JP2017080675A - 沈殿槽及び沈殿処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】沈殿槽において、汚泥の巻き上げを抑制して、フロックの沈降を促進させることで、処理水の処理を効率的に行なう沈殿槽を提供する。
【解決手段】実施形態によれば、槽体11と、槽体11内において、槽体11の軸方向下方に向かって被処理水を供給する流入管12と、流入管12から供給される被処理水を、衝突により水平方向に分散させる被処理水分配機構13と、被処理水分配機構13と槽体11の内壁面との間に設けられ、被処理水分配機構13により分散された被処理水の流れを上方向に変えることができる整流部材14と、を備える沈殿槽10を提供できる。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、沈殿槽及び沈殿処理方法に関する。
昨今、工業の発達や人口の増加により水資源の有効利用が求められている。そのためには、工業廃水などの廃水の再利用が非常に重要である。これらを達成するためには水の浄化、すなわち水中から不純物となる物質を分離することが必要である。
液体から微小な浮遊物質(SS)を分離する方法の一つとして沈降分離法がある。沈降分離法において浮遊物質の分離効率を向上させるためには、長方形あるいは円形の沈殿槽において、低速で均一な上昇流を発生させることが重要となる。そのため、フィードウェルから下降させた被処理水を槽内で上向きに変えて上昇流とし、沈殿槽上部から清浄化した処理水を溢流させる形式の沈殿槽が開発されている(特許文献1等参照)。
一方、このような沈殿槽においては、沈殿槽下部から、流入した被処理水を均一な上昇流に変える機構が必要となる。簡易な方法として、フィードウェル下方に構造体を設置し、水の流れを変えるものが一般的に用いられている。具体的には、フィードウェル下方にプレートを配設し、当該プレートにより、被処理水を、プレート上面で衝突噴流を形成させ、水平方向に流出するようにする。その後、主流として槽壁面で上昇流を形成させ、傾斜板を通過してフロックの沈降を促進させながら清浄化し、清浄化された処理水を沈殿槽の上部から溢流させる。
この方法では、被処理水の流出角度が水平方向となるため、沈殿槽底部の汚泥巻上げが発生しにくく、処理水水質を向上させる効果が得られると同時に、被処理水の流入部をより低い位置に設定し、槽高さの低減を可能にする効果が得られる。また、主流が槽壁面付近を通るため、槽壁面付近にのみ設置した傾斜板がより大きな効果を与え、浮遊物質のリークを抑制する。
ところで、プレート上面での衝突噴流は、プレート近傍での局所的な高速流を形成する。その結果、槽壁面での上昇流速が槽中央部の上昇流速よりも高速化し、実質的滞留時間を減少させてしまい、処理水の清浄化が所定の範囲に留まる場合がある。
特開平10−165714号公報 特開2006−281059号公報 特開2012−66249号公報
本発明が解決しようとする課題は、簡易な装置構成の沈殿槽であって、汚泥の巻き上げを抑制し、かつ、沈殿槽内において発生する被処理水の上昇流速をより均一化して、フロックの沈降を促進させることで、被処理水の処理を効率的に行なう沈殿槽及び沈殿処理方法を提供することである。
実施形態の沈殿槽は、被処理水中に含まれるフロックを沈殿分離するための沈殿槽であって、円柱状又は多角柱状の槽体と、前記槽体内において、前記槽体の軸方向下方に向かって前記被処理水を供給する流入管と、前記槽体内へ供給される前記被処理水を、衝突により水平方向に分散させる被処理水分配機構と、前記被処理水分配機構と前記槽体の内壁面との間に設けられ、前記被処理水分配機構により分散された被処理水と衝突させることで、衝突した被処理水の流れを上方向に変えることができる整流部材と、を備える。
実施形態の沈殿処理方法は、上記沈殿槽を用いた沈殿処理方法であって、前記流入管の前記流入口から前記槽体内に、フロックを含有する被処理水を供給する被処理水供給工程と、前記槽体内に供給された被処理水を上昇流とし、被処理水中に含まれるフロックを沈降させるフロック沈降工程と、前記フロック沈降工程で沈降したフロックを、前記槽体の底部に沈殿させる沈殿工程と、を備えることを特徴とする。
第1の実施形態における沈殿槽の概略構成を示す側断面図である。 図1に示す沈殿槽を上方から見た平断面図である。 図1に示す沈殿槽において、整流部材の配置構成を説明するための図である。 図1に示す沈殿槽において、整流部材の配置構成を説明するための図である。 整流部材の変形例を示した側断面図である。 図4Aに示した整流部材の平面図である。 第2の実施形態における、整流部材を示した側断面図である。 図5Aに示した整流部材の平面図である。 図5Aに示した整流部材の配置構成を説明するための図である。 第3の実施形態における沈殿槽の概略構成を示す断面図である。 第4の実施形態における沈殿槽の概略構成を示す断面図である。
以下、本実施形態における沈殿槽について、図面を参照しながら説明する。
図1は、第1の実施形態における沈殿槽の概略構成を示す側断面図であり、図2は、図1に示す沈殿槽を上方から見た平断面図である。
〔第1の実施形態〕
