JP2021171694A - 沈殿処理装置及びディストリビュータ本数決定方法 - Google Patents

沈殿処理装置及びディストリビュータ本数決定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の課題は、被処理水中の固液を分離する沈殿処理装置において、沈殿処理部内に被処理水を供給するディストリビュータの配設本数を最適化し、凝集性の良いフロックを形成することができる沈殿処理装置及びディストリビュータ本数決定方法を提供することである。【解決手段】上記課題を解決するために、沈殿処理部と、沈殿処理部内に設けられ、被処理水を沈殿処理部内に供給するディストリビュータと、を備え、ディストリビュータは、1本当たりの負担量が規定され、規定した負担量に基づき本数決定が行われる沈殿処理装置及びディストリビュータ本数決定方法を提供する。本発明によれば、沈殿処理部内への被処理水の供給においてフロック形成に際して適切な流量を維持することができるとともに、ディストリビュータの配設本数を最適化することができる。これにより、凝集性の良いフロックを形成することが可能となる。【選択図】図1

Description

本発明は、沈殿処理装置及びディストリビュータ本数決定方法に関するものである。
排水などの被処理水を処理する水処理手段の一つとして、反応槽内に被処理水を供給した後、反応槽内で処理を行うものが知られている。このような水処理としては、沈殿処理を行う沈殿処理部内に被処理水を供給し、被処理水中の固形物などの不純物を除去する固液分離処理が挙げられる。
例えば、特許文献1には、被処理水を沈降分離処理するための沈殿処理部(沈殿槽)内に、凝集剤が添加された被処理水を供給する複数の供給管からなるディストリビュータを備えた沈殿処理装置が記載されている。
特開2018−134619号公報
特許文献1に記載されるように、沈殿処理部内に被処理水を供給するために複数の供給管からなるディストリビュータを用いることは知られている。
ここで、被処理水をディストリビュータから供給する場合、単にディストリビュータの本数を増加させると、ディストリビュータから排出される被処理水の流れが干渉し合い、フロック形成に影響を与え、フロックの凝集性を低下させてしまうことや、沈殿処理部内で形成されているフロックの層を乱してしまい、処理水の水質悪化につながるという問題が生じる。一方、特許文献1には、ディストリビュータの本数をどのようにして決定するかについては特に記載されていない。
そこで、本発明の課題は、被処理水中の固液を分離する沈殿処理装置において、沈殿処理部内に被処理水を供給するディストリビュータの配設本数を最適化し、凝集性の良いフロックを形成することができる沈殿処理装置及びディストリビュータ本数決定方法を提供することである。
本発明者は、上記の課題について鋭意検討した結果、ディストリビュータ1本当たりが負担する負担量を規定し、この負担量に基づきディストリビュータの配設本数を決定することで、ディストリビュータの配設本数を最適化し、凝集性の良いフロックを形成することが可能となることを見出して、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の沈殿処理装置及びディストリビュータ本数決定方法である。
上記課題を解決するための本発明の沈殿処理装置は、被処理水中の固液を分離する沈殿処理装置であって、沈殿処理部と、沈殿処理部内に設けられ、被処理水を沈殿処理部内に供給するディストリビュータと、を備え、ディストリビュータは、1本当たりの被処理水の供給量が6〜750L/minとなるように本数が設定されることを特徴とするものである。
本発明の沈殿処理装置によれば、ディストリビュータ1本当たりが負担する被処理水の供給量の範囲を規定することで、沈殿処理部内への被処理水の供給においてフロック形成に際して適切な流量を維持することができる。また、規定した被処理水の供給量の範囲を満たすようにディストリビュータの本数を設定することで、ディストリビュータの配設本数を最適化することができる。これにより、凝集性の良いフロックを形成することが可能となる。
また、上記課題を解決するための本発明の沈殿処理装置は、被処理水中の固液を分離する沈殿処理装置であって、沈殿処理部と、沈殿処理部内に設けられ、被処理水を沈殿処理部内に供給するディストリビュータと、を備え、ディストリビュータは、沈殿処理部の外周の長さに対して、3〜10mごとに設けられるように本数が設定されることを特徴とするものである。
