JP3467839B2 - 電気粘性流体組成物の製造方法 - Google Patents

電気粘性流体組成物の製造方法

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JP3467839B2
JP3467839B2 JP14094694A JP14094694A JP3467839B2 JP 3467839 B2 JP3467839 B2 JP 3467839B2 JP 14094694 A JP14094694 A JP 14094694A JP 14094694 A JP14094694 A JP 14094694A JP 3467839 B2 JP3467839 B2 JP 3467839B2
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【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 本発明はクラッチ、ダンパ、シ
ョックアブソーバ、バルブ、アクチュエータ、バイブレ
ータ、プリンタ、振動素子等の機器の動力伝達用または
制動用に使用できる電気粘性流体組成物の製造方法に関
するものであり、特に外部電圧の印加によって剪断流動
に対する大きな抵抗を安定的に発生し、かつ耐熱性およ
び保存安定性に優れた電気粘性流体組成物の製造方法に
関する。 【0002】 【従来の技術】従来から、電気粘性流体と呼ばれる組成
物は知られている。この組成物は例えば電気絶縁性の媒
体中に固体粒子を分散させて得られる流体であり、これ
に外部電圧を加えるとその粘度が著しく増大し、場合に
よっては固化する性質をもつ、いわゆる電気粘性効果を
有する流体組成物である。このような電気粘性効果はウ
インズロー効果として知られ、該ウィンズロー効果は前
記流体組成物を電極の間に挿入して電圧を印加すると
き、電極間に生ずる電場の作用によって前記流体組成物
中に分散している固体粒子が分極し、さらに分極に基づ
く静電引力によって互いに電場方向に配位連結して外部
剪断流動に抵抗する結果、発現するものである。電気粘
性流体は上記のような電気粘性効果を有するために、ク
ラッチ、ダンパ、ショックアブソーバ、バルブ、アクチ
ュエータ、バイブレータ、プリンタ、振動素子等の機器
の動力伝達用または制動用としての応用が期待されてい
る。 【0003】しかし、従来知られている電気粘性流体に
は様々な課題があった。従来の電気粘性流体としては、
例えばシリコン油、塩化ジフェニル、トランス油等の電
気絶縁性油の中にシリカゲル、セルロース、でんぷん、
大豆カゼイン、ポリスチレン系イオン交換樹脂等のよう
な粒子の表面に水を吸着保有する固体粒子を分散させた
ものが知られている。しかし、これらは荷電中の外部剪
断流動に対する抵抗力(以下、「剪断抵抗」という。)
が不十分であり、また高い印加電圧を必要とし、消費電
力が大きく、固体粒子の吸着等によって時として異常電
流が流れたり、固体粒子が泳動して一方の電極に凝集し
たり、また保存安定性も乏しいものであった。さらに上
記従来の電気粘性流体は加熱によって上記粒子に吸着さ
れていた水が脱離したり蒸発したりして粒子の含水率が
変化するので電気特性が変化し、従って耐熱性、耐湿性
が乏しい等の問題もあった。そこで、例えば固体粒子と
して半導体を含む電気伝動度の低い無機固体粒子を使用
するもの(特開平2−91194号公報)や、多価金属
の水酸化物、ハイドコタルサイト類、多価金属の酸性
塩、ヒドロキシアパタイト、ナシコン型化合物、粘土鉱
物、チタン酸カリウム類、ヘテロポリ酸塩または不溶性
フェロシアン化物からなる無機イオン交換体粒子を使用
するもの(特開平3−200897号公報)等が提案さ
れている。しかし、これらの無機固体粒子は分散媒とな
る電気絶縁性油との比重差が大きいため経時的に沈降を
起こし、容易に再分散できない程度に沈降凝集する等、
保存安定性に乏しかった。またこれらの無機固体粒子は
きわめて硬質であるために電圧印加用の電極や機器壁と
の摩耗によって生じた摩耗粉が電気粘性流体中に浮遊す
ること等によって使用中に電気粘性特性が変化したり、
時として(または突然に)異常な大電流が流れたりして
使用耐久性に乏しいという課題もある。また特に無機イ