図1に示すように、本実施形態の沈殿槽10は、槽体11と、槽体11内において、槽体11の軸方向下方に向かって被処理水を供給する流入管12と、流入管12から供給される被処理水を、衝突により水平方向に分散させる被処理水分配機構13と、被処理水分配機構13と槽体11の内壁面との間に設けられ、被処理水分配機構13により分散された被処理水の流れを上方向に変えることができる整流部材14と、を備えてなる。
なお、槽体11の上端部には図中矢印で示すように、流入管12を介して槽体11内に被処理水を外部から供給する配管と、さらに、以下に説明するフロックの分離(沈殿)除去操作を実施して得られる処理水を外部に排出するための溢流堰15、流出管16が配設されている。
槽体11は円柱状又は多角柱状の形状をした槽である。この槽体11は、その壁面と底面とで構成される容器であり、内部に被処理水を貯留すると共に、フロックを沈殿させることが可能となっている。この槽体11は、内部に貯留する被処理水の流れを所定の方向に均一化できるよう、槽体11の中心軸を鉛直方向と一致するように配置する。このとき、槽体11を平面視したときの槽体の壁面の外形形状(図中、装置の上方あるいは下方から見た場合の形状)は円形状又は多角形状である。円形状としては楕円も含む。また、多角形状としては、正方形あるいは長方形などの矩形状であってもよいし、五角形以上の多角形状であってもよい。
なお、後述するように、槽体11内において被処理水をできるだけ均等に流れるようにすることがフロックを効率的に沈殿させることができる点で好ましい。そのため、槽体11の形状は、円形状であれば真円、多角形状であれば正多角形、の外形形状とすることがより好ましい。
また、槽体11の底部は、沈殿物を沈殿させ、効率的に回収できるように、底部中央が凹んだ形状であることが好ましい。このように凹んだ形状としては、円錐状又は多角錐状を上下逆さにした形状がより好ましい。すなわち、底部中央が錐体の頂点であり最下部となるような形状である。そして、この槽体11の底部の最下部には、槽体11の外部に沈殿物を排出できるよう排出口が設けられ、排出口には汚泥引抜管17が配設されている。
また、槽体11の大きさは処理すべき被処理水の量に応じて任意に調整することができる。この槽体11の大きさとしては、例えば、容量が6〜880m、内径が2〜15m、高さが2〜5m、のものが例示できる。
流入管12は、槽体11の内部に被処理水の流入口12aが設けられるように配設される。そして、この流入管12から供給される被処理水は、流入口12aから槽体11の軸方向下方に向かって槽体11内に供給される。すなわち、流入口12aは槽体11の平面視形状においては、その槽体11の外形形状の中心部に位置し、槽体11の底部に向かって設けられている。
さらに、この流入口12aは、槽体11の直胴部の高さにおいて、その中央部分より低い位置に設けられることが好ましい。この位置に設けることで、後述する被処理水の槽体内における上昇流の形成を十分に行うことができる。なお、本明細書において、「直胴部」とは槽体11の筒状に形成された壁面部分を指し、底部は含まない。
また、流入管12の大きさは、被処理水の供給量にも係ってくるものであり、槽体11の大きさ等により適宜選択すればよい。この流入管12の径としては、例えば、槽体11の内径に対して0.1〜0.4倍の内径を有する配管が好ましい。
また、流入管12の中心部には、掻寄シャフト18が配設されている。掻寄シャフト18は、駆動モータ21により、槽体11の中心で回転する構成となっている。この掻寄シャフト18は、その下部に位置する支持部材19に連結されており、支持部材19には下方(槽体の底部)に向けて複数の掻寄板20が垂設されている。
掻寄シャフト18、支持部材19、掻寄板20及び駆動モータ21は掻寄機構を構成し、この掻寄機構は、以下に説明するように、被処理水の処理後の沈殿物を槽体の底部中央に位置する排出口付近に掻寄せることができる。掻寄せられた沈殿物は、当該排出口から槽体11の外部に沈殿物を排出できるように構成されている。
被処理水分配機構13は、流入管12から供給される被処理水を水平方向に分散させるものである。図1に示すように、被処理水分配機構13は、1枚の分散プレートから構成されている。その平面形状は特に限定されるものではないが、槽体11の平面視したときの外形形状と相似形状であることが好ましい。すなわち、円形、楕円形又は多角形状であることが好ましい。
この被処理水分配機構13の平面形状の直径又は一辺の長さは、流入管12の直径以上とするものであり、流入管12の内径の1〜3倍が好ましい。
また、この被処理水分配機構13は、複数枚の分散プレートで構成してもよい。外形形状が円形の複数枚の分散プレートを用いる場合、その外径が互いに同じ大きさの円形状の分散プレートと中心に開口部が設けられた円環状の分散プレートを用意し、この円形状及び円環状の分散プレートを互いに間隔をあけて、鉛直方向に整列して固定する例が挙げられる。このとき、上方の分散プレートから下方の分散プレートに向かって、開口部が小さくなるようにして、最下段に開口部のない円形状の分散プレートを設ける。また、これら開口部及び中心は流入管12の軸、すなわち掻寄シャフト18を中心として同心円状に形成されている。
