JP5229843B2 - 疎水化された金属化合物粒子粉末及びその製造法 - Google Patents

疎水化された金属化合物粒子粉末及びその製造法 Download PDF

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Description

本発明は、優れた疎水性を有するとともに、疎水化剤が粒子表面から脱離しにくいことにより長期間に亘り優れた疎水性を維持することができる疎水化された金属化合物粒子粉末を提供する。
現在、金属化合物粒子粉末は、ゴム・樹脂組成物、塗料、化粧料、磁気記録分野及び印刷記録分野等の各種用途において、補強剤、着色剤、フィラー剤、紫外線遮蔽剤、研磨剤、導電性付与剤あるいは磁性材等として、各種材料に様々な特性を付与するために広く用いられている。
金属化合物粒子粉末は、粒子表面に水酸基や吸着水分が存在しているため、一般に親水性であり、親油性に乏しいことが知られている。そのため、有機媒体への分散や樹脂への練り込みを行う場合には、金属化合物粒子粉末の粒子表面を疎水化することが必要であり、分散性向上の点からも、より疎水化された材料が求められている。
また、近年の化粧料分野においては、汗や皮脂、あるいは化粧料に配合されている油剤による化粧崩れ防止のために、高度に疎水化された材料が要求されている。
更に、上記のような金属化合物粒子粉末を配合した各種材料は、高温多湿あるいは低温低湿といった様々な環境で用いられるため、各種環境においても安定した疎水性を長期に亘って維持できる材料が求められている。
従来、金属化合物粒子粉末を疎水化する方法として、金属化合物粒子粉末と疎水化剤を湿式又は乾式混合した後加熱処理する方法(特開平2−218603号公報、特開平4−190839号公報、特開平10−203926号公報、特開平10−245546号公報等)、疎水化剤を気化させて金属化合物粒子粉末の粒子表面に処理する、いわゆる気相処理による方法(特開昭61−268763号公報、特開昭63−113082号公報、特開平1−318070号公報)等が知られている。
発明が解決しようとする課題
優れた疎水性を有するとともに、疎水化剤が粒子表面から脱離しにくい金属化合物粒子粉末は、現在最も要求されているところであるが、これら諸特性を十分に満たす金属化合物粒子粉末は未だ提供されていない。
即ち、前出湿式又は乾式混合法による場合には、疎水化剤を均一に被覆するために金属化合物粒子粉末を一次粒子まで分散させる必要があるが、粒子径が0.3μm以下の微粒子になると、粒子の微細化による分子間力の増大により凝集が起こりやすくなり、金属化合物粒子粉末を一次粒子まで分散させることが難しいため、疎水化剤による均一な疎水化処理が困難となる。更に、磁性を有する金属化合物粒子粉末の場合には、磁気的凝集も起こるため均一な疎水化処理がより困難となる。
前出気相処理による場合には、後出比較例に示す通り、疎水性は得られるが、疎水化剤の付着強度が不十分であり、長期間に亘り高い疎水性を維持できるとは言い難いものである。
そこで、本発明は、優れた疎水性を有するとともに、疎水化剤が粒子表面から脱離しにくい金属化合物粒子粉末を提供することを技術的課題とする。
課題を解決する為の手段
前記技術的課題は、次の通りの本発明によって達成できる。
本発明は、即ち、金属酸化物粒子粉末又は金属含水酸化物粒子粉末の粒子表面が化3で表わされるフルオロアルキルシラン及び化4で表わされるアルコキシシランから選ばれる1種又は2種以上の疎水化剤から生成するオルガノシラン化合物で被覆されている平均粒子径0.01〜0.3μmの金属化合物粒子粉末であって、前記オルガノシラン化合物の被覆量は疎水化された金属化合物粒子粉末に対してSi換算で0.1〜20重量%であり、該金属化合物粒子粉末の疎水化度が温度25℃、相対湿度90%の雰囲気における水蒸気吸着量V90値で示した場合に0.5mg/m2以下であり、且つ、該金属化合物粒子粉末の脱着率評価後の疎水化度V90値が0.55mg/m2以下であることを特徴とする疎水化された金属化合物粒子粉末である(本発明1)。
Figure 0005229843
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また、本発明は、疎水化剤がアルコキシ基を除く炭素数が15以下であるフルオロアルキルシラン及びアルコキシシランから選ばれる1種又は2種以上からなることを特徴とする本発明1の疎水化された金属化合物粒子粉末である(本発明2)。
