JP5451161B2 - 磁性トナーの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、トナージェット方式記録法の如き画像形成方法において用いる磁性トナーに関する。
プリンターや複写機は近年アナログからデジタルへの移行が進み、潜像の再現性に優れ高解像度であることが求められる。より高解像度の画像を得るためには、トナーの粒度分布が均一であることはもとより、例えばトナー個々の粒子の帯電性が均一となるように、トナーの表面状態が各粒子間で均一であることが必要である。また、様々な環境においても良好な現像特性を示すトナーに対する需要も高い。このような性能を満足するトナーとしては、例えば湿度の変化に対して、トナーの摩擦帯電性が安定するなどの性能が求められる。その要件を満足するために、例えば材料の水分吸着量を減らし、トナー粒子表面からその材料が露出しないよう、内包化する技術などが従来より検討されてきた。
先述するトナー性能を満たすトナー粒子の製造方法として、コアシェル構造を有するトナー粒子を水系媒体中で製造する方法が提案されている。例えばその製造方法の一つである懸濁重合法に着目すると、結着樹脂中に着色剤やワックスなどの各材料が取り込まれ、その結着樹脂がシェル機能を有する樹脂に被覆されるコアシェル型のトナー粒子が得られることが知られている。また、このような製造方法によって得られるトナー粒子を有するトナーは、所望の粒径、組成を有するよう製造することが可能である。
上述した製造法において着色剤が磁性体である場合、例示した懸濁重合法のように水系媒体中でトナー粒子を製造する際に下記の如き問題点が生じる。即ち、磁性体は親水性であるため、重合法によって製造すると、磁性体がトナー粒子表面付近に偏在しやすく、トナー粒子の粒度分布制御及び磁性体の分散性制御が困難となる。そこで、このような問題点の改善策として、「未処理の磁性体」に表面改質(疎水化処理)を施した「処理磁性体」を使用することで、トナー粒子へ内包化しやすくする技術が知られている。ここで使用される表面改質用の処理剤としては、アルコキシシランなどのシランカップリング剤がよく使われる。
上記の如き水系媒体中で製造された磁性トナーにおいて、高温高湿環境・低温低湿環境において良好な現像性を得るためには、各トナー粒子中の処理磁性体含有量が均一であり、トナー粒子から処理磁性体が露出しないことなどが必要である。そのためには、表面が疎水性の処理剤で被覆され、その被覆状態の均一性が高い処理磁性体を使用することが好ましい。
疎水化処理された処理磁性体を得る処理方法としては、気相中及び水系媒体中における疎水化処理が挙げられる。このうち、気相中における処理は分散媒などを除去する乾燥工程が必要ないため、水系媒体中で行う処理と比較して処理時間が短く簡便な装置で製造できるという利点がある。一方、水系媒体中で行う処理に対して、疎水化度を上げにくく、均一な疎水化処理が難しいという欠点も有する。しかし、気相中で行う処理は上述したような点で産業上大きな利点を有しており、そのために処理の均一性が低い欠点を改良する検討が精力的に行われてきている。例えば特許文献1では種々のアルコキシシランを疎水化処理剤として用い気相中で磁性体の表面処理を行っている。また、例えば特許文献2ではフルオロアルキルシラン及び/又はアルコキシシランを気化させて処理する方法により、気相中で表面処理を行っている。
しかし、アルコキシシランは表面張力が高く、全磁性体粒子の表面を均一に被覆することは難しい。このため、疎水化処理が不十分な未処理の磁性体表面も一部残存してしまう可能性がある。
そして、このような処理磁性体を用いて磁性トナー粒子を水系媒体中で製造した場合、磁性トナー粒子表面から処理磁性体が露出しやすくなるとともに、磁性トナー各粒子間の磁性体分散も不均一になりやすい。そのため、処理磁性体の露出により高温高湿環境における磁性トナーの摩擦帯電性が低下したり、低温低湿環境におけるカブリが発生したりする傾向にある。即ち、水系媒体中で磁性トナー粒子を製造する場合、表面が疎水化処理剤で十分に被覆され、その被覆状態の均一性の高い処理磁性体を用いる必要があり、その処理磁性体の疎水化処理状態はさらに改善の余地がある。
特開2004−294480号公報 特開2000−327948号公報
本発明の目的は、気相中で処理された処理磁性体を用いて水系媒体中で製造された磁性トナーにおいて、高温高湿環境における画像濃度が高く、且つ、低温低湿環境におけるカブリが少ない磁性トナーを得ることにある。
本発明の上記課題は、以下の磁性トナーの製造方法により解決することができる。
結着樹脂及び処理磁性体を含有する磁性トナー粒子と、
無機微粒子と
を有する磁性トナーを製造する磁性トナーの製造方法であって、
前記製造方法が、
アルコキシシランを含有するpH3.0以上6.5以下の水溶液において前記アルコキシシランを分散させ、加水分解率が50%以上となるように前記アルコキシシランの加水分解を行い、アルコキシシランの加水分解物であるシラン化合物を得る工程(1)、
前記工程(1)で得られたシラン化合物を用いて気相中で磁性体を疎水化処理し、処理磁性体を得る工程(2)、及び、
前記工程(2)で得られた処理磁性体を用いて水系媒体中で磁性トナー粒子を製造する工程(3)
を有することを特徴とする磁性トナーの製造方法
本発明により、気相中で処理された処理磁性体を用いて水系媒体中で製造された磁性トナーにおいて、高温高湿環境における画像濃度が高く、且つ、低温低湿環境におけるカブリが少ない磁性トナーを提供することができる。
メタノール滴下透過率曲線を示した図である。 シラン化合物の模式的なGPCチャートを表した図である。 本発明の実施例に用いた画像形成装置の一例を示した図である。
本発明のトナーは、前述のとおり、気相中で処理された処理磁性体を用いて水系媒体中で製造された磁性トナーである。より具体的には、結着樹脂、処理磁性体を少なくとも含有する磁性トナー粒子と無機微粒子を有する磁性トナーであって、磁性トナー粒子は、水系媒体中で製造された磁性トナー粒子である。該処理磁性体は、アルコキシシランを加水分解した加水分解物(以下、シラン化合物ともいう。)を用いて気相中で疎水化処理された処理磁性体であり、シラン化合物は、アルコキシシランの加水分解率が50%以上であ
る。
本発明者らが鋭意検討した結果、気相中で処理された処理磁性体を用いて水系媒体中で磁性トナーを製造する場合には、アルコキシシランの加水分解率が50%以上のシラン化合物を用いて気相中で処理した処理磁性体を使用した時のみ、高温高湿環境における画像濃度が高く、低温低湿環境におけるカブリが少ない磁性トナーを得ることができ、本発明に至った。
上記の性能を有する磁性トナーにおいて処理磁性体の存在状態に着目すると、処理磁性体がトナーに内包化されており、さらに処理磁性体がトナー各粒子に均一に含有されることが好ましい。そのために必要な処理磁性体の疎水化処理の状態としては、磁性体表面が十分に疎水化処理されており、その処理状態の均一性が高いことである。
疎水化処理を行っていない未処理の磁性体表面は水酸基が多く存在しており、アルコキシシランとの親和性が低い。このため、表面の疎水化処理を気相中で行う場合、アルコキシシランを疎水化処理剤として直接用いると、疎水化処理が不十分な未処理表面もある程度残存してしまい、そういった処理磁性体を用いることが、磁性トナーの現像性低下の要因となっていた。
本発明者らが鋭意検討した結果、アルコキシシランを加水分解した後に、シラン化合物を用いて気相中で磁性体の処理を行うと、アルコキシシランと未処理の磁性体表面との親和性が向上し、飛躍的に表面を被覆しやすくなることを見出した。具体的にはアルコキシシランの50%以上を加水分解したシラン化合物を用いると、アルコキシシランと磁性体表面との親和性が高くなり、表面を均一に被覆しやすくなる。未処理の磁性体表面とアルコキシシランの親和性が向上する理由としては、加水分解によりアルコキシル基が水酸基へと置換され、水酸基が多く存在する未処理の磁性体表面に対する表面エネルギーが低下するためと推察される。
疎水性の高い処理磁性体を用いて水系媒体中でトナーを製造した場合、処理磁性体がトナーに内包化されやすくなる。疎水化処理の状態の均一性が高い処理磁性体を用いて水系媒体中でトナーを製造した場合、トナー中の磁性体分散性が良好になる。このため、アルコキシシランの加水分解率が50%以上の加水分解物であるシラン化合物を用いて気相中で処理した処理磁性体を使用すると、高温高湿環境においてトナーの帯電性が安定になることで画像濃度が増加し、低温低湿環境におけるカブリが良化する。
上記シラン化合物は、アルコキシシランの加水分解率が80%以上であることが好ましく、90%以上であることが更に好ましい。また加水分解率の上限の制限はなく、加水分解率100%であっても、当然に本願の効果を奏するものである。なお、上記加水分解率は、アルコキシシランを水溶液中に投入した際のpHや温度、加水分解時間を調整することにより、50%の加水分解率を達成することができる。
上記アルコキシシランの加水分解率は、下記式(1)の如く定義する。
加水分解率(%)={(β―α)/β}×100・・・(1)
ここで、αはGPCを用いてシラン化合物を測定した時の、シラン化合物中の未加水分解物に由来するピーク面積である。また、βはGPCを用いてシラン化合物を測定した時の、シラン化合物に由来する全てのピーク面積の総和である。具体的なGPCの測定の方法および、α、βの算出方法は後述する。
本発明の磁性トナーは、上記処理磁性体のBET比表面積による単位面積当たりの炭素量が0.050g/m以上、0.100g/m以下であることが好ましい。上記単位
面積当たりの炭素量が0.050g/m以上であると、未処理の磁性体に疎水性を効果的に付与することができ、0.100g/m以下であると、得られる処理磁性体の表面の処理剤の存在状態がさらに均一となる。この範囲を満たす処理磁性体を用いて水系媒体中でトナーを製造した場合、磁性体分散の均一性が向上した磁性トナーが得られ、低温低湿環境におけるカブリがさらに良化する。単位面積当たりの炭素量の測定方法は後述する。
上記処理磁性体のBET比表面積による単位面積当たりの炭素量は、アルコキシシランの種類または上記シラン化合物の添加量を調節することにより、上記の範囲内の値を達成することができる。