なお、複数の分散プレートの外径は、流入管12の直径以上とするもので、流入管12の内径の1〜3倍が好ましい。また、例えば、円環状の分散プレートを2枚、円形状の分散プレートを1枚の計3枚の分散プレートを用いる場合、一番上の分散プレートに設けられる開口部の直径は、例えば流入管12の直径の0.7〜0.8倍とすることができ、上から2番目の分散プレートに設けられる開口部の直径は、流入管12の直径の0.5〜0.6倍とすることができる。そして、一番下の分散プレートを開口部の形成されていない円形状のものとする。
このように、上方に位置する分散プレートから下方に位置する分散プレートに向かって、順番に開口部の直径が小さくなるようにすることで、供給される被処理水の流束が外周側から順番に各分散プレートに衝突することとなる。分散プレートと衝突した被処理水は、外周側の水平方向に均等に分散される。また、このとき、分散は、各分散プレートで段階的に行われるため、一度に衝突させて被処理水の流れを変更するのに比べ負荷が少なく、効率的に分散させることができる。
被処理水分配機構13を構成する分散プレートは保持部材により所定の位置関係になるように保持、固定される。例えば、流入管12との位置関係も作用や効果に関わり、それぞれの分散プレートは鉛直方向に流入管12の中心(軸)が一致するように配置、固定されることが好ましい。したがって、この被処理水分配機構13は、流入管12に固定されることが好ましい。なお、被処理水分配機構13は、掻寄シャフト18又は支持部材19に固定されてもよい。また、上記した被処理水分配機構13は、複数枚の分散プレートで構成する場合には、分散プレートの枚数は3〜5枚程度が好ましい。
このように被処理水分配機構13を設けることで、流入管12から供給される被処理水が、槽体11の底部方向に流れることなく、その流れが水平方向へと変更されるため、汚泥の巻き上げを確実に防止できる。
整流部材14は、被処理水分配機構13と槽体11の内壁面との間に設けられ、被処理水分配機構13により分散された被処理水の流れを上方向に変えるものである。この整流部材14は、被処理水分配機構13により分散される被処理水と衝突させることで、衝突した被処理水の大部分を上向きの流れとなるようにする。これにより、槽体11内における被処理水の上昇流をより均一化できる。
本実施形態において、整流部材14は、整流板14aと、整流板14aをその上面に固定する整流板支持部材14bと、で構成されている。
ここで、整流板14aは、被処理水分配機構13の外周を囲んだ円筒形状の部材であり、水平方向に分散された被処理水と衝突して被処理水の流れ方向を変えることができる。また、整流板支持部材14bは、整流板14aを安定して固定できる板状体で、被処理水と整流板14aとが衝突したとき被処理水が上方に効率的に流れるように、被処理水が下方に流れるのを抑制する作用を有する。さらに、この整流板支持部材14bは、沈降するフロックを槽体11の底部にまで沈降可能とするため、開口部を有することが好ましい。この開口部は、その上方に設けられる被処理水分配機構13よりも大きく設けることが好ましい。
以下に、整流部材14の好ましい配置位置について、図3A及び図3Bを参照しながら説明する。
図3Aは、図1に示す沈殿槽10において、整流部材14の水平方向における配置構成を説明するための図である。
上記説明したように、整流部材14は、被処理水分配機構13と槽体11の内壁面との間に設けられる。このとき、流入管12の外表面を起点として、整流板14aまでの距離をr、槽体11の内壁面までの距離をwとすると、rは、0.2w〜0.7wの範囲が好ましく、0.3w〜0.5wがより好ましい。このような位置とすると、水平方向に分散された被処理水が、槽体11の中心から壁面までの中ほどで上向きの流れが多く生じるため、槽体11内での上昇流をより均一化できる。
また、整流板14aを支持する整流板支持部材14bは、円板状であり円形の開口部が設けられている場合、次の関係を満たすことが好ましい。被処理水分配機構13の径をdとしたとき、整流板支持部材14bの開口部の径oは、1.1d〜2.0dの範囲が好ましく、1.4d〜1.6dがより好ましい。さらに、このとき整流板支持部材14bの板状部分(円環部分)であって、整流板14aよりも内側に突出している幅sは、距離wを基準に、0.05w〜0.2wの範囲が好ましく、0.1w〜0.15wがより好ましい。このような範囲を満たすことで、整流板14aに衝突した被処理水を効率よく上方への流れとでき、かつ、槽体中を沈降するフロックが整流板支持部材14bの内部に制限なく堆積せず、槽体11の底部へ沈降させることができる。
図3Bは、図1に示す沈殿槽10において、整流部材14の鉛直方向における配置構成を説明するための図である。
被処理水分配機構13と流入口12aとの距離をh、被処理水分配機構13の上面から整流板14aの上端部までの距離をp、被処理水分配機構13の上面から整流板支持部材14bの上面までの距離をbとしたとき、距離pは0.2h〜1.5hの範囲が好ましく、0.5h〜1.0hがより好ましい。また、距離bは、0〜0.5hの範囲が好ましく、0.1h〜0.2hがより好ましい。