本発明の沈殿処理装置によれば、沈殿処理部の外周の長さに対して、ディストリビュータを配設する間隔の範囲を規定することで、沈殿処理部の水平方向の断面積に対し、ディストリビュータ1本当たりが負担する領域が規定される。これにより、ディストリビュータ1本当たりの負担量が規定され、沈殿処理部内への被処理水の供給においてフロック形成に際して適切な流量を維持することができる。また、規定した配設間隔の範囲を満たすようにディストリビュータの本数を設定することで、沈殿処理部の水平方向の断面積に応じ、ディストリビュータの配設本数を最適化することができる。これにより、凝集性の良いフロックを形成することが可能となる。
また、本発明の沈殿処理装置の一実施態様としては、ディストリビュータの総本数は、偶数本であるという特徴を有する。
この特徴によれば、ディストリビュータの配設において、左右あるいは沈殿処理部内の周方向における対称性を備えた設計が容易となる。これにより、被処理水の供給において、偏流の発生を抑制し、より凝集性の良いフロックを形成することが可能となる。
また、本発明の沈殿処理装置の一実施態様としては、ディストリビュータは、均等に配置されているという特徴を有する。
この特徴によれば、ディストリビュータの配設において、設計が容易となるとともに、左右あるいは沈殿処理部内の周方向におけるバランスをとることが容易となる。これにより、被処理水の供給を均質化し、より凝集性の良いフロックを形成することが可能となる。
また、本発明の沈殿処理装置の一実施態様としては、ディストリビュータは、沈殿処理部内で回転するという特徴を有する。
この特徴によれば、被処理水の供給に当たり、ディストリビュータから均等に分散させて被処理水の供給を行うことができる。これにより、凝集性の良いフロックを形成させることができるとともに、沈殿処理部内のフロックの層を乱すことなく沈降分離処理を行うことができ、処理効率を高めることも可能となる。
また、上記課題を解決するための本発明のディストリビュータ本数決定方法は、被処理水中の固液を分離する沈殿処理部を備える沈殿処理装置において、被処理水を沈殿処理部内に供給するディストリビュータの本数を決定するディストリビュータ本数決定方法であって、ディストリビュータ1本当たりが負担する負担量を規定する負担量規定工程と、負担量規定工程で規定された負担量に基づき、ディストリビュータの本数を算出する本数算出工程と、を備え、負担量規定工程は、ディストリビュータ1本当たりの被処理水の供給量が6〜750L/minとなること、及び/又は、沈殿処理部の外周の長さに対して、ディストリビュータが3〜10mごとに配設されることが含まれるという特徴を有する。
この特徴によれば、ディストリビュータ1本当たりが負担する負担量を、被処理水の供給量及び/又は配設間隔の範囲という形で規定することで、沈殿処理部内への被処理水の供給においてフロック形成に際して適切な流量を維持することができる。また、規定した被処理水の供給量及び/又は配設間隔の範囲を満たすようにディストリビュータの本数を設定することで、ディストリビュータの配設本数を最適化することができる。これにより、凝集性の良いフロックを形成することが可能となる。
本発明によれば、被処理水中の固液を分離する沈殿処理装置において、沈殿処理部内に被処理水を供給するディストリビュータの配設本数を最適化し、凝集性の良いフロックを形成することができる沈殿処理装置及びディストリビュータ本数決定方法を提供することができる。
本発明の第1の実施態様の沈殿処理装置を示す概略説明図である。 本発明の第1の実施態様の沈殿処理装置におけるディストリビュータの構造の一例を示す概略説明図(上方から見た平面図)である。 本発明の第2の実施態様の沈殿処理装置におけるディストリビュータの構造の一例を示す概略説明図(上方から見た平面図)である。
以下、図面を参照しつつ本発明に係る沈殿処理装置及びディストリビュータ本数決定方法の実施態様を詳細に説明する。なお、実施態様に記載する沈殿処理装置の構造については、本発明に係る沈殿処理装置を説明するために例示したにすぎず、これに限定されるものではない。また、実施態様に記載するディストリビュータ本数決定方法については、本発明に係るディストリビュータ本数決定方法を説明するために例示したにすぎず、これに限定されるものではない。
本実施態様に係る被処理水は、分離処理対象である固形物を含むものであればよく、発生源や固形物の種類は特に限定されない。被処理水としては、例えば、工場排水や生活排水のほか、河川水や他の水処理設備からの一次処理水などが挙げられる。