オン交換体の中には電気伝導度が大きいものがあり、そ
れを使用した場合は電極に通電したとき電気粘性流体に
過大な電流が流れて異常発熱し、また過大な電力を消費
するという不都合もあった。 【0004】また固体粒子として比重1.2以下の物質
を芯材とし、水中で解離可能なアニオン性基またはカチ
オン性基を有する有機高分子化合物をその芯材に被覆し
て得られる粒子を使用するものも提案されている(特開
平3−162494号公報)。しかしこの場合の粒子は
含水性であるために使用中の系の温度が上昇する等して
粒子の含水率が変化するとその電気伝導度や分極率が変
化し、結果として組成物の電気粘性特性が環境湿度によ
って変化する等の課題があった。また、固体粒子として
有機固体粒子を中心としてその表面に導電性薄膜層、次
に電気絶縁性薄膜層が形成された三層構造からなる誘電
体微粒子(特開昭63−97694号公報)や炭素質微
粉末表面を高分子重合体で被覆した炭素質微粒子(特開
平3−247698号公報)を有する電気粘性流体が提
案されているが、未だ実用化のレベルには到達していな
い。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、容易
に製造することができ、粒子と被覆層との密着性に優れ
るとともに、高い電気粘性効果を有し、保存安定性、耐
熱性および耐久性に優れ、擦傷性が少なく、環境温度お
よび湿度の影響を受けず、電流値が安定しており、かつ
消費電力が少ない電気粘性流体組成物を提供することに
ある。 【0006】 【課題を解決するための手段】 前記課題は加水分解性
金属塩および/または金属アルコキシドの溶液中に、表
面にアミノ基および/または酸素含有官能基を有する有
機高分子化合物からなる粒子を分散せしめ、次いで、加
水分解反応を生起させて前記粒子上に半導体および/ま
たは絶縁体からなる被覆層を形成した後、空気および/
または不活性ガスの雰囲気下または気流下あるいは減圧
下、50℃以上で10分以上加熱し、得られた半導体お
よび/または絶縁体を被覆した複合粒子を電気絶縁性媒
体中に分散させることを特徴とする電気粘性流体組成物
の製造方法によって解決される。 【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
使用される有機高分子化合物からなる粒子(以下、「ポ
リマー粒子」という。)の材料としては、例えばエチレ
ン、プロピレン等のオレフィンの(共)重合体;スチレ
ン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル化合物の(共)
重合体;酢酸ビニル等のビニルエステルの(共)重合
体;アクリルニトリル等のシアン化ビニル化合物の
(共)重合体;(メタ)アクリル酸メチル等の(メタ)
アクリル酸エステルの(共)重合体;塩化ビニル、テト
ラフルオロエチレン等のハロゲン化ビニル化合物の
(共)重合体;ポリアセタール;ポリカーボネート;ポ
リエステル;アルキド樹脂;不飽和ポリエステル;ポリ
アリレート;ポリスルフィド;ポリスルホン;ポリアミ
ド(例えばナイロン−6、ナイロン−12等);ポリイ
ミド;ポリシロキサン;エポキシ樹脂;フェノール樹
脂;尿素樹脂;メラミン樹脂;ベンゾグアナミン樹脂;
セルロース;アイオノマー等を使用することができる。
これらのポリマー粒子は、架橋構造を有することもでき
る。また、これらのポリマー粒子は予め二種以上の材料
を混練・混合後、造粒、分級した粒子でもよく、異なる
材料からなる二種以上の粒子の混合物であることもでき
る。上記において、耐熱性を付与し、かつポリマー粒子
の膨潤を防止し、耐衝撃性を向上させるために上記材料
が架橋されていることが好ましい。 【0008】ポリマー粒子の調整方法としては、特に限
定されるものではないが、例えば転動造粒、流動層造
粒、攪拌造粒、解砕・粉砕造粒、圧縮造粒、押出造粒、
溶融造粒、混合造粒、噴霧冷却造粒、噴霧乾燥造粒、沈
澱・析出造粒、凍結乾燥造粒、懸濁凝集造粒、滴下冷却
造粒等の物理的造粒法;乳化重合、懸濁重合、沈澱重合
等の化学的造粒法等を、ポリマー粒子の材料に応じて適
宜選択して造粒し、必要に応じて分級する方法を挙げる
ことができる。また、ポリマー粒子が市販品として入手
