ましい。
また、この被処理水分配機構31は、複数枚のプレートで構成してもよい。複数枚のプレートを用いる場合には、その外径が互いに同じ大きさの円形状と中心に開口部が設けられた円環状のプレートを用意し、この円形状及び円環状のプレートを互いに間隔をあけて、鉛直方向に整列して固定する。このとき、上方のプレートから下方のプレートに向かって、開口部が小さくなるようにする。また、これら開口部及び中心は流入管12の軸、すなわち掻寄シャフト15を中心として同心円状に形成されている。
なお、複数のプレートの外径は、投入口形成部材13の直径以上とするもので、投入口形成部材13の内径の1〜3倍が好ましい。また、例えば、円環状のプレートを2枚、円形状のプレートを1枚の計3枚のプレートを用いる場合、一番上のプレートに設けられる開口部の直径は、例えば投入口形成部材13の直径の0.7〜0.8倍とすることができ、上から2番目のプレートに設けられる開口部の直径は、投入口形成部材13の直径の0.5〜0.6倍とすることができる。そして、一番下のプレートを開口部の形成されていない円形状のものとする。このように、上方に位置するプレートから下方に位置するプレートに、順番に開口部の直径が小さくなるようにすることで、供給される被処理水の流束が外周側から順番に各プレートに衝突することとなる。プレートと衝突した被処理水は、外周側の水平方向に均等に分散される。また、このとき、分散は、各プレートで段階的に行われるため、一度に衝突させて被処理水の流れを変更するのに比べ負荷が少なく、効率的に分散させることができる。
被処理水分配機構31を構成するプレートは保持部材により所定の位置関係になるように保持、固定される。例えば、流入管12及び投入口形成部材13との位置関係も重要であり、それぞれ鉛直方向に中心(軸)が一致するように配置、固定されることが好ましい。したがって、この被処理水分配機構31は、流入管12または又は投入口形成部材13に固定されることが好ましい。また、上記した被処理水分配機構31は、複数枚のプレートで構成する場合には、プレートの枚数は3〜5枚程度が好ましい。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として掲示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10,30 沈殿槽
11 槽体
12 流入管
12a 流入口
13 投入口形成部材
13a 投入口
14 溢流堰
15 流出管
16 汚泥引抜管
17 掻寄シャフト
18 支持板
19 掻寄板
20 駆動モータ
31 被処理水分配機構

Claims (9)

  1. 被処理水中に含まれるフロックを沈殿分離するための沈殿槽であって、
    円柱状又は多角柱状の槽体と、
    前記槽体内において、前記槽体の軸方向下方に沿って前記被処理水を供給する流入管と、
    前記流入管の流入口の周囲に、一旦前記槽体内に供給され、沈降しきれなかった前記フロックを含有する前記被処理水の一部を引き込む投入口を形成するように前記流入管と所定の間隔を有して設けられた投入口形成部材と、
    を備え
    前記流入管の流入口が、前記槽体の直胴部の高さに対してその下端から50%〜80%の位置に設けられることを特徴とする、沈殿槽。
  2. 前記投入口形成部材の上端部が、前記流入口とほぼ同じ高さであることを特徴とする、請求項1に記載の沈殿槽。
  3. 前記投入口形成部材が、前記流入管よりも大きい径を有する筒形状であることを特徴とする、請求項1または2に記載の沈殿槽。
  4. 前記投入口形成部材の断面が、前記流入口の断面と相似形状であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の沈殿槽。
  5. 前記流入管が、前記流入口方向に向かってテーパーがつけられていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項記載の沈殿槽。
  6. 前記流入管が、その径を狭める逆円錐形部分と前記逆円錐形部分の先端から同一の径で伸びる筒状部分とを有することを特徴とする、請求項5に記載の沈殿槽。
  7. 前記投入口形成部材が、前記流入管のテーパー形状に対応するテーパー形状を有する請求項5又は6に記載の沈殿槽。
  8. さらに、前記流入管から供給される前記被処理水を、衝突させることにより水平方向に分散させる分散プレートを有する被処理水分配機構を有することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の沈殿槽。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の沈殿槽を用いた沈殿処理方法であって、
    前記流入管の前記流入口から前記槽体内に、フロックを含有する被処理水を供給する被処理水供給工程と、
    前記槽体内に供給された被処理水を前記槽体内に循環させながら、被処理水中に含まれるフロックを沈降させるフロック沈降工程と、
    前記フロック沈降工程で沈降したフロックを、前記槽体の底部に沈殿させる沈殿工程と、
    前記槽体内を循環する前記被処理水の一部を、前記投入口に引き込んで前記槽体内を再度循環させる再循環工程と、
    を備えることを特徴とする、沈殿処理方法。
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