〔第1の実施態様〕
図1は、本発明の第1の実施態様における沈殿処理装置100Aの構造を示す概略説明図である。また、図2は、本発明の第1の実施態様の沈殿処理装置100Aにおけるディストリビュータの構造の一例を示す概略説明図(上方から見た平面図)である。
(沈殿処理装置)
本実施態様に係る沈殿処理装置100Aは、図1に示すように、沈殿処理部1として沈殿槽10を備え、沈殿槽10内に被処理水W中の固形物を凝集してフロック化するミキシングチャンバ20とを備えた凝集沈殿処理装置である。ここで、ミキシングチャンバ20を通過することにより凝集したフロックFを含む被処理水Wが、ディストリビュータ30を介して沈殿槽10内に吐出され、沈殿槽10の下方にフロックFが沈殿する一方、沈殿槽10の上方には上澄みである清澄層Cが形成され、清澄された処理水W1は、沈殿槽10の上部側に設けた処理水排出部40により排出される。また、沈殿槽10の底部に沈殿したフロックF(沈殿物P)は、沈殿槽10の底部中央から汚泥排出部50を介して排出される。さらに、沈殿処理装置100Aには、沈殿槽10の底部に沈殿した沈殿物Pを汚泥排出部50側へ掻き寄せる掻き寄せ部60を備えている。
以下、沈殿処理装置100Aに係る各構成について説明する。
沈殿槽10は、被処理水Wを貯留することができるものであればよく、具体的な構造については特に限定されない。例えば、有底かつ底面が円形あるいは多角形からなる筒体などが挙げられる。また、図1に示すように、沈殿槽10の底部は、沈殿槽10の中心に向かって傾斜した構造を有し、沈殿槽10の底部中央には、後述する汚泥引抜用凹部51を設けるものとすることが挙げられる。これにより、フロックF(沈殿物P)の回収及び排出を容易に行うことが可能となる。
ミキシングチャンバ20は、沈殿槽10内に設けられ、被処理水W中の固形物を凝集してフロック化させることができるものであればよい。より具体的には、ミキシングチャンバ20は、被処理水Wに対し、凝集剤を添加する機能を有するとともに、凝集剤と被処理水W中の固形物とを混合させる機能を有するものとすることが挙げられる。
以下、ミキシングチャンバ20の一例について説明する。本実施態様におけるミキシングチャンバ20としては、例えば、図1に示すように、沈殿槽10の中央に直立状態で配設された筒状の中空部材であり、その内部に被処理水Wが流入して流れる流路20aが形成されているものが挙げられる。また、ミキシングチャンバ20には、ミキシングチャンバ20内に被処理水Wを供給するために、流入管21を設けるものとしてもよい。流入管21は、ミキシングチャンバ20内に被処理水Wを供給することができるものであればよく、例えば図1に示すように、沈殿槽10に対し水平方向に延びた流入管21を、沈殿槽10の周壁10aを貫通して沈殿槽10内側に延伸させ、ミキシングチャンバ20と接続されるものが挙げられる。
また、ミキシングチャンバ20内には、流入管21から供給される被処理水Wに対し、被処理水W中の固形物を凝集しフロック化するために、凝集剤を添加する凝集剤添加手段を備えることが挙げられる。
本実施態様の凝集剤添加手段の一例としては、ミキシングチャンバ20内の流路20aを流れる被処理水Wに対して凝集剤を添加する凝集剤添加部22を設けることが挙げられる。より具体的には、流路20a内に凝集剤添加用ノズル22が添加されるものを図1に例示しているが、これに限定されるものではない。他の例としては、例えば、流入管21の上流に凝集剤添加部を別途設け、この凝集剤添加部より被処理水Wに凝集剤が添加されるものとすることが挙げられる。
被処理水Wに混合される凝集剤としては、無機凝集剤及び高分子凝集剤が挙げられる。凝集剤は、無機凝集剤あるいは高分子凝集剤のみを用いるものであってもよく、無機凝集剤と高分子凝集剤を併用するものであってもよい。なお、無機凝集剤及び高分子凝集剤を併用する場合、無機凝集剤、高分子凝集体の順に被処理水Wに添加することが好ましい。これにより、安定したフロック形成が可能となる。