また、本発明は、金属酸化物粒子粉末又は金属含水酸化物粒子粉末の粒子表面がアルミニウムの水酸化物、アルミニウムの酸化物、ケイ素の水酸化物及びケイ素の酸化物から選ばれる少なくとも1種からなる中間被覆層を介してフルオロアルキルシラン及びアルコキシシランから選ばれる1種又は2種以上の疎水化剤から生成するオルガノシラン化合物で被覆されている本発明1及び本発明2に係る各疎水化された金属化合物粒子粉末である。
また、本発明は、金属酸化物粒子粉末又は金属含水酸化物粒子粉末と気化させたフルオロアルキルシラン及び/又はアルコキシシランを50〜150℃の温度範囲で接触・反応させた後、得られた粒子粉末を160〜250℃の温度範囲で加熱処理することを特徴とする疎水化された金属化合物粒子粉末の製造法である。
次に、本発明の構成をより詳しく説明すれば次の通りである。
まず、本発明に係る疎水化された金属化合物粒子粉末について述べる。
本発明に係る疎水化された金属化合物粒子粉末は、芯粒子粉末である金属酸化物粒子粉末又は金属含水酸化物粒子粉末の粒子表面がフルオロアルキルシラン又はアルコキシシランから選ばれる1種又は2種以上の疎水化剤から生成するオルガノシラン化合物によって被覆されている金属化合物粒子からなる。
本発明における芯粒子粉末となる金属酸化物粒子粉末及び金属含水酸化物粒子粉末は特に限定されないが、樹脂練込、塗料及び化粧料等の各用途において、着色剤あるいは機能性付与剤として汎用され、殊に粒子表面が親水性である含水酸化鉄(ゲータイト、レピドクロサイト等)、酸化鉄(ヘマタイト、マグヘマイト、マグネタイト等)、酸化錫、シリカ、チタニア、アルミナ等を用いることができる。
芯粒子粉末としては各種形状があり、球状、粒状、八面体状、六面体状、多面体状等の粒状粒子粉末、針状、紡錘状、米粒状等の針状粒子粉末及び板状粒子粉末等があり、用途に応じて選べばよく、特に限定するものではない。
本発明における芯粒子粉末は、平均粒子径0.01〜0.3μm、BET比表面積値1.0〜200m2/gであり、疎水化度V90値は通常0.5mg/m2を超える値を有している。
本発明に係る疎水化された金属化合物粒子粉末の粒子形状や粒子サイズは、芯粒子粉末の粒子形状や粒子サイズに大きく依存し、芯粒子にほぼ相似する粒子形態を有している。
本発明に係る疎水化された金属化合物粒子粉末の平均粒子径は、0.01〜0.3μmであり、好ましくは、0.02〜0.25μmである。平均粒子径が0.01μm未満の場合には、粒子の微細化による分子間力の増大により、ビヒクル中又は樹脂組成物中における分散が困難となる。
本発明に係る疎水化された金属化合物粒子粉末のBET比表面積値は、1.0〜200m2/gが好ましく、より好ましくは、2.0〜180m2/gである。BET比表面積値が1.0m2/g未満の場合には、粒子が粗大であったり、粒子及び粒子相互間で焼結が生じた粒子となり、ビヒクル中や樹脂組成物中での分散性に悪影響を与えるので好ましくない。BET比表面積が200m2/gを超える場合には、粒子の微細化による分子間力の増大によりビヒクル中や樹脂組成物中における分散が困難となる。
本発明における疎水化度V90値(mg/m2)は、温度25℃、相対湿度90%の雰囲気における水蒸気吸着量を測定した値である。
本発明に係る疎水化された金属化合物粒子粉末の疎水化度V90値は、0.5mg/m2以下である。金属化合物粒子粉末の疎水化度V90値が0.5mg/m2を超える場合は、金属化合物粒子粉末の疎水性が十分とはいえず、ビヒクル中又は樹脂組成物中へ配合した場合、樹脂や有機媒体とのなじみが悪く均一な分散が困難となる。疎水化度V90値は好ましくは0.45mg/m2以下、より好ましくは0.40mg/m2以下である。疎水化度V90値の下限値は0.01mg/m2である。
本発明に係る疎水化された金属化合物粒子粉末の疎水化剤の脱着率は、10%以下が好ましい。脱着率が10%を超える場合には、疎水化剤が脱離した部分から吸湿が進み、長期に亘って疎水性を維持することが困難となる。より好ましくは、9%以下であり、より好ましくは8%以下である。
本発明に係る疎水化された金属化合物粒子粉末の脱着率評価後の疎水化度V90値は、0.55mg/m2以下である。脱着率評価後の疎水化度V90値が0.55mg/m2を超える場合は、金属化合物粒子粉末の疎水性が十分とはいえず、また、長期に亘って疎水性を維持することが困難となる。脱着率評価後の疎水化度V90値は好ましくは0.53mg/m2以下、より好ましくは0.50mg/m2以下である。
疎水化された金属化合物粒子粉末におけるオルガノシラン化合物は、化で表わされるフルオロアルキルシラン又は化で表わされるアルコキシシランから生成される。

Figure 0005229843