本発明の磁性トナーは、メタノールと水の混合溶媒に上記処理磁性体を添加した溶液を、波長780nmの光で測定したメタノール滴下透過率曲線において、該溶液の透過率が50%に到達したときのメタノール濃度(以下、メタノール濡れ性ともいう。)が、40体積%以上80体積%以下であることが好ましい。上記メタノール濡れ性が40体積%以上の場合、処理磁性体表面の疎水性が十分となり、トナー化した時に処理磁性体をトナーに内包化しやすくなり、80体積%以下の場合、処理磁性体がトナー表面付近に分散しやすくなる。このため、メタノール濡れ性がこの範囲に含まれるとトナー中の処理磁性体の存在状態の均一性が向上し、トナーの帯電性が均一になるとともに、現像プロセス内で安定化しやすくなる。その結果、転写性が良好となり、さらにトナー性能が向上する。メタノール濡れ性の測定方法は後述する。
上記メタノール濡れ性は、アルコキシシランの種類、上記シラン化合物の添加量及び上記シラン化合物を得るための加水分解条件を調整することにより、上記の範囲内の値を達成することができる。
本発明の磁性トナーは、上記処理磁性体のBET比表面積による単位面積当たりの水分吸着量が0.30mg/m以下であることが好ましい。水分吸着量がこの範囲に含まれる場合、処理磁性体がトナー表面から露出した場合でも、トナー表面が湿度の影響を受けづらくなり、トナーの帯電が安定化しやすくなる。そのため、高温高湿環境における現像性および転写性がさらに良好となり、さらにトナー性能が向上する。
上記処理磁性体のBET比表面積による単位面積当たりの水分吸着量は、アルコキシシランの種類、上記シロキサン率、上記加水分解率を調整することにより、上記の範囲内の値を達成することができる。また、本発明の気相中における疎水化処理は、水系媒体中における疎水化処理と比較して、低い水分吸着量の処理磁性体を得やすい。水系媒体中で疎水化処理を行った場合に水分吸着量が高くなりやすいのは、残存する極性基のヒドロキシル基が磁性体表面ではなく水系媒体に向かって配向するためであると考えている。一方、気相中で疎水化処理を行った場合に水分吸着量が低くなりやすいのは、残存する極性基のヒドロキシル基が気相側ではなく磁性体表面に向かって配向し、その結果、ヒドロキシル基が磁性体表面に露出しにくくなるためであると考えている。
本発明の磁性トナーは、上記シラン化合物中の加水分解されたアルコキシシランのうち、シロキサンとして存在する割合(以下、シロキサン率ともいう。)が40%以下であることが好ましい。ここでシロキサンとは、Si−O−Si結合を有する化合物である。シロキサン率がこの範囲に含まれる場合、処理磁性体の表面性が非常に均一となり、トナー中の磁性体分散性が向上するとともに、トナーの帯電の均一性及び安定性が向上する。その結果、高温高湿環境、低温低湿環境における現像性、カブリが良好となり、さらにトナー性能が向上する。
上記シロキサン率は、上記シラン化合物を得るための加水分解条件を調整することにより、上記の範囲内の値を達成することができる。
上記シロキサン率は、下記式(2)の如く定義する。
シロキサン率(%)=100×{1−γ/(β−α)}・・・(2)
ここで、αはGPCを用いてアルコキシシランの加水分解であるシラン化合物を測定した時の、シラン化合物中の未加水分解物に由来するピーク面積である。βはGPCを用いてアルコキシシランの加水分解シラン化合物を測定した時の、シラン化合物に由来する全てのピーク面積の総和である。γはGPCを用いてアルコキシシランの加水分解であるシラン化合物を測定した時の、シラン化合物中の加水分解成分のうち、Si−O−Si結合を持たない単量体として存在する量である。具体的なGPCの測定の方法および、α、βおよびγの算出方法は後述する。
本発明の磁性トナーは処理磁性体を含有するものである。本発明における「処理磁性体」は、「未処理の磁性体」を表面を疎水化処理して成るものであり、下記に本発明で用いることの出来る未処理の磁性体及び処理磁性体について説明する。
本発明の磁性トナーに用いられる未処理の磁性体は特段限定されるものではないが、四三酸化鉄、γ−酸化鉄等、酸化鉄を主成分とするものであることが好ましく、リン、コバルト、ニッケル、銅、マグネシウム、マンガン、アルミニウム、ケイ素などの元素を含んでもよい。また、複数種の磁性体を2種以上併用して用いても良い。
未処理の磁性体の形状としては、多面体、8面体、6面体、球形、針状、鱗片状などがあるが、多面体、8面体、6面体、球形等の異方性の少ないものが画像濃度を高める上で好ましい。
また未処理の磁性体としては、窒素吸着法によるBET比表面積が2m/g以上30m/g以下である磁性体を用いることが好ましく、特に3m/g以上28m/g以下である磁性体がより好ましい。また、モース硬度が5以上7以下の磁性体が好ましい。
未処理の磁性体の体積平均粒径としては0.05μm以上0.40μm以下が好ましい。体積平均粒径が0.05μm未満の場合、黒色度の低下が顕著となり、黒トナーの着色剤としては着色力が不十分となるうえに、トナー粒子中で凝集しやすくなる。一方、体積平均粒径が0.40μmを超えてしまうと着色力が不足するようになる。加えて、特に小粒径トナー用の着色剤として使用する場合、個々のトナー粒子に均一に分散させることが確率的に困難となり、分散性が悪化しやすくなり好ましくない。
なお、未処理の磁性体の体積平均粒径は、透過型電子顕微鏡を用いて測定できる。具体的には、まず、メタノール200mlに磁性体10gを加え超音波分散器で30分間分散したのち、磁石にて未処理の磁性体を回収し、乾燥させたものをエポキシ樹脂中へ十分に分散させる。そして、温度40℃の雰囲気中で2日間硬化させ得られた硬化物をミクロトームにより薄片上のサンプルとして、透過型電子顕微鏡(TEM)において1万倍ないしは4万倍の拡大倍率の写真で視野中の100個の磁性体粒子径を測定する。そして、未処理の磁性体の投影面積に等しい円の相当径をもとに、体積平均粒径の算出を行った。また、画像解析装置により粒径を測定することも可能である。
本発明では、処理磁性体以外に他の着色剤を併用しても良い。併用し得る着色剤としては、磁性あるいは非磁性無機化合物、公知の染料及び顔料が挙げられる。具体的には、例えば、コバルト、ニッケルなどの強磁性金属粒子、またはこれらにクロム、マンガン、銅、亜鉛、アルミニウム、希土類元素などを加えた合金、ヘマタイトなどの粒子、チタンブ
ラック、カーボンブラック、フタロシアニン等が挙げられる。
本発明の磁性トナーに用いる未処理の磁性体は、例えば下記方法で製造する事が出来る。
第一鉄塩水溶液に、鉄成分に対して当量または当量以上の水酸化ナトリウム等のアルカリを加え、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製する。調製した水溶液をpH7以上(好ましくはpH8以上14以下)に維持しながら空気を吹き込み、水溶液を70℃以上に加温しながら水酸化第一鉄の酸化反応をおこない、磁性酸化鉄粉体の芯となる種晶をまず生成する。
次に、種晶を含むスラリー状の液に前に加えたアルカリの添加量を基準として約1当量の硫酸第一鉄を含む水溶液を加える。液のpHを6以上14以下に維持し、空気を吹込みながら水酸化第一鉄の反応を進め、種晶を芯にして磁性酸化鉄粉体を成長させる。この時、任意のpHを選択することにより、磁性体の形状をコントロールすることが可能である。酸化反応が進むにつれて液のpHは酸性側に移行していくが、液のpHは6未満にしない方が好ましい。酸化反応終了後、ろ過、解砕、乾燥を行い、未処理の磁性体が得られる。
ここで、第一鉄塩としては一般的に硫酸法チタン製造に副生する硫酸鉄、鋼板の表面洗浄に伴って副生する硫酸鉄の利用が可能であり、更に塩化鉄等が可能である。
水溶液法による磁性酸化鉄の製造方法は一般に反応時の粘度の上昇を防ぐこと、及び、硫酸鉄の溶解度から鉄濃度0.5mol/l以上2.0mol/l以下が用いられる。硫酸鉄の濃度は一般に薄いほど製品の粒度が細かくなる傾向を有する。また、反応に際しては、空気量が多いほど、そして反応温度が低いほど微粒化しやすい。
上記の如くして得られた未処理の磁性体は、アルコキシシランの加水分解物(シラン化合物)を用いて、気相中で疎水化処理される。ここでいう気相中の疎水化処理とは疎水化処理中、水の含有量が未処理の磁性体に対して20質量%以下の条件で行う処理をいい、水系媒体中の疎水化処理とは明確に区別される。本発明においては、例えば下記方法で疎水化処理する事ができる。
pHを3.0以上6.5以下に調整した水溶液にアルコキシシランを徐々に投入し、例えばディスパー翼などを用いて攪拌して均一に分散させ、所望の加水分解率となるようにpH及び分散時間を調整し、加水分解を行う。例えばディスパー翼のように、高せん断を付与できる分散装置を用いると、アルコキシシランと水の接触面積が増加し、シロキサン率を低く維持した状態で加水分解率を増加させることができる。また、pHが高すぎる若しくは低すぎる場合、アルコキシシランの縮合反応が進行してしまったり、加水分解がほとんど進行しなくなったりしてしまう。使用するアルコキシシランの種類によっては所望の加水分解率、シロキサン率に調整できるpH領域が異なるため、加水分解率、シロキサン率の程度を測定しながら、適宜pHを調整する必要がある。同様に、加水分解時間や加水分解の温度なども加水分解率、シロキサン率に影響を及ぼすため、適宜調整することが好ましい。このようにしてアルコキシシランを加水分解したシラン化合物を含有するシラン化合物水溶液を得る。
次に、例えばヘンシェルミキサーを用いて未処理の磁性体を分散させながら上記のシラン化合物水溶液を滴下した後、さらに分散させることで、シラン化合物を表面に吸着した磁性体が得られる。その後縮合反応を進行させることで、疎水化処理した処理磁性体が得られる。
本発明の疎水化処理は、気相中で処理されるものであればよいため、上記方法の他、処理剤を揮発させて処理する方法や、スプレードライヤーの如き装置を用いて噴霧する方法
を用いることもできる。
本発明において、未処理磁性体の疎水化処理に使用できるアルコキシシランは、下式で示されるものである。
SiY
[式中、Rはアルコキシ基を示し、mは1以上3以下の整数を示し、Yはアルキル基、ビニル基、エポキシ基、アクリル基、メタクリル基の如き官能基を示し、nは1以上3以下の整数を示す。ただし、m+n=4である。]