凝集剤の具体例としては、例えば、無機凝集剤としては、硫酸バンドやPAC等のAl系無機凝集剤や、ポリ硫酸鉄等のFe系無機凝集剤が挙げられる。あるいは、NaOH、Ca(OH)等のアルカリ又はHSO、HCl等の酸によるpH調整剤や、Ca、Al、Fe系化合物の添加や、酸化剤・還元剤の添加等により結晶を析出させるものとしてもよい。また、高分子凝集剤としては、ポリアミノアルキルメタクリレート、ポリエチレンイミン、ハロゲン化ポリジアリルアンモニウム、キトサン、尿素−ホルマリン樹脂等のカチオン性高分子凝集剤、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリルアミド部分加水分解物、部分スルホメチル化ポリアクリルアミド、ポリ(2−アクリルアミド)−2−メチルプロパン硫酸塩等のアニオン性高分子凝集剤、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキシド等のノニオン性高分子凝集剤、アクリルアミドとアミノアルキルメタクリレートとアクリル酸ナトリウムの共重合体等の両性高分子凝集剤が挙げられる。
また、ミキシングチャンバ20内には、被処理水Wと凝集剤を混合し撹拌するための回転ミキサ23が配設されている。これにより、流路20a内で被処理水Wと凝集剤を混合、撹拌することができ、被処理水W中の固形物をフロック化することが可能となる。なお、回転ミキサ23の構造については特に限定されない。例えば、図1に示すように、円筒状の構造体に複数の撹拌翼を設けたものを回転駆動させること等が挙げられる。
ここで、図1に示すように、この回転ミキサ23内には、沈殿槽10に沿った高さ方向に延在するシャフトSが配置されており、シャフトSは上端に取り付けられたモータ等の駆動装置Mによって軸心周りに回転可能となっている。また、このとき、ミキシングチャンバ20とシャフトSとは互いに接しておらず、ミキシングチャンバ20内をシャフトSが貫通している。
シャフトSの下部には、ミキシングチャンバ20内の被処理水Wを沈殿槽10に供給するためのディストリビュータ30が固定されている。このディストリビュータ30は、図2に示すように、ミキシングチャンバ20内に連通した複数本の供給管31が、水平かつ放射状に延びるように設けられている。また、供給管31には、ミキシングチャンバ20内で形成されたフロックFを含む被処理水Wを吐出するための吐出孔31aが、沈殿槽10底部に向けた状態で複数設けられている。なお、ディストリビュータ30における供給管31の配置及び本数については後述する。
ここで、シャフトSが回転駆動することで、シャフトSと共にディストリビュータ30が回転し、ミキシングチャンバ20内のフロックFを含む被処理水Wは、沈殿槽10内に均等に分配供給される。これにより、凝集性の良いフロックFを形成させることができるとともに、沈殿槽10底部に沈殿したフロックF(沈殿物P)からなる層を乱すことなく沈降分離処理を行うことができ、処理効率を高めることも可能となる。
また、シャフトSには、ミキシングチャンバ20及びディストリビュータ30よりもさらに下方側に、掻き寄せ部60が取り付けられている。この掻き寄せ部60により、ディストリビュータ30から供給されて沈殿槽10底部に沈殿したフロックF(沈殿物P)を汚泥排出部50側に掻き寄せることができる。
汚泥排出部50は、沈殿槽10の底部に沈殿した沈殿物Pを沈殿処理装置100A外に排出することができるものであればよく、具体的な構造については特に限定されない。汚泥排出部5としては、例えば、図1に示すように、沈殿槽10の底部に設けられた汚泥引抜用凹部51、汚泥引抜管52、汚泥引抜ポンプ(不図示)などからなるものが挙げられる。また、図1に示すように、汚泥引抜用凹部51内の沈殿物Pを掻き落とすためのスクレーパ53をシャフトSに取り付けるものとすること等が挙げられる。
掻き寄せ部60は、沈殿槽10の底部に沈殿した沈殿物Pを掻き寄せ、汚泥排出部50側に掻き寄せることができるものであればよく、具体的な構造については特に限定されない。掻き寄せ部60としては、例えば、図1に示すように、旋回シャフト61、支持ロッド62、掻き寄せブレード63などからなるものが挙げられる。
(ディストリビュータの本数決定)
本実施態様の沈殿処理装置100Aに配設されるディストリビュータ30の本数決定について、以下説明する。なお、本実施態様において「ディストリビュータの本数」とは、ディストリビュータ30を構成する供給管31の本数のことを指すものであり、「ディストリビュータ1本当たり」とは、供給管31の1本当たりに係るものを指すものである。
本実施態様のディストリビュータの本数決定においては、ディストリビュータ1本当たりが負担する負担量を規定する負担量規定工程と、負担量規定工程で規定した負担量に基づき、ディストリビュータの本数を算出する本数算出工程とを備えている。