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フルオロアルキルシランとしては、具体的には、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルメチルジメトキシシラン、トリフルオロプロピルエトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシラン等が挙げられ、アルコキシシランとしては、具体的には、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、テトラエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン等が挙げられる。
疎水化剤の分子鎖が大きくなると、芯粒子粉末の凝集体の隙間にまで入り込んで粒子表面を均一に被覆することが困難となるため、疎水化剤としては、アルコキシ基を除く炭素数が15以下、好ましくは13以下、更に好ましくは11以下であるフルオロアルキルシラン及びアルコキシシランを用いることが好ましい。
より高い疎水性を有する金属化合物粒子粉末を得るためには、疎水化剤としてフルオロアルキルシランとアルコキシシランを併用することが好ましく、先にフルオロアルキルシランで被覆した後にアルコキシシランを被覆することが好ましい。
フルオロアルキシシラン又はアルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物による表面被覆量は、疎水化された金属化合物粒子粉末に対してSi換算で0.1〜20重量%であり、好ましくは、0.2〜10重量%である。
表面被覆量が0.1重量%未満の場合、金属化合物粒子粉末の粒子表面を十分に被覆することができないため、得られる金属化合物粒子粉末は十分な疎水性を得られないとともに、長期に亘って疎水性を維持することが困難となる。20重量%を超える場合には、効果が飽和するため必要以上に被覆する意味が無い。
本発明における芯粒子粉末である金属酸化物粒子粉末及び金属含水酸化物粒子粉末は、必要により、あらかじめ粒子表面がアルミニウムの水酸化物、アルミニウムの酸化物、ケイ素の水酸化物及びケイ素の酸化物から選ばれる少なくとも1種からなる中間被覆物によって被覆されていてもよい。
本発明における芯粒子粉末を中間被覆物によって被覆することによって、疎水化剤の脱離をより抑制することができるとともに、脱着率評価後の疎水化度V90値をより低減することができる。
前記中間被覆物の量は、芯粒子粉末に対してアルミニウムの水酸化物やアルミニウムの酸化物はAl換算で、ケイ素の水酸化物やケイ素の酸化物はSiO2換算で、それぞれ0.01〜50重量%が好ましく、より好ましくは0.05〜30重量%、更により好ましくは0.1〜20重量%である。
アルミニウム化合物とケイ素化合物とを併せて使用する場合には、芯粒子粉末に対して、Al換算量とSiO2換算量との総和で0.01〜50重量%が好ましい。
中間被覆物によって被覆されている芯粒子粉末は、中間被覆物によって被覆されていない芯粒子粉末とほぼ同程度の粒子サイズ、BET比表面積値及び疎水化度V90値を有している。
次に、本発明に係る疎水化された金属化合物粒子粉末の製造法について述べる。
本発明に係る疎水化された金属化合物粒子粉末は、50〜150℃の温度範囲において、気化された疎水化剤と芯粒子粉末とを接触・反応させる、いわゆる気相処理によって、芯粒子粉末を疎水化剤で被覆し、その後、160〜250℃の温度範囲で加熱処理して疎水化剤を芯粒子粉末の粒子表面に強固に結合させることにより得ることができる。
疎水化剤としては、前記フルオロアルキルシラン及びアルコキシシランを用いることができる。
本発明における気相処理は、芯粒子粉末を装置内に設置し、装置内の温度を50〜150℃に昇温し、気化させた疎水化剤と芯粒子粉末とを接触・反応させ、芯粒子粉末の粒子表面を被覆することにより行うことができる。
疎水化剤の導入方法としては、あらかじめ疎水化剤を気化させておき装置内に導管を通して徐々に装置内に導入する方法、装置内に導管を通して疎水化剤の気化速度に合わせて疎水化剤を徐々に導入する方法、接触・反応に必要な疎水化剤の全量をあらかじめ装置内の容器に設置しておき気化させる方法のいずれでもよいが、あらかじめ疎水化剤を気化させて徐々に装置内に導入する方法、又は、疎水化剤の気化速度に合わせて疎水化剤を徐々に装置内に導入する方法が好ましい。
装置内の芯粒子粉末は、装置内で流動・攪拌させても、静置しておいてもよく、好ましくは流動・攪拌する方がよい。