上式で示されるアルコキシシランとしては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、n−デシルトリエトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
この中で、高い疎水性を得るという観点では、下記式で示されるアルキルトリアルコキシシランを用いることが好ましい。
(2p+1)−Si−(OC(2q+1)
[式中、pは2以上20以下の整数を示し、qは1以上3以下の整数を示す。]
上記式におけるpが2より小さいと、疎水性を十分に付与することが困難であり、また、pが20より大きいと疎水性は十分になるが、磁性体同士の合一が多くなり好ましくない。さらに、qが3より大きいとアルコキシシランの反応性が低下して疎水化が十分に行われにくくなる。また、式中のpが3以上15以下の整数を示し、qが1又は2の整数であることがより好ましい。
本発明の磁性トナーは高画質化のため、より微小な潜像ドットを忠実に現像することから、磁性トナーの重量平均粒径(D4)は3μm以上10μm以下であることが好ましく、より好ましくは4μm以上9μm以下である。また、トナー粒径が小さいものほど定着性は良好なものとなり、この観点からもトナー粒径は10μm以下であることが好ましい。上記の理由から、重量平均粒径(D4)はある程度小さい方が好ましいが、重量平均粒径が3μm未満の場合、粉体としての流動性及び撹拌性が低下し、個々のトナーを均一に帯電させることが困難となることに加え、カブリの増大を招き好ましくない。
磁性トナーの重量平均粒径(D4)および個数平均粒径(D1)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行ない、算出した。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行う前に、以下のように専用ソフトの設定を行った。
専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μm以上60μm以下までに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れ、この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、磁性トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いて磁性トナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行なう。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行ない、重量平均粒径(D4)および個数平均粒径(D1)を算出する。尚、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)であり、専用ソフトでグラフ/個数%と設定したときの、分析/個数統計値(算術平均)画面の「平均径」が個数平均粒径(D1)である。
本発明の磁性トナーは平均円形度が0.960以上であることが好ましい。磁性トナーの円形度が0.960以上である場合、磁性トナーの流動性が向上し、均一帯電が可能となる。このため、厚紙カブリなどの画像がさらに良好になるため、より好ましい。同時に円形度が0.960以上である時、磁性トナーは現像部で均一で細い穂を形成し潜像に対し忠実な現像を行うことが可能となり、高精細な画像が得られるようになる。
トナー粒子の平均円形度は、フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」(シスメックス社製)によって、校正作業時の測定及び解析条件で測定した。
具体的な測定方法は、以下の通りである。まず、ガラス製の容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水約20mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.2ml加える。更に測定試料を約0.02g加え、超音波分散器を用いて2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、分散液の温度が10℃以上40℃以下となる様に適宜冷却する。超音波分散器としては、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散器(例えば「VS−150」(ヴェルヴォクリーア社製))を用い、水槽内には所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
測定には、対物レンズとして「LUCPLFLN」(倍率20倍、開口数0.40)を搭載した前記フロー式粒子像分析装置を用い、シース液にはパーティクルシース「PSE−900A」(シスメックス社製)を使用した。前記手順に従い調製した分散液を前記フロー式粒子像分析装置に導入し、HPF測定モードで、トータルカウントモードにて2000個のトナー粒子を計測する。そして、粒子解析時の2値化閾値を85%とし、解析粒子径を円相当径1.977μm以上、39.54μm未満に限定し、トナー粒子の平均円形度を求めた。
測定にあたっては、測定開始前に標準ラテックス粒子(例えば、Duke Scien
tific社製の「RESEARCH AND TEST PARTICLES Latex Microsphere Suspensions 5100A」をイオン交換水で希釈)を用いて自動焦点調整を行う。その後、測定開始から2時間毎に焦点調整を実施することが好ましい。
なお、本願実施例では、シスメックス社による校正作業が行われた、シスメックス社が発行する校正証明書の発行を受けたフロー式粒子像分析装置を使用した。解析粒子径を円相当径1.977μm以上、39.54μm未満に限定した以外は、校正証明を受けた時の測定及び解析条件で測定を行った。
本発明の磁性トナーには帯電特性向上のために荷電制御剤を配合しても良い。荷電制御剤としては、公知のものが利用でき、特に帯電スピードが速く、かつ、一定の帯電量を安定して維持できる荷電制御剤が好ましい。また、本発明の如き磁性トナーを懸濁重合にて製造する場合には、重合阻害性が低く、水系分散媒体への可溶化物が実質的にない荷電制御剤が特に好ましい。具体的な化合物としては、ネガ系荷電制御剤としてサリチル酸、アルキルサリチル酸、ジアルキルサリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸の如き芳香族カルボン酸の金属化合物、アゾ染料あるいはアゾ顔料の金属塩または金属錯体、スルホン酸又はカルボン酸基を側鎖に持つ高分子型化合物、ホウ素化合物、尿素化合物、ケイ素化合物、カリックスアレーン等が挙げられる。ポジ系荷電制御剤として四級アンモニウム塩、該四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物等が挙げられる。
荷電制御剤を磁性トナーに含有させる方法としては、トナー粒子内部に添加する方法がある。懸濁重合を行う場合には、造粒前に重合性単量体組成物中に荷電制御剤を添加する方法が一般的である。また、水中で油液滴を形成し重合を行っている最中、または、重合後に荷電制御剤を溶解、懸濁させた重合性単量体を加えることによりシード重合を行い、トナー表面を均一に覆うことも可能である。また、トナー粒子に外添する場合には、荷電制御剤として有機金属化合物を用い、トナー粒子と該化合物とをシェアをかけ混合・撹拌することにより、トナー表面に導入することも可能である。
これらの荷電制御剤の使用量としては、結着樹脂の種類、他の添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定される。このため、一義的に限定されるものではな
いが、内部添加する場合は好ましくは結着樹脂100質量部に対して0.1質量部以上10.0質量部以下、より好ましくは0.1質量部以上5.0質量部以下の範囲で用いられる。また、外部添加する場合、トナー粒子100質量部に対し好ましくは0.005質量部以上1.000質量部以下、より好ましくは0.01質量部以上0.30質量部以下である。
本発明の磁性トナーは、定着性の更なる向上の為、結着樹脂100質量部に対し1質量部以上30質量部以下の離型剤を有することが好ましく、その吸熱ピークのピークトップが50℃以上90℃以下であることがより好ましい。また、添加する離型剤の添加量が、結着樹脂100質量部に対して1質量部未満では離型剤の添加効果が低くなる。一方、30質量部を超えてしまうと長期間の保存性が悪化すると共に、トナー表面への染み出し等によりトナーの帯電均一性が劣るものとなり好ましくない。さらに、多量の離型剤を内包するために、トナー形状がいびつになりやすくなる。
さらに添加する離型剤としては公知の離型剤を用いることができ、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム等の石油系ワックス及びその誘導体、モンタンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導体、ポリエチレンに代表されるポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナバワックス、キャンデリラワックス等天然ワックス及びその誘導体などで、誘導体には酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物を含む。さらには、高級脂肪族アルコール、ステアリン酸、パルミチン酸等の脂肪酸、あるいはその化合物、酸アミドワックス、エステルワックス、ケトン、硬化ヒマシ油及びその誘導体、植物系ワックス、動物性ワックスなども使用できる。
このような離型剤の吸熱ピークのピークトップ温度の測定は、「ASTM D 3417−99」に準じて行う。
また、本発明の磁性トナーのガラス転移点(Tg)は、30℃以上80℃以下であることが好ましく、より好ましくは40℃以上65℃以下である。Tgが30℃よりも低いとトナーの保存性が低下し、80℃よりも高いと定着性に劣る。トナーのガラス転移点の測定には例えば、示差走査熱量計で測定を行い、示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