できる場合はそれを使用することもできる。 【0009】本発明においては、ポリマー粒子と後述す
る半導体および/または絶縁体被覆層との密着性を高
め、かつ電圧がかかった時に誘電分極を生じやすくする
ために、ポリマー粒子の表面にアミノ基および/または
酸素含有官能基(以下、これらをまとめて「官能基」と
いう。)を導入することが必要である。ここで官能基の
具体例としてはアミノ基、水酸基、スルホン酸基、リン
酸基、エポキシ基、カルボキシル基等が挙げられるが、
好ましくはスルホン酸基、水酸基およびカルボキシル基
である。上記官能基をポリマー粒子表面に導入する方法
としては、例えば予め官能基を有するモノマーを重合
してポリマー粒子を製造する方法、官能基を有しない
高分子化合物をシードとして、官能基を有するモノマー
をシード重合してポリマー粒子を製造する方法、化学
反応によりポリマー粒子表面に官能基を導入する方法等
の公知の方法が挙げられる。なお、これらの官能基の導
入量はポリマー粒子1個当たり10個以上、好ましくは
50個以上であり、上限は一般にはポリマー粒子を構成
する重合体の重合度以下である。 【0010】上記により得られるポリマー粒子の平均粒
子径は、0.1〜100μmが好ましく、特に好ましく
は1〜50μmである。平均粒子径が0.1μm未満で
は高電圧印加時に凝集したポリマー粒子が再分散しなく
なったり、高い粘性を示す傾向がある。また、100μ
mを超えるとポリマー粒子の沈降が顕著となり好ましく
ない。ここで、粒径分布はできるだけ単分散に近いもの
が安定な電気粘性特性を示しやすい。 【0011】本発明に使用する複合粒子中の半導体およ
び/または絶縁体からなる被覆層は、該被覆層を表面に
有するポリマー粒子が電圧下に置かれた際、ポリマー粒
子表面に大きな誘電分極が生じるように形成されたもの
であり、半導体または絶縁体を単独で用いることが好ま
しい。なお、半導体または絶縁体の電気抵抗は10Ωc
m以上、好ましくは103Ωcm以上であることが必要
である。 【0012】ポリマー粒子上に半導体および/または絶
縁体被覆層を形成させる手段としては、例えばヘテロ凝
集法、噴霧乾燥法、機械的方法、真空法、メッキ法、加
水分解法等、種々の方法が採用できるが、好ましくは加
水分解法、機械的方法、メッキ法が挙げられ、その中で
も特に好ましいのは加水分解法である。加水分解法を用
いると均一かつ平滑な被覆層を形成させることができ
る。 【0013】加水分解法は、加水分解性金属塩および/
または金属アルコキシドの水および/またはアルコール
溶液中にポリマー粒子を均一に分散せしめ、次いで室温
であるいは40℃以上の温度に加熱しながら必要に応じ
て尿素、炭酸等を供給源とする炭酸イオンの存在下、加
水分解反応を生起させて、該ポリマー粒子上に半導体お
よび/または絶縁体からなる被覆層を形成させる方法で
ある。ここで被覆させる半導体および/または絶縁体と
しては、例えばヘマタイト、マグヘマイト、マグネタイ
ト等の酸化鉄、イットリア、ジルコニア、酸化チタン、
酸化亜鉛、酸化銅、酸化錫、酸化ニオブ、酸化ニッケ
ル、酸化銀等の金属酸化物、炭酸銅、炭酸イットリウム
等の炭酸塩、硫酸ジルコニウム、硫酸チタン等の硫化物
等が挙げられる。これらの酸化物、炭酸塩および硫酸塩
は、1種単独でも2種以上の金属の複合体であってもよ
い。複合体としては、チタン酸バリウム、ジルコン酸
鉛、チタン酸鉛、In2O−SnO等が挙げられる。 【0014】上記加水分解反応によって形成される被覆
層には、通常、水が含まれるが、該複合粒子表面の水の
移行による安定性不足、高電圧の印加による電極金属の
溶解等の耐久性の問題、さらには温度上昇によるイオン
化促進とそれによる電流増大、一層の温度上昇といった
温度特性の不安定さ等の問題を防止するために予め上記
複合粒子を熱処理して半導体および/または絶縁体被覆
層から水を消失させることが必要である。水を消失させ
るためには、空気および/または不活性ガスの雰囲気下
または気流下、あるいは減圧下で、通常50℃以上、好
ましくは100℃以上、ポリマー粒子の分解温度以下
で、10分以上の加熱を行う。この加熱により、複合粒
子中の水は実質的に皆無となる。 【0015】以上のようにして得られる複合粒子の平均
粒子径は、通常、0.1〜150μmが好ましく、特に