気相処理における接触・反応温度は、50〜150℃であり、好ましくは60〜150℃、より好ましくは70〜150℃である。
気相処理における接触・反応温度が50℃未満の場合には、疎水化剤をあらかじめ気化させて装置内に導入した場合、疎水化剤が再び凝縮する場合があり、また、疎水化剤を気化させずに装置内に導入又は設置した場合には、疎水化剤が十分に気化することができない。また、気化するために時間がかかるため工業的に不利である。
気相処理の雰囲気は、空気中、不活性ガス中など、特に限定するものではないが、好ましくは、不活性ガス中である。
疎水化剤を徐々に導入する場合の導入速度は気相処理の接触・反応温度及び疎水化剤の気化速度によって適宜調節すればよく、0.05〜10g/minが好ましい。
疎水化剤を導入した後、5〜180分間装置内の温度を維持しておくことが好ましい。より好ましくは15〜180分間である。
気相処理後の金属化合物粒子粉末は、平均粒子径0.01〜0.3μm、BET比表面積値1.0〜200m2/gであり、疎水化度V90値は0.5mg/m2以下、疎水化剤の脱着率は20%以上、脱着率評価後の疎水化度V90値は0.55mg/m2を超える値を有している。
気相処理後の加熱処理温度は160〜250℃であり、好ましくは170〜250℃であり、より好ましくは180〜250℃である。
気相処理後の加熱温度が160℃未満の場合、芯粒子粉末と疎水化剤との結合が不十分であり、疎水化剤の脱着率が高くなるため好ましくない。また、250℃を超える場合には、表面を被覆している疎水化剤が分解・変質する恐れがあるため好ましくない。
なお、金属酸化物粒子粉末及び金属含水酸化物粒子粉末の中には、ゲータイト粒子粉末のように高温で加熱することで脱水反応等を起こして変態・変質する化合物があるため、加熱処理温度は、芯粒子粉末が変質等を起こさない温度範囲を考慮すべきである。例えば、芯粒子粉末としてゲータイト粒子粉末を用いた場合には、160〜200℃の温度範囲で加熱処理を行うことが好ましい。
気相処理後の加熱処理の雰囲気は、空気中が好ましく、加熱時間は5〜180分が好ましく、より好ましくは10〜180分、更に好ましくは15〜180分である。
次に、本発明に係る疎水化された金属化合物粒子粉末を用いたゴム・樹脂組成物について述べる。
ゴム・樹脂組成物における構成基材としては、本発明に係る疎水化された金属化合物粒子粉末と周知のゴム又は熱可塑性樹脂とともに、必要により、滑剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、各種安定剤等の添加剤が配合される。
ゴム・樹脂組成物における疎水化された金属化合物粒子粉末の配合割合は、構成基材100重量部に対して0.5〜200重量部の範囲で使用することができ、ゴム・樹脂組成物のハンドリングを考慮すれば、好ましくは1.0〜150重量部、更に好ましくは2.5〜100重量部である。
添加剤の量は、疎水化された金属化合物粒子粉末とゴム又樹脂との総和に対して50重量%以下であればよい。添加剤の含有量が50重量%を超える場合には、成形性が低下する。
ゴム・樹脂組成物の分散性は、4又は5が好ましく、ブリード性は、3が好ましい。
ゴム・樹脂組成物の製造法としては、ゴム又は樹脂原料と疎水化された金属化合物粒子粉末をあらかじめよく混合し、次に、混練機もしくは押出機を用いて加熱下で強いせん断作用を加えて、疎水化された金属化合物粒子粉末の凝集体を破壊し、ゴム又は樹脂中に疎水化された金属化合物粒子粉末を均一に分散させた後、目的に応じた形状に成形加工して使用する。
次に、本発明に係る疎水化された金属化合物粒子粉末を用いた磁性トナーについて述べる。
磁性トナーは、磁性粒子粉末及び結着剤樹脂からなり、必要に応じて離型剤、着色剤、荷電制御剤、その他の添加剤等を含有してもよい。本発明における磁性トナーとしては、磁性粒子粉末として本発明に係る疎水化された金属化合物粒子粉末を用いる。
磁性トナーの平均粒子径は、3〜15μm、好ましくは5〜12μmである。
結着剤樹脂と疎水化された金属化合物粒子粉末との割合は、疎水化された金属化合物粒子粉末100重量部に対して結着剤樹脂50〜900重量部、好ましくは50〜400重量部である。
結着剤樹脂としては、スチレン、アクリル酸アルキルエステル及びメタクリル酸アルキルエステル等のビニル系単量体を重合又は共重合したビニル系重合体が使用できる。上記スチレン単量体としては、例えばスチレン及びその置換体がある。上記アクリル酸アルキルエステル単量体としては、例えばアクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等がある。