具体的には、磁性トナー10mgを精秤し、アルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定範囲30℃以上200℃以下の間で、昇温速度10℃/minで測定を行う。この昇温過程で、温度40℃以上100℃以下の範囲において比熱変化が得られる。このときの比熱変化が出る前と出た後のベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を、磁性トナーのガラス転移温度Tgとする。
本発明の磁性トナー粒子は水系媒体中で製造する手法なら、どの方法にも適用できるが、その中でも懸濁重合法または溶解懸濁法でトナー粒子を製造することが好ましい。
本発明の磁性トナー粒子を懸濁重合法で製造する場合、例えば下記に記載する方法などで製造することができる。ここでは好ましい製造方法を示すが、これに限定されるものではない。
懸濁重合法とは、まず、重合性単量体および処理磁性体、更に必要に応じて重合開始剤、架橋剤、離型剤、荷電制御剤、その他の添加剤(例えば、可塑剤、高分子重合体)等を混合する。そして、離型剤が溶融する温度に加熱しながら、例えばディスパー翼などを用いて攪拌して均一に分散させ、重合性単量体組成物を調製する。その後、この重合性単量
体組成物を分散安定剤を含有する連続層(例えば水相)中に滴下し、適当な造粒機を用いて造粒し同時に重合反応を行わせ、所望の粒径を有するトナー粒子を得るものである。尚、造粒後は、通常の撹拌機を用いて、粒子状態が維持され且つ粒子の浮遊・沈降が防止される程度の撹拌を行えば良い。この懸濁重合法で得られるトナーは、個々のトナー粒子の形状がほぼ球形に揃っているという特徴がある。このため、平均円形度が0.960以上という本発明に好適な物性要件を満たす磁性トナーが得られやすく、更にこういった磁性トナーは帯電量の分布も比較的均一となるために画質の向上が期待できる。
上記の造粒機としては、ホモジナイザー、ホモミキサー、クレアミックス、超音波分散機等の造粒機を用いることができる。この中でも、ホモミキサー、クレアミックスを用いると、粒度分布がシャープになり好ましい。重合開始剤添加の時期としては、重合性単量体中に他の添加剤を添加する時同時に加えても良いし、水系媒体中に懸濁する直前に混合しても良い。また、造粒直後、重合反応を開始する前に重合性単量体あるいは溶媒に溶解した重合開始剤を加えることも出来る。
本発明の磁性トナーの製造において、上記重合性単量体組成物を構成する重合性単量体としては以下のものが挙げられる。
重合性単量体としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−エチルスチレン等のスチレン系単量体、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル類その他のアクリルアミド等の単量体が挙げられる。これらの単量体は単独、または混合して使用し得る。上述の単量体の中でも、スチレンまたはスチレン誘導体を単独で、あるいは他の単量体と混合して使用する事が磁性トナーの現像特性及び耐久性の点から好ましい。
本発明の磁性トナーの製造においては、重合性単量体組成物に樹脂を添加して重合しても良い。例えば、単量体では水溶性のため水性懸濁液中では溶解して乳化重合を起こすため使用できないアミノ基、カルボン酸基、水酸基、スルホン酸基、グリシジル基、ニトリル基等親水性官能基含有の重合性単量体成分を磁性トナー中に導入したい時には、これらとスチレンあるいはエチレン等ビニル化合物とのランダム共重合体、ブロック共重合体、あるいはグラフト共重合体等、共重合体の形にして、あるいはポリエステル、ポリアミド等の重縮合体、ポリエーテル、ポリイミン等重付加重合体の形で使用が可能となる。こうした極性官能基を含む高分子重合体を磁性トナー中に添加することにより、トナー表面にこれら高分子重合体が偏在するようになり耐ブロッキング性、現像性の良好な磁性トナーを得ることができる。
また、材料の分散性や定着性、あるいは画像特性の改良等を目的として上記以外の樹脂を単量体組成物中に添加しても良く、用いられる樹脂としては、例えば、ポリスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−アクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン
−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリビニルブチラール、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリル酸樹脂、などが単独或いは混合して使用できる。これら樹脂の添加量としては、重合性単量体100質量部に対し1質量部以上20質量部以下が好ましい。1質量部未満では添加効果が小さく、一方20質量部を超えて添加すると磁性トナーの種々の物性設計が難しくなる。
本発明の磁性トナーの製造において使用される重合開始剤としては、重合反応時の温度で半減期0.5時間以上30.0時間以下であるものが好ましく、このような重合開始剤を、重合性単量体に対し0.5質量部以上20.0質量部以下の添加量で用いることが好ましい。このような条件で重合反応を行うと、分子量1万以上10万以下の間に極大を有する重合体が得られ、トナーに望ましい強度と適当な溶融特性を与えることが出来る。
重合開始剤としては、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系またはジアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、クメンヒドロパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレート等の過酸化物系重合開始剤が挙げられる。
本発明の磁性トナーを製造する際は、架橋剤を添加しても良く、好ましい添加量としては、重合性単量体100質量部に対して0.001質量部以上5.000質量部以下である。
ここで架橋剤としては、主として2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物が用いられ、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等のような芳香族ジビニル化合物;例えばエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート等のような二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホン等のジビニル化合物;及び3個以上のビニル基を有する化合物;が単独もしくは混合物として用いられる。
重合法によって磁性トナー粒子を製造する場合には、分散安定剤として公知の界面活性剤や有機分散剤・無機分散剤が使用できる。中でも無機分散剤は分散安定性に優れ、洗浄も容易で磁性トナーに悪影響を与え難いので、好ましく使用できる。こうした無機分散剤の例としては、リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、ヒドロキシアパタイト等のリン酸多価金属塩、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩、メタ硅酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等の無機塩、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の無機化合物が挙げられる。
これらの無機分散剤は、重合性単量体100質量部に対して、0.2質量部以上20.0質量部以下使用することが望ましい。また、上記分散安定剤は単独で用いても良いし、複数種併用してもよい。さらに、0.001質量部以上0.100質量部以下の界面活性剤を併用しても良い。
これら無機分散剤を用いる場合には、そのまま使用しても良いが、より細かい粒子を得るため、水系媒体中にて該無機分散剤粒子を生成させて用いることが出来る。例えば、リン酸三カルシウムの場合、高速撹拌下、リン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液とを混合して、水不溶性のリン酸カルシウムを生成させることが出来、より均一で細かな分散が可能となる。この時、同時に水溶性の塩化ナトリウム塩が副生するが、水系媒体中に水溶性塩が存在すると、重合性単量体の水への溶解が抑制されて、乳化重合に依る超微粒子が発生し難くなるので、より好都合である。
界面活性剤としては、例えばドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム等が挙げられる。
重合法においては、重合温度は40℃以上、一般には50℃以上90℃以下の温度で重合を行う。この温度範囲で重合を行うと、内部に封じられるべき離型剤が、相分離により析出して内包化がより完全となる。残存する重合性単量体を消費するために、重合反応終期ならば、反応温度を90℃以上150℃以下にまで上げる事は可能である。
磁性トナー粒子は重合終了後、公知の方法によってろ過、洗浄、乾燥を行い、本発明の磁性トナー粒子が得られる。
本発明の磁性トナー粒子は、水系媒体中で製造されるが、溶解懸濁法で製造する場合、例えば下記に記載する方法などで製造することができる。ここでは好ましい製造方法を示すが、これに限定されるものではない。
結着樹脂、処理磁性体を有機媒体中で溶解または分散させて得られた溶解物または分散物(以下、油相ともいう)を調製する。ここには離型剤を加えることもできる。界面活性剤、樹脂微粒子などを分散させた水系媒体中(以下、水相ともいう)に、油相を分散し、得られた分散液から溶媒を除去し乾燥することによって得られることが好ましい。
上記油相の調製方法において、結着樹脂などを溶解させる有機媒体として以下のものが例示できる。
酢酸エチル、キシレン、ヘキサンなどの炭化水素系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロルエタンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピルなどのエステル系溶媒、ジエチルエーテルなどのエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサンなどのケトン系溶媒。