距離pを上記のような範囲とすることにより、被処理水分配機構13により水平方向に流れてきた被処理水を整流板14aに衝突させ、上向きの流れとすることができる。なお、整流板14aは被処理水の全てと衝突させる必要はなく、槽体11の内壁面にまで到達して上昇流となる被処理水と、整流板14aと衝突して上昇流となる被処理水とが、同等の流速となるような条件とすることが好ましい。
また、距離bは、被処理水分配機構13の上面と同じ高さ又はそれよりも低い位置に設けられる整流板支持部材14bの上面までの距離である。距離bを上記のような範囲とすることにより、整流板14aと衝突した被処理水が下方に流れて底部に堆積したフロックを巻き上げるような不具合を防止することができ、効率よく上方への流れとすることができる。
溢流堰15は、槽体11内でフロックの沈降処理が行われ、被処理水を清浄化処理して得られた処理水を得るためのものであり、槽体11の上部に設けられる。この溢流堰15は、その上端部から溢れた処理水を収容できるように槽体11内に溝状に、一般に槽体11の壁面に沿って、設けられる。そして、溢流堰15に収容された処理水を流出管16により槽体11の外部に流出させる。このように得られた処理水はさらに他の処理を行う等してユースポイントへ送出される。
汚泥引抜管17は、槽体11の底部に沈殿し滞留した汚泥を槽体11の外部に排出する排出管である。この汚泥は、槽体11内においてフロックが塊状物となって沈降し、滞留した混合物である。この汚泥は、槽体11の底部に配設された掻寄機構の掻寄シャフト18を駆動モータ21により、支持部材19に垂設された掻寄板20を回転させることによって底部中央(最下部)に掻き寄せられる。
さらに、沈殿槽10には被処理水中のフロックの沈殿効率を高めるための棚板22を設けてもよい。この棚板22は、流入管12から供給された被処理水が槽体11の壁面に沿って上昇流となって流れる高さに、水平面に対して主面を平行又は傾斜した状態で設けられる。また、この棚板22は、槽体11の内壁面の周方向に円環状となるように設けられる。本明細書においては、円環状は、円環形状の平板状部材(棚板22)1枚により形成してもよいし、扇形状の平板状部材(棚板22)の複数枚を水平面に整列して設けて形成してもよい。扇状の平板状部材(棚板22)を複数枚用いる場合、内壁面の周方向において、棚板22同士の間に隙間ができるように配列してもよい。
なお、複数の棚板22を、棚板同士の間に隙間ができるように配列した場合、これらの隙間の鉛直方向の上下のいずれかに、所定の間隔を有して別の棚板を設け、棚板を多段に設けた構成とすることが好ましい。すなわち、同一高さの棚板同士の隙間に対して、その鉛直方向に他の棚板が設けられるようにする。さらに、この棚板22は、異なる高さに形成された棚板同士が平面視したときに重なるように形成されていることが好ましい(すなわち、平面視したとき、同一平面に形成された棚板同士の隙間よりも、異なる高さに設けられた棚板が周方向に長い形状で形成され、該隙間の鉛直方向に必ず異なる高さの棚板が設けられている)。このような構成とすることで、槽体11内で上昇流となった被処理水は棚板22により流れ方向を変えることができ、それにより上昇流となった被処理水中のフロックの沈降を促進できる。
この棚板22は、槽体11の内壁面と接触させて固定されることが好ましい。また、棚板22は、その主面を水平面と平行に設置してもよいが、槽体11の壁面側(外周側)より中心側(内周側)の方が下方に存在するように水平面と所定の傾斜角度θsをなすように傾斜して設置してもよい。傾斜して設置する場合、この傾斜角度θsは、例えば30°〜70°の範囲に設定することが好ましい。
沈殿槽10を構成する上記した槽体11、流入管12、被処理水分配機構13、整流部材14、棚板22等は任意の材料から構成することができる。なお、腐食性の被処理水を取り扱う場合は、その材料として、ステンレス、プラスチック、一般構造用圧延鋼材(SS400)等の金属板にエポキシ樹脂系等の樹脂素材を塗装した樹脂被覆材料などから構成することが好ましく、特に強度が要求されるような場合はステンレスから構成する。
また、本実施形態における“フロック”とは、浮遊物質を含む被処理水中に、例えば凝集剤などを添加するときに生じる、綿くず状の塊状物を意味するものである。
次に、図1及び図2に示す沈殿槽10を用いた被処理水の沈殿処理方法について説明する。最初に、沈降性のあるフロックを含む被処理水を流入管12に流入させると、被処理水は、流入管12の内部を流通していき、流入口12aから槽体11内に供給され、槽体11内を満たすこととなる。
続けて供給される被処理水は、流入管12の流入口12aから下方に向かって、槽体11内に供給される。供給された被処理水は、被処理水分配機構13と衝突して水平方向に向きを変え、槽体11の壁面に向けて分散される(沈殿槽10を平面視したとき、中央から外周に向かって放射状に広がる)。
槽体11内に供給された被処理水は、その流れ方向が槽体11の壁面に向かう流れとなるが、その途中に設けられた整流板14aとさらに衝突し、その流れ方向を上方へと変更される。ここで上方へと向きが変更された被処理水は、その後、一部はそのまま上昇流となり、他の一部は槽体11の壁面方向に向かい、壁面付近で上昇流及び下降流となる等、する。これにより、槽体11内で生じる上昇流が均一化する(整流板14aがない場合には、一般に、壁面付近で生じる上昇流がその内側の上昇流よりも流速が速くなる傾向がある)。