好ましくは1〜50μmである。平均粒子径が0.1μ
m未満では高電圧印加時に複合粒子同士が凝集したもの
が再分散しなくなったり、高い粘性を示す傾向がある。
また、150μmを超えると粒子の沈降が顕著となり好
ましくない。粒径分布についてはできるだけ単分散に近
いものが安定な電気粘性特性を示しやすい。また、複合
粒子の被覆層の膜厚は通常、0.001〜10μmであ
り、複合粒子の外径に対するポリマー粒子の外径の比
(以下、「粒径比」という。)は0.5〜0.99であ
るのが好ましい。粒径比が0.5未満であると粒子の沈
降が顕著となりやすく、また0.99を超えると電気特
性が不十分となる恐れがある。 【0016】本発明の組成物に用いる電気絶縁性媒体と
しては、従来の電気粘性流体に使用されているものが全
て使用可能である。例えば塩化ジフェニル、セバチン酸
ブチル、芳香族ポリカルボン酸高級アルコールエステ
ル、ハロフェニルアルキルエーテル、トランス油、塩化
パラフィン、フッ素系オイル、シリコン系オイル等の電
気絶縁性および電気絶縁破壊強度が高く、化学的に安定
で、かつ複合粒子を安定に分散させ得るものであればい
ずれの媒体も使用可能であり、またそれらの混合物を使
用することもできる。 【0017】本発明の組成物中には上記以外の成分を添
加することもできる。それらの例としては上記媒体中へ
の複合粒子の分散性を向上し、または流体組成物の電圧
印加時の粘度を調節して剪断抵抗力を向上するための高
分子分散剤、界面活性剤、高分子増粘剤等を挙げること
ができる。また本発明による流体組成物は、その特性が
損なわれない範囲で、シリコン油、塩化ジフェニル、ト
ランス油等の電気絶縁性油中にセルロース、でんぷん、
大豆カゼイン、ポリスチレン系イオン交換樹脂、ポリア
クリル酸塩架橋体、アジリジン化合物の重合体またはそ
の架橋物のいずれかからなる固体粒子を分散させてなる
従来の電気粘性流体と混合して使用することもできる。 【0018】本発明の電気粘性流体組成物は、複合粒子
および必要に応じて高分子分散剤等の他の成分とともに
電気絶縁性媒体中に均一に攪拌混合することによって製
造することができる。本発明の電気粘性流体組成物中に
おける複合粒子の含有率は特に限定されるものではない
が、1〜75重量%、特に10〜60重量%であること
が好ましい。前記含有率が1重量%未満では十分な電気
粘性効果が得られず、75重量%を超えると電圧を印加
しないときの該組成物の初期粘度が過大となって使用が
困難になる。 【0019】本発明に使用する複合粒子はその核が有機
高分子化合物よりなるので、その比重を上記電気絶縁性
媒体の比重に近似させることができ、それによって該粒
子の沈降が長期間にわたって防止できる。またこの複合
粒子は核が有機高分子化合物であるから、硬質な無機物
からなる被覆層を有するにも関わらず全体として軟質で
あり、流動中に電極や機器壁を擦傷することがない。さ
らに、該被覆層には水が含まれないため、水の脱離や蒸
発に伴い電気特性、耐熱性および耐湿性が低下すること
がない。 【0020】 【実施例】以下に実施例をあげ、本発明をさらに詳細に
説明する。 <官能基の導入> 合成例1 平均粒子径4.9μmおよびCV値10.5%のポリジ
ビニルベンゼン粒子10.0gをビーカーに入れ、これ
に濃硫酸50mlを徐々に加え、氷冷下2時間攪拌し
た。続いて、これに300mlの氷冷水を徐々に加え、
分液ロートに移し、一晩放置して固液分離した。次いで
分離した粒子を遠心ボトル(500ml)に入れ、水を
加え遠心洗浄を6000rpmで20分間を2回および
5000rpmで15分間を2回行った後、水分散液約
200mlの状態で煮沸処理を1時間行い、さらに遠心
洗浄を5000rpmで15分間を2回行った。その
後、濾過し、70℃で乾燥し、粒子を得た。得られた粒
子を赤外吸収スペクトル、電導度滴定により同定したと
ころ。ポリジビニルベンゼン粒子の表面にスルホン酸基
が導入されたことが確認できた。この粒子をスルホン化
架橋粒子とする。 【0021】<複合粒子の合成> 実施例1 合成例1で得られたスルホン化架橋粒子を固形分が1
5.7重量%となるように分散した水分散液642m
l、3重量%ポリビニルピロリドン水溶液800ml、
1規定塩酸120mlおよび蒸留水1.8lの混合物を