上記結着樹脂は、上記有機媒体に溶解させた樹脂分散液の形で用いることが好ましい。この場合、結着樹脂の粘度、溶解度により異なるが、次工程での製造のしやすさを考え、有機溶媒中に樹脂成分として、40質量%から60質量%の範囲で結着樹脂を配合することが好ましい。また、溶解時に有機媒体の沸点以下で加熱すると、結着樹脂の溶解度が上がるため好ましい。
離型剤を加える場合には、上記有機媒体中に分散された形態をとることが好ましい。すなわち、予め湿式もしくは乾式で機械的に粉砕された離型剤を有機媒体中に分散し、ワックス分散液を調製することが好ましい。
上記油相は、これら、樹脂分散液、ワックス分散液、処理磁性体、及び有機媒体を所望量配合し、上記各成分を該有機媒体中に分散させることで調製することが出来る。
上記水系媒体は、水単独でもよいが、水と混和可能な溶剤を併用することも出来る。混和可能な溶剤としては、アルコール類(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコール)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブ)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン)が挙げられる。また、本発明に用いる水系媒体中に、上記油相として用いる有機媒体を適量混ぜておくことも好ましい方法である。これは造粒中の液滴安定性を高め、また水系媒体と油相とをより懸濁しやすくする効果があると思われる。
上記水系媒体中には、公知の界面活性剤、分散剤、分散安定剤、水溶性ポリマー、または粘度調整剤を添加することもできる。
上記、界面活性剤としては、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤が挙げられる。これらは、トナー粒子形成の際に、極性に合わせて任意に選択可能である。
具体的には、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α―オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどのアニオン界面活性剤、;アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、演歌ベンゼトニウムなどの四級アンモニウム塩型のカチオン界面活性剤;脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤;アラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムベタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
分散剤を使用した場合には、該分散剤がトナー粒子表面に残存したままとする事も出来るが、溶解洗浄除去する方がトナーの帯電面から好ましい。
本発明に於いては、分散安定剤を使用することが好ましい。その理由は以下の通りである。トナーの主成分である結着樹脂が溶解した有機媒体は高粘度のものである。よって、高剪断力で有機媒体を微細に分散して形成された油滴の周囲を分散安定剤が囲み、油滴同士が再凝集するのを防ぎ、安定化させる。
上記分散安定剤としては、無機分散安定剤、及び有機分散安定剤が使用出来、無機分散安定剤の場合は、分散後に粒子表面上に付着した状態でトナー粒子が造粒されるので溶媒と親和性がない塩酸等の酸類によって除去が出来るものが好ましい。例えば、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、炭化水素ナトリウム、炭化水素カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ヒドロキシアパタイト、三リン酸カルシウムが使用出来る。
トナー粒子の調製時に用いられる分散方法は特に制約されず、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの汎用装置が使用可能であるが、分散粒径を2μm以上20μm以下にするためには高速せん断式が好ましい。
回転羽根を有する攪拌装置であれば、特に制約はなく、乳化機、分散機として汎用のものであれば上記分散方法に使用可能である。
例えば、ウルトラタラックス(IKA社製)、ポリトロン(キネマティカ社製)、TK
オートホモミキサー(特殊機化工業(株)製)、エバラマイルダー(荏原製作所(株)製)、TKホモミックラインフロー(特殊機化工業(株)製)、コロイドミル(神鋼パンテック社製)、スラッシャー、トリゴナル湿式微粉砕機(三井三池化工機(株)製)、キャビトロン(ユーロテック社製)、ファインフローミル(太平洋機工(株)製)等の連続式乳化機、クレアミックス(エムテクニック社製)、フィルミックス(特殊機化工業(株)製)等のバッチ式、若しくは連続両用乳化機等が挙げられる。
上記分散方法に高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定されないが、通常1,000〜30,000rpm、好ましくは3,000〜20,000rpmである。上記分散方法における分散時間としてはバッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。分散時の温度としては、通常、10〜150℃(加圧下)、好ましくは10〜100℃である。
得られた分散液から有機溶媒を除去する為には、系全体を徐々に昇温し、液滴中の有機溶媒を完全に蒸発除去する方法を採用する事が出来る。或いは又、分散液を乾燥雰囲気中に噴霧し、液滴中の非水溶性有機溶媒を完全に除去してトナー粒子を形成し、合せて分散液中の水を蒸発除去する事も可能である。その場合、分散液が噴霧される乾燥雰囲気としては、空気、窒素、炭酸ガス、燃焼ガス等を加熱した気体、特に使用される最高沸点溶媒の沸点以上の温度に加熱された各種気流が一般に用いられる。スプレイドライアー、ベルトドライアー、ロータリーキルンなどの短時間の処理でも十分に目的とする品質が得られる。
上記分散方法により得られた分散液の粒度分布が広く、その粒度分布を保って洗浄、乾燥処理が行われた場合、所望の粒度分布に分級して粒度分布を整える事が出来る。
上記分散方法に用いた分散剤は得られた分散液から出来るだけ取り除く事が好ましいが、より好ましくは分級操作と同時に行うのが好ましい。
本発明の磁性トナーの製造に於いて、有機溶媒を除去した後、更に加熱工程を設けることも可能である。加熱工程を設けることで、トナー粒子表面を平滑化したり、トナー粒子表面の球形化度を調節したりすることができる。
また、製造工程に分級工程を入れ、粗粉や微粉をカットすることも可能である。分級操作は液中でサイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除く事が出来る。勿論乾燥後に粉体として取得した後に分級操作を行っても良いが、液体中で行う事が効率の面で好ましい。分級操作で得られた不要の微粒子、又は粗粒子は再び溶解工程に戻して粒子の形成に用いる事が出きる。その際微粒子、又は粗粒子はウェットの状態でも構わない。
本発明の磁性トナー粒子は、外添剤として無機微粒子を混合し表面に付着させることで、本発明の磁性トナーを得ることができる。本発明においては、外添剤として、個数平均1次粒径4nm以上80nm以下、より好ましくは6nm以上40nm以下の無機微粉体が添加されていることが好ましい。無機微粉体は、磁性トナーの流動性向上及び帯電均一化のために添加されるが、無機微粉体に対して疎水化などの処理を施すことによって磁性トナーの帯電量の調整、環境安定性の向上等の機能を付与することもできる。
無機微粉体の個数平均1次粒径が80nmよりも大きい場合、或いは80nm以下の無機微粉体が添加されていない場合には良好な磁性トナーの流動性が得られにくい。一方、無機微粉体の個数平均1次粒径が4nmよりも小さい場合には、無機微粉体の凝集性が強まる。このため、1次粒子ではなく解砕処理によっても解れ難い強固な凝集性を持つ粒度
分布の広い凝集体として挙動し易く、静電潜像担持体或いは磁性トナー担持体等を傷つけるなどによる画像欠陥を生じ易くなり好ましくない。
本発明において、無機微粉体の個数平均1次粒径の測定法は、走査型電子顕微鏡により拡大撮影した磁性トナーの写真で、更に走査型電子顕微鏡に付属させたXMA等の元素分析手段によって無機微粉体の含有する元素でマッピングされた磁性トナーの写真を対照しつつ、トナー表面に付着或いは遊離して存在している無機微粉体の1次粒子を100個以上測定し、個数基準の平均1次粒径を求めることで測定出来る。
本発明で用いられる無機微粉体としては、シリカ、酸化チタン、アルミナなどが使用できる。シリカとしては、例えば、ケイ素ハロゲン化物の蒸気相酸化により生成されたいわゆる乾式法又はヒュームドシリカと称される乾式シリカ、及び水ガラス等から製造されるいわゆる湿式シリカの両者が使用可能である。その中でも、表面及びシリカ微粉体の内部にあるシラノール基が少なく、またNaO等の製造残滓の少ない乾式シリカの方が好ましい。また乾式シリカにおいては、製造工程において例えば、塩化アルミニウム、塩化チタン等他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いることによって、シリカと他の金属酸化物の複合微粉体を得ることも可能でありそれらも包含する。
上記無機微粉体の添加量は、トナー粒子に対して0.1質量%以上3.0質量%以下であることが好ましく、添加量が0.1質量%未満ではその効果が十分ではなく、3.0質量%を超えると定着性が悪くなる。また、無機微粉体の含有量は、蛍光X線分析を用い、標準試料から作成した検量線を用いて定量できる。
本発明において、無機微粉体は疎水化処理された物であることが環境安定性を向上させるという観点から好ましい。磁性トナーに添加された無機微粉体が吸湿すると、磁性トナーの帯電量が著しく低下し、帯電量が不均一になり易くトナー飛散が起こり易くなる。