ここで、負担量規定工程において規定されるディストリビュータ1本当たりの負担量は、ディストリビュータ1本当たりにおける被処理水Wの供給量が6〜750L/minの範囲となるようにすることが挙げられる。
ディストリビュータ1本当たりにおける被処理水Wの供給量が6L/minより小さくなると、供給管31内の勢いが小さくなり被処理水W中に含まれるフロックFが吐出孔31aから吐出されずに供給管31内に堆積してしまう。一方、ディストリビュータ1本当たりにおける被処理水Wの供給量が750L/minよりも大きくなると、供給管31内の圧力損失が大きくなることに加え、供給管31の吐出孔31aから排出された被処理水Wの勢いが強くなり過ぎるため、沈殿槽10内で形成されているフロックFの層を乱してしまい、処理水W1の水質が悪化するおそれがある。
したがって、ディストリビュータ1本当たりにおける被処理水Wの供給量が、所定の範囲内となるように規定する。
このとき、ディストリビュータ1本当たりにおける被処理水Wの供給量が、規定された範囲内に収まるようにする具体的な手段については特に限定されない。例えば、ディストリビュータ30を構成する供給管31の直径や長さを調整することで、1本当たりの供給管31内に導入される被処理水Wの量を調整することや、吐出孔31aのサイズや個数を調整することで、1本当たりの供給管31から排出される被処理水Wの量を調整することなどが挙げられる。
そして、本数算出工程において、負担量規定工程で規定された負担量を満たすように、ディストリビュータの本数の算出を行う。例えば、ミキシングチャンバ20を介し、ディストリビュータ30に導入される被処理水Wの全量を、規定した負担量で除することが挙げられる。これにより、何本の供給管31を配置すれば、ディストリビュータ30に導入される被処理水Wの全量を、規定した負担量で各供給管31から排出することができるかについて求めることが可能となり、ディストリビュータの配設本数を最適化することが可能となる。
このとき、ディストリビュータ30(供給管31)の総本数は偶数とすることが好ましい。仮に、被処理水Wの全量を規定した負担量で除した結果が奇数となった場合においては、除した結果が偶数となるように、規定した負担量あるいは被処理水Wの全量を調整することが好ましい。ディストリビュータの総本数を偶数とすることで、ディストリビュータ30(供給管31)の配設に際し、対称性を有する構造として設計することが容易になる。また、ディストリビュータ30(供給管31)が対称構造を有することにより、ディストリビュータ30を介して沈殿槽10内に被処理水Wを供給する際において、偏流の発生を抑制することが可能になるとともに、沈殿処理装置100Aの製造時において作業工程が複雑化しないという利点を有する。
また、このとき、ディストリビュータ30(供給管31)は、均等に配置されることがさらに好ましい。特に、偶数本のディストリビュータ30(供給管31)を均等に配置することで、ディストリビュータ30に係る設計が容易となるとともに、バランスをとることが容易となる。これにより、沈殿槽10内に対する被処理水Wの供給を均質化し、より凝集性の良いフロックを形成することが可能となる。
以上のように、本実施態様の沈殿処理装置100Aにより、ディストリビュータ1本当たりが負担する被処理水の供給量の範囲を規定することで、沈殿処理部内への被処理水の供給においてフロック形成に際して適切な流量を維持することができる。また、規定した被処理水の供給量の範囲を満たすようにディストリビュータの本数を設定することで、ディストリビュータの配設本数を最適化することができる。これにより、凝集性の良いフロックを形成することが可能となる。
〔第2の実施態様〕
図3は、本発明の第2の実施態様の沈殿処理装置100Bにおけるディストリビュータの構造の一例を示す概略説明図(上方から見た平面図)である。
本実施態様に係る沈殿処理装置100Bは、第1の実施態様におけるディストリビュータの本数決定に係る工程のうち、負担量規定工程において規定する対象として、ディストリビュータ1本当たりにおける被処理水Wの供給量に代えて、沈殿処理部1の外周の長さに対して、ディストリビュータ30が配設される間隔Dとするものである。なお、第1の実施態様の沈殿処理装置100Aの構成と同じものについては、説明を省略する。
第1の実施態様と同様に、本実施態様においても、「ディストリビュータの本数」とは、ディストリビュータ30を構成する供給管31の本数のことを指すものであり、「ディストリビュータ1本当たり」とは、供給管31の1本当たりに係るものを指すものである。また、本実施態様において、「ディストリビュータの配設間隔」とは、図3に示すように、隣り合う供給管31の先端側(沈殿槽10外壁側)同士の間隔Dを指すものである。