上記共重合体は、スチレン系成分を50〜95重量%含むことが好ましい。
結着剤樹脂は、必要により、上記ビニル系重合体とともにポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂等を併用することができる。
磁性トナーの流動性は、流動性指数が70〜100が好ましく、体積固有抵抗値は、1.0×1013Ω・cm以上が好ましい。
磁性トナーの流動性指数の変化率は20.0%以下が好ましく、体積固有抵抗値の変化率は20.0%以下が好ましい。流動性指数の変化率及び体積固有抵抗値の変化率が20.0%を超える場合には、長期に亘って保存した場合にトナーの特性が不安定となりやすい。
磁性トナーの製造法としては、所定量の結着剤樹脂と所定量の疎水化された金属化合物粒子粉末とを混合、混練、粉砕による公知の方法によって行うことができる。具体的には、疎水化された金属化合物粒子粉末と結着剤樹脂とを、必要により更に離型剤、着色剤、荷電制御剤、その他の添加剤等を添加した混合物を混合機により十分に混合した後、加熱混練機によって結着剤樹脂中に疎水化された金属化合物粒子粉末等を分散させ、次いで、冷却固化して樹脂混練物を得、該樹脂混練物を粉砕及び分級を行って所望の粒子サイズを有する磁性トナーを得ることができる。
本発明の代表的な実施の形態は、次の通りである。
芯粒子粉末及び疎水化された金属化合物粒子粉末の平均粒子径は、電子顕微鏡写真(×20,000)を縦方向、横方向にそれぞれ4倍に拡大した写真に示される粒子約350個について定方向径をそれぞれ測定し、その平均値で示した。
比表面積値はBET法により測定した値で示した。
疎水化された金属化合物粒子粉末の粒子表面に被覆されているフルオロアルキルシラン又はアルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物に含有されるSi量、中間被覆物によって被覆された芯粒子粉末の粒子表面に存在するAl量及びSi量のそれぞれの量は「蛍光X線分析装置3063M型」(理学電機工業(株)製)を使用し、JIS K0119の「けい光X線分析通則」に従って測定した。
芯粒子粉末及び疎水化された金属化合物粒子粉末の疎水化度は、「水蒸気吸着装置BELSORP18」(日本ベル(株)製)を用いて、25℃、相対湿度90%における粒子粉末の単位表面積当たりの水蒸気吸着量V90値(mg/m2)で示した。
金属化合物粒子粉末の疎水化剤の脱着率は、下記の方法により求めた値で示した。脱着率が0に近いほど、粒子表面からの疎水化剤の脱離量が少ないことを示す。
金属化合物粒子粉末3gとエタノール50mlとを50mlの三角フラスコに入れ、超音波分散機「SONOQUICK C10」(超音波工業(株)製)を用いて20分間超音波分散を行った後、10000rpmで15分間遠心分離を行い、上澄み液と固型部分とを分離した。
得られた固型部分とエタノール50mlを50mlの三角フラスコに入れ、上記と同様の操作を合計3回行った。
得られた固型部分を100℃で1時間乾燥させた後、金属化合物粒子粉末に含まれるケイ素の含有量(Si換算)を「蛍光X線分析装置3063M型」(理学電機工業(株)製)を使用し、JIS K0119の「けい光X線分析通則」に従って測定し、下記式に従って求めた値を疎水化剤の脱着率とした。
疎水化剤の脱着率(%)={(Wa−We)/Wa}×100
Wa:金属化合物粒子粉末の疎水化剤被覆量(Si換算)
We:脱着テスト後の金属化合物粒子粉末の疎水化剤被覆量(Si換算)
脱着率評価後の疎水化度は、前記測定法によって脱着率を評価した後の粒子粉末について、「水蒸気吸着装置BELSORP18」(日本ベル(株)製)を用いて、25℃、相対湿度90%における粒子粉末の単位表面積当たりの水蒸気吸着量V90値(mg/m2)で示した。
樹脂組成物中への分散性は、得られた樹脂組成物表面における未分散の凝集粒子の個数を目視により判定し、5段階で評価した。5が最も分散状態が良いことを示す。
1:1cm2当たりに50個以上
2:1cm2当たりに10個以上50個未満
3:1cm2当たりに5個以上10個未満
4:1cm2当たりに1個以上5個未満
5:未分散物認められず
樹脂組成物のブリード性は、下記の方法によって求めた。ブリード性が低いほど、脱離した疎水化剤のしみ出しが少なく、保存安定性に優れることを示す。
金属化合物粒子粉末を練り込んだ樹脂組成物(縦1.5cm×横1.5cm×厚み1mm)を80℃で3日間加熱し、その時の樹脂組成物表面の処理剤等のにじみの程度を、触感によって3段階で評価した。3が最もブリード性が低いことを示す。