無機微粉体の疎水化処理に用いる処理剤としては、シリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シラン化合物、シランカップリング剤、その他有機硅素化合物、有機チタン化合物等の処理剤を単独で或いは併用して処理しても良い。その中でも、シリコーンオイルにより処理したものが好ましい。より好ましくは、無機微粉体をシラン化合物で疎水化処理すると同時或いは処理した後に、シリコーンオイルにより処理したものが、高湿環境下でも磁性トナーの帯電量を高く維持し、トナー飛散を防止する上でよい。
そのような無機微粉体の処理方法としては、例えば第一段反応として、シラン化合物でシリル化反応を行いシラノール基を化学結合により消失させた後、第二段反応としてシリコーンオイルにより表面に疎水性の薄膜を形成することができる。
上記シリコーンオイルは、25℃における粘度が10mm/s以上200,000mm/s以下のものが、さらには3,000mm/s以上80,000mm/s以下のものが好ましい。10mm/s未満では、無機微粉体に安定性が無く、熱および機械的な応力により、画質が劣化する傾向がある。200,000mm/sを超える場合は、均一な処理が困難になる傾向がある。
使用されるシリコーンオイルとしては、例えばジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等が特に好ましい。
無機微粉体をシリコーンオイルで処理する方法としては、例えば、シラン化合物で処理
された無機微粉体とシリコーンオイルとをヘンシェルミキサー等の混合機を用いて直接混合してもよいし、無機微粉体にシリコーンオイルを噴霧する方法を用いてもよい。あるいは適当な溶剤にシリコーンオイルを溶解あるいは分散させた後、無機微粉体を加え混合し溶剤を除去する方法でもよい。この中でも、無機微粉体の凝集体の生成が比較的少ない点で噴霧機を用いる方法がより好ましい。
シリコーンオイルの処理量は、無機微粉体100質量部に対し1質量部以上40質量部以下、好ましくは3質量部以上35質量部以下が良い。シリコーンオイルの量が少なすぎると良好な疎水性が得られず、多すぎるとカブリ発生等の不具合が生ずる傾向がある。
本発明で用いられる無機微粉体は、磁性トナーに良好な流動性を付与させる為に、窒素吸着によるBET法で測定した比表面積が20m/g以上350m/g以下のものが好ましく、より好ましくは25m/g以上300m/g以下のものである。
本発明の磁性トナーは、クリーニング性向上等の目的で、さらに一次粒径30nmを超える(好ましくは比表面積が50m/g未満)無機又は有機の球状に近い微粒子をさらに添加することも好ましい形態のひとつである。より好ましくは一次粒径50nm以上(好ましくは比表面積が30m/g未満)の無機又は有機の球状に近い微粒子をさらに添加することも好ましい形態のひとつである。例えば球状シリカ粒子、球状ポリメチルシルセスキオキサン粒子、球状樹脂粒子等が好ましく用いられる。
本発明に用いられる磁性トナーには、実質的な悪影響を与えない範囲内で更に他の添加剤、例えばポリフッ化エチレン粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化ビニリデン粉末の如き滑剤粉末、あるいは酸化セリウム粉末、炭化ケイ素粉末、チタン酸ストロンチウム粉末などの研磨剤、あるいは例えば酸化チタン粉末、酸化アルミニウム粉末などの流動性付与剤、ケーキング防止剤、また、逆極性の有機微粒子、及び無機微粒子を現像性向上剤として少量用いることもできる。これらの添加剤も表面を疎水化処理して用いることも可能である。
次に、本発明の磁性トナーを好適に用いることの出来る画像形成装置の一例を図3に沿って具体的に説明する。
図3において、100は静電潜像担持体である感光体で、その周囲に帯電ローラー117、現像器140、転写帯電ローラー114、クリーナー116が設けられている。そして感光体100は、例えば交流電圧2.0kV(Vpp)、直流電圧−620V(Vdc)が印加された一次ローラー117によって−600Vに帯電される。次に、レーザー発生装置121によりレーザー光123を感光体100に照射することによって露光される。感光体100上の静電潜像は現像器140によって一成分磁性トナーで現像され、転写材を介して感光体に当接された転写ローラー114により転写材上へ転写される。トナー画像をのせた転写材は搬送ベルト125等により定着器126へ運ばれ転写材上に定着される。また、一部感光体上に残された磁性トナーはクリーニング手段116によりクリーニングされる。尚、符号124は、レジスタローラーである。
現像器140においては、図3に示すように感光体100に近接してアルミニウム、ステンレス等、非磁性金属で作られた円筒状の磁性トナー担持体102(以下現像スリーブと称す)が配設されている。例えば、感光体100と現像スリーブ102との間隙は、図示されないスリーブ/感光体間隙保持部材等によって、約280μmに維持される。現像スリーブ内にはマグネットローラー(図示せず)が現像スリーブ102と同心的に固定、配設されている。但し現像スリーブ102は回転可能である。現像スリーブ102に付着して搬送される磁性トナー量を規制する部材として、弾性ブレード(図示せず)が現像ス
リーブ102に当接されて配設されている。現像領域では、感光体100と現像スリーブ102との間に直流及び交流の現像バイアスが印加され、現像スリーブ上磁性トナーは静電潜像に応じて感光体100上に飛翔し可視像となる。
以下に、本発明に関わる物性値の測定方法及び算出方法に関して記述する。
1.加水分解率及びシロキサン率の算出方法
下記に、加水分解率、シロキサン率の算出のためのGPCの測定の方法および、α、βおよびγの算出の方法を記述する。
シラン化合物中の化合物の定量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、下記のようにして測定する。
まず、室温で24時間かけて、アルコキシシラン単体、またはその加水分解物であるシラン化合物をテトラヒドロフラン(THF)に溶解する。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マエショリディスク」(東ソー社製)でろ過してサンプル溶液を得る。尚、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が約0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。装置:HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー社製)
カラム:Shodex KF−801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工社製)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0ml/min
オーブン温度:40.0℃
試料注入量:0.10ml
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(例えば、商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500」、東ソ−社製)を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。
続いて、シラン化合物のGPCの結果より、α、βおよびγを算出する方法について下記に記述する。事前に、加水分解していないアルコキシシランのGPC測定結果より、アルコキシシランの保持時間を算出しておく。
シラン化合物をGPCで測定した場合,模式的に示した図2の如きGPCチャートが得られる。得られたGPCチャートより溶媒(THF)由来のピークを排除したシグナル群が、シラン化合物に由来するシグナル群であり、この全面積をβとする。事前に算出しておいたアルコキシシラン単体の保持時間に対応するシグナルの面積をαとし、αはシラン化合物中の加水分解していないアルコキシシランの量である。また、このαを含むピークは、加水分解していないアルコキシシラン、およびアルコキシシランの一部または全てのアルコキシル基が加水分解した加水分解物であり、かつ、Si−O−Si結合を持たない単量体として存在する成分に由来するピークである。このピークよりも保持時間の短い領域に現れるピーク群は、一部または全てのアルコキシル基が加水分解し、かつ、縮合が進行してシロキサン結合を有し、2量体以上で存在する成分に由来するピーク群である。図2のようにαを含むピークのうち、αを除外した面積をγとする。γはシラン化合物中の加水分解成分のうち、Si−O−Si結合を持たない単量体として存在する量である。
2.BET比表面積による単位面積当たりの炭素量の算出方法
本発明における処理磁性体のBET比表面積による単位面積当たりの炭素量は、用いた
処理磁性体のBET比表面積及び炭素量(炭素・硫黄分析装置)を測定し、それらの数値を用い、炭素量をBET比表面積で除して算出する。
2−1.BET比表面積の測定方法
以下に処理磁性体のBET比表面積の測定方法を記載する。
BET比表面積の測定は、脱ガス装置バキュプレップ061(マイクロメソティック社製)、BET測定装置ジェミニ2375(マイクロメソティック社製)を用いて行った。本発明におけるBET比表面積は、多点法BET比表面積の値である。具体的には、以下のような手順で行う。
空のサンプルセルの質量を測定した後、処理磁性体を0.5g秤量して充填する。さらに、脱ガス装置に、試料が充填されたサンプルセルをセットし、室温で12時間脱ガスを行う。脱ガス終了後、サンプルセル全体の質量を測定し、空サンプルセルとの差から試料の正確な質量を算出する。次に、BET測定装置のバランスポートおよび分析ポートに空のサンプルセルをセットする。所定の位置に液体窒素の入ったデュワー瓶をセットし、飽和蒸気圧(P0)測定コマンドにより、P0を測定する。P0測定終了後、分析ポートに脱ガス調製されたサンプルセルをセットし、サンプル質量およびP0を入力後、BET測定コマンドにより測定を開始する。後は自動でBET比表面積が算出される。
2−2.炭素量の測定方法
以下に処理磁性体の炭素量の測定方法を記載する。
処理磁性体について、HORIBA製 炭素・硫黄分析装置 EMIA−320Vにて