本実施態様の負担量規定工程において規定されるディストリビュータ1本当たりの負担量は、ディストリビュータ30(供給管31)を配設する間隔Dの範囲を規定することで決定されるものである。より詳しくは、沈殿処理部1の外周の長さに対して、ディストリビュータ30(供給管31)を配設する間隔Dの範囲を規定することで、沈殿処理部1の水平方向の断面積に対し、ディストリビュータ1本当たりが受け持つ範囲が決まる。これにより、ディストリビュータ1本当たりが負担する負担量について規定される。
ここで、本実施態様の負担量規定工程においては、沈殿処理部1(沈殿槽10)の外周の長さに対して、ディストリビュータ30(供給管31)を3〜10mごとに配設することが挙げられる。
ディストリビュータの配設間隔Dが3mより小さくなると、供給管31同士の距離が近いことから、供給管31の吐出孔31aから排出される被処理水Wが形成する流れが互いに干渉し合い、フロックFの形成に影響し、凝集性の良いフロックFを形成することが困難になる。一方、ディストリビュータの配設間隔Dが10mよりも大きくなると、供給管31同士の距離が離れ過ぎることになり、沈殿槽10の水平方向の断面積に対し、偏りなく被処理水Wを分配供給することが困難となる。
したがって、ディストリビュータの配設間隔Dが、所定の範囲内となるように規定する。
そして、本数算出工程において、負担量規定工程で規定された負担量を満たすように、ディストリビュータの本数の算出を行う。例えば、沈殿処理部1(沈殿槽10)の外周を、規定した負担量(ディストリビュータの配設間隔D)で除することが挙げられる。これにより、何本の供給管31を配置すれば、沈殿処理部1の大きさに合わせ、規定した負担量を満たすことができるかについて求めることが可能となり、ディストリビュータの配設本数を最適化することが可能となる。
このとき、ディストリビュータ30(供給管31)の総本数は偶数とすることが好ましい。仮に、沈殿処理部1(沈殿槽10)の外周を、規定した負担量(ディストリビュータの配設間隔D)で除した結果が奇数となった場合においては、除した結果が偶数となるように、規定した負担量を調整することが好ましい。ディストリビュータの総本数を偶数とすることで、ディストリビュータ30(供給管31)の配設に際し、対称性を有する構造として設計することが容易になる。また、ディストリビュータ30(供給管31)が対称構造を有することにより、ディストリビュータ30を介して沈殿槽10内に被処理水Wを供給する際において、偏流の発生を抑制することが可能になるとともに、沈殿処理装置100Bの製造時における作業工程が複雑化しないという利点を有する。
また、このとき、ディストリビュータ30(供給管31)は、均等に配置されることがさらに好ましい。特に、偶数本のディストリビュータ30(供給管31)を均等に配置することで、ディストリビュータ30に係る設計が容易となるとともに、バランスをとることが容易となる。これにより、沈殿槽10内に対する被処理水Wの供給を均質化し、より凝集性の良いフロックを形成することが可能となる。
以上のように、本実施態様の沈殿処理装置100Bにより、ディストリビュータ1本当たりの負担量を、ディストリビュータの配設間隔の範囲という形で規定することで、沈殿処理部内への被処理水の供給においてフロック形成に際して適切な流量を維持することができる。また、規定したディストリビュータの配設間隔の範囲を満たすようにディストリビュータの本数を設定することで、ディストリビュータの配設本数を最適化することができる。これにより、凝集性の良いフロックを形成することが可能となる。
なお、上述した実施態様は沈殿処理装置及びディストリビュータ本数決定方法の一例を示すものである。本発明に係る沈殿処理装置及びディストリビュータ本数決定方法は、上述した実施態様に限られるものではなく、要旨を変更しない範囲で、上述した実施態様に係る沈殿処理装置及びディストリビュータ本数決定方法を変形してもよい。
例えば、本実施態様における沈殿処理装置は、ミキシングチャンバを備える沈殿槽を用いた凝集沈殿処理装置に限定されるものではない。沈殿処理装置としては、ディストリビュータを介して被処理水が供給される沈殿処理部を備えるものであればどのようなものであってもよく、本実施態様に記載されたものに限定されない。