1:処理剤等の著しいにじみが認められる
2:処理剤等のにじみが若干認められる
3:処理剤等のにじみが認められず
磁性トナーの流動性は、パウダテスタ(商品名、ホソカワミクロン株式会社製)を用いて、安息角(度)、圧縮度(%)、スパチュラ角(度)、凝集度の各粉体特性値を測定し、該各測定値を同一基準の数値に置き換えた各々の指数を求め、各々の指数を合計した流動性指数で示した。流動性指数が100に近いほど、流動性が優れていることを意味する。
磁性トナーの流動性指数の変化率は、試料粒子粉末を25℃、相対湿度60%の雰囲気下1週間静置した後、前述の流動性の評価法と同様にして流動性指数を求め、静置前後の流動性指数を用いて下記式に従って求めた値を磁性トナーの流動性指数の変化率とした。流動性指数の変化率が小さいほど、長期に亘って磁性トナーの流動性が維持されていることを示す。
流動性指数の変化率(%)={(Fa−Fe)/Fa}×100
Fa:磁性トナーの流動性指数
Fe:25℃、相対湿度60%の雰囲気下1週間静置後の磁性トナーの流動性指数
磁性トナーの体積固有抵抗値は、まず、粒子粉末0.5gを測り取り、KBr錠剤成形器(株式会社島津製作所製)を用いて、140Kg/cm2の圧力で加圧成形を行い、円柱状の被測定試料を作製した。
次いで、被測定試料を温度25℃、相対湿度60%環境下に12時間以上暴露した後、この被測定試料をステンレス電極の間にセットし、ホイートストンブリッジ(TYPE2768 横河北辰電気株式会社製)で15Vの電圧を印加して抵抗値R(Ω)を測定した。
次いで、被測定(円柱状)試料の上面の面積A(cm2)と厚みt(cm)を測定し、次式にそれぞれの測定値を挿入して、体積固有抵抗値(Ω・cm)を求めた。
体積固有抵抗値(Ω・cm)=R×(A/t)
磁性トナーの体積固有抵抗値の変化率は、試料粒子粉末を25℃、相対湿度60%の雰囲気下1週間静置した後、前述の体積固有抵抗値の測定法と同様にして体積固有抵抗値を求め、静置前後の体積固有抵抗値を用いて下記式に従って求めた値を磁性トナーの体積固有抵抗値の変化率とした。体積固有抵抗値の変化率が小さいほど、長期に亘って体積固有抵抗値が維持されていることを示す。
体積固有抵抗値の変化率(%)={(Ra−Re)/Ra}×100
Ra:磁性トナーの体積固有抵抗値
Re:25℃、相対湿度60%の雰囲気下1週間静置後の磁性トナーの体積固有抵抗値
磁性トナーにおける金属化合物粒子粉末の結着剤樹脂への分散性は、得られた磁性トナー粒子の断面を光学顕微鏡(オリンパス光学工業社製、BH−2)を用いて撮影し、得られた顕微鏡写真(×200倍)における未分散の凝集粒子の個数を計数することにより判定し、5段階で評価した。5が最も分散状態が良い事を示す。
1:0.25mm2当たりに50個以上。
2:0.25mm2当たりに10個以上50個未満。
3:0.25mm2当たりに5個以上10個未満。
4:0.25mm2当たりに1個以上5個未満。
5:未分散物認められず。
<疎水化された金属化合物粒子粉末の製造>
球状マグネタイト粒子粉末(粒子形状:球状、平均粒子径0.17μm、BET比表面積値15.1m2/g、疎水化度V90値0.95mg/m2)500gを窒素封入した金属製の回転炉に入れ、2rpmの速度で回転させながら、100℃に昇温させた。その後、疎水化剤であるメチルトリメトキシシラン50g(球状マグネタイト粒子粉末100重量部に対して10重量部に相当)を1g/minの速度で回転炉内に導入し、気化したメチルトリエトキシシランと球状マグネタイト粒子粉末とを接触・反応させた。
メチルトリエトキシシランを全量導入し、更に30分間温度を維持した後冷却し、気相処理された球状マグネタイト粒子粉末を取り出した。得られた球状マグネタイト粒子粉末の平均粒子径は0.17μm、BET比表面積値は8.3m2/g、疎水化度V90値は0.22mg/m2、疎水化剤の脱着率は34.7%、脱着率評価後のV90値は0.69mg/m2であった。
次いで、得られた球状マグネタイト粒子粉末450gを大型るつぼに入れ、電気炉を用いて200℃で60分間加熱処理を行った後、室温まで冷却し、メチルトリエトキシシランから生成するオルガノシラン化合物によって被覆されている疎水化された球状マグネタイト粒子粉末を得た。得られた疎水化された球状マグネタイト粒子粉末の平均粒子径は0.17μm、BET比表面積値は9.1m2/g、疎水化度V90値は0.16mg/m2、脱着率は2.0%、脱着率評価後のV90値は0.18mg/m2であった。
<使用例1:疎水化された金属化合物粒子粉末を用いた樹脂組成物の製造>