単位重量あたりの炭素量を測定した。スチレン溶出前後の炭素量値を用いて、スチレンへの溶出率を算出した。なお、EMIA−320V測定時のサンプル仕込み量は0.200gとし、助燃剤としてはタングステンとスズを用いた。
3.BET比表面積による単位面積当たりの水分吸着量の算出方法
本発明における処理磁性体のBET比表面積による単位面積当たりの水分吸着量は用いた処理磁性体のBET比表面積及び水分吸着量(カールフィッシャー電量滴定法)を測定し、それらの数値を用い、水分吸着量をBET比表面積で除して算出する。尚、BET比表面積は2−1.で説明した測定方法を用いる。
3−1.水分吸着量の測定方法
以下に処理磁性体の水分吸着量の測定方法を記載する。
水分吸着量の測定においては、まず処理磁性体を温度30℃湿度80%の環境に72時間放置した後に下記測定装置にて測定した。
水分吸着量の測定は平沼産業社製の水分測定装置を使用した。具体的には、微量水分測定装置AQ−2100、自動加熱気化水分測定システムAQS-2320、自動水分気化
装置SE320を組み合わせて用い、カールフィッシャー電量滴定法によって処理磁性体中の水分量を測定した。測定方式は待ち時間(INTERVAL)制御方式を採用し、設定時間を40秒とし、加熱温度は120℃、処理磁性体の仕込み量は2.0gとした。
4.メタノール濡れ性の測定方法
本発明においては、処理磁性体のメタノール濡れ性は、下記のようにして得たメタノール滴下透過率曲線から求める。
まず、メタノールX体積%と水Y体積%とからなる含水メタノール液70mlを、直径5cm、厚さ1.75mmの円筒型ガラス容器中に入れ、その測定用サンプル中の気泡等を除去するために超音波分散器で5分間分散を行う。
次いで、処理磁性体を目開き150μmのメッシュで振るい、メッシュを通った処理磁性体0.1gを精秤して、上記含水メタノール液が入れられた容器の中に添加し、測定用
サンプル液を調製する。
そして、測定用サンプル液を粉体濡れ性試験機「WET−100P」(レスカ社製)にセットする。この測定用サンプル液を、マグネティックスターラーを用いて、6.7s−1(400rpm)の速度で攪拌する。尚、マグネティックスターラーの回転子として、フッ素樹脂コーティングされた、長さ25mm、最大胴径8mmの紡錘型回転子を用いる。
次に、この測定用サンプル液中に、上記装置を通して、メタノールを1.3ml/minの滴下速度で連続的に添加しながら波長780nmの光で透過率を測定し、図1に示したようなメタノール滴下透過率曲線を作成する。尚、メタノールX体積%と水Y体積%で調製した溶液のメタノールの初期濃度は、処理磁性体の50%透過率に到達するメタノール濃度に対して15%低くなるよう、XとYの値を調整する。
以下、本発明を製造例及び実施例により更に具体的に説明する。なお、以下の配合における部数は全て質量部を示す。
<未処理の磁性体の製造>
硫酸第一鉄水溶液中に、鉄元素に対して1.0当量以上1.1当量以下の苛性ソーダ溶液、鉄元素に対してケイ素元素換算で1.5質量%のケイ酸ソーダを混合し、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製した。
水溶液をpH9.0に維持しながら、空気を吹き込み、80℃以上90℃以下で酸化反応を行い、種晶を生成させるスラリー液を調製した。
次いで、このスラリー液に当初のアルカリ量(苛性ソーダのナトリウム成分)に対し1.0当量となるよう硫酸第一鉄水溶液を加えた。その後、スラリー液をpH8.0に維持して、空気を吹込みながら酸化反応をすすめ、磁性酸化鉄を含むスラリー液を得た。このスラリーをろ過と洗浄を行った後、再びろ過をした。その後、解砕、乾燥を行い、未処理の磁性体を得た。
<シラン化合物水溶液1の調製>
n−ヘキシルトリメトキシシラン20質量部をイオン交換水80質量部に対して攪拌しながら滴下した。その後、この水溶液をpH5.7、温度45℃に保持し、T.K.ホモディスパー(プライミクス(株))を用いて0.46m/sで180分分散させて加水分解を行い、シラン化合物1を含有するシラン化合物水溶液1を得た。このシラン化合物水溶液1の物性を測定したところ、加水分解率は90%、シロキサン率は5%だった。得られたシラン化合物水溶液1の物性を表1に示す。
<シラン化合物水溶液2〜13の調製>
シラン化合物水溶液1の調製において、表1に記載するアルコキシシランの種類、加水分解時間、水溶液のpH、加水分解温度を調整したこと以外はシラン化合物水溶液1の製造と同様にして、シラン化合物2〜13を含むシラン化合物水溶液2〜13を得た。得られたシラン化合物水溶液2〜13の物性を表1に示す。
Figure 0005451161
<処理磁性体1の製造>
未処理の磁性体100質量部をヘンシェルミキサー(FM−10C、三井鉱山(株))に入れ、34.5m/sで分散しながら、5.0質量部のシラン化合物水溶液1を噴霧して加えた。そのまま10分間分散させた後、シラン化合物水溶液1を吸着した磁性体を取り出し、160℃で8時間乾燥機中に静かに置いてシラン化合物1の縮合反応を進行させた。その後、目開き100μmの篩を通過した磁性体を処理磁性体1として得た。この処理磁性体1の物性を測定したところ、単位面積当たりの炭素量が0.122g/m、メタノール濡れ性が68%、水分吸着量が0.19mg/mだった。得られた処理磁性体1の物性を表2に示す。
<処理磁性体2〜14の製造>
処理磁性体1の製造において、表2に記載するシラン化合物水溶液2〜13を用い、処理磁性体1の製造と同様にして、処理磁性体2〜14を得た。得られた処理磁性体2〜14の物性を表2に示す。
<処理磁性体15の製造>
処理磁性体1の製造において、シラン化合物水溶液1を用いる代わりに未処理の磁性体100質量部に対して未加水分解のn−ヘキシルトリメトキシシラン1.6質量部を処理剤として使用したこと以外は処理磁性体1の製造と同様にして、処理磁性体15を得た。得られた処理磁性体15の物性を表2に示す。
<処理磁性体16の製造>
処理磁性体1の製造において、シラン化合物水溶液1を用いる代わりに未処理の磁性体100質量部に対して未加水分解のイソブチルトリメトキシシラン1.8質量部を処理剤として使用したこと以外は処理磁性体1の製造と同様にして、処理磁性体16を得た。得られた処理磁性体16の物性を表2に示す。
<処理磁性体17の製造>
処理磁性体1の製造において、シラン化合物水溶液1を用いる代わりに未処理の磁性体100質量部に対して未加水分解のエチルトリメトキシシラン2.0質量部を処理剤として使用したこと以外は処理磁性体1の製造と同様にして、処理磁性体16を得た。得られた処理磁性体16の物性を表2に示す。
Figure 0005451161
<磁性トナー1の製造>
イオン交換水720質量部に0.1モル/l−NaPO水溶液450質量部を投入し60℃に加温した後、1.0モル/l−CaCl水溶液67.7質量部を添加して分散安定剤を含む水系媒体を得た。
・スチレン 74質量部
・n−ブチルアクリレート 26質量部
・ジビニルベンゼン 0.55質量部
・飽和ポリエステル樹脂 10質量部
(Mn=11,000、Mw/Mn=2.6、酸価=12mgKOH/g、Tg=72℃)
・荷電制御剤(アゾ染料の鉄錯体:T−77(保土ヶ谷化学社製) 1質量部
・処理磁性体1 90質量部
上記処方をアトライター(三井三池化工機(株))を用いて均一に分散混合した。これを60℃に加温し、そこにHNP−51(日本精蝋社製)15質量部を添加した。そして、窒素雰囲気下で60℃に保ちながらT.K.ホモディスパーを用いて0.46m/sで
3時間攪拌して混合溶解し、これに重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)3質量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
前記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、70℃、窒素雰囲気下においてTK式ホモミクサー(プライミクス(株))にて18.8m/sで10分間撹拌し、造粒した。その後パドル撹拌翼で撹拌しつつ、70℃で6時間反応させた。反応終了後、懸濁液を冷却し、塩酸を加えて分散安定剤を溶解し、ろ過、水洗、乾燥して磁性トナー粒子1を得た。得られた磁性トナー粒子1を分析したところ、結着樹脂100質量部を含有していた。
この磁性トナー粒子1を100質量部と、疎水性シリカ微粉体1.2質量部とをヘンシェルミキサーFM−10Cで混合し、重量平均粒径(D4)が7.0μmの磁性トナー1を得た。
<磁性トナー2〜5の製造>
磁性トナー1の製造において、処理磁性体1の代わりに処理磁性体2〜5を用いたこと以外は磁性トナー1の製造と同様にし、磁性トナー2〜5を得た。
<磁性トナー6の製造>
<樹脂微粒子分散液の調製>
攪拌機および温度計を備えた反応装置に、窒素を導入しながら下記を仕込んだ。
・1,4−ブタンジオールとアジピン酸を原料とするポリエステルジオール
76質量部
・シクロヘキサンジメタノール 14質量部
・2,2−ジメチロールプロパン酸 35質量部
・3−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−1−プロパンスルホン酸ナトリウム
4質量部
・イソホロンジイソシアネート 107質量部
・ヘキサメチレンジイソシアネート 14質量部
・トリエチルアミン(ウレタン化反応の触媒) 3質量部
・アセトン 250質量部
50℃に加熱し、15時間かけてウレタン化反応を行い、ヒドロキシル基末端ウレタン樹脂溶液を調製した。ウレタン化反応終了時のイソシアネート基含有率は0%であった。40℃に冷却後、2,2−ジメチロールプロパン酸のカルボキシル基を中和するため、トリエチルアミンを当量である26質量部添加、混合し、反応混合物を得た。反応混合物の一部を乾燥させてウレタン樹脂を得た。この反応混合物をTKホモミクサーを用いて16.4m/sで攪拌しながら、水1000質量部中に注ぎ乳化させた後、ビーカーに移し、撹拌翼で乳化物をまわしながらドラフト内で1日放置し、ポリウレタン樹脂エマルションである樹脂微粒子分散液を得た。
<ポリエステルの調製>
冷却管、窒素導入管および攪拌機のついた反応容器中に、下記を投入した。
・1,4−ブタンジオール 928質量部
・テレフタル酸ジメチルエステル 776質量部
・1,6−ヘキサン二酸 292質量部
・テトラブトキシチタネート(縮合触媒) 3質量部