2分間超音波処理した後、95℃に加熱した。次いで、
上記混合物に塩化第2鉄6水和物1.08gおよび尿素
24.00gを蒸留水80mlに溶解した溶液を一度に
添加し、その1時間40分後に、尿素120.00gを
蒸留水160mlに溶解した溶液を一度に添加した。そ
の1分後から、塩化第二鉄6水和物120.00gを蒸
留水400mlに溶解した溶液を、反応系のpHを2に制
御しつつ、4時間30分かけて添加した。次いで1時間
加熱した後、反応液を氷冷水4l中に添加して反応を停
止させ、ろ過した。得られた粒子を水で洗浄後、60℃
で12時間、減圧乾燥した。この粒子を走査型電子顕微
鏡で観察したところ、平均粒子径が5.1μm、粒径比
が0.94で均一な被覆層を有する、赤褐色、球状の複
合粒子であった。また、この複合粒子をX線回析および
熱重量分析により分析したところ、コアが架橋ジビニル
ベンゼン重合体粒子、シェルがα−Fe23・0.5H
2Oからなることが確認された。この複合粒子を複合粒
子Aとする。続いて複合粒子A120gを燃焼ボードに
セットし、空気中、10℃/minの昇温速度で250
℃まで加熱し、2時間保持した後、室温まで放冷した。
得られた粒子を赤外吸収スペクトル(以下、「IR」と
いう。)で同定したところ水酸基は確認できなかった。
また、XRDにより被覆層を同定したところα−Fe2
3であった。この粒子を複合粒子Bとする。複合粒子
Bを室温における粘度が1Pa・Sのシリコン油(東芝
シリコーン社製、TSF451−1000)中にその含
有率が33重量%となるように均一に分散し、複合粒子
Bの電気粘性流体組成物を得た。この組成物を二重円筒
型回転粘度計に入れ、25℃および150℃において内
外円筒間に直流電圧2KV/mmを印加し内筒電極に回
転力を与え、各剪断速度(sec-1)における剪断応力
(Pa)および各剪断応力測定時における内外円筒間の
電流値(μA/cm2)を測定した。結果を表1に示
す。 【0022】実施例2 合成例1で得られたスルホン化架橋粒子100g、エタ
ノール1.8l、蒸留水100mlおよびポリビニルピ
ロリドン18gの混合物を2分間超音波処理した後、8
0℃に加熱した。次いで上記混合物にテトラブトキシチ
タネート50gをエタノール200mlに溶解した溶液
を1時間かけて添加した。その後、2時間加熱した後、
反応を停止させろ過した。得られた粒子を水で洗浄後、
60℃12時間減圧乾燥した。この粒子を走査型電子顕
微鏡で観察したところ、平均粒子径が5.1μm、粒径
比が0.94で均一な被覆層を有する、白色、球状の複
合粒子であった。この複合粒子を複合粒子Cとする。ま
た、この複合粒子をX線回析および熱重量分析により分
析したところ、コアが架橋ジビニルベンゼン重合体粒
子。シェルがTiO2・0.8H2Oからなることが確認
された。続いて、複合粒子C120gを燃焼ボートにセ
ットし、空気中、10℃/minの昇温速度で250℃
まで加熱し、2時間保持した後、室温まで放冷した。得
られた粒子をIRで同定したところ、水酸基は確認され
なかった。また、XRDおよびオージェにより被覆層を
同定したところ、TiO2であった。この複合粒子を複
合粒子Dとする。複合粒子Dを実施例1と同様にシリコ
ン油中に均一に分散して複合粒子Dの電気粘性流体組成
物を得た。この組成物の電気粘性効果を実施例1と同様
に測定した。結果を表1に示す。 【0023】実施例3 合成例1で得られたスルホン化架橋粒子100g、蒸留
水900ml、ポリビニルピロリドン18g、1規定硫
酸8mlおよび硫酸アンモニウム2.0gの混合物に塩
酸を加えpHを0.5に調整し、2分間超音波処理した
後、95℃に加熱した。次いで上記混合物に塩化錫3
0.00g、塩化アンチモン(IV)1.9gおよび尿
素30.00gを水100mlに溶解した溶液を2時間
かけて攪拌下に添加した。次いで2時間加熱した後、反
応液を氷冷水1l中に添加して反応を停止させ、ろ過
し、洗浄した後60℃で12時間、減圧乾燥した。この
粒子を走査型電子顕微鏡で観察したところ、平均粒子径
が5.1μm、粒径比が0.94で均一な被覆層を有す
る、白色、球状の複合粒子であった。また、この複合粒
子をX線回析および熱重量分析により分析したところ、
コアが架橋ジビニルベンゼン重合体粒子、シェルがIn