上記で得られた疎水化された球状マグネタイト粒子粉末1.5gとポリ塩化ビニル樹脂粉末103EP8D(日本ゼオン(株)製)48.5gとを秤量し、これらを100ccポリビーカーに入れ、スパチュラで良く混合して混合粉末を得た。
得られた混合粉末にステアリン酸カルシウムを0.5g加えて混合し、160℃に加熱した熱間ロールのクリアランスを0.2mmに設定した後、上記混合粉末を少しづつロールにて練り込んで樹脂組成物が一体となるまで混練を続けた後、樹脂組成物をロールから剥離して樹脂組成物原料として用いた。
表面研磨されたステンレス板の間に上記樹脂組成物を挟んで180℃に加熱したホットプレス内に入れ、1トン/cm2の圧力で加圧成形して厚さ1mmの樹脂組成物を得た。
樹脂組成物中の疎水化された球状マグネタイト粒子粉末の分散性は5であり、樹脂組成物のブリード性は3であった。
<使用例2:疎水化された金属化合物粒子粉末を含む磁性トナーの製造>
上記で得られた疎水化された球状マグネタイト粒子粉末400g、スチレン−ブチルアクリレート−メチルメタクリレート共重合樹脂540g(分子量130,000、スチレン/ブチルアクリレート/メチルメタクリレート=82.0/16.5/1.5)、ポリプロピレンワックス60g(分子量3,000)及び帯電制御剤15gをヘンシェルミキサーに投入し、槽内温度60℃において15分間攪拌混合を行った。得られた混合粉体を連続型二軸混練機(T−1)で140℃において溶融混練を行い、得られた混練物を空気中で冷却、粗粉砕、微粉砕した後、分級し、磁性トナーを得た。
得られた磁性トナーの特性は、平均粒子径は9.9μm、分散性は5、流動性指数は73、体積固有抵抗値は1.2×1014Ω・cm、流動性指数の変化率は14%、体積固有抵抗値の変化率は12.8%であった。
作用
本発明において重要な点は、金属酸化物粒子粉末又は金属含水酸化物粒子粉末と気化させたフルオロアルキルシラン及び/又はアルコキシシランからなる疎水化剤を50〜150℃の温度範囲で気相処理し、次いで、160〜250℃の温度範囲で加熱処理した場合には、疎水化度が水蒸気吸着量V90値で0.5mg/m2以下であり、脱着率評価後の疎水化度V90値が0.55g/m2以下である疎水化された金属化合物粒子粉末を得ることができ、該疎水化された金属化合物粒子粉末は、優れた疎水性を有するとともに、疎水化剤が粒子表面から脱離しにくいという事実である。
本発明に係る疎水化された金属化合物粒子粉末が優れた疎水性を有する理由として、本発明者は、分子鎖の短い疎水化剤を用いて気相処理することにより、芯粒子粉末が凝集体を形成している場合でも、粒子と粒子の間隙から気化した疎水化剤が進入することができ、芯粒子粉末の粒子表面に疎水化剤を均一に被覆することができることによるものと考えている。
本発明に係る疎水化された金属化合物粒子粉末の粒子表面から脱離する疎水化剤が少ない理由について、本発明者は、気相処理後に加熱処理することにより、金属化合物粒子が含有している金属元素と疎水化剤が有しているアルコキシ基との間で形成される、メタロシロキサン結合(≡Si−O−M(但し、Mは金属化合物粒子中の金属原子である。))が、促進されることにより、疎水化剤から生成するオルガノシラン化合物が金属化合物粒子粉末の粒子表面に強固に結合するためと考えている。
必要により、芯粒子粉末の粒子表面を中間被覆層によって被覆した場合に、疎水化剤の脱離が低減される理由については未だ不明であるが、本発明者は、上述のように金属化合物粒子粉末が含有している金属元素と疎水化剤が有しているアルコキシ基との間でメタロシロキサン結合が形成される際に、粒子表面にSiやAlが存在することにより、メタロシロキサン結合がより容易に生じるためではないかと考えている。
次に、実施例及び比較例を挙げる。
芯粒子1〜4
芯粒子粉末として、表1に示す特性を有する金属酸化物粒子粉末及び金属含水酸化物粒子粉末を準備した。
Figure 0005229843
<中間被覆物による金属化合物粒子粉末の被覆>
芯粒子5
球状マグネタイト粒子粉末(芯粒子1)20kgを、純水150lに攪拌機を用いて邂逅し、さらにホモミックラインミル(特殊機化工業(株)製)を3回通して球状マグネタイト粒子粉末のスラリーを得た。
得られた球状マグネタイト粒子粉末のスラリーのpH値を4.0に調整し、該スラリーに水を加えてスラリーの濃度を98g/lにした。次いで、該スラリーから150lを抜き取り、攪拌しながら60℃まで加熱した。
このスラリーに1.0mol/lの硫酸アルミニウム溶液2722ml(球状マグネタイト粒子粉末に対してAl換算で1.0重量%に相当する)を加え、30分間保持した後、水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH値を7.5に調整した。