他の例としては、例えば、沈殿槽の前段に被処理水と凝集剤を混合する混合槽を備える沈殿処理装置や、スラッジブランケットを形成する凝集沈殿槽を備える凝集沈殿処理装置等が挙げられる。なお、スラッジブランケットを形成する凝集沈殿処理装置の例としては、沈殿処理部として外壁部及び内壁部による二重構造式の凝集沈殿槽を用い、凝集剤を添加した被処理水が上昇するに伴ってフロックが成長するブランケット状のフロック成長ゾーンを形成するスラッジブランケット部と、スラッジブランケット部に被処理水を供給するディストリビュータと、スラッジブランケット部において発生した余剰スラッジを濃縮する濃縮部とを備えた凝集沈殿槽を有する凝集沈殿処理装置などが挙げられる。このような沈殿処理装置に対し、本実施態様におけるディストリビュータの本数及び配置に係る構成を採用することで、ディストリビュータの配設本数を最適化することができる。これにより、凝集性の良いフロックを形成することができる沈殿処理装置とすることが可能となる。
また、本実施態様におけるディストリビュータの本数決定方法として、ディストリビュータの本数決定に係る工程は、第1の実施態様及び第2の実施態様をそれぞれ単独で行うものとしてもよいが、両者を組み合わせたものとしてもよい。これにより、ディストリビュータの配設本数の最適化に係る精度を高めることが可能となる。
本発明の沈殿処理装置及びディストリビュータ本数決定方法は、沈殿処理部内にディストリビュータを介して被処理水を供給する沈殿処理装置に対して好適に用いることができる。
100A,100B 沈殿処理装置、1 沈殿処理部、10 沈殿槽、10a 周壁、20 ミキシングチャンバ、20a 流路、21 流入管、22 凝集剤供給部、22a 凝集剤添加用ノズル、23 回転ミキサ、30 ディストリビュータ、31 供給管、31a 吐出孔、40 処理水排出部、50 汚泥排出部、51 汚泥引抜用凹部、52 汚泥引抜管、53 スクレーパ、60 掻き寄せ部、61 旋回シャフト、62 支持ロッド、63 掻き寄せブレード、C 清澄層、D ディストリビュータの配設間隔、F フロック、M 駆動装置、P 沈殿物、S シャフト、W 被処理水、W1 処理水

Claims (6)

  1. 被処理水中の固液を分離する沈殿処理装置であって、
    沈殿処理部と、
    前記沈殿処理部内に設けられ、前記被処理水を前記沈殿処理部内に供給するディストリビュータと、を備え、
    前記ディストリビュータは、1本当たりの被処理水の供給量が6〜750L/minとなるように本数が設定されることを特徴とする、沈殿処理装置。
  2. 被処理水中の固液を分離する沈殿処理装置であって、
    沈殿処理部と、
    前記沈殿処理部内に設けられ、前記被処理水を前記沈殿処理部内に供給するディストリビュータと、を備え、
    前記ディストリビュータは、前記沈殿処理部の外周の長さに対して、3〜10mごとに設けられるように本数が設定されることを特徴とする、沈殿処理装置。
  3. 前記ディストリビュータの総本数は、偶数本であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の沈殿処理装置。
  4. 前記ディストリビュータは、均等に配置されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の沈殿処理装置。
  5. 前記ディストリビュータは、前記沈殿処理部内で回転することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の沈殿処理装置。
  6. 被処理水中の固液を分離する沈殿処理部を備える沈殿処理装置において、前記被処理水を前記沈殿処理部内に供給するディストリビュータの本数を決定するディストリビュータ本数決定方法であって、
    前記ディストリビュータ1本当たりが負担する負担量を規定する負担量規定工程と、
    前記負担量規定工程で規定された負担量に基づき、ディストリビュータの本数を算出する本数算出工程と、を備え、
    前記負担量規定工程は、前記ディストリビュータ1本当たりの被処理水の供給量が6〜750L/minとなること、及び/又は、前記沈殿処理部の外周の長さに対して、前記ディストリビュータが3〜10mごとに配設されることが含まれることを特徴とする、ディストリビュータ本数決定方法。


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