2O−SnO・0.7H2Oからなることが確認された。
この複合粒子を複合粒子Eとする。続いて複合粒子E1
20gを燃焼ボートにセットし、空気中、10℃/mi
nの昇温速度で250℃まで加熱し、2時間保持した
後、室温まで放冷した。得られた粒子をIRで同定した
ところ、水酸基は確認されなかった。また、XRDおよ
びオージェにより被覆層を同定したところ、In2O−
SnOであった。この複合粒子を複合粒子Fとする。複
合粒子Fを実施例1と同様にシリコン油中に均一に分散
して、複合粒子Fの電気粘性流体組成物を得た。この組
成物の電気粘性効果を実施例1と同様に測定した。結果
を表1に示す。 【0024】比較例1〜3 複合粒子A、CおよびEを実施例1と同様にシリコン油
中に均一に分散してそれぞれ複合粒子A、CおよびEの
電気粘性流体組成物を得た。この組成物の電気粘性効果
を実施例1と同様に測定した。結果を表1に示す。 【0025】 【表1】【0026】 【発明の効果】本発明によれば容易に製造することがで
き、粒子と被覆層との密着性に優れるとともに、高い電
気粘性効果を有し、保存安定性、耐熱性および耐久性に
優れ、擦傷性が少なく、環境温度や湿度の影響を受けず
電流値が安定し、かつ消費電力が少ない電気粘性流体組
成物が提供される。以上、詳述した本発明の電気粘性流
体組成物を、その好ましい態様を含めて付記する。 1.表面にアミノ基および/または酸素含有官能基を有
する有機高分子化合物からなる粒子上に、半導体および
/または絶縁体を被覆した非含水の複合粒子を電気絶縁
性媒体中に分散させてなることを特徴とする電気粘性流
体組成物。 2.上記1において粒子が架橋されていることを特徴と
する電気粘性流体組成物。 3.上記1において複合粒子への半導体および/または
絶縁体の被覆が水および/またはアルコール中での金属
塩の加水分解反応によるものであることを特徴とする電
気粘性流体組成物。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C10M 145:00 C10M 149:00 149:00 151:00 151:00 153:00 153:00) C10N 10:02 C10N 10:02 10:04 10:04 10:06 10:06 10:08 10:08 10:10 10:10 10:16 10:16 20:06 A 20:06 30:00 Z 30:00 30:08 30:08 40:14 40:14 60:00 60:00 70:00 70:00 (56)参考文献 特開 平2−255798(JP,A) 特開 昭64−6093(JP,A) 特開 昭63−97694(JP,A) 特開 平5−324102(JP,A) 特開 平4−100897(JP,A) 特開 平2−235994(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C10M 177/00 C10M 125/00 - 125/30 C10M 129/06 - 129/08 C10M 143/00 - 157/10 C10M 159/12 C10M 161/00 C10M 171/06 C10N 10:00 - 10:16 C10N 20:06 C10N 30:00 C10N 30:08 C10N 40:14 C10N 60:00 - 60:14 C10N 70:00

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 加水分解性金属塩および/または金属ア
    ルコキシドの溶液中に、表面にアミノ基および/または
    酸素含有官能基を有する有機高分子化合物からなる粒子
    を分散せしめ、次いで、加水分解反応を生起させて前記
    粒子上に半導体および/または絶縁体からなる被覆層を
    形成した後、空気および/または不活性ガスの雰囲気下
    または気流下あるいは減圧下、50℃以上で10分以上
    加熱し、得られた半導体および/または絶縁体を被覆し
    た複合粒子を電気絶縁性媒体中に分散させることを特徴
    とする電気粘性流体組成物の製造方法。
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