このようにして生じた上昇流中に含まれるフロックは、近くのフロックと塊状になる等しながら沈降し、また下降流中に含まれるフロックは、そのまま沈降する。このようにして沈降したフロックは、槽体11の下部において汚泥として滞留するようになる。なお、上昇流を形成する被処理水は、上記のように槽体11の壁面に沿って上昇するが、その一部が途中で棚板22と衝突し、フロックの沈降が促進される。
上昇流となって水面付近にまで到達した被処理水中には、沈降できなかった微小なフロックがわずかに存在し、これらの微小なフロックはその一部が槽体11の上部において凝集し、成長して、沈降を始める。槽体11の上部で沈降を開始するフロックは、上記と同様、沈殿槽10の底部に沈降していく。
このとき、整流部材14の上方から沈降するフロックは、一部が整流板支持部材14bの開口部を上から下に通過して沈殿槽10の底部まで沈降し、他の一部は被処理水分配機構13から分散された被処理水の流れに乗って再度巻き上げられ槽体11の上部で再度沈降を開始する。したがって、整流板支持部材14bにフロックが堆積することを抑制できる。
すなわち、本実施形態によれば、槽体11内での被処理水中におけるフロックの成長を促進させて沈殿処理を行うことができる。そのため、フロックの沈降による処理水の清浄化を効率的に行うことができ、水質を向上させた処理水を得ることができる。
一方、槽体11の底部に滞留した汚泥及びフロックの塊状物は、それぞれ汚泥の混合物として、掻寄機構により、槽体11の底部中央に設けられた排出口付近に集められる。そして、この汚泥の混合物は、該排出口に接続された汚泥引抜管17により外部に排出される。
一方、沈殿槽10内に供給されたフロックを含む被処理水から当該フロックが分離除去された処理水は、槽体11の上部に配設された溢流堰15を越えて集められ、流出管16により外部に流出される。このように清浄化された処理水は、さらに所定の処理等を施されユースポイントに供給される。
以上説明したように、本実施形態では、被処理水分配機構13及び整流部材14を配設するという簡易な構造とするだけで、槽体11内に供給された被処理水中のフロックの分離(沈殿)効率を効果的に高めることができ、槽内構造の簡略化と沈殿効率向上を両立した沈殿槽を提供することができる。
なお、上記した整流部材14は、円筒形状の整流板を例に示したが、これを複数枚の板状体を用いて、流入管12の軸を中心に円状に配置するようにしてもよい。例えば、整流部材14の変形例としては、図4A及び図4Bに示したように、平板状の整流板24aを複数枚有する整流部材24が例示できる。この整流部材24は、整流板支持部材24bの上面に整流板24aが整列して設けられており、整流板支持部材24bは上記した整流板支持部材14bと同一である。
この整流部材24では、整流板24aが、その板状体の両側端部が流入管12を中心とした同一の円上に配置されるようにして整列されている。この場合、被処理水分配機構13により水平方向に分散された被処理水の全てが整流板24aに衝突するものではなく、被処理水の一部は整流板24a間をそのまま放射状に流れて槽体11の壁面へ到達する。そして、他の一部は整流板24aに衝突し、流れが上方向へと変えられる。この点、被処理水の流れの全てが一旦上方向へと変えられる整流板14aとは対照的である。
この場合、水平方向に分散された被処理水の全てが整流板24aに衝突するわけではないので、整流部材24にかかる負荷を低減できる。また、整流板24aに衝突することなく壁面側へ流れる被処理水があることで、上記円筒状の整流板14aと比較して被処理水の流れが上方向と水平方向に適度に分流し、槽体11内で生じる被処理水の上昇流の流速をより均一化することができる。そのため、被処理水の流れの乱れを抑制することができる。また、整流板24a近傍では被処理水の流れが乱れるのでフロック同士が、より会合しやすくなり塊状物を形成して、フロックの沈殿を促進することができる。
なお、図4A及び図4Bでは、平板状の整流板24aが複数整列している例を示したが、これは湾曲した整流板としてもよい。このとき湾曲度合は適宜選択できる。例えば、整流板24aの両側端部を通る円の曲率半径を下限とし、それよりも大きな曲率半径となる湾曲板とすればよい。
さらに、このとき槽体11の内壁面に棚板22を設けておくことが好ましい。この棚板22を設けておくと、供給後、槽体11の内壁面に沿って上昇する被処理水がこの棚板22に衝突し、棚板22の下面に沿って流れる方向が斜め上方に変わる。これに対して、被処理水中に含まれるフロックは、被処理水が棚板22に衝突すると、流れが乱れてフロック同士が塊状物を形成し、フロックの沈降が促進される。
また、棚板22との衝突によっても沈降せず、流れ方向が斜め上方、そして上昇流となった被処理水中に含まれるフロックは、棚板22の上方で、近くのフロックと塊状になる等しながら沈降する。このフロックの沈降の際、フロックは上昇流の流れの影響で棚板22よりも上方で沈降を開始し、沈殿槽10の底部までそのまま沈降するか、棚板22の上面に沈降することとなる。そして、棚板22の上面にフロックがさらに堆積していき、ある程度堆積するとフロックの塊状物は槽体11内の底部へと崩落する。