160℃で窒素気流下、生成するメタノールを留去しながら8時間反応させた。ついで210℃まで徐々に昇温させながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに20mmHgの減圧下にて1時間反応させた。ついで160℃まで冷却し、無水トリメリット酸173質量部および1,3−プロパン二酸125質量部を加え、常圧密閉下2時間反応後、200℃常圧で反応させ、軟化点が160℃になった時点で取り出した。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕、粒子化し、非
線形ポリエステル樹脂であるポリエステルを得た。
<ポリエステル樹脂溶液の調製>
攪拌羽つきの密閉性容器に酢酸エチルを投入し、攪拌しながら上記ポリエステルを入れ室温で3日攪拌することでポリエステル樹脂溶液を調製した。樹脂含有量は50質量%であった。
<ワックス分散液の調製>
・カルナバワックス(融点81℃)(カルナバ−1) 20質量部
・酢酸エチル 80質量部
上記を攪拌羽根突きのガラスビーカー(IWAKIガラス製)に投入し、系内を70℃に加熱することでカルナバワックスを酢酸エチルに溶解させた。ついで、系内を緩やかに攪拌しながら徐々に冷却し、3時間かけて25℃にまで冷却させ乳白色の液体を得た。この溶液を1mmのガラスビーズ20質量部とともに耐熱性の容器に投入し、ペイントシェーカー(東洋精機製)にて3時間の分散を行い、ワックス分散液を得た。
<液状トナー組成物(油相)の調製>
・ワックス分散液 50質量部
(カルナバワックス固形分:20%)
・処理磁性体1 75質量部
・ポリエステル樹脂溶液 160質量部
(樹脂固形分:50%)
・トリエチルアミン 0.5質量部
・酢酸エチル 14.5質量部
上記溶液を容器内に投入し、ホモディスパーを用いて0.46m/sで30分間攪拌・分散した。更に、上記溶液を常温下で超音波分散器により30分間分散させることにより油相を調製した。
<水相の調製>
容器に下記を投入し、TKホモミクサーを用いて16.4m/sで1分攪拌し、水相を調製した。
・イオン交換水 200.5質量部
・樹脂微粒子分散液 50.0質量部
(トナー母粒子100質量部に対して、樹脂微粒子10.0質量部)
・ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの50%水溶液
(エレミノールMON−7、三洋化成工業製) 25.0質量部
・酢酸エチル 30.0質量部
<乳化及び脱溶剤工程>
上記水相中に油相を投入し、TKホモミクサーを用いて16.4m/sで、1分間攪拌を続け、油相を懸濁させた。ついで、容器に攪拌羽をセットし、攪拌しながら系内を50℃に昇温し、かつ500mmHgに減圧した状態で5時間かけて脱溶剤を行い、磁性トナー粒子の水分散液を得た。
<洗浄〜乾燥工程>
ついで、上記の磁性トナー粒子の水分散液をろ過し、イオン交換水500質量部にリスラリーした後、系内を攪拌しつつ、系内がpH4になるまで塩酸を加えて、5分間攪拌した。上記スラリーを再度ろ過し、イオン交換水200質量部添加し5分間攪拌する操作を3回繰り返すことで、系内に残存したトリエチルアミンを除去し、磁性トナー粒子のろ過ケーキを得た。上記ろ過ケーキを温風乾燥機にて45℃で3日間乾燥し、目開き75μm
メッシュでふるい、磁性トナー粒子6を得た。
<外添工程>
この磁性トナー粒子6を100質量部と、疎水性シリカ微粉体1.2質量部とをヘンシェルミキサーFM−10Cで混合し、重量平均粒径(D4)が7.0μmの磁性トナー6を得た。
<磁性トナー7〜18の製造>
磁性トナー1の製造において、処理磁性体1の代わりに処理磁性体6〜17を用いたこと以外は磁性トナー1の製造と同様にし、磁性トナー7〜18得た。
[実施例1]
<画像形成装置>
画像形成装置として、LBP−3000を改造して図3と同様のものを用いた。静電潜像担持体(感光体)100に、帯電部材として導電性カーボンを分散しナイロン樹脂で被覆した帯電ローラ117を当接させ(当接圧60g/cm)、直流電圧−620Vに交流電圧2.0kVppを重畳したバイアスを印加して、感光体上を一様に帯電する。帯電に次いで、レーザー光123で画像部分を露光することにより静電潜像を形成する(暗部電位Vdは−600Vであり、明部電位VLは−120V)。
感光体100と現像スリーブ102との間隙は280μmとし、磁性トナー担持体として、表面をブラストした直径12mmのアルミニウム円筒上に、下記の構成の層厚約7μm、JIS中心線平均粗さ(Ra)0.95μmの樹脂層を形成した現像スリーブ102を使用した。また、磁性トナー規制部材(図示せず)として厚み1.0mm、自由長0.70mmのウレタン製ブレードを19.6N/m(20g/cm)の線圧で当接させた。・フェノール樹脂 100質量部
・グラファイト(粒径約7μm) 90質量部
・カーボンブラック 10質量部
次いで、現像バイアスとして直流電圧Vdcは−420V、重畳する交番電界として1.6kVpp、周波数2400Hzを用いた。
この条件において、磁性トナー1を使用し、常温常湿環境下(23℃、60%RH)、高温高湿環境(33℃、80%RH)、および(低温低湿環境(15℃、10%RH)において50枚の画出し試験を行った。なお、記録媒体としてはLTRサイズの70g/mの紙を使用した。その結果、各環境において50枚時点で評価を行い、カブリ・転写性が良好で画像濃度が1.50以上であり、高精彩な画像を得ることが出来た。評価結果を表3に示す。また、表3及び4に示した各評価項目の評価方法・評価基準について以下に述べる。
<画像濃度>
画像濃度はベタ画像部を形成し、このベタ画像をマクベス反射濃度計(マクベス社製)にて測定を行った。
A:非常に良好(1.50以上)
B:良好(1.40以上1.49未満)
C:普通(1.30以上1.39未満)
D:悪い(1.29以下)
<カブリ>
白画像を出力し紙上カブリの測定を行い、以下の基準で判断した。なお、カブリの測定は、東京電色社製のREFLECTMETER MODEL TC−6DSを使用して測定した。フィルターは、グリーンフィルターを用い、カブリは下式より算出した。
カブリ(%)=標準紙の反射率(%)−白画像を出力したサンプルの反射率(%)
なお、カブリの判断基準は以下の通りである。
A:非常に良好(1.5%未満)
B:良好(1.5%以上、2.5%未満)
C:普通(2.5%以上、4.0%未満)
D:悪い(4.0%以上)
<転写性>
感光ドラムから転写紙へのトナー像の転写率は、感光ドラム上に形成されたトナー像を透明な粘着テープで採取し、その画像濃度をマクベス反射濃度計で測定した。次に、再度トナー像を感光ドラムに形成し、トナー像を転写紙へ転写し、感光ドラム上の採取したトナー像に対応する転写紙上のトナー像を透明な粘着テープで採取し、同様にしてその画像濃度を測定した。転写率は下記式から算出した。
転写率(%)=(転写紙上から採取したトナー像の画像濃度)/(感光体上から採取したトナー像の画像濃度)×100
なお、転写性の判断基準は以下の通りである。
A:非常に良好(90%以上)
B:良好(80%以上89%未満)
C:普通(70%以上79%未満)
D:悪い(69%未満)
[実施例2〜14]
磁性トナー2〜13を用い実施例1と同様に画出し試験を行った。その結果、いずれの磁性トナーも実用上問題ないレベル以上の画像が得られた。評価結果を表3に示す。
Figure 0005451161
[比較例1]
磁性トナー15を用い磁性トナー1と同様に画出し試験を行った。その結果、磁性トナ
ー15を使用した比較例1では、高温高湿環境および常温常湿環境における画像濃度が劣り、低温低湿環境におけるカブリが悪い評価結果が得られた。評価結果を表4に示す。
[比較例2〜4]
磁性トナー16〜18を用い磁性トナー1と同様に画出し試験を行い、比較例2〜4の評価を行った。評価結果を表4に示す。
Figure 0005451161
100 感光体(像担持体、被帯電体)
102 現像スリーブ(磁性トナー担持体)、内部にマグネットを含む
114 転写ローラー(転写部材)
116 クリーナー
117 帯電ローラー(接触帯電部材)
140 現像器

Claims (6)

  1. 結着樹脂及び処理磁性体を含有する磁性トナー粒子と、
    無機微粒子と
    を有する磁性トナーを製造する磁性トナーの製造方法であって、
    前記製造方法が、
    アルコキシシランを含有するpH3.0以上6.5以下の水溶液において前記アルコキシシランを分散させ、加水分解率が50%以上となるように前記アルコキシシランの加水分解を行い、アルコキシシランの加水分解物であるシラン化合物を得る工程(1)、
    前記工程(1)で得られたシラン化合物を用いて気相中で磁性体を疎水化処理し、処理磁性体を得る工程(2)、及び、
    前記工程(2)で得られた処理磁性体を用いて水系媒体中で磁性トナー粒子を製造する工程(3)
    を有することを特徴とする磁性トナーの製造方法
  2. 前記水溶液のpHが、3.3以上6.1以下である請求項1に記載の磁性トナーの製造方法。
  3. 前記処理磁性体表面のBET比表面積による単位面積当たりの炭素量が0.050g/m以上0.100g/m以下である請求項1または2に記載の磁性トナーの製造方法
  4. タノールと水の混合溶媒に前記処理磁性体を添加した溶液を、波長780nmの光で測定したメタノール滴下透過率曲線において、前記溶液の透過率が50%に到達したときのメタノール濃度が40体積%以上80体積%以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の磁性トナーの製造方法
  5. 前記処理磁性体表面のBET比表面積による単位面積当たりの水分吸着量が0.30mg/m以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の磁性トナーの製造方法
  6. 記シラン化合物中の加水分解されたアルコキシシランのうち、シロキサンとして存在
    する割合が40%以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載の磁性トナーの製造方法
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