続いてこのスラリー中に3号水ガラス254g(球状マグネタイト粒子粉末に対してSiO2換算で0.5重量%に相当する)を加え30分間熟成した後、酢酸を用いてpH値を7.5に調整した。この状態で30分間保持した後、濾過、水洗、乾燥、粉砕して粒子表面がアルミニウムの水酸化物及びケイ素の酸化物により被覆されている球状マグネタイト粒子粉末を得た。
この時の主要製造条件及び得られた球状マグネタイト粒子粉末の諸特性を表2に示す。
芯粒子6〜8
芯粒子粉末の種類、添加物の種類及び添加量を種々変化させた以外は前記芯粒子5と同様にして中間被覆物によって被覆された芯粒子6〜8を得た。
この時の主要製造条件及び得られた芯粒子粉末の諸特性を表2に示す。
尚、表面処理工程における被覆物の種類のうち、Aはアルミニウムの水酸化物を表し、Sはケイ素の酸化物を示す。
Figure 0005229843
<気相処理>
被処理粒子1〜13
芯粒子粉末の種類、疎水化剤の種類、疎水化剤の導入量、気相処理の温度、疎水化剤の導入速度及び導入時間を種々変化させた以外は、前記発明の実施の形態と同様にして被処理粒子1〜13を得た。
この時の主要製造条件を表3に、得られた被処理粒子粉末の諸特性を表4に示す。
Figure 0005229843
Figure 0005229843
<気相処理後の加熱処理>
実施例1〜8、比較例1〜9
被処理粒子粉末の種類、加熱処理の温度及び時間を種々変化させた以外は前記発明の実施の形態と同様にして疎水化された金属化合物粒子粉末を得た。
この時の主要製造条件及び得られた疎水化された金属化合物粒子粉末の諸特性を表5及び表6に示す。
Figure 0005229843
Figure 0005229843
<樹脂組成物の製造>
使用例1〜8、比較使用例1〜9
金属化合物粒子粉末の種類、配合量及び樹脂の配合量を種々変化させた以外は前記発明の実施の形態の使用例1と同様にして樹脂組成物を得た。
この時の主要製造条件及び得られた樹脂組成物の諸特性を表7に示す。
Figure 0005229843
<磁性トナーの製造>
使用例9及び10、比較使用例10〜15
金属化合物粒子粉末の種類、配合量及び結着剤樹脂の配合量を種々変化させた以外は前記発明の実施の形態の使用例2と同様にして磁性トナーを得た。
この時の主要製造条件及びトナーの諸特性を表8に示す。
Figure 0005229843
発明の効果
本発明に係る疎水化された金属化合物粒子粉末は、優れた疎水性を有するとともに、疎水化剤が粒子表面から脱離しにくいことにより長期間に亘り優れた疎水性を維持することができるため、塗料、樹脂練込み、トナー及び化粧料等各種用途に好適である。

Claims (3)

  1. 金属酸化物粒子粉末又は金属含水酸化物粒子粉末の粒子表面が化1で表わされるフルオロアルキルシラン及び化2で表わされるアルコキシシランから選ばれる1種又は2種以上の疎水化剤から生成するオルガノシラン化合物で被覆されている平均粒子径0.01〜0.3μmの金属化合物粒子粉末であって、前記オルガノシラン化合物の被覆量は疎水化された金属化合物粒子粉末に対してSi換算で0.1〜20重量%であり、該金属化合物粒子粉末の疎水化度が温度25℃、相対湿度90%の雰囲気における水蒸気吸着量V90値で示した場合に0.5mg/m2以下であり、且つ、該金属化合物粒子粉末の脱着率評価後の疎水化度V90値が0.55mg/m2以下であることを特徴とする疎水化された金属化合物粒子粉末。
    【化1】
    Figure 0005229843
    【化2】
    Figure 0005229843
  2. 金属酸化物粒子粉末又は金属含水酸化物粒子粉末の粒子表面がアルミニウムの水酸化物、アルミニウムの酸化物、ケイ素の水酸化物及びケイ素の酸化物から選ばれる少なくとも1種からなる中間被覆層を介してフルオロアルキルシラン及びアルコキシシランから選ばれる1種又は2種以上の疎水化剤から生成するオルガノシラン化合物で被覆されている請求項1記載の疎水化された金属化合物粒子粉末。
  3. 金属酸化物粒子粉末又は金属含水酸化物粒子粉末と気化させたフルオロアルキルシラン及び/又はアルコキシシランを50〜150℃の温度範囲で接触・反応させた後、得られた粒子粉末を160〜250℃の温度範囲で加熱処理することを特徴とする請求項1記載の疎水化された金属化合物粒子粉末の製造法。

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