棚板22を水平面に設置した場合には、フロックの堆積等の仕方などにより崩落の度合いが異なり、槽体11の底部へ沈降するフロックの大きさの変動の幅が大きい。このとき、堆積量が多く巨大化したフロックの塊状物が崩落すると、槽体11の底部に滞留した汚泥を巻き上げてしまうおそれがある。一方、棚板22を水平面に対して傾斜させた場合には、水平面と平行に設けた場合に比べてフロックの塊状物の崩落を早め、棚板22に沈降したフロックの堆積量を少なく、その塊状物の巨大化を抑制することができる。そして、このように棚板22から滑り落ちるフロックの塊状物の巨大化を抑制することで、槽体11の底部に滞留した汚泥の巻き上げに与える影響も抑制することができる。また、棚板22の傾斜角度θsを大きくすると、フロックの塊状物が棚板22の上面を転がり落ちるようにすることができ、安定して、槽体11内の底部へとフロックを沈殿させることができる。
また、棚板22は、複数枚を同一水平面に整列して、内壁面の周方向に棚板同士の隙間ができるように配列した場合、上記したように、これらの隙間の鉛直方向の上下のいずれかに、所定の間隔を有して別の棚板を設け、棚板を多段に設けることが好ましい。この場合、効率的にフロックを分離するには、異なる水平面に形成された棚板同士が平面視したときに重なるように(同一平面に形成された棚板同士の隙間よりも、他の段に設けられた棚板が周方向に長い形状で形成され、該隙間の鉛直方向に必ず他の棚板が設けられるように)配置することが好ましい。
このとき、異なる水平面に形成された棚板同士の重なりをできるだけ大きくすることがより好ましい。ただし、重なっている部分が大きすぎると、上昇流の流れ方向が急激に変わることとなり乱流が発生したり、また、異なる水平面に設けられた棚板同士の鉛直方向の距離を狭くしすぎると、フロックが上昇流に巻き上げられたり、しやすくなる。なお、これらの棚板を傾斜させても同様の状態となる。したがって、棚板22の複数枚を同一水平面に整列して、内壁面の周方向に棚板同士の隙間ができるように配列して、これらの隙間の鉛直方向の上下のいずれかに所定の間隔を有して別の棚板を設け、棚板を多段に設けた場合、十分にフロックが沈降できるように適宜条件を設定することが求められる。
本実施形態によれば、槽体11内で生じる被処理水の上昇流の流速を、より均一化することができ、これにより、処理効率を向上させ、得られる処理水の水質を向上させることができる。
(第2の実施形態)
図5A〜図5Cは、第2の実施形態における沈殿槽における、整流部材34の断面図を示したものである。この第2の実施形態において、整流部材34以外の沈殿槽の概略構成は第1の実施形態と同等であるので省略している。また、図1及び図2に示す構成要素と類似あるいは同一の構成要素に関しては同一の符号を用いて示す。
以下、第1の実施形態と異なる整流板34の構成について説明する。
本実施形態の整流板34は、図5A及び図5Bに示すように、第1の実施形態の変形例である図4A及び図4Bの整流板と、その構成は類似している。すなわち、複数の板状の整流板34aが、整流板支持部材34bの上面に円形状に整列して固定されている。なお、整流板支持部材34bは整流板支持部材14bと同一である。
この第2の実施形態において特徴的なのは、整流板34aの主面が整流板支持部材34bの中心に対して傾斜して設けられている点にある。すなわち、この整流板34aは、同一形状の整流板34aの複数枚を等間隔に円形状に整列して設けた例であるが、整流板支持部材34bと同一中心を有する同心円において、各整流板34aの左側端部を通る円と、各整流板31の右側端部を通る円と、が互いに異なる大きさの円となっている(図3A及び図3Bに示した整流部材24では、各整流板24aの両側端部を通る円は同一)。このような場合に、「整流板の主面が整流板支持部材の中心に対して傾斜している」ものとする。
そして、この傾斜の度合いについては、次のように表すことができる。図5Cに示したように、整流板支持部材34bの中心から整流板34aの主面中央を通る直線を引いたとき、その直線と整流板支持部材34bの同心円とが交わる点における接線tを考える。この接線tに対して、整流板34aの主面とのなす角度が傾斜の度合いである。この接線tと整流板31の主面とのなす角度をθとしたとき、この角度θは、5〜50度が好ましく、10〜30度がより好ましく、15〜20度がさらに好ましい。
なお、第1の実施形態における図4A及び図4Bに示した変形例においては、上記と同様に引いた接線に対して、整流板31の主面は接線と平行になっており角度を有していない。
この第2の実施形態のように、整流板34aの主面が接線tと角度を有していると、水平方向に分散された被処理水が整流板34aに衝突する際、被処理水は上方向に加え、整流板34aの側端部のうちより外周側に設けられている方向に流れる。これに応じて、整流板34aには、被処理水の流れと逆方向に動こうとする力(整流板34aの側端部において、外周側に設けられている側端部から内周側に設けられている側端部方向に向かう力)が働く。このとき整流板34aは、整流板支持部材34b上に円形状に整列して固定されているため、整流部材34が回転する力(図5Cに示した構成の場合には、図5Cに示した平面図において反時計回りに回転する力)が生じる。
したがって、この整流部材34を掻寄機構の支持部材19の上に固定しておくと、掻寄機構の回転を補助する力となる。そのため、掻寄機構を回転させる動力をより少ない力としても従来と同等の回転力を得ることができる。すなわち、本実施形態によれば、水平方向に分散された被処理水を上方向に流れを変えると共に、掻寄機構の回転を補助することもできる。
本実施形態の沈殿槽におけるその他の特徴及び利点は、第1の実施形態の沈殿槽10と同様であるので、説明を省略する。
(第3の実施形態)
図6は、第3の実施形態における沈殿槽の概略構成を示す断面図である。
なお、図1及び図2に示す構成要素と類似あるいは同一の構成要素に関しては同一の符号を用いている。
この第3の実施形態の沈殿槽40では、図6に示すように、第1の実施形態の沈殿槽10において、被処理水分配機構13の代わりに被処理分配機構41を設けている点が異なるものであり、それ以外は同一の構成を有している沈殿槽である。
被処理水分配機構41は、流入管12から供給される被処理水を水平方向に分散させるものであり、槽体11内に高速流が生じないように均等に分散させる構成とするものである。この被処理水分配機構41は、分流部材41aと分散プレート41bとから構成されている。
この被処理水分配機構41においては、分流部材41aは、主に被処理水の分流機能を担う円筒状の分流筒と、その下端部に接続された円環状の分散プレートと、から構成されている。この円環状の分散プレートは、開口部が形成されており、分流筒の下端部の外周側に一体的に接続されている。すなわち、上方から供給される被処理水は分流筒により2つの流れに分離され、そのうち分流筒の内側を流れる被処理水は、そのまま分流筒の内部を通過して、分散プレート41bに衝突するようになっている。一方、分流筒の外側を流れる被処理水は、分流筒の外側面に沿って流れ、その下端に接続された分散プレートに衝突するようになっている。
このように、分流部材41aの分散プレートに衝突した被処理水は高い位置で、分散プレート41bに衝突した被処理水は低い位置で、それぞれ分散されることになる。
このように、分流筒により被処理水の流れを分離することで、供給される被処理水の流束が外周側から順番に各分散プレートに衝突することとなる。分散プレートと衝突した被処理水は、それぞれ水平方向に外周側に向かって分散される。また、この分散は、分流した後、各分散プレートで段階的に行われるため、一度に衝突させて被処理水の流れを変更するのに比べ負荷が少なく、効率的に分散させることができる。
分流筒は、上記したように筒形状の部材であり、流入管12から供給される被処理水の流れを分離するものである。そのため、この分流筒は、被処理水を効率的に分流させるように、流入管12の流入口12aに、流入管12と平行に配設される。分流筒がこのように配設されることで、被処理水を、その流れに逆らうことなく、分流筒の内側と外側の2つの流れに円滑に分離できる。
ここで、例えば、分流筒の外径は、流入管12の内径の0.5〜0.9倍とすることが好ましく、0.6〜0.7倍とすることがより好ましい。また、その他、沈殿を効率的に行う所望の条件が得られるように、分流部材41aの分散プレートと分散プレート41bの外径、流入管12の流入口と分流部材41aの分散プレートとの間隔、分流部材41aの分散プレートと分散プレート41bとの間隔、等を適宜設定すればよい。
このとき、分流部材41aの分散プレートの外径は、流入管12の内径以上とするもので、流入管12の直径の1〜3倍が好ましい。また、分散プレート41bの外径は、分流筒の内径以上とするもので、分流筒の内径の1〜4倍が好ましい。
この第3の実施形態においては、分流筒が分散プレートと接続されていることで分流筒において被処理水の流れを確実に分割し、槽体11内の被処理水の流れを安定させることができる。
これらの分流部材41a及び分散プレート41bは、図示していない保持部材によりそれぞれが所定の位置関係になるように保持、固定される。さらに、この被処理水分配機構41は、流入管12の流入口12aとの位置関係も作用や効果に関わり、それぞれ鉛直方向に中心(軸)が一致するように配置、固定される。したがって、この被処理水分配機構41は、流入管12に固定されることが好ましい。なお、被処理水分配機構41は、掻寄シャフト18又は支持部材19に固定されてもよい。
なお、被処理水分配機構41は、1つの分流部材と1枚の分散プレートで構成されている例であるが、分流部材を2つ以上設けて、段階的に細かく被処理水を分流、分散させるようにしてもよい。このとき、分流部材の設置数は1〜3つ程度が好ましい。
本実施形態では、第1の実施形態で奏する作用、効果を同様に奏するものである。
〔第4の実施形態〕
図7は、第4の実施形態における沈殿槽の概略構成を示す断面図である。
図7に示すように、第4の実施形態の沈殿槽50は、槽体11と、槽体11の内部に配設され、該槽体11内に被処理水を供給する流入管12と、流入管12のから供給される被処理水を、衝突により水平方向に分散させる被処理水分配機構13と、被処理水分配機構13と槽体11の内壁面との間に設けられ、被処理水分配機構13により分散された被処理水の流れを上方向に変えることができる整流板54と、を備えてなる。
ここで、第1の実施形態と同一の構成については、同一の符号を付し、以下の説明では省略する。したがって、この図7に示した第4の実施形態における沈殿槽50は、図1に示した第1の実施形態の沈殿槽10において、整流部材14の代わりに整流部材54を設けている点が異なるものであり、それ以外は同一の構成を有している沈殿槽である。
整流部材54は、水平方向に分散された被処理水と衝突する整流板54aと、該整流板54aをその上面に固定する整流板支持部材54bとを有し、その主面を傾斜させることで被処理水の流れ方向を上方へと円滑に導くことを可能としたものである。なお、整流板支持部材54bは、整流板支持部材14bと同一又は類似のものである。
この整流板54aにおいては、その下端部がより内周側に、その上端部がより外周側に配置されるようにして主面が傾斜して設けられたテーパー形状の部材である。これにより、水平方向に分散された被処理水が整流板54aと衝突すると、被処理水は斜め上方へと流れ方向を変えて、上昇流となる。このとき、整流板54aのみで被処理水の流れを所望の方向に変えることができる。
このとき、整流板54aの傾斜角度をθとしたとき、この角度θは、整流板支持部材の上面に対して100〜170度が好ましく、120〜150度がより好ましい。このように整流板54aに傾斜をつけることで、整流板54aにかかる負荷を軽減できると共に、被処理水の流れを円滑なものとできる。
このような整流板に傾斜を設ける構成は、第2〜第3の実施形態においても適用できる。被処理水分配機構13を円環状及び円板状の部材により多段に設けた形態や第3の実施形態のように分流部材を用いて多段に設けた形態においては、その高さの異なる段ごとに、それぞれ傾斜した整流板を設けることができる。この場合、さらに、整流板を異なる段ごとに傾斜を変えて、槽体11内で生じる被処理水の上昇流の流速がより均一となるようにすることもできる。
本実施形態では、第1の実施形態で奏する作用、効果を同様に奏するものである。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として掲示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10,40,50 沈殿槽
11 槽体
12 流入管
12a 流入口
13 被処理水分配機構
14,24,34,54 整流部材
14a 整流板
14b 整流板支持部材
15 溢流堰
16 流出管
17 汚泥引抜管
18 掻寄シャフト
19 支持部材
20 掻寄板
21 駆動モータ
22 棚板

Claims (10)

  1. 被処理水中に含まれるフロックを沈殿分離するための沈殿槽であって、
    円柱状又は多角柱状の槽体と、
    前記槽体内において、前記槽体の軸方向下方に向かって前記被処理水を供給する流入管と、
    前記槽体内へ供給される前記被処理水を、衝突により水平方向に分散させる被処理水分配機構と、
    前記被処理水分配機構と前記槽体の内壁面との間に設けられ、前記被処理水分配機構により分散された被処理水と衝突させることで、衝突した被処理水の流れを上方向に変えることができる整流部材と、
    を備えることを特徴とする、沈殿槽。
  2. 前記整流部材が、前記流入管の軸を中心に円状に配置されている請求項1に記載の沈殿槽。
  3. 前記整流部材が、前記分散された被処理水と衝突する整流板と、該整流板を上面に固定する整流板支持部材と、を含む請求項1又は2に記載の沈殿槽。
  4. 前記整流板が、円筒形状である請求項3に記載の沈殿槽。
  5. 前記整流板が、複数の平板又は湾曲板を、円状に整列して配置されている請求項3に記載の沈殿槽。
  6. 前記平板又は前記湾曲板が、隣接する平板又は湾曲板との間に隙間を設けて整列されている請求項5に記載の沈殿槽。
  7. 前記平板又は前記湾曲板の主面が、前記整流板支持部材の中心に対して傾斜して整列されている請求項6に記載の沈殿槽。
  8. 前記整流板が、前記整流板の上面に対して傾斜して設けられている請求項4〜7のいずれか1項に記載の沈殿槽。
  9. 前記整流板支持部材が開口部を有している請求項4〜8のいずれか1項に記載の沈殿槽。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の沈殿槽を用いた沈殿処理方法であって、
    前記流入管から前記槽体内に、フロックを含有する被処理水を供給する被処理水供給工程と、
    前記槽体内に供給された被処理水を上昇流とし、被処理水中に含まれるフロックを沈降させるフロック沈降工程と、
    前記フロック沈降工程で沈降したフロックを、前記槽体の底部に沈殿させる沈殿工程と、
    を備えることを特徴とする、沈殿処理